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韓国の徴用工問題に政府は厳しい対応を!

戦時中に日本で工場などに強制的に徴用された韓国人4人が、日本企業に損害賠償を求めている問題で、韓国の最高裁判所は新日鉄住金に賠償金4000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。韓国の最高裁は「請求権協定で完全かつ最終的な解決」を確認しているが「請求権協定で交渉したのは、日本の不法な植民地支配に対する賠償請求ではなかった。」などとして徴用工・個人の損害賠償請求権は、協定には含まれない、と判断したのである。

こうした動きの背景には韓国の大統領であるムン・ジェインが昨年8月に「個人請求権、つまり朝鮮半島から内地に動員された元徴用工の人達が日本企業に損害賠償を求める権利は残っている。韓国政府はそうした立場で歴史問題に臨んでいる」と述べていた事が影響している。つまりムン・ジェイン韓国大統領は「元徴用工の問題は解決済み」とのこれまでの韓国政府の立場を覆す発言をしていたのである。

韓国には元徴用工が17万人いると言われており、一人当たり1000万円も支払えば、莫大な金額の2重払いとなる。当然北朝鮮も「支払え」というであろう。14年にも及んだ戦後の国交正常化交渉で1965年結ばれた請求権交渉の第2条1項には「日韓両国と国民の財産、権利及び利益、並びに請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決された」と明記していても、韓国は平気で約束を破棄する。これではいかに誠実に日本政府が交渉し金を支払っても同じで、たやすく振り出しに戻ることになる。

戦争中の強制徴用は何処の国にもあったことであり、これは戦争経済ゆえのことであり、植民地支配ではない。日本は厳密な意味で植民地支配を朝鮮半島にはしていない。ダムを作り、学校を作って、経済発展を図る政策を日本は取った。欧州がアフリカに行った植民地政策とは根本的に違う。だからアジアの元日本統治国(韓国・台湾など)が経済発展をし、アフリカが今も経済発展していない違いが、それを示しているのである。

もはや韓国とは交渉で問題を解決できる国ではない。このままでは両国の国民感情が悪化するばかりで、戦争になりかねない。日本政府は期限を切った国交断絶で、こうした韓国の不誠実がいかに両国の損失になるかを思い知らせるほかない。事態の蒸し返しをこれまで許してきた日本政府の生ぬるい対応が、韓国政府を付け上がらせたというべきだ。政府は直ちに韓国の日本大使を引き揚げ、大使館を閉鎖し、韓国の大使に国外退去を求め、韓国大使館の閉鎖を要求すべきだ。
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国際経済はリスクが高まっている!

10月11日アメリカの金利上昇の影響で米株価が暴落し、世界同時株安になった。現在の世界経済は冷戦後の自由貿易の限界があらわになっている状態にある。世界は豊かになり、アジア経済は成長・拡大し、欧州は統合が進んだ。しかし憂うべき状態も拡大した。いまた世界中が自由貿易の反作用に直面している。

世界の1%の富裕層が世界の富の82%を支配し、世界中で貧富の格差が拡大した。日本ではこの5年間に富裕層は資産を2,4倍に増やしたが、貧困層はさらに貧困化した。これらの資金の多くが税金のかからないタックスヘイブンに蓄積して眠っているのだ。先の金融危機から10年がたったが、先進国は何処もが低金利で、次の金融危機が起きても金融緩和策は有効性はないと思われる。

しかもアメリカも世界もポピュリズムの政治によって富裕層と貧困層、左派と右派が激しく対立し、社会的分裂が進み、政治的混乱が長く続く可能性が強い。その上に「アメリカファースト」の政治の影響で、貿易戦争が世界貿易を極端な縮小に追い込みつつある。政治が対立を深め、しかも経済が危機に直面しているのだ、誰が見ても次の経済危機が迫っている。

運用資産が1600億ドルで世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」の創業者で、共同最高投資責任者のレイ・ダリオ氏は最近経済番組で「次の危機は10年前よりももっとひどいものになる」と語っている、と報道されている。彼は「ドル危機」が2年以内に来る「ドルは30%下がる」と語っている。トランプの「アメリカファースト」で横紙破りの貿易戦争を繰り返しているのだから、一時はアメリカは利益を受けても、それは一時的であり、世界の多極化はブロック経済を促すのだから国際通貨のドルが暴落するというのも理解できる。

2年後というのは米中の貿易戦争がじわじわと世界経済に打撃を与える期間と見るべきであろう。世界中でトランプ型政治家が選挙で勝利している。ポピュリズムの政治が自国優先の政治をやれば経済的対立が政治的対立に、戦争の時代を招きつつあることの危険を指摘しなければならない。2年後に次の金融危機が来ると言うことは、アメリカの大統領選の最中に経済危機が来れば、トランプの再選も危ういかもしれない。危機がトランプの再選の後に来れば、そのリスクはさらに大きくなる。世界的経済危機がまじかに迫っていることを政治的リーダーは考慮しておくべきである。

アメリカからの高額兵器購入の借金が5兆円超!

安倍政権は、アメリカのトランプ政権の市場開放圧力をかわすために高額の米製兵器=ステルス戦闘機F35A(1機152億円)や輸送機オスプレイやイージス・アジョア(2基2352億円)早期警戒機E2C(2基544億円)などを購入した。しかも近年アメリカに有利な「対外軍事援助」(FMS)で購入するのが増えている。

兵器の購入は最長5年間に分割してアメリカ政府に支払っており、2年目以降のローン残高が「後年度負担」と呼ばれる借金です。アメリカ製兵器の導入に伴い、国内兵器も含めた後年度負担の残高も急増している。1998年~2012年までは3兆円前後で推移していたのが右肩上がりで増え2019年度の「後年度負担」は5兆3372億円にまで増える見込みだという。5兆円という数字は日本の年間防衛費に匹敵する金額なのである。

安倍政権は毎年防衛費を増やしてきた、2019年度の要求額は5兆2986億円であるが、政府は向こう10年間の防衛力整備の指針となる「防衛大綱」を見直し、防衛費のさらなる増額を打ち出すのは必至となっている。アメリカからの兵器購入が後年度負担を急増させ、返済が追い付かない事態となっている。いまや防衛費のGDP1%は事実上歯止めとはならなくなっている。つまり歯止めがなくなっているのである。

困ったことに、安倍政権がトランプに迎合して高額な兵器を買っても、アメリカの要求を満足できていないことだ。トランプ米大統領は27日インディアナ州の農業団体の集会で演説し、日本が市場開放しない場合「日本車に20%の関税をかける」と発言した。中間選挙向けの発言と見られるが、安倍首相の高額な兵器の購入も日米貿易摩擦の解消には何も効果はなかったのである。

<「対外軍事援助」(FMS)とは>
アメリカ政府が同盟国に武器を売る制度の事で、米国防総省の国家安全保障協力局が所管している。買い手国は高性能の武器が手にいるが、価格・納期は米政府の都合で変わる。代金は納品前に支払いなどアメリカに有利な制度となっている。

中国とアメリカの貿易戦争が長引く危険!

アメリカと中国の貿易戦争を両国は何処までやるつもりなのか?世界が注目している点だが、アメリカの有力紙が25日、トランプ政権が中国から不公正な貿易慣行を巡って、具体的な改善策を提示するまで、貿易協議を再開しないと主張している、と報じている。アメリカが求めているのは知的財産権侵害などの中国の不公正な貿易慣行だ。

このまま米中貿易戦争が続けば、中国の「世界の工場」としての輸出型生産拠点は大打撃を受ける。中国の製造業が受ける打撃は、日本が受けたプラザ合意の比ではない。中国に投資している各国は工場の海外移転を進めることになるであろう。中国は金融緩和で国内経済への刺激策をとるだろう。中国では今「株式は売り、不動産は買い」となって、日本と同じバブル経済が始まりつつある。不動産バブルはやがて崩壊し、企業破綻から金融破綻へと進むことになる。これは日本がいつか通った道「失われた20年」への道である。

中国政府としてはこの道は避けたいところだ。しかしアメリカ企業に中国の企業が特許料を払えるのか?アメリカ政府は中国側が具体的な改善策を提起しない限り、貿易協議を開始しないとしている。中国はやむなく改善策を提起するのか?それとも我慢比べを続けるのか?どう見ても中国側に勝てる見込みはない。

中国政府がこれまでの反日の態度を変え、日本に急接近しているのは、中国を生産拠点としている日本と利害が一致するからに他ならない。安倍政権が中国への接近をしているのは日本企業をテコ入れするためである。日本銀行と中国の人民銀行が26日、円と人民元を互いに融通する「通貨交換(スワップ)協定」を再開することで合意したのは、中国人民銀行に円を渡して、人民元を受け取って日系企業をテコ入れするためである。つまり米中貿易戦争は日本企業も大きな打撃を受けるのである。

このまま中国政府がアメリカに譲歩しなければ、世界経済の受ける打撃は大きく、事態はトランプ恐慌を心配しなければならなくなる。中国と日本の受ける打撃は非常に大きいものになるであろう。トランプの孤立主義は、資本主義の不均等発展で、アメリカの経済が相対的に衰退した結果であり、トランプが多極主義だからではない。世界の多極化が進み、軍拡競争が進む中で、深刻なアメリカと中国の貿易戦争が長引く危険を指摘しなければならない。

政府は少子化問題を真剣に考える時!

日本の少子化問題は深刻で、このままいけば数年後に、日本は数百万人の労働力不足になると言われている。だから「日本は移民国家を目指すしかない」という人も多くいる。実際に政府は単純労働力まで外国人を入れる政策を実施し始めたのである。既に日本には数百万人の外国人が働いている。

なぜ少子化になったのか?それは企業が次世代の労働力の事を考慮しなかったためである。日本社会は家事、育児、介護を女性の肩にかぶせて、そのことで男性の長時間労働を可能にしてきた。結果女性が働きながら子育てする環境が整わず、働きたくても保育所に入れない、という理由で専業主婦を選択せざるを得ない女性が多くいるし、介護のために仕事をやめる女性も多くいる。また妊娠したらパワハラを受けて辞めさせられる女性もたくさんいる。日本は学歴の高い女性労働力を活用できないでいる。

家事、育児、介護を社会化することが日本社会は遅れている。とりわけ親の介護で仕事を辞めざるを得ない人が男女とも多い。介護で結婚の機会を逸した人が多くいるのだ。日本の職場には未だに多くの男女差別がある。日本には専門職や一般職の職制の選択で事実上男女の賃金差別が合法化されている。また正規・非正規の雇用形態で事実上男女差別が温存されている。だから女性が働き続けようとしたら結婚出来ないし、子供を作れない実態がある。これでは少子化はいつまでも改善できず。日本はやがて外国人の移民が多数を占める社会になることは避けられない。

つまり日本は制度面で真の男女平等を実現しないと少子化問題は解決しない。妊娠・結婚で退職を強要出来ない制度が必要だ。介護離職をしなくていいように介護施設を国が充実させる必要がある。
足りない労働力は企業の省力化投資でロボット化、自動化を進めればよい。ところが企業は人手不足でも設備投資をやる気はなく、外国人の安上がり労働力に頼るので、日本の生産性は今や先進国最低なのである。女性を非正規雇用として補助的労働力とする社会の仕組みを変えなければならない。

企業は女性労働者が妊娠・出産で休むので雇用したがらない。しかし女性の妊娠・出産がなければ企業が必要とする次世代の労働力は確保出来ないのである。それが少子化問題なのである。この問題は企業が女性を安上がり労働力として位置づける限り解決できないので、日本は手っ取り早い外国人を移民として入れるほかないであろう。つまり日本の少子化問題は企業の強欲が招いたものであり、今やそれが日本民族の消滅にまでいたろうとしている事を指摘しなければならない。少子化問題は日本社会が真の男女平等を必要としている事を指摘しなければならない。
安倍首相が「女性が活躍できる社会を作る」と口先でいいながら、未だに保育所が不足し、労働条件面で男女差別は解決できず。介護離職も解決できないままだ。無能な政治が日本民族の消滅の危機を招いているのだ。

資本主義の不均等発展が多極化を促したこと!

資本主義の不均等な発展がアメリカを相対的に弱体化させた。アメリカ経済の世界経済に占める割合が急減した。アメリカ経済の相対的衰退はアメリカの一極支配を難しくした。とりわけ2008年のリーマンショック後に、アメリカの若者は不安定な雇用、低い賃金、高い医療費負担、学生ローンの急増に苦しむことになった。2016年の大統領選でアメリカの若者たちは「社会主義者」を自称するサンダース上院議員を支援した。この若者たちはいま多くが社会主義者となっている。つまり野党民主党の2極分化が進んだ。いまや民主党支持者の57%が社会主義を肯定的にとらえるまでになった。

アメリカの共和党も2極化が進んでいるがトランプ大統領が政権についているため、共和党支持者の8割がトランプを支持している。同盟国の安全保障にアメリカは金を使いたくない、というトランプ大統領の政策は「アメリカファースト」として白人労働者の層の強い支持を受けている。

トランプ大統領は、アメリカ市場に輸出して貿易黒字を上げている国は、アメリカから富を奪っていると考えており、貿易戦争をまず同盟国にしかけ、そして現在中国に貿易戦争をしかけている。つまりトランプ大統領が今回のINF全廃条約からの脱退で、新しい冷戦をしかけたのは、以前の米ソの覇権争いとは根本的に違うのである。前回は資本主義陣営としての社会主義へのイデオロギー的軍拡競争であったが、今回は自国の産軍共同体の経済のための独善的市場創出のための新しい冷戦である。

市場経済は労働力が安い国に資本の移動を促す、それゆえ中国経済はいつの間にか世界第2位の位置を獲得した。日本が世界第2位になった時、アメリカは1985年のプラザ合意と、続くルーブル合意で、日本は金利を低下させバブル経済を余儀なくさせられ、バブル崩壊で日本は失われた20年という長い経済停滞を余儀なくされた。中国も今回の貿易戦争で失われた20年に入るのかもしれない。この危機感が中国政府が日本に接近し始めた動機なのである。
アメリカ経済を弱体化させたのは、ほかならぬ彼らが進めた自由貿易体制が生みだした資本主義の不均等発展なのであり、それが相対的にアメリカ経済を弱体化させ、アメリカの一極支配を難しくさせ、多極化を促したのである。それゆえ多極主義者が世界の多極化を進めたのではない事を指摘しておく。

問題なのは、トランプの進める新しい軍拡と世界貿易の縮小が、アメリカと世界を経済恐慌へと引き込む危険があることだ。軍拡競争が戦争につながる危険も指摘しなければならない。経済危機を逃れるために人為的に市場をつくるという武器生産が戦争につながる危険は高いのである。
つまりアメリカの経済的弱体化がトランプ政権を生み、世界を多極化し、軍拡競争と世界貿易の縮小を招くことは、第3次世界大戦を招く危険が高まることを指摘しなければならない。

米がINF全廃条約から脱退する戦略的狙い!

トランプ大統領は22日、「ロシアは合意を守っていない。我々は誰よりも多くの金を持っている。人々が正気を取り戻すまで(核戦力を)増強する。」とのべ離脱の理由はロシアの条約違反だと改めて主張した。また、ロシアや中国の脅威に対して、核戦力を強化すると強調し、INF全廃条約のような枠組みを念頭に「中国も加わるべきだ」と述べた。またボルトン米大統領補佐官はモスクワを訪問したさいロシア側のラブロフ外相らと会見し、米がINF全廃条約から脱退することに理解を求めた。ロシア側は条約の維持を望んでいることを伝えた。

アメリカは、ロシア以外の中国や北朝鮮が中距離ミサイルを生産している状況の中で、2国間の全廃条約が戦略的不利を招きかねないことを恐れているのである。また多極化している世界の中で覇権を確立するための戦略を実行に移し始めたということである。

アメリカには、米ソの冷戦の中で軍拡競争に巻き込むことで、相手国を解体に追い込んだ成功体験がある。つまりロシアや中国の覇権への挑戦に対し、再び軍拡競争に持ち込んで、競争相手国を経済的に疲弊させ、追いつめる戦略であることは疑いないと見られる。ロシアや中国が新しいINF全廃条約を結ぶならそれはトランプ政権の戦略的な成果になる。

トランプは同盟国に貿易戦争を仕掛け、高い関税をかけることで同盟国を搾取し、そのことで経済的力を取り戻し、軍拡を行うことでアメリカの世界覇権を再構築しようとしている。したがってINF全廃条約からの脱退は、ロシアと中国を軍拡競争に引きづり込む狙いがある。軍拡競争が始まれば欧州もアメリカから最新兵器を買う他なくなると読んでいるのであろう。軍需産業国家のアメリカ経済は、世界中を軍拡にすることで潤うのである。

新興の帝国主義国のロシアと中国相手に、アメリカが「新しい冷戦」をしかけることは、アメリカ経済にもリスクを伴うのだが、アメリカが覇権を再構築するにはそれしか戦略的に手がないということであろう。米ソの冷戦時と違うのは、ロシアの経済に中国の経済が合わされば、米ソの冷戦の時と違い戦略バランスは均衡したものとなる。「新しい冷戦」が世界に何をもたらすのか?それが世界戦争でない保障はない。

米中間選挙下院は民主の勝利の可能性!

今回の中間選挙は、トランプの弾劾に関わる点で極めて重要な選挙になる。多くの報道を見る限り上院では共和党が過半数を維持しそうであるが、下院では民主党の勝利が動かないようである。もし下院で民主が過半数を取ると、下院の委員長ポストを民主が握り、結果トランプ大統領の納税問題・対ロシア疑惑、環境規制問題の放棄、不倫疑惑、脱税疑惑等が追求されることになるであろう。

アメリカの下院は大統領弾劾の発議権を持つので弾劾が現実のものとなる。もっとも発議されても、弾劾には上院の3分の2が必要なので上院で否決されるであろう。しかしトランプ大統領にはこれまでの大統領以上に選挙応援に力を入れたのであるから、もし下院での敗北になれば、政治的打撃になることは確実だ。選挙は民意の反映であるので選挙結果はトランプ大統領の2年間の評価であることは明らかだ。

10月17日、トランプ大統領はメディアとのインタビューで「仮に共和党が議会下院で敗北したとしても自分のせいではない」と述べ、中間選挙の勝敗の責任は自分にはない、との考えを示した。どうやらトランプ氏の元にも下院の敗北の可能性が高いことが伝わっているようである。結果次第でトランプは下院の攻勢に直面することになるかもしれない。

日米通商交渉を先送りした安倍首相の思惑から言えば、選挙後のトランプ政権が内政に忙殺されることは悪いことではないであろう。しかしその事はロシアや中国にとっても言えることで、トランプ政権が内政に忙殺される間に、覇権主義的陣地の拡大のチャンスとなることは計算しておくべきであろう。経済的側面から言えば2週間後の中間選挙で、共和党の敗北の結果となればアメリカの株価がどうなるのか?再び世界同時株価暴落となるのか?注目される点である。

先の大統領選の結果でもそうだが、クリントンが勝利すると見られたが開票すると結果はトランプの勝利だった。つまり最近のアメリカの世論調査はあまり当たらない。アメリカの民衆が世論調査に反発して正直に調査に応じていないので、中間選挙も開票するまでは実際にはどうなるかわからない。しかし、その中間選挙結果がトランプ政権が内政に忙殺される事態になることは、世界情勢をさらに混迷に導くことになりかねない。

世界がトランプ政権にかき回される事態が、今後も続くのか?そしてそれがどのような結果を導くのか?アメリカの中間選挙の結果を世界中が注目している。

プーチンの平和条約締結先行論は信用できない!

10月18日、ロシアのプーチン大統領は日本との平和条約を「年内に締結しよう」という自身の提案について、「平和条約の締結は、領土問題をゴミ捨て場に捨てることを意味しない」と条約締結後も領土交渉を続ける考えを示した。また先月安倍首相に年内の平和条約締結を提案した際、直後に安倍首相から「受け入れられない」と拒否されたことを明かした。

日ソ不可侵条約を破り、日本に参戦した経緯や、戦争が終わった後のどさくさに北方領土を占領したソ連を日本人は全く信用していない。また旧ソ連の体質を引き継いだロシアが、いま世界でやっている事は、ロシアの連邦情報機関「参謀本部情報総局」が世界各地で「闇工作」を展開して暴れまくっていることはよく知られているし、ロシアのサイバー攻撃、ハイブリッド戦争、政治関与、民間軍事会社の戦争ビジネスなど、中東やアフリカでロシアがやっている事はまさに凶暴な帝国主義的覇権主義の姿である。

ロシア政府が、日本国民の信頼を得るには、無条件で北方領土を返還し、その後に平和条約の締結を行う他ないことを安倍首相はきちんと伝えることが重要だ。同時に、戦後日本の経済支援を受けたアジアの国々が急速に経済成長し、国民の生活レベルも向上している事実を、ロシア国民に政府はきちんと伝えるべきである。つまり日本との領土問題を解決すればロシア国民はすぐに先進国の生活レベルを獲得できるであろう、ことを説明すべきである。

月刊誌「選択」10月号によれば、安倍首相は北方領土を2島返還で決着するハラであるようだが、交渉前からそのような弱気では2島すら取り戻せないであろう。ロシアの政府と国民は違法に占領した北方領土を無条件で返還しない限り日本国民の不信は払しょくできないことを、外務省はロシア側にキチンと伝えるべきである。言うべきこと、説明すべきことをキチンと相手政府と国民に伝えるべきであり、領土問題を解決せずにいかなる経済支援もロシアに与えるべきではないことを指摘したい。

相次ぐ一流企業のデータ改ざん問題の原因!

油圧機器大手「KYB」(東京・東証一部上場)はマンションや病院、庁舎など47都道府県の建物986件の免震・制震装置に検査データ改ざんがあったことを公表した。地震が多発する時でもあり、日本の建物への信頼が揺らぐ騒ぎになった。

過去にデータ改ざん問題を起こした企業は、旭化成建材のくい打ちデータ改ざん、スバルのデータ書き換え、東洋ゴムの防振ゴムの検査データ書き換え、神戸製鋼所のアルミ製品の検査データ改ざん、三菱マテリアルの製品データ改ざん、東レのタイヤなどの品質データ改ざん等があった。

製品のデータ改ざんは、日本企業のモノづくりの技術力低下の中で起きていることで、(1)リストラ経営が熟練労働者からの技術や職能・技能の継承妨げ、以前の高品質の製品を作れなくなっていることの反映である。品質が劣化しても責任を問われ、リストラされるのが嫌で隠蔽することが常態化しているのである。つまりリストラで愛社精神が失われ、自己保身から隠蔽するようになっている。大企業にとっては、言わば自業自得というべき事態である。

またリストラ経営の中で中央研究所の廃止を多くの企業が行い、企業自身の技術レベルが低下していることもある。(2)経営陣の技術軽視が検査デ―タ改ざんを促したというべきだろう。もし製品の劣化の検査結果が出れば、則現場責任者の責任問題となる体質が招いたと言えなくもない。データ改ざん問題の理由の(3)は労働組合を家畜化したことで職場における労組の監視役が不在となったことが、結託してデータ改ざんの隠蔽を許す結果となった。

まとめると、相次ぐ一流企業のデータ改ざん問題の原因は(1)リストラ経営(2)研究・技術軽視(3)労組の家畜化の3つが原因で置き、しかも発覚が遅れたのである。日本の多くの企業が以前の高品質の製品を作れなくなっているのを隠蔽するためにデータを改ざんしているのである。
日本のモノつくり国家を守るには、リストラ経営をやめ、技術重視・品質重視・愛社精神の復活、熟練労働者重視、そして職場の監視役としての労組の経営からの自主・独立が必要なときである。

現代は貿易が大国の戦争の手段となる時代だ!

トランプ大統領が始めた貿易戦争は、2国間の貿易交渉が安全保障と絡めて外交的圧力の手段となった。日本は黒字を削減するためにアメリカから高額な兵器をたくさん買うはめになった。トランプは北朝鮮の非核化への圧力を強めるために中国に貿易戦争をちらつかせた。中国が北朝鮮への影響力を拡大し、北朝鮮への経済支援を開始するや、それは本物の米中貿易戦争となった。アメリカの中国への関税制裁は、中国の「一帯一路」戦略や、先端技術戦略、さらには南シナ海の軍事拠点化などの軍事戦略へのアメリカの戦略的反撃に他ならなかった。

イギリスはEU離脱による、EU側の制裁を防ぐためにイギリスの核戦力によるEUの安全保障上のマイナスをちらつかせて、制裁の牽制を行っている。ロシアは東欧諸国への天然ガスの供給を武器にNATOへの接近をけん制した。中国は「一帯一路」戦略で自己の経済圏への囲い込みを強化した。このように現代は、大国の経済的圧力が安全保障や勢力圏形成の力となり、さらに極言すれば「貿易戦争」が、次の戦争の手段となる時代になっていることを指摘しなければならない。

かってアメリカは、第二次世界大戦に参戦するために、地球の裏側で日本への「ハルノ―ト」を突き付けることで挑発し、その経済制裁が真珠湾攻撃を誘い込み、第二次世界大戦に参戦する戦略目標を達成した。世界は今まさに、経済制裁が戦争開始の手段となる時代を迎えているのである。

とくにトランプの「アメリカ第一主義」は、先進資本主義国の同盟関係を空洞化し、西側同盟を4分5裂にし、ロシアは中東への戦略的影響力を拡大し、中国は南シナ海を軍事拠点とすることでアジア諸国の盟首の地位を獲得しつつある。トランプが同盟国の安全保障への意欲を示さなくなったことで、世界は一極支配から多極化の時代を迎えることとなった。この「多極化の時代」が貿易を戦争の手段とすることを推進したのである。

アメリカが自国第一主義となったこと、世界が多極化の時代を迎えたことが日本に要求しているのは、対米自立の時代を迎えたことを必然化している。日本は戦後72年立って、いまなおアメリカの従属国では生き延びることが出来ない時代であることを、すべての日本人は認識しなければいけない。自立と独自の戦略的外交で、日本の安全保障を再構築しなければいけない。貿易戦争が本物の戦争の手段となったことを自覚して、日本は防衛力の強化をして対米自立を目指さねばならない。もはや日本の防衛を他国に頼る時代ではないのである。

カジノ管理委員会予算は約60億円!

自民党、公明党、維新が成立を強行したカジノ施行法は、カジノの設置・運営にあたる独立した行政組織「カジノ管理委員会」を内閣府の外局として設置することを定めている。内閣府は来年度予算概算要求で、「カジノ管理委員会」の設立準備に7億4000万円、同委員会の運営に52億9400万円を財務省に要求した。

報道によると、カジノ管理委員会の職員は95名で5人の委員と合わせると100名体制での発足となる。シンガポールのカジノ規制機構の職員は約160人でアメリカのネバダ州では同じ委員会の職員は402人だという。つまり日本の100人体制もすぐに膨れ上がることは明らかだ。2021年には全国で3か所のカジノ立地地域が決定され、同24年には開業の運びとなる。

それまでに膨大なカネと人員がつぎ込まれることになる。カジノは日本の個人金融資金を狙うラスベガスのカジノ業者が大物の官僚を雇い、日本企業とのあっせんを外務省に依頼している。外務省がカジノ業者の手先を演じているのである。カジノは巨大な利権であるので、政府の準備に大金と多くの人員がつぎ込まれることになる。ものを生産しないカジノは言わば日本人の個人金融資産を奪う目的でラスベガスのカジノ業者が乗り込んでくる。政府はその手先となっているのである。これも対米従属の表れなのだ。

日本ではいま大きな災害が毎年のように起きる、この人員と資金を災害対策に使うことが今求められている事は明らかだが、大きな利権に目を奪われている自公政権には災害対策などやる気はないのである。事実先の総裁選では安倍首相は災害対策を必要ないと発言した。今後日本は他国のカジノ業者のために大金と多くの人員を必要とすることになる。アメリカの金融資本は日本の個人金融資産1600兆円を奪いたいのである。カジノ推進はまさに売国的行為であるだけでなく、莫大な利権に目がくらんだ恥ずべき行為なのである。

世界経済は脆弱で不安定な領域にとつ入した!

アメリカ連邦制度理事会(FRB)が利上げを実施すると、アメリカのダウ平均株価が800ドル以上値下げし、それは東京市場にも波及し、日経平均株価は一時的に1000円を超える下げ幅となった。これに続いてアジア市場の株価も軒なみ値下がりした。特に中国上海の株式は4,5%も低下し、韓国や台湾の株価も値下がりした。

これはFRBの利上げによる引き締めだけではなく、トランプ大統領がしかける欧州や北米、日本や中国への貿易戦争の影響が世界経済に悪影響を与えるとの判断が、株価の世界同時株安を招いたと言える。アメリカでは長く景気拡大が続いていたが、金利の上昇が企業収益を圧迫し、景気にブレーキをかけるとの見方が広がり、景気の先行きに不安感が高まっている。今回の株安で投資家の間でリスク回避が高まるのは避けられない。

特にアメリカと中国の貿易戦争が長引くことが確実となり、これが世界経済の貿易量を急減させることは確実で、中国経済は危機的な深刻さで、場合によっては政治危機につながる可能性もある。中国を製造拠点としてきた日本企業も大打撃は避けられない。アメリカを中心とする10年もの好景気は自由貿易がもたらしたものであるが、それが政治家の自由貿易からの反転とも言える関税政策で、史上初めて世界恐慌を招く可能性が強まっている。

こうしたアメリカ国内での経済への不安感が11月の中間選挙にどのように反映するのか極めて注目される。中間選挙の勝敗はトランプ大統領への弾劾の成否と再選の可能性にかかわるので、今後のアメリカ国内での反トランプキャンペーンに世界の注目が集まるであろう。自由貿易で世界の市場を拡大し、世界通貨ドルの発行益を一人占めし、貿易黒字国に米国債を売り付けると言う手口で、貿易黒字国を対価なしに収奪するという、アメリカの覇権的利益生む仕組みも、トランプはぶち壊そうとしている。彼はあたかも産業資本家の利益を代表しているかのようであり、アメリカ金融資本はさぞ激怒しているであろう。

米中間選挙の結果は経済的にも、政治的にも重要な民意となるであろう。アメリカ金融資本のトランプ降ろしのキャンペーンはさらに激しさを増すであろう。

トランプ包囲網が影響を与え始めたのか?

国連の場で、トランプ流の外交を主張してきたニッキー・ヘイリー米国連大使が10日、突然辞任表明した。ワシントン・ポスト電子版は「ヘンリー大使が重要な政策を決定する場から排除され、不満を持っていた。」と伝えた。ヘイリー国連大使は将来大統領になることを考えている人物なので、トランプ政権内に長くいるリスクを避けたと見られる。

つまりヘイリー国連大使の辞任は、金融資本のトランプ包囲網が効果を表したものと解釈すべきであろう。もちろん北朝鮮外交を進めるには北朝鮮への経済制裁を進めたヘイリー国連大使が邪魔者であったこともあるかもしれない。

同日アメリカの・ニューヨーク株式市場は長期金利の上昇や米中の貿易摩擦の長期化を懸念して全面安となり、ダウ平均株価は800ドル以上値を下げた。これは今年3番目の下げ幅となった。
11日、東京の株式市場はアメリカン株価大幅下げを受けて一時1000円以上下落した。

アメリカのトランプ大統領は「FRBは誤りを犯している。引き締め過ぎだ。FRBはクレイジーだと思う」と利上げしたFRBを批判した。今回の株価下落は景気がいいのを自分の成果としてきたトランプ大統領には中間選挙を前に手痛い打撃となる。

次々と側近が裏切る中で、トランプ大統領には信頼できる側近が少ない。金融資本のトランプ包囲網がじわじわと影響力を強めていることが表れている。中間選挙で、上下両院で共和党が過半数を失う可能性もありえる。つまり中間選挙での敗北はトランプ大統領への弾劾の成立につながりかねないのである。このような時にFRBが中間選挙前に利上げを行った事は確かに怪しい、トランプでなかっても狙いは中間選挙だとわかる。

しかし白人労働者の層は未だにトランプ支持が強く、中間選挙で共和党が勝利する可能性もある。今後もトランプのスキャンダルが暴露される可能性は強く、中間選挙の結果次第では大統領の弾劾につながるので、トランプ大統領は北朝鮮との交渉どころではないであろう。

高まる台湾独立の住民投票の動き!

中国国内での人権弾圧が報道されるに従い、また香港住民への「一国二制度」の欺瞞が明らかになるに従い、台湾で独立の住民投票を求める動きが激化してきた。台湾の独立を目指す団体は今年四月に結成された政治団体「喜楽島連盟」で名前は台湾の別称から取ったと言われている。中心人物は実業家で大手テレビ局「民視」会長の郭倍宏氏で、李登輝氏と陳水扁氏の元総統の支持を取り付け、また「ヒマワリ学生運動」を源流とする新政党「時代力量」の黄国昌主席も住民投票の趣旨に賛同したという。こうして台湾独立の住民投票の動きが急速に影響力を拡大している。

これに対抗して中国政府は今年9月、杭州で「2018年、浙江、台湾協力週間」の開幕式を行い、これに出席した共産党高官の数は史上最大級で、合意した経済協定は41項目、4770億円に上ったという。これに出席した台湾側は国民党関係者ばかりで、集会は事実上「蔡政権と独立勢力への攻勢としての意味を持つものとなった。

台湾の現行住民投票法では国名や国旗など国家の主権にかかわる問題を扱うことが出来ない為、喜楽島連盟は今秋までに法改正を目指し、そののち住民投票を行う方針で、台湾独立の結果が出る確率は極めて高いと見られている。台湾独立の住民投票が成立すれば、「台湾の祖国への統一」を掲げてきた習近平政権には大打撃となる。

習近平政権は今年4月、台湾近海で2回大規模な上陸演習を含む軍事演習を行った。また5月にはロシア製最新戦闘機スホイ35を台湾周辺上空を飛行させ、軍事的圧力を強めたのは、台湾独立派への武力進攻の脅しに他ならなかった。しかしその直後の台湾メデアの世論調査では住民投票を支持する率は逆に高まったという。(月刊誌「選択」10月号)また中国政府は7月に東アジアオリンピック委員会に圧力をかけて来年8月に予定していた「東アジアユース競技大会」開催を取り消させた。これは東京オリンピックへの台湾の国名で参加を目指す独立派の住民投票への圧力であった。これに対して台湾と国際社会はスポーツに政治を持ち込む中国政府の横暴を批判する声が高まった。

アメリカと中国の貿易戦争の深刻化で、中国経済の大打撃が避けられない中で、台湾の独立志向はさらに高まると見られる。アメリカはオバマ時代は台湾の現状維持であったが、トランプ政権は今のところ独立の住民投票の動きには沈黙を保っている。しかし軍事面では台湾への武器輸出を認め、潜水艦技術の売却にも応じたし、海兵隊の台湾駐留も検討しているとの報道もある。
もし台湾が独立すれば中国政府は武力統一に踏み切る可能性は高い。その為の南シナ海の軍事拠点化でもある。米中関係の対立の激化の中で台湾独立の可能性が高まったと言えるし、同様に中国の軍事進攻の可能性も高まったと言える。

東京オリンピックへの独立した台湾の参加問題は、日本の対応も問われるし、もし台湾の参加を認めれば日中関係も重大な局面を迎えることになる。中国の台湾への武力侵攻が行われれば、尖閣諸島・沖縄をめぐる軍事情勢も激化する可能性を見ておくべきである。

非核化の「前進」を演出したポンペイオ訪朝!

暗礁に乗り上げていた北朝鮮の非核化交渉が動き出した。トランプ大統領は中間選挙を前に成果がほしい点を北朝鮮は見透かしている。

アメリカが求めている「すべての核関連施設リストの申告」は見通しが立たず。既に生産し、保有している核の破棄も、北朝鮮は未だ触れていない。新聞報道によると、ポンペイオ国務長官と金正恩委員長の間で話し合われたと見られるのは、寧辺核施設を破棄することと、アメリカの連絡事務所を平壌に設置する、という取引のようである。(つまり北朝鮮はアメリカの譲歩を待っている段階である。)これがポンペイオ氏の「完全なる非核化の第一歩」のようだ。北朝鮮は未だ全ての核施設の査察も受け入れてはいない。

北朝鮮は段階的に核施設を破棄することと引き換えに、朝鮮戦争の終結宣言を勝ち取り、その上で在韓米軍の撤兵を取引で求める考えであるのは明らかである。したがって細切れに取引で譲歩を獲得するハラであり、最終的に核放棄に進む保証は何一つない。朝鮮戦争の終結宣言を取引で勝ちとれば、核廃絶と在韓米軍の撤兵を最終的取引とするハラかもしれない。

外交の上の取引は選挙の成果欲しさの狙いを読まれている方が弱いのは明らかで、北朝鮮にすれば中国から必要な物資が入るようになった以上急ぐ必要はない。ただ金正恩委員長が米朝対話にのりだした以上、交渉が失敗すれば最高指導者のメンツにかかわる。金正恩委員長が米中の貿易戦争や南シナ海の出撃拠点化でアメリカと中国が戦略的対立を深めている中で、どれだけ真剣に核廃絶を考えているかは分からない。

北朝鮮が米中の対立の中で、アメリカからも、中国からも譲歩を得ようとする可能性があるので、非核化交渉は長引き、かつ混迷する可能性がある。米中の対立激化で北朝鮮の戦略的優位の側面が出てきたのでアメリカが何処まで譲歩する気なのか、本当に韓国から米軍を撤兵するのか?注目される点である。また中国がアメリカの北朝鮮取り込みを許すとも思えない。米朝交渉は米中の対立激化で複雑な様相を強めている。

北朝鮮の核施設の解体と経済復興の費用は100兆円と言われている。安倍首相はこの経済負担に前向きな約束をトランプに与えているが、日本にとっては拉致問題の解決なしに負担は有り得ないことを国際的にも安倍首相は明言しておくべきだ。

中国は恐ろしい国という認識が世界に広がる!

新疆ウイグルでは100万人もののウイグル族が収容所に入れられ、拷問を受けている。温泉の調査を依頼された日本人が山を調査していて、スパイの疑惑で逮捕され拘留された。他にも日本人のスパイ容疑での逮捕者が数人いる。日本は偵察衛星をたくさん持っており、中国の軍事基地の調査をスパイすることはない。第一スパイ組織がない。全てでっち上げと見られる。

中国の多くの人権派弁護士が知らぬうちに姿を消す。誰も知らないうちに収容所に入れれれているのだ。

中国の女優ファン・ビンビンさんは今年5月に姿を消した。どうやら脱税容疑で逮捕されているらしい。

また中国に向かった国際刑事警察機構(IPCO)総裁の孟氏が行方不明になった。中国の国家監察委員会は7日、孟氏が「法律違反の疑いで調査を受けている」と発表した。

中国が人権問題を抱えている事は今や誰でも知っていることだ。社会主義の毛沢東時代には人民の壁新聞やデモをする権利が認められていた。官僚独裁の国家資本主義に移行して以後、中国は恐ろしい国になった。

「1国2制度」と言われた香港からも、知らぬうちに逮捕された人がたくさんいる。いまや「1国2制度」が欺瞞だということは香港や台湾の人達は分かっている。社会主義を乗っ取った走資派の官僚どもの弱点は人権問題だ。自分たちの特権的支配を維持するために彼らは官僚独裁をやめるわけにいかないのである。

これだけ人権侵害が酷いと、うっかり観光にも行けない。習近平政権はその強権的支配で、逆に政権のもろさをさらけ出している。中国における人権侵害は彼らの弱さの表れなのである。中国では「人民党」がうまれ、新しい自主管理労組を作る運動が広がり、知識人と労働者・農民の団結が進んでいる。強権的支配は習近平政権の弱さの表れなのである。中国社会で、左の風がますます強まるであろう。

日本人には理解出来ない韓国戦犯旗問題!

韓国済州島で10日から行われる国際観艦式に、韓国政府が日本側に対し、自衛艦旗である旭日旗を掲揚しないよう要請した問題は、日本人には理解出来ないことだ。

韓国では「日本の軍艦の入港を許すな!」との請願が青瓦台掲示板に殺到し、海上自衛隊旗に韓国民が憤激しており、これを受けて韓国政府と韓国海軍は「海上自衛隊旗を掲げないで」と要請する騒ぎになった。これに対し海上自衛隊は自衛艦旗の掲揚が「国内法令で定められている」(村川海上幕僚長)として韓国の要請に応じない方針だったが、その後この国際観艦式に参加しないことを決めた。

韓国人が、海上自衛隊の自衛艦旗である旭日旗をなぜ「戦犯旗」と呼ぶのかわからない。国旗の日の丸は認めて、なぜ旭日旗なのか分からない。韓国を併合し駐留・統治したのは陸軍であるのに、なぜ旭日旗を「戦犯旗」と呼ぶのか分からない?先の大戦で陸軍は残虐な事をたくさんしたが、海軍に韓国民が反発するようなことをしたとも聞いていない。

今回の、韓国戦犯旗問題の背後に支持率が低下した文政権がいよいよ反日のカードを切るのかと思わざるを得ない。未だに反日なのは韓国だけで、それ以外の世界のすべての国民は、日本が平和主義であることを知っている。軍事予算だってGDPの1%以下だ。韓国の方が60万人以上の軍と徴兵制で、日本よりよほど軍国主義である。

韓国のある大学教授は「日本はドイツとは違い、戦後、誠意をこめた謝罪どころか、戦犯旗を海上自衛隊旗としてまた使用するなど破廉恥な行動を続けてきた。」として「日本が帝国主義思想捨てられなかったという証拠」が戦犯旗を復活させたことだ、とのメールを世界45カ国に送信したという。韓国の人達は、日本が戦後改革で民主的で平和国家になったことを知らないのであろうか?日本人には理解出来ないことだ。

慰安婦問題も、戦犯旗問題も、日本人の目には、「坊主憎けりや袈裟まで憎い」のたとえのように、根拠のない反日キャンペーンを試みているとしか見えない。韓国の政治家は戦後自分の支持率が低下する度に反日運動で支持率回復を図ってきた。それがありもしない「戦犯旗」なる嘘を作り上げたとしか思えない。反省すべきは韓国の人達の方ではないかと思う。

この問題を放置するとますます両国の対立が激化しかねない。政府は抗議の意味で大使を引き揚げ、国交を一時的に閉ざすぐらいの措置を取るべきである。

貧困層の消費の減退進む日本!

アベノミクスは日本の貧富の格差を空前の規模で拡大した。日本の富裕層はこの5年間で資産を2,4倍に増やしたが、日本の労働者は非正規化と裁量労働制等の残業代の不払い等で貧困化した。貧困層の年金も下がり続けた。とりわけ高齢者は後期高齢者医療保険制度等の収奪機構によって貧困化した。

結果低価格購買層の購買力が低下したのである。日本市場から外資の小売、外食チェーンが撤退や事業縮小する例が増えている。アメリカのアパレル・ブランドの「OId Navy」が2017年1月53店舗を閉鎖し全面撤退した。服飾インテリアブランドの「ローラ アシュレイ」は今年1月110店舗を閉店を決めた。スウェーデン生まれのファション・チェーン「H&M」は銀座店を閉店した。これらのチェーン店は低価格帯のブランドである点が特徴だ。つまり外資は日本市場が貧困層のさらなる貧困化ゆえに日本市場から引き揚げ始めたのである。

アベノミクスの失敗は労働時間の弾力化を進め、働き方改革を進めた、裁量労働制は残業代を払わなくても長時間労働を可能にした。「働き方改革」や非正規化の拡大はすなわち労働者層の貧困化であった。アベノミクスが最低賃金の大幅増や残業代割増賃金の率を100%にし、長時間労働を大胆に規制しておれば、省力化投資を引き起こし、賃金の上昇で個人消費を上昇させることができたのであるが、アベノミクスの特徴は貧困層のさらなる貧困化だと外資は見抜けなかった結果である。

アベノミクスは日銀の国債引き受けによる資金の量的緩和や年金資金を株式市場につぎ込んで株価を上げたことだ。景気が良くなれば株価は上がる。しかし株価を上げれば景気が良くなるわけではない。企業はぼろ儲けしているのに賃金が上がらなければ、増えるのは富裕層の資産ばかりであるのは当然だ。こんないい加減な経済政策はバブルであり、いつか崩壊する。日本では低価格帯の居酒屋チェーンですら経営不振だという。労働者が貧困化で「家呑み」「立ち呑み」が増えているというのだ。

つまり5年間で富裕層の資産が2,4倍になったと言ってもそれはバブルだ。株価が暴落すれば泡と消えるのである。外資はバブル崩壊が近いから撤退し始めたのである。個人消費が縮小するデフレはすなわち日本経済の縮小なのであるから、それはパイの拡大ではなくただ搾取の強化なのである。低価格帯の購買力の低下はすなわち労働者の貧困化の結果なのである。連合が来年から賃上げを掲げるのをやめるという話もある。これでは日本経済の縮小再生産は止まらない。問題は労働者層への分配率が低下していることなのだ。ブルジョア階級の自公政治に労働者の賃上げ求めることは無理なのかもしれない。

大統領が孤立するホワイトハウスと左傾化する民主党!

アメリカは今,二つの傾向性で揺れている。一つはトランプ大統領の現状を告発した「匿名の政府高官」のニュヨーク・タイムス紙の告発文が出て、ホワイトハウスはパニックだ。ドナルド・トランプ・ジュニア(長男)は「父にとって信頼できる側近の輪が狭まっている」と語り、二男エリック氏は「俺は不忠の輩を憎む」とツイ―トした。つまり大統領がホワイトハウスで孤立しているのである。匿名の高官の犯人探しが盛んで数十人の高官が「自分ではない」と公に表明しなければならなかったほどだ。

元大統領の顧問弁護士が裏切り、検察側の協力者に転じ、トランプ・オ―ガニゼーション最高財務責任者が裏切り、司法取引で刑事免責を得た。選対本部長までもが検察側に協力するようになった。これだけ次々トランプの側近が裏切ると、ホワイトハウスは構造的に「裏切り者・内通者の巣窟」になった。トランプ大統領は誰も信じられずに、たまに信頼できる人物と思うと、部下に側近の極秘捜査・盗聴等の酷い任務を押し付ける。

官僚は、元々政策の継承性を重視する。ところがトランプ大統領は、オバマ前大統領の政策をことごとく覆す。これでは官僚にすればトランプ大統領が「小学生ていど」の理解力に見える。こうしてトランプ大統領の周りにはプロが辞職し、素人集団ばかりになる。しかもその集団にはトランプが無理難題を押し付けるのであるから新たな内部告発や、リークや裏切りは必至だという。ホワイトハウスの国家安全保障チームが「史上最低の人材」になってしまったという。どうやら米金融資本は本気でトランプの弾劾に進み始めたと見える。

二つは、野党の民主党の混迷である。反共の総本山であったアメリカで、若者が「社会主義」にあこがれ、民主党内に「自分は社会主義者」と胸を張る候補者が急速に増えているという。若者の「左傾化」は社会的背景がある。学生ローンは深刻で医学部卒の学生の7割が平均で十九万ドルという莫大なローンを抱えている。5年後には大卒者の40%が破産すると言われている。さらにはアメリカにおける医療費負担の重さがある。「国民皆保険」や「最低賃金を15ドルに」などの社会主義的公約が中間選挙の予備選で堂々と掲げられるようになった。民主党も共和党以上に分裂し始めたのである。アメリカの若者たちがマルクス主義を学習し始めたことがトランプ再選には有利に働く可能性がある。

今のところ中間選挙の報道では「民主党の下院奪還が確実、上院の逆転も視野に入る」と言われているが当てにならない。先の大統領選でもヒラリーが勝つと言われていたがトランプの大勝利となった。もはやアメリカ国民はマスコミには操られることはない。どう見てもトランプの再選は動かないようである。ホワイトハウスの慣習をすべてぶち壊すトランプを、アメリカ国民は支持しているのである。民主党が左右に分裂すればするほど、中間選挙でトランプ陣営が有利になる。混迷のアメリカはまだまだ混迷を深めそうだ。

貿易戦争が招く経済危機と軍拡の先にあるもの!

トランプ政権の貿易戦争はメキシコ・カナダ・中国・欧州・日本に2国間交渉で圧力をかけてねじふせる。まるで貿易が戦争の手段となったかのようである。表向きは全ての貿易黒字国に貿易戦争を仕掛けているように見えるが、狙いの中心は最大の貿易黒字国である中国だ。

トランプの中国への関税上乗せは7月の340億ドルと9月の2000億ドルの追加制裁で影響はこれから出てくる。今回のアメリカの貿易戦争は日本が1985年に経験した「プラザ合意」とよく似ている。プラザ合意によって日本の円は2年間で約2倍に上昇し、その結果製造業のアジアへの大移転が起きた。中国でも同様のことが起きるであろう。すでに「世界の工場」と言われた中国に、輸出型生産拠点を置く経済的意味はなくなった。

貿易戦争に習近平政権は一歩も引かない、いや引けない。中国は国内経済の刺激策で切り抜けるほど、内陸部は資本蓄積がない。つまり政府主導の武器生産増強以外内需拡大策は取れそうもない。中国の輸出企業は多くが倒産に追い込まれる可能性がある。日本の「失われた20年」よりも深刻な苦境に中国が追い込まれるのは疑いないことである。習近平政権が文化大革命時のスローガン「自力更生」のスローガンを掲げ始めたことがその深刻さを示している。

2016年に世界貿易機関は加盟国が月平均154もの保護主義的措置をとったと発表した。この結果世界貿易は15年~16年にかけて15%減少した。今回のトランプがしかけた貿易戦争が世界の貿易をどの程度縮小し、経済危機をどの程度深刻化させるかは分からないが、恐らく世界恐慌を引き起こすほどのモノとなるであろう。

トランプは貿易戦争と共に「強いアメリカ」を目指し大軍拡を行う。貿易の縮小で不況になれば、発展途上国は、国内が騒乱に巻き込まれる。当然武器が売れるようになる。トランプの中東政策は地域を騒乱に巻き込んで武器市場とする狙いがあり。貿易戦争は世界中を軍事力増強に巻き込んでいる。経済的対立は、政治的対立となり、軍事的対立へと進行するのである。自由で開放的な国際経済秩序すなわち自由貿易が崩れ始めた。

アメリカ国民はトランプの政策を支持しているが、それが物価を急上昇させ、自分たちの生活を圧迫し始めた時、政治的反転が来るであろう。アメリカ人民の生活上の困難がさらに戦争の道を進ませる可能性も見ておかねばならない。歴史が教えているのは、貿易戦争が招く経済危機と軍拡の先にあるもの、それは世界戦争なのである。

安倍首相の改憲は口先だけだ!

自民党は長年改憲を掲げてきたが、一度も本気で改憲に取りかからなかった。ただ「改憲を目指す」と言うと、野党が「護憲」を掲げるので、政治的焦点が中心課題から外れてしまうのである。現在の日本の政治課題は「アメリカファ-スト」の米大統領の登場で、もはやアメリカ追随一辺倒では日本の利益にならない中で、対米自立が検討されなければならないのに、野党はいつまでも護憲から離れられないのである。

現在の憲法制定権力はアメリカであり、アメリカが賛成しなければ憲法は改正できない。また改憲のハードルが高いので戦後一度も憲法は改正できない。アメリカは日本を自立させないために現憲法を押し付けたのである。憲法第98条で②で「日本国が締結した条約及び確立された国際法規はこれを誠実に遵守することを必要とする。」としているのは、日米安全保障条約を遵守するということである。

アメリカは日本をいつまでも従属国にするために現憲法を押し付けたのであり、その為に日本は戦後70年以上経っても自立できないでいる。日本の国民にとっての最大の政治課題(=民族的課題でもある)は対米自立であるのに、与野党はこの問題から逃げ、意味のない「改憲か護憲か」の対立に見せかけているのだ。基本的に憲法は紙切れだ。だからイギリスは憲法を持っていない。

憲法9条は、アメリカが日本をいつまでも支配するための非武装条項であり、米軍がいつまでも日本に居座るための条項であり、したがって共産党の言う「憲法9条は日本の宝」などではない。ただ対米従属条項に過ぎないのである。戦後の日本が70年以上も平和であったのは、世界最強の米軍が駐留する国に誰も侵略できなかっただけの話だ。憲法9条があったから平和だったというのは法的観念論者の幻想もしくは虚構に過ぎない。

したがって親米従属派の安倍首相が「改憲」をやる気がないのは明らかだ。ただ改憲のポーズをとっているにすぎない。来年は統一地方選があり、参院選挙がある。公明党が選挙に影響する改憲に賛成するとも思えない。やる気がないのに、組閣の度に「改憲」を口にする安倍首相は、ただ政治的理由で言っているにすぎないのである。いま改憲の動きなどすれば世界中が日本の戦争路線を警戒することになる。それは中国や韓国の反日運動家を利するだけなのだ。日本が必要としているのは対米自立であり、自分の国を自分の力で守れるようにすることなのだ。
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