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和平の道筋を提起できないオバマの無策!

オバマの非介入戦略は「息継ぎの和平」であり、同時にノーベル賞を貰った後遺症かと当初思ったが、どう考えてもオバマは地球上を混乱に巻き込もうとしているとしか見えない。単に非介入なら同時に混乱を押さえる外交が可能なのに、どう見てもオバマは中東もアジアも永続的武器市場にしようとしているようにしか見えない。

中東では、アメリカは混乱を長引かせようとしており、イスラム過激派をせん滅する気が本当にあるのか疑わしい。当初イスラム原理主義を育成したのはアメリカであった。武器を支給し、ゲリラを訓練し、支援した。アメリカが支援したはずのシリアの反政府勢力は一向に勢力を拡大していないし、支援した武器が何処に流れたかもわからないのである。

オバマが当初シリア空爆を止めたのも、最近のロシア軍のシリア政府軍支援を容認しているのも、シリアの内戦が長く続くことを期待してではないかと思えてくる。アジアでもオバマは中国覇権主義が南シナ海で拠点を築き、東南アジアへの影響力を拡大するのを傍観していた。最近南シナ海に駆逐艦を1隻入れたが、空母は投入できなかった。なにもしないことへの批判をかわすアリバイ的軍事行動でしかない。

冷戦が終わり世界の武器市場が急激に半分以下に縮小し、アメリカの軍需産業に大きな打撃となり、アメリカ経済が長期の不況となって、危機感からブッシュが始めた「反テロ戦争」と、その後のオバマの撤兵とイランへの融和策が、中東を宗派対立と内戦の泥沼に導き、結果巨大な武器市場にする事が狙いであったことが理解できる。それでアメリカ経済が息を吹き返しても、それ以上に重要な力関係の変化が表れていることが、オバマには見えていないように思える。

中央アジアと中東でロシアが国境線の軍事力による変更に踏み込み、アジアでは中国拡張主義が大規模な軍拡に乗り出している。安保理の常任理事国のロシアと中国の軍事的・経済的台頭は、国連を役立たずに変え、欧州は多数の難民で危機に瀕し、両国はアメリカの覇権の一角を崩しつつあり、世界は多極化の時代に移行しつつあるように見える。ロシアのプーチンの核恫喝はNATOの圧力に追いつめられたものであるが、中国のアジアアインフラ投資銀行は、明らかにアメリカのドル支配への挑戦である。

オバマは武器市場の拡大だけを見て、結果ロシアと中国の軍事的台頭を許していることを重視していない。世界に新しい敵(=イスラム原理主義)を育成し、中東とアフリカを混乱に導き、巨大な武器市場としても、その混乱の中でロシアと中国の地域覇権国を生みだし、今や世界市場は荒れ放題である。しかも事態は世界の混乱が拡大する方向に流れているのに、オバマが覇権国としての世界の和平の道筋を提起できていないことを指摘しなければならない。

重大なのはアメリカが大統領選の時期に入り、それは政治空白の次期に入りつつあることであり、従って世界の主導権は中国覇権主義とロシアの手に有ることだ。世界の混乱は今後一年以上激化すると見るべきである。世界的規模での経済危機が激化する可能性もある。
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