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習近平の過剰な超大国意識が戦狼外交を促す

アメリカのインド太平洋軍は5月30日、南シナ海上空で中国軍の戦闘機が26日、国際空域で通常任務をしていた米軍機に対して「不必要に攻撃的な作戦を行った」と明らかにした。インド太平洋軍の声明によると、中国の戦闘機「殲16」が、米空軍の偵察機RC135の機首の前方を飛行した。偵察機は後方乱気流の中を飛行せざるを得なかったという。中国軍はフィリピン艦船に武器照準レザーを照射し、日本の尖閣諸島近海では領海侵犯を繰り返している。南シナ海では中国艦船が、ベトナムやインドネシアで漁船に対する妨害・迫害を続けている。

バイデン政権がシンガポールでの6月の国際会議にあわせ、米中の国防相による会談を提案したが、中国側が拒否した。アメリカ国防総省が29日、明らかにした。中国側は、李尚福国務委員兼国防相にアメリカが制裁を科していることに反発している。アメリカは偶発的な軍事衝突を避けるためにも意思疎通の維持を目指してきたが、米中関係は、国防トップの対話もままならない緊張が続いている。習近平ファシスト政権は経済政策の失敗で内に独裁、外に戦狼外交を展開し、緊張の激化を必要としている。

アメリカ財務省は30日、致死性の高い合成ドラッグ「フェンタニル」の密売をめぐり、商標を偽造するための機器の販売に関与したとして、中国とメキシコに拠点を置く17の企業・個人に経済制裁をかけると発表した。アメリカでは薬物の過剰摂取で年間に約10万人が死亡しており、フェンタニルなど麻薬鎮痛剤「オピオイド」が主な原因になっている。

中国企業はシナロア・カルテルによるフェンタニル製造に使われると知りながら、原材料となる化学物質を中国の工場からメキシコに輸出していたという。アメリカ麻薬取締局(DEA)は22年に錠剤で5700万錠以上、粉末状で1万3000ポンド(約5900キログラム)以上のフェンタニルを押収した。合計で約4億1000万人分の致死量に相当するという。
これが事実なら、中国は清朝時代にイギリス帝国主義が行った中国への麻薬売買と同じ蛮行を行っていることになる。中国からの薬物流入に日本も警戒が必要である。

報道によれば、中国の清華大が中国人の国際安全保障観に関する世論調査の結果を発表した。ロシアへの好感度が最も高く、ウクライナ侵攻について西側諸国の責任を問う声が8割を占めた。習近平指導部はウクライナ情勢を巡り公には中立的立場と主張するが、ロシア寄りの報道が中国国内に深く浸透する実態が明らかとなった。

同報道では、中国と関係の深い主要国・地域の印象を問う設問で、「好ましい」の回答はロシアが58・4%と最多。続く東南アジアの20・3%、欧州連合(EU)の17・4%を大きく上回った。「好ましくない」が多かったのは、アメリカが59・1%、日本が57・5%。国境紛争を抱えるインドも50・6%に上った。これは中国国内での報道が独裁国家に好意的で、極めて偏った報道が行われている反映であることを示している。日本が好ましくないと考える人が57・5%に達しているのは、反日テレビドラマの影響と思われるが、それは彼らが日本を仮想敵と見ていることを示している。

最近の中国は北朝鮮の国連決議違反の弾道ミサイル実験に好意的であり、中東の古臭い王政の政権に食い込み、イランのような古代的宗教独裁国家と団結し、まるで「敵の敵は味方」であるとばかりに、世界中で独裁政権を友好国としている。またインド洋への出口を求め、インド領を西部と東部で侵略戦争を進め、ウクライナ戦争に付け込んで、シベリアへの経済浸透を強め、東シナ海と南シナ海を自国の管轄海域として砲艦外交を実践している。

また中国はインドシナ半島の独裁政権を支持し浸透している。さらに習近平ファシスト政権は、超大国願望を持ち、世界の尊敬を得ようとして戦略核ミサイル1000基体制を目指し、核ミサイル基地の増設を続けている。さらには海洋強国を目指して艦船の大量建造も続けている。習近平ファシスト政権の軍事強国路線は、歴史的に例がない規模で進んでおり、その脅威は侮れない。アジア諸国は備えを強めなければならない。
#習近平ファシスト政権 #戦狼外交
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日銀は亡国の政策=インフレ政策をやめよ!

日銀が29日発表した2022年度決算によると、日銀が保有する国債の時価が簿価を下回り、3月末時点で1571億円の評価損となった。評価損は06年3月末以来17年ぶり。長期金利の上昇で国債の時価が下落したことが響いた。

日本銀行が持つ国債の残高が、再び過去最大を更新した。欧米が利上げを加速させる中でも、大規模金融緩和を続け、金利を低く押さえつけてきたためだ。そのリスクは、マグマのようにたまっている。報道によると日銀は、過去に大量買いした上場投資信託(ETF)をどう手放していくのかという難題も抱えているという。

 日銀が29日公表した2022年度決算によると、同年度末時点の保有国債は前年度末比10・6%増の581兆7206億円で、発行済み国債の半分以上を日銀が引き受けていることになる。欧米はインフレを抑えようと利上げを急いでいるが、日銀は金融緩和の柱として、国債を買って長期金利をゼロ%程度に抑え込むインフレ政策を続けた。こうして日銀の国債保有額は過去最大となった。日銀の黒田東彦前総裁は2月の国会答弁で、保有する国債の評価損が22年12月末時点で約8.8兆円になったとの試算を明らかにしていた。

政府・日銀はゾンビ企業を助けるためにゼロ金利を続けている。ゼロ金利を続けるということは国民の預貯金の利子部分を収奪するということだ。日銀が581兆7206億円も国債を保有するということは、いつかハイパーインフレが起き、国民の老後の資金である預貯金が紙切れになるということだ。このようなことを続けて株価を引き上げても、それはバブルに過ぎない。実体経済は何もよくなっていないのである。

自公政権は既得利益集団の利益を図っているのだが、資本主義経済は生産性の低い企業が淘汰されるのは当然で、それが起きるから設備投資が促されるのである。資本主義の自由競争では、ゼロ金利を続けて、ゾンビ企業を助けるのはほどほどにしないと、国が亡びることになる。

そもそもデフレ(経済の縮小再生産)は労働者の賃金を抑制しすぎて、物が売れなくなるから物価が下がるのである。デフレ対策と称して2%のインフレ政策を行う行為は愚策で、経済が分かっていないことを示すものである。反労組・反ストライキの間違った政策をやめ、労働者の経済闘争が起きるようにすれば賃金は上がり、したがって需要が継続的に拡大し、設備投資が起き、生産性が上がり、国民経済が成長していくことになる。デフレは強欲の資本主義の政策をやりすぎて、需要が縮小するところから起きる。したがって日銀が国債を引き受けて、インフレ政策を執っても解決できないのである。

以上の事から、日本経済を破壊し、円安にして輸出企業の利益を膨らませる政策=アベノミクスは完全な間違った政策であり、隣国の宗教団体にコントロールされた一強政治家の「亡国の政策」なのである。自公政権は、アメリカ占領軍が日本経済再建のために行った戦後改革、とりわけ労働改革=労組の経済闘争が、経済成長に果たす役割を理解し、強欲の資本主義の政策を改め、経済成長路線に回帰させないと、日本は亡びることになるであろう。そうした意味でアベノミクスを進めた一強政治家は国賊政治家だったのである。
#日銀の国債引き受け #アベノミクス

解散総選挙の流れは変わらない!

朝日新聞社はG7広島サミット後の27~28日に全国世論調査(電話)を実施している。岸田文雄内閣の支持率は46%(前回4月調査は38%)と上昇した。この結果を見て永田町では解散風が吹き始めた。この解散には、日本の株価がアメリカの投資家の買いでバブル以来の高値を付けたのは、岸田首相への追い風となる。

ところがこの世論調査では、岸田文雄首相の長男である岸田翔太郎秘書官が公邸で「親族」(実は仲間?)と忘年会を開いたことについて、どの程度問題だと思うか、聞いたところ「大いに問題だ」は44%と多く、「ある程度問題だ」も32%を占めた。男女差があり、「大いに」と「ある程度」を合わせた「問題だ」は、男性は69%だったのに対し、女性は81%に達した。

また、今国会での解散には、前回選挙から2年ほどしかたっていないこともあり、公明党が反対している。それがあるので議席の10増10減問題で公明党が候補者擁立で自民と対立し、東京では自公の選挙協力を行わないことを決めた。これは自民党議員への強烈な揺さぶりで、岸田首相が解散に踏み切るには、公明党と自民党との信頼関係再構築が避けられないこととなった。

問題は、アメリカにおける金融危機が収まってはおらず。高金利政策の継続で、今年後半には、アメリカで倒産ラッシュが起きる。当然日本経済も景気が悪くなりそうだ。また今年の年末には防衛費の増税問題もある。増税した後で選挙はできない。となると岸田首相の選択は、今国会での解散・総選挙しかない。

野党がバラバラで、今なら政権の受け皿もできない。つまり政権選択選挙にはならない。支持率が高いので自民が負ける心配もない。バカ息子が足を引っ張ったり、同盟関係にある公明党が反対したぐらいで、岸田の今国会での解散の流れは変わらないであろう。

岸田の心配は二つある。一つは、維新が全国政党になるチャンスを狙っていることだ。腐敗した自民への反発が、細切れ野党への失望もあり、維新が大躍進する可能性があることだ。しかし、これも維新議員のお粗末極まる暴言やストーカー行為があって、岸田が心配するほどでもなくなった。

二つ目の心配は国民の物価上昇への反発や貧困化だが、これには少子化問題でバラマキをするので心配がなくなった。「連合」労働貴族が自民党に接近していることもあり、岸田の解散には追い風が吹いている。今国会での解散ができないと、今年後半には経済が悪くなり、岸田政権は短命となるであろう。野党が政権の受け皿で団結する可能性が皆無なので、今国会での解散は確定的とみた方がいい。
#解散総選挙

戦争挑発の失敗で焦るウクライナ政府!

新聞報道によれば、ロシアのクレムリンへの攻撃について、ニューヨーク・タイムズは24日、ウクライナの特殊軍事部隊か情報部隊が計画した可能性が高いという複数の米当局者の見方を報じた。ロシアに攻撃を拡大させる口実を与えたくない米国は、こうした一連の秘密作戦に懸念を抱いているとしている。(朝日新聞)

米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」によると、ロシア人からなる「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団」が22日、ウクライナから国境を越え、露西部ベルゴロド州に侵攻した。両軍団とも「反プーチン」を掲げる、ロシアの反政府組織だという。

ロシア人からなる「自由ロシア軍団」と「ロシア義勇軍団」のウクライナ領からのロシア領内への侵攻は、ウクライナ政府の支援がなければできない。この部隊がアメリカ製の装甲車を使っていることから見て、事実上のウクライナ軍のロシア侵攻である。

ウクライナのジェレンスキー政権は、ウクライナ戦争を拡大したがっており、以前からロシア領内奥深くの複数の空港もミサイル攻撃している。その目的はロシアを挑発し、戦争を拡大すれば、危機感を持つ旧ソ連の諸国(=ポーランドやバルト3国など)や欧米の軍事支援が増えると考えているのである。

これに対し、プーチン政権はこの挑発を今のところ無視している。ウクライナ戦争はもともとウクライナの親ロシア政権を、アメリカが極右クーデターで親米政権を打ち立て、ウクライナ領内のロシア人を弾圧し、またNATO加盟表明でロシアを挑発し、始まった戦争である。初めから現在にまでウクライナ側が挑発して、ロシアのプーチン政権を打倒するために代理戦争を行っている。

しかし、現在ウクライナ戦争に中立の立場を維持している国が、発展途上国の7割もあり、欧米のロシアへの経済制裁は、インドや中国を通じてしり抜けとなり、制裁の効果はなく、逆に欧米が物価の高騰で金融危機に直面し、発展途上国も食糧価格の高騰で危機になり、停戦の声が世界に広がりつつある。ウクライナ政府の焦りが、ロシア領内への攻撃となっている。

ロシアの国民は、ソ連解体時の約束をNATO側が破り、旧東欧諸国をロシアから引きはがした、NATOの軍事基地がロシアに迫ってきた、との被害者意識があり、それゆえプーチンの支持率が80%台を維持しているのである。中東産油国や資源国のほとんどがロシア・中国側に立っており、この戦争を続ければ続けるほど資源の高騰で中国・ロシア側が優位になる構造が出来上がっている。つまりウクライナ戦争は、アメリカ側が画策した代理戦争が失敗しつつあるのである。

来年大統領選挙を控えるバイデン米大統領は、ウクライナへの巨額の軍事支援、戦車やFー16を支援して、早期の戦争の勝利を目指しているが、代理戦争を続ければ続けるほどアメリカ国内の物価の高騰が続き、欧米の金融危機が深刻化し、長く続く物価高でバイデン批判がアメリカ国民の中にも拡大しつつある。欧州諸国も極右が台頭している。

つまりウクライナ戦争を続ければ続けるほど、欧米側が不利になり、中国だけが戦略的利益を享受することとなる。また戦争の継続はウクライナが焦土化なるだけである。ウクライナのジェレンスキー政権の焦りが出るのは当然なのである。とりわけ世界中に高まる「停戦」の声は、ジェレンスキー政権を追い詰めているのである。ジェレンスキーは映画のように、自分が「救国の英雄」になろうとして、このまま国土を荒廃させる戦争を継続すれば、「亡国の徒」となりかねない事態となった。
今後の焦点は、ウクライナ側の軍事攻勢が成功するかどうかである。
#ウクライナ戦争の現局面

最近の日本の株価高騰の理由と先行き!

日本の実体経済が引き続き低迷しているのに、株価がバブル期以降の高値を付けた。その理由を知ることは、日本経済の今後を見る上で重要なことである。

報道によれば、アメリカで投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、これまで日本株を買わなかったが、最近日本の5大商社(三菱商事・伊藤忠・三井物産・住友商事)の株の保有比率を7.4%に高めたと発表したことが、アメリカ人投資家がこぞって日本株買いを始めた理由といわれている。

アメリカの経済は、今は好調だが物価上昇が続き、投資家の中で、今後も利上げが長期化するとの見方もあって、また日米の金利差が開き、外国為替市場では金利の低い円を売ってドルを買う動きが広がり、1ドル=138円台後半の円安となった。円安は日本の輸出企業の利益を膨らませる。高配当狙いの外国投資家には日本株買いは好機である。

円安で日本の輸出企業の業績が押し上げられるとの見方や、好調な日本企業の決算や、企業の株主還元の動きが外国の投資家に好感されたこともあり、19日の東京株式市場では取引開始直後から幅広い銘柄が買われ日経平均は、バブル後の最高値だった2021年9月の3万0670円を上回った。

日本は長期に賃金が上がっていないが、一部上場企業の内部留保が500兆円以上も蓄積していることは、外国投資家には、今後も高配当が期待できるので日本の株を買っている理由の一つである。日本はデフレだったので物価はあまり上がっていないが、アメリカ国内は物価上昇が2年も続いており、バイデン大統領の国民の評判は悪い。物価を抑制しようと金利を上げ続けても、物価の上昇が続き、しかも金融不安が高まっているのに金利を上げ続けている。アメリカの投資家がこぞって日本株買いに目をつけるもう一つの理由である。

つまりアメリカ人投資家が日本株買いに走るのは、日本経済が好調だからではなく、アメリカ経済が、今年後半には不況になり、倒産ラッシュが起きる、そうすると住宅ローンが支払えなくなり、住宅ローン債権が暴落するのが避けられない、つまりアメリカの金融不安はむしろこれからが本番で、アメリカ経済には今は有望な投資先が少ない、というアメリカ側の理由がある。

こうした状況の下では、(1)日本経済が継続的に賃上げし需要を拡大すること(2)内部留保課税を新設して設備投資を促せば、日本経済は成長路線に復帰でき、税の自然増収が期待できるので、防衛力増強のために増税をする必要もなくなる。

しかし日本の財界も政府自民党も、経済成長に対する労組の役割が理解できていないので、反労組、反ストライキの賃上げ抑制のスタンスを変えていないので実質賃金は上がらず、したがって日本経済の低迷・縮小は続く可能性が高い。したがって今回の日本の株高は、一時的なもので終わるであろう。
#日本の株価高騰

中国軍の台湾進攻が必然である理由

「台湾をめぐって米国と中国の戦争は起きない」と主張する人が少なからずいる。その主張は以下のとおりである。
(1)国連安保理の核保有国どうしは戦争しない
(2)アメリカの覇権は崩壊するので中国側は台湾を攻撃する必要がない
(3)台湾が中国を攻撃しない限り戦争にはならない
(4)中国との経済関係は米国にとって重要なので戦争にはならない。等々である。

こうした論陣を張る人は、認識論を理解していないのである。確かに社会主義は侵攻しないが、官僚独裁から個人独裁のファシスト政権に変質している中国は、社会主義国とはもはや言えない。これは官僚独裁下の旧ソ連がアフガニスタンを侵攻したことでもわかる。
一国の変化の根拠は内因であり、その変化を促すのが外因である。中国軍の台湾進攻の可能性を見るなら、中国の内因を分析しないといけない。中国経済の特徴は旧社会主義時の全人民所有制である。つまり中国経済の沿岸部は改革開放で外国企業の輸出基地になりえても、内陸部は社会主義的自給自足経済だから、市場経済にはなりにくい。これは内陸部の産業都市が、いずれも機能せず「新鬼城」と呼ばれる廃墟になっていることでもわかる。

つまり中国政府の改革開放の市場経済化は所有制との矛盾で限界があるということだ。ゆえに中国は国内に投資してもうまく市場経済化が進まないので、海外に投資するほかない。この政策が「一帯一路」であり、中国の発展途上国への融資の金利は5%である。世界の金利の相場は2%である。なぜ中国は高利貸しのような対外貸付をやるのか。それは中国人民の預金が国内的にはあまり運用できないから「一帯一路」で、海外で運用しているからである。国民の貯金の利子を支払わねばならないので、どうしても中国の貸し付けは「債務の罠」と呼ばれる高利となる。

「一帯一路」に基づく中国の発展途上国への融資は、全てがずさんな計画で、ほとんどが失敗しており、経済開発計画が成功している例は少ない。つまり中国の多額の融資は、貸し倒れとなり、将来債権放棄が確実である。そうなると中国政府は、国民の貯金の投資に失敗し、近い将来金融危機に陥ることになる。中国政府が自国国民に、息も詰まる独裁統治をおこなわねばならない理由である。

習近平政権の政策「双循環政策」すなわち内陸部の市場経済化も、対外市場の開拓も、いずれも失敗が確実である。つまり習近平政権は内政上の危機を、台湾への侵攻でごまかさねばならなくなる。中国政府が「台湾は中国の内政問題」と強弁しているのはこのためである。

ファシスト政権が一度軍事侵攻を始めると、とまらなくなるのはナチス・ドイツの経験で明らかであり、ゆえに台湾をめぐる中国の戦争は不可避である。アメリカがこの戦争にどの程度介入するかはわからない。ウクライナのように台湾に代理戦争をやらせるのか、それとも韓国や日本に台湾を支援させるのか、わからないが、アメリカが中国の習近平ファシスト政権の打倒に向かうのは確実である。

なぜなら人口14億人の中国のGDPは世界第2位であり、10年後にはアメリカを追い越すと言われているからだ。アメリカが自ら覇権を放棄するはずがなく、資本主義の不均等発展の法則でブロック化・多極化が進んでも、アメリカはドル支配を維持しようとあがきをやめることはあり得ないのである。

また軍需産業の国であるアメリカは武器の消費である戦争を必要としている。アメリカがウクライナ戦争のように中国を挑発することは避けられない。台湾を中国軍が侵攻するには沖縄も対象としなければ成功はおぼつかない。ゆえに台湾と日本への攻撃は避けられないと見ておくべきである。

こうした台湾をめぐる情勢下で、台湾をめぐる戦争があり得ない、という論調を振りまく3流評論家の無責任を指摘しなければならない。台湾と日本は戦争への備えを怠るべきではない。
#中国軍の台湾侵攻

G7議長国日本に厳重抗議した中国政府の威圧!

中国の強硬な動きへの懸念を示した主要7カ国首脳会議(G7サミット)に対し、中国政府は日本の駐中国大使を呼び出し抗議するなど激しく反発した。国際会議の議長国の駐中国大使を呼び出し抗議するのは異例である。G7サミット最終日の21日、孫衛東・外務次官が日本の垂秀夫・駐中国大使を呼び出し、G7の首脳声明などが「中国を不当に攻撃し、内政に粗暴に干渉した」と抗議した。

孫氏は東・南シナ海、台湾問題、威圧的な経済政策など首脳声明に盛り込まれた中国に対する懸念に逐一反論し、「日本はG7議長国として関係国とグルになって中国を中傷、攻撃し、中国の内政に粗暴に干渉した」と批判。台湾問題について孫氏は「中国の核心的利益の中の核心であり、中日関係の政治的な基礎に関わる。越えてはならないレッドラインだ」「分断と対立をあおるのをやめよ」と主張した。

毛寧報道官は22日の記者会見で、G7サミットが中国の核戦力増強に懸念を示したことにも「非難は完全に偽りだ。中国は一貫して自衛のための核戦略を堅持している」と反発。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は22日付の社説で「G7は『反中国の工場』に落ちぶれた」と非難した。
日本大使館によると、垂大使は孫衛東・外務次官に対し「中国が行動を改めない限り、G7として共通の懸念事項に言及するのは当然であり、将来も変わらないだろう。まずは中国側が前向きな対応を行うべきだ」などと反論したという。

中国政府が、レアメタルの輸出制限や、台湾産パイナップルの禁輸やオーストラリア産ワインへの制裁関税措置など超大国の強権的外交・経済的威圧外交を強めていることは事実であり、また南シナ海と東シナ海で砲艦外交を行い、アジアの小国を侮り、脅し、海洋強国の覇権主義外交を強め、西太平洋からインド洋を自己の管轄海域と称し、海軍力の大増強を続け、諸外国から「戦狼外交」と恐れられていることは隠しようがない。これは覇権主義であり、それへの批判は内政干渉では決してない。

習近平ファシスト政権は、外に対しては、「中国の夢」として覇権を追求し、巨大な軍事力で拡張主義を実行し、内に対しては、大中華民族主義を掲げ、ウイグルやチベット、内モンゴルなどの少数民族の民族自決権を踏みにじり、地球最後の植民地主義を実行しているばかりか、自国の人民に対し、民主的権利を抑圧し、人民への弾圧を続けている。人権問題に国境はなく、内政だから何をしても許されるという問題ではない。習近平ファシスト政権がやっているのは、内に抑圧・外に侵略の,かつての帝国主義の醜い姿に他ならない。
#中国政府の日本への抗議

広島サミットが示したG7内部の矛盾

新聞報道によると、ロシアの経済紙コメルサント(電子版)はG7について、21日「和平交渉ではなく、武力でロシアを敗北させるというウクライナの仲間たち(G7)の決意を示した」と論評した。一方で同紙は「グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の多くがG7と異なる立場をとっている」とし、G7は世界の総意ではないとする見方を強調した。
同記事は最後に「ロシアに『戦略的敗北』を与えようと固執するG7首脳陣は、ウクライナの指導者を彼らの会合に出席させ、とうとう広島での行事をプロパガンダ(政治宣伝)ショーに変質させた」などとする声明を露外務省が発表したとも伝えた。(産経新聞)

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昔は発展途上国を「第三世界」と呼んだが、今は「グローバルサウス」と呼ぶ、その発展途上国の7割がウクライナ戦争では中立の立場を保持している。ウクライナのゼレンスキーを広島サミット(G7)に招待した目的は、インドなどの「グローバルサウス」の国々を反ロシアに取り込む機会とすることにあったが、インドのモディ首相は対話による紛争解決を求めたのであるから、G7の狙いは成功しなかった。ウクライナ戦争が代理戦争であることをグローバルサウスの国々は理解しているのである。

G7が初めて、中国に対する共通の政策で合意できたのは画期的であるが、首脳声明の中国をめぐる文言で、フランスのマクロン大統領は抑えた表現にしようとし、これを受けてアメリカのバイデン大統領が、首脳声明で「中国の経済的進歩および発展を妨げようとしない」という文言を受け入れたことは注目すべき点である。もともとバイデンは中国政府から多額の資金(報道では70数億円といわれている)を受け取っていることをトランプが指摘していたので驚くべきことではないが、アメリカが妥協を迫られた事実は、記憶しておくべきことである。つまりフランス(=欧州)とアメリカ・日本とは中国の脅威をめぐり、真向から対立したということである。

報道によると、ドイツ紙ウェルトは、「G7が初めて、中国に対する共通の政策で合意できた」と成果をたたえた。同紙は首脳声明について「米国のタカ派が求める強硬な立場はとらなかった。それでも、中国への過度な依存を減らしてリスクを抑え、先端技術を保護することに合意し、スタートを切ることができた」と意義を強調した。ドイツも「中国の経済的進歩および発展を妨げようとしない」という文言を評価しているということだ。

指摘しておかねばならないことは、今後中国の経済的進歩と発展は限界にぶつかるということである。旧社会主義の国は、たとえ市場経済に移行したとしても、全人民所有制が制約となり、価値法則の貫徹を妨げ、社会主義的自給自足経済では市場経済化には限界があるということだ。旧社会主義の国が官僚独裁となり、資本主義の道を歩もうとも、その国家資本主義経済は所有制と矛盾し、経済発展は一時的で、すぐに壁にぶつかるということである。ゆえに中国は投資をブローバルサウスの国々に行い、その投資は失敗に終わる。

ロシアが普通の資本主義になれなかったように、中国も普通の資本主義国にはなれない。官僚独裁が、個人独裁のファシスト政権に発展している中国はなおさら経済的壁にぶつかるのは必然だ。ロシアが旧ソ連時代の領土回復に進むように、中国も過去の歴史的領土に固執し、軍事的拡張主義に突き進むのである。それは内的矛盾の激化を、外的矛盾に転化する以外に、権力を維持できなくなるからである。つまり中国の経済的進歩を妨げないようにG7が務めても、経済政策で中国は失敗し、戦争に活路を求めざるを得ないのである。これは必然である。
#G7内部の矛盾

対中国外交の根本的見直しが必要となった

先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は20日、首脳声明をまとめ、中国の経済的威圧に対抗するための新たな枠組みを立ち上げることを打ち出した。ロシアの欧州への天然ガスの供給削減や、中国のレアメタルの輸出規制など威圧行為を繰り返しているためだ。特に〝世界の工場〟の中国による威圧行為は世界経済にとって脅威で、アメリカを中心に重要物資のサプライチェーン(供給網)から、中国を排除する動きが加速している。大企業から中小企業まで、2万5000社も中国に進出している日本は、その外交方針の見直しが迫られている。

声明は「経済的依存関係を武器化する試みが、失敗に終わり報いを受けることを確保すべく、協働していく」ことが盛り込まれている。各国経済の相互依存が強まる中にあって、中国は強権的な超大国意識に目覚めており、政治的な思惑などで敵対する国との貿易を急に止めるといった「戦狼外交」と評される、強権外交を繰り返している。

レアメタルの輸出制限や、台湾産パイナップルの禁輸やオーストラリア産ワインへの制裁関税措置などはその実例だ。こうした外交的威圧行為が経済的重要物資に拡大すれば経済的打撃は甚大で、今回の首脳声明では半導体やリチウムなどレアメタル、蓄電池などを対象に、G7各国で供給網を強化することでも合意している。

現在、日本企業の海外生産拠点の約4割が中国にあり、貿易面でも平成19年にアメリカを抜いて最大の取引相手国として輸出も輸入も拡大が続いている。中国という市場を手放せば、日本の成長にとってもマイナスとなる。これは中国の側から見ても場所貸し経済として、日本に大きく依存している。中国が超大国の強権的外交を強めている中では、この相互依存の依存率を今後削減していくことが急がれる。

その上で見ておくべきは、中国は人口ほどには市場は大きくはないという点だ、とくに全人民所有制と市場経済の矛盾は大きく、輸出基地とはなりえても、内陸部は社会主義的自給自足経済であり、普通の資本主義経済にはなりにくいのである。それゆえ中国の投資は外国に向かう。彼らの対外投資は金利が5%の杜撰な高利貸し的手法なので、世界から「債務の罠」と呼ばれており、ゆえに習近平の「一帯一路」「双循環政策」の失敗は必然である。中国は今後発展途上国への対外投資を回収できなくなり、金融危機に陥る可能性が高い。ゆえに日本は対中国政策の転換を急がねばならない。

習近平政権の金融的破綻は、独裁政権の危機切り抜け策として「内的矛盾を外的矛盾に転化」せざるを得ない。つまり中国軍の台湾・沖縄進攻は不可避なのである。習近平政権は、「台湾問題は中国への内政干渉だ」と主張する。しかし建国以来70数年彼らは一度も台湾を統治したことがない。昔自国の領土だったら内政問題になるのか?それなら蒋介石が台湾に逃げたが、昔は中国を統治していた。中国の問題は台湾の内政問題になるのか?なりえないのである。

中国政府の「台湾問題は中国の内政問題」との言い草はこじつけに過ぎない。旧ソ連が解体したとき、ロシアは東欧諸国の民族自決権を認めて独立させた。中国もNATOなどの敵対的軍事基地を作らせないという条件で、ウイグルやチベット、台湾などの少数民族の自決権を認めるべきであろう。
#日本の対中外交

国家の基本政策は経済構造に規定される

戦前の日本は、絶対主義天皇制の下で大地主が小作人を使っていました。つまり農村は自給自足の経済であり、都市部では労働組合が非合法であり、労働者は低賃金でした。つまり内需が小さく、資源もないので対外侵略への道をたどりました。

アメリカは軍需産業の国であり、戦争がなければ、戦争を無理やり起こして、兵器の市場を作ってきました。イラク戦争がいい例で、侵攻の口実にありもしない「大量破壊兵器」の脅威をでっちあげました。第二次世界大戦から、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東における何度もの戦争、すべてアメリカの外交的画策で起きました。ウクライナ戦争も、アメリカがウクライナの極右にドル札をダンボールにつめて送り、クーデターで親米政権を作り、その政権にNATO加盟を表明させて、ロシアを挑発し、代理戦争を起こさせました。軍需産業の国は、兵器の消費である戦争が不可欠であるのです。

中国が現在「一対一路」の対外拡張の強国路線で「戦狼外交」を行っているのは、旧社会主義国の特徴である全人民所有制が、市場経済と矛盾して、内陸部の農村は社会主義的自給自足経済で、内需が拡大しないのです。ゆえに中国の投資は海外市場へと向かうほかありません。中国沿岸部の外国企業の工場は、賃金が安いから世界の工場になれたのであり、内陸部の市場を拡大するには農産物の高価政策が必要です。しかしそれをやると都市部の労働者が生活できなくなります。賃上げをやると、国際競争力が無くなるのです。つまり習近平の「双循環政策」は失敗します。中国経済の投資は海外に向かうほかないのです。その経済政策が「一対一路」なのです。

欧州諸国が経済統合=ユーロ経済圏を目指したのは、2度の世界大戦が欧州から起きたせいですが、もう一つの理由は、ドルの世界支配から抜け出すという目的がありました。アメリカが巨大な軍事力を維持できるのは世界通貨であるドルの巨大な通貨発行益を手に入れているからです。
アメリカがウクライナ戦争を挑発したのは、ユーロ経済圏が東欧・ロシアへと拡大し始めたので、ユーロ経済圏に打撃を与えるのが目的でした。もちろんプーチンのロシアが普通の資本主義にならないので、ロシアの独裁政権を打倒する狙いもあります。

日本が第二次世界大戦の敗北で、アメリカの従属国になった結果、日本経済はアメリカに従属した経済であり、一度は集積回路の生産で世界一であった日本の半導体生産は、アメリカにたたき潰されました。現在量子コンピューターの開発で世界のトップを理研が担っています、しかしアメリカはIBМと東大の提携を政治圧力で進め、日本の量子コンピューターの核心部分である超電導技術を奪い取ろうとしています。つまり日本はアメリカの従属国であることが独自の科学技術と経済的発展を阻害されています。政治的従属は経済的にも従属構造を脱出できないのです。

つまり国家の経済的基本構造がその国の基本政策を規定するのです。しかし資本主義の不均等発展がアメリカの支配的経済力を相対的に弱め、世界の多極化、経済のブロック化は避けられません。つまり多極化した世界はG7という国際会議が必要であり、これに対抗して中国・ロシア、ブロックが上海協力機構の国際会議をおこなうことになります。こうした視点から、現在広島行われているG7首脳会議を見て取らねばなりません。
#多極化の中のG7

広島サミトでのG7各国の狙いと矛盾!

新聞報道によると、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は17日、19日開幕の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)ではG7として「中国に対処する上での基本的な原則」を打ち出すことになるとの見通しを示した。

G7各国間では、フランスのマクロン大統領が「欧州は米中どちらにも追随すべきではない」と述べるなど、対中国で温度差がある。サリバン補佐官は、G7各国の対中関係はさまざまだとした上で、サミットでは中国への懸念を話し合い「共通の土台」を見いだすことがアメリカの狙いである。ウクライナ戦争に関しては、対露制裁の履行徹底と抜け穴をふさぐことが中心議題になると説明した。

欧州は、最大の貿易相手国である中国を重視しており、アメリカの先端技術での中国封じ込めに一線を画している。ただウクライナ戦争の関係で露骨にアメリカに反対はできない。欧州では東京にNATO事務所を開設する動きもあるように、対ロシアとの関係で日本を、対ロシア封じ込めに取り込みたいとの狙いがある。しかし日本は今もロシアから天然ガスを買い続けている。対ロシアとの敵対関係は日本の防衛で、3正面に敵を置くことになるので、うかつにNATO事務所を東京に開設することは許可しにくいのである。

岸田首相は、G7広島サミトでNATO側に核恫喝を行っているロシアへの対抗として、反核のスタンスを打ち出したいとの狙いがあるが、アメリカは乗り気ではない。広島に国際法違反の原爆を人類で初めて使ったアメリカは、サミットの議題では核の問題には関心がない。

アメリカのバイデン大統領にはもう一つ懸念がある。それはアメリカ政府の債務上限問題がこじれていることだ。アメリカは議会のねじれ、さらには来年の大統領選もあり、内政で与野党の分裂と対立が激化しており、簡単に妥協ができない事態となっている。

もしアメリカが債務不履行(デフォルト)になれば発展途上国がウクライナ戦争に中立の国が7割もある事態が、さらに悪化する。多くの国がアメリカがウクライナのクーデターを画策し、極右の親米政権を作り、NATO加盟の挑発でロシアを侵攻させたことを見ており、ロシアが悪いわけでないことが広く知られているので、世界全体では、フローバルサウスと呼ばれる、多くの国がウクライナ戦争を冷めた目で見ているのであり、アメリカの債務不履行問題が、これら発展途上国のアメリカへの不信を一層拡大する危険がある。

バイデンが広島サミット参加後、予定を変更し、アメリカにとんぼ返りしなければならないのは、債務上限問題が金融危機を拡大し、国際的な不信を招く恐れがあるからだ。このように広島サミトでのG7各国の狙いと矛盾は深まっており、とりわけ欧米側に金融危機の深まりが背景にあるので、アメリカの対中国戦略での合意は形だけで終わるのか、それとも戦略的合意がなるのかが最大の注目点なのである。
#G7広島サミット

衆院解散に向け岸田はG7首脳会議に注力!

4月の衆参両院の補欠選挙で自民党が4勝1敗となったことは、岸田にとって解散のハードルを一つ越えたと見てよい。自民党内では派閥としての岸田派は第4位の少数派閥に過ぎない。その岸田に都合がいいのは一強政治家の安倍が亡くなり、約100人の最大派閥の安倍派が、会長不在のまま漂流することだ。事実上森元首相が安部派で力を持ち、次期安倍派会長を決めないことで、岸田には長期政権への道が開けたといってよい。

残る岸田のハードルは広島サミットだ。これは広島出身の岸田には都合がいいことかもしれないが、ロシアのプーチンは機会あるごとに「広島に人類で初めて核兵器を使ったのはアメリカだ」と語っている。岸田が反核を言いすぎるとバイデン米大統領の反発を買うことになる。反核で反ロシアにまとめるが、アメリカの国際法違反の核兵器使用がどうしても浮上する。岸田が神経を使わねばならない点である。

アメリカ経済が債務上限問題でデフォルトの可能性が出ていること、今年後半にはアメリカ経済が倒産急増が予想されており、世界経済は今年後半には不況局面に入る。今年の年末には、日本は防衛費増額のための増税を決めなければならない。岸田が長期政権を目指すのならサミット後に解散する選択肢しかないのである。

もう一つ岸田には厄介ごとがある。それは和歌山の補選で維新が勝ち、地方選でも大阪市議会で維新が過半数を制したことだ。維新は大阪で公明党の協力は必要なくなった。大阪維新は公明党との選挙協力は「白紙だ」としている。このままでは大阪での公明党の議席減は必至だ。そこで公明党は東京など議席が増える選挙区で立候補を決めた。これに自民党内から反発が出ている。自民党内に連立の相手を維新に変えよとの声が今後出て来るであろう。つまり岸田は自公連立政権の維持ができるかという問題が今後出て来る。

G7が成功すれば解散総選挙で自民党の勝利は確実である。なぜなら野党が細切れで、政権の受け皿が作れそうにないからだ。サミット後の1か月間に解散となることはほぼ確実である。解散は、維新が大阪だけの地域政党から、全国政党になるチャンスが生まれる。中小企業家を基盤した維新が全国政党になれるかどうかは分からない。なぜなら維新は経済政策が明白でなく(=持っていない?)、万博などのイベント主義では、大阪の経済を活性化できないからだ。6月解散で、維新が全国政党になれるかどうかがもう一つの注目点となるであろう。
#広島サミット #解散総選挙

中国「一帯一路」が生む巨大債務の危険!

中国政府は「双循環政策」として内陸部への投資、と「一帯一路」による海外への投資(=貸し付け)を大規模に進めた。特に中国の内陸部は全人民所有制の制約で、社会主義的自給自足的な経済なので、内陸部に建設した産業都市は、「新鬼城」と呼ばれる廃墟になり、債務だけが増えているのである。そのため中国の投資は海外へと向かわざるを得ない。これが習近平の「一対一路」構想だった。

今この中国の海外への投資が巨額の不良債権となっている。世界銀行のデータによると中国が債務救済を迫られたのが約32兆3000億円の上るという。しかもこのほかにも中国側の事情で債務救済を遅らせている事案が多数隠されている。

報道によると中国がこれまでに約135兆円を世界各国に貸し付けたが、その60%が債務返済に苦しむ国々への融資である。中国政府はこれらの貸付金が貸し倒れにならないように、資金を追い貸ししている状況となっている。中国が救済措置をおこなっている国はウクライナ・パイキスタン・スリランカ・アルゼンチン・エジプト・トルコ・べネズエラ・エクアドル・ベラルーシなど22カ国あるという。

国際通貨基金の利子は2%だが、中国の緊急融資の利子は5%の高利で、世界から「債務の罠」と呼ばれている。中国政府が破産の危機にある国の救済を自国だけで秘密に進めるのには事情があるという。それは中国の貸し手の中には「特別目的事業体」と呼ばれる当局の監督下にないマネーが含まれているという。この中国の隠れた債務が総額3850億ドル(約52兆円)もの金額になるという。

しかも中国の投資は計画がずさんで、投資がその国の経済成長に貢献しないで、借金だけ残るというものが多いので、とても返済できない。例えばモンテネグロの高速道路は、6割がトンネルと橋で、完成したのは4分の1で、工事費用がすでに支払えなくなった。パキスタンへも中国は債務1000億ドルの3分1を自国で融資しているが、昨年の大洪水でパキスタン政府は債務帳消しを求めている。つまり中国は世界の工場になり獲得した資金を国内への投資で失敗し、外国への投資でも失敗している。このままでは発展途上国の債務爆弾で、中国経済が破たんし、国民の預貯金の引き出しすら、できなくなる恐れがある。

習近平ファシスト政権が途上国債務の爆発で、中国バブルが崩壊し、経済危機に陥ると、「内的矛盾の外的矛盾への転嫁」すなわち、台湾・沖縄への軍事侵攻が現実のものになることは避けられない。途上国債務の深刻化が、エネルギーと穀物の価格高騰で深刻化すれば、それは習近平政権の終わりの始まりであり、アジアが戦争に巻き込まれる可能性を見ておかねばならない。事態は差し迫っているのである。台湾政府と日本政府は軍事的備えを急ぐべきである。
#中国の途上国不良債権

軍事恫喝の戦狼外交はファシスト政権の特徴

中国の呉江浩駐日大使が、着任直後の記者会見で、日本が台湾問題を安全保障政策と結び付ければ、「日本の民衆が火の中に連れ込まれる可能性がある」と恫喝した。

これは習近平の中国が、日本国民を軍事攻撃することもいとわないという恫喝であり、日本に対し、これほどあからさまな脅しを公然とおこなった外国大使はいない。これは日中平和友好条約の精神を踏みにじる暴挙である。何よりも中国が、日本を「脅しが通じる相手」と舐めていることが重要である。

産経新聞によると、問題の発言は、4月末に東京・日比谷の日本記者クラブで行われた記者会見で飛び出したという。呉中国大使は「台湾有事は日本有事」との認識について「あまりに荒唐無稽で危険だ」と批判した上で、「日本という国が、中国分裂を企てる戦車に縛られてしまい、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と語った。

この中国大使の暴言は、今月7日に会談した日韓首脳が日米韓3カ国の安全保障協力の重要性で一致したことに関して、北朝鮮外務省が「(日本は)東北アジア地域を不安定にして、しまいには火の海にし、その中で自ら焼け死ぬ境遇になる」(朝鮮中央通信)などと批判した点と同じである。中国も北朝鮮も個人独裁政権であり、ファシスト政権なので同じ核恫喝外交になるのである。

問題は、日本政府が新たに着任した中国大使に、このように公然と恫喝されても、抗議も追放もできない日本政府の弱腰である。日本企業が2万5000社も中国に進出していることが、日本政府の弱みなのである。

中国は現在超大国になるために核兵器1000発態勢を作ろうとしており、核恫喝が日本には有効と考えている。彼らが南シナ海を自己の領海として9段線を引いたのは、南シナ海を核ミサイル原潜の安全海域としたいがためである。また一年に軍艦数隻の建造を続けているのは、中国が西太平洋とインド洋を自己の管轄海域と称し、海洋覇権を目指しているのである。

ソ連や中国のように、遅れた経済から社会主義体制になると、社会主義建設の時期が長くなり、その結果、官僚独裁下での国家資本主義に変質し、やがては個人独裁のファシスト政権に変質することは歴史の法則である。しかしこれらの国では、所有制と独裁体制が障壁となり、市場経済化には限界があり、経済的な内的矛盾の激化から、やがて外への軍事侵攻に頼るようになる。軍事恫喝の戦狼外交はこうしたファシスト政権の特徴なのである。(注・北朝鮮は地球上最後の奴隷制社会であり、旧社会主義国のロシアや中国とは違いがある。この国は米中の緩衝地帯として発展を留め置かれた、特異国といえる。)
#中国の戦狼外交

政府の防衛装備移転三原則見直しの理由

政府は、日本の武器輸出を制限している「防衛装備移転三原則」の運用指針の見直しに向け、自民、公明両党の実務者協議の第2回会合が10日、国会内であった。協議は、政府が昨年12月に決定した国家安全保障戦略など安保3文書で見直しを「検討する」と明記されたことを受けて4月に始まった。殺傷能力がある装備品の輸出などを認めるかどうかが焦点となっている。

アメリカ政府が日本の防衛力強化を要求し、GDP1%の防衛予算を2%にすること、そのためにアメリカのFRB議長に消費税を15%に増税するように求められたことが原因である。アメリカは日本にF35やトマホークミサイルを大量に買わせ、いらなくなった中古戦闘機などを、東南アジアに安く売ることで、対中国包囲網の構築を考えているのである。つまりアメリカは日本の国家予算を自己の戦略に利用することを提案しているのである。

アメリカはイラク戦争やアフガンでの作戦で、米兵が大量に心を病み、その保障だけで多額の予算を必要とし、その結果対外軍事介入に反対する「アメリカ第一主義」が台頭し、国内が分裂と対立を深めている。それゆえアメリカは欧州のNATO加盟国に軍事予算をGDP2%への増額を求め、日本にも防衛予算の増額を求めていた。岸田首相はこれを受けて、今後5年間の日本の防衛費の総額を43兆円とした。22年度当初の防衛費5.2兆円の5年分(25.9兆円)から14.6兆円程度の上積みとなる。これらの増額分は高価なアメリカ製兵器の購入費となる。

資本主義の不均等発展の結果、中国が経済・軍事大国となり、しかも覇権主義の「強国路線」でアメリカの覇権に挑戦している中で、アメリカは同盟国の力を利用して中国の軍事的挑戦に対抗しようとしているのである。つまり日本の防衛装備移転三原則見直しは、アメリカの戦略のためであり、日本の防衛のためではないのである。

岸田が購入を決めたアメリカ製のトマホークは飛ぶ速度が遅く現代ではほとんど時代遅れとなった兵器であり、この高価な中古ミサイルを400基も買うことが日本の防衛に役立つとも思えない。時代は高速で変則飛行するミサイルの時代であり、ロシア製の低速ミサイルがウクライナで多くが撃墜されていることでもわかる。

兵器が国産できないとウクライナのように、兵器を他国にたかりゆすりを行うことになる。日本には時代遅れのトマホークを上回る高速で変則飛行する長距離ミサイルを開発する力がある。アメリカの時代遅れのトマホーク購入は、明らかに岸田のアメリカ政府へのゴマすり以外何ものでもない。

自公政権の、アメリカ政府言いなりのこうした軍事予算増額と武器輸出は、アジアにおける日本の軍事的地位を、アメリカの橋頭保とすることであり、欧州におけるウクライナのように、アメリカの代理戦争を約束する亡国の路線というほかない。日本は対米自立し平和・中立の外交を目指すべきであり、そのもとで小さくとも強力な自立した防衛力を持つべきである。自公政権のアメリカ言いなりの防衛装備移転三原則見直しは、アメリカの戦略に使い捨てにされる、危険な亡国の路線となりかねない。
#防衛装備移転三原則

アメリカ政府が債務不履行に陥る可能性!?

バイデン米大統領は10日、連邦政府の借入限度額の引き上げを巡り、問題が長期化した場合は19~21日に開かれる先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に欠席し、オンラインで参加する可能性もあると言及した。アメリカ政府が借金ができる上限の引き上げをめぐり、アメリカ議会共和党との調整が続いているためだ。

バイデン大統領は9日、ホワイトハウスで共和党のマッカーシー下院議長らとこの問題をめぐり会談したが、結論は出ず、議論は平行線をたどった。終了後、バイデン氏は記者団に、「G7への出席は約束したことだ」と述べる一方、債務上限問題は「明らかに唯一最も重要な課題だ」と指摘。「これが片付くまで、ここにとどまるだろう」と述べ、事態の打開ができなければ、G7サミットを欠席せざるを得ないとの考えを示した。

アメリカ政府が借金できる上限は法律で決まっており、引き上げには議会の承認がいる。議会下院で多数派の野党共和党は、バイデン政権に大幅な歳出削減を約束するよう要求している。しかしバイデン大統領はこれを拒否している。議会が妥協しなければ、アメリカ政府がデフォルト(債務不履行)に陥る恐れが6月1日にも迫っている。

一か月間に銀行が3つも倒産し、銀行からの預金引き出しが続いて、金融機関が動揺しているアメリカで、連邦政府が債務不履行になれば、金融市場が大混乱に陥る可能性もある。アメリカの分断と対立は、議会での与野党の妥協ができにくいほどに、共和党と、民主党の対立が激化している。バイデン大統領には、国内の対立と分断を和解させる柔軟性も度量もなく、アメリカの漂流は続く可能性がある。

世界市場がウクライナ戦争による経済制裁で分断を深め、世界の多極化、経済のブロック化が進行している中で、アメリカ政府のデフォルト(債務不履行)は、世界通貨としてのドルの地位を一層低める可能性が強く、デフォルトが動揺している金融市場にどのような影響を与えるかが、世界の注目を集めている。
#アメリカのデフォルト

中東で起きた地殻変動と米戦略の破たん!

イランとサウジアラビアが3月、外交関係の正常化で合意した。この仲介役は、これまで中東に影響力を行使してきたアメリカではなく中国だった。中国がアメリカを出し抜くことができたのはイラク戦争の負の遺産である。イラクの人々がでっちあげの大量破壊兵器を口実にアメリカ軍の侵攻で200万人も殺されたことが、中国政府が中東で外交的主導権を握るきっかけになった。

その後、サウジアラビアとシリアの両外務省は9日、相手国での外交使節団の業務再開を決めたとそれぞれ発表した。両国の国営通信が伝えた。大使館などの再開時期には触れていない。アラブ連盟が7日内戦への対応で国際的に孤立してきたシリアに対し、連盟への復帰を12年ぶりに認めた。

サウジは11年以降のシリア内戦当初、反体制派を支援したが、急速にアサド政権との関係を改善している。サウジ外務省は、シリアでの外交業務再開は地域の安全と安定を強める狙いがあるとし、アラブ連盟の決定も考慮したと説明し,今月19日に首都リヤドで開くアラブ連盟首脳会議に、シリアのアサド大統領を招待する方針と伝えられている。

アメリカはイスラム教のシーアー派(=イラン)とスンニ派(サウジなど)の対立を利用して、アラブ世界を分断し、支配する戦略を行ってきたが、中国外交がこれを破たんさせ、中東が中国・ロシア陣営に接近することとなった。このことはイラク戦争を機に、OPECプラス(=中東産油国とロシア)が世界の原油価格を高騰させる好機につながった。

この中東における外交的地殻変動は、イスラエルの国防戦略にとって危機的なことであり、イスラエルがウクライナへの対空ミサイル網の提供を拒否する理由となっている。今後イスラエルは中東に影響力を増しているロシアと中国に配慮しなければならなくなった。このことは、アメリカの戦略的失敗で、同盟国が安全保障上の窮地に陥るいい実例となった。

中東の人々は、欧米各国のウクライナ人難民の好意ある受け入れの報道に対し、自分たちが戦乱のたびに多くの中東難民が捨て置かれたことを思い出し、アメリカの分断して支配する戦略が、アラブ世界に多くの悲劇を生み出したことを自覚したのである。この点を中国の習近平がうまくアラブ世界を非米へと誘導することに繋がったのである。

ウクライナ戦争は欧米がウクライナを支援し、中国・中東(イラン)など発展途上国がロシアを支持する、世界の分断が明確になっている。ウクライナ戦争が長引くのは避けられず、その結果は資源を握る方が優位になる。欧米諸国は物価の高騰が続く中で金融危機を深めており、世界大恐慌の危険が迫っている。中東で起きた地殻変動が、世界情勢に大激動を招きつつあるといえる。
#中東で起きた「地殻変動」

中国スパイ組織が日本を標的にする理由

月刊誌「選択」5月号がタイトルで「中国対日スパイ活動」副タイトルで「その手口と警察拠点の実態」と題して報じている内容はきわめて興味深い。

記事によると、中国が海外に勝手に警察の出先機関を設置し、自国民を取り締まり、また留学学生などをスパイに仕立てる活動をしているという。他国で警察活動を行うことは主権侵害に当たるのだが、中国は欧米や日本などに102か所の警察署を設置しているという。

最近は、アメリカがトランプ政権以後こうした中国のスパイ活動に強硬姿勢であること、また欧州も規制を強めているので、中国政府がスパイ活動の標的として、規制の緩い日本をスパイ活動の主要な標的にしているという。記事によれば日本における中国の海外警察は東京千代田区、同中央区、名古屋市、福岡糸島市に海外警察とみられる存在を確認したという。また神戸には「中国留日同学会」という組織もあるという。

アメリカや欧州で中国人スパイが逮捕される例が目立ち始めたので、「日本なら安全」というので日本企業・大学などから、根こそぎ技術情報を奪い取ろうとしている。実際に東京の医療系IT企業が、日本の有名私立大学を卒業した中国人を新規採用したところ3年で退職後、この中国人が社内の資料やデータを大量にダウンロードして持ち出していたことが判明したという事例があったという。

中国共産党のスパイ活動に関連している組織として、情報活動全般を取り仕切る中央国家安全委員会・情報活動を行う国家安全部・党中央統一戦線工作部、このほか中国人留学学生から情報を集める「大使館教育処」などがあるという。

こうした中国の日本国内の警察署は、中国人留学学生が日本企業に就職した人物から、その企業の情報を根こそぎ奪いとったり、日本で入手した情報などを使い、日本企業や機関約200に人民解放軍がサイバー攻撃を仕掛け、スパイ活動を行っていたことが分かっているという。

日本の大学に学ぶ中国人、さらには日本企業に働く中国人労働者は、「母国のためなら許される」という「愛国無罪」という意識があり、また「中国にいる家族に危害が及ぶ可能性があるので、目をつけられると逃れられない」というのである。

   *   *   *
官僚独裁から個人独裁のファシスト政権となった習近平政権の野心は大きく、手段を選ばない世界支配の覇権主義を実行している。彼らはスパイ活動だけでなく、日本国内で、中国政府に反対する人物や組織へのネットを利用した攻撃も行っている。これらは明らかに日本の主権への侵害である。

日本には欧米並みの「スパイ防止法」も「秘密保護法」もないので、中国のスパイはやり放題となっているのである。また神戸市の「中国留日同学会」という組織は優秀な日本の人材を高額の報酬で中国に引き抜く活動をしているという。日本政府がこうした中国政府のスパイ活動に対し、抗議もできないのは、中国に日本企業が2万5000社も進出しているからである。このままでは日本企業は優秀な技術・研究成果・知見をすべて奪われかねない事態が進んでいるのである。政府・自民党の政治家に対策を求めたい。
#中国の対日スパイ活動

第3次世界大戦に向けた不気味な予兆!

最近の世界情勢の変化は無視できない情勢の流動化を促している。特に世界情勢の多極化と、世界経済のブロック化の進行、覇権国アメリカの分裂と対立の深化、アメリカにおける金融危機の深刻化、ヨーロッパにおける極右勢力の台頭、習近平ファシスト政権の軍事大国化、さらには世界の2極化の発火点としてのウクライナ戦争、アジア、アフリカにおける内戦の多発などが、第3次世界大戦に向けた不気味な予兆である。

過去に世界大戦の2度の発火点となった、欧州における不気味な予兆は無視できないほど深刻である。昨年9月のイタリア総選挙ではファシズムの流れをくむ「イタリアの同胞」が第一党となった。おなじ9月にフィンランドの総選挙でネオナチ関係者が創設した「スウェーデン民主党」が第一党となった。ポーランドの与党「法と正義」も極右政党である。

欧州ではこれまで与党であった環境派などの保守中道政党が、いずれも衰退しており、移民に反対し、欧州連合に懐疑的な極右勢力が台頭する基盤が生まれている。来年の欧州議会選では極右化が避けられない事態が生まれている。これらの極右化を促しているのは中東やアフリカから欧州に流入する移民や難民が、食料高騰なの中で最近再び増加していることが背景にある。EUによると昨年の不法な国境通過は約33万人に上り、前年比で64%増えている。したがって移民・難民受け入れに反対する極右が台頭する基盤が生まれている。

欧州連合は、当初は移民・難民を安上がりの労働力として歓迎したが、最近は移民・難民の数があまりにも多く、福祉を維持できなくなり、治安の悪化もあり、世論が極右の移民・難民の受け入れ反対を支持する大きな流れが起きている。

中東・アフリカの情勢は、ウクライナ戦争という世界の2大食料輸出国の戦争で、世界的な食糧価格高騰で、これら諸国はいずれも政情不安が高まり、戦乱が続いている。これらの国ではウクライナの難民は受け入れるが、中東・アフリカの難民は送り返すEUの対応への批判が高まり、中東・アフリカの多くの国がロシア・中国連合の側に立ちつつある。

覇権国アメリカ経済は、ウクライナ戦争と台湾をめぐる中国の覇権主義的動きで、軍需産業の国アメリカはぼろもうけしているが、コロナ禍でのインフレ政策もあって諸物価が高騰して、アメリカ人民はウクライナへの巨額の軍事支援に反対する声も大きくなりつつある。来年の大統領選では再び、世界への軍事介入に反対する孤立主義=「アメリカ第一主義」のトランプと、産軍複合体と金融資本の覇権維持のバイデンとの対立が予想されている。

アメリカ経済は、銀行倒産が続く中で今も金利上げが続いており、それでもインフレが収まる気配がない。むしろ金利上げで住宅ローンが払えなくなり、住宅ローン債権が暴落する可能性もあり、アメリカの金融危機は収まる気配がない。

ウクライナ戦争は、ロシア・中国・中東の独裁連合とNATOの代理戦争であり、事態はかってのドイツ・イタリア・日本の3国同盟と欧米帝国主義国との対立と、極めてよく似た様相を示している。第2次世界大戦と違うのは独裁連合派が世界のエネルギーと資源を握っていることである。

事態はウクライナ戦争を早く終わらせないと世界的な経済危機が起きる可能性があり、事態は極めて深刻な様相を強めている。世界的な軍拡競争が戦争を一層促す可能性は強いと見なければならない。世界の多極化は誰かの政策などではなく、資本主義の不均等発展の法則の結果であり、もっと言えば冷戦崩壊後の「平和の配当」を求める「強欲の資本主義」の政策の結果である。分配の不公正は、各国人民の不満を高め、世界の大国が外交で問題を解決する余裕がなくなり、軍事的強硬策が国民の支持を獲得する極右的な流れが世界中で起きていることを指摘しておけねばならない。より深刻なのは世界平和を主導する国家指導者が皆無となっていることである。
#第三次世界大戦の予兆

アメリカで3つ目の銀行が倒産!

米連邦預金保険公社(FDIC)は1日、米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表した。同時に米銀最大手JPモルガン・チェースがFRCの預金と資産を買収するとも発表した(5月1日付日本経済新聞)。2008年のリーマン・ショック以降、銀行ではアメリカで最大の経営破綻となる。

3月の米地銀シリコンバレーバンク(SVB)の破綻後、財務が脆弱だったファースト・リパブリック・バンク(FRC)の預金も急減。3月の預金流出の規模が1000億ドル規模に達していたことが分かり、経営不安が再燃していた。ファースト・リパブリック銀の株価も大きく下落。金融不安が起きる前と比べると株価が20分の1となっていた。

コロナパンデミックのために、かってない金融緩和策がとられたことで、本来なら倒産すべきゾンビ企業が生存している。22年の企業倒産件数はアメリカ破産協会によれば1万3481件で、この数字は09年の6万837件大きく下回る。しかし相次ぐ金利引き上げでアメリカではいま倒産件数が増加し始めている。今年3月の倒産件数は2305件全年同月比24%増となり、うち連邦破産法第11条の申請は548件で同79%増となった。

アメリカでは中小の銀行から預金を引き出す動きが止まらず、インフレによる購買力が低下し、金利の上昇で借り入れコストの上昇でアパレル、家具、家電の3分野で小売店が次々閉鎖に追い込まれている。サンフランシスコのオフィス空き室率は29.4%まで増えている。これはITバブル崩壊後の2003年後の19.1%を大きく超えている。

アメリカでは金利引き上げによる倒産の増加はこれからといわれており、バブルの崩壊が始まっているとみられる。アメリカ経済はウクライナ戦争の影響で武器輸出が好調で、またエネルギーと穀物輸出でぼろ儲けしているが、他方でインフレ圧力で国民の購買力が大きく減少しており、相次ぐ金利の引き上げで、アメリカでは大規模なリストラが始まり、住宅ローンが払えなくなる人が増えている。住宅ローン債権は世界中の銀行が購入しており、これが暴落すると、今年後半には大規模な景気後退が始まると見られている。

アメリカでは3つ目の銀行が倒産に見舞われたことで、さらに預金の引き出しが増える可能性があり、大金融危機に向けて不気味な動きが増えているのである。
#米銀行倒産

政府のチャットGPT利活用は正しいか?

4月29日主要7か国(G7)デジタル・技術相会合が群馬県高崎市で行われた。国際的にはイタリアのようにチャットGPTを規制する国もある中で、日本政府はチャットGPTの利活用を優先する姿勢が鮮明だ。

必要な文章をAI(人口知能)に考えさせれば便利だろうが、大学生がテストや研究の論文をチャットGPTを利用するようになると、思考力の無い、文章能力の無い人間を大量生産することにならないだろうか?文章能力とは物事を理性化する作業であり、これを省くことは疑問である。G7内にはチャットGPTを規制するのが大勢となっているが、日本政府の無警戒の対応には疑問がわかずにおれない。

日本の研究論文の数が激減していること、大学における研究妨害や、研究略奪の激しさ、また研究者の中に認識論を理解しない研究者が増えていることを知る者としては、チャットGPTへの、日本政府の無警戒は「亡国の道」としか思われないのである。チャットGPTの中に偽の情報があることもありうるのである。また著作権の侵害になる危険はないのであろうか?個人情報の問題もある。

研究論文をAIに依存するようにすることが、研究の中身の形骸化を促す危険を指摘しなければならない。なぜなら科学実験や自然観察で、新たな法則や理論を生み出すには、実験結果を分析し、認識を理性化しなければならない。ところがチャットGPTを利用すれば、煩わしい科学実験や観察と、それに基づく分析を省けるのであるから、科学が発展するわけがない。

大学の学生たちが、課題の論文を誰もがチャットGPTに依存すれば、誰が優秀か、などわかるわけがない。皆が同じ論文を提出することにならないのであろうか?同じように官僚がチャットGPTに政策を依存するようになれば、AIが人間を支配するようになる危険がある。誰もが自己保身から、形だけ論文をAIに書かせてごまかす者が増えそうか気がする。チャットGPT利活用には厳しい規制が必要だと指摘したい。日本政府の無警戒には危うさが見えるというべきだ。
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