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経済の見通しはますます暗く不確実!

 国際通貨基金(IMF)が26日公表した最新の「世界経済見通し」では、日米欧などの経済成長率が軒並み引き下げられ、先進国経済の減速が際立った。IMFは、ロシアによるエネルギー供給の停止や物価高(インフレ)など下ぶれリスクが続けばさらなる下方修正ありうるという。IMFは、世界は景気後退の瀬戸際に立たされているとの認識であり。「世界経済の見通しはますます暗く、不確実性を増している」のである。

 報道によると、バイデン米大統領は28日の演説で、同日発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続のマイナス成長だったことに「私には景気後退とは思えない」と述べた。大手企業の米国内への投資が活発なことや、雇用情勢が好調なのを理由として挙げた。
 欧米では一般的に2四半期連続でマイナス成長となった場合、景気後退局面とみなされる。バイデンは会見に先立って発表した声明で「米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために行動している中で、経済が減速していることには驚かない」とし、政権の経済政策は高止まりしている物価上昇率を「低下させることに重点を置いている」と強調した。つまりバイデンは経済の減速は景気後退ではない、と詭弁を用いている。

 アメリカ政府の認識上の間違いは、現在のエネルギー価格の高騰が、欧米の対ロシア経済制裁で世界のエネルギーの供給量が減少し、受給ギャップ拡大で価格が高騰しているのであり、アメリカの金利を上げても物価は下落しないのである。金利を上げれば景気後退が早まるだけなのである。

 では、日本政府の経済情勢の認識はどうだろうか?山際経済再生担当相は29日、令和4年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を閣議に提出している。その内容は、新型コロナウイルスの感染対策と経済活動の両立が図られたことで景気は上向きの動きが継続しているが、欧米と比べて力強さに欠けると指摘。賃金引き上げや投資の拡大を通じ、経済を民需主導の成長軌道に乗せることが重要だと訴えている。

 経済財政白書では、日本の物価上昇圧力は欧米より弱く、デフレ脱却には「十分とはいえない状況」と分析。インフレと景気悪化が並行する「スタグフレーション」に陥らないよう、「今こそ力強い賃上げに取り組み、家計が安心して消費できる経済を実現する」とした。同時に、需給ギャップの縮小に向け「民間投資の喚起が求められる」と指摘した。 足元の急速な円安については、仕入れ価格上昇を通じた企業の収益悪化や消費者の負担増につながり得ると警戒感を示した。原材料価格の高騰も踏まえ、中小企業が適切に価格転嫁できる環境が必要だと訴えた。
 ここには物価上昇、すなわちインフレが、デフレ対策として有効だとの間違った政府の認識が示されている。

 日本経済が長期に停滞しているのは、政府の強欲の資本主義による反労組、搾取強化が行き過ぎて、個人消費が減退し、需要が拡大しないので設備投資が更新投資のみになっていることによる。労組への攻撃をやめて、ストライキを奨励しなければ賃金は上がらず、したがって需要の継続的拡大にはならず、国民経済は成長しないことを指摘しなければならない。
 日本政府の経済政策は、労働者への分配率を引き下げ、野蛮な搾取化ばかり行い、拡大再生産には労働運動の活発化が不可欠だ、ということを理解できていないことによる。まるで経済政策が後ろ向きなのである。

 ゆえに日本経済は外需重視であり、その世界経済が景気後退が避けられそうもないのである。以上の事から、世界経済も日本経済も近い将来、深刻な景気後退が避けられない局面にある。
#経済の見通し
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中国で人と資産の海外流出が止まらない理由!

中国で、富裕層を中心に海外への移住を検討する人が増えている。習近平ファシスト政権が長期政権化を目指す共産党大会を前に、強権的かつ人気取りの政策への懸念や反発が強まっているためだ。

習近平は民間IT企業や不動産大手の恒大への統制強化、弾圧を行い、国内の格差是正を目的とした「共同富裕」(共に豊かになる)運動を推進し始めた。これは富裕層から収奪して富を貧困層に再分配する政策だ。年内に開催される5年に1度の党大会で習総書記が慣例を破る3期目就任を目指す人気取り政策だ、こうして中国共産党と富裕層(=新富人)の間に新たな緊張関係が生じているのである。

ゼロコロナの都市封鎖で富裕層であっても食糧が手にはいらず餓死しそうになった経験が、中国全土の1万人もの富裕層が今までは考えもしなかった海外移住を決意し始めたという。当然莫大な資産も海外に移すことになる。米ブルームバーグ通信は7月中旬、約1万人の富裕層が今年、計480億ドル(約6兆6千億円)を持ち中国を離れようとしているとの英コンサルティング会社の推計を伝えている。

報道によると、北京で海外移住のコンサルタント会社を経営する女性は、今年に入り海外移住の問い合わせが昨年比で50%程度増えたと明かす。特に3月下旬から約2カ月間に及んだ上海市のロックダウン(都市封鎖)が、「海外移住検討の牽引車的な役割を果たした」と話す。移住先ではオーストラリアやカナダ、ギリシャ、日本などが人気だという。北海道などで中国人の不動産買収が激化しているのはこうした反映なのである。

だが大きな問題は、中国政府が富裕層の海外移住を厳しくし規制し始めていることだ。パスポート(旅券)審査に時間がかかるようになり、書類要件が一段と煩雑化し、ここ数カ月で海外移住の難しさが増したという。私的なスワップ契約で中国の住民が資本規制をくぐり抜けるのを支援してきた海外勢が撤退したため、大口資金を国外に移すことも困難になっているという。

ゲーム企業XD(心動)の黄一孟会長兼CEO(最高経営責任者)が家族を海外移住させる計画だと社員たちに伝えたことは、中国に広がるムードを象徴している。中国の新富人の間に、海外に移住したいという気持ちが強まっているのである。移住先は投資要件が比較的緩い国の人気が高かいという。中国政府がデジタル人民元の発行を急ぐ理由は、資本流出対策にあるといわれているが、これも実験段階で進んでいない。

中国では以前から富裕層を中心に、香港をはじめとして世界のさまざまな都市に自分の資産を逃避させる動きがあった。中国共産党の長老たちも皆海外に子弟を留学させ、資産を海外に隠している。海外に資産を移すには違法性を伴う。それに海外で資産を購入するためには、人民元を売って外貨(主にドル)を買う必要があり、それが強い通貨安圧力になる。こうした圧力に対して、中国人民銀は為替介入を通じて対抗してきた。

中国の富裕層(=親富人)は財産の保全を考えて海外移住を進めている。なぜなら中国では財産や資産について、諸外国と同等の法的権利や安全が保証されていないからだ。それは大手ITや不動産大手恒大への習近平ファシスト政権の統制・弾圧を見れば明らかだ。中国ではインフレが激しく不動産価格は5年間で20%~40%上昇している。インフレで生活費が高くつくので新富人の資産が目減りしていく。だから中国の新富人は習近平嫌いであり、人民元が嫌いなので、海外へ逃げ出しているのである。
#中国で資産の大規模な流出

中国で女性や子どもの誘拐・人身売買が露呈!

報道によると、女性や子どもの誘拐・人身売買が社会問題となっている中国で、公安省が25日、3月からの集中的な取り締まりで906件の事件を摘発し、1069人の容疑者を拘束したと発表した。DNA型の鑑定などを進めて被害者の身元を特定し、長年行方がわからなくなっていた1198人を見つけ出したという。

中国では今年1月、江蘇省徐州市の農村で女性が鎖につながれて閉じ込められていた事件が発覚。女性が繰り返し人身売買の被害に遭った後、8人の子どもを産んでいたことが判明し、当局の責任を問う声が高まった。中国メディアは、26年間にわたって逃亡していた男が11件の子どもの誘拐容疑で拘束されたことや、23年前に女性2人と4人の赤ちゃんを誘拐して売った疑いを持たれている男が拘束された事件などを伝えている。

ネット上では「今まで何をしていたのか」「手柄なのか。それとも、これまでの失態なのか」という声や、「なぜこんなに多くの人が誘拐されたのか」「こういうニュースを見ると、被害者が一体あと何人いるのかと思う」といった反応が出ている。

文革派打倒のクーデターの、4人組逮捕後「社会主義近代化建設への移行」の名で始まった改革開放路線は鄧小平の手で進められた。中国を資本主義へと歴史的な転換を図った鄧小平は「黒猫でも白猫でもネズミを捕る猫がいい猫だ」という掛け声の下で、中国経済の資本主義化を進めた。この結果中国人民の間で金もうけに血なまこになる人が急増した。これを「紅眼病」と称した。どのような手段でも金儲けすればいい、という拝金主義は中国社会に女性や子どもの誘拐・人身売買を産業といえるほど拡大した。今回救出された1198人の誘拐の被害者は、ほんの氷山の一角なのである。

中国の走資派幹部による資本主義化は、国内の市場経済化と外資の導入として行われた。民主化運動に立ち上がった学生たちは、天安門事件で血の弾圧を受け、この強権が外資導入の安全保障として役立ち、中国は世界の工場としての経済的地位を確立した。つまり中国は独裁支配を売りとした外国企業への場所貸し経済であり、内陸部の資本主義化は今もうまくいっていない。中国内陸部には5億人の自給自足の農民がいる。

中国経済はその8割が国有企業であり、自由な労働力の移動、資本の移動がない。つまり中国は、その所有制から価値法則が貫徹せず、その経済成長にはおのずから限界がある。土地が国有なので土地を売り資本を作ることもできない。金儲けするには女性や子供を誘拐し売ることが手っ取り早いのである。こうして女性や子どもの誘拐・人身売買が産業といえるほど増加したのである。あまりにも女性や子どもの誘拐・人身売買が多いので公安省が今年3月からの取り締まりで906件の事件を摘発したというわけである。

つまり官僚独裁の中国で、抑圧されているのはウイグルやチベットの少数民族だけではなく、中国人民も拝金思想の広がりで女性や子供が商品として売り買いされているのである。資本主義化で一面では豊かになったように見えても、実際には中国は上から下まで犯罪国家なのである。官僚どもは国有財産を横領し、外国企業からワイロを手に入れ、女性や子供を誘拐し売りさばく事業が産業にまでなっている。これが社会主義の名で行われているのであるから中国走資派指導部は恥知らずというほかない。
#中国の女性・子供誘拐、#人身売買

ペロシ米下院議長の訪台めぐる米中の対立!

英紙フィナンシャル・タイムズが現職の米下院議長ペロシ氏の訪台計画を報じたのは18日で、即座に反応した中国外務省の趙立堅副報道局長は19日の記者会見で「中国は最近、ペロシ氏の訪台に断固反対するという厳正な立場を何度も米側に表明している」「米側が独断専行すれば、中国は必ず揺るがない有力な措置をとり、国家主権と領土の保全を守り抜く」と語り、対抗措置をとることを示唆し中止を迫った。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国は米国に対し水面下でこれまでより強い態度で反対の意向を伝達してきた。複数の関係者の話として「軍事的対応の可能性を示唆するなど踏み込んだものだった」とも伝えた。脅しに屈して中止すれば中国の増長につながるおそれもあり、バイデン米政権はジレンマに陥っているという。

中国では、8月から長老らの意見を聞く「北戴河会議」が始まる見通しで、党の重要人事の調整が山場を迎える。アメリカ政府内の慎重論は、こうした中国の政治日程とペロシ氏の台湾訪問の時期が重なれば、習指導部が強硬姿勢に出ざるを得ないと懸念から、米政権内で下院議長ペロシ訪台計画慎重論が強くなっている。しかし反面では中国の長老たちはアメリカに多額の隠し資産を保有しているため、米中関係悪化に強く反対している側面もある。

AP通信によると、インドネシアを訪れている米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は24日「中国軍は過去5年間で著しく攻撃的で危険になった」と述べた。中国は軍用機による台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入を執拗に繰り返しており、示威行動が増幅しかねない。バイデン政権はペロシが搭乗する飛行機が中国に撃墜されることを怖れている。つまり現職の米下院議長ペロシ氏の訪台計画に反対しているのは米軍であるようだ。中国は軍用機による台湾の防空識別圏(ADIZ)への侵入を執拗に繰り返しており、米軍は撃墜を阻止できないと見ているようだ。

アメリカ共和党のギングリッジ元下院議長はツイッターで「中国共産党の脅しでアメリカの下院議長さえ守れなければ、中国はどうしてアメリカが台湾を守ると信じるのか」と指摘し、対応を誤れば、中国が台湾で強硬な態度を強めると警鐘を鳴らしている。こうしてバイデン政権は対中国外交で対応できないジレンマのただ中にある。

バイデン大統領が今週、習近平主席と電話会談すると表明したのは、このジレンマから逃れるための妥協を模索するものとみられている。ペロシ下院議長の訪台計画がどうなるのか?今後の米中関係、とりわけ中国軍の台湾進攻を占うカギとなりそうだ。
#米中対立

最低賃金を欧州並みにし内需拡大に転換せよ

2022年1~3月期の実質の国内総生産(GDP)が前期比0・2%減で、2四半期ぶりのマイナス成長だった日本経済は、観光など一部の個人消費に回復傾向がみられるが、しかし、コロナ感染症がまたも急拡大し始めたこと。またエネルギー価格の高騰で世界経済の先行きには減速懸念が高まっている。

新型コロナで落ち込んだ各国の経済は回復の途上にあったのだが、しかしロシアによるウクライナ侵攻後、西側諸国が資源国のロシアに対する経済・金融制裁を強めるなかで、エネルギーや穀物・原油・天然ガスを始めとして様々なモノの価格が高騰し、経済制裁が多くの国に大きな経済的打撃を与えている。

世界経済のリスクは、ウクライナ戦争の長期化、コロナ感染症の拡大、アメリカ経済のインフレが8%超と40年ぶりの水準に達していること。世界の主要国が大軍拡に乗り出したこと、アメリカの金利上昇による金融引き締めや、中国のゼロコロナ政策による都市封鎖(ロックダウン)が長引き、中国経済の打撃が大きいこと、これらは日本を含む世界経済にとって非常に大きな経済下押し圧力である。

日本経済はコロナ感染症の急拡大の中で外国人観光客拡大策もブレーキがかかり、アメリカ経済も先行き景気後退が予想され、中国経済も危うい状況にある。諸物価の上昇で内需の伸びも期待できない。日本の労働者は非正規化などで貧困化しており、労働者の勤労意欲が減退している。日本経済は政府の外需重視の結果、この30年間実質賃金は上がっておらず、日本経済は需要不足の長期停滞を続けてきた。

アメリカ経済も、欧州経済も先行き景気後退が予想されている。頼みの中国経済はゼロコロナ政策の間違い、アメリカとの摩擦で産業の空洞化が始まり、中国では失業者が20%~30%といわれている。これでは外需頼みの日本経済は先行き暗いというほかない。

日本は労組敵視の強欲の資本主義の政策の影響で、世界第3位の日本経済の最低賃金は平均930円で、1000円の大台に乗った韓国にも追い越され、世界経済第4位のドイツでさえ最低賃金は1683円である。アメリカは州により差があるが2000円代だ。日本の最低賃金は低すぎて、日本経済が需要不足である上に、諸物価の高騰で内需が実質縮小しすぎている。国民経済が縮小再生産の日本経済は、世界中の経済学者から「強欲の資本主義の政策のやりすぎ」の結果の「日本病」といわれるほどである。

日本経済は最低賃金を欧州並みにして需要を拡大する方向に舵を切らないと、もはや外需頼みの経済政策は、世界経済の先行きを考えると危ういというしかない。つまり成長路線への回帰以外日本がとるべき経済政策はない。政府は最低賃金抑制策を放棄し「成長と分配」へ舵を切るべき時である。
#日本の最低賃金

円安政策を続ける意味を国民に説明せよ!

欧州中央銀行(ECB)はユーロ圏経済の先行きに暗い影を投じると同時に、その結果生じる問題に対処しうる政策手段を創設した。ラガルド総裁は0.5%と予想より大幅な利上げを表明した。ロシアからの天然ガス供給削減もある。欧州経済の減速リスクが高まっている。しかし金利を上げたことで物価の上昇は抑制できる。

先進国で日本だけが金融緩和を続け、ゼロ金利を続けている。したがって輸入諸物価の上昇の及ぼす庶民の負担は極めて重く、これは実質的な国内需要の減退でもある。日本経済の長期停滞は、主要には賃上げ抑制と消費税増税、老後の不安で需要が減退した、いわば消費不況である。だからゼロ金利を続けても景気対策にはならない。

政府・日銀はなぜゼロ金利政策を続けるのか、それは金持ちの利益のためだけである。しかし金融の異次元緩和を続け、日銀の国債引き受けを今のまま続けると、将来ハイパーインフレになる危険がある。需要の縮小の結果であるデフレ対策に、インフレ政策を掲げるところに政府・日銀の経済的無知が表れている。インフレで物価が上がれば需要はさらに減退し、デフレになるのである。したがって日本だけがゼロ金利政策を続ける意味はなく、円安による物価上昇で国民の生活が困窮し、金持ちだけが豊かになるが、国民経済は疲弊していくことになるのである。

政府・日銀は、景気対策にならないゼロ金利政策を続け、輸入諸物価の上昇で国民の生活が困窮しているのに、一向に物価を下げるために円安政策を是正せず、物価対策をとらない理由を国民に説明すべきである。しかし金持ちの資産を倍増し、庶民の貧困化を促すためだとは言えない、だから沈黙を続けている。これは愚劣極まるとしか言いようがない。円安が進めば、海外での大企業の利益が急増するではないか、とは国民に説明できないので、黙って円安を放置しているとしか思われない。

円安を放置し、エネルギー価格の上昇、生活必需品の上昇で労働者・人民の生活が窮迫していることを放置する、政府・日銀の金融政策は愚劣としか言いようがない。
#金融緩和と円安放置

妥協が難しいウクライナ消耗戦

ロシアのプーチン大統領は19日に訪問したイランの首都テヘランで、イランの最高指導者ハメネイ師やライシ大統領と会談した。ロシアが2月に始めたウクライナ侵攻をめぐって足並みをそろえ、米国に対抗していく姿勢で一致した。

プーチン氏はハメネイ師との会談で、ウクライナ侵攻について「西側諸国の態度が我々に反撃という選択肢を取らせた」と主張。米欧による対ロシア制裁が「原油価格の高騰や食料危機といった逆効果を招いている」と語った。

ハメネイ師は「戦争で一般市民が苦しむことは望まない」と述べる一方で、北大西洋条約機構(NATO)を「危険な存在だ」と指摘。「もしロシアが主導権を取っていなければ、彼らが戦争を仕掛けてきただろう」と強調した。

18日付米紙ニューヨーク・タイムズは、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍への支援でイラン政府が最大300機の無人機を供与する準備を進め、月内にもロシア兵の訓練を始める可能性があると、複数の米政府当局者の話として報じた。

南米パラグアイのカノ外務副大臣は20日、同国で21日から開かれる南米南部共同市場(メルコスール)首脳会議へのウクライナのゼレンスキー大統領からのオンラインでの参加要請を断ったと明らかにした。地元メディアなどが伝えた。

バイデン米大統領も出席した中東、湾岸協力会議(GCC)の拡大首脳会議は16日、終了後に声明を発表し「エネルギーを巡る安全保障と市場安定化の重要性」を強調した。バイデン氏が主要産油国に期待した原油増産に関する新たな具体策への言及はなく、原油の高騰は続くとみられる。ドイツへのロシアの天然ガス供給はストップしており、欧州のエネルギー危機は冬に向けて深刻化する。

つまりユーロ圏の拡大を阻止するためにバイデンが仕掛けた挑発によるロシア経済消耗戦は、アジア、中東、中南米、アフリカがロシア・中国側寄りとなり、欧米G7側が資源の高騰で経済制裁を逆に受ける形となり、中国だけが軍事力増強の時間を稼ぎ、戦略的利益を受ける形となっている。

今年秋に中間選挙を控えるアメリカは、ウクライナ戦争を停戦するわけにはいかない。ロシアもNATOのこれ以上の拡大は許さない決意をしており、両陣営にとって経済破綻に向かいつつある事態が続くことになる。このまま第3次世界大戦に突入するのか、双方が妥協を模索するのか?注目される点である。ウクライナのゼレンスキー大統領はNATO加盟でロシアを挑発し、一時は英雄気取りであったが、このまま消耗戦を続ければ、ウクライナは廃墟になる。彼は「亡国の徒」になりつつある。

ロシアのプーチンは以前から旧ソ連領のウクライナが譲れないラインであることを表明していたし、広範なロシア国民はNATOのこれ以上の拡大は許さない、という点でプーチンを固く支持している。むしろ経済危機を背景にした世界的な独裁傾向の高まりが、クーデターで親米国化を図るアメリカの政治手法に世界の指導者が反発している中で、今やロシア側が経済制裁している形になりつつある。アメリカは覇権を失いたくないなら、やがて停戦を選択するほかないであろう。消耗戦は資源を握る独裁国家の方が有利なのである。
#ウクライナ消耗戦

国力を低下させる民主主義の形骸化を阻止せよ!

世界を驚かせた戦後の日本経済の驚異的な経済復興は、アメリカ占領軍の戦後改革の結果である。財閥を解体し、地主階級をなくし、小作人に土地改革で土地を与え、労働三権を保障し、労組を合法化した。このGHQの戦後改革は当時のスターリンを驚かせたほどの民主的施策であった。とりわけ労働組合のストライキ権を認めたことで日本の労組組織率は56%を超えたのである。

この労働改革こそ日本経済の高度成長を支え、日本は世界第2位の経済大国となったのである。民主主義がなければ資本主義の経済成長はない。日本政府がバルル崩壊後「低成長路線」に転換して以後、日本経済は停滞が30年間続いている。その原因は強欲の資本主義の「改革」であり、労組の家畜化を全国的に行うための労働組合幹部の反動的上層連合であり、闘うユニオンつぶしのスラップ訴訟である。日本の労組組織率は16,9%にまで低下した。

政治の面でいえば自民党が宗教政党と結託し「一強」といわれる体制を実現して以後、国会が階級間の利害調整の場でなくなり、政府の予算案が修正もなく議会を通過するようになった。民主主義の議会が独裁に等しいものとなった。

欧米では労働組合のストライキが起きると、それは経済活況の兆しとして歓迎される。ところが日本では労組の家畜化と闘うユニオンつぶしの攻撃で、雇用は守られず、労働条件は悪化するばかりとなった。賃金が上がらず、消費税が増税された結果国内の需要は縮小し、日本経済は成長どころか、縮小再生産となった。労働者の民主的権利が形骸化すると国民経済は成長力を失うのである。このままでは日本は3流国家になるであろう。

民主主義の形骸化、とりわけ労働運動の弾圧と家畜化は、需要を減退させ国民経済の成長力を奪い取るのである。この国家の国力を奪う政策を推進した「一強政治家」は今はいなくなった。岸田首相は「成長と分配」の経済成長路線に立ち返り、日本経済の拡大再生産によって国力拡大を推進すべきである。そうしなければ防衛力強化も財政面から実現できないであろう。
#民主主義の形骸化

誰がテロ社会を招いたのか!(投稿)

<関西はテロ社会となった>
*2013年王将社長射殺事件、この事件後関西では残業代が話し合いで払われることになった。テロが大きな成果を上げたのである。しかも犯人は逮捕されていない。

*2019年36人が死亡した京都アニメーション(京アニ)放火殺人事件。

*2022年2月大阪市内のビルに入る心療内科「西梅田こころとからだのクリニック」が放火され、26人が犠牲となった放火事件。

*2022年7月の奈良での安倍首相射殺事件

もちろんテロは東京でも起きている。電車内での放火や切り付け事件などテロが多く起きている。しかし深刻なテロ事件の多くが関西で起きているのである。これが現在の日本社会の特徴であり、そこには必ず原因がある。

大阪には全国のブラック企業の約4割が集中している。関西には中小企業が多い、これらの企業はグローバル化の中で破産の危機に直面している。とりわけ小泉改革と安倍改革で強欲の資本主義の政策で労働者の貧困化が進んだ。野蛮な搾取化が進んだだけではない。闘う労組(ユニオン)つぶしが激化した。労働者への違法賃下げ、違法解雇、パワハラが激増し、心の病気になる労働者が増えている。

とりわけ労働組合の家畜化、闘うユニオンつぶし、雇用の非正規化、フリーランスという労働法の保護を受けない働き方の増加は、労働者の貧困化に拍車をかけ、このことが階級矛盾の合法的解決を難しくしている。憲法28条と労働組合法で保障された労働組合の運動が、実際には階級敵の組合つぶしの攻撃で不可能になりつつある。労組の宣伝に対するスラップ訴訟は労働運動とりわけ個別労働争議の合法的解決を困難にし、階級闘争の非合法化を促す。自由で民主的労働運動が保障されない社会は、国民経済が成長できなくなるだけでなく、テロ社会に導くのである。

中小企業の多い関西は、企業倒産、労働者の貧困化が深刻で、自暴自棄になった人が、非合法的な自殺的な暴挙に突き進むのである。誰がテロ社会化を促しているのか?政府や経済団体の労働組合に対する敵対的対応が、合法的解決、労使の合意の原則(=労働契約法)にもと付く、話し合い解決を困難にしているのである。合法的解決が難しければ、後は非合法的解決しかなくなる。働く労働者への野蛮な搾取がテロ社会化を招いたというほかない。

政府自民党は反省してほしい。経済成長と食えるだけの分配が労働者に保障されるべきであるし、そのためには労組へのスラップ訴訟など労組つぶしを禁止しなければならない。日本の最低賃金は930円(平均)だが、韓国は1000円を超えている。ドイツは1680円だ。アメリカは2000円を超えている。日本は賃金が低すぎて、消費不況で国民経済が縮小再生産になっており、世界の経済学者はこれを「日本病」と呼んでいる。労組弾圧をやめ、最低賃金をドイツ並みにしないと日本全体がテロ社会になるであろう。
#テロ社会

ゼロコロナ政策の打撃と中国経済のリスク!

中国国家統計局が15日発表した2022年4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比0.4%増えた。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で経済活動が滞り、1~3月の4.8%増から失速した。地域別では、新型コロナ対応でロックダウン(都市封鎖)を実施した上海市の実質成長率は13.7%のマイナスだった。行動規制を強めた北京市も前年同期を2.9%下回った。中国政府が22年の成長率目標とする「5.5%前後」の達成は厳しくなった。習近平のゼロコロナ政策が中国経済を追い詰めつつある。

中国で地方財政の破綻リスクが急上昇している。米S&Pグローバルは、地方政府の最大3割が2022年末時点で、歳出削減など早期是正措置を求められる水準まで財政が悪化すると試算している。これは習近平の住宅投機の抑制政策で、住宅市場が低迷し、土地使用権収入が落ち込み、インフラ債などの利払い費が膨らんだ。新型コロナウイルスの封じ込めに必要な地方の財政負担も重い。中国では地方銀行で取り付け騒ぎも起きている。中国政府の「双循環政策」の内需拡大策は、地方政府のインフラ建設事業だけであり、これでは財政悪化の割に効果が薄いのである。

地方債の発行残高がかさみ、利払い費が膨らむ。中国政府の景気刺激策としてのインフラ建設は借金を増やしている。、地方政府は必要資金を調達するため、インフラ債の発行を急増させた。インフラ債の残高は19年以降、年3~4割のペースで増えてきた。地方債全体の残高に占める比率は5月末時点で57%と、17年末から20ポイント上がった。中国の証券会社、東呉証券は、北京や上海のほか省都クラスの大都市が大規模なPCR検査を常態化させると、年間のコストが最大で1兆7000億元(約35兆円)になると予測する。つまり習近平のゼロコロナ政策が地方の財政悪化に拍車をかけているのである。

経済が低迷しているので、新たな雇用を生み出せない、このため、中国で若年雇用の悪化が止まらない。中国国家統計局が15日発表した4~6月の実質国内総生産(GDP)は前年同期比0.4%増にとどまった。16~24歳の若年失業率は6月、19.3%と最高を更新した。大卒でも希望の職につけず、内定の取り消しで涙をのむ学生もいる。現役学生には、将来の就職活動がさらに厳しくなるとの悲観論も広がっている。

元社会主義の中国、とりわけ内陸部には4~5億人の自給自足の農民がいる。毛沢東時代の全人民所有への転換で、内陸部にインフラを整備しても簡単には市場は生まれない。農村の市場化には、農産物の高価格政策が必要だが、中国政府はその政策は取れない。都市部が生産拠点の海外移転にともなう産業の空洞化で失業が急増しているときに、労働者の負担になる穀物の値上げはしにくい。アメリカとの貿易摩擦で中国経済は危機にある。内需も外需も困難な事態なのだ。

報道によると、日本の社長100人アンケートで中国ビジネスについて尋ねたところ、5割超が「リスクが上昇している」と答えた。ゼロコロナ政策でサプライチェーン(供給網)は混乱し、台湾への侵攻懸念も高まっている。ただ、今後10年で中国ビジネスの比重をどうするかは4割超が「わからない」と回答したという。中国経済が外需も内需も困難を抱えている上に、習近平の誤ったゼロコロナ政策では中国市場のリスクは、上がることはあっても、下がることはない。日本企業は生産拠点を中国から移転したほうがいい。元社会主義国では価値法則が貫徹しないため、人口の多さが市場の大きさにならないのである。しかもアメリカとの覇権争いや、中国軍の台湾への侵攻もありうる。中国リスクは空前に高くなっていると見るべきだ。
#中国経済とゼロコロナ

対ロ経済制裁がこたえているのは欧州!

日本からロシア極東への中古車販売が、5月ごろから急増している。ロシアの業者によると、ロシア国内からの注文が殺到。約4万台が日本で輸送を待っていて、受注を制限することもあるという。ロシアのウクライナ侵攻後、欧米が厳しい制裁を科す中で、ロシアの自動車産業は欧州から自動車部品が入らず、エアバック・カーラジオなどの付属品無しの自動車が生産されている。こうして日本製の中古車の需要がロシアで急伸している。

中国税関総署が13日に発表した6月の貿易統計によると、1~6月のロシアからの輸入額は前年同期比48%増の511億ドル(約7兆円)だった。6月だけでも前年同月から56%増えた。割安感のあるロシア産原油の輸入が増えたためとみられる。
インド商工省は5月13日に2022年4月の貿易統計を発表した、3月のインドのロシアからの輸入をみると、前年同月比約2.3倍の1,013億ルピーと大幅増となり、3月の世界からの輸入総額の伸び率よりも大きかった。石炭や石油などの鉱物性燃料や肥料などが輸入を押し上げている。ウクライナ侵攻で欧米から経済制裁を受けるロシアを中国・インドが支える構図ができている。

ロシアとドイツとを結ぶ海底パイプライン「ノルドストリーム」による欧州への天然ガス供給が11日、止まった。運営会社は21日までの「定期点検」としている。ただ、欧州はウクライナ侵攻をめぐりロシアと激しく対立しており、ロシア側が欧州を締め付けるため再稼働を遅らせ、供給止めるのではとの懸念がでてユーロが下落している。

13日のロンドン外国為替市場でユーロを売ってドルを買う動きが進み、一時、1ユーロの価値が1ドルを下回った。1ユーロ=1ドルの等価割れを起こすのは2002年以来20年ぶり。欧州景気の先行きに不安が広がってユーロ安基調が続いていたなか、アメリカの消費者物価上昇率の加速が市場に伝わり、アメリカが積極的に利上げを進めるとの観測が広がった。
 ユーロは対円でも、ここ2週間で5円ほど下落し、13日は1ユーロ=137円近辺で取引されている。ロシアやウクライナと結びつきの強いユーロ圏は、対ロシア経済制裁の反撃を受けやすく、ロシアの天然ガス供給停止やエネルギー高や原料高のあおりを受け、物価高から景気後退懸念が強まっている。つまり対ロシア経済制裁の打撃はロシアよりも欧州の方が大きいのである。

アメリカが、2014年のクーデターで作ったかいらい国家=ウクライナのNATO加盟でロシアを挑発した狙いは、ドルに対抗するユーロ圏の東への拡大を阻止することが主要な狙いなのである。ゆえに対ロ経済制裁への反撃で欧州が一番経済的打撃を受けることになる。アメリカはウクライナ戦争で穀物が高価で売れ、原油高で儲け、武器輸出で儲けている。つまりウクライナ戦争でのアメリカの経済的利益は計り知れないほどだ。

しかし戦略的に見るとロシア・中国の独裁連合と民主主義欧米連合の世界の分割・対立は、世界の多極化がすすみ、覇権国のアメリカ側のドル支配は長期的に打撃を受けることになる。今後ロシアや中国の通貨による貿易が増えるであろう。欧州側にすればウクライナに早く停戦してもらい、対ロシア経済関係を回復したいところである。ところが安全保障でNATOに依存しているので、アメリカの手法に立腹していても従うしかない。つまりアメリカとの支配従属関係が、日本と同じで自主外交の桎梏となっている。
#対ロシア経済制裁

欧米日の政権政治家が危機にある背景

ジョンソン英首相が7月7日、与党・保守党の党首を辞任すると突然表明した(首相職には次期党首就任までとどまる)。また日本の政治の黒幕的地位にあった安倍元首相が暗殺された。フランスのマクロン大統領が率いる与党連合は、フランス議会の過半数を失った。左派連合と極右連合が、共に大きく議席を増やした。アメリカのバイデン大統領は支持率が低迷し、秋の中間選挙は敗北確実といわれている。

ドイツは、先にメルケル氏が長年率いた保守派のキリスト教民主同盟がアルミン・ラシェット党首を首相候補に掲げて臨んだが、選挙で敗北し最悪の結果となり、第1党となった中道左派の社会民主党と、緑の党、自由市場主義を掲げる自由民主党の3党の連立政権となっている。

つまりコロナ禍による経済的打撃と、ロシアのウクライナ侵攻で、原油、穀物、各種資源が高騰し、世界的に政情不安が、各政権の交代劇となっていると見るべきであろう。安倍首相の暗殺は「政治思想的背景はない」ことにされているが、政治家が暗殺されて政治思想的背景がないことなど考えられない。真の暗殺理由は隠ぺいされていると見るべきであろう。

ウクライナ戦争は独裁国家陣営と民主主義陣営の新冷戦の様相を強めており、世界の分断対立は一層激化する趨勢にある。中国の習近平政権は、一部の製品について、中国で設計・生産されたものしか買えなくする新たな規制を検討していることがわかった。外資企業は中国市場から基本的に排除されることになる。技術移転が狙いとの見方もあり、中国でのビジネスはさらに厳しくなる。

つまり新冷戦は事実上の世界市場の分割であり、原油、穀物、各種資源高騰が欧米日の経済的打撃になるだけでなく、世界の分割が世界経済に深刻な打撃となる。安倍首相が中国の「一対一路」を支持し、またロシアのプーチンと仲が良かったことが暗殺理由に関係があるのかもしれない。国際情勢は経済重視の政治家の二股外交を許さない厳しい局面となっているのである。イギリスのジョン首相はEU離脱の失敗、さらには世界の分断であるウクライナ戦争で諸物価が高騰し、国民の支持を失うことになった。
(ジョンソン首相の表向きの辞職理由は嘘をついたことになっている。政治家の辞職理由はすべて政治的に変えられるのである。)

経済危機の時代には独裁国家の方が政権は安定する、アジア・アフリカ諸国で独裁的傾向が高まりをみせているのは、世界的経済危機の反映である。つまりウクライナ戦争が招いた世界の新冷戦は、当面は欧米日の民主主義陣営が経済危機が政治危機になり、政権の弱体化は避けられない。これに対しロシア・中国の独裁陣営は独裁ゆえに、また資源輸出国ゆえに経済制裁の打撃には強いのである。

アメリアのバイデン政権が、ロシアをウクライナのNATO加盟で挑発して、作り上げた新冷戦は、アメリカの覇権にはマイナスで、経済危機と世界の多極化を招く可能性が強いのである。
#欧米日の危機

安倍暗殺で日本の政治がどう変わるのか?

2021年10月に誕生した岸田政権の中枢を担うのは、吉田茂、池田勇人両元首相の系統を継ぐ岸田派(宏池会、44人)、麻生派(志公会、49人)、茂木派(平成研究会、54人)の3派だ。この3つの派閥はともに軽武装・経済重視の中道系で「保守本流」を自任している。一方の安倍派は(清和政策研究会、93人)で、吉田、池田両氏と対立した岸信介、福田赳夫両元首相をルーツに持つ保守系右派で、安倍氏は保守支持層に強い影響力を持つていた。この4派が自民党の主流派を形成していた。

つまり岸田政権は経済重視の中道(3派閥)と右派の安倍派の混合政権だった。その安倍派が今後も求心力を維持できるのか、わからないが岸田政権が長期政権の基盤を作れる条件が生まれたことは事実である。岸田氏が当初主張していた「成長と分配」路線がいつの間にか「資産倍増」路線に変わったのは安倍派の影響といわれていた。岸田政権が持論の「成長と分配」路線に代わるのかが注目される点である。

自民党右派の旗頭であった安倍氏が亡くなったことで、安倍派(93人)を誰が受け継ぐのか?わからないが、中国とロシアの脅威を受ける日本が、防衛力強化の路線を堅持できるのかも注目点である。岸田氏はもともと軽武装・経済重視の中道系であるので防衛力強化が実行できるのかが心配な点である。

経済路線については2%インフレ路線の、金持ち優先のアベノミクスから、分配重視の経済成長路線への回帰へと転換する可能性が出てきたことは唯一明るい点である。大体デフレを克服するのにインフレ政策をとることは経済学的に間違いであり、日本経済の長期停滞が国内需要の縮小に主要な原因があった。消費税を増税しておいて、実質賃金が据え置かれれば国民経済が縮小するのは当たり前であり、長期停滞の日本経済は消費不足がひどすぎたのである。

岸田政権が「分配と成長」の公約を果たせば長期政権になる可能性が強い。問題は日本の防衛の柱である日米同盟の相手のアメリカが、国内的に対立と分断を強めているので、日本の防衛は、日本主体で進めるほかない。ウクライナのように武器支援を他国に頼るのではなく、自国で防衛兵器を生産し、自力で自国を防衛する決意が必要となっている。この点で対米従属の安倍元首相の死去は自主防衛への転機となるかもしれない。

日本の政治の問題点は、むしろバラバラの細切れ野党にある。野党が弱すぎては政権が腐敗する。野党は政権の受け皿を作り、発言力を強化しないといけない。そのためには戦争の時代に突入しているのに、従属憲法を守る「9条護憲」路線を転換する必要がある。国民の半数ぐらいしか投票しないのは細切れ野党に主要な責任があるというべきだ。
#日本の政治が変わるのか

合法的解決の道を閉ざせばテロ社会になる!(投稿)

 政府・自民党がやっていることは企業内労組を家畜化し、闘うユニオンをスラップ訴訟やネット上の誹謗中傷でつぶすことだ。反労組の姿勢が個別の労働事案の合法的解決の道を閉ざし、集団自殺やテロ社会へと導いている。

 残業代未払いの中華料理チェーン店の社長が銃殺されて以後、関西では残業代が交渉で払われることになった。それ以後テロが問題解決への早道との傾向が強まり、社会への不満を診療医院への放火集団自殺のような事件も起きている。闘う個人加入労組である新世紀ユニオンには「800万円まで出すので必殺仕置き人を紹介してくれ」との暗殺の相談まで寄せられている。つまり労働者に対する強欲の資本主義の政策・パワハラ(精神的暴力)の増加がテロ社会化を招いているのである。

 新世紀ユニオンではこのような相談者に証拠をそろえて裁判で闘うように粘強く説得している。報復のテロは、自分も破滅するのだと説得して合法的に闘う道を示しているのである。ところが最近そのユニオンに組合つぶしの攻撃が集中することになった。ネット上に「狂人日記」のスレッドが立ち上げられ、誹謗中傷が始まり、ユニオン内に「委員長が組合の金を1000万円横領している」などとデマを振りまく電話をかけ、組織破壊を進め、また公安委員をしている社長の会社が嘘の労働相談を行い、宣伝させて、慰謝料請求事件まで仕掛けてきた。この訴訟は金を持つものが弁護士さえ雇えない貧困な相手に嫌がらせの訴訟を仕掛けて、日常活動をできなくすることを目的とした「スラップ訴訟」である。

 新世紀ユニオンでは専従の給料は出ていません。年間予算200万円を切る貧乏ユニオンに横領するお金などないのです。東京や大阪で今こうした、闘うユニオンつぶしの攻撃が盛んにおこなわれています。強欲の資本主義の政策でひどい目にあった労働者の、合法的解決の道を閉ざす攻撃の目的は、階級矛盾をテロへと誘導することで、戦前のような治安維持法を制定する企みがあるということを指摘しなければなりません。

 欧米の民主主義国家が労働者のストライキを認めているのは、ストライキで賃金が上がることが需要を拡大し、国民経済の活況への道程であることを知っているからです。ところが先進国で日本だけが労組を敵視し、闘う労組つぶしを公安警察を挙げて画策している実際があります。この反動的・反民主主義的政策が日本経済を30年間停滞させ、縮小再生産(=デフレ)にしている原因なのです。そしてその被害はすでに日本社会をテロ社会へと導きつつあります。

 日本のテロ社会化は、誰がそのような方向へ導いているのか、誰が合法的解決の道を説得しているのかを見なければならない。労働者の貧困化・奴隷労働化が強欲の資本主義の政策として、「改革」あるいは「働き方改革」と称して野蛮な搾取化を進めた結果であることは明らかだ。労働者の抱える問題が合法的に解決できる道をふさぐ民主主義に反することをすることは間違いだ。政府・自民党は闘うユニオンへの攻撃をやめるべきである。
#日本のテロ社会化

安倍晋三元首相が銃撃を受け心肺停止!

朝日新聞のネット記事によれば、8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、銃声のような音が2回鳴った。現場にいた朝日新聞記者によると、駅前で街頭演説をしていた安倍晋三元首相が倒れ、救急搬送された。発砲したとみられる男はSPに取り押さえられた。警察関係者によると、安倍氏は心肺停止の状態だという。安倍氏の背後に向け、散弾銃のようなものが2発発射された。銃のようなものは現場で押収されたという。捜査関係者によると、男は奈良市の山上徹也容疑者(41)。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。

安倍元首相は、森友・加計・桜を見る会の疑惑があり、これらが国会で追及されず、あいまいなまま国民への説明責任もなされなかった。たぶんそうした不満が反映した事件であるとみられる。また自民党最大派閥の安倍派の存在が、自民党内の力学から候補者公認などの各種の摩擦を呼んでいたので、そうした軋轢の結果なのかもしれない。

それにしてもおよそ民主主義の国では政治家の銃撃・暗殺未遂など有ってはならないことであるが、最近の日本の議会政治は自公による永久政権といえるほど政権交代の可能性がなくなり、階級間の利害調整の場としての議会の役割が形骸化していたことも影響しているのではないだろうか?

政治の反動化は、民主主義の形骸化であり、とりわけ闘う労組への弾圧はひどく、現在の民主主義の形骸化が安倍政権の作り上げた結果なので、暗殺未遂に結びついた可能性が高い。最近30年間日本の労働者の実質賃金は上がらず、アベノミクスの政策が日本経済の停滞・縮小を招き、若者が非正規雇用で結婚もあきらめざるを得ない事態の中で、議会政治の無力さは際立っている。

とりわけ森友・加計・桜を見る会の疑惑はなおざりにされてきた結果と見るほかない。政治も検察も疑惑を解明せず、隠ぺいするだけでは国民の不満は解消するはずもなかった。テロは起きるべくして起きたというほかない。そうした意味でSPの警護体制も検証されるべきであろう。
#安倍元首相銃撃事件

世界食糧危機で誰が利益を得たのか?

アメリカは2014年ウクライナでクーデターを画策し、親ロシア派政権を打倒し、そのうえでウクライナのNATO加盟でロシアを挑発した。ウクライナ危機とはアメリカにおけるキューバ危機と同じ性質を持っていたのである。アメリカは思惑どおりロシア軍を侵攻させウクライナ戦争を引き起こすことに成功した。

ウクライナは戦場となり、ロシアは経済制裁で、この両国で世界の穀物輸出の30%が国際市場に流れなくなった。このため穀物の国際価格が高騰し世界の食料価格指数は史上最高水準となった。世界で深刻な飢餓に苦しむ人は2億7600万人にもなった。しかしこの食料危機でぼろ儲けしている国もある。アメリカ・インド・オーストラリアが勝ち組といわれている。

アメリカや欧州が世界で飢餓に苦しむ人を救済したいのなら、対ロシア経済制裁をやめてロシアの穀物を輸出させればいいのに、それをしないのは、彼らなりの戦略が隠されているのだ。つまり世界の食糧危機は、意図的に作られたものなのだ。

月刊誌「選択」7月号の「世界食糧危機の隠された真実」という記事によれば、アメリカ農業は小麦や大豆、とうもろこしの輸出では世界一だ。ところが生産性が上がり、価格が低迷し、最近では休耕地が増え、二毛作も少なくなっていたそうで、アメリカ政府はウクライナへの武器支援とセットで、アメリカ農業への各種支援金が数億円規模で増えたという。例えば二毛作支援金は5億ドルに膨らんだという。アメリカの穀物商社は穀物価格が2倍以上になりぼろ儲けした。

農業大国であるインドも小麦を大量に輸出してぼろ儲けしたという。あまりに輸出が多いので政府が輸出を禁止したほどだ。小麦輸出世界第6位のオーストラリアも小麦の増産にとりかかった。つまりウクライナ戦争は世界の穀物輸出国の農業地図が大きく塗り替わるというのである。

食料自給率が世界最低の30%台で穀物輸出国に金を払う側の日本は、穀物価格が高騰しているのに、いまだに政府が無策で、穀物の増産も備蓄計画もない。穀物の増産計画はアメリカを刺激するので、無策なのだ。対米従属だと穀物高騰の付けを国民が払うことになる。国防には防衛費を増額するだけではだめで、有事の食料備蓄も必要なのである。農民に二毛作を呼びかけて、増産作物を政府が買い上げ食糧備蓄に回せば景気対策にもなる。しかし残念ながら現政府には望むべくもない。
#作られた世界食糧危機

外交の原則は国益優先であるべきだ

日本への天然ガス供給の約1割を占めるロシアのサハリン2の開発には、資金の22.5%を日本の2商社が出してきた(他に欧シェルが27.5%。残りの50%は露ガスプロム)。だが6月30日、プーチン露大統領はサハリン2を完全国有化して日欧を締め出す大統領令を出した。日欧勢は、1か月以内にロシア政府に申請して許可を得ないとガスの利権を失ってしまうことになる。

日本政府はウクライナに防弾チョッキを送ったが、武器の支援をしておらず、岸田首相らが対米従属の一環として、ロシアのウクライナ侵攻による現状変更を批判し、対ロシア経済制裁に参加して来た。サハリン2の国有化はこれへのプーチンの反撃である。

かって日本政府は、イランへのアメリカの経済制裁に協力して、有望な油田の採掘権を放棄したことがある。そのイランの油田は現在中国が保有している。サハリン2も日本の権益が中国に渡ることになる可能性がある。

5月の日米首脳会談で岸田首相がバイデン大統領に「台湾有事には、アメリカと一緒にしかるべき役割を果たす。」という趣旨の発言した。この発言をアメリカ側は台湾有事での自衛隊の積極的関与の約束、と受け止めている。自民党内では「首相が深く考えないまま口にした」と説明されているが、一国の安全保障にかかわる発言はもっと慎重にしてもらいたいものだ。少なくとも国会で説明・議論した上で行ってほしい。

なんでもアメリカ言いなりでは国益は守れない。自民党の外交にはすべてアメリカ優先で、自国の国益を優先するという原則に欠けている。フランスやドイツがロシアからのエネルギ輸入でルーブルでの支払いに応じるなどしている、日本外交にも柔軟性やしたたかさがあってもいいのではないのか?

かって田中元首相がアメリカの意向を無視し訪中し日中国交回復したことで、「裏切りだ」(キシンジャー国務長官)と決めつけられアメリカに報復され、ロッキード事件で刑事被告人にさせられて以後、日本の政治家のアメリカの顔色を読む従属外交がひどくなった。従属外交一辺倒ではロシアや中国になめられてばかりだ。

最近中国の軍艦とロシア軍艦が尖閣諸島の接続水域に挑発的に侵入した。日本政府が中国政府に抗議したら、中国側の報道官が「日本政府は発言を慎め」と高圧的に反論した。最近中国とロシアは爆撃機の編隊を日本周辺に飛行させ、艦隊や情報収集艦を日本列島を周回させるなど、軍事的威圧を強めている。アメリカ言いなりの日本外交は完全になめられているのである。政治がアメリカ追随ではなく国益を守るという強い決意を示すべき時である。
#対米従属外交

アメリカ社会の保守復古の現象と分断!

2年前、アメリカで黒人男性が白人の警察官に首をひざで押さえつけられて死亡した事件で、黒人差別への抗議が巻き起こった。以来アメリカでの人種対立は激化している。
今年7月4日には、アメリカ中西部オハイオ州で、黒人の男性が交通違反の疑いで警察に停止を求められたものの逃げたとして、警察官から60発を超す弾丸を受けて死亡していたことがわかり、現地では「警察の行為は人種差別に基づくものだ」などとして抗議デモが行われた。

米東部ニューヨーク州議会は1日、人が密集する場所での銃の携行を禁止する法案を可決した。連邦最高裁が先月、公共の場での銃の持ち運び拡大につながる判決を出したのに対抗する動きだ。つまりアメリカでは銃規制も人種問題である。白人層は銃規制に反対。黒人層は銃規制に賛成である。

人工妊娠中絶の是非をめぐる問題も実は人種対立である。昨年から今年にかけてアメリカ南部諸州は人工妊娠中絶禁止に動いている。白人の支持、キリスト教保守派は人工妊娠中絶禁止であり、貧困な黒人層は人工妊娠中絶賛成である。
アメリカではなんでも国内対立は、すべて人種問題になる。トランプとバイデンの対立も、白人支持層と黒人支持層の対立なのである。アメリカ社会での白人と有色人種との対立は人口数で有色人種が増大したことで、白人層が危機意識を持つところからきている。

コロナ禍の影響から一昨年3月から昨年12月までのアジア系の「人種憎悪被害」を訴えた事件は1万1千件に上る。アジア系への憎悪犯罪の増加は、アジア系がアメリカ社会で経済的に台頭していることも影響していると言われている。
民主党のバイデン政権下で人種差別が拡大しているのが今のアメリカである。この社会的流れでトランプ支持も拡大している。トランプの露骨な人種差別発言に共感する白人が増えているというのである。アメリカ社会の保守復古ともいえるこの現象は、当面収まりそうもない。

世界で独裁勢力と民主勢力の対立が、覇権をめぐる対立となりつつあるときに、覇権国アメリカの内部対立は、アメリカが国内問題に手を取られ、当分覇権争奪に動けないことを示している。エネルギーや穀物価格の高騰で世界中で階級矛盾が激化し、アジア・アフリカで独裁への移行が起きている。民主勢力の盟主アメリカ国内が、社会の保守復古である人種問題で対立と分断を深刻化しているのはあきれるほかない。アメリカが中国覇権主義の軍事的暴走を許す融和主義にならないか危惧される事態である。
#アメリカ社会の分断と対立

経済の「中国病」に直面する習近平政権!

高度経済成長を続けてきた中国経済に構造的衰退の兆候が出始めた。これを一部に「日本病」に例える例も見られるが、それは正しくない。中国経済は社会主義から変質したためいまだ農村部に4億人の自給自足経済が残っている。生産手段の集団化・全人民所有の名残もある。したがって中国経済のこれから迎える停滞は、中国経済特有の構造的なものである。

<中国経済の問題の第一>
中国製造業の特徴は国有企業が多いこと、過剰な設備投資で生産の能力が過剰であることから競争が過剰で原材料の値上げを、製品に価格転嫁ができず、企業の収益低下が続き、設備投資が進まなくなっている。中国政府は軍艦建造などの兵器生産で国有企業の需要を満たしているが、当然にも財政上の限界がある。習近平は民間企業への統制を強化しているが、これが民間企業の成長を阻害している。

<中国経済の問題の第二>
米中対立とゼロコロナの行き過ぎなどで、日本企業、韓国企業、アメリカやドイツの企業も生産拠点の分散化・海外移転を進め初め、中国企業もアメリカの関税逃れのため海外に生産拠点を移し始めた。つまり中国経済は産業の空洞化が急速に進み始めた。このため都市部で農民工の失業が急増している。一説では失業率は30%に達している。人口の高齢化問題も日本以上に深刻化している。

<中国経済の問題の第三>
習近平政権は外需と内需の「双循環政策」を行っているが、その中身は地方での公共事業を行うことが中心だ。これでは地方の需要拡大は限界があり、しかも財政赤字が拡大する。中国内陸部の自給自足経済を市場化し、需要を拡大するには、戦後日本政府が行った高米価政策が必要なのだが、これは都市部の労働者の生活を苦しくするのでできない。特にウクライナ戦争で世界的に穀物価格が高騰している中では不可能だ。つまり中国政府は効果のない公共事業で財政赤字だけが拡大する事態となっている。土地が国有化されている中国では、工業団地を内陸部に作っても、土地を売却して資本を作ることはできず、したがって外国企業以外投資できないのである。その外国企業も内需が持続的に拡大しない状態では内陸部に投資はできない。つまり双循環政策はうまくいかないのである。

<中国経済の問題の第四>
中国政府は人民支配の統制を強化している。香港統治に特徴的な独裁統治は、経済成長を阻害する。資本主義経済は自由・民主がなければ経済が成長しない。中国経済のように独裁下では価値法則は貫徹せず、労組は官製労組でストが打てない。したがって権力的価値規定で賃金を低く抑えること、不正アクセスなどで外国企業から技術を奪い国際競争力を高め、貿易で一人勝ちになっているが、この手法はアメリカとの摩擦を強め、戦略的対立の方向へ進むほかない。

とりわけ国有企業の兵器生産化と独裁強化は、前世紀の軍事的拡張主義へ進みやすく、それゆえ我々は「習近平ファシスト政権」と位置付けているのである。ロシアのウクライナ侵攻を見ても明らかなように官僚独裁下の旧社会主義国の経済は、内政面の失敗から外への侵攻に進みやすいという特徴がある。それゆえ習近平の「中国の夢」の実現を目指す軍事強国路線は、個人独裁強化と重なり、危険極まりないことを指摘しておかねばならない。

日本は中国の軍事侵攻に備え、防衛力強化を進めることが時間との戦いとなっているのである。
#中国経済の危機

韓国の社会改革の課題は財閥の解体だ!

韓国映画『パラサイト 半地下の家族』は狭く薄汚れた半地下のアパートに住んでいた家族は全員失業中で、この家族が金持ちの家に寄生していく姿を描いた映画です。今回放映されている映画は『ベイビー・ブローカー』で〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去り、売ることを裏家業にしている、ベイビー・ブローカーを描いている。
この二つの映画は、現在の韓国社会の貧困な姿を見ることができる。なぜ韓国は今も貧しいのか?を考えてみた。

韓国内では、韓国経済は日本を追い越したといわれています。しかし映画を見る限り韓国はまだまだ貧しい。その理由は(1)韓国が財閥経済であること、(2)また半島が南北に分断されていることから、人口が日本の半分以下なのに60万人の軍隊を保持していること、この二つが韓国社会の貧しさの理由であろう。

日本の場合はGHQの戦後改革で地主階級をなくし、財閥を解体し、労働運動を合法化し高度経済成長を実現した。しかし韓国の場合は朝鮮戦争で社会改革が行われなかった。財閥経済では経済発展の利益が一部の家族にのみ握られています。韓国経済は日本の様に中小企業が多くない。これでは企業競争が制約され、雇用も生まれない。韓国の若者は仕事を求めて海外へ働きに出なければ食えないのです。

韓国の支配層は、国民の声が財閥解体に向かうことを避けるために、国民の怒りを「反日」に向けることで、うまく統治しています。しかしそのことが国民への嘘の歴史を刷り込み、隣国との軋轢を生み、それが今や経済発展の障害となっています。巨大な軍隊の維持は、米中が朝鮮半島の現状維持で合意しているので、南北の統一は難しく、したがって国防上で、日本と同じでアメリカへの従属を続けざるを得ない現状にあります。

つまり韓国社会の、今できる改革は財閥解体だけなのです。財閥を解体して企業競争ができるようにし、中小企業が増える環境を作らないと韓国経済は今以上の成長は望めないのです。しかし不幸なことに韓国民の怒りは、ゆがんだ教育で反日に向けられ、それが今や韓国経済の桎梏となっています。日本政府は、韓国政府が財閥解体に向かうように働きかける必要があり、それが「反日」の、たかり・ゆすり外交を克服することに繋がることを指摘しなければなりません。
#韓国社会の課題
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