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中国向け半導体製造装置輸出規制を発表した日本政府

アメリカ政府は、2022年10月にスーパーコンピューターや人工知能(AI)に使う先端半導体の製造装置などで中国向けの輸出を厳しく制限した。この規制は14〜16ナノメートル以下のロジック半導体の製造などに必要な装置や技術を商務省の許可制にして、事実上、対中輸出を禁じた。アメリカは半導体製造装置に強みをもつ日本とオランダにも同調するよう求めていた。

これに応えて、日本政府は3月31日、先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の規制対象に加えると発表した。これにより日本企業の中国向けの先端半導体の製造装置の輸出が難しくなる。省令改正に向けて31日からパブリックコメントの募集を始める。省令改正は5月の公布、7月の施行を予定している。

各国の産業競争力や安全保障を左右する先端半導体分野で米中対立による世界市場の分断が深まっている。政府は外為法の省令を改正し、23品目を輸出管理の対象に追加し、これにより輸出に経済産業相の事前の許可が必要になる。

23品目には極端紫外線(EUV)関連製品の製造装置や、記憶素子を立体的に積み上げるエッチング装置などが含まれる。演算用のロジック半導体の性能では、回路線幅10〜14ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下の先端品の製造に必要な装置で、東京エレクトロンやSCREENホールディングス、ニコンなど10社程度が輸出制限の影響を受けることになる。

報道によると、オランダのスフレイネマーヘル外国貿易・開発協力相は、半導体の輸出規制について「夏前にも輸出制限の対象を広げる」と話す。オランダは既にEUV露光装置の輸出を制限しており、最先端ではない深紫外線(DUV)露光装置の一部も輸出規制の対象に加える方向だ。

中国政府は最近超大国意識を過剰に強めており、「戦狼外交」の影響もあり、外交的・軍事的に、ことごとく強硬な対抗措置をとる。日本政府のアメリカに追随する今回の新たな輸出規制に、中国政府が対抗措置をとるのは確実で、それがどのようなものになるか世界が注目している。オランダ政府が半導体輸出規制について、夏前としているのは、日本の措置への中国側の対抗措置を見る意味がある。

自国の安全保障上の国益を顧みない岸田首相のアメリカ追随外交は、ウクライナ全面支持で、日本は3正面に敵を持つことになった。今回の日本政府の先端半導体製造装置の対中国輸出規制への、中国側の対抗措置がどのようなものになるのか?中国市場に依存している日本企業は戦々恐々である。
#対中国半導体輸出規制
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際立つ習近平ファシスト政権の孤立と脆さ

中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は29日の会見で、台湾の蔡英文総統が中米訪問の経由地として滞在するアメリカで、マッカーシー米下院議長と接触した場合、「断固反撃する」と語った。アメリカ側には蔡氏の訪米のほか、政府関係者や議員との面会を手配しないように求めた。

朱報道官は会見で、蔡氏がアメリカに滞在中、「政府関係者や議員と接触し、反中勢力の結託をはかろうとしている」と指摘。マッカーシー氏との会談については、「中国の主権や領土保全を損ね、台湾海峡の平和と安定を破壊する挑発行為だ」として「断固反対する」と語った。

昨年8月にペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問して蔡氏と会談した際も、中国側は事前に「対抗措置」を予告。実際に中国軍が台湾周辺をぐるりと取り囲む複数の空海域で大規模な軍事演習を行い、弾道ミサイルも多数発射した。今回も台湾と沖縄周辺にミサイルを打ち込むのであろうか。習近平政権が奴隷制国家の大王で、「ロケットマン」と呼ばれる北朝鮮の「将軍様」と似てきたことは注目に値する。

現在の中国政府は、建国以来一度も台湾を統治したことがない。習近平政権は過去に中国王朝が統治した地域はすべて自国の領土だという考えで、琉球王朝が過去に朝貢していたので沖縄も中国領だと考えており、タジキスタンやロシアのシベリヤでさえ自国領と考えている。新疆ウイグルとチベットは地球上最後の植民地といわれている。習近平の思考には民族自決権などというものはなく。あるのは反動的な「大中華民族主義」であり、ウイグル族もモンゴル族なども中華民族だという考えで同化政策を進めている。

習近平が香港の民主と自由を踏みにじったことが、台湾の人々の中国への帰属の意思を叩き潰したのであり、習近平以前の政権が進めた「一国2制度」は、今では欺瞞でしかなくなり、中国が台湾を取り戻すには軍事力を用いるほか不可能になっている。現在習近平が進めている台湾の野党、国民党幹部の買収による台湾統一は不可能だ。中国が台湾と同様に自由と民主を認めれば可能となるが、息も詰まるような個人独裁では不可能である。

中国国内では、ゼロコロナ政策に反対し白紙デモに参加した若者たちが次々逮捕され、行方不明になっている。白紙の紙を掲げる自由も無い中国に、誰が帰属を願い出るだろうか?個人独裁に反対するものは、政治的意図がなくてもすべてたたき潰すというファシスト政権は、まさに強権が過ぎて墓穴を掘る行為というほかない。今後中国の若者たちは非公然の奪権闘争しかとるべき手段がない。

習近平の「反腐敗」を口実に、他派閥の存在さえ認めない政治手法は、独裁を強化すればするほど、彼は孤立を深めている。習近平暗殺未遂事件が過去10回以上も起きていることが、政権の危うさを象徴している。

政治権力が人民の民主と自由を叩き潰す行為には、人民の「不満のガス抜き」という思考さえも許さない、独裁者特有の独善的手法であり、それは政権の強化ではなく、脆弱性を高めることなのである。人民の民主と自由は政権の柔軟性・復元性を強める。愚かにも習近平は政権維持とは真逆のことを行っている。習近平政権は危ういというしかない。
#習近平ファシスト政権

米の戦争路線の欺瞞が分断と多極化を招いた

アメリカは産軍複合体の国である。主要な産業が兵器産業であるために、アメリカは定期的に大きな戦争を闘わねばならない。イラク戦争は、フセイン政権が大量破壊兵器を保持しているとの嘘の理由でイラクに侵攻した。このアメリカ国民をだました戦争の口実が、アメリカ社会に与えた衝撃は非常に大きい。

政府が国民をだまして他国を侵略したことが、アメリカ国民の合衆国政府への不信感を強め、国家が階級支配の道具であることをあからさまに国民に示した。現在のアメリカ社会における分断と対立を生み出したのはイラク戦争であった。覇権国のアメリカは、その覇権を維持するために幾多の侵略的戦争を行ってきた。

イラクとアフガンの戦争で、中東の人民200万人が死んだが、アメリカ兵も多くが身心を病むことになった。この傷病兵への補償の多さが、アメリカが戦争を闘えなくなっり、ウクライナに代理戦争を強いる理由である。欺瞞的な戦争のたびに、アメリカ国民の前に、軍産と金融資本の醜い癒着を露呈し、国内の分断を深めてきたのである。トランプの「アメリカ第一主義」とは、言い換えれば対外不干渉の事である。

今回のウクライナでの極右クーデターに始まる、ウクライナ政府のNATO加盟のロシアへの挑発が、ウクライナ戦争を引き起こした。アメリカの隠された狙いは、EUのユーロ経済圏の東への拡大を阻止することであった。ウクライナ戦争で、アメリカは原油価格と天然ガス、穀物などの価格の高騰、と兵器売却でぼろ儲けしたが、その反作用で中東産油国をはじめ、アフリカなどの発展途上国をロシア・中国連合の方に追いやることになった。

覇権を維持するための戦争画策が、アメリカの覇権を崩し、世界を2大陣営に分断しつつあるのは皮肉としか言いようがない。ウクライナ戦争でアメリカが失ったものは、一極覇権であり、中東など発展途上国であり、米ロ間の「新戦略兵器削減条約」(新START)であった。新STARTの終了で、米ロ間に唯一残る核軍縮条約を失ったのは、世界の2分化の象徴的出来事であり、再び核軍拡競争の時代を招くことになった。

世界が多極化の時代に移行しつつあるのは明らかであり、冷戦の崩壊後のグローバル化の安定した時代は終了した。つまりアメリカの一極支配の終わりの始まりといえる。それはウクライナ戦争とコロナ禍でのインフレ対策が、アメリカの金融危機を招いたことを見れば明らかである。アメリカのドル支配が終わりつつあることは明白である。多極化を導いたのは資本主義の不均等発展が大きな要因であり、それは中国の台頭と、アメリカの不朽性の結果であり、誰かが多極化を促しているのではない。

情勢は、再びトランプのアメリカ第一主義が支持を拡大する経済的な基礎が生まれた。バイデン政権は、トランプの立候補を阻止する陰謀へと突き進みつつある。反動的覇権国家の病める腐敗と分断と対立は、世界をまたも金融危機と軍事力による国境線の変更の時代へと導きつつある。
#多極化の時代

中国が日本人をスパイ罪で逮捕する理由

中国の北京市内で今月、50代の日本人男性が法律に違反した疑いで国家安全当局に拘束され、大手製薬会社のアステラス製薬は、拘束されたのは自社の社員であると明らかにした。中国外務省の毛寧報道官は27日の記者会見で「中国の関連部門が今月、1人の日本人に対し、法律に基づいて捜査している。この日本人はスパイ活動に関わり、中国の刑法と反スパイ法に違反した疑いがある」と述べ、司法当局が拘束して取り調べを行っていることを認めました。しかし、具体的にどういう行為が法律に違反したかなど、詳しい内容については一切明らかにしていない。

アステラス製薬の現地法人幹部の男性が中国当局に「反スパイ法」違反容疑で拘束されたとの情報に、日系企業関係者の間では衝撃が広がっている。中国に駐在員を多く抱える日系企業各社は「中国リスク」の不安を募らせている。対中投資や経済交流も冷え込む事態は避けられない。

中国では、2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、17人の日本人が拘束され、少なくとも9人が実刑判決を受けている、また、北京外国語大学で教員を務め、衆議院の客員調査員を務めていた鈴木英司氏は、2016年7月に国家安全局に突如スパイ容疑で拘束され、懲役6年の実刑判決を受け、2022年10月に刑期を終え釈放された。

酷いのでは写真を撮っただけでスパイにされ何年も留置されている。社会的にも科学技術的にも遅れている中国で、日本企業がスパイするような必要などないであろう。スパイ衛星で何もかも把握できる時代に、写真を撮るスパイなどいるわけがない。スパイしているのは外国企業の技術を盗んでいる中国政府の方なのである。

中国政府は、近く台湾と沖縄に軍事侵攻する計画があるので、日本人が油断ならない民族だとの国内キャンペーンを繰り広げ、反日のイデオロギーを振りまく必要がある。中国政府に対し、日本政府は国交回復後、多額の無償援助を続けてきたのは、中国側が戦争賠償権請求権を放棄したことへの感謝であり、経済支援であったが、現在の習近平ファシスト政権は、日本の支援に対する感謝などはみじんもなく、あるのは報復的イデオロギーであり、自己の覇権獲得への野心に利用するだけなのである。彼らが国内で反日のテレビドラマ放映を続けているのは、台湾・日本支配の侵略的野心の表れでなのある。

日本政府が、中国ファシスト政権にあまりにも寛容で、無警戒で、したたかな外交に取り込まれ、日本企業を2万5000社も中国に進出させたのは、戦略的失敗というほかない。彼らは技術を奪いつくせば、あとは追い出すだけなのである。日本人駐在社員をスパイのでっちあげで逮捕していけば、自分から撤退するであろうとの読みがある。

日本の現地企業はすべて中国側との合弁企業となっているので、日本企業の工場など生産設備も獲ることができる。中国政府の「戦狼外交」の腹黒さを計算に入れて、対中国外交政策を日本政府は持つべきであり、戦略的企業は中国から早期に撤退させた方がいい。

中国に依存すれば、それを彼らは外交的切り札に使うことは明らかだ。習近平は個人的にも、今も日本憎しの感情を持ち続けている特殊な人物なのである。それは彼がライバルを蹴落とし続け、個人独裁を確立したことでも明らかで、習近平政権は個人独裁のファシスト政権なのである。日本企業は利益につられて、戦略的投資先を間違えたというほかない。

中国は儒教国家であり、同じく儒教国家の韓国が、日本対したかりゆすり外交を繰り返していることを見ても、結果は明らかだ。毛沢東が失敗覚悟で、文化大革命で孔子批判の思想運動を展開し、官僚独裁からの奪権運動の予行演習を行ったのは理由があったのだ。
#習近平ファシスト政権

米軍の親イラン組織空爆の軍事的狙い!

アメリカ国防総省は23日、米軍がシリア東部で親イラン組織を空爆したと発表した。同日に過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を目指す米軍など有志国連合の拠点が受けた無人機攻撃への対抗措置で、バイデン米大統領が指示した。アメリカは無人機攻撃を行った組織がイランの最高指導者ハメネイ師に直属するイラン革命防衛隊とつながりがあるとしている。

イランメディアは26日、シリアにあるイラン関連拠点への米軍の攻撃について、最高安全保障委員会の報道官が「イランは迅速に対応する」と語ったと報じた。23日に米軍がシリアの親イラン系組織への空爆を実施しており、対抗措置を警告してけん制する狙いとみられる。
イランのタスニム通信によると、報道官は「米政府は意図的に危機をつくり出し、うそをついている」と指摘した。イラン国営通信によるとイラン外務省報道官もアメリカによる攻撃を非難し「アメリカはシリアに違法に駐留している」などと主張した。

米軍は24日にシリア北東部の駐留拠点がロケット弾で攻撃を受けたと発表。米軍による23日の空爆への報復攻撃とみられている。バイデン米大統領は24日、カナダの首都オタワで開いた記者会見で「勘違いしないでほしい。アメリカはイランとの紛争を模索していない。しかし我々は人員を守るため強力な行動をする用意がある」と語った。新たな対抗措置を辞さない構えを示した。

先に中国の仲介でサウジとイランが外交関係を改善している。この関係改善でイスラエルの安全保障は危機に直面している。アラブ産油国を含むアラブ諸国は全体がいまやロシア・中国陣営に立っており、シリア東部に駐留する米軍が、イラン系の軍事組織への空爆に踏み切ったことは、明らかに外交的敗北への巻き返しの軍事的狙いがある、と見るべきであろう。

中東では米軍のイラク進攻がでっちあげの大量破壊兵器を口実に行われたこと、これと今回のウクライナ戦争を重ねて見ることで、世論が反米色を一段と強めている。当時のイラクがアメリカの挑発に乗り、クェートに侵攻したことと、ロシアがウクライナのNATO加入の挑発に乗り、ウクライナ侵攻に踏み切ったことが、双方ともアメリカの陰謀であったと見るのが中東の人々の戦争観なのである。また欧米の中東とウクライナ双方の戦争難民への扱いの格差が、中東の世論の反発を高め、反米色を促している。

アメリカがこうした中東の世論を覆すことは難しく、当面はシリア国内でのイラン系軍事組織への攻撃で、サウジとイランの関係改善で、動揺しているイスラエルの安全保障の意思を明確にすることが、今回のシリア国内のイラン系軍事組織への米軍の空爆の主要な狙いである。中国の仲介による、サウジとイランの関係改善は、アメリカの同盟国を危機に陥れるほどの外交的な敗北といえる。
#サウジとイランの関係改善

米民主党議員がFRBの利上げを批判する背景

米連邦公開市場委員会(FOMC)が22日に政策金利の0.25ポイント引き上げを決めたことに、民主党のウォーレン議員はFOMCが利上げを決め、追加引き締めの可能性を示唆したのを受け、「FOMCとパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が極端な利上げを一時停止しなかったのは過ちだ」とツイート。

シューマー院内総務は今回の利上げについて「経済への影響を私は懸念している」と述べた。下院予算委員会所属のボイル議員は、「金利をあまりに高く、過度の急ピッチで、特にこの状況で引き上げることは、バイデン大統領の下でアメリカ人が享受してきた記録的な回復を台無しにしかねない」と警告した。

民主党の議員たちは、2024年の大統領選挙を前に相次ぐ利上げでリセッション(景気後退)に陥りかねないとして、今回の利上げに懸念を表明しているのである。しかしFOMCとFRBが銀行の破産が相次ぐ中でも利上げを止めやれなかったことは、アメリカの直面する「新型金融危機」の深刻さを示しているのである。

景気が悪くなろうが、アメリカは利上げをして物価の上昇を止めなければ住宅ローン延滞率が上昇を続け、住宅ローン担保証券が暴落し、シャドーバンク(影の銀行)といわれる証券会社、保険会社、投資ファンドなどが破たんし、住宅ローン担保証券を購入している銀行も破たんしかねない。

FOMCとFRBは景気後退以上に深刻な金融危機を考慮して利上げを続けることを決定したのである。ところが大統領選を2年後に控える民主党の有力議員にとって、景気後退を招く利上げは政治的に受け入れられないのである。

一般的に、アメリカが利上げすれば円安になる。ところが今回の利上げは円高になった。これはアメリカの相次ぐ銀行破たんであるのに、アメリカが利上げをやめられないほどに直面する米金融危機が深刻であることを市場が認識したゆえである。

こうした国際経済の直面する深刻さが、日本の政治にどのように反映するだろうか?今年後半にもアメリカが景気後退の可能性が強くなったので、岸田政権はそれまでに衆院を解散した方が、長期政権の道が開ける、と考えるであろう。岸田首相が日韓関係を改善し、ウクライナ訪問、G7サミット成功直後に衆院を解散する可能性が強くなったと見た方がいい。

アメリカが景気後退になれば、日本や欧州も景気後退は避けられない、岸田首相が解散するならそれまでが好機となる。アメリカの金融危機が今後どのような展開を見せるかが世界の焦点となるであろう。もし国際的な景気後退となれば、日本の企業は又も大リストラに直面する。各労組はリストラへの備えをしておくべきであろう。
#米金融危機 

利上げを控えられないFRBの決断の背景

米銀の相次ぐ破綻や銀行の破綻の欧州への広がりの中で、FRBは利上げを控えると見られていたが、FRBは、21日から2日間、開いた会合でインフレ抑制を優先し0.25%の利上げを決めた。FRBは、利上げを控えられない事情があるということだ。

FRBは、金融不安がくすぶる中でも物価と労働市場に関する指標が予想以上に強かったことを理由にあげている。FRBのパウエル議長は記者会見で、「会合の参加者は、インフレ率が徐々に低下することを予測しているが、それでも年内の利下げは想定していない」と述べた。

FRBのパウエル議長は、相次ぎ利上げ政策で銀行破綻が相次いだことをふまえ、銀行への監督や規制を強化する必要があるという考えを強調した。0.25%の利上げを受けて、22日の米株市場は大幅反落した。ダウ工業株30種平均は前日比530ドル(1.6%)安の3万2030ドルで引けた。

今後の焦点は今回の利上げが住宅ローン貸し出しの大手が業績見通しが悪化しており、シャドーバンク(影の銀行)といわれる証券会社や保険会社、住宅ローンの貸し手の銀行が破たんに追い込まれるかどうかである。

影の銀行が作り上げた住宅ローン担保証券(МES)は世界中に売られており、日本の地方銀行も購入している。アメリカの雇用条件が悪化すると住宅ローン延滞率が上がることになる。実際にアメリカではインフレで住宅ローン延滞率が上がっている。FRBが銀行の相次ぐ破たんにもかかわらず利上げ政策を継続したのは、物価上昇を抑制しないと住宅ローン担保証券(МES)が暴落し、金融危機が世界的に深刻化するからなのである。

つまりアメリカは、相次ぐ利上げ政策で債券投資を行っているIT企業が地盤のシリコンバレー銀行(SVB)がつぶれたのに、それでも利上げを続けるのは、より大きな金融危機を回避するためなのである。住宅ローン担保証券(МES)が暴落すれば世界中に金融危機が拡大する恐れがある。つまり今回の金融危機は終わってはおらず、さらに拡大する恐れがあるということだ。

ウクライナ戦争を早く停戦しないと欧米のインフレが続く、インフレを抑えるための利上げが続けば、金融危機が深刻化する。それでも利上げしないと、もっと大きな金融危機が起きるのである。ウクライナ戦争の継続で、追い詰められているのはロシアではなく、欧米金融資本の方なのである。

日銀がゼロ金利をやめられなくなっているのは、アメリカの金融危機が深刻化しているので、日本の銀行救済と見た方がいい。日本のゼロ金利政策継続とは、国民の預貯金への利子支払い部分(年間数兆円)を銀行に免除することであるからだ。言い換えるとゼロ金利政策とは国民収奪の事である。
#米金融危機 #FRBの利上げ

ロシア支持を鮮明にした習近平政権!

ロシアを訪問中の中国の習近平国家主席とプーチン露大統領は21日、モスクワで2日目の首脳会談を行い、中露の連携強化を改めて確認するとともに、ロシアが侵略を続けるウクライナ情勢を協議した。会談終了後、両首脳は共同声明に署名。中露が米欧諸国に対し共同対処していく方針を強調したほか、ウクライナ情勢に関しても米欧は軍事支援を停止すべきだと訴えるなど、ロシア側の主張に沿った内容となった。

共同記者発表でプーチン大統領は、ウクライナ情勢に関して中国が先月発表した「和平案」の内容はロシアの方針とほぼ一致しており、将来的な和平の基礎になると評価した上で「米欧とウクライナには平和的解決の準備が整っていない」と主張。米欧の軍事支援を非難している。

共同声明には、「中露は一方的な制裁に反対する」「『より優れた民主主義』などは存在せず、他国に自身の価値観を押し付けるべきではない」「ある国や国家集団は、他国の安全保障を犠牲にして自身の安全を確保してはならない」との記載を盛り込んでいる。これは独裁国家の独善というべきだ。

プーチンはまた、「中露関係は史上最高水準だ」と誇示。モンゴル経由でロシアの天然ガスを中国に輸出するパイプライン「シベリアの力2」の建設を進める意思を示したほか、中国への食料輸出も増加させるとし、対露制裁の影響を中国との貿易拡大で緩和させる思惑を鮮明にした。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は21日、ウクライナ侵攻開始後の1年間で、中国からロシアに総額1200万ドル(約15億9千万円)分以上の無人機(ドローン)とその部品が輸出されたと報じた。ロシアの税関資料で判明し、ロシアにとって中国の支援の重要性が高まっていると指摘した。同紙によると、約70社の輸出業者によって26種の無人機がロシアに運ばれ、うち約半数は世界最大手DJI製だったという。

ウクライナの極右政権を使い、ウクライナ国内のロシア人を弾圧し、NATO加盟でロシアを挑発し、ロシアの侵攻を招き。経済制裁でロシアのプーチン政権を打倒するというバイデンの目論見はすでに破たんした。ロシアを中国の側に追いやることは、アメリカの戦略を不利にしている。ロシアへの経済制裁はインド・中国がロシアとの貿易で利益を受ける構図が露わになっており、対ロシア経済制裁は、欧米諸国の物価高騰を招き、その対策としての金利上昇が、欧米の金融不安を拡大し、対ロシア経済制裁の失敗がすでに明白となっている。

習近平はこうした情勢を受けて、ロシア側に立った停戦案を公表した。最近の習近平の中東のサウジとイランの関係改善にみられるように、アメリカの中東戦略は破たんさせられており、世界の戦略外交は中国・ロシア・イランの独裁連合が主導権を握りつつある。

バイデン外交は戦略的に完全に敗北しつつあり、ウクライナへの軍事支援は欧米の外交的失敗を挽回しようとするものであるが、戦争が続けば続くほどウクライナが荒廃し、欧米の経済・金融が危機になり、ロシアも経済的に危機になり、中国だけが戦略的優位を確立することになる。バイデン外交の失敗は、イスラエルや台湾、日本などの同盟国を危機に陥れるものである。

したがって、岸田首相がウクライナの首都キーウを訪問したことが、日本の安全保障を3正面に敵を作る危機を招き、軍事予算の増額は、アメリカからのトマホーク購入に見れれるように、時代遅れの兵器を買わされることは、事実以上のアメリによる日本の国家予算の分捕りなのである。日本には高速の対艦ミサイルもあり、自前の巡航ミサイルを生産する技術もある。岸田首相のアメリカへのゴマすり外交は評価できない。

対米従属ゆえに、このような拙劣な外交になることを指摘しなければならない。バイデンの外交的失敗に追随する危険を指摘しなければならない。日本の安全保障を優先するなら、台湾と日本を支配下に置こうとする中国だけを仮想敵とし、ロシアをアジアでは中立に置く戦略外交が不可欠なのである。岸田首相の戦略観点欠如の対米追随外交は極東の戦略的力関係を無視している、としか言いようがない。
#中国戦略外交

広がる金融危機が政策のジレンマを招いている

10日にアメリカのIT企業が地盤のシリコンバレーバンク(SVB)が破綻して以降、金融不安は各地で広がっている。12日に米東部ニューヨーク州のシグネチャー・バンクが破綻。16日には再び米カリフォルニア州のファースト・リパブリック・バンクに対して米大手銀が救済策を発表した。

バイデン米大統領は17日、相次ぐ米銀の破綻を受けて「経営陣の責任を厳しく追及すべきだ」とアメリカ連邦議会などに対応を求める声明を公表した。金融監督の甘さも指摘されるなか、危機を招いた個別行の経営責任を明確にしたい考えを示した。

19日には経営不安が再燃していたスイス金融大手のクレディ・スイスを、同じスイスのUBSが買収することが決まった。スイス政府とUBS、クレディ・スイスが19日発表した。買収額が30億スイスフラン(約4260億円)相当となる株式交換で実施する。米シリコンバレーバンク(SVB)の破綻で金融システム不安が高まって経営不振のクレディ・スイスの株価が急落し、預金や預かり資産の流出も加速していた。

スイスの金融機関大手クレディ・スイス・グループは19日、同社が発行した劣後債の一種である「AT1債」について、約160億スイスフラン(約2.2兆円)分の価値をゼロにすると発表した。株式より低リスクとされる社債での異例の巨額損失発生となる。投資家心理が悪化して、世界の社債市場での売りに波及する可能性もある。

アメリカ連邦準備理事会(FRB)など日米欧の6中央銀行は19日、中銀が協調して市場へのドル供給を強化すると発表した。相次ぐ銀行の経営不安拡大に対応しした措置である。金融不安が強まると短期金融市場での取引が細り、自力でドルを調達するのが難しくなる金融機関が増える。このため中銀が「最後の貸し手」としてドルを供給することで金融危機拡大の回避を策している。

日銀が保有する国債の含み損が2022年12月末時点で9兆円規模になったことが17日、わかった。日銀の政策修正で金利が上昇(債券価格は下落)し、9月末の8749億円から10倍以上になった。政府が発行する大量の国債を日銀が事実上無制限に引き受ける、無責任なインフレ政策の継続が金融不安を拡大する可能性がある。

銀行不安がアメリカから欧州へと広がり、欧米中銀の利上げ路線が試練を迎えている。金融システムの安定には利上げの減速や停止が望ましいが、インフレを再加速させるリスクがある。欧州中央銀行(ECB)は16日、3会合連続となる0.5%の利上げを決めたが先行き不透明感は強い。アメリカ連邦準備理事会(FRB)は21〜22日の会合で利上げを見送るとの観測されている。

コロナ禍で欧米各国はゼロ金利による企業救済のインフレ政策を行ったが、その結果物価の高騰を引き起こし、これをウクライナ戦争がさらに原材料価格を高騰させた。物価を抑制しようと金利を上げたら、今度は金融危機が表面化し、拡大し始めた。

G7が進めたグローバル化の中での「平和の配当」と称する強欲の資本主義の政策が、先進各国の金融資本に巨大な利益獲得させ、金融資本のマネーゲームを招き、低金利のインフレ政策が物価の急上昇を招き、これを抑制するための金利上昇が、今度は金融危機を招くことになった。物価の上昇を抑制しなければ政治危機を招き、物価の高騰を防ぐために金利を上げれば金融危機を招く。これはジレンマであり、一つの危機克服策が新たな危機を招く事態を生み出している。つまり国際経済が矛盾を蓄積し、爆発寸前となっているということである。

不毛の争いであるウクライナ戦争をすぐさま停戦させ、エネルギーと食糧価格を正常に戻さないと、世界的経済危機と、戦争の危機を拡大しかねない事態が生まれている。バイデン米大統領が「経営陣の責任を厳しく追及すべきだ」と発言したのは、再選を控えた政治責任回避であるが、ウクライナを使いNATO加盟でロシアを挑発したのはバイデンであり、彼が今回の事態を生み出した最高責任者であるのは明らかだ。拡大する金融危機はバイデンの再選を難しくする可能性が強い。
#広がる金融危機

少子化問題の本質は何なのか!

世界中が人口減少問題を抱えている。とりわけ日本は、強欲の資本主義の政策をやりすぎて、若者が低賃金の非正規雇用であるために結婚できず、子供も作れない。毎年一つの県の人口が減少する事態が生まれている。

中国はもっと深刻だ。人口の増加が経済成長の足かせになるというので30年以上「一人っ子政策」を続けた。この結果一つの家族が4人の高齢者の老後を見なければならない事態が生まれた。ベトナムの中国との国境地帯では10代の少女が次々誘拐されている。中国の妻のいない家庭に売るためである。中国では将来14億人の人口が5億人を割るまで減少すると言われている。

韓国の少子化は世界一の深刻さだ。財閥経済が中小企業が育たない経済を生み、大学を出ても就職口がなく、海外に出稼ぎせざるを得ない。ゆえに世界一の少子化になった。
アメリカは人口減少を中南米からの移民で補ってきたが、最近は移民に反対する流れが起きて、労働力不足となっている。欧州も同様の移民で労働力不足を補ってきたが、移民の増加とともに、福祉を維持できなくなり、犯罪も増えて移民反対の声が高くなり、極右が勢力を伸ばしている。

世界共通の「少子化問題」とは、ソ連崩壊と中国の資本主義化で、単一のグローバル経済が生まれ、先進7か国首脳会議が「平和の配当」を追求し始めた結果である。「平和の配当」とは、社会主義崩壊で労働者革命の心配をしなくてよくなったので、労働者への搾取率を高める、という強欲の資本主義の政策のことである。

この政策を最も貪欲に進めたのが日本であり、その結果が労働者の貧困化であり、深刻な少子化問題の深刻化であり、「日本病」と形容される日本経済の30年間の停滞であった。経済学者が「失われた30年」と呼ぶ、この30年間、日本の労働者の実質賃金は下がり続けた。これがアメリカの著名な経営者が「将来日本は消えてなくなるだろう」と論評するほどの経済的縮小を招いたのである。

つまり世界中の「少子化問題」とは、野蛮な搾取政策が行き過ぎた結果であり。労働力の再生産費である賃金の切り下げをやりすぎると、労働者世代の再生産がおこなえなくなるという事態の事なのである。

資本主義は、競争社会であり、その競争が設備投資を促し、進歩する科学技術の生産手段への応用で生産性を高め、それに伴い労働者への賃上げが、人口増を実現してきたのであるが、G7が強欲の資本主義の方向へ舵を切ったことが、世界的な「少子化問題」を深刻化させたのである。これは資本主義的制度が、もはや生産力を高められなくなったということであり、強欲ゆえに、労働者人民を食わせられないほど分配率を下げすぎたということなのだ。世界的な規模で資本主義制度の行き詰まりが明らかとなってきている。

資本主義社会の労働者と資本家の関係は、互いに相手を必要とする「対立面の統一の関係」であり、その両者の分配率は適正な比率でなければ、経済が健全に成長できない関係なのである。強欲な、野蛮な搾取は、労働者階級の再生産と、その社会そのものさえ叩き潰すということである。


言い換えると、ソ連の崩壊、中国の走資派支配とは、資本主義の勝利ではなく、社会主義建設が不可避的に生み出す官僚独裁の崩壊であり、これを資本主義の勝利と勘違いしたG7の政策的誤りというほかないのである。「少子化問題」とは、人が働いて子供を産み育てられる、新しい社会制度が求められる時代なのである。資本主義制度は強欲ゆえに人類の存続の障害となりつつある。
#強欲の資本主義 #少子化問題

岸田政権の増税がらみの政策音痴!

岸田首相が1月4日に打ち出した「異次元の少子化対策」の評判が悪すぎる。なぜなら政策の中身が旧態依然の「児童手当中心の経済的支援の強化」であったからだ。しかも受給要件から所得制限を外した対象拡大と支給額の増加だというのであるから、少しも異次元ではない。

かって民主党政権が所得制限がない「子ども手当」を導入したときに、自民党は所得制限を外したことを批判した過去がある。自民党の政策に「異次元の金融緩和」の政策があったが、中身はゼロ金利と日銀の国債引き受けで、インフレ政策を行い、国民の預貯金を目減りさせ、株価を上げただけだった。自民党の異次元と称する政策は毎回胡散臭さが鼻に付くのである。

先に岸田首相は防衛費の倍額化を打ち出しており、これも増税が政策の背景にある。児童手当増額の政策の背景には消費税増税が隠されているのではないのか?との疑いが出て来る。この「こども手当増額」の財源について、岸田周辺は「子ども少子化保険」を考えているらしい。個人、企業、国が負担する保険という形も、本質は隠蔽型国民負担に他ならない。

報道によれば、岸田政権は永田町では「財務省政権」と言われており、すべての政策の裏に増税が隠されていると考えた方がいい。放送法が定める「政治的公平」の解釈をめぐる総務省の行政文書について、国会で当時の高市総務大臣への追及が強まっている。

高市大臣は、岸田首相の増税路線について、春闘での賃上げで景気が拡大すれば税の自然増収がある、との視点から、岸田の防衛費増税路線に「解任覚悟」で反対した過去がある。総務省の行政文書問題は、岸田政権の増税反対派の高市つぶしではないのか?との疑惑が出て来る。それほど岸田首相の政策には増税狙いの財務省の狙いが透けて見える。

防衛費や子ども手当増額の財源を増税に頼るのではなく、経済成長による税の自然増収を目指すのが政治家としての政策視点でなければならない。この点で高市大臣の見解が正しいのであり、岸田首相の財務省の言いなりの政策は、まさに「政策音痴」と言うしかない。

岸田首相には政治家としての思想・信条や、哲学が見えないのである。政策に「異次元」と形容すれば内閣支持率が上がると考えているとしか思えないのである。政治家であるなら、今増税すれば、その分だけ内需が縮小し日本経済は一層停滞と縮小のサイクルにはまり込むことへの警戒が必要であろう。
#岸田政権の増税路線

習近平政権の経済政策が成功しない理由

中国の議会である全人代や、各種党と政府の会議では、ことごとく満票で議題が承認される。習近平のように江沢民派や共青団派などの反対派の幹部を、反腐敗を口実に排除すると、反対意見が出しずらくなる。また「最高支持」が「つるの一声」で組織に下されると、中国では出世競争で常に行き過ぎが起きる。またゼロコロナ政策の転換のように、180度政策が変わるときは、逆に地方幹部は責任逃れのために、どうしても保身から行動に慎重になりすぎる。

最高指導者の習近平に抜擢されたい、出世したいゴマすり官僚たちは、習近平の評価獲得のために仕事をし、自分の担当部署の成果を見せかけるなど、忖度・忠誠合戦が繰り広げられ,各種経済統計など主要経済統計さえ改ざんされる。それが県から州へ、州から中央へ上がるたびに起きるのである。それゆえ中国の経済統計は、ほとんど客観を反映しておらず、信用できないのである。

習近平「一強体制」の弊害が指摘されているのは、中国が官僚独裁の国であるからだ。日本でも企業内労組が監視の目を光らせていた時は、企業内の不正は少なかった。ところが労組が家畜化したあとは、製品の検査データ改ざんなど不正が万延し、パワハラ自殺が増え、企業の技術力が衰えている。これが日本の一流企業でさえそうなのであるから、官僚独裁の中国ではなおさら、政権内の反対勢力の存在が貴重となる。ところが習近平はすべての反対派を排除し、「お友達政権」にしたのであるから、その政権運営が正常に機能するわけがない。政策遂行の各段階で起きる様々な矛盾をうまく処理できるわけがない。

毛沢東の大躍進政策が失敗したのは、こうした官僚組織の弊害があったからで、それ以後の毛沢東は、一つの地域で実験的に実施し、成功すれば全面に波及する手法をとった。例えば自然を改造・開墾し、耕作地を拡大する実験は、大賽で実験的に実施してから、「大賽に学ぶ運動」として全国に推し進めた。習近平の内陸部の改革開放政策には、こうした手法は取られていない。ゆえに内陸部の資本主義化は成功しているとは言えない。

習近平の経済政策(=資本主義化)が成功しない、もう一つの理由は、中国が毛沢東の文革時代の、集団化・全人民所有化政策を進めたため、中国社会では価値法則が貫徹しにくい経済構造となっていることである。それゆえ鄧小平は深圳などの沿岸部に外国企業を誘致して、輸出基地として改革開放を進めるほかなかった。つまり中国経済は場所貸し経済なのである。

鄧小平以後の幹部たちが、内陸部の市場経済化に失敗したのは、内陸部に産業都市を建設しても、誰も投資を行う資本を持っていなかったことである。そこで党幹部たちの親族に国有地の使用権を払い下げるという手法で、財政を確立し、主に不動産業で資本形成を行うことにしたのだが、これにより不動産業の成金がたくさん増え、金もうけの不動産投機が巻き起こり、習近平は立腹し、これを抑圧した。

中国では一部民間企業が成長したが、習近平は民間企業も抑圧を強めた。彼の支持基盤は鉄鋼や造船などの重化学工業や、解放軍兵器廠の国営企業幹部達であり、旧来の産業の国営企業を儲けさせるには、戦車や軍艦などの兵器生産の増強しかなかった。習近平の「強国路線」は、主要には国営企業の衰退を怖れたゆえであり、個人独裁を強化するには国営企業群の幹部たちの支持が必要であったからなのだ。

こうした経済的要請から、習近平の大中華民族主義に元づく「中国の夢」すなわち世界覇権を目指して、「一対一路」「中国製造2025」の経済・技術戦略が出てきている。ところが、この野心的覇権構想が、アメリカの一極支配への挑戦として、中国への先端技術からの隔離政策を導き出してしまった。

習近平には一極体制を強化するには、「反米」は中国においては挙国一致の万能薬で、ある意味好都合であった。しかし大中華民族主義がウイグル族や内モンゴルやチベットなどの少数民族への抑圧=同化政策であるので、人権問題として世界中の批判を集めることになった。

習近平にとって、好都合なことは、ウクライナのNATO加入の挑発に、ロシアが引っかかり、ウクライナ戦争が始まったことである。これで中東産油国がロシア・中国側に立ち、独自の経済圏構想を形成する条件が生まれたことである。つまりアメリカのユーロ経済圏の東への拡大を阻止するためのウクライナ戦争が、中国の覇権確立には好条件を作り出したことである。ロシアと中東と発展途上国が中国の傘下に加わり、戦略的地位は上がり、超大国としての軍事的力を蓄える、時間的余裕を獲得したのである。

しかし、習近平の困難は、中国の経済が外国企業の場所貸し経済であることだ。米中対立で、外国企業が部品供給網の不安から、中国での部品の生産を他国へ移し始めていることは、「強国路線」の経済面でのマイナスで、習近平には内需の拡大が経済的課題となるのだが、習近平政権には経済専門家がおらず、全人代でも地方政府の負債を増やして公共事業を行うほかの際立った政策は見られない。これでは、習近平政権の経済的破綻は明らかだ。
ゆえに、中国の周辺国は、習近平ファシスト政権の外への軍事的暴走に備えなければならないのである。
#習近平ファシスト政権

中東の主導権は中国・ロシアが握った

イランとサウジアラビアが、7年に及ぶ断交を解消し、外交関係を正常化させることで合意した。アメリカの中東への影響力の低下が指摘されるなか、合意を橋渡しした中国の目的は、どこにあるのかが注目されている。

今回、3カ国が連名で発表した共同声明には「サウジとイランの友好を支持する習近平(シーチンピン)国家主席の積極的な提案に両国が応じた」とわざわざ記され、中国の役割が強調された。合意後、王氏は中国メディアに「重要な成果が得られた。対話の勝利、平和の勝利だ」と勝ち誇った。

中東の地域大国であるサウジアラビアとイランが外交関係の正常化で合意したことは、イスラム教シーアー派とスンニ派を対立させ、イランを孤立させるというイスラエルとアメリカ中東戦略にとって、外交的敗北といえる。中国の狙いは、スンニ派アラブ諸国とイスラエルの関係改善を進め、イランを孤立させるというアメリカの中東外交の破綻にあったといえる。

アメリカ国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は10日、記者団に「地域の緊張を緩和するあらゆる努力を支持する」と述べて合意を歓迎しつつ、アメリカは「直接関与していなかった」と語った。カービー調整官は合意の効果が続くかどうかは「様子見だ」としつつ、「イランが本当に合意を守るかまだ分からない。イランは通常、約束を守るような政権ではない」と牽制した。

アメリカとサウジは長年、同盟国であったが、バイデン政権下で関係がぎくしゃくしている。特にウクライナ戦争では、中東産油国がロシア・中国陣営に立ち、その非米色が目立っている。ウクライナでのロシアの非道を欧米のメデアが宣伝するたびに「中東では非道が通常の事であった、イラクやアフガンではアメリカ軍は200万人も殺したではないか?」とのサウジ王家からの批判が出ていた。

報道によれば「イスラエル史上最も右寄り」とされる対パレスチナ強硬派のネタニヤフ政権が昨年12月末に発足した後、イスラエル軍はパレスチナ人約80人を殺害した。このため、パレスチナ独立国家の建設をイスラエルとの関係正常化の条件に掲げるサウジ政府が反発し、態度を硬化させて、サウジがイスラエルよりもイランとの和解を優先したとみられている。つまりサウジとイランの関係改善は、アメリカとイスラエルの外交的敗北といえるものである。バイデンの戦略観点の無さが露わになったといえる。

今回のイランとサウジアラビアの関係改善は2022年12月7日から10日まで、中国の習近平国家主席が、サウジアラビアを公式訪問し、中国サウジアラビア首脳会談、中国GCC(湾岸協力会議)サミット、そして初開催となる中国アラブ連盟サミットなど重要な首脳会談に参加したことが布石であった。

世界のエネルギーを握る中東の主導権は、アメリカ側から、サウジに接近した中国と、シリアと連携するロシアの側に移行したことは明らかだ。今後アメリカとイスラエルの側の巻き返しとしての、サウジ・イラン関係を破壊する陰謀・工作が激化するであろう。
#サウジ・イラン関係改善

シリコンバレーバンク経営破綻の衝撃!

ITを使った「テック企業」向けの米銀行、シリコンバレーバンク(SVB)が10日、経営破綻(はたん)した。銀行の破綻時に預金保護を担う政府機関、米連邦預金保険公社(FDIC)が預金を管理下に置いた。2022年末時点の総資産は2090億ドル(約28兆円)で、08年のリーマン・ショック以降、銀行の破綻としてアメリカで最大。米メディアによれば、資産規模は全米16位で、2008年のリーマン・ショック以降で最大の米銀破綻となる。

シリコンバレーバンクは、集めた資金を融資よりも住宅ローン担保証券(MBS)や米国債といった有価証券に投じた。米連邦準備制度理事会(FRB)が繰り返した利上げで、こうした証券の価格が下落、含み損を抱えた。さらに、「テック企業」(=テクノロジー企業)の経営が厳しくなり、預金を引き出すと手元資金が不足。損失を抱えた証券を売らざるを得なくなり、信用不安から預金引き出しが相次ぎ破綻した。米カリフォルニア州当局の資料によると、9日だけで420億ドルの預金が引き出され、同日の営業終了時点で、9億5800万ドルの現金不足に陥っていた。

FRBによる急速な利上げによって、多くの銀行では債券投資の損失(含み損)が広がっている。シリコンバレーバンクの経営破綻を受けて、金融市場は他の銀行の経営環境に対する不信感が高まっている。アメリカでは主要銀行の株価が大きく下落したが、10日には欧州でも銀行株が下落し、さらに同日には日本でも銀行株が大きく下落した。

アメリカでは証券会社、保険会社、ヘッジファンドなどを含む銀行以外の金融機関が「影の銀行」といわれており、この金融危機を「米国の新型金融危機が破裂間近」(月刊誌「選択」3月号記事)との報道もあった中での、シリコンバレーバンクの経営破たんであるだけに世界中に衝撃が走った。

ウクライナ戦争を原因とするエネルギー価格の高騰が、欧米経済にロシア以上の打撃を与えており、物価の上昇を抑制するためのFRBの金利上昇が、債券投資を行っていたシリコンバレーバンクを倒産に追い込み、さらに金融不安を高めることになった。同様の債券投資を行っていた銀行が、今後の金利上昇に耐えられるのか?利上げと金融の引き締めでアメリカの住宅ローン担保証券(МBS)は価格が急落しており、このМBSは日本の銀行も購入しており、新型金融危機はアメリカだけの問題ではなく、金融不安は世界的に拡大しており、その反映で銀行株の世界的下落となった。

コロナ禍が経済危機を深め、その経済危機が国家間の政治的対立を煽り、政治的対立が戦争になり、その戦争に伴う経済制裁が、エネルギーや食糧価格を高騰させて、新たな金融危機を呼び起こしている。アメリカの金融危機が、世界大恐慌へ発展しかねないことを指摘しておかねばならない。
#アメリカ金融危機

世界経済・今年後半の景気後退がありうるか?

アメリカでは高物価がつづいており、相次ぐ金利上昇で、IT企業を中心に人員削減が続いており、今年後半にも景気後退の声も出始めて、アメリカでは「新型金融危機が破裂まじか」との報道もあるので、アメリカ経済の情報をチェックしてみた。(以下は米報道からの抜粋である)

*米チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスが9日発表した調査によると、米企業や政府機関による1〜2月の人員削減は計18万713人と09年の同期間(42万8099人)に次ぐ高水準となった。2月の人員削減計画は7万7770人と前月から24%減ったが、前年同月比では5倍強に増えた。昨年後半から人員削減に乗り出す企業が相次いでおり、2月時点で発表された人員削減計画の35%はIT(情報技術)企業によるものだった。

*昨年来、FRBがインフレ抑制のためにトータル4.5%の積極的な利上げを行った結果、金利は2007年以来の高水準に達し、株式や債券に重くのしかかった。専門家は、金利の上昇は経済への過度な締め付けとなり、景気後退につながる可能性があると警告している。

*ロイター通信によれば、米金融大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)は7日、米経済は2023年第3・四半期にテクニカルリセッション(2四半期連続のマイナス成長)に突入するとの見通しを示した。
・スタートアップやベンチャーキャピタル(VC)との取引で知られる銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価が9日急落し、前日比60%安で終えた。8日に資本増強のために普通株の発行などで22億5000万ドル(約3060億円)を調達すると発表。新興テック企業など取引先の資金繰り悪化に伴う預金流出の懸念が広がった。

*9日の米株式市場でJPモルガン・チェースなど大手銀行株が急落した。預金流出に見舞われた米銀行持ち株会社SVBフィナンシャル・グループが保有する債券を売却し、巨額の損失を計上したのがきっかけだ。2022年以降の米金利上昇(債券価格の下落)で保有債券の含み損を抱える大手銀でも将来的に売却損が生じかねないとの懸念が高まり、銀行株売りを誘った。

*米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は9日、早期退職者の募集を始めると明らかにした。米国で働く事務系などホワイトカラーの従業員と、全世界の幹部職を対象とした新規プログラムを始め、6月末までの退職を促す。2024年末までに20億ドル(約2700億円)のコストを削減する計画で、人員を絞り固定費を抑える。早期退職プログラムは、勤続5年以上の米国のホワイトカラー系従業員と、勤続2年以上の全世界の幹部職が対象になる。早期退職者の募集は3月下旬に締め切る。

  *   *   *
アメリカ経済は、ウクライナ戦争で穀物・エネルギー・兵器の輸出でぼろ儲けしており、現状のアメリカ経済は一人勝ち状態である。しかし他方で、IT企業関連の広告収入が激減しており、リストラが大規模に行われており、今年後半の景気後退が起きる可能性がある。世界的に見て欧州経済がロシアからの安いエネルギーが入らなくなり、落ち込みがひどいこと、中国経済も落ち込みがひどく、ゼロコロナの影響と、貿易額が激減していることなどから、今年後半の景気後退が心配されている。

ウクライナ戦争が停戦の見通しがなく、むしろ戦争の拡大の可能性もあり、世界市場の分割など、不確定要素が多い中での、今年後半の景気後退が心配されている。

外需頼みの日本経済は、賃上げによる内需拡大が実現しないと、今年後半の景気後退が心配される。春闘での賃上げが物価上昇率を上回るか、最低賃金の大幅なアップが必要な局面である。ゆえに3月15日の春闘の集中回答が世間の注目を集めているのである。
賃上げが物価上昇分を下回るようだと、岸田政権のゼロ金利継続のインフレ政策と、バラマキ=増税路線で景気が悪化する心配がある。
#世界経済の後退

崩壊したグローバル経済と世界の多極化の中の外交

旧ソ連の崩壊と中国の走資派権力により、冷戦が集結し、世界はドル経済圏を中心としたグローバル経済が生まれた。しかしアメリカの一極支配は長くは続かなった。世界の多極化は、誰かの政治的意図で進んでいるのではない。それは資本主義の不均等発展の法則の結果であり、グローバル経済が多極化の経済的基礎を作り上げたのである。

多極化の一つは、欧州におけるユーロ経済圏が東欧諸国を飲み込んで東に拡大し始めたこと、中国経済が多国籍企業の輸出基地として成長したこと、さらには、台湾やインド、インドネシア、ブラジルなどが経済成長を遂げたこと、つまりグローバル経済の広がりが世界の多極化を促したのである。

アメリカはかって日本経済が世界第2位に発展するや、プラザ合意とルーブル合意で円高を作り出し、日本のバブル経済を演出し、日本の経済的挑戦を打ち砕いた。ユーロの挑戦に対しては、ウクライナを使いロシアを挑発して、ウクライナ侵攻へと誘い込み、欧州が安上がりなロシア産エネルギーに依存することを打ち砕いた。欧州は再び分断と対立に立ち帰ることになっり、ユーロは拡大の芽を摘まれた。

中国の経済的挑戦に対して、アメリカは「競争相手」として位置付けて、先端技術からの隔離政策を打ち出し、日本同様に屈服を迫った。中国は世界の工場であるのでドル経済圏からは抜け出せないとのアメリカ側の読みがあった。しかし重要なことは、日本はアメリカン従属国であったが、中国は自立した官僚独裁の国家であることだ。

中国の戦略は、ウクライナ戦争を利用して、ひそかにロシアを支援し、戦争を泥沼にして欧米を経済的に疲弊させることであり、巨大な軍拡と軍事的恫喝で台湾を揺さぶり、国民党に浸透して、平和的に台湾を手に入れることである。台湾には中国軍幹部が「宝島」と呼ぶ世界一の半導体産業があり、アメリカ製の兵器が存在している。台湾の平和的占領はアメリカの先端技術からの隔離をたやすく打破することができる。

台湾の国民の中に生じている「ウクライナのように、台湾はアメリカの代理戦争の捨て駒にされるのではないのか?」との不安を、中国政府はうまく利用し、台湾の野党国民党内に浸透している。つまりアメリカのドル支配維持の戦略を、中国がうまく逆利用して、覇権を奪いつつある、というのが現局面の世界情勢の特徴なのである。

しかし我々の見るところ、中国は基本的に外国企業への場所貸し経済である点が、経済的弱みであり、アメリカとたもとを分かれつことはできそうにない。習近平政権は独裁強化で反対派を粛清したことで国内的に孤立しており、官僚独裁は極めて歪みと孤立を増している。それゆえ習近平は「共同富裕」の大衆受けする社会主義的スローガンを掲げざるを得ないのである。こうした習近平の統治方法では、内陸部の資本主義化は極めて制限されたものにならざるを得ず。早晩中国経済は財政・金融危機を迎えるであろう。

つまり世界の多極化は、アメリカのドル支配が弱りつつあるが、巻き返しもあるので、しばらくは隠然とした形で多極化が進むことになるであろう。アメリカ国内の世界覇権に利益を受ける金融資本と、在来の産業資本との矛盾は、アメリカ国内の分裂と対立を深めており、外国にあるすべての米軍基地を撤退させるというトランプ派の「アメリカ第一主義」は未だ衰えていない。アメリカの一極世界支配は今後難しくなっていくであろう。

韓国の新政権が反日路線を転換し、日本をパートナーと呼び始めたのは、アメリカの代理戦争路線があり、また近く在韓米軍が引き上げることが避けられない状況の下での、安全保障を考慮し始めたことであり、北朝鮮の核開発の下で、日本に接近するほかに安全保障を図る方途がないところから選んだ、生き残り策なのである。

日本政府は、いつまでも対米従属では一国の安全保障を図ることが難しい時代であることを認識して、対米自立、自由と民主派支持の、自主的外交が不可欠であることを自覚すべき時なのである。ウクライナ戦争の隠された反ユーロ戦略を読み取ることができず、うかつにも、ウクライナ全面支持で、日本は3正面に核保有の敵を持つ戦略的窮地を招いた誤りを指摘しなければならない。世界の多極化は、複雑怪奇な外交戦の時代であり、無神経な対米追随は、ウクライナのような代理戦争の捨て駒として、亡国を招きかねないことを指摘しなければならない。
#多極化の中の外交

中国の反米は政治危機回避の特効薬!

中国の1~2月の輸出額は前年同期比6・8%減の5063億ドル(約69兆円)だった。インフレに悩む欧米の景気減速が影響したとみられ、昨年10月以降、前年と比べて輸出の減少が続いている。ゼロコロナ政策で打撃を受けた経済の回復を急ぐ習近平指導部に、輸出減少の逆風が吹いている。しかも作物の輸入量は1億1687万トンで、国内流通量の21%にも急増した。中国政府が食糧安保に言及し始めたのは、食料の自給自足が崩れた危機感ゆえである。

中国税関総署が7日に発表した。国別の輸出額をみると、アメリカ向けが前年同期比で約22%減、欧州連合(EU)向けが同約12%減で突出している。これに対し日本向けは微減だった。品目別に見ると、家電や集積回路、紡績品、衣服や靴、おもちゃなど幅広い分野で輸出額はマイナスを記録した。これはエネルギーや原材料価格の高騰の反映なのであるが、世界の輸出基地の中国経済には深刻な打撃である。

外需が減少しているので全人代では、これまで規制していた建築バブル容認の方向を打ち出し、膨大な財政赤字を抱える地方政府に、公債発行で公共事業の拡大を促すという、内需拡大の方向であるが、国営企業の軍需生産をやめるわけにいかず、日本の来年度国防予算の4,5倍の、前年比7・2%増の1兆5537億元(約31兆円)の国防予算を計上した。それも一人当たりの国防費で見るなら、アメリカよりはるかに少ない、と強調しての増額だった。中国は経済危機を兵器生産に走ったナチス・ヒトラーの道を進んでいる。

中国の秦剛(しんごう)外相は、7日の記者会見で「アメリカがいう『(中国との)競争』とは中国を全面的に抑圧するもので、食うか食われるかのゼロサムゲームだ」と対抗姿勢を強めるアメリカの対中政策を「理性的で健全な軌道を完全に外れている」と非難し、ブレーキをかけなければ「衝突に陥るのは避けられない」と厳しく批判した。中国は、習近平国家主席が掲げる「強軍思想」を貫徹し、台湾侵攻のための「重大任務」の準備強化を進めながら、外相は記者会見で「中国は一貫して世界平和の建設者だ」と述べて、世界中をあきれさせた。

アメリカ国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は7日のオンライン記者会見で、中国の秦剛外相がアメリカの対中政策を批判したことについて「中国とは戦略的な競争をするが、競争の段階でとどめておきたい、衝突は望んでいない」と強調した。また台湾への支援を巡っても「アメリカは台湾の独立は支持しない」と重ねて表明した。

中国外相が、アメリカが「衝突は望んでいない」といっているのに、「衝突に陥るのは避けられない」と、厳しく批判するのは国内向けである。それは中国経済の直面する深刻さの表れであり、中国は経済危機が中国民衆の反習近平への退陣要求となることを恐れるあまり、反米を強硬に打ち出しているのである。中国社会においては、反米は国内政治危機回避の「政治的特効薬」なのである。

中国を、外国企業の輸出基地とする「改革開放」路線は、エネルギー価格の高騰の直撃を受ける。それに誤ったゼロコロナ政策で大きな経済打撃と重なり、さらには習近平の民間企業抑圧政策、不動産投機への反発規制が重なり、中国経済は実のところマイナス成長の深刻さなのである。

中国における統計は、各レベルの官僚が保身のために改ざんに改ざんを重ねており、中国官僚が「わが国には統計という最後の手段がある」と語るように、この国内経済の深刻さは隠蔽されている。この深刻さを図るバロメーターは、国内向けのアメリカ批判であり、反米の強さに表れるのである。

この現状の経済危機に、全人代で打ち出された不動産バブル奨励政策が重なれば、経済破綻は一層深刻となりかねない。中国のような独裁国家では、経済の延長が政治であり、政治の延長が戦争として特徴的に露呈する。我々が、中国の内的矛盾の激化が、外的矛盾への転嫁を促すこと(中国の軍事的暴走)を警戒する経済的根拠である。
#中国経済の危機

習近平の大軍拡の政治的狙いを見抜け!

中国で5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕し、2023年の国防費を前年比7.2%増の1兆5537億元(約30兆5500億円)とする予算案が提出された。中国は習近平の強国路線・中華海洋帝国建設の夢を正当化するために、中国への脅威が「エスカレート」していると主張し、国防費の伸びが7.2%だったことについて、中国軍は「アメリカなどと比べると、比較的低い水準だ」と主張している。日本の防衛予算の数倍にまで増大している中国の国防費を、たした額ではないと見せかけようとしている。

李首相は活動報告で「(27年の)人民解放軍創立100周年の奮闘目標の実現に向け、それぞれの任務を完成させる。国防強化プロジェクトの実施や国防科学技術能力の建設を加速する」と述べた。中国は人民解放軍の現代化と「世界一流の軍隊」にする目標を掲げているが、軍備強化を加速する節目として27年の建軍100週年を置いている。

アメリカ中央情報局(CIA)のバーンズ長官が「習近平国家主席は27年までに台湾侵攻の準備が整うよう指示している」と発言したことも根拠がある。中国は空母4隻体制などアメリカに対抗できる海軍力を目指し、建艦強化を着々と進めている。

しかし重要なのは、この中国の軍拡の脅威を強調することではなく、その政治的狙いを見抜くことである。中国は「戦わずに勝つ」兵法を確立した、孫子を生み出した国である。習近平の軍拡の政治的狙いを見ておくべきである。中国政府はウクライナ戦争で台湾国民の中に、「台湾もウクライナのように代理戦争の使い捨ての駒にされるのではないか?」との疑惑が生まれている。これを習近平政権が見逃すはずもない。

中国政府は台湾の野党国民党に資金でテコ入れし、中国の一部との認識を台湾民衆の中に植え付けており、最近の地方選では国民党が圧勝するまでになっている。台湾に国民党の政権が生まれれば、中国は戦争をせずとも平和的に台湾を手に入れることができる。台湾はアメリカが仕掛けた半導体などの先端産業の隔離政策を打破する世界一の半導体産業が存在している。つまり中国政府の狂気じみた建艦は、台湾を闘わずに手に入れるための布石なのである。

松野博一官房長官は6日の記者会見で中国による国防費の増加に懸念を示した。「十分な透明性を欠いたまま軍事力を広範かつ急速に増強させている」と指摘した。同氏は「中国は東シナ海、南シナ海などで力による一方的な現状変更の試みを強化している」と述べた。「日本と国際社会の深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的な挑戦だ」と語った。

「戦略的挑戦」というだけではだめで、その政治的狙いを見抜くべきである。日本は台湾やベトナムやインドネシアやフィリピンを習近平ファシスト政権に対抗する統一戦線構築の外交を展開すべきなのである。

台湾は、近年中国軍の軍事演習で軍事的恫喝を受け続けている。ベトナムでは、漁船が巨大な中国漁船に体当たりされたり、放水されたりと、漁場から力で追い出されている。インドネシアでは違法操業の中国漁船を拿捕したら、中国の艦船に拿捕した漁船を奪い返される事件が頻発している。フィリピンではEEZ内のミスチーフ礁を中国に奪われ、人工島に作り替えられた。また漁船にレザー光線を浴びせ、沈没させたり、やりたい放題をやられている。フィリピンのマルコス政権が、アメリカ軍の基地を4か所増やすことを受け入れたのは、こうした中国軍の横暴があるからだ。

日本は、東南アジアの小国を団結させ、その国防力強化のテコ入れをすることが、自衛隊の国防費を2倍にすること以上に、安上がりで、重要なことなのである。特に台湾の平和的占領を阻止するには、統一戦線構築で台湾の自由と民主を守るスタンスを見せることが重要なのである。
#習近平ファシスト政権 #反中統一戦線

迷走する習近平政権の経済政策!?

5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)では経済の回復を進める方針が示されたが、積極的な財政政策で財政赤字の対GDP比は3・0%とし、前年より0・2ポイント引き上げ、内需拡大に力を入れるという。しかし他方でアリババ、テンセントなどの大手民間企業への抑圧を強めている。「ゼロコロナ」政策で悪化した地方政府の財政改善を指示しながら、地方政府の特別債発行枠を過去最大に引き上げた。相矛盾した経済政策を打ちだしている点に、習近平政権の経済的無知と、混乱がうかがえる。

李克強首相は5日の政府活動報告で「景気の全般的な好転を促す」と訴えた。昨年、中国経済はゼロコロナ政策の打撃で急激に悪化し、政府は経済成長率は3・0%としているが、中国経済の経済指標は多くがでたらめで、実際にはマイナス成長である。しかもゼロコロナに反対する民衆の「白紙デモ」で習近平の退陣要求が出たことで、習近平が震え上がり、急きょ景気回復が習政権の最優先課題となったようだ。ゆえに無理に矛盾した政策を実施しているのである。

李克強は景気刺激と同時に「地方政府の債務リスクを防止、解消する」ことも指示した。ゼロコロナ政策下で大規模なPCR検査などの支出を余儀なくされ、財政状況が悪化した地方政府に債務残高の削減を求めた形だ。これは、地方政府の特別債発行枠を過去最大に引き上げた政策と明らかに矛盾する。

しかも中国政府は、「地方政府は住宅ローンの頭金要件を合理的に決定できる」として借入金で複数物件の購入を容認した。つまり不動産投機を容認したのである。しかも大手銀行に不動産業界への総額1兆元(約19兆5000億円)もの融資を命じた。地方政府の特別債発行枠を過去最大に引き上げた政策と合わせると、中国政府は不動産バブル容認政策に転じたのである。こうした政策転換は習近平政権が「白紙デモ」に震え上がったゆえとしか思われない。

今年2月の8日・15日、中国の武漢で医療手当削減に、人民が激高し大規模な抗議デモに発展した。これはゼロコロナに伴う、PCR検査に多額の費用が掛かり、地方財政が危機になり、これまで支給していた医療手当が数分の一に削減されたことで、起きたものであり、中国人民が「白紙デモ」で抗議行動に自信を持ち始めた表れでもある。中国の一人っ子政策は、一つの若い家族が4人の親の老後の生活を抱える事態となる。医療手当削減が、生活を破壊するほどの問題となる。

中国政府の「地方政府の債務リスク解消」とは、人民への赤字転嫁であり、これは一層階級矛盾を激化させる。しかし景気を良くすれば人民の不満は解消すると見て、景気刺激政策に転じたもので、習近平政権にすれば矛盾していないのかもしれない。

中国政府は党官僚の親族に、国有地を低価で払い下げ、不動産成金が多数出た、これが新富人と呼ばれる人たちである。農民から土地を取り上げるのが(中国では土地はすべて国有なので)容易であることが、内需拡大の政策が、住宅建設と産業都市の建設でとなったが、中国の内陸部にはそれを購入する資金を持つものがいない、ゆえに出来上がった産業都市は「新鬼城」といわれる廃墟となり、地方政府の赤字だけが膨れ上がることになった。

中国内陸部には今も自給自足の農村で4億人以上が住んでいる。これを資本主義の市場にするには、コメなどの価格維持政策で内需を拡大するしかない。これはアメリカのGHQがおこなった日本の戦後改革の手法であるが、習近平政権は中国を外国企業の輸出基地とする戦略をとったので、穀物の高価格維持で内需の市場拡大政策を執れなかった。都市部の賃金を上げることは、競争力を考えると農作物の高価格維持政策は取れない。つまり中国は臨海部と内陸部の経済格差が極限まで拡大している社会なのである。輸出基地に適さない内陸部は、出稼ぎ労働力の供給基地に過ぎないのである。今その出稼ぎ労働者の多くが失業している。

習近平政権の景気刺激策は、いわゆる不動産バブルを促す政策となる。これでは米中の経済摩擦で、先端産業が制限を受ける中で、地方政府に公共事業としての住宅建設でしか需要を拡大できない。ゆえに習近平の経済政策は失敗に終わるほかない。矛盾した政策をあえて行うところに追い詰められた政権の苦悩がある。何が追い詰めたのか?それは人民大衆の「白紙デモ」で習近平の退陣要求が出たことである。習近平は文革(=官僚政権の打倒運動)を死ぬほど恐れているのである。

習近平政権が軍事予算を増額して軍拡を進めているのは、経済政策の破たんで内部矛盾が激化すれば、台湾進攻で反米を煽ることで危機切り抜けることを考えているのである。中国官僚の思考で説明すると「内的矛盾を外的矛盾に転化する」ことに他ならない。習近平ファシスト政権が軍事的暴走に走る危険を指摘しなければならない。
#習近平ファシスト政権

韓国「日本はパートナー」発言の裏に経済破綻

韓国から外国人の投資が流出し、ウォンが大幅に下落。原因は米中貿易戦争の長期化による世界経済の衰退、韓国の最大輸出相手国である中国経済が、米中摩擦で景気が鈍化していることがある。そしてコロナショック。韓国政府が政策金利を3.5%に上げたことで住宅バブルが崩壊した。韓国電力がエネルギー危機とウオン安で30兆ウオンの巨額損失を出した。信用危機とエネルギー危機で、消費者物価も昨年7月に6.3%上昇し、今も5%を超えている。まさに韓国経済はクラッシュ寸前といわれている。

IMFは1月31日に最新の世界経済見通しを発表した。世界経済の成長率を前回予想(2022年10月)より0.2ポイント引き上げ2.9%とした。日本についても0.2ポイント上方修正して1.8%とした。これに対して韓国については0.3ポイント引き下げて1.7%とした。

IMF(国際通貨基金)が発表した世界経済見通しで、韓国の2023年の成長率予想が日本を下回った。「こんな予想、初めて見た。ショックですね」2023年2月1日朝の韓国のラジオのトーク番組で司会者がこう発言したという。韓国のメディアによると、韓国の経済成長率がもし日本より低くなれば、1998年に韓国が「IMF危機」と呼ばれた通貨経済危機の直撃を受けて以来のことだという。

韓国の住宅事情は映画「パラサイト」で世界に知られたように、韓国全体で32.7万世帯が半地下で生活している。若者は住宅が用意できないので結婚できない。韓国は日本以上に深刻な少子化問題を抱えている。財閥経済は中小企業が育たない。経済成長の恩恵は少数の家族に限定されているのである。若者は大学を出ても就職口がなく、海外へ流出する。そこに今回の経済危機である。

つまり韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、「日本は過去の軍国主義の侵略者から普遍的な価値を共有し、安全保障や経済、グローバルな課題で協力するパートナーに変わった」と強調したのは、深刻な経済危機を日本政府の支援でしのごうとの思惑が背景にある。過去韓国政府は経済危機のたびに日本の援助を頼りにしてきたが、今回も自分が沈みそうになったので、日本にしがみつこうとしているのである。

韓国の家計債務は2021年に世界最悪水準の可処分所得の206%に達している。世界一の借金家計であるのに、一人当たりの高級ブランド消費額が325ドルと、アメリカの280ドルよりも高額だ。借金してでもぜいたく品を見せびらかすお国柄なのである。経済が破産状態でも、隣国にたかり・ゆすり、の経済支援で克服できるとの甘い考えが根底にある。こうした、たかり・ゆすり体質を育成したのは、自民党右派政権が韓国を危機のたびに支援し続けてきたからである。
#韓国経済の危機 #日本パートナー論の背景

中国はロシアへの軍事支援を停止しない!

報道によると、アメリカのブリンケン国務長官は2月28日、中国がロシアに殺傷力のある武器を供与すれば中国の企業や個人を対象に「ちゅうちょなく」制裁に踏み切ると表明した。対ロ支援を実行すれば「米中だけでなく中国と世界中の国との関係において深刻な問題になる」と述べた。

ブリンケン氏は中国に対し「武器供与する影響と結果について明確に警告した」と強調し、「我々の制裁に違反したり、ロシアの軍事行動を支援したりする中国の企業や個人を標的にすることをちゅうちょしない」と話した。

アメリカは2月24日、ロシアの軍需産業の制裁逃れにかかわった複数の中国企業へのハイテク製品の輸出を事実上禁止すると決めた。重要国際犯罪組織に指定したロシアの民間軍事会社「ワグネル」に衛星画像を提供した中国企業にも制裁を科し、アメリカ国内にある資産などを凍結している。

クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は28日、アメリカ連邦議会下院の外交委員会に出席し「中国は当初からプロパガンダを流布したり偽情報を使ったりして、アメリカや北大西洋条約機構(NATO)を批判してロシアを支援してきた」と証言した。また同氏は「中国は人民解放軍の近代化を進めるために我々の最先端技術を利用しようとしている」と証言した。「中国国内で抑圧を強め、国外でより攻撃的になる中国の挑戦はアメリカ外交にかつてない試練を与えるだろう」と警告している。

つまりアメリカ政府は、すでに中国政府が密かにロシアへの軍事支援を行っていることを把握している。アメリカがウクライナに最新戦車の支援を決めたのは、ウクライナもロシアも勝てない状況を生み出して、停戦に持ち込むためである。しかし中国がドローンなど先端兵器でロシアを支援すれば、ウクライナ戦争で疲弊するのはロシアではなく欧米の方となる。

ロシア・中国の陣営に中東産油国が付いた以上、ウクライナ戦争の長期化はエネルギー価格の高騰で、欧州が経済的に疲弊するのである。エネルギー価格の高騰は、産油国ロシアに有利に働く。アメリカの対ロシア経済制裁は、迂回貿易でしのがれており、アメリカは早急に停戦を必要としている。逆に中国は、ロシアを軍事支援して戦争を長引かせれば、アジアにおける戦略的力関係は中国側に有利となる。ゆえにアメリカ国務長官の中国への警告は効果を発揮しないであろう。

中国は、ドローン技術をロシアに提供して、ロシアで先端兵器を生産すれば、アメリカの対ロシア武器支援禁止をかい潜ることができる。中国がウクライナへの停戦案を提案したのは、アメリカの願望を読んだうえでのことであり、本心はウクライナ戦争の継続を望んでいるといえる。それゆえ、ウクライナ政府が受け入れられないロシアが併合したウクライナ東部のラインでの停戦を提案したのである。
#ウクライナ戦争での中国の支援

韓国政府は日本をパートナーとは思っていない

尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領は、演説で「日本は過去の軍国主義の侵略者から普遍的な価値を共有し、安全保障や経済、グローバルな課題で協力するパートナーに変わった」と強調した。しかし尹氏は、いわゆる徴用工訴訟問題でも解決案を提示しているが、中身は日本の謝罪と拠出を求めており、たかりゆすりの本質に変りはない。日本人から見れば、たかり・ゆすりの手法が変わっただけに見える。つまりパートナー論は本心ではない。

同盟国としてパートナーだというなら、日韓請求権協定で解決済みの問題を、手を変え品を変え何度も持ち出す、たかりゆすり外交はやめるべきである。韓国海軍が自衛隊機に武器管制レーダーを照射したり、自衛艦旗を「戦犯旗」といい、同盟国の艦船の入港を拒むような国がパートナーであるわけがない。歴史的にも日本の固有の領土である竹島の占領も、領土の窃盗行為に他ならない。日本の寺院から盗み出した仏像も返還していないではないか?外交は「前政権のこと」として済ますことはできない。

朝鮮戦争が米ソの代理戦争として戦ったところから、朝鮮半島のたかりゆすり的体質が生まれた。韓国人は半島の南北分断が日本に責任があるかのように言うが、半島の南北分断は、誰が見ても米ソの冷戦の産物であり、日本は当時無条件降伏し、非武装であり、南北分断の責任関係にはない。

現在ウクライナ政府が、韓国と同様のたかりゆすり外交をおこなっている。ジェレンスキー自身が極右政権としてNATO加盟でロシアを挑発しておいて、軍事援助をたかる外交はヨーロッパで民衆の反発を呼んでいる。自国で闘えないのであるならアメリカの尻馬に乗って大国を挑発すべきではなかった。たかりゆすり外交は、周辺国の反発を呼び自国を亡国に導くと心得るべきである。

追記しておくと、日本は朝鮮半島を併合したが、かっての欧州の帝国主義国がアフリカやアジアで行った植民地政策は行っていない。資金の持ち出しで学校を作り、ダムを作り、工場を作った。だから韓国と台湾が戦後経済成長できたのである。当時半島併合時に日本政府はアメリカのフィリピン支配と日本の朝鮮半島支配を、相互に認め合うことで合意し、植民地支配を行わないことを相互に監視した。しかし併合した事実は残るので、日本は戦後、半島の産業・社会資本の所有権をすべて放棄し、請求権協定で賠償金も支払ったのである。

旧日本軍は、当時のロシア帝国の侵攻を阻止する防波堤として半島を強い国にしたかったのである。半島北部と中国の東北地方で闘われた日露戦争を、レーニンはアジア・アフリカの国で初めて欧州の帝国を打ち破ったことを評価し、「正義の戦争」と位置付けた。100年以上前の歴史を持ち出して、たかりゆすり外交を行うことが、パートナーであるわけがない。韓国の政権が交代したことで、たかりゆすりの手口を変えたに過ぎない。

本心から同盟関係を築きたいのなら、外交的軋轢を取り除き、信頼関係を積み重ねるべきであり、解決ずみの問題で謝罪や資金拠出を何度も持ち出すべきではない。たかりゆすりを行う人物・国を、日本は頼りにすべきではない。
#韓国政府のパートナー論
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