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世界で何処の国の戦略が成功しつつあるかを見よ!

世界情勢を分析的に見るとアメリカは全世界で外交につまずき、中国、イラン、ロシアが地域覇権国の地位を固めつつあることが分かる。

オバマ外交の間違いはロシア・中国を資本主義化出来ると信じていることである。これら2国は旧党官僚の支配する国家資本主義であり、1党支配の残滓を残している。オバマは最近までロシアと中国を旧ユーゴスラビアのように分割したうえで資本主義化出来ると信じていた節がある。中国も時間がたてば民主化出来ると考えていたのである。

中東は宗派戦争が激化し、イランが主導権を保持しつつある。中央アジアではロシアがウクライナの拠点を支配下に置き、アジアでは中国が設立時の資本金500億ドル(約6兆円)でアジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立し、これに欧州や韓国、オーストラリア等を取り込んで、今やアジアの盟主の地位を確立している。

中国は鉄鋼、セメント、家電、電子機器、衣料など、膨大な余剰生産能力を抱えており、内需が不振の中でこれらの輸出策としてAIIBの融資を活用しようとしている。つまりAIIBは中国企業のための融資機関なのである。また中国の戦略は世界的規模で展開されている点を見逃してはいけない。

昨年1年間の中国から中南米への借款が急増し220億ドル(前年比71%増)を記録している。ブラジル、アルゼンチン、ベネズゼラ等が主要な支援国である。中でもベネズゼラには2007年から500億ドルを投入して関係を強化し、中国軍が一部の基地を利用するまで関係が強まっている。

アメリカは自国の「裏庭」を中国に浸食されているのである。ニカラグアの運河建設を見ても中国の中南米への布石が極めて戦略的であることを見ておくべきである。オバマが最近キューバとの関係改善に乗り出したのは、キューバが中南米の反米同盟の政治的柱であることから、遅まきながら中国の戦略への巻き返しなのである。

いまや世界の主導権は中国・ロシア連合が握っており、オバマ外交は世界にアメリカの戦略的後退を印象づけている。オバマの打つ手は後手後手で、主導権は中東ではイランが、中央アジアではロシアが、アジアと中南米では中国が握っているのである。

オバマが嫌い抜いている安倍首相に訪米を促したのは、オバマが世界戦略で中国に対抗するには日本を自己の戦略に組み込む以外ないからに他ならない。オバマは外交的能力は極めて低く、かってのアメリカの同盟国は、いずれも安全保障上の不信感をいだくまでになっている。

日本は戦後70年を機に対米自立を進めるべき時が来ていることを見て取るべきである。
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