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激化する欧州とアメリカの経済覇権めぐる対立!

EUの通貨統合・ユーラシア経済連合、東欧への拡大、さらにはロシアの経済的結びつきは、EUがアメリカを超える一大市場を手に入れることであった。EUの対ロシア貿易はアメリカの対ロシア貿易の10倍の規模に膨れた。ユーロが確実にドルを超える存在になりはじめた。

ロシアのオリンピックの隙をついて、アメリカはウクライナの野党に資金援助してクーデターをしかけた。ロシアの下腹にアメリカが軍事拠点を築くことでロシアのプーチンを地政学的利益に目覚めさせた。プーチンはクリミア半島を併合し、ウクライナ東部に拠点を築いた。ロシアは戦略核兵器の再建に着手し、アメリカの思惑通り旧ソ連圏の地政学的利益の再建を考え始めた。

アメリカはこうしてEUのユーラシア経済連合にくさびを打ち込み、EUを対ロ経済制裁に巻き込んだ。対ロシア貿易がアメリカとロシアの10倍である分、EUの制裁の経済的打撃は大きかった。今年1月フランスのオランド大統領は対ロシア経済制裁を終わらせるよう呼び掛けた。これに対しオバマのアメリカは、ウクライナへの武器支援と東欧諸国への重火器の先行配備を表明した。アメリカはあくまでもEUとロシアを「冷戦状態」=対立関係へと導こうとしている。

欧州諸国はウクライナ危機の背後にアメリカの利己的な戦略的利益が隠されている事に気付いている。ワシントンの戦略が欧州とロシアの経済関係を断ち、軍事的対立へと向けようとしていることは明らかである。

今年3月12日イギリスが、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加を表明し全世界に衝撃が走った。その後ドイツ、フランス、イタリア、スイス、ルクセンブルグがAIIBへの参加を決めた。欧州が一致してアメリカの経済覇権に逆らったのである。アメリカはユーラシア経済連合の戦略を妨害し、欧州は中国をユーラシア経済連合に巻き込むことで反撃したのである。

アメリカのTPP参加が議会の反対で行き詰まりを見せている時に、欧州のAIIB参加は裏切りにも似た行動であった。オバマは怒り中国の南シナ海の埋め立てに遅ればせながら中止を要求した。中国が埋め立ての終了を発表したのは、中米間の経済関係を当面維持するためであった。

アメリカは現象的にはアメリカとロシアの軍事的対立に見せているが、本質はアメリカと欧州の経済戦略をめぐる対立なのである。ユーロ圏とドル圏の覇権をかけた経済圏の囲い込み争いが激化していることを見て取るべきである。アメリカのオバマが経済戦略であるTPPで議会の承認が得られない点に没落するアメリカの弱さが表れている。

欧米とアメリカの対立の背後で中国拡張主義が大軍事力増強に着手し、「漁夫の利」に有りつこうとしている点を見逃してはいけないのである。アメリカがロシアを中国の方に追いやったことで日本の安全保障が危機に直面している。日本はロシア外交を転換して2正面戦略を回避しなければならない局面となった。
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