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EUは分裂の危機を克服できるのか?

中東の独裁政権を打倒し、中東を政治的混乱に導く事は、欧米の利益になると思われた。アメリカは中東を武器市場にし、欧州は難民を吸収することで賃下げを実現し、小子化を克服できると都合よく考えた。東ドイツを統合したドイツが経済発展の原動力を得たように、移民は欧州経済を発展させると考えたのが甘かった。

より豊かな生活がしたいという移民の欧州への流入で、欧州は雇用不安と治安の悪化が起き、移民に反対する右派勢力の台頭を招くことになった。とりわけ「ゆりかごから墓場まで」といわれる福祉国家のイギリスに移民が殺到したことで、移民反対の声が高まり、移民を受け入れるEUから離脱の波が起きた。国民投票でまさか離脱派が勝利するとは思っていなかったことが起きた。

EUとイギリス政府の離脱交渉は、いいとこ取りを認めるとEU分裂が加速するので、イギりスの離脱交渉はうまく行かず、せっかくまとまった離脱案も反対が強く、議会の支持を得られず、イギリスのメイ首相は離脱案の修正の可能性を探るものの、EUは修正には応じない構えで、このままいけば「合意なき離脱」となり、イギリスと欧州は大混乱になる可能性がある。

深刻なのは移民問題が現政権を揺さぶっていることだ。フランス国内で反政府運動が「黄色いベスト運動」として全土に広がり、マクロン政権は政治危機に直面している。またドイツの長期政権を維持してきたメルケル首相が地方選で敗北し、政権を弱体化している。EU維持派のフランスとドイツが反政府派に押されぎみで、政権が弱体化しているのである。また秩序ある離脱を追求するイギリスのメイ政権も国内両派の反対で影響力を低下している。イギリス国民は今も離脱派と復帰派の対立が続いている。

話をややこしくしているのはイギリスの北アイルランド問題だ。EU加盟国のアイルランドとイギリス領の北アイルランドとの国境のモノの流れを自由にしたまま、モノの取引でイギリスをEUの規則に縛り付け、離脱でイギリスは発言力を失えば、今度はEU側が優位に立つことになる。AIやバイオテクノロジーでイギリス企業が革新的技術を開発してもイギリスは競争力を失うことになる。つまり秩序あるイギリスの離脱は非常に困難な状況に追い込まれているのだ。

移民反対のアメリカのトランプ政権は、グローバル化の逆転現象だが、欧州のEU離脱=移民受け入れ反対の政治的流れも、同じ逆転現象なのである。EUは東欧からの働き手の受け入れて経済的に潤っており、反移民を決めればEUは解体の危機を迎える。さりとて、このまま移民を受け入れ続けると、EU離脱の動きが台頭し、反政府闘争が激化する。EUの抱えるジレンマは深刻であり、イギリスの合意なき離脱は欧州経済を大混乱に導く可能性がある。EUが混乱すればEU発の経済恐慌もあり得るかもしれない。

重要な事は欧米の経済的混乱が世界的経済危機につながりかねない深刻な情勢であること、それなのに安倍政権は、欧米の政治的混乱の原因が移民受け入れにあるのに、外国人労働力の解禁を決めている。失敗が明らかな政策を、今から周回遅れで後追いする安倍政権の考えの無さを指摘しなければならない。労働力不足は女性労働力と老人パワーで、さらには省力化投資でロボット化・AI化で切り抜けなければならないのに、安上がりの外国人労働力の解禁に飛びつく愚劣を知るべきだ。
国際情勢は衆愚政治で抜き差しならない経済危機に向かっている。
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米経済の好景気はいつまでも続かない!

トランプ大統領は運がいい。安全保障も経済政策も確かな人材が政権内にいないのに、アメリカ経済は好調が続いている。FRBが金利を上げたことで世界中の資金がアメリカに還流し、強いドルが再生した。トランプは金融が分かっていないので「強いドルは商売に良くない」などと言っているが、彼は間違っている。

トランプが貿易赤字を口実に中国に25%の関税をかけると言うので、アメリカ企業は関税がかからないうちにと、大量の中国製品の輸入に走った。だからアメリカの貿易赤字はさらに拡大した。9月のアメリカの財とサービスを合わせた貿易赤字は540億ドル、財のみの貿易赤字は763億ドル(約8兆6000億円)と過去最大を記録した。つまりトランプが中国の赤字はけしからんと吠えれば吠えるほど、アメリカの赤字は拡大するのである。

ところでアメリカのドル紙幣は印刷費用はわずか数セントである、つまりアメリカは世界で唯一ドル発行益を独占する国である。紙幣を印刷すればそれだけで世界中の必要な商品を買うことができるのである。当然その結果貿易赤字が拡大する。するとアメリカは今までは貿易黒字国に米国債(財務省証券)を買わせドルを還流した。ところがトランプは産業資本家の代理人なので、貿易赤字国に関税をかけると脅し、アメリカ製の商品を押し売りする。

つまりアメリカは貿易相手国を2重に搾取しているのだから景気が良くなるのは当然だ。つまりアメリカはドル支配の下で、貿易相手国を対価なしに搾取する覇権国なのである。つまりアメリカの貿易黒字の拡大はドル発行益を手にすること、その結果対価なしにアメリカが商品を手に入れる、結果として貿易赤字となるのであり、したがってアメリカの貿易赤字の責任は中国や日本にあるのではなく、アメリカのドル支配の結果に過ぎないのである。

それではアメリカの中国に対する貿易戦争や技術封鎖の狙いは何なのかというと、かって日本経済が発展しアメリカを追いこそうとしたとき、アメリカがプラザ合意で為替を見直し、円高と低金利を誘導し、バブル崩壊を仕組んだのと同じで、発展する中国経済を政治圧力で今以上の発展の芽を摘もうという戦略的覇権主義の表れなのである。問題は中国は日本のような従属国ではないことだ。当然中国はやられたらやり返す国だ、だから元経済圏の形成を目指すであろう。ヨーロッパ諸国もユーロ経済圏を形成している。つまりトランプの強引な貿易戦争はアメリカの孤立を招き、世界のブロック化を促すことを見ておくべきである。かってアメリカは自由貿易ル―ルで利益を追求したが、トランプは「アメリカ第一主義」でアメリカの利益を追求している。この独善的とも言える政策の結果、アメリカは戦略的孤立と世界経済のブロック化を招き、同時にやがて金融危機を招くことになる。

アメリカは世界通貨のドルを印刷して世界の富を手に入れ、債務国の地位を利用して黒字減らしに自国の商品を押し売りしているのである。これが世界経済のブロック化を招き、世界の貿易の縮小を招き、経済恐慌を招くことになる。今はアメリカ経済が好調なのでドル高だが、そのうち金融危機を招くほど、ドルは過剰に発行され過ぎており、円や元やユーロの交換可能通貨に対し大幅に下落するのは避けられないであろう。近い将来、アメリカは巨大な軍事力を維持できなくなる可能性がある。

薬物・性犯罪がまん延する米海軍のていたらく!

月刊誌「選択」12月号は「戦争以前の内なる敵に苦慮」「米海軍で薬物・性犯罪が蔓延」と題した記事を掲載している。それによると、横須賀配備の空母「レーガン」内の原子力推進機関内の施設内の5人がLSDや、他の薬物を配布したり、使用したことで軍法会議にかけられ、合計15人がLSD汚染で、うち14人が原子力推進機関内の勤務であったという。幻覚作用を持つ薬物に汚染された連中が原子力空母を動かしていたというのである。

また今年2月21日には、海洋戦略の祖であるアルフレッド・ハマンも学んだ伝統を誇るアナポリスの海軍兵学校で秘密の薬物に汚染されていた10人がいたことがきっかけで、4500人の士官候補生に一斉薬物反応検査が行われた。またこの後麻薬取締官の捜査が行われてコカインが見つかる事件が起きた。

同誌によれは3月にはカルフォニア州のリモア海軍航空基地でコカインやLSDを基地内で販売した女性下士官が軍法会議で14カ月の禁固刑と除隊処分を宣告されている。エリートの士官候補生や下士官まで、海軍内の薬物密売の全貌は「犯罪捜査局」も把握できないほどの広がりを持っているようだ。このほか戦略ミサイル原潜内で4人の3等兵曹が少女を艦内に連れ込み集団乱交に及び一部始終を録画し、「ポルノフイルム」を作成した事件や、バーレーンで売春組織を作っていた事件など次から次へと海軍内のスキャンダルが露呈している。

昨年、第7艦隊の2隻のミサイル駆逐艦が衝突事故を起こした事件では、その原因が驚きだった。乗組員が国際ルールを知らなかったり、レーダー担当がレーダーを扱う知識がなかったり、見張り員が基本的な監視動作を知らなかったりした。このため太平洋艦隊司令官が退役に追い込まれ、第7艦隊司令官も更迭されたという。

最近の在日米軍機の墜落や不時着の多発は、エンジン部品の生産・補給が追い付かず、機体のメンテがいい加減で、しかもパイロットの技量も低下していることから起きている。こんな状態で訓練を強化すれば、次々事故が起きるのは避けられない。アメリカ海軍は今や海上自衛隊以下の技量となっているのである。こうした事態はオバマ大統領の8年間の予算削除の中で、米海軍は敵と戦う前に、海軍内の敵と戦わねばならない事態となっている。これでは中国海軍の挑戦に対抗できるのかもわからないほど米海軍は腐敗しているのである。

一国二制度を捨てた習近平が香港の独立運動招く!

2014年9月末から始まった香港の民主化運動は、警察官が発射する催涙弾から身を守るために、デモ参加者が傘を楯にしたことから「雨傘運動」と言われた。このデモの「呼びかけ人」達9人が起訴され、早ければ12月にも有罪判決が下されるという。

当初香港は「一国二制度」の見本として台湾の統合を睨んでいた。ところが習近平は香港の統治を中国本土並みへと、民主化を制限し始めた。学生たちの「雨傘運動」は民主派候補が立候補できない行政庁長官選挙の制度改革を訴えたものであった。習近平政権は中国国内でも民主派を力で弾圧しており、香港の民主化を許すことはできない。

「雨傘運動」の指導者たちはその後香港独立運動へと転じている。国内に多くの少数民族を抱える習近平政権は、この香港独立運度を許すわけにいかない。しかし「雨傘運動」の指導者「9人に反対する裁判は言論の自由に対する弾圧だ。」と世界最大の人権団体のアムネスティ・インターナショナルが非難声明を出した。過酷な判決は国際世論を敵に回すことになる。

学生リーダーだった陳浩天氏は香港民族党を発足させ、香港立法会(=議会)に立候補しようとしたが「香港独立を主張する人の立候補は認められない」として却下された。それ以降彼らは実質的に中国共産党の管理下となった香港への経済制裁を呼び掛ける活動を展開している。

今年11月14日米議会の超党派諮問機関の米中経済安全保障再考委員会は「香港は既に他の中国の都市のようになりつつある」として香港を優遇するための香港政策法の「特別な立場を再考するよう促す」報告書を出した。今後、トランプ政権が香港政策法の廃止を決めると習近平政権には打撃となる。

香港における「一国二制度」の放棄は、今後台湾の統一問題に影響をあたえるのは確実だ。今のところ中国政府は、台湾の野党国民党に資金を投入して先の地方選では独立派の現政権を打ち破ることに成功した。しかし緊迫している米中貿易戦争と覇権争いが、台湾の中国との統合派に打撃となることが予想される。一度民主主義を経験した香港と台湾の市民を中国の厳しい官僚支配下に置くことを目指す方が無理がある。習近平政権が香港と台湾の独立派に反対すればするほど、彼らは独立運動の高まりに直面することになるであろう。そうなると中国軍の台湾侵攻という事態もありうるかもしれない。

政・財・官の腐敗に怒るフランスの人民!

フランス全土で抗議デモが続いている。フランスでは過去1年でディーゼル油が23%高の1リットル1,5ユーロ(約192円)に値上がりした。マクロン大統領は燃料価格の値上げと同時に法人税減税を発表した事がフランスの人民の怒りを爆発させた。

12月3日には凱旋門の展示品が壊された。8日にはシャンゼリエ通りでも暴徒の略奪の対象となった。高級ブランドの店が破壊され略奪の対象となった。マクロン政権の目指す経済改革や取り組みに対する抗議行動は「黄色いベスト運動」=反政府運動として3週間前からフランス全土に拡大した。これまでに3人が死亡し、約3000人の負傷者と逮捕者がでている。フランスを訪問する観光客が次々ホテルをキャンセルし、フランス経済にも深刻な打撃となることが確実となった。まるでフランスは革命情勢の最中のような事態となった。

日産の皇帝のゴ―ンを生んだフランスは、自動車のルノ―・石油大手の「トタル」「フランス電力」防衛産業の「タレス」などの有力企業の大半が国策企業であり、フランス政府のおんぶにだっこの状態で、経営者の多くがゴ―ンのような高額報酬をあさり、次々企業を渡り歩く。これらの経営者たちは政治家とつながり、官僚や財界とつながる腐敗した支配層を形成している。日本の官憲が日産のゴ―ンを逮捕した時、多くのフランス人は「さすが日本だ」と高く評価したのである。フランスでは腐敗した支配層は一切逮捕されないのだ。

フランスの最高経営者たちは言わば政商であり、お手盛りで企業の金を私物化している。フランスの経営者は日本と違いお手盛りで高額の報酬を手に入れるのだ。フランスのトップエリートたちはクラブ「ル・シエクル」のメンバーであり、このクラブはフランスの「ノ―メンクラトゥーラ」との異名をとる特権階級の集まりで、フランス国をいかにしゃぶり尽くすかを話合う秘密クラブだという。マクロン大統領もこうした支配層の一員であるので、今回の反政府闘争はまさに革命的性質を帯び始めている。

フランス政府がこの騒乱を早急に収め、経済的打撃を最小限に抑えられるか、それとも騒乱が長引くかはEU経済にも影響を与えかねない事態である。フランス人民が腐敗した支配層に対し、力で反政府闘争にのりだしたのは、この国の持つ伝統的革命性を表しており、この闘いの結果が注目される。フランスでは外国人移民のため失業率が高く、とりわけ若者が就職できない事態のなかで燃料費の増税を撤回するだけでは闘いはおさまらない可能性もある。

米中の戦略的対立から世界情勢をみることが重要!

昨日のブログで明らかにした米中の「宣戦布告なき戦争」の行方を見定めるのを難しいものとしているのはトランプ外交だ。米中の覇権争いが主要な矛盾なら、アメリカは同盟関係を固めるべきなのだが、トランプ政権はまず北米自由貿易圏(メキシコやカナダ)やEUに関税戦争をしかけた。これが事態を複雑にしている。関税をかけることでアメリカ経済が復調すると本気で思っているからなのか?理解しがたい。トランプは資本主義の不均等発展の法則が理解できていないのではないか?

アメリカが米中の対立関係を主要な矛盾と考えているなら、対ロシア関係をアメリカは改善しなければならない。プーチン大統領がこのあたりを探るためにウクライナの艦船を拿捕してアメリカの反応を見る必要があったのではないだろうか?

トランプ大統領が、中国がアメリカから約一兆円もの穀物を買う約束で取引し、関税問題を数カ月先送りしたのも理解が難しい。アメリカ政府がキチンと戦略を出していないので世界の外交に混乱が生じている。さらに理解しがたいのは対中封じ込めならTPPが中国の経済戦略に対坑する上で重要なのに、アメリカはTPPから脱退した。自分から世界で孤立しながら中国との覇権戦争に勝てると本気で思っているのか?理解しがたいことだ。

トランプの「アメリカ第一主義」は明らかにアメリカの対中戦略にマイナスとなる。トランプ外交は明らかにグローバル化の反転・逆流なのだが、それでは自分から同盟関係をぶち壊し、中国を有利にすることになる。アメリカが孤立主義で中国が自由貿易を強調する奇妙な流れが起きているのだ。まるでトランプ外交がアメリカを戦略的に不利に導いているように見える。

トランプの孤立主義外交が世界通貨ドルの地位を自分から危うくしている。中国は元を国際通貨にしていくチャンスが生まれている。実際に中国はイランからの原油の支払いを元で行い始めた。
安倍首相はアメリカに戦略の整頓を求めた方がいい。何がアメリカ外交の重点なのかが不明で、混乱している。アメリカの超党派の戦略は、中国をまず技術面で封じ込めることなら、その旨を同盟国に告示すべきである。トランプ外交はアメリカの戦略を理解しないで、同盟国攻撃を行う行為が中国を有利にしている点を指摘した方がいい。安倍政権が中国の「微笑み外交」に取り込まれるのも、アメリカの戦略的混乱から来ているように見える。

まさかアメリカは中国とロシアを同時に敵とするのではないであろう。中国が主敵ならアメリカは対ロシア戦略を転換しなければならない。世界を混沌に導いているのがトランプ外交のように見えるからややこしいのである。外交的混沌という意味で世界情勢はまるでかっての大戦前夜のように見える。政治家の愚劣が戦争を招くという図式が再現しつつあるように見える。

米中対立は「宣戦布告なき戦争」へ!

アメリカと中国の現在の貿易戦争の戦略的性質が中国側の極秘通達で分かった。月刊誌「選択」12月号は「中国対米新冷戦で極秘通達」との記事を掲載している。それによると中国側の極秘通達の内容が、深刻化する米中関係について習近平政権が「宣戦布告なき戦争」と位置付け、外交、軍事、経済まで「全面的かつ総合的な対米戦の準備」を進めている事を示しているという。

この対米新冷戦戦略の特徴は、米中対立の本質を「技術戦争」と位置付けアメリカによる対中技術包囲網を突破するため日本企業をターゲットにし、深せんを「外国の技術・人材の吸引窓口」とし、日本企業の取り込みを策していることだ。中国のこの極秘通達は「アメリカが対中政策を接触戦略から全方位封じ込めに転換した」こと、とりわけトランプ政権が「中国は、第2次世界大戦以来米国が遭遇した最大最強の敵」と位置付けている、と警告している。

同文書は、習政権が米中衝突を予測していたものの「全面衝突の次期が予想以上に早くやってきた」事を指摘し、中国が2008年から進めてきた「千人計画」が挫折した事を認めている。「千人計画」とは高度な技術を持った外国人材を千人中国に招へいし技術進歩のプロジェクトに参加させる計画の事である。アメリカはこの「千人計画」のリストに乗せられた研究者を監視対象にしているという。またアメリカに在留している中国人約35万人の留学生・研究者は、ビザ有効期間が5年から1年にされたため早期に帰国せざるを得ない状況になっているという。この極秘通達は、米政権が対中国に対し「全方位の科学技術の対中封鎖に向かっている」と強調しているという。

同文書は「窓の開いている残りの半年から1年のうちにできるだけ多くの先端技術、先端設備、先端製品を米国から取り込み戦略備蓄を構築せよ」と中国の企業と大学にハッパをかけている、という。同誌はこうした表現は太平洋戦争開戦前の日本の姿に酷似している事を指摘している。つまり中国側は「米中新冷戦は10年20年に及ぶ長期戦」との基本認識を示している。

最近の中国側の日本への「微笑み外交」はこうした対米戦争を睨んだものであり、その狙いは日本企業から先端技術を奪うことにある。つまり中国に深入りしている日本企業は今後アメリカの制裁のリスクがあるということだ。日本の政界も財界も米中の「宣戦布告なき戦争」という深刻な対立を念頭に今後の外交を展開しなければならない局面なのである。中国側がハッキングで米CIAのサイトにもぐりこみ中国内の米CIAエージェントのリストを手に入れ、米スパイを一網打尽にしたことが、アメリカの中国の技術の高さに警戒を抱かせる引き金になったとみていい。

日本は対米自立して米中戦争に巻き込まれないようにしなければならない。日本企業は中国市場に深入りしてはならず、また今のままアメリカに従属・追随すれば米中の覇権争いの戦争に巻き込まれ、事実上の「亡国の道」となるであろう。

文在寅韓国大統領の外交・経済政策の破たん!

当初は北朝鮮の核放棄で米中が共闘するかに見えた。だから文大統領は南北首脳会談で統一のための経済協力を北朝鮮に約束した。北朝鮮の老朽化した鉄道と道路の「現代化」、「開城工業団地」や「金剛山観光事業」の再開、北朝鮮のスキー場や白頭山観光で北朝鮮に、継続的に外貨が流れ込む仕組みを作ろうとした。また朝鮮戦争休戦協定締結から65年となる今年中に朝鮮戦争終結宣言を出す予定であった。

しかし経済協力は国連の北朝鮮制裁破りであり、アメリカを激怒させることになった。北朝鮮はロシアと中国からの密輸と韓国の経済協力で、核保有を続ける道が開けたことになった。中国は北朝鮮をアメリカとの緩衝地帯として確保することを優先し、アメリカは北朝鮮の核放棄で北朝鮮の経済的取り込みを狙うが、米朝交渉は来年にも開かれるが決裂するだろうとの見方が強い。

金正恩と文在寅の誤算は、アメリカと中国が戦略的対立を深め、貿易戦争を開始したことだ。このことで米中の双方から利益をむさぼろうとする南北首脳の画策は破綻した。韓国はアメリカとの間で矛盾を激化させた。こうして文大統領が計画した朝鮮戦争終結宣言を出す計画はもろくも崩れ去った。
文韓国大統領は経済が全く分かっていない。高高度防衛ミサイル配備問題で中国を激怒させ、経済制裁を食らった。南北の経済協力でアメリカを激怒させた。従軍慰安婦協定を覆し、徴用工判決で日本を激怒させた。韓国経済が中国・アメリカ・日本市場に深く依存している事を理解しない外交で、目前に来ている経済危機を、韓国は切り抜ける道がない事態となった。

中国は朝鮮半島を台湾や南シナ海と同様に「核心的利益」と位置付けている。韓国の南北統一を許せばアメリカと国境を接することになるのだから中国が許すはずがない。同様に南北が朝鮮戦争終結宣言を出せば、それは朝鮮国連軍司令部の解体や在韓米軍の撤退問題が浮上する。これはアメリカが許すはずがない。文大統領の読みがいかに甘いかがわかるであろう。

文大統領は経済政策で公務員を大幅に増員したら経済が良くなる、という理解不能の政策を公約として掲げ実行した。韓国経済が内需が小さいのは財閥経済に原因がある。経済成長の利益が少数の家族に独占されているのだから内需が拡大するはずがない。その結果が輸出経済なのだ。その韓国経済が依存する中国・アメリカ・日本を怒らせて、韓国経済が良くなるわけがない。文大統領の支持率が48%に急落したのは当然であった。支持率が下がれば反日で支持率の挽回を図るのがこれまでの韓国の政治だ、しかし今回はそれも出来ない。目前の経済危機を文大統領が誰にすがるのか?見ものである。

日本は専守防衛から自主防衛に転換すべきだ!

安倍政権はトランプ米大統領に貿易赤字の削減を求められ、アメリカ製兵器の爆買いへ突き進んでいる。陸上配備型イージスアジョアは当初2基で1600億円と言われたがそれが4664億円に膨れ上がり、それがアメリカ政府の有償軍事援助(FNS)に基づく価格・納期共アメリカの言い値のため1兆円に膨れ上がると言われている。

安倍政権はさらにステレス戦闘機F35を100機1兆円で買い増しを決めた。これでは国産の次期戦闘機の開発計画は潰れることになる。中国機相手ならたとえ当初は性能の落ちる国産のステルス戦闘機でも、ミサイルの性能をアップすれば十分太刀打ちできるであろう。

心配なのはアメリカの要請に応えるため武器を買うことが先にあり、後から防衛大綱を改定するという思考だ。トランプ政権は同盟国を守りたくないと語った人物だ。既に「専守防衛」はどう見ても崩れている。日本は自主防衛に舵を切るため国家安全保障戦略(NSS)を改定し、その上で自主防衛に必要な兵器をそろえなければならない。先に2兆円ものアメリカ製兵器を買うことでは真に国防に必要な兵器をそろえることができるであろうか?安倍首相は国民に説明すべきであろう。

軍事専門家の間では固定式のイージスアジョアではなく、イージス艦を買う方が防衛上もいいし価格も安くなる、という声がある。「専守防衛」のまま「いずも」型護衛艦をF35Bを搭載できる空母に改造することや、北朝鮮を攻撃できる射程1000キロの巡航ミサイルを導入することは無理がある。キチンと自主防衛を打ち出して、敵基地攻撃能力を持つことをNSSに明記したうえで、導入すべきであろう。

トランプに「アメリカ製の武器を買え」と言われたから、先に武器の導入を決め、後から防衛大綱を改定するというのは筋が逆ではないか?それで真に日本の防衛に必要な兵器がそろえられるであろうか?疑問である。アメリカが日本の防衛に頼りとならない時代が来ている以上、日本は自主防衛に転換して、国家安全保障戦略(NSS)を改定し、その上で防衛大綱を改定し、必要な兵器の導入を決めるべきだと思う。安倍政権の対米従属が日本の防衛の障害となっているのだ。日本は対米自立し、自主防衛を明確にすべき時が来ている。

世界は移民問題をどう解決するのか?

20世紀は先進国と発展途上国の格差が問題となった、いわゆる「南北問題」だ。しかし21世紀は移民の増加による先進国の社会的分裂問題が国際問題化している。

欧州への移民の波は中東とアフリカから押し寄せた。トルコには320万人が欧州目指し滞留している。アメリカへは中南米から起きている。報道によるとロシアへの移民の波がタジク・ウズベク・アゼルバイジャン、カザフ等から押し寄せている。ロシアの首都モスクワには人口約1300万人のうち移民が500万人を超えていると言われる。

ロシアも先進国で人口が急減している中で、労働力として移民を受け入れてきた結果イスラム教徒の移民が「大増殖」しているのである。ロシア全土の人口は約1億4500万人だが、このうち移民が6人に一人になった。スキンヘッドや極右の無差別暴力も激化している。ロシア国内でもイスラム教徒の増加を危惧する意見があり、移民が必要ならイスラム教とではなく人種が同じであるウクライナやベラルーシから受け入れるべきだ、との声も上がっている。

日本もロシアと同じように少子化で人口が急減しつつある。この労働人口をどう解決するのかは、将来の国家の姿を決める重大なことだが、安倍政権はうかつにも国会で議論もせず、移民解禁をなし崩しに進めようとしている。
アメリカでは白人の人口が過半数を割るのが目前になっている。日本もそのような多民族国家を目指すのか、それとも労働者の待遇を改善して子供を産み育てられる社会にするのか、それとも安上がりの移民を解禁するのか、きちんと国民的な議論を踏まえるべきである。

世界は既にグローバル化から反転し自国優先主義がアメリカから世界中に拡大している。移民の波は収まるであろうか?と見ていくと中東は今後大混乱が必死だ。米・イスラエル・サウジ連合と、ロシア・イラン・トルコの連合との対立が激化しつつあり、とりわけサウジの王子が絡んでいるとされるカショギ記者暗殺事件で、サウジの国際的地位が低下し、中東は今後ますます流動化する可能性がある。中東が戦乱となれば難民・移民の波がさらに先進国に押し寄せる可能性がある。

グローバル化の波が、豊かな生活がしたい人達を先進国へと津波のように押し寄せる事態は今後どうなるであろうか?日本の移民解禁が移民の群れにどのような作用を及ぼすであろうか?先進国の移民の増加による社会的分断が国際情勢にどのような作用を及ぼすのか?注目される点である。移民解禁法が議論されている参院で、キチンとした討議がされることを希望したい?
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