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米に三正面戦略を迫り譲歩狙う北朝鮮!

 北朝鮮の朝鮮中央通信は31日、国防科学院などが「地対地中長距離弾道ミサイル『火星12』」の試射を30日に行ったと報じた。
 非核化をめぐる米朝交渉は19年2月の米朝首脳会談で決裂し、北朝鮮は今年に入りミサイル発射を繰り返すようになったが、これまではアメリカを刺激しないため中・長距離の弾道ミサイル発射は控えてきた。しかし今回の中長距離弾道ミサイル発射は、北朝鮮が得意の瀬戸際戦術に踏み出したことを意味している。北朝鮮の「多事他変な国際情勢に対処する」とは、アメリカを見て譲歩を迫る好機と判断しているようだ。

 アメリカのバイデン政権は①ロシア・ウクライナ問題 ②中国との覇権争い ③北朝鮮の核・ミサイル開発という三正面戦略を迫られているように見える。ゆえにアメリカから外交的譲歩を迫る好機だ、というのが金正恩の戦略である。ロシアと中国と北朝鮮が連携しているかはわからないが、北朝鮮がウクライナ情勢や米中の覇権争いを好機と判断したことは確かである。

 しかしウクライナ問題のアメリカの狙いは東欧に新たな反ロシアの冷戦ラインを引き、ユーロ経済圏の東への拡大を許さない、というのがアメリカの戦略的狙いであり、また対中国では、バイデン政権は中国との経済の相互依存関係を維持したまま、先端産業では中国を排除する「競争関係」と位置付けている。

 したがって北朝鮮の瀬戸際戦術がアメリカの外交的譲歩を得られる可能性は低い。バイデン政権は内政面で重要法案が議会を通過させられず。外交でもウクライナ問題で拙劣な外交を展開している。欧州とロシアがウクライナ問題では主導権を保持しており、アメリカはNATOを維持できるかどうかわからない。対中国問題ではバイデンの対中戦略は見せかけだけで、実際には親中路線なのである。したがってアメリカは三正面とは認識しておらず、したがって北朝鮮の狙いは成功しそうもない。

 しかし、ウクライナ問題を抱えるロシアと、台湾問題を抱える中国には、北朝鮮は第二戦線構築の手ごまとしての戦略的に必要な存在ではある。北朝鮮のこうしたミサイル実験の瀬戸際外交は、南北会談で外交的成果をもくろんでいた文在寅韓国大統領には誤算であり、目前の大統領選にも影響する可能性がある。韓国が北朝鮮の石炭をひそかに大量に買い取り、北朝鮮を経済的に支えたことが、ミサイルや核開発の資金となっていたのであるから、文在寅の北朝鮮への片思いは、大誤算である。
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佐渡金山の世界文化遺産登録に反対する韓国の難癖!

 佐渡金山の世界文化遺産登録を目指す日本の動きに韓国政府が反対を表明し、申請が困難になっている。自民党の高市早苗氏によれば、「佐渡金山は江戸時代のまだ機械化されていなかった、鎖国されていた日本のなかでの伝統的な手工業です。手作業でやっていたにも関わらず、とても質の高い金を大量に生産していたのです。しかも17世紀における世界最大の金の産地であったということですから、やはり江戸時代のものなのです。」つまり世界遺産登録は江戸時代のものであるから、韓国の反対は筋違いだというものです。
しかし韓国政府の言うように佐渡金山で韓国人が過酷な強制労働を強いられた事実があるのか調べてみた。
   *   *   *
 新潟国際情報大学情報文化学部の広瀬 貞三氏の佐渡鉱山と朝鮮人労働者(1939~1945)によれば、第二次世界大戦中の朝鮮人「戦時動員」で1945年8月15日現在、新潟県内約40ヶ所の事業所に、5000名近い朝鮮人が就労中であったことが明らかとなっている。その多くが佐渡金山に就労している。

 1939年7月日本政府は朝鮮人男性を日本の鉱山、炭鉱、土木の三分野に限定し、労働者として動員すること決定した。1939年度の朝鮮からの労働力導入は8万5000名に決定した。当初は各企業による「募集」の形式を取っていたが、1942年7月から「労務協会斡旋」に変更し、1944年9月から「徴用」になった。これらは日本政府と朝鮮総督府が密接に連携し、戦時の国策として遂行された。戦争中の徴用は欧米でも当たり前のことであった。

 朝鮮人の賃金の問題は、元農民である朝鮮人にとって技能が要求される「請負制度」は日本人に比べて不利だったと思われる。また、この賃金から労働に必要な道具代等が差し引かれるため、実際手もとに残る賃金はごく僅かであったことだ。
 朝鮮人労働中の死傷者に対し、佐渡鉱業所は「勤続三ヶ月以上二及ビタル時ハ団体生命保険二加入セシメ各人在籍中ノ保険料ハー切会社負担シ万一不幸アリタル場合保険金三百円ヲ贈呈ス、災害二対スル扶助、退職ノ場合ノ給与関係等ニツキテハ内鮮区別ナシ」としている。つまり規則を見る限り、おおむね日本人と同等に扱われたようだ。

 事故による死傷以外に、朝鮮人労働者を苦しめたと推定されるのが珪肺である。大正期に作られた「称明寺過去帳」には「安田部屋」所属労働者137名の死亡記録が掲載されている。これによる・と、平均死亡年齢は32.8歳である。死因は「変死」10名、「窒息」2名、「溺死」2名、「寝入死」1名と、15名の死因が明らかだが、それ以外は不明である。しかし、その多くは珪肺の可能性が高いといわれる。賃金が低いこと、食糧不足から朝鮮人の逃亡事件も度々起きている。しかし逃亡事件は日本人の方が多かったので民族差別というよりも、就労先の雇い主の良悪の差があったようだ。

 韓国政府の言うように佐渡金山で韓国人が過酷な強制労働を強いられたのではなく、敗戦濃厚な戦時下での、徴兵による労働力不足を徴用でしのいだのは確かである。しかし鉱山での事故や珪肺で多くの日本人も亡くなっているので、ことさら民族差別が行われたわけではない。当時は日本全体が敗戦濃厚な戦時下で食糧不足であった。韓国政府には日韓請求権協定で問題が解決済である、との認識がない。永遠に金をたかれると思っていることが問題なのである。

 何かと反日の世論を掻き立てて、たかりゆすりを繰り返す韓国外交なので、新たに江戸時代の佐渡金山の世界遺産申請に、いつもの韓国政府の嫌がらせ外交が始まったということのようである。
 日本政府は、佐渡金山の世界遺産申請が江戸時代の鉱山についてであることをきちんと説明し、堂々と申請するべきだ。ユネスコ世界遺産委員会の委員に韓国人が一人いるからと、弱気になって申請をやめることの方がおかしい。申請が不当につぶされたときに外交的制裁を考えればいいことだ。
#佐渡世界遺産申請

米のウクライナ侵攻のカラ騒ぎは成功しない!

 シャーマン米国務副長官は26日、北京冬季五輪が来月4日に開幕するのを前にロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシアのプーチン大統領を開会式に招待した中国の習近平国家主席も「大喜びはしないだろう」と述べ、ロシアをけん制した。(しかし中国はウクライナ問題を台湾問題と重ねており、欧州で戦争が起きることに戦略的利益を見出していることは明らかだ。)
 シャーマン氏は「プーチン氏が軍事力を行使しようとするあらゆる兆候がある。今すぐにでも、2月中旬にも起こり得る」と述べ、侵攻の危機が差し迫っているとの見方を改めて示した。(しかしウクライナ軍の国防相はロシア軍は侵攻の体制にはないと表明している。)

 一方、ドイツのランブレヒト国防相は26日、ロシアとの緊張が続くウクライナに対し、自己防衛を支援するため、軍用ヘルメット5000個を供与すると発表した。ウクライナへの兵器支援を拒むドイツに対し、国内外から批判が出ていたのに応じた措置だが、駐独ウクライナ大使は「単なるジェスチャー。バケツの1滴で、慰めにならない」と失望感を示した。ドイツ政府は、米英とのウクライナ危機への認識のズレをかえって意図的に表面化させたといえる。つまりドイツはNATOの役割は終わりつつあると認識している。
 ドイツの中道左派のショルツ政権は特に武器輸出に慎重で、ウクライナには「殺傷兵器は送らない」と表明しており、対話による緊張緩和を目指す姿勢を示している。
 
 ドイツ政府は、ロシアからの天然ガスパイプラインをバルト海に敷設しており、天然ガスの代金でロシアへの機械などの輸出を計画している。アメリカはこのドイツのロシア経済取り込みに反対しており、ロシア軍にウクライナ侵攻をやらせ、欧州に冷戦構造を作ることでNATOを維持し、ユーロ経済圏の東への拡大を阻止したいのである。

 ロシアのプーチンは、ウクライナ問題で緊張を演出することで、旧ソ連圏へのNATO軍の配備を阻止しようとしているだけで、その狙いは東欧の緊張緩和であり、ドイツ政府と共通している。したがってアメリカの「ロシア軍の侵攻」のカラ騒ぎは成功しそうもない。
 ウクライナはもともと旧ソ連圏であり、今もウクライナには親ロシア派が力を持っており、ロシアは軍事侵攻なしで、親ロシア派政権を作ることができる。現在の親米政権はアメリカがドル紙幣を段ボール箱に詰め、ウクライナ野党に送り、クーデターをやらせたゆえの親米政権であり、もともと政権基盤は弱い。

 アメリカは、地政学的・軍事的にウクライナの防衛は不可能であり、ただユーロ経済圏の拡大を阻止し、NATOの存続を図るために利用しているだけである。小国ウクライナは大国アメリカの「捨て駒」に過ぎない。
#NATO #ユーロ圏

米とEU・ウクライナでロシア軍侵攻で認識に格差!

 ウクライナは、91年の独立以降、大統領選では親ロ派と親欧米派が対立してきた。アメリカ政府の画策で、14年にクーデターで親ロ政権が崩壊し、親欧米派のポロシェンコ政権が発足。19年にゼレンスキー政権が誕生。ロシアは親欧米路線をとる同政権を親ロシアに戻そうとしており、プーチン大統領はウクライナ人とロシア人が「ひとつの民族だ」と述べたように旧ソ連圏は自国の勢力圏と考えている。ゼレンスキー大統領は北大西洋条約機構(NATO)加盟への意欲を公言し、ロシアとの対立は深刻化している。

 このウクライナをめぐり、ロシア軍の侵攻が近いとするアメリカと、「そうした状況にはない」とするEU・ウクライナとの認識の格差が表面化している。それは以下の諸点に表れている。
(1) ロシア軍のウクライナ侵攻が近いとする、アメリカ防総省のカービー報道官は25日、東欧諸国への派遣に備える米兵について最大8500人から拡大する可能性に言及した。国防総省は24日、北大西洋条約機構(NATO)が多国籍の即応部隊を東欧の加盟国に派遣すると決めれば、米国から最大8500人が参加すると明らかにしていた。
 またアメリカ政府は、大使館職員の家族にウクライナから退避するよう命じた。

(2) 欧州連合(EU)は24日に開いた外相理事会にアメリカのブリンケン国務長官を招き、ウクライナ国境で軍備を増強するロシアへの対処方針を議論した。米国が一部の在ウクライナ大使館員の自主退避を認めたのに対し、EUとしては、そうした状況にはないという点で一致した。ロシアの軍事侵攻への危機感について認識の違いが表面化した。

 (3)報道によると、ウクライナがロシアによる早期の軍事侵攻の可能性を躍起になって否定している。ウクライナのレズニコフ国防相は「(ロシア軍は攻撃の可能性を示すような)攻撃部隊を編成していない」と語っている。ウクライナに対するロシア軍侵攻が間近に迫っているとの見方は主にアメリカ政府が示しているが、ウクライナのゼレンスキー大統領や国防相らが真っ向から否定し、後ろ盾であるアメリカとの足並みが乱れている。
 アメリカ政府はロシア軍がウクライナに侵攻すれば経済制裁を強化することを表明している。ロシアは世界の天然ガス生産の17%を占め、欧州は消費量の3割をロシアに依存する。アメリカメディアによると、ウクライナを通るパイプラインを経由して欧州に流れる量はそのうちの3分の1に達する。アメリカ政府高官は「このルートの供給をすでに半減させており、途絶えれば欧州に深刻な影響が出る」と話した。米欧が資源大国であるロシアへの経済制裁強化に踏み切れば、影響は世界経済に及ぶのは確実だ。ゆえに金融市場には動揺が広がり、株価は下がった。

 ロシア軍のウクライナ侵攻をめぐるこうした認識の相違は、アメリカ政府が欧州に新たな反ロシアの冷戦ラインを作りたがっていることの表れであり、欧州とウクライナはユーロ経済圏の旧ソ連圏への拡大を目指しており、NATOの必要性はなくなりつつある。それゆえアメリカの反ロシアの冷戦ライン構築には組したくないのである。

 アメリカ政府は、対中国の覇権争いに集中しなければならないが、その間に欧州共通通貨のユーロ経済圏が旧ソ連圏に拡大すれば、ドル支配が揺らぐと考えているのである。つまり世界の多極化の中で、アメリカはNATOを維持し、そのために反ロシアの冷戦構造を必要としていると見ていい。こうしてウクライナをめぐるアメリカと欧州の認識の格差が生まれているのである。

 日本にとって重要なことは、バイデン政権がロシアを中国側に追いやる外交をとっていることだ。これは日本にとっては2正面に敵を迎えることになる。バイデン外交では中国だけが「漁夫の利」を得ることになる。バイデンが世界戦略を理解していないことは明らかだ。
#ウクライナ問題

公文書や統計数字の改ざん・書き換えを正せ!

 国土交通省による「建設工事受注動態統計」の書き換え問題で、朝日新聞が公表データをもとに専門家の助言を受けて試算したところ、20年度の統計で約4兆円過大になっている疑いが浮上した。実績全体の5%に相当し、巨額の訂正が必要になる。この報道に対し斉藤鉄夫・国交相は25日の閣議後の会見で情けないことに、コメントできなかった。

 国土交通省で発覚した基幹統計の書き換えは、あってはならない重大な問題だ。特に、会計検査院から指摘を受けた後も続けていたというのだから深刻だ。厚生労働省の毎月勤労統計の不正もある。森友加計問題での公文書の改ざん問題もある。こうした改ざんや書き換えが政治がらみで行われたのか、ぜひ明らかにしてもらいたい。この調査は政治家や官僚の手ではなく、第3者機関で行うべきである。

 政府の統計数字や公文書が信用できない事態は、政権交代が行われない故の政治と官僚の腐敗であることは明らかで、しかも氷山の一角の可能性がある。民間の三菱電機などにおける検査データの改ざんも次々明らかになっている。こうした不正は組織が腐敗している結果であり、ゆゆしき事態である。

 政策の基本となる統計が書き換えられていれば、正しい政策が行われるはずもない。日本経済が30年間も停滞している事態がこうした不正と関連していると見た方がいい。問題を根本的に解決せず。改ざんや統計数字の誤魔化しで一時的責任逃れが行われているなら、ゆゆしき事態であり、長年政権を担ってきた者の責任であることは明らかだ。

 ましてや担当大臣が統計数字の書き換えにコメントできない、ということがあってはならない。まさに無責任というしかない。政治家が官僚の人事権を握り、結果官僚の忖度が増え、統計が書き換えられたり、公文書の書き換えが行われているのである。まさに政権の末期症状というしかない。当事者ではない者の手で調査をし、こうした不正を根本的に正すべきである。
#統計の書き換え

五輪で習ファシスト政権の国威発揚なるか!?

 新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した中国の武漢で都市の封鎖が始まった日から23日で2年だ。この武漢封鎖を事前に発表したことで、封鎖前に200万人が海外などに逃げたことで、コロナウイルスを世界中に拡散した中国政府は、いまオリンピック開催を前に「ゼロコロナ」対策で狂気じみた封鎖劇を演じている。

 来月4日に開幕する北京オリンピックの大会組織委員会は23日、今月4日から22日までに行われた新型コロナウイルスの検査の結果を公表した。それによると、関係者と外部の人との接触を避けたいわゆる「バブル」の中で、これまでに33人が新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されたと発表しました。まさに因果は巡るのである。

 なお、22日までに2586人の大会関係者が国外から現地に入ったということで、北京に到着した際の空港での検査では、39件の陽性が確認された。中国国内では家家をくぎ付けにしたり、門を溶接して封鎖し、ゼロコロナを追求して、各地で大きな大衆の不満を生み出している。つまりコロナウイルスを2年前に世界中にばらまいた中国が、今度は海外からのウイルス持ち込みで大慌てしているのである。

 習近平は秋の党大会で国家主席に居座るためにオリンピックを何が何でも成功させねばならない。彼は全党に「万に一つの失敗もするな」と大号令したが、彼の悩みは、コロナウイルスが独裁の脅しが通じる相手ではないことだ。ましてや海外から選手団やマスコミ関係者が大挙して北京に来るのであるから「ゼロコロナ」は不可能といえる。

 そんなわけで、習近平の狙いとする、独裁政権が民主主義より優れているという証明、そのような、オリンピックを国威の発揚に利用することがなるかどうか?世界中が注目している。何か?とんどもない北京オリンピックになりそうな気がする!
#北京オリンピック

米国務長官が「全面戦争の時代に戻ってしまう」と警告した狙い

 アメリカはソチオリンピックの間に、ウクライナのクーデターを画策し、反ロシアの政権を作り上げた。ウクライナは旧ソ連の領土であり、そうした意味で中国が台湾を「国内問題」と認識していることと、ロシアにとってのウクライナ問題はよく似ている。プーチンがウクライナのクリミア半島を占領したときに、軍事的にアメリカは何もできなかった(=しなかった)のである。

 報道によると20日、アメリカのブリンケン国務長官はベルリンを訪問し、フランス、ドイツ、英国の外相と会談した。緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、ロシアの軍事侵攻を抑止するための結束を確認し、「ロシア軍が少しでも国境を越えて攻撃すれば、厳しく団結した対応をとる」と改めて警告した。

 ブリンケン国務長官は、戦後の平和を守ってきたのは、武力による国境線の変更禁止という原則だと強調。ロシアに原則違反を許せば、「全面戦争の脅威があった時代に戻ってしまう」と述べた。「これは二国間の争いを超えた意味を持ち、世界的な影響を及ぼす危機だ」と深刻さを訴えたという。

 ロシアのプーチン大統領の意図について、ブリンケン国務長官は「軍事侵攻に向けた下準備をしている」「彼はウクライナを主権国家だと考えていない」と指摘し、ロシアはウクライナを自国の一部とみて軍事侵攻に出る可能性があるとの見方を示した。
 ブリンケン氏は21日、ジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談する。だが、「まさか明日のジュネーブで解決できるとは期待していない」として、緊張緩和への道のりは容易ではないとの認識を明かしている。

 ウクライナは旧ソ連領であり、旧ソ連の勢力圏であった旧東欧と同じ問題を内包している。プーチンはNATOに東欧への軍事基地を置かないことを要求している。アメリカが意図的に、欧州に軍事的緊張状態を作り上げようとしていることは明らかだ。その狙いがNATOの解体を避けるためであることは明らかだ。

 欧州連合がユーロ経済圏を旧ソ連圏に拡大するうえでNATOが障害になっているのである。トルコがNATOを裏切り、ロシア、ベラルーシに接近しているように、現在NATOは解体の危機にある。

 もしアメリカが欧州に新たな冷戦ラインを作り上げることが、NATOの存在価値を高め、中国とロシアの分断策になると考えているなら、それは間違いである。逆にウクライナと台湾への同時侵攻の可能性を高めることになるであろう。アメリカの狙いがユーロ経済圏の東方への拡大を阻止し、ドル支配を維持することであり、バイデン政権にはアジアにおける習近平ファシスト政権の拡張主義には何らの対抗戦略がないことは明らかだ。

 我々の目にはバイデン政権の方が全面戦争の脅威を高めているように見える。アメリカの覇権争いの相手は習近平ファシスト政権であり、バイデン政権は、まさにかってのチェンバレン英首相の「融和政策」の誤りを繰り返している。
#NATOは解体の危機

アメリカはロシアのウクライナ侵攻を予想

 バイデン米大統領は19日、就任から1年の節目を前にホワイトハウスで記者会見を開き、緊迫するウクライナ情勢についてプーチン大統領の今後の判断について「彼は動くと予想する」と述べ、侵攻に出る可能性を指摘した。また侵攻すれば、「ロシアにとって大惨事となるだろう」とし、大規模制裁でロシア経済が打撃を受けることになると述べた。

 またブリンケン国務長官は19日、ウクライナを訪問してゼレンスキー大統領らと会談し、緊張が続くロシア軍への対応に一致して取り組むことを確認した。ブリンケン氏は「非常に短期間のうちに、ロシアがウクライナに攻撃的な行動をとることも可能になる」と強い警戒感を示した。

 つまりアメリカ政府は、ロシアのウクライナ侵攻を予測しながら、米軍は派遣せず経済制裁を行うと言っているのである。つまりアメリカはロシアにウクライナ侵攻をさせたいのである。そうなればEUの東へのユーロ圏拡大は阻止され、EUのロシア経済取り込みは破綻する。

 バイデン政権はアジア重視といいながら、実際には欧州重視であり、ユーロ圏拡大を阻止し、世界通貨としてのドルの地位を保ちたいのである。そのためにはウクライナ問題を利用して、EUとロシアの対立を決定的にしたいということだ。ウクライナへのロシアの侵攻で、EUはNATOへの依存を強めざるを得ない。

 中国はウクライナ問題が、台湾問題と重なるので、ロシアのウクライナ侵攻は台湾進攻の好機である。ロシアのウクライナ侵攻は欧州との関係を重視する中国政府には表向きには支持できない、しかし本音は大いに期待しているとみてよい。アメリカとの覇権争いを考慮すれば、ロシアと中国の同盟強化は習近平にとって「棚からぼた餅」なのである。

 プーチンは、ウクライナ侵攻の脅しでEUを揺さぶっている。ユーロ圏の東方への拡大の願望を、ウクライナ侵攻で破たんさせるぞとの脅しで、ロシアは欧州に妥協を迫っているのである。NATOはトルコの裏切りと、ロシアの揺さぶりで解体の危機に直面している。

 日本にすれば中国とロシアの同盟強化は、2正面戦略であり絶対に避けなければならない。ゆえにロシアを中国側に追いやるアメリカの戦略は、亡国につながるほどの安全保障上の危機なのである。

 世界の多極化は、複雑で不可思議な合従連衡の局面に入っているということであり、米中対立で、ロシアと日本の戦略的地位が高くなっているのである。ゆえに日本の政治家は対米自立を目指し、日本の安全保障を担保する独自の戦略を持つ心構えが最も重要となることを指摘しなければならない。
#ロシアのウクライナ侵攻

北京五輪開催が政治課題となった独裁国の狂気!

 中国で2月に開催される北京冬季五輪まで1カ月となった。習近平(シー・ジンピン)国家主席は「準備ができている」と強調するが、観客のチケットは販売せず、観客の強制動員か、もしくは無観客開催となりそうだ。国内で新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、成功裏に開催するために習近平ファシスト政権の目指す徹底した感染抑制と観客動員の両立はますます狂気じみてきた。

 突然町の消毒が始まったり、突然自宅のドアが釘付けされたり、マンションのドアが溶接で封鎖される事態は狂気じみているというほかない。習近平が「万に一つの失敗もするな」と号令をかけているので、各レベルの指導者たちは狂気じみた封鎖作戦を繰り広げている。

 北京五輪は、秋の党大会で永世主席の地位を得るための習近平の外交的成果としてなんとしても成功させなければならず。北京にコロナウイルスを拡大させることは、各級の指導者にとっては責任を問われかねないので、勢い権力的対応が狂気じみたものになる。

 冬季五輪を間近に控えた中国の首都、北京市では冬季五輪成功へ向けて「ゼロコロナ」のために狂気じみた権力的封鎖作戦が続いている。習近平が1月4日には市内の五輪会場を視察し、新型コロナウイルス禍での開催に向けて厳戒態勢を敷くよう号令をかけた。 こうした独裁国家の厳しいしわ寄せは、世界各地からオリンピックに参加する選手たちに集まる。毎日の検査や管理で、もし感染が確認されるとその国の選手全体が出場できるかどうかの瀬戸際となる。

 東京五輪の例でもわかるように、たとえ観客なしであっても、選手たちによりコロナウイルスが中国国内に持ち込まれることは避けようがなく、柔軟性を欠いた中国政府の対応が、どのような北京五輪となるか?世界の関心が集まっている。
#五輪成功へ中国の狂気のコロナ封じ込め

有事体制への整備を急げ!

コロナと大雪と津波とミサイルの恐怖の波!
 大雪が続き、コロナ患者が米軍基地から拡散し、日米の地位協定が日本の安全を脅かしている。トンガの火山噴火の津波に震え、北朝鮮はミサイルを盛んに日本海に打ち込む。中国の公船は連日尖閣に押し寄せ挑発を繰り返す。大阪は本日のコロナの発症患者が5000人を超えた。

 韓国のたかりゆすりの反日外交は続き、中国の台湾有事は迫りつつあるが、日本の備えは無きに等しい。アメリカはロシアと中国を同時に敵にして、日本は2正面を余儀なくされて、安全保障は危機にある。

 かつてこれだけ災害・軍事的脅威・感染症の広がり、外交上のたかり、等々が重なったことはなかった。経済が落ち込むだけでなく、国民の心も病みつつある。理由もなく人を大量に殺して自分も死のうとする犯罪が急増している。

 いかに日本人の民度が高く辛抱強いとはいえ、政治が国民の心労に無関心で、貧富の格差拡大とコロナ禍でリストラは増え、生活が成り立たない人も急増している。まさに日本は戦後最大の危機ではないだろうか?

 安全保障も、感染症対策も、大地震への備えも、侵略戦争への備えも、災害への備えも、十分とは言えない日本が露わになっている。今こそ有事の体制整備が必要だと指摘したい。政治家がきちんと、こうした有事への備えに答えを示してほしいと思う。
#有事の体制整備が必要

日米首脳協議で米の対中国戦略を正せ!

 アメリカのホワイトハウスは16日、岸田文雄首相とバイデン大統領が21日にオンライン形式で協議すると発表した。この日米首脳会談では、日米同盟を強化する方針を確認し「自由で開かれたインド太平洋という共通のビジョンを推進する」ことを目指す。中国の脅威を念頭に抑止力を高める安全保障協力も話し合う見通しだ。

 岸田政権は、これまで日米首脳会談の開催を何度も求めたが、バイデン政権が国内問題で手いっぱいで開催できなかったものである。日米首脳会談をめぐっては、日本側は通常国会前をめざして早期に開くよう外務省が米側に何度も打診していた。しかし米国内の分断と対立で、バイデン政権が重視するバラマキ法案が議会を通過せず、米国内で過熱するインフレや、多発する災害など国内問題に追われているなかで実現が難しくなっていた。

 同首脳会談の議題は、新型コロナウイルスや気候変動の対策のほか、宇宙やサイバーといった新領域での技術などあるが、最大のテーマは中国への対処、台湾有事などだ。日本のミサイル防衛が超高速ミサイルなどの開発で形骸化しているため「敵基地攻撃能力」の保有の検討や日本が22年中に改定する国家安全保障戦略なども議題になるとみられるが、いまだにアメリカの戦略が明確でなく、共産党を解体しているロシアと、一党支配の中国を同時に敵にするアメリカの戦略的誤りで、日本は南北に敵を迎える2正面戦略を余儀なくされる事態となっている。

 岸田首相は、日米首脳会談でアメリカの戦略の見直しを求めるべきである。つまり対ロシア戦略の見直しで、中国の孤立化を図り、習近平ファシスト政権を主敵とするアメリカの戦略の見直しを求めるべきである。

 岸田首相は、ロシアと中国を同時に敵にするバイデンの現状の戦略では、習近平ファシスト政権を有利にしかねず、それはヒトラーの暴走を許したチェンバレンの「融和政策」の繰り返しとなりかねないものであることを、明確に指摘すべきである。
#日米首脳会談

北朝鮮のミサイル開発は分断国家のあがきだ!

 北朝鮮が昨年9月以降、計6回にわたり国連安保理決議に違反の弾道ミサイルを発射し、とりわけ最近の超高速ミサイルの実験は速度がマッハ10で、しかも低高度を飛翔するので、これまでのミサイルと違い防衛しにくいので、周辺国の脅威は高くなった。
 これに対しアメリカ財務省と国務省は12日、大量破壊兵器と弾道ミサイル開発に関する物資を調達したなどとして、北朝鮮国籍の個人6人とロシア国籍の個人1人の計7人に制裁を科したと発表した。

 この制裁について北朝鮮は、「アメリカがこのような対決姿勢を取るなら、さらに強力ではっきりと反応せざるを得ない」と警告する談話を発表した。北朝鮮は奴隷制の大王(金王朝)が支配する世界で唯一の遅れた社会体制(奴隷制)の国家である。こうした国家は自給自足の経済なので自由経済から孤立していれば政権は持つ。この貧しい国家がミサイル開発を行えば国民は飢えに苦しみ、やせ衰え、内部矛盾は激化してもおかしくないので外交的対立が必要になる。

 しかし、アメリカと中国は半島を緩衝地帯と位置付けて、分断固定化で合意している。つまり米中が半島の現状維持で合意している以上、北朝鮮がミサイルや原爆を開発しても現状を打開できないのである。おそらく北朝鮮の最高指導者金正恩も孤立化の方が政権を維持できると考えているであろう。しかし国連の制裁が続けば貿易で外貨を稼ぎ、国民に施しを与えることが出来なければ王朝は危うい。そこで「かまってミサイル」を打ち上げることになる。

 韓国の文在寅政権の南北統一政策も、北朝鮮の制裁解除要求と同じく無理筋で、そこで出てきた朝鮮戦争の停戦を「終戦」にしようという政策も、米中の現状維持政策の前に実現しない。朝鮮半島の分断は冷戦の産物なのだが、米中対立で新たな冷戦が生まれているので、現状の打破が出来なくなっている。

 そこで韓国では、「南北分断は日本のせいだ」という論が政治家の中から出てきている。国民の怒りを反日に向けるいつもの手口だ。彼らには南北統一を成し遂げる戦略がない。現状では、北朝鮮の後ろ盾である習近平ファシスト政権の拡張政策に反対し、台湾への侵攻に反対し、反ファシズム統一戦線に参加することが、統一への近道なのであるが、文在寅政権は中国に接近する道を選びつつある。これは「亡国への道」といえる。北も南も分断国家のむなしいあがきを続けているのである。
#朝鮮半島の現状固定化

習近平ファシスト政権の「管轄権」と米の弱腰!

 米国務省は12日、南シナ海をめぐる中国の主張について報告書を公表した。同報告は「南シナ海の大半で違法な海洋権益を訴えている」と結論づけ、南シナ海の全域の「管轄権」を主張する中国を批判した。

 習近平ファシスト政権は、南シナ海に引いた「九段線」の範囲を事実上の主権とみられる「管轄権」という概念を主張しているが、報告は、この法的根拠を否定した2016年7月のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決に従うべきだと主張した。また声明は「南シナ海における違法で威圧的な活動を停止すべきだ」とも求めた。

 この報告書はバイデン政権が発足後2年目に、やっとトランプ前政権の立場を引き継いだに過ぎない。ポンペオ前国務長官は20年7月の声明で「南シナ海の大半の地域にまたがる中国の海洋権益に関する主張は完全に違法だ」と批判しブリンケン国務長官は21年12月、訪問先のインドネシアで中国が南シナ海の実効支配を進めて「年3兆ドル(約340兆円)以上に相当する物流を脅かしている」と非難し、東南アジア各国と協力して中国に対抗する姿勢を示していた。

 ベトナム、フィリピンなど東南アジア諸国の一部は南シナ海の領有権を中国と争っており、バイデン政権にも関与の継続を求めていた。アメリカがこの報告書で東南アジアへの関与に意欲をみせたが、その内容は対抗戦略といえるものではない。

 習近平ファシスト政権だけが他国の海域に「管轄権」を主張して、勝手に線を引き、自国の領海を事実上宣言している。そのやり方は覇権主義そのものであり、それを米政府が違法としたことは、トランプ前政権の方針を繰り返したにすぎず。何ら目新しいものではない。
 習近平ファシスト政権は、日本の尖閣諸島近海への公船の領海侵犯を連日繰り返しており、彼らは既成事実を積み重ねれば、自己の領土にできると考えている。その手口は前世期の帝国主義そのものであり、習近平はそれを見習うことが超大国の証と考えている。

 習近平はかって、アメリカに太平洋を東西に分割し、西半分を中国の管轄海域とするようアメリカ政府に提案したことがある。彼らの野心の大きさは限りがなく、その愚劣な手法は小国への「債務の罠」戦略や、岩礁を勝手に埋め立て自国の軍事基地を建設するやり口に表れている。習近平ファシスト政権は全世界の民主主義勢力の共通する敵となっており、最大のファシスト侵略勢力なのである。

 アメリカ政府は民主主義勢力として、中国の砲艦外交ともいえるやり口に、反ファシズムの戦略的対抗措置を表明すべきであり、政権発足後2年目にトランプ政権と同じ「違法」との態度を表明するようでは、弱腰を強調するような外交と言うべきである。

 アメリカの覇権が脅かされているのに、自国の金融資本が中国市場に利益を見出しているからと、反ファシズム戦略を打ち出せないバイデン政権の弱腰は、チェンバレンの「融和政策」と何ら変わらないことを指摘しなければならない。
#バイデンの弱腰外交

軍事力による現状変更に反対する外交原則を!

 中ロの独裁軍事大国が同盟し、台湾とウクライナへの同時侵略体制を強化している下では、日本政府は軍事力による現状変更反対の外交原則を打ち出すべきだ。とりわけアジアでは大国中国が各個撃破の策を行えば、台湾だけでなく日本や東南アジアの小国はすべて占領されるのは明らかだ。

 アメリカが国内の分断と対立で覇権を維持できなくなりつつある下では、日本の防衛は今ほど危ういことはない。歴史が教えているのは小国が大国に対し国防を確立するには合従連衡の策で大国の侵略に当たるほかない。

 日本政府は軍事力による国境線の現状変更に反対する「連衡」の策を実施すべきである。この場合韓国のように大国中国の覇権主義にすり寄る外交がなりよりも危険で、亡国の外交であることをはっきりと指摘すべきだ。

 米ソの冷戦時代と違い、世界は経済的に相互依存を強めており、大国である中国といえども世界から孤立しては経済がもたない。ゆえにアジアの諸小国の外交的連衡が重要となる。

 中国の現政権が生まれてから70年間も一度も統治したことの無い台湾が「中国の内政問題」との主張は成り立たない。中国政府の論理に従えば過去に中国王朝に朝貢していた日本も「統一」の名のもとに侵略できることになる。

 小国の過去の歴史がどうであれ、軍事力による独立と主権の侵害(=現状変更)に反対する外交原則でアジアの小国の連携を強化していく外交が求められている。戦後日本外交はアメリカの従属国として、アメリカの指揮棒にしたがっておれば平和が守れたが、今やアメリカに中ロの軍事力を押さえるだけの力がなくなりつつある。

 習近平ファシスト政権に合従連衡の策で対抗する外交戦略が必要となっている。もはや「あいまい戦略」が通用する時代ではないし、アメリカ依存の平和も難しい。当面は台湾との関係を軍事力による現状変更に反対する共同防衛協力関係を結んでいくことが重要である。「唇亡べば歯寒し」のたとえのように、台湾が亡べば、日本の防衛も危ういのである。
#日本の外交戦略

台湾・ウクライナへの同時進行の可能性について

 アメリカのウオール街の有力投資銀行や生命保険会社のファンドが相次いで中国金融市場に参入している。バイデン政権の対中国重視戦略は口先だけのようである。

 ウクライナ問題でもアメリカは、プーチンのNATO軍の旧東欧への配備をやめるように求めている問題では、今のところ譲歩は見えない。つまりアメリカは中国とロシアを分断する戦略は未だ選択していないように見える。

 とすると中国とロシアの台湾・ウクライナへの同時侵攻がありうるという見方ができる。バイデンは台湾防衛についても「あいまい戦略」であり、台湾の防衛については明言していない。しかも韓国政府の中国接近を阻止できず、アメリカの外交は戦略が不透明であることから、安全保障上の信頼が低下している。

 バイデン政権は、国内の分断と対立の中で未だに戦略を発表できないでおり、しかも支持率の低さから今年秋の中間選挙では民主党が大敗し、上下両院で過半数を失い、任期を2年残してレームダック化する、と見られている。

 つまり世界戦略は明らかに中国・ロシアの独裁連合が主導権を握ることが明白になっている。原油の高騰でロシア経済は明るさが出てきており、バイデン政権はアフガニスタン政府を見捨てたことで中東・中央アジアでの安全保障上の信頼を失っている。

 日本の岸田政権が訪米をアメリカ政府に何度も打診しても、バイデン政権が応じることができないのは、世界戦略が立てられない事態の中で日米首脳会談さえ行えない状態にあるからだ。バイデン政権の優柔不断は中国とロシアには好機であり、ウクライナと台湾は同時侵攻の可能性が高まり、安全保障上の危機にある。

 習近平は永世主席の地位を手に入れるには毛沢東もなしえなかった台湾統一を成し遂げる必要があり、そのための海軍力の増強を進めている。中国海軍は敵前上陸の経験がないとはいえ、台湾は海上封鎖に長期に持ちこたえるだけの力はない。プーチンは国内での支持率の低下の中で、支持率を上げるには旧ソ連圏の回復が必要であり、しかもウクライナ軍は弱体で、NATO軍は地政学的にウクライナを防衛する力はない。

 こうした状況の中で、バイデン政権が3月上旬の一般教書演説でどのような戦略を打ち出すのかが注目されているのである。米中の覇権争いの中で日本とロシアの戦略的地位が高まっているが、バイデン政権は対中国戦略を打ち出すことができるのか?はなはだ疑問で、したがって中国とロシアの分断を図る外交も期待薄なのである。ゆえに台湾とウクライナへの同時侵攻の可能性が高まっているのである。バイデン政権の台湾への「あいまい戦略」、ロシアへの経済制裁の脅しでは、同時進行を阻止できない可能性が高いのである。
#ウクライナ台湾同時侵攻の可能性

有能な指導者不在のアメリカの衰退!

 ハリス米副大統領は6日、連邦議会議事堂で演説し、議会襲撃事件が起きた1年前の1月6日を、1941年12月7日(米ハワイ時間、真珠湾攻撃)と2011年9月11日(米中枢同時テロ)と並べて「民主主義が暴力にさらされた日」と指摘した。
 ハリス氏の発言について共和党のラムボーン下院議員が「1月6日を真珠湾と9・11に例えるのは不快で全く比較にならない」とツイッターに投稿するなど一部から批判が上がっている。

 バイデン大統領は6日に議会で演説し、「歴史上初めて、選挙に敗れた(当時のトランプ)大統領が平和的な政権移行を妨害しようとした。暴徒を動員しておきながら、ホワイトハウスでテレビを見ているだけで、何時間も何もしなかった」と厳しく批判した。
 バイデン大統領の支持率は30%台といわれ、副大統領のハリスの支持率は20%台といわれている。正副大統領の支持率が低いのは、大統領選挙時の公約であった「バラマキ法案」が議会を通過する見通しが立たないこと、しかもアメリカは地球温暖化の影響で、ハリケーンや竜巻、山火事などの災害が多発し、課題の環境問題でも成果が見られないこと、またコロナ感染症対策も影響して、その上にガソリンの高騰も重なってバイデン政権の評価はがた落ちとなっている。

 次期大統領選ではバイデンは高齢であり、副大統領のハリスは帝国主義間の矛盾の表れである真珠湾攻撃と、さらにはテロ事件の9・11を、選挙不正問題と同列で論じるほど政治的に低い。つまり民主党は有能な人材がいないのである。
 他方の共和党は、トランプの影響力が党内でますます強まっており、しかも共和党が州知事の州では次期大統領選に向けて選挙法の改正が進んでおり、今年秋の中間選挙では野党共和党が上下両院で多数を占める公算が大きいといわれている。つまりバイデン政権は任期2年残してレイムダック化する可能性が高くなっている。

 現在のアメリカは、国内が対立と分断が続き、経済成長を考えると中国に強く出ることもできず、したがって対中戦略も立てられない。ロシアの強硬姿勢にも低姿勢で対応する始末なのである。このままでは中国・ロシアの独裁連合が世界の覇権の主導権を握る可能性さえ出ている。中国の習近平政権が計画するように、2028年にアメリカ経済を追い抜く可能性が強い。

 民主党バイデン政権は対中戦略も立てられず。共和党はトランプの覇権放棄路線なのだから、これは正に民主主義の側の窮地であり、中ロの独裁同盟(=ファシスト勢力)の戦略的優位が続く可能性が強まっている。日本は対米自立の時が来ていることを指摘しなければならない。
#アメリカの衰退

中国市場への参入進めるウオール街!

 アメリカ株式市場から中国ハイテク企業の追い出し(デカップリング)が進んでいるように見えるが、逆に中国市場ではアメリカのウオール街の有力投資銀行や生命保険会社のファンドが相次いで中国金融市場に参入している。

 月刊誌「選択」1月号の「情報カプセル」によると、習近平政権は中国の金融市場に外資を引き付ける政策を強化している。昨年12月に行われた中央経済工作会議でも「より多くの多国籍企業の投資を呼び込め」との方針が確認されたという。

 こうした政策の成果か、モルガン・チェースの対中投資は19年からの3年間で9%増加しているという。アメリカ企業の対中国投資による保有株式・債券の総額は、過去3年間で3倍の1兆1千億ドル(約124兆3000億円)に上っている。この金額は全外国資本の対中国投資累積総額約2兆4千億ドルの半分近くに上るものである。

 つまりバイデン政権は対中国重視といいながら、実は中国との経済の相互依存を進めており、トランプ前政権の中国デカップリング政策との違いが浮き彫りとなっている。つまりバイデン政権の「中国との競争」というのは先端産業のみの事であり、アメリカの金融資本が中国市場で利益をむさぼるのは構わないという政策のようだ。これではバイデン政権が対中国戦略を制定できないわけだ。

 中国の習近平ファシスト政権にとっては、数年後にアメリカ経済を追い越す時間的余裕を得たということだ。アメリカの共和党議員がバイデン政権を「チェンバレンの融和政策と同じだ」と批判するわけだ。

 バイデン政権は大統領選の公約であるバラマキ法案を未だ成立させることができずにおり、このままではバイデン政権が今年秋の中間選挙で大敗し、上下両院で過半数を失うのは確実で、次期大統領選でトランプの勝利もありうる事態となっている。

 つまり今年は、中国・ロシアの独裁連合が世界各地を荒らす事態が予想される。独裁体制がのさばり、民主主義の側が衰退と分裂を深めているのであるから事態はコロナパンデミックもあり、ますます混迷を深め、軍事力による国境線の書き換えが進むであろう。

 アメリカ外交が同盟国を守れない事態の中では、日本は対米自立し、防衛力を強化して戦略的選択の幅を広げておくことが重要となるであろう。アジア各国は、習近平ファシスト政権の軍事的暴走への備えを急がねばならない。
# バイデンの対中融和政策

ウクライナ危機は米ロの妥協のための演出だった!

 月刊誌「選択」1月号は、「ウクライナは戦争にはならない」との記事を掲載している。それによると、ロシアがウクライナ国境近くに集めた10万人規模の大部隊は「大仕掛けのはったり」だったというのだ。

 このロシアのウクライナへの軍事的恫喝の前に、米ロは10月に次官級会談、12月にブリケン、ラブロフの外相会談を行い、12月7日にはバイデン、プーチン両大統領のオンライン会談でウクライナの「和平」をウクライナ政府の頭越しに行ったというのだ。

 米ロの合意の内容は、ウクライナ東部のドンバス地方の親ロ派勢力とウクライナ政府が話し合うことをアメリカが説得する。クリミア半島のロシアの併合を認めた形で。ウクライナの「領土保全」でアメリカが「関与する」というものであるらしい。

 ウクライナ国境の10万人規模のロシア軍大部隊に、ウクライナ側が迎撃する力がなく、地政学的にNATO軍の参戦はあり得ない。つまりアメリカはウクライナ政府に、ロシア側の要求をのませるほかなかった、というのである。

 つまりアメリカは同盟国のウクライナ政府の頭越しに、ウクライナのクリミア半島をロシアが併合した事実を容認した、というのである。バイデン政権のこうした同盟国の頭越しに、領土問題を処理することは、同盟国の日本としては「不安」と「疑念」が残る、というのが「選択」の記事の趣旨である。

 いくら中国との覇権争いが戦略的中心とはいえ、アブガン政府を見捨てたやり方や、頭越しにウクライナ政府の領土であったクリミア半島のロシアによる併合を認めるなど、バイデン政権の外交には同盟国への配慮に欠ける裏切りと言わねばならない。これでは日本の尖閣諸島や南西諸島も、いつ中国に売り渡されるかわからないではないか?

 バイデン政権にすれば、ウクライナ政府の対面を考えて、ウクライナ国境への10万人規模のロシア軍大部隊をはったりで集め、ウクライナの安全を保障するためにやむを得ぬ妥協を演出した、といいたいのであろうが、頭越しに同盟国をいとも簡単に裏切るバイデン外交には不信しかわいてこない。

 日本はやはり、信義の無いアメリカに安全保障を頼るわけにはいかないのである。対米自立し、自分の国は自分の力で守るだけの軍事力を持たねばならないことを、ウクライナの事態は教えている。アメリカの衰退は同盟国への信義の無い外交にも表れているのである。日本は早急に自立できるだけの防衛力を持たねばならない。
#ウクライナ危機ははったりだった

アメリカの混迷が中ロの攻勢を招くことに!

 トランプ前政権が「アメリカファースト」でズタズタにした同盟関係が、バイデン政権で修復され、強いアメリカが復活するかに見えた。しかしバイデン政権は公約であった大型歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよい再建)」の法案が成立しない事態になっている。上院議席が民主50共和50の同数で、バイデン大統領が今年11月の中間選挙までに決めたかった中間層へのバラマキ法案が成立しそうになりのである。

 つまり今年11月の中間選挙までに成果がなければ民主党は上下両院で少数派に転落することが避けられないとみられている。つまりバイデン政権は中間選挙に向けて「よりよい再建法案」を通したいのであるが、現状では難しくバイデン政権は中間選挙で敗北し任期を2年残して「レームダック化」しかねず。ゆえにバイデン政権は対中戦略立案どころではないのである。

 こうしたバイデン政権の体たらくを利用して中国とロシアが戦略的攻勢に出ている。世界の工場としての地位を手に入れた中国経済は2028年には国内総生産でアメリカを追い越すとみられている。中国は「群狼外交」、ロシアは旧ソ連圏の勢力圏回復を目指したウクライナへの軍事的恫喝外交は、アメリカのバイデン政権の内政面の行き詰まりに付け込むものである。

 プーチン政権はアメリカ政府に対し、旧ソ連権の11か国のNATO加盟を認めない。NATOが東欧に派遣する兵力を1997年の水準以下に抑える、という要求を突きつけたのは、バイデン政権の足元を見た要求なのである。プーチンに旧ソ連圏回復の野望を見たバイデン政権が対中戦略優先を貫くなら、要求を受け入れねばならない。拒否すれば対中戦略どころではなくなる。

 プーチン政権の強気は原油高騰で経済的に明るさが出てきていること、アメリカが中国優先の戦略を表明したことに付け込むものであり、米中の覇権争奪がロシアと日本の戦略的優位性をもたらしていることを見て取らねばならない。ロシアは強気に、日本は対米従属という違いはあるが、その戦略的な地位を高めている。

 ゆえにバイデン政権は、第一に内政面でよりよい再建法案の議会通過で財政健全化議員に譲歩しなければならず。第二にロシアの強気に譲歩するか、もしくはロシア重視に転換しなければならなくなっている。ここに外交面でのバイデンの優柔不断が表れている。岸田首相がアメリカ政府に訪米を打診しても受け入れられないのは、バイデン政権の内政面の行き詰まりと、外交的な重点が定まらないことに原因があるのである。

 バイデン政権の予算案が通過しない中で内政の混迷が、外交的なアメリカの弱さを表面化させ、中国とロシアの戦略的優位な局面が生まれているといえる。このままでは次期大統領にトランプが復活しかねず。そうなるとますます中国優位の戦略的局面が生まれかねないのである。アメリカ外交が中ロを戦略的に分断できない外交的弱さを指摘しなければならない。
# 中国とロシアの同盟が戦略的優位
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