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亥年選挙の有利を生かせぬ混迷の野党共闘!

統一地方選、夏の参院選、12年に一度の亥年選挙は過去の例からも野党有利と言われている。ところが安倍政権が加計、森友問題と厚労省のデータ改ざん問題でつまずいているのに、野党共闘は進まず、政権の受け皿作りは国民民主党の枝野の「ポスト安倍は自分だ」との思いあがりで、いつまでたっても政権の受け皿作りは進まない。

野党の数だけ増えても自公政権には脅威ではない。先の東京都知事選の小池百合子率いる希望の党に野党を結集する動きが、護憲勢力を排除した誤りのために野党がばらばらとなり、安倍政権の超長期政権が可能な情勢が生まれた。秋には消費税が増税となる。消費税が10%となると個人消費が縮小し、国民経済が冷え込むことは確実だ。

そうなると次の衆院選で安倍は勝てない。そこで考えられるのが夏の参院選挙とのダブル選挙だ。野党がバラバラなうちに、安倍が勝負をかければ、おそらく圧勝は間違いない。改憲も可能となるであろう。そうなると安倍の4選5選もありうるであろう。

そんな中、注目されるのは自由党の小沢一郎が、国民民主党の玉木雄一郎代表と統一会派を組むことに動いた。国民民主党には民進党から継承した100億円を超える政治資金がある。小沢が全野党を糾合して政権取りに動くには、国民民主党を基盤にするほかないと読んだことは明らかだ。

ところが立憲民主党の枝野は独裁者のごとく、自分に国民の支持が向いているとのぼせあがり、政権の受け皿に座るのは自分でないと動かない、という傲慢な態度で、野党共闘の動きを阻止している。立憲民主党が国民の支持を受けたのは、改憲勢力を排除したことへの希望の党への失望ゆえのことであり、国民が枝野を支持したわけではない。そんな訳で小沢の政権の受け皿作りは壁にぶつかり、このままでは安倍政権にダブル選の好機が舞い込みそうな情勢だ。

政治の私物化、官僚の私物化の、腐敗した安倍政権を変えるために、政権の受け皿を作ることが国民の願いであるのに、野党共闘が暗礁に乗り上げる様は残念としか言いようがない。このままでは安倍に超長期政権の好機が舞い込むことになるであろう。
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台湾統一の習近平の戦略課題と米の動き!

トランプ大統領の対中国貿易戦争が、中国の日本への敵対的態度を変えた。中国政府は国交回復後のの本の無償・有償援助について国内で報道し、反日感情の是正に踏み切った。今年1月には習近平国家主席が台湾問題に関する演説で、武力行使による中台統一を示唆した。習近平は国内的な経済危機の中で、アメリカとの覇権争いに直面し、当面の戦略的重点を決めた、それは台湾問題を解決し毛沢東がなしえなかった問題の解決で、永世主席の地位を固めようとして、台湾海峡での軍事演習を強化している。

米国防総省の情報機関であるアメリカ情報局(DIA)は今年1月15日、中国の軍事的な目標や能力を分析した報告書「中国の軍事力」を初めて公表した。その内容は、台湾問題が中国軍近代化の主な動機と分析し、中国が最新技術を駆使した軍事兵器開発を進めている事に強い警戒感を示した。
こうしてアメリカは台湾への武器売却を行う方向を発表し、台湾の潜水艦国産化に向けた技術支援を決め、台湾海峡に軍艦2隻を派遣するなど中国軍をけん制している。

台湾の蔡英文総統は、女性だが学者出身で04年に当時の陳総統に誘われて民進党に入党したが、台湾独立運動には距離を置いて、中国を刺激しない態度を取ってきたが、習近平の武力行使による中台統一を示唆した発言に対し、「圧力と威嚇を持ちいて台湾人民を屈服させる企てだ」「絶対に受け入れられない」と激しく反発し、台湾の民衆に好意的に評価されている。

台湾は2020年1月に総統選挙がある。アメリカ国内でも蔡氏を応援する動き広がりつつあり、米共和党有力議員6名が、総統選挙前に蔡氏をアメリカに招待し、議会で演説させる動きも表面化している。今年3月27日には、蔡英文総統は太平洋諸国を歴訪する途中でハワイを訪問し、インターネットでアメリカの政策研究機関「ヘリテ―ジ財団」のワシントンでのイベントで演説した。蔡氏はその際、中国が台湾に「一国2制度」の受け入れを強要し、軍事的圧力を強めていることを指摘し、トランプ政権にF16戦闘機66機とM1主力戦車108両の供与を要請した事について、「台湾軍の地上戦と航空戦力の能力を高め、士気向上にもつながる」とトランプ政権への期待を表明した。

もしアメリカが蔡台湾総統を招待し米議会で演説させれば米中間の矛盾が激化することは確実で、今後台湾への武器支援と蔡氏招待に向けたアメリカの動きが注目される。

韓国が狙う破滅の日韓関係の新たな火種!

文在寅韓国政権が、従軍慰安婦問題・元徴用工問題・自衛隊機への火器管制レ―ダ―の照射、韓国の竹島周辺海域の資源探査、次から次へと日本への挑発外交が続いているが、実は韓国政府が次に狙う反日キャンペーンは、「朝鮮人軍属遺骨収集問題」だという。月刊誌「選択」の3月号の「日本のサンクチュアリ」は日韓の「第3の火種」としてこの問題を報じている。

記事によると、韓国政府は第2次世界大戦中に、南洋の島で日本軍属として死亡した朝鮮人の遺骨収集をめぐり、アメリカとの共同調査をアメリカ政府に密かに働きかけているという。アメリカ政府関係者は「韓国が日本の孤立を図る嫌がらせではないか、我々は回答を保留しているが、この動きを事前に日本に知らせておくので、日本政府も早急に対処方針を考えておいた方がよい」と注意喚起しているという。

ところが厚生労働省は、賃金デ―タ改ざん問題でも明らかなように「不祥事の巣窟」で、遺骨収集問題でも、収集した遺骨をDNA鑑定せず、現地でまとめて焼却しており、厚労省は今でも遺骨は焼却すると譲らないようだ。韓国は朝鮮戦争の戦死者の遺骨のDNA鑑定をアメリカと共に行い、この技術を獲得している。このままでは韓国人軍属の遺骨問題が従軍慰安婦問題・元徴用工問題に続き第3の反日カードに利用されかねない事態となっている。

第2次世界大戦で動員された朝鮮人は全体で24万2341人に上り、うち軍属が12万6047人で、うち戦没・行方不明は軍人6178人、軍属1万6004人である。軍属の多くが激戦となった南洋の島々で陣地作り等に動員されたという。日韓基本条約で賠償問題は解決済み、という理屈が通用する相手ではない。韓国政府は手始めに激戦地のタラワでアジア系遺骨を収集し、DNA鑑定を根拠に新たな強請り・たかり外交で、韓国の世論を燃え上がらせ、反日外交の「火種」として利用しようとしている。

幸いにもアメリカ政府は、予定しているタラワの遺骨収集を韓国に利用させない態度ではあるが、日本政府が対応を誤ると、日韓関係は修復不能となりかねない。第二次世界大戦の南洋の島々の遺骨収集は、日本政府がアメリカ政府と共に行うべきで、遺骨は焼却せず、DNA鑑定で遺族に返還するか、もしくは慰霊碑に丁重に葬ることで、政争の道具にさせないことが重要である。韓国の現政権は日韓関係をこじれさせて、修復不能にし、日本から借りている借金を踏み倒し、さらに多額の賠償金を取ることを企んでいるのである。この問題を腐敗した厚生労働省の社会・援護局に委ねることの危険を指摘しなければならない。

ロシア疑惑を乗り越えたトランプ再選戦略は!

3月24日、アメリカのトランプ政権をめぐるロシア疑惑の捜査報告書(4ページ)の概要が公表された。焦点だった大統領選でのトランプ陣営とロシアの共謀については「証拠は見つからなかった」として認定しなかった。また、大統領による司法妨害については「大統領が罪を犯したとの結論には至っていないが潔白ともしない」として結論を出さなかった。バー司法長官は「証拠が不十分だ」と結論づけた。

これを受けてトランプ大統領は「私を引きずり降ろそうとした、違法な試みは失敗した。完全に無罪が証明された。共謀も司法妨害もなかった」と述べた。トランプ大統領は「アメリカは地球上で最高の場所だ」と上機嫌だった。この捜査報告書の概要はまさに政権に追い風となりそうだ。

しかし野党の民主党は、今回のロシア疑惑の捜査報告書概要に納得しておらず。「中立的ではない」としてバー司法長官を批判し、今後も議会として捜査を進め、世論に訴えていくものと見られている。今回のロシア疑惑の捜査報告書概要で、トランプ大統領の弾劾の可能性はほぼなくなったと見られる。

今後トランプ政権は再選戦略を進めていく有利な立場を確保したと言える。対中国との貿易戦争や技術戦争で外交的得点を重ね、今後ベネズエラの反米政権を打倒すればトランプの支持率が上がることは確実で、北朝鮮問題が決裂してもトランプには痛くも痒くもない。唯一心配なのが中国経済や、その影響での日本経済、EU離脱のイギリス経済が不況になれば、アメリカ経済も安泰ではなく、国際経済が大不況にならない限り、トランプの大統領再選は有力となった。

トランプの再選が確実視されると、トランプ政権の対日貿易交渉も日本経済の動向を見て、対日圧力が軽減される可能性が出てきた。トランプの再選で国際経済の動向が唯一の心配の種となった。後はトランプはメキシコ国境の壁建設と、ベネズエラの反米政権を打倒することが内外政策の重点となるであろう。対中貿易戦争も当面は中国経済を考慮して、妥協がありえるかもしれない。またアメリカの対ロシア外交に変化が現れる可能性がある。元々トランプは大統領選の時から、対ロシア関係の改善を掲げていた、しかしロシア疑惑で、この関係改善策は棚上げとなっていた。今後のトランプの対ロシア外交が注目される。

イチローの引退会見をみて!

イチローの引退会見を見た。「人より頑張ることなんてとてもできないんですよね。あくまで測りは自分の中にある。それで自分なりにその測りを使いながら、自分の限界を見ながらちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの間にかこんな自分になっているんだという状態になって。」このような表現で、イチローは毎日少しずつ努力を重ね、少しづつ超えていくことの大切さを語っていた。イチローは(哲学的に表現すれば)、量的蓄積が飛躍を遂げる上で重要なのだと語っているのだと思いました。

「自分なりに頑張ってきたとははっきりと言えるので。これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まないということはできないのではないかなと思います。」
「人に喜んでもらえることが一番の喜びに変わってきた。その点で、ファンの方の存在なしには、自分のエネルギーはまったく生まれないと思います。」
「やっぱりプロ野球でそれなりに苦しんだ人間でないと、草野球を楽しめないのではないかと思うので。これからは、そんな野球をやってみたいなという思いですね。」
「でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。でも、それが正解とは限らないわけですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど。でも、そうやって遠回りをすることでしか本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので。」

「できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。」
「さっき草野球の話をしましたよね。だから、そっちでいずれ、楽しくてやっていると思うんですけど、そうするときっと草野球を極めたいと思うんですよね。」

「アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。」

「孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく、そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。」

イチローの言葉は、いつも哲学者のように奥深い。やはり一芸・一技に秀でた人の言葉はすごいなと思いました。
         新世紀ユニオン執行委員長 角野 守

韓国の反日に何もしない日本政府の無能!

米朝協議が破綻し、北朝鮮から「韓国の仲介はお笑い草」といわれ、アメリカから「韓国は米朝の仲介者ではない」といわれ、韓国の文在寅の支持率は急落した。そこで文大統領は積弊捜査、側近人事、湖南優待(ホナム、全羅道)の内、親日の人物を操作する積弊捜査に力を入れた。韓国の裁判は公訴時効などお構いなしで、政治的に捜査が進むことになる。

また徴用工裁判の原告が国連人権高等弁務官事務所に書簡を送り、日本企業が判決に基づく賠償に応じないとして国際社会に訴える方向で動いている。またも反日の「告げ口外交」が行われている。
またソウルの近郊の京畿道の議会が、300社近い日本企業が作った小中学校や高校の備品に「日本の戦犯企業が生産した製品です」と書いたステッカーをはることを義務付ける条例案を超党派の議員が提出した。

自衛艦の掲げる自衛艦旗を戦犯旗として、自衛艦の入港を妨げるだけでなく、自衛隊の哨戒機に武器管制レーダーを照射し、国連制裁に違反して、北朝鮮への原油供給を続け、竹島周辺の海域で軍事演習するなど、韓国政府の日本への挑発外交が続き、上記のように、その後も反日が続いた。その効果か?文在寅政権の支持率が40%台後半に回復した。

戦後70年経ってなお日本の統治を謝罪しろ、日本は搾取収奪した、などと出鱈目を吹聴し、反日宣伝を政権が行えば、低下した支持率が回復するのが韓国なのだ。こうした非友好国のような韓国政府のやり方は、支持率は上がっても日本国民の反発は強く、韓国嫌いが増えるばかりだ。文在寅政権は自分たちへの支持率を上げ、南北統一に向けて反日世論を利用しているつもりなのだが、そのことが韓国の国際的孤立を促していることを、韓国の民衆は知らない。これだけ無条件に嘘の報道を信じる国民も珍しい。船が沈没するのに、船内放送が「そのまま待機するように」放送すると、学生たちは「はいはい」とみんな死んでいくのが韓国民なのだ。

韓国の人達は、日本政府が何回も謝罪し、多額の賠償金を支払った事を知らない。何処までも官製報道に忠実な韓国民なのである。日本政府は韓国政府の不誠実な対応にはキチンと経済制裁で対応した方がいい。毅然とした日本政府の対応がないから、いつまでたっても嘘の報道がなされるのが韓国なのだ。中国政府は長らく日本の無償援助を自国の国民に隠してきた。しかし米中の貿易戦争で中国政府は方針を転換し、日本の多額の無償援助が中国経済を発展させたことを国民に知らせた。このことで中国における反日の世論は反転し始めた。日本政府の政策で中国の反日世論が変化したのではない。韓国政府の反日宣伝にも、日本政府はただ見ているだけの無策では話にならない。何もしないのが日本の外交なのか?恥を知れ。

アメリカの戦略的重点と当面の標的!

アメリカ議会の超党派の諮問機関、米中経済安全保障再考委員会は昨年11月、中国のハイテク技術がアメリカの安全保障上のリスクになるとの報告書を公表した。この報告書は今後のホワイトハウスの対中国政策を決める重要な指針となる。

この報告書は、次世代技術の覇権争いで「中国がアメリカを追い抜こうとしている」と指摘した。中でも次世代通信技術「5G」とIoTで中国が先行すれば、「中国政府がアメリカの情報を収集する広大な権限を与えることになる」と警鐘を鳴らし、「中国の軍事戦略を強め、サイバー攻撃に道を開く」とまで明記している。

報告は、中国の軍事戦略について「中国が2035年までにインド洋や太平洋の全域で米軍に対抗できる能力を備える」と強い懸念を示した。また小笠原諸島から、サイパン、グアムをつなぐ中国の防衛ライン「第2列島線」では中国軍が陸海空それぞれで米軍に対坑する能力が既にある。と断定している。また中国の「一帯一路」を名目とする港湾建設は軍事転用が可能だとし、「冷戦後に確立したアメリカの軍事面での覇権が脅かされている」と警戒感を示している。報告はまた台湾について「自己防衛に必要な能力を維持できるよう支援すべきだ」としている。

つまりアメリカの戦略的重点は対中国との覇権争いにある。しかしアメリカの当面の軍事的標的はベネズエラである。トランプ大統領は3月19日ブラジルのボルソナロ大統領と会談後の記者会見で、ベネズエラに対し「必要に応じて制裁を強化していく」とのべ、同時に「全ての選択肢が検討されている」とのべて、軍事的な介入も排除しない方針を改めて強調した。トランプ政権は既にベネズエラ国営石油会社を制裁対象にしているが、米財務省は19日、あらたに国営金鉱山会社ミネルベンを制裁対象に追加した。

ブラジルのボルソナロ大統領は、記者会見で「ベネズエラに自由と民主主義をもたらすために準備は整えている」と述べ、アメリカに協力していく姿勢を明らかにした。ブラジルの協力を取り付けたことでアメリカ軍のベネズエラ軍事介入が近いことが明らかとなった。ベネズエラの西側のコロンビアには米軍基地が6つあり、今回のベネズエラの南側のブラジルの協力を取り付けた事は、軍事介入が近いことを示している。当面のアメリカの課題は中国とロシアと関係の強いベネズエラの反米政権を打倒することなのだ。それはベネズエラの石油権益を担保にした中国政府の現政権への資金援助を打破することでもある。つまりアメリカにとっての予想されるベネズエラへの軍事介入は、中国との覇権争いの前哨戦なのである。

トランプは同盟国切り捨てではない!

トランプ大統領の「アメリカ第一主義」が同盟国切り捨てだとか、トランプは多極主義だとかの論があるが、それは現象を一面的に見るもので間違いである。トランプは不動産業者の経験から、独特の「取引手法」を使う。最初は輸入車への追加関税で同盟国を脅し上げ、貿易交渉で譲歩を迫る手法である。

たとえば昨年5月にトランプ大統領は車の輸入が安全保障上の脅威か調べるよう指示した。今年2月17日、その報告書が提出されたが、なぜかその内容は公表されていない。鉄鋼アルミの関税の標的は中国だったが、自動車の標的は欧州・日本・カナダの同盟国だ。トランプ大統領は今年3月14日に、「日本が通商交渉に応じたのは関税のおかげ」と脅しの効果を強調した。

日本政府はこの脅しに震え上がり、自動車業界に対米譲歩を促した。トヨタ自動車は2月14日アメリカの5工場に7,5億ドル(約840億円)の投資をすることを発表し、訪米した豊田社長は「アメリカがトヨタの成功をもたらしてくれた」と感謝した。このように日本は始めから屈服の対米屈従である。日本の外交べたは話にならない。

日本と対照的なのがドイツと韓国だ。ドイツのメルケル首相はトランプ大統領を痛烈に批判し、ロシア産天然ガスのパイプラインをバルト海の海底に敷設し、ロシアへの接近と、独自の欧州軍創設の動きを示し、アメリカをけん制した。韓国は南北統一を展望し、アメリカの在韓国駐留米軍への負担を増やしつつも、アメリカ軍を撤退に追い込む振りを演じている。いずれもアメリカと敵対する相手に接近のスタンスを示すことで、アメリカの圧力を抑制しようとしている。

トランプ大統領は、始めにデール(取引)の相手を驚かして、その後話合いで譲歩を迫る手法が、現象的には多極化を促しているように見えるし、事実多極化を促しているのだが、その事を持ってトランプ大統領を多極主義だとか、同盟国切り捨てだと決めつけるのは間違いである。アメリカ政府が自動車輸入の安全保障上の脅威に関する報告書を公表しないのは、日本車や欧州車の生産を25%の追加関税で減産させると、ただでさえ減速している世界経済に大打撃を与えることを考慮している可能性がある。

トランプは対中国への貿易戦争による容赦のない打撃と違い、同盟国には話合いの譲歩のための脅しとして「追加関税」を持ち出しているのだ。アメリカが在駐留米軍の全費用+50%の「費用+50%」の負担を受け入れ国に持ち出しているのも、同じ脅しと見るべきであろう。トランプは彼流のやり方で「強いアメリカ」を再現しようとしているが、そのことが逆に望んでいないアメリカの覇権戦略を破壊し、多極化に作用していると見るべきであろう。

対立と分裂の社会を正すことが必要だ!

ニュージーランドで一人の白人主義者による銃乱射で50人の死者を出した。中東や欧州・アフリカにイスラム過激派によるテロが拡散している。またこのテロの拡散で反移民の流れが欧州やアメリカに拡大している。社会的分裂と対立が世界の流れとなった。

アメリカがドル支配の下で推し進めたグローバル化は、先進国が発展途上国を搾取・収奪することであった。なぜ欧米で反移民の流れが起きたのか、なぜアジアでは継続的な経済成長が起きているのか?欧米は中東やアフリカや中南米を搾取し収奪した。しかし日本はアジアの発展途上国のインフラ整備に経済援助を行い、アジアの経済を成長させる政策を取った。

欧州やアメリカはグローバル化で中東やアフリカや中南米を絞り取ることだけであった。また安上がり労働力として移民を歓迎した。これらの政策が奴隷制時代の宗教であるイスラム原理主義を拡大し、テロを拡散した。

いま必要なのは中東・アフリカ・中南米の経済成長を促す政策へと導くために、教育とインフラ整備に先進国の援助が必要なのだ。なぜ今世界中で日本文化が世界の関心を呼ぶのか、日本がアジア諸国に取った政策は、アジアの経済を成長させるために教育やインフラ投資への援助を行ったゆえである。欧米の搾取と収奪の植民地経営的な政策ではなかった。それゆえアジア地域が現在経済発展ししているのだ。中国や韓国や台湾への戦後の日本の経済援助が発展途上国への正しい対応なのだ。

もちろんイスラム教の現代的な宗教改革(=政教分離)も必要な事であるがそれは宗教家の仕事である。アフリカや中東や中南米の遅れた社会改革も、教育やインフラ整備と同時にうながさないといけない。豊かな国に移民することで豊かになるのではなく、自分たちの国を豊かにするために先進国の無私の援助が必要なのである。

災害が多い島国であるゆえに、日本人は古代から助け合いの精神で災害を克服してきた。この日本人の助け合いの文化が、いま世界中にブームを巻き起こしている。それはグローバル化が巻き起こした強欲の資本主義が、対立と分裂の社会にした反動である。日本のソフトパワーが世界をよい方向へ導けるかもしれない。日本政府は対米追随ではない、独自のソフトパワー外交を大々的に行うべき時である。その為には対米自立が必要だ。

中国の特色ある社会主義とは債務依存経済!

中国経済の強みは1党支配の独裁体制が、外国の投資を保護する点にあった。外国企業はだから安心して中国を輸出基地にできた。だから沿海地域の経済は「場所貸し経済」で輸出基地としての安い労働力が強みとなった。しかし今では賃上げでその強みもない。産業の空洞化を心配しなければならないのだ。

中国の特色ある経済は、党中央が指示すれば、各地方が右になれいで従うことになる。中国各地に借金で工業団地が各地に作られたが、しかし自給自足の経済では誰も投資するものがおらず、いずれも廃虚(=「新鬼城」と呼ばれる)となっている。残された借金は借り換えで隠蔽する。中国鉄路総公司は高速鉄道路線を作り続け、建設コストを回収できないまま87兆円の借金を積み上げた。香港とマカオと珠海を結ぶ海上橋は、金利ゼロで計算しても料金収入で借金を返済するには320年かかると試算されている。

つまり「中国の特色ある社会主義」とは、採算無視のインフラ投資が行われ、投資資金の回収が不可能な資本主義の事なのだ。その結果は内外からの莫大な借金であり、それをいつまでも借り換えでごまかすことはできない。中国企業の対外債務だけで6000億ドル(約66兆円)でこれが返済不能になる可能性が出てきている。

中国企業と地方政府のドル建て債権の償還は合計7000億ドル以上に上り、その大半がロールオーバー、つまり借り入れのための借入である。現在中国経済は、内に国内需要の落ち込み、外にアメリカとの貿易戦争で、最悪の状況にあり、昨年末に850万人ので失業者が農村に帰り、今後約2000万人の失業者が出ることが予想される。

つまり中国経済の借金での需要創出策は、採算無視であるので、実際には借金を増やすだけで終わることになりかねない。つまり習近平の「強国路線」とは一党支配の強化で経済の破たんを防ぐという無謀極まる路線であり、「中国製造2025」の高度技術戦略については全人代では一言も触れなかったのは、アメリカをこれ以上刺激しない対米路線の修正の結果である。

全人代の政府活動報告では、国内投資として鉄道投資8000億元、水運交通1,8兆元、中央予算の投資額は5776億元で、約1100万の就業機会を作るとしている。しかしこうした投資は「中国の特色ある社会主義」では、採算無視の借金を積み上げるだけであり、中国の大債務危機が迫っており、人民元の「暴落危機」は目前に迫っていると断言できる。中国経済の破たんが一党支配の終わりとなる可能性が強いのである。日本経済がこのあおりで「中国ショック」に直撃されることは避けられないであろう。

アメリカを再び偉大にするための予算案とは?

トランプ米政権は3月11日、2020会計年度の予算教書を公表した。その特徴はオバマ政権とは全く逆に、国務省(前年比23%減)環境保護局(同31%減)運輸省(同22%減)住宅都市開発(同16%減)など対外支援、環境、国民生活分野で大ナタを振るい、国防費は7500億ドル(約83,3兆円)を要求しました。この数字は前年度2019会計年度よりも4,7%の増です。

「アメリカ第一、アメリカを再び偉大にするための予算」をうたい文句にするこの軍事優先の予算案は、オバマ政権の逆を行くものであり、その特徴は一方で金持ちに減税しながら大幅な財政赤字を生みだしていることだ。財政赤字は1,1兆ドル(120兆円)で4年連続の1兆ドル超えだ。トランプ政権は中国との貿易戦争で世界経済に悪影響を与え、今また財政で赤字を垂れ流し、世界経済を危なくしている。世界一の大国が赤字をたれ流すと、米金利が上昇し、世界経済を揺さぶる事態が生まれかねない。

トランプの国防予算の特徴は、陸海空に次ぐ戦闘領域として、空軍省の下に新たに宇宙軍を創設すること、中国やロシアとの戦略的軍拡として、長距離精密打撃、極超音速ミサイル、ミサイル防衛等を重視する方針であり、また核兵器の維持・管理でも8,3%の予算増とした。これは低爆発力の核弾頭の開発を完了させ、米核戦力を比類なきものにするという政権の強い決意を示している。

民生費を大幅に削り、軍事予算を急増させる、この予算方針が議会の民主党の反発を呼び、民主党が多数の下院で拒絶されることは確実だ。トランプ政権は、このほか予算教書でメキシコ国境での壁建設費として86億ドル(9500億円)を計上している。これも民主党の反対を招くことは避けられないようだ。この予算教書を受けて民主党のぺロシ下院議長と、シュ―マー上院院内総務は共同声明を発表し「数100万人の国民を傷つけた政府機関閉鎖の教訓を学ぶべきことを希望する、と強調した。

トランプの大軍拡予算が、世界中に軍拡競争を招くことは避けられず、世界情勢はますますきな臭くなるであろう。トランプ外交の特徴は、自分で同盟国を離れさせ、アメリカの戦略的孤立を作り出していることだ。これではアメリカが少しばかり軍事力を増強しても、アメリカの戦略的力は減退することは避けられないであろう。世界はますます多極化するであろう。アメリカを再び偉大にするための予算案が、アメリカをますます戦略的に弱くすることがありうるであろう。

在日米軍駐留経費負担倍増は有り得ない!

日本政府が2018年ド予算計上した「在日米軍関係経費」が過去最大の8022億円に上り、初めて8000億円を超えた。内訳は「米軍再編関係経費」が2161億円、「SACO(沖縄に関する特別行動委員会)関係経費」51億円、「在日米軍駐留経費負担」(思いやり予算)1968億円、そのた基地周辺対策費・米軍用地借り上げ費など3842億円で計8022億円となる。

米国防省の報告書によれば日本の駐留経費の負担は74,5%で他の国より突出して高い。2017年にはマティス国防長官が日本の負担について「お手本」と高く評価し、トランプ大統領も日本に対しては、この問題で日本批判を控えていた。しかしここにきてトランプ政権の大幅な減税でアメリカの大幅な赤字が表面化し、トランプ大統領は同盟国に一層の負担を求める姿勢を強めている。

ブルームバーグ通信等複数の米メデアは今月、駐留経費の全額に50%を上乗せした金額を要求する「コストプラス50」という案がトランプ政権内で浮上している。これで計算すると日本の場合の年間負担額は約2兆円にもなる。トランプ大統領は1月17日に国防総省で演説し「我々は多くの金持ち国を守っている」と改めて不満を表明した。

対米追随一辺倒の日本政府もこの数字にはさすがに「有り得ない」として身構えている。日本に駐留する米軍兵士はと軍属は計6万1300人で現在日本は米兵一人当たり約1300万円も負担している。アメリカは兵隊を自国に置くよりも安上がりなので、日本を出撃基地にしている。日本を守るために米軍が駐留しているのではないのだ。年間8022億円の負担額が2倍以上になるのだからあきれるほかない。年間2兆円も米軍に出すのであれば、在日アメリカ軍に撤退して貰い、その金で自衛隊を増強する方が日本のためになる。ドイツやイタリアでも労務費や高熱水料や施設整備は米側が負担している。それが今後は米兵の人件費等の全費用+50%まで日本の負担にするというのである。
自国第一主義のアメリカ軍には日本から撤兵して貰うしかない。自衛隊の年間予算額は年間5兆円だ、その上米軍に2兆円も負担する余裕が日本にはない。日本はアメリカ以上の財政赤字なのだ。もはや対米追随外交が高くつく時代なのだ。対米自立の時が来ていることを指摘しなければならない。

アメリカの戦略的地位を崩すトランプ外交!

トランプの「アメリカ第一主義」は貿易赤字を削減することを至上命題とし、同盟国を切り捨てることを躊躇しない。トランプ大統領はドイツとロシアがバルト海の海底パイプライン建設でロシアの天然ガスを運ぶ「ノルドストリーム2」計画に反対し、またNATO諸国が防衛費を2%にする約束を守らない国があるとドイツ批判を繰り返してきた。

2月14日にNYT電子版は、トランプ大統領が昨年NATOから脱退したいとの意向を複数回にわたり周囲に漏らしていたと報じた。イラン核合意からの離脱やシリアからの米軍撤兵などのトランプの身勝手な一国主義に、ドイツのメルケル首相は反発し痛烈に批判した。ドイツ国民はアメリカよりロシアに心を通わせる国民が増えたという。メルケル首相は過度な対米依存を見直し、「真の欧州軍創設が必要だ」とまで発言した。

「同盟関係を解消して1国だけで問題解決に最善の策がえられると考えているのか」と批判するメルケルの言葉は「アメリカが自由世界で不可欠な国であるためには強力な同盟を維持し、これら同盟諸国に敬意を示さない限り、国益を守りその役割を効果的に果たすことはできません」と言うマティス前米国防長官の発言と重なる。

トランプはアメリカ1国主義が安上がりと判断しているのであるが、アメリカは覇権国であり国際通貨であるドルの発行益を独占し、国際社会の自由貿易体制から巨大な利益を得ている。アメリカが孤立主義的政策で同盟関係を破壊することは、アメリカ自身の国益を毀損することになる。マティス米国防長官がアメリカ軍のシリア撤兵発表に激怒し、辞職した事は象徴的出来事なのである。シリアからの撤兵が、中東地域におけるロシアの影響力を強化することになるということすら、トランプは理解出来ないのである。

アジアにおいてはトランプ大統領は在韓米軍について「米軍2万8千500人の費用は高くつくので(いつか)撤収するかもしれない」と述べた。これをチャンスとばかりに韓国の文在寅大統領が南北対話に踏み出し、同時に反日挑発等を繰り広げ、北朝鮮に対する部分制裁の解除を狙い、北朝鮮への経済的支援を開始しようとして、アメリカを挑発し、在韓米軍の撤退を勝ち取ろうと画策し始めた。トランプの孤立主義が米日韓の軍事同盟すら破壊しつつあるのだ。

アメリカ議会の民主党は何とかトランプ再選を阻止しようとしているが、アメリカの大統領の権限は巨大で、トランプの暴走を阻止できないでいる。こうしてアメリカが同盟関係を破壊しつつある中で、中国やロシアやイランなどの独裁国家の地域覇権主義の野心を駆り立てていることを指摘しなければならない。世界は自由と民主主義の価値観を持つ同盟国がバラバラとなり、独裁国家の地域覇権国が軍事的にのさばる、多極化の時代へと突き進んでいることを指摘しなければならない。
日本は対米追随一辺倒から,、自立の道へ舵を切ることが必要な時代となった。

アメリカの外交的後退続く!

昨年中国におけるアメリカのCIA諜報網が崩壊した事が報じられたが、それに続いて今度はパキスタンの米中央情報局(CIA)諜報網が壊滅状態に陥ったことが明らかとなった。月刊誌「選択」3月号の「情報カプセル」によればパキスタンの英字紙がこほどスパイ組織摘発を報道したという。
それによるとパキスタンの連邦捜査局が5人の国内諜報機関・軍関係者を逮捕したという。逮捕者は「世界で最強の国家の一つ」に国家機密を渡して「パキスタンの国益に反した」としたうえで「国際スパイ組織は完全に解体された」と報じているという。

報道によれば、パキスタンの諜報筋は、逮捕者に在米パキスタン大使館の元公使が含まれているとし、このスパイ組織がCIAである事実を認めたという。先にアメリカは、中国によるハッキングでCIAの中枢に浸入され、在中国CIA組織が一網打尽にされ、諜報網が壊滅した事実がある。今回のパキスタンのCIA組織の壊滅が、この中国からの情報提供によるものかどうかは不明である。トランプ政権は「パキスタンがテロリストに基地を提供するのを中止していない」と抗議して、年間20億ドルの軍事援助と兵器の供与を凍結しており、アメリカとパキスタンの関係は悪化を続けている。

北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコは、ロシアにも接近することで、米ロ対立を利用して外交的な利益を獲得してきた。トルコがロシアから最新鋭地対空ミサイルシステムS400を購入する意向であることを受けて、アメリカ政府はF35ステルス戦闘機のトルコへの売却を凍結した。北大西洋条約機構はこの点でも弱体化を続けている。アメリカが中東からの撤退の方向であることが、この地域でのロシアの影響力の拡大を許している。

中米ベネズエラのチャべス、マドゥドの反米政権に、ロシアが戦略爆撃機を配備し、中国が油田を担保に金を融資し、経済危機の現政権を支えている中で、アメリカはグアイド暫定大統領派を支援し、グアイド暫定大統領が逮捕されたら米軍投入による、軍事侵攻も辞さない姿勢を見せている。いかに「アメリカ第一主義」で、覇権に背を向けるトランプ政権であっても、アメリカの裏庭における反米国家が、ロシアと中国の影響下で反米姿勢を強めるのは許せないようである。

このところアメリカの外交的後退は目を覆うばかりで、こうしたアメリカに依存する日本の防衛は危ういとしか言いようがない。日本は対米自立で、自分の力による防衛を志向する時が来ていると言える。

世界の自動車産業再編の中でのゴ―ン逮捕!

世界の自動車産業が内燃機関から電気自動車時代への過渡期にあって大再編期に入った。とりわけドイツのフォルクスワーゲンが次世代技術に展望のない米フォード・モーターを傘下に収め、世界最大の生産台数1700万台の巨大メーカーになる。これに続くのはフランスのルノー・日産自動車で技術に劣るルノ―は日産を統合し、参下に納めないと技術競争力がない。ルノ―とプジョー・シトロエンのフランス連合では次世代技術で劣る。そこでフランスのマクロン大統領は日産の統合を、日産の会長だったゴ―ンに働き掛けた。

これに対抗し、日産の経営陣は日本政府に働きかけて、司法取引の制度を活用しルノ―の日産取り込みを阻止しようとした。こうして日産の最高経営者のゴ―ン逮捕となった。ゴ―ンの後継会長ジャン=ドミンゴ・スナールはフランスの多国籍企業の経営にいくつも携わってきた大物で、他社にすがることと、公金を引き出すことが上手い人物と言われており、日産がルノ―の支配から抜け出すのは、世界の自動車産業の生き残りをかけた闘い中で、容易ではないのである。

しかも日本の自動車産業は、この世界的な再編に完全に乗り遅れている。また中国の自動車産業が合弁から抜け出して国有3社の提携が進み、世界の自動車産業界は欧州・アメリカ・中国と世界的再編に乗り出しており、日本勢の出遅れが目に付く。自動車産業は電気自動車と自動運転の次世代技術をめぐり大再編期にさしかかっている。ところが日本政府はこの大再編に未だに無策である点が気になる。ゴ―ン逮捕でルノ―の日産取り込みを阻止するだけではだめなのだ。必要なのは世界市場に向けた産業戦略であり、統合戦略が必要なのである。

とりわけ自動車産業の再編は、電気自動車と自動運転の次世代技術への移行を展望し、EV産業メーカー、AI技術、半導体メーカーを巻き込んだ再編が避けられないのであるから、日本政府が調整にのりだし、産業戦略を持ってリードすべきなのであるが、それがまったく見えないところに、日本の国家戦略のなさが示されている。アメリカに追随する人物が総理大臣では、「アメリカに工場を7つ作る」と安請け合いするのが落ちなのだ。

習近平の孤立化の中の中国全人代の異常!

アメリカとの貿易戦争と覇権争いが中国経済の成長を難しくしている。月刊誌「選択」3月号は「人民元暴落危機の緊迫」と題して以下のように中国経済の危機を指摘している。「中国企業の6000億ドル(約66兆円)の対外債務の返済不能(デフォルト)が引き金となり、国内での連鎖デフォルトや外国の金融機関、サプライヤーの債権回収で、人民元は下落の坂道を転がり始めるだろう。」と指摘している。

異常なのは、昨年秋の中央委員会総会が開かれないまま、全国人民政治協商会議(全人代)が開かれたことだ。中国共産党の中央委員会総会を習近平が避けたのは政治局会議で習近平批判が飛び出したからだ、という。「ある人物がテーブルを叩いて、習近平の現行政策を責めた」とか、その為習近平は自分が孤立する政治局会議を避け、昨年秋の中央委員会総会も回避したと言われている。党中央政治局メンバーは25人で、そのうち13人が習近平派と見られていたが、そうではなく習近平派は孤立している可能性がある。

深刻な中国経済とアメリカとの覇権争奪を招いたことに半数以上の政治局員が批判している可能性が高い。なぜアメリカとの戦略的対立を急いだのか?と言うのが反習近平派の主張であるようだ。党中央が2月27日に発表した意見書は「習近平の思想で全党を武装し、人民を教育し、力を結集しなければならない」と党の核心(習の事)への忠誠を求めている。党による「集中統一指導」を堅持し「ニセの忠誠を決して許してはいけない」と訴えている。これは党中央政治局が分裂していることへの習近平派の危機感なのではないのか?!

全人代に関する報道では「一帯一路」は何度も強調しているが、アメリカ政府が危機感を持っている「中国製造2025」の高度技術戦略には一度も触れていない。アメリカとの関係の路線修正が行われた可能性がある。テーブルを叩いて習近平の現行政策を批判したのは李克強ではないか?と思われる。党の核心である習近平に向かって堂々と批判できる大物が他に見当たらないのである。習近平派が失脚を恐れて、「習近平思想」の学習運動を展開していると見た方がいい。中国経済と対米関係が今後深刻化すると、習近平の失脚もあり得ると見た方がいい。政治局の路線対立はそれほど鋭い対立と見るべきであろう。

文在寅韓国大統領の「反米」の狙いは何か?

ベトナムでの米朝首脳会談決裂をアメリカのマスコミは次のように報じた。トランプを日頃嘘つきと批判しているニューヨーク・タイムスは「トランプは歩いて出ていくことで勝利した」と報じ、保守系のウォール・ストリート・ジャーナルは社説で「トランプは金正恩を踏みつけた」と評価した。安倍首相も決裂を選択したトランプを支持した。

ところが驚くべきことに、韓国の文在寅大統領は4日に招集した国家安全保障会議の全体会議で米朝のハノイ会談で「部分的な経済制裁解除が話し合われた」「南北協力事業を速やかに準備してほしい」と述べた。また寧辺の核施設だけの破棄では制限的な譲歩で十分ではないとトランプが言っているのに、文在寅は寧辺の核施設が「永久に破棄されることが視野に入ってきた」と、アメリカ政府と180度違う評価を下した。このアメリカと韓国の解釈の違いを外信各社は「米韓の不仲」「意見の違い」「摩擦」として報じた。

こうした中で、韓国統一部の趙明均長官は5日、与党の会議で「金剛山観光の再開に関連して、現地施設修復のための事前準備など、段階的なアプローチを構想している」と述べた。また同部当局者は「金剛山観光と開城工業団地事業は韓半島非核化達成に貢献できる南北互恵的事業だ」と話した。韓国は国連の制裁違反の南北交流事業を強行することで、北朝鮮への支援を強行しようとしているかに見える。

文在寅は明らかに北朝鮮の核廃絶よりも、南北交流事業を重視しており、国連の経済制裁で北朝鮮が経済的窮地に陥ることを阻止しようとしている。文大統領は、米朝会談の決裂は考えてもいなかったようで、今になって軌道修正はできないので、とりあえず3,1反日記念日では「日本との協力を強化する」と軌道を修正したが、南北統一の事業は今後も進める方向であるのは疑いないことだ。

元々文在寅は南北統一朝鮮国が、核保有の強国となり、日本に報復することを自己の民族的使命と考えているのであり、それゆえにハノイでの米朝会談の解釈をアメリカと違うように評価することで目的を達成しようとしている。その狙いはトランプに愛想をつかせ米軍を韓国から撤兵させることである。何事も費用から政策を評価するトランプの傾向性から思いついた戦術である。もちろんアメリカがそれを許すとも思えないし、同盟国に取る戦術ではないのであるが、相手は国家間の信義とか約束とかは破るためにあると考えているのだからこそ取りえる政策なのだ。
文在寅大統領は大国アメリカを虚仮にすることで墓穴を掘りつつあると言える。

大統領選に向けてトランプに北風が吹く!

米民主党がトランプの疑惑を次々問題にし始め、トランプ包囲網が出来つつあるなかで、米朝首脳会談が成果なく終わったように、アメリカの外交相手国の中国や北朝鮮はアメリカの次期大統領選まで問題を引き延ばせば切り抜けられると考えるであろう。トランプが外交上の「大きな取引」で成果を誇示することが難しくなりつつある。

トランプの国内政策の目玉であったメキシコとの国境の壁建設も建設費が思いのほか多額になり、公約実現は難しくなりつつある。当初壁の建設費は250億ドルと言われていたが、この額は建設費用だけで、そのほかに私有地の買収費が4480億ドルもかかることが明らかになり、経済界からも反対が出始めた。

大金を壁建設に使うぐらいなら、次世代通信5Gの開発費に投じた方がいいと考えるのが財界人なのである。トランプが議会の包囲網を突破するには中南米の中で最大の反米国であるベネズエラへの軍事介入ぐらいしか見当たらない。アメリカは戦争時には議会は大統領に協力する伝統がある。トランプが大統領選に向けて軍事介入に踏み込む可能性を見ておくべきであろう。世界一と言われる石油埋蔵量を誇るベネズエラに、戦争で親米政権を作ることができれば、トランプの再選の可能性が出てくるであろう。つまりトランプにとって北風が追い風に変わることになるかもしれない。

次期大統領選では(1)民主党に有力候補がいないこと(2)民主党内の左派と右派の対立が解消していないことなどから、トランプの再選の可能性は依然として高い。したがって民主党はトランプの多くの疑惑の調査に今後全力を上げるであろう。しばらくはトランプ大統領への北風が吹くことになる。

米民主党がトランプ再選阻止に本腰!

ベトナムで米朝首脳会談が行われている時に、トランプ元大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の公聴会が、米下院で行われた。下院監視・政府改革委員会でマイケル・コーエン被告は、トランプ大統領を守るために嘘を付き、罪を犯したが「私はもうトランプ氏を庇っていない」と語り、大統領とのやり取りの詳細を語った。法律の専門家はコーエン被告の証言は大統領にとって、その地位を脅かすものになるだろうと語っている。

次の大統領選の予備選が近づいている時に、トランプが次の選挙で落選し、大統領が交代するかも知れないのなら、金正恩委員長でなくとも「核廃絶」の重要な譲歩などするわけがない。つまり米下院の公聴会はトランプが外交的成果を得られないように仕組んだ可能性が高い。トランプ大統領がツイッタ―で公聴会が米朝会談が合意なしで終了した事につながったかもしれない」「大統領が海外にいる時に例がないことだ。恥ずかしくないのか!」と批判したのは当たっている。

米民主党は「アメリカの現代史上、もっとも汚職まみれの大統領」(=トランプ)の弾劾に向けて本腰を入れ始めたのである。連邦下院に20ある常任委員会の半数がトランプ疑惑の調査に乗り出すことを決めた。下院違法委員会は2月に弾劾に精通した専門家(バリー・バーク弁護士)をスタッフに雇い入れたという。このうちロシア疑惑には外交・金融・司法の3つの常任委員会と情報問題常設特別調査委員会の4つが当たるという。このほか政府改革委員会が「トランプ政権が、サウジに原子力技術を移転しようとした」疑惑について調査を開始するという。このほか歳入委員会がトランプの納税記録取得を求め、天然資源委員会とエネルギー商業委員会、科学技術委員会が「パリ協定」離脱を決めたトランプとエネルギー業界との関係に強い関心を示している。退役軍人委員会は年間予算1800億ドルの退役軍人省の利権がどう食いものにされたかを調査するという。

大統領の弾劾には下院が訴追を決め、上院の3分の2で弾劾を決められるが、これまでこのプロセスで成功した例は過去一度もない。共和党は中間選挙で上院の過半数を確保しており、実際には弾劾は難しい。米民主党の狙いはトランプの再選を阻止することであるようだ。米金融資本と民主党が再選阻止に本腰を入れ始めたことで、トランプ大統領は外交的成果を誇示することが難しくなったと言える。中国との貿易戦争や技術戦争でも中国側は次の大統領選で大統領が変わるまで引き延ばすことを目指すに違いないからだ。今後トランプ再選阻止が成功するかどうかが内外の注目点となった。

北朝鮮のトランプへの侮りが決裂招いた!

北朝鮮は本当にヨンビョンの核施設の破棄だけで国連の制裁に風穴を開けられると考えていたようで、この点に北朝鮮の指導者の若さが表れている。国際社会はこれまで北朝鮮の口先だけの合意に何度も騙されてきたのであり、核を放棄しないで経済制裁を打破できるとトランプを軽く見たのが甘かった。

北朝鮮国内に公表して米朝首脳会談に臨み、何の成果もなく決裂となったのだから金正恩の打撃は計り知れない。首脳会談の前に双方の幹部達の事前交渉を重ねていただけに、決裂は有り得ないと見られていた。いったい事前交渉はなんだったのか?理解出来ない。トランプ大統領が見返りを与える方向に転換していただけに、いかにも北朝鮮の対応に甘さがあった。「アメリカが完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」であるのに、北朝鮮は、核を放棄する気がないので全ての核施設のリストすら提示することもできなかった。

元々北朝鮮も韓国も、外交とは相手国を騙すこと、と認識しているのだから誠実な交渉を求める方が間違いなのだ。外交交渉とは相手の出方を見て譲歩し合うのだから、北朝鮮は用意したカードがヨンビョンの核施設一か所の破棄だけで、次のカードすら用意していなかったというのはお粗末で、結果最高指導者に恥をかかせることになった。今後外交幹部達と金正恩委員長との間に矛盾が生じる可能性がある。

米朝の首脳会談の決裂で一番打撃を受けるのが文在寅韓国大統領だ。彼は昨年秋イギリスやフランス等を回って北朝鮮のために制裁緩和を訴えて回った。またアメリカに北朝鮮への援助を一手に引き受けると大見えを切った。彼は反日挑発を重ねながら、米朝合意を踏まえて3,1の大反日キャンペーンで南北統一に向けた国民的合意を形成するハラであったのだが、米朝交渉決裂で反日キャンペーンの意義がなくなってしまった。韓国各紙が「楽観から180度反対の結果」「非核化に赤信号がともった」(韓国日報)「破局の始まりにもなりかねない」(中央日報)「再び一寸先も見通せない」(東亜日報)と総じて悲観的に報じた。

北朝鮮の幹部達は核を放棄せず、話し合いで騙して経済制裁に風穴をあけることをもくろんだがそれも破綻した。このまま経済制裁に耐えるか?それとも核放棄でアメリカに屈服するか?の2つの選択肢しか無いことになった。トランプ大統領は時間をかけて北朝鮮の指導者たちの認識が変わるのを待つほかない、と判断したようだ。
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