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米メキシコ2国間協議合意がもたらすもの!

トランプ大統領が、北米自由貿易協定を不公平として2国間協議を追求していた米メキシコ2国間協議が合意した。報道では、合意の内容は自動車の原産地規制について、現地調達率を現行の62,5%から75%に引き上げることや、また40~45%を時間あたり最低16ドルの賃金の工場で生産する。また自動車輸出に上限を設け、この上限を超える分について25%の関税をかけるとしている、という。この交渉に参加しなかったカナダはこの協定に参加するかどうかが迫られ、その動きが注目される。

北米自由貿易協定はアメリカ・カナダ・メキシコで構成している。年間貿易総額が1兆2000億ドルにのぼる。アメリカとメキシコの年間貿易総額は5500億ドルで、アメリカの輸出品の16%はメキシコ向けで、メキシコの輸出品の約80%がアメリカ向けとなっている。つまりアメリカ市場に一方的に依存するメキシコが、トランプの理不尽な要求に屈した形となった。

問題は、メキシコをアメリカへの輸出基地と位置付けてきた日本の自動車産業が、この2国間合意を受けて、生産体制を見直すほかなくなったことだ。最低賃金を16ドルに上げたり、アメリカ向け自動車の輸出に上限が設けられたり、部品の現地調達率を75%に上げなければならなくなった。これは日本の自動車産業には打撃になるのは明らかだ。

日本の自動車産業はイギリスのEU離脱でEU市場に輸出できなくなる恐れが出ており、今度はメキシコの輸出基地が打撃を受けることになった。さらにはアメリカとの2国間交渉で牛肉・豚肉・コメ等の市場開放を突き付けられ、安倍政権は重大な局面を迎えている。このままトランプの言いなりになると、自動車産業だけでなく、日本農業の大打撃となりかねない。

アメリカと中国の貿易戦争でも日本企業はとばっちりを受けることは避けられず。日本経済の先行きが真っ暗な状態となりつつある。安倍首相がいくらトランプに迎合しても、トランプの決意は固く、その理不尽極まる2国間交渉で、アメリカの同盟国が大きな打撃を受けることになる。トランプのこの2国間交渉が世界経済に与える打撃がどのようなものとなるか?世界中が注目している。
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米中貿易戦争とリンクする北朝鮮非核化!

トランプ大統領は8月24日ポンぺオ国務長官の北朝鮮訪問の取りやめを指示した。また29日にはトランプ大統領は記者団に「中国が米朝関係をさらに難しくしている」「アメリカと貿易で対立しているからだ。」との認識を改めて示した。
一方アメリカのメディアは、トランプ大統領が今年6月の米朝首脳会談で金正恩委員長に対し「会談の後すぐに朝鮮戦争の終結宣言に会談後直ちに署名すると、口頭で約束していたため、北朝鮮が約束を守らないと反発している、との情報も流れている。トランプ政権が約束の後で「核兵器の大部分をまず解体すべきだ」と繰り返したのは朝鮮戦争の終結宣言に署名すると、北朝鮮が韓国駐留米軍の撤退を要求することが明らかなので、約束を覆した結果「非核化の交渉がこう着した」ということなのである。

たしかに、アメリカと中国の貿易戦争がエスカレートする中で、中国は対北朝鮮貿易を再開しており、国連の北朝鮮制裁は既に破られており、北朝鮮に物資が流れ込み、北朝鮮は核廃絶の行動を急ぐ必要がなくなっている。こうした米朝交渉の行き詰まりの中で、韓国の文大統領は非核化交渉と切り離して南北関係の改善を進めようとする動きも表面化している。文大統領は9月に訪朝して3度目の南北首脳会談に臨む方向であり、北朝鮮に南北の当局者が常駐する共同連絡事務所を開設する計画であり、韓国の先行にアメリカ側から懸念する声が出ている。韓国内には南北統一後の半島国家が核兵器を保持するため、北朝鮮の非核化に消極的な声があり、アメリカ側は当然にも南北対話先行に懸念と警戒の声が出ている。アメリカ政府は当面中国を貿易戦争で締め上げる戦略のようで、北朝鮮は核兵器生産の時間的余裕を得た形となった。

米中貿易戦争は7月に相互に340億ドル相当の関税の適用から、9月以降には対象を2000億ドルにまで拡大する。このため中国輸出企業は7月以降対米輸出が20~40%マイナスを覚悟していると言われ、深せんでは輸出企業がバタバタ倒産しているといわれ、我慢比べの米中貿易戦争は明らかに中国企業の方がダメージが大きく、習近平政権がアメリカに対抗すればするほど中国経済は企業倒産・銀行の破たん・株価暴落の危機が迫ることになる。したがって米中の貿易交渉が話合いで解決すれば、米朝交渉の再開もありうるかもしれない。米中貿易戦争と北朝鮮非核化問題がリンクする事態が生まれているのである。

国民の信頼を失った官僚の腐敗を正せ!

森友・加計問題で、国有地や公有地をただ同様の価格で首相の友人に払い下げ、国会で追及されるや、安倍首相を庇う官僚の姿は、見苦しく、誰のための官僚なのかを忘れている。有印の公文書が改ざんされたり、残業代の支払いを免除する裁量労働制の拡大を企んだ法案の基礎となった調査資料がデタラメであったこと、文科省幹部が接待汚職事件で逮捕されたり、文科省局長が自分の息子を医大に「裏口入学」させた事件など官僚の腐敗が次々出てくる。

最近では障害者雇用促進法で行政機関や企業に義務付けられている障害者雇用率が「水増し」でごまかされていた事が分かった。最近の報道では昨年6月時点で雇用していたとされる障害者6900人のうち3460人が「水増し」だという。障害者雇用促進法を達成できなかった企業は一人当たり5万円の納金をしているのに、中央省庁が法律違反の約半数が「水増し」では、もはや誰も官僚を信用しないであろう。警察官僚もたるんでいる、犯人を警察から逃がしてしまい、何億円という高額の捜査費用と人員3000人を動員しても逮捕できない。初動で半日も手配が遅れたのだから、お粗末どころではない。

一国の首相が自分の友人のために国有地や公有地を払い下げて、政治権力を私的に利用しているのだから、官僚がそれに見習い、自分の息子を医大に裏口入学させるのは当然と言えば当然なのだ。そもそも官僚は政権トップに見習う習性がある。2歳のこどもが行方不明になり、その捜索に警察など140人が動員されて3日立っても救いだせなかったのが、民間のボランティアがたった30分で見つけ出したように、あらゆるレベルで官僚が役だたずになっている事を指摘しなければならない。

その官僚が裁量労働制の仕切り直しの調査を始めると言うが、これはおかしい。まず始めに官僚の腐敗を正すのが順番ではないのか?消費税の10%への増税もそうだ、増税の前に官僚の腐敗を正して貰いたい。かっては政治家が腐敗しても「日本は官僚組織が優れているから大丈夫だ」と財界のボスが語ったものだ。ところが今では政治家の腐敗を官僚が公文書を改ざんして守るのだからどうしょうもない。これでは国民の政治不信が高まるのは当然だ。

安倍首相はこんな事態を招いた責任をはっきりさせてから再選に望んでもらいたい、普通なら責任をとって辞職すべきなのに、9月の自民党大会で再選を目指す理由を国民に真摯に説明するべきだろう。

中国走資派指導部の労働者・知識人への弾圧を糾弾する!

報道等によると、深せんの溶接機器メーカーの労働者は超過残業や過酷な罰金、積立金の欠損など違法行為があるとして今年5月労働組合結成の準備を開始した。すると組合組織化を進めていた代表者が殴られたり解雇されたりした。
7月下旬には解雇撤回を求めた労働者や支援者約30人が相次いで警察当局に逮捕され、14人がまだ釈放されていないという。これに対し大学生による支援の動きが広がりました。

中山大学大学院を卒業した沈夢雨さん(26)がインターネットで支援を呼び掛け、北京大学・をはじめとした各地の学生が現地で支援グループを組織した。7月27日には北京大学・中国人民大学・南京大学の学生らが支援声明を発表し、その声明は16大学に広がった。8月11日には沈さんが何者かに連行され、行方不明になり、8月19日には北京大学卒業生らが習近平総書記あてに拘束者の解放などを求めて公開書簡を出した。24日朝には支援グループの宿舎に警察が踏み込み、学生ら約50人が拘束されたという。

中国走資派指導部は労働争議に知識人が連帯するという初めての動きに、また声明文のタイトルが「労働者階級万歳!」という毛沢東時代のスローガンであったことから腐敗した官僚を打倒する文化大革命の悪夢と、ポーランドの「連帯労組」の共産党1党支配打破が思い浮かび、震え上がったことは容易に想像できる。こうした動きがあったので習近平の個人崇拝を煽るポスターや横断幕が全国で何の説明もなく一斉に撤去されたのである。

支援を呼びかけた沈さん(女性)は名門の中山大学大学院卒業後、労働者の権利保護の先頭に立とうと決意し、工場の女性工員となり、今年4月従業員代表として給与交渉を行って解雇された経歴の持ち主であった。彼女はネット上に声明文を上げ、それを数万人が閲覧し、支援署名も数千人に及んだ。中国当局は支援声を次々削除した。

支援の学生グループが拘束された24日には国営の新華社通信が中国メディアとして初めて報道し、今回の争議は「背後に西側の支援組織がある」とデマを流した。中国当局は全国の大学に抗議に参加させないよう通達を出し、争議に参加している学生の親を現地に呼び寄せ子供たちを説得するよう働きかけている。企業の違法行為を問題にせず、争議を弾圧することのみ血道を上げる点に、中国走資派指導部の狼狽ぶりが表れている。

我々は、中国労働者の自主管理労組建設を断固支持し、正義の闘いへの心からの支援を表明する。中国における労働運動が知識人と団結・連帯することで、中国の継続革命を裏切った走資派指導部の打倒につながるであろうことを確信し、その闘いに断固支持を表明する。中国政府は沈さんを釈放せよ!逮捕した学生を全員釈放せよ!企業の違法行為を摘発せよ!中国労働者は走資派が指導する「家畜労組」に対坑する自主管理労組を建設し、闘いを展開するよう呼び掛けるものである。
   新世紀ユニオン執行委員長 角野 守

中国深せんで労働争議に学生が参加!

8月26日の朝日新聞の報道によると、中国広東省深せんで起きた溶接機械工場の労働争議に数千人の学生が連帯を表明するという注目される動きが起き、中国警察は学生ら50人を逮捕した。労働争議が起きている会社は、中国資本の溶接に使う機械メーカーで、争議のきっかけは長時間労働や従業員への罰金制度など不当な待遇に対する改善要求だった。従業員達は労働組合の設立も求めたが認められなかったという。

今回の特徴は、労働者の闘いに知識人が参加し、指導した事である。広東省の名門中山大学の大学院を卒業した沈夢雨さん26歳が、卒業後労働者の権利保護の先頭に立とうと工場労働者になった異色の経歴を持つ。沈さんらの抗議と呼び掛けが注目を集め、北京大学でセクハラ事件の情報公開を求め、一時軟禁されるなどした経験を持つ卒業生女性など全国16大学の学生数千人が支援声明に署名した。

声明は「労働者階級万歳!」という毛沢東時代をほうふつとさせるスローガンで、労働者の権利を守る闘いが自分たちの未来にもつながっている事を訴えている。闘う労働者と学生の結合はこれまでの中国にはなかったことで極めて注目される事件である。

かってポーランドでグダニスク造船所の自主管理労組が、大学教授や学生の指導で全国闘争に発展し共産党政権を打倒した経緯があり、中国走資派指導部は極めて神経質になって、学生たちが大学に帰る時期を狙い逮捕にのりだしたようである。かって家畜化した労組に反対する新世紀ユニオンのブログ記事を、中国の若者が翻訳し、中国の労働者に学ぶよう紹介するサイトを立ち上げたことがあった。

私はこのころから中国に自主管理労組ができるか?知識人と闘う労働者の団結ができるかを注意して見てきた。今回の報道は中国で自主管理労組ができつつあるが、当局が許可を与えていないことが明らかとなった。
毛沢東は官僚支配の道具となった共産党の1党支配を覆す予行演習であった「文革」で、紅衛兵(学生)を農村に下放させる運動を行った。これは農村に知識人を下放させることで大衆と知識人の団結を作る狙いがあった。今回資本主義化が著しい工業地帯の深せんで闘う労働者と知識人の団結が公然化した意義は大きいものがある。これは中国の労働者の手本になることであり、官制労組ではない、闘う自主管理労組を労働者と団結した知識人が闘いを進める事の重要性を指摘しなければならない。

沈氏が中国のワレサになれるのかはわからないが、知識人と結合することで中国の労働運動はその革命性を一段と高めることになるであろう。「文革」時代のスローガンである「労働者階級万歳!」が掲げられた声明に、中国共産党走資派指導部は震え上がったであろう。
       新世紀ユニオン執行委員長 角野 守

トランプの関税戦争は何処までやるのか?

カナダやメキシコに25%の関税をかけ、中国とは追加対中経済制裁で500億ドル相当に拡大し、さらには2000億ドル(約22兆円)の大規模制裁に焦点が移る。中国へのアメリカの要求は知的財産権の侵害をやめること、過剰な政府補助金でのハイテク産業育成策「中国製造2025」を放棄することだ。トランプはアメリカ市場への輸出拠点を潰したら、アメリカが産業国家に復活するとでも思っているかのようだ。

いま中国企業がやっている事は、ベトナムに倉庫を確保し、商品を少し手を加えて「ベトナム製」としてアメリカ市場に輸出することだ。日本企業は中国やメキシコやイギリスを輸出基地にしてきたが、そのすべてが関税戦争で破壊されようとしている。イギリスのEU離脱も、EU向け輸出基地にイギリスを位置付けてきた日本企業には大打撃となる。

トランプの、この「アメリカファースト」の政策で、アメリカ人はこれまでよりも高価な商品を買うはめになる。鉄鋼やアルミ製品に25%の関税をかけてもアメリカの鉄鋼産業やアルミ産業が復活するとも思えない。何故ならアメリカは人件費が高いのでむりなのだ。トランプは経済を強くして、その上で軍事力を強化しようとしているが、それが関税戦争でうまく行くわけではない。

安い労働力を求めて多国籍企業が発展途上国に工場を移転するのは競争力を高め利潤率を上げるためであり、それゆえ資本主義国家は不均等に発展する。資本主義の不均等発展にトランプはドンキホーテのように立ちはだかる。それでは生産拠点が中国やメキシコから別の国に移るだけなのだ。トランプの政策にもかかわらず、アメリカの多国籍企業が工場を自国に戻したというニュースは未だない。

オバマ時代のアメリカは、世界通貨のドル発行益を一人占めし、安く他国の商品を買いまくり、貿易赤字を武器に黒字国にアメリカ国債を買わせてドルを還流し、対価なしに貿易黒字国を搾取してきた。こうしてアメリカの国民は安く商品を手に入れることができたのである。アメリカの経済戦略の武器であった「貿易赤字」をトランプは削減しようと躍起になっているのだ。これではアメリカ金融資本は怒り心頭であろう。金融国家の有利を捨てて、まるで産業国家復活策を進めているのだ。これは政治と経済の「反動復古」というしかない。

トランプは金融資本家ではなく不動産屋だからこのようになるのだが、世界経済が大打撃にならないうちに何とか自由貿易に回帰できないものであろうか?世界の輸出基地を潰してもアメリカの利益にならない事がわかるまで、トランプの「アメリカファースト」の政策は続くと見なければならない。

トランプ再選は動かない!

アメリカで気になるニュースが流れた。トランプ大統領の元個人弁護士が「司法取引」に応じたほか、元選対本部長に「有罪」の評決が出た。ロシア疑惑を否定するトランプ大統領にはダブルパンチの痛手だ。
トランプ大統領の元個人弁護士マイケル・コーエン被告が、ニューヨークの裁判所で選挙資金法違反等8つの罪を認める代わりに、当局の捜査に協力する「司法取引」に応じた。同被告はトランプ大統領と不倫関係にあったとされる元ポルノ女優らへの違法な口止め料について、選挙への影響を考えて支払ったとし、トランプ大統領から指示があったことを証言した。

バージニア州では同じ日、トランプ大統領の元選対本部長で、脱税の罪に問われているポール・マナフォート被告に有罪の評決が出た。マナフォート被告は選挙期間中にロシア人弁護士と密会していて、「ロシア疑惑」捜査の鍵の一つとなっている。トランプ大統領の元側近の罪が次々明らかになり、11月の中間選挙にも影を落としている。

こうした中でもアメリカ経済は好調で、中国との貿易戦争の影響が今後どのような形で表れるか注目される。しかしアメリカの大統領選は現職が勝つ可能性が高く、中間選挙にトランプが勝利して再選を果たす可能性は高い。その根拠の一つは好調な経済であり、2つは、野党の民主党が割れ大統領候補が2人となるので、トランプが優位となる。

アメリカでは今、社会主義者を自任する若者が増えている。右傾化するトランプ政権は民主党の一部からは「トランプファシズム」と言われており、これへの反発からか、民主党のリベラル派が社会主義へと傾斜し、マルクス主義の革命理論やノウハウを学ぶ勉強会が開かれるほどで、かってヒラリー・クリントンと闘ったサンダース候補を支えた若者が、より左傾しているのである。民主党の分裂はトランプの再選には有利であるので、今のところ再選は動かないと見られる。

「ロシア疑惑」捜査等が弾劾に結び付くかどうかは、先の事なので、再選後に弾劾問題が浮上するかもしれないが、それはまだまだ先のこととなるであろう。

イランはホルムズ海峡を封鎖するのか?

トランプ大統領は12年間もかけて合意した「イラン核合意」をいとも簡単に破棄した。アメリカがイランに求める要求は4点で(1)ウラン濃縮の停止を含めた無期限の核開発制限(2)弾道ミサイルを拡散させない(3)シリアからイランの部隊を撤退する(4)イエメンやアフガニスタンの内戦に関与しない、である。

トランプ大統領はイランの脅威を受けているイスラエルの安全のために動くことで、中間選挙でユダヤロビーや、キリスト教右派の支持を固めたいのである。トランプはイラン産原油の輸入停止を各国に求めていおり、このアメリカのイラン経済制裁の期限は11月までであり、アメリカの中間選挙も11月である。

7月22日にはイランの最高指導者のハメネイ師が原油輸出が不可能になればホルムズ海峡の封鎖に踏み切るとの可能性を示唆したロウハニ大統領の発言への支持を表明した。8月2日にはイラン革命防衛隊が100隻以上の艦艇でホルムズ海峡の封鎖の演習を開始した。この演習の目的は世界に海峡封鎖の能力を示すことである。またイランは紅海のバベルマンデブ海峡の封鎖をイエメンのフーシ―派を通じて行う力がある。

問題はトランプがイランとの軍事対決まで意図しているのか?それとも中間選挙までの戦術なのか?であり、イラン産原油の輸出が止まればイランは海峡に機雷を敷設して揺さぶりに出ることは避けられないようだ。いずれにせよ原油価格は高騰する可能性があり、日本のように原油の70%をホルムズ海峡経由で輸入している国はエネルギー危機さえ心配される事態なのである。

ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーンの間の幅33キロの海峡だが、水深が浅く、大型タンカーの通れる部分は幅7キロしか無い。しかもイラン革命防衛隊は昔のアメリカ空軍が使用していたミサイルを保持している。海峡の封鎖能力があると見るべきで、トランプはオバマ前大統領の政策を潰すことばかりやっているが、イランの反撃による中間選挙でのリスクがあるので戦争までは踏み込めない可能性がある。

イランへのアメリカの経済制裁の結果イラン経済が衰退すれば、「窮鼠猫をかむ」事態もありうるし、原油価格の高騰は世界経済にとって脅威となりかねない。11月まで全世界がイランに揺さぶられることになる。

核心としての習近平の地位は揺らがず!

中国共産党の長老達が出席する北載河会議が開かれた模様だが、噂された「習おろし」は不発に終わったようだ。しかし見逃せない動きもある。党中央宣伝部のしょう建国副部長が兼務していた国務院新聞弁公室主任を解任され、インターネット安全情報化弁公室主任も職を解かれたということだ。これは習近平氏への個人崇拝化の動きや、製造業の長期戦略「中国製造2025」でアメリカを刺激し過ぎた責任が問われた、と見られる。

つまり習近平は長老達が書簡で指摘した点についいて、個人崇拝の行きすぎと、アメリカとの貿易戦争を招いた点について、これまでの路線を手直しする動きを取っている。また胡錦濤や李鵬の息子を地方幹部などに抜擢して、自派に取り込んで長老達の分断にも成功したようで、書簡を送った江沢民などの長老達が北載河会議に出席できなかったとの報道もある。

つまり「党の核心」としての地位は強固であり、習近平は個人崇拝化の動きや、対米外交を修正することで北載河会議を乗り切ったということだ。問題は国際的に「債務の罠」と呼ばれて評判の悪い「一帯一路」の戦略がどのように修正されるか?あるいはされないか?が注目される点である。秋には中国共産党の大会が控えており、今後習路線がどのように変わるのか注目される。特にアメリカとの貿易戦争に対する報復路線が、譲歩路線に変わる可能性もあり今後の中国外交、とりわけ対米路線の変化が注目される。

習近平が北載河会議を乗り切ったとはいえ、経済面の困難は消えておらず、また外交面の行き詰まりもあり、しかも習近平の「虎退治」で失脚させられた多くの幹部達の不満は消えておらず。これまで9回以上といわれる暗殺未遂事件が示すように習近平の個人独裁は決して強固とは言えず。独裁を固めれば固めるほど脆弱性が増す事態は何ら変わりないのである。事態は「核心的地位の堅持」を呼び掛けるだけで解決できるものではない。特にアメリカとの貿易問題の解決は中国経済に与える影響が大きく、幹部達の利権と結び付く貿易面での対米譲歩ができるのか、注目される点である。

国際的に「債務の罠」と呼ばれ評判の悪い「一帯一路」の戦略が、前世紀の帝国主義の強盗的手法の真似から、いかに転換するのか?注目される。習近平の内外の困難は彼を心労へと追いつめていくであろう。内外政策の失敗は、今後核心としての習近平の責任となることは避けられない。トカゲのシッポ切りで済まなくなったのである。個人独裁は責任も個人で引き受けざるを得ないであろう。
個人独裁が固まれば固まるほど、政権の脆弱性が強まる矛盾が習体制を今後苦しめるであろう。

多極化の中で国連の限界が露呈した!

国連がかってなかったほどの財政難に陥っている。アントニオ・グテ―レス国連事務総長が「国連はこのままでは破産する」と加盟国に書簡を出すほどの異例な事態となっている。ロイター通信によれば、通常予算、平和維持活動を含む国連の核となる予算で一億3900万ドル(約166億8000万円)の赤字を計上しているという。

元々拒否権を持つ大国が対立する問題では国連は機能しないのだが、平和維持でも国連の限界が露呈している。冷戦が崩壊して戦争は減少したが、逆に内戦・内乱が増えた。国連加盟国の約半数の100カ国が内戦・騒乱状態で援助を必要とする難民は増えるばかりだ。

それだけではない、アメリカのトランプ政権が「アメリカファースト」で、北朝鮮の制裁では国連を利用するが、実はアメリカは分坦金(国連予算の22%)を払っていない。国連の財政危機は、こうした「自国ファースト」が広がっている結果である。未払い国はアメリカのほか、スーダン・アンゴラ・イラン・シリア・北朝鮮など81カ国が未払いとなっている。

アメリカが他国の安全保障を放棄する事態の中で、世界は中国・ロシア・イラン等の地域覇権主義が台頭しており、こうした一極支配から多極化の中で国連の役割は主要国にとって意味がなくなってきているのである。

したがって日本の国連中心主義ももはや意味をなさないのである。北朝鮮の経済制裁も今や中国は事実上無視している事を見れば、国連の形骸化は明らかだ。温室効果ガスの排出削減等での国連の役割は増しているのに、金欠で国連が破さん寸前なのだ。このような世界では観念的平和主義はもはや無力であり、世界は主要国の軍事力が決定的役割を果たす時代に入っているのである。つまり国連の財政危機は、すなわち国連の限界が露呈したということであり、世界は軍事力が決め手となる時代であり、主要国の軍拡の時代なのである。

東京医大裏口入学問題は他大学でも横行!

佐野前文部科学技術・学術政策局長が受託収賄容疑で逮捕された事件は、さらに広がりを見せそうだと報じられている。
特捜部は報道によると、すでに「裏口入学リスト」を入手しているらしい。同大学関係者によると関与しているのは高級官僚だけでなく、国会議員の名前も挙がっているらしい。また他の医大幹部や大手医療法人関係者は「この問題は東京医科大学に限った話ではない」と口をそろえると言う。かつて1970年代に医学部の新設が相次いだ時代から、裏口入学医は「裁量の範囲」として日常的に行われていたという。

私大は今でも寄付金1000万円で受験生への加点(49点~10点)で入学受け入れをしているらしい。どうりで医者のバカ息子でも医者になれるわけだ。報道では関東の3私大、関西の1私大が今でも寄付金で入学を受け入れているという報道がある。

この問題が広がりを見せていると言っても、政治家や官僚が関与しているので、裏からの圧力でその後報道が消えている。我々国民からすれば裏口から金で医者になった人物の名前ぐらいは公表してほしい。ところが入試の女性への減点で合格が3割に減らされている問題にすり替えられ、その後この報道が消えてしまった。

医大への裏口入学問題は、これ以上は握りつぶされるのであろうか?これでは日本人は安心して医者にかかれない。裏口から医大に入った可能性が多くあるというのだから酷い話だ。男女差別どころではない。裏口から1000万円の寄付で医大に合格できるなら、その分成績のいい受験者がはじき出されているということなのだ。

何処までもコネ・裏金がモノゆう社会では公平性もなければ、学歴の持つ意味もなくなる。医者の腕の低下も、政治家のレベルの低下も分かる気がする。日本社会は優秀な人物の能力を生かせない社会になっているのだ。優秀な人物が日本の官僚などの社会からはじき出されてオウムに入信した理由がわかる気がする。しかもタブーは覆い隠すのが日本の社会なのだ。医大裏口入学問題を特捜部は徹底追及すべきだ。それがされないなら、今度は検察が国民の信用を失うであろう。

アメリカの「息継ぎの和平」の時代は終わった!

「アメリカ軍の再建」を掲げるトランプ大統領は、2018年度よりも170億ドル以上多い、およそ7170億ドル(約79兆円)の史上最大の米国防予算の大枠を定める国防権限法案に署名した。
この巨額の国防予算が民主党、共和党の100%の合意の下で採択されたことは、アメリカの「息継ぎの和平」の時代が終わり、国民的合意の下でアメリカが軍事的1極支配戦略へと再び舵を切ったことを示している。つまりオバマ政権下でのアメリカの「息継ぎの和平」の時代が、ロシアと中国の戦略的軍拡で、アメリカの一極支配は終わりを告げた。この「アメリカ軍の再建」が後退したアメリカの絶対的軍事主導権を回復することを狙いとしている事は間違いないことである。

この軍拡予算の主たる目的は(1)空軍力の強化でF35ステルス戦闘機77機の購入。(2)新空母の生産を含む空母13隻体制。(3)核兵器の運搬手段の刷新・短距離の新型核兵器の生産。この3点が優先的な項目である。2017年の中国の国防予算が1460億ドルで世界第2位であったことを見ると、アメリカの今年度の国防費の巨大さが分かるであろう。

この国防権限法は中国について、軍の近代化や強引な投資を通じて国際秩序を覆そうとしている、と指摘して、また機密漏えいを防ぐため、中国の大手通信機器メーカーの製品を使用することを禁止する条項と共に、台湾への武器売却を推進し、台湾との軍事演習の拡大や病院船の寄港を検討する条項が盛り込まれている。また北朝鮮をめぐっては、韓国に現在米軍が2万8000人あまり駐留しているが、これについては2万2000人を下回らない事を義務付け、トランプ政権の在韓米軍の大規模な削減を規制していることが注目される。

つまり北朝鮮とアメリカの半島の非核化交渉で、朝鮮戦争を終わらせて平和協定を結ぶことで在韓米軍を撤退させるとともに、韓米同盟の破棄を狙っていた(これは北朝鮮の後ろでいる中国の狙いでもあるが)が、この国防権限法案で拒否されたことが注目点である。

つまりアメリカの超党派の議会がまとめたこの国防力強化法案は、オバマ時代の、アメリカの「息継ぎの和平」の時代が終わり、再びアメリカが世界の覇者としての絶対的軍事力の再建へと舵を切ったことを示している。トランプの孤立主義はこれにて枠がはめられたとみていいであろう。問題はアメリカが「強いアメリカ軍」の再建への巨額の予算が長期に維持できるかどうかである。つまり強いアメリカの財政面での保障は再建できていない事を指摘しなければならない。アメリカの欧州や日本に対する貿易交渉が、その意味で厳しくなることが予想される。

トランプの孤立主義に中・朝がつけ込む非核交渉!

米朝の非核化交渉が暗礁に乗り上げている。トランプ大統領の「首脳会談の中止」発言で一度は潰れかかった朝鮮半島の非核化交渉だが、北朝鮮は「関係国が敵視政策と安全面の脅威をなくしさえすれば核を持つ必要はない」「段階的で同時並行的な措置を講じる」(板門店宣言)とのラインを崩さなかった。このため米朝交渉は長期化することをトランプ自身が認めた。北朝鮮は核配備を進める時間的余裕を得た。

北朝鮮が中国と相談して進める非核化交渉の「段階的で同時並行的な措置」とは板門店宣言で明らかとなった「今年に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換」することだ。これと非核化を同時並行的に進める狙いは何か?平和条約を結ぶと北朝鮮の核は必要ではなくなり、同時に在韓米軍の縮小・撤退や米韓同盟の解消が出てくるのは明らかだ。

ニューヨーク・タイムズ紙は5月3日付けで、トランプ大統領が在韓米軍縮小の選択肢を検討するよう国防総省に命じた、と報じた。同大統領はこれまで何度も同じ趣旨の発言をしているので、誤報でない事は明らかだ。ところで米韓同盟の解消や在韓米軍がなくなると誰が戦略的利益を受けるだろうか、それは中国だ。首都の北京に届く位置に米軍の爆撃機が駐留するのは中国は一番困ることなのだ。

日本は爆撃機を持たず、沖縄の米軍基地は長期距離ミサイルの飽和攻撃で一撃で一掃できる。中国覇権主義はトランプ大統領のEUを敵視し、ロシアを「競争相手」「敵ではない」という孤立主義に付け込んでいる事は明らかだ。トランプのアメリカは、甘くも北朝鮮の非核化で中国の制裁に期待し、中国の圧力に期待している。それと同時にアメリカと中国は貿易戦争を行っており、言わば依存もしつつ経済的に対立している複雑な関係にある。

中国は実は北朝鮮への制裁を事実上手抜きしており、トランプの「デール外交」の甘さを指摘しなければならない。経済人であるトランプは戦略を理解できないゆえに、すべてをアメリカの金を他国の防衛に使いたくない、という1点で外交を行っており、その為同盟国であるEUを敵視し、敵国のロシアと話し合いを行いたいのである。この間違った「息継ぎの和平」を共和党の右派幹部は誰も指摘できないのだから、アメリカ共和党の理論的弱体化は明らかだ。

こうした情勢下では日本はもはやアメリカに日本の防衛を頼りにできない事は明らかだ。日本は対米自立し、小さくとも強力な防衛力を保持して、自分の国は自分の力で防衛できるようにしなければ、中国覇権主義の侵略に対抗できない事は明明白白である。

安倍は米の理不尽な通商要求に屈するのか?

「アメリカファースト」を掲げるトランプ大統領は理不尽な要求を世界相手に行っている。鉄鋼やアルミ製品に対して通商拡大法232条の「安全保障条項」で輸入品に一律に関税をかけた。中国の知的財産権侵害では通商法301条を発動し、総額2500億ドル規模の制裁合戦に発展している。

日米の通商協議が9日からワシントンで始まった。アメリカ側は通商代表部ライトハイザ―代表、日本側は茂木経済再生相である。この協議はアメリカ側は秋の中間選挙に向けて成果が欲しいところだし、日本側は来年の参院選挙に向けて譲歩しにくい環境にある。

アメリカ側は日本の自動車及び自動車部品への25%の追加関税導入(これは日本側に約4兆円の損害が出るといわれる)、日本側はTPPにアメリカが復帰する事を求めている。この問題ではアメリカ側は日米の自由貿易協定を要求して来る。アメリカは現在中国に輸入を削減されて農業恐慌になっており、牛肉と大豆などの農産物の輸入拡大を日本に求めてくるのは明らかだ。

自動車でのアメリカ車の輸入は難しく、25%の関税は日本国内で雇用が大幅に悪化する。牛肉と農産物の輸入拡大も参院選挙を控えて自民党が納得しないであろう。そこで自動車の自主規制が模索されることになるであろう。問題はどの程度の自主規制で合意ができるかだが、簡単ではない。牛肉と大豆などの農産物の輸入拡大は農民の総反発を受けるであろう。またアメリカ側の2国間の自由貿易協定も受け入れられない。元々TPPはアメリカの要求であった。それを大統領が変わったからと反故にする理不尽は受け入れられない。そんなことをすればTPP参加国を裏切ることになる。

つまり安倍政権は、日米通商交渉が妥協が難しいだけに交渉を逃げ回っていたのであるが、トランプ政権は中間選挙に向けて日本に理不尽な譲歩を求めてきた。報道によれば日本政府は米国内でのインフラ投資に協力する政府系ファンドを作る事を検討しているという。しかしそれで妥協ができるような状況にはない。いずれにせよ安倍政権はアメリカに譲歩し過ぎると自民内の特に参議院議員の総反発を受けて9月の総裁選が難しくなりかねない。安倍は追いつめられているのだ。したがって日米協議の妥協は総裁選以降、11月の米中間選挙前に先延ばしすることは避けられないであろう。

日本の防衛計画の杜撰さを憂う!

陸上発射型迎撃ミサイル「イージス・アショア」導入の杜撰さが露呈している。秋田県と山口県に設置を目指しているのだが山口県の配備地の「むつみ演習場」に配備すると空中で切り離したブースターが地上に落下することが分かった。秋田県では設置候補地が海沿いなのでブースターは海に落ちる計算になるという。

防衛省は地元説明会で弾道計算も行っていなかったという。杜撰も極まれりで、これで「イージス・アショア」導入がますます難しくなった。「イージス・アショア」をめぐってはその購入価格が一基800億円から1000億円に値上がりし、今では2基で6000億円でメンテナンスや維持費を入れると1兆円を超すと言われ、防衛省の杜撰さに批判の声が出ている。「イージス・アショア」は固定式なので開戦前に敵に破壊されると言われている。無駄な買い物という他ない。

沖縄県の宮古島に今年度末に陸上自衛隊の警備隊が配備される計画になっているが、この宮古島本当で中国系企業が用地を買収しているという。また宮古島の繁華街には中国人女性が経営するスナックがオープンし格安料金で役場の職員等を集めて情報収集しているという。また伊良部島の南西部は対岸に3000メートル滑走路のある下地島がある。この対岸のエリアの土地の買収でブローカーがうろついているという。

現在南西諸島の各島に陸上自衛隊のミサイル部隊の配備が行われているが、その戦略的な島に中国企業が土地を買うのは明らかに情報収集が目的である。自衛隊部隊の配備に合わせて外国人が島内の土地を購入できない措置をとるべきで、防衛庁の防衛計画の杜撰さを指摘しなければならない。

中国軍が本気で沖縄を含む南西諸島の占領、さらには日本の占領を計画しているのに、防衛省の日本防衛の計画には真剣さと、ち密さが欠けている。杜撰という他ない。「イージス・アショア」導入に1兆円いるのなら、核兵器開発・配備に1兆円をかけた方が安上がりだ。トランプの求めに応じて安倍首相は言いなりで役に立たない高価な兵器を買うのは問題で、実際に役立つ兵器を買うべきだ。アメリカはもはや日本防衛を果たす気はないのだ。

安倍3選確実は民意ではない!

マスコミは立候補もしていない安倍3選確実を報じている。安倍支持を表明している派閥が細田派(94人)麻生派(59人)ニ階派(44人)岸田派(48人)と国会議員405票の過半数を押さえたからだ。

それでも安倍は総裁選対策を最優先で動いている。「赤坂自民亭」での飲み会も総裁選対策だという。しかし安倍にとって不気味な情報もある。日経の調査で「次の総裁は誰がふさわしいか」の問いに対してトップが小泉進次郎で2位が安倍だった事は、民意の安倍離れを示している。

西日本豪雨の災害対応の遅れ、参議院の定数の6増にしたこと、カジノ法案強行採決などの影響で自民の支持率が落ち込んだことも安倍にとって不気味だ。「昨年の衆院選で、候補者たちはポスター用に安倍さんと一緒の写真を撮りたがらなかった。撮ってもあまり使っていない」(自民選対幹部)つまり国会議員も安倍離れが進んでいるのだ。

今回の総裁選は地方票が国会議員票と同じ405票ある。しかも安倍首相は地方に人気がない。安倍1強は永田町と国会だけの話だ。2012年の総裁選では安倍は石破の半分ほどしか地方票を取れていない。国会議員票が過半数でも安倍が圧勝となるとは限らないのである。そんな訳で安倍首相の「賞味期限が遅くとも来年の参議院選まで」(自民長老)との声も出ている。

つまり9月の自民総裁選は安倍3選確実とはいえ、民意は安倍に傾いているわけではなく、地方票が石破に流れる可能性がある。森友問題や加計問題での安倍の政治権力の私的利用に民意は甘くはないのである。安倍首相が災害対策よりも総裁選を優先する背景は、このことを痛切に感じているからなのである。安倍政権4割支持は野党が分裂しているからであって、受け皿があれば安倍支持はさらに減少するであろう。安倍3選確実は民意ではないのだ。

習近平批判噴出の中国独裁体制の揺らぎ!

7月になって中国で「墨汁事件」「書簡事件」「新華社事件」と呼ばれる3つの事件が起きた。
「墨汁事件」とは7月4日、上海市の29歳の女性が「独裁体制に反対する」と叫びながら習近平の横断幕の写真に墨汁をかける動画がネット上に拡散した事である。
「書簡事件」とは7月8日ごろ江沢民・胡錦濤・朱容基・温家宝などの長老が連名で党中央に書簡を送り、「党内の個人崇拝の風潮」「アメリカとの貿易摩擦の拡大を全力で阻止すべきだ。」と習指導部の政策を批判した事件だ。
「新華社事件」とは、国営新華社通信電子版が11日に「華国鋒は間違いを認めた」という古い記事を再掲載した事件で、当時の華国鋒主席が個人崇拝をいさめた内容である。

つまり党長老たちが団結して習批判にのりだした事を、この3つの事件は物語るものだ。アメリカとの貿易戦争で中国の輸出企業がバタバタと倒産し始めたことが、中国経済界に恐慌を巻き起こした事が中国の各派閥を団結させ、反習近平に動き出したとみてよい。
「習近平氏が推進してきた民族主義を煽る対外拡張政策などが対米関係を悪化させ、貿易戦争を呼び込んだ。」との声が反習派連合を勢いづかせたのである。

中国共産党中央宣伝部は7月12日、「今後の文化宣伝工作に関する通知」と題する緊急通達を出した。この通知は、「各地の街中に掲げられている党大会に関する政治スローガンや習近平総書記の肖像ポスター、看板、横断幕等を7月20日までにすべて撤去するよう」指示していたのである。この中央宣伝部の指示は全国に「党中央で大きな異変が起きたのではないか?」との憶測を広げた。

習近平は李克強首相と経済路線で対立し、首相が担当する国務院の主導権を取り上げ自分の側近に経済政策を担当させていたが、党長老たちはアメリカの経済制裁で輸出企業に倒産が相次ぐ中で、経済界に党中央の経済対策の無策に怒りの声が高まったのを機に、反撃に転じたのである。党長老たちは既に李克強首相を支持する姿勢を明確にしており、国務院の主導権を李首相に戻すように要求する可能性が高い。

習近平がこれに応じれば、「核心」となった習近平の求心力が一気に低下すると見られ、「党の核心」となった習と、長老達の対立は8月中旬の北斎河会議から秋の党中央総会まで続くと見られる。中国走資派指導部の主導権を巡るこの対立は、習近平の独裁体制をめぐるものであるので、妥協によって習近平の対外政策と経済政策に一定の変更を強いる可能性がある。
当面北載河会議の行方が注目される。

トランプの狙いはNATO解体か?

トランプ大統領の欧州訪問はどのような狙いがあったのだろう。トランプ大統領はロシアを「競争相手」と呼び「敵ではない」と語った。それに対しNATO本部ではアメリカの負担を「不公平な負担だ」としてNATO事務総長を批判した。またトランプ大統領は「我々はロシアからあなた方を守ってやっているが、欧州諸国は年に数十億ドルをロシアに払いこんでいる。極めて不当だ。」とドイツを批判した。」

「ソ連を排除し、アメリカを巻き込み、ドイツを押さえこむ」というのが、これまでのNATOの役割であった。トランプ大統領はロシアを「競争相手」と呼び「敵ではない」と語り、あたかもNATOの役割が終わったかのようにとれる。

NATO加盟国のハンガリー、ポーランド、トルコなどが強権政治を強めている。トルコなどはトランプ政権とののしり合いの対立となり、ロシアの最新鋭ミサイルシステム「S400」の導入を決めた。トルコはイラン・シリア・ロシアへの接近を強めている。中東情勢を見てもNATOの解体傾向が分かる。

トランプ米大統領から見れば、ドイツが4年前のNATO首脳会議の申し合わせである国防費をGDP2%にするという約束を履行せず、1,24%にとどまっていること、なのにアメリカは国防費を3,57%負担し、ドイツに3万5000人もの米軍を駐留している。彼はもはやドイツ(や韓国や日本)を防衛したくないのである。

アメリカのこれまでの狙いは、ドイツや日本を非軍事大国にしておくための防衛協力であったのが、トランプはNATO役割、日米安保・米韓安保の役割をアメリカの高負担を理由に廃棄しようとしているようである。つまりアメリカはもはや同盟国は要らないとトランプは考えているようだ。つまり欧州とアジアから米軍が撤退する可能性が出ているのである。つまりトランプの「アメリカ第一主義」とはアメリカの孤立主義であり、世界でロシアや中国やイラン等の独裁国家が台頭する時代を招きつつある。
不動産屋のトランプにすれば、EUが統一通貨ユーロを作り、ブロック化を進める欧州を、アメリカがもはや守る必要はない、ということなのだ。

しかしアジアは世界経済の成長拠点だ。トランプが中国との貿易戦争で中国覇権主義をたたきのめし、アジアにおけるアメリカの影響力は保持しようとするのかもしれない。この点は北朝鮮への時間をかけた「非核化」の動きがあまりにも緩やかで、北朝鮮の時間稼ぎを容認しているかに見える点にも表れている。

北朝鮮の核保有を将来容認すれば日本や韓国はアメリカの従属国を続けるほかなくなるのである。(他に核武装の道があるが)とにかくアメリカの戦略がよくわからないのでドイツや韓国や日本は戸惑うばかりなのである。

米・中の重荷となる貿易戦争の反作用!

3月に鉄鋼・アルミから始まった米中貿易戦争は、7月には相互に340億ドル相当の輸入品への上積み関税の適用へとエスカレートし、9月以降には追加関税の対象を2000億ドルに拡大し、6000品目の選定に入っている。

既に中国の輸出企業はばたばたと潰れ、中国の輸出企業はベトナムで簡単な加工をするアメリカへの迂回輸出を始めている。ベトナムのホーチミン港周辺では中国からの輸入品に少しはんだ付けして「ベトナム品」への「加工」が増え、ホーチミン周辺では新規雇用が難しくなるほどだという。追加関税の品目が2000品目になれば中国経済の受ける打撃は深刻で、企業倒産から銀行の破たんへ、さらには株価暴落と経済危機が中国経済に迫っている。

アメリカ経済も深刻だ、「アメリカ・ファースト」がトランプの支持基盤を直撃している。トランプのしかけた貿易戦争で、中国側がアメリカからの農産物の注文を減らし、中西部アイオワ州の農業地帯は大豆、コーン、豚肉の産地で、貿易戦争の被害を一番受けることになった。トランプ大統領が貿易戦争で意識しているのは白人ブルーカラー票なのだが、実際にはトランプ支持の農民が貿易戦争で痛手を受け、米政府は7月下旬になって「総額120億ドルの緊急農業支援行う」事を発表した。

アメリカの農業はヒスパニック系の移民労働者に依存している。トランプの政策で、アメリカの農家は市場(=中国)も労働力(移民)も失っているのだ。皮肉にもアメリカ農民の市場は中国とメキシコだ。貿易戦争と移民禁止で労働力と市場を同時に失うアメリカ農業の破壊は深刻だ。アメリカの農家数は減り続け、2012年には210万にまで減った。最新の調査が集まれば200万割れは必至と見られている。これは日本の農家数と同数なのだ。

このようにアメリカと中国の貿易戦争は、両国の経済を破壊しつつある。世界はグローバル化の中で相互依存が深まっており、トランプが今更関税をかけて輸入を減らす政策は乱暴そのもので、これはアメリカのしかける貿易戦争が世界の経済に与える破壊的作用をもたらすことを暗示している。中国では「金融危機」が、アメリカでは「農業恐慌」が現実のものとなりつつある。アメリカの有権者がトランプのもたらす政策がアメリカ経済に深刻な打撃を与えることを知るまで、世界は経済危機に耐えなければならないのである。果たして大経済恐慌までにアメリカの政策が変更できるのだろうか?

トランプ外交が招く戦略的変化を考慮せよ!

トランプの外交は理解しがたい。北朝鮮やロシアに優しく、ドイツや韓国・日本には駐留米軍への高負担を求める。最近ではイランの指導者と話し合うと言いだした。アメリカの財政が厳しいのは理解できる。だから「息継ぎの和平」が必要なのはわかるのだが、「息継ぎの和平」が同盟国を敵国扱いし、敵であるロシアを「競争相手」と言い出した。

ベトナム戦争後のアメリカの「息継ぎの和平」は同盟国を固め、アメリカが力を回復するためのやむを得ないものであった。しかしトランプ外交はこれまでのアメリカの「息継ぎの和平」とは違う、あたかも一極支配から多極世界を目指しているように見える。トランプは同盟国の防衛のために金を使いたくないのである。トランプ大統領には戦略がなく、ただ経済人として他国のために金を使いたくないだけなのではないのか?と思えてくる。

北朝鮮とその背後の中国が、朝鮮戦争を終結させ在韓米軍や在日米軍を撤退に追い込むチャンスとばかり、北朝鮮の「非核化交渉」を戦略的に利用している事は間違いない事である。ロシアもアメリカの経済制裁を終わらせ、ドイツに駐留する米軍を撤退に追い込むチャンスと見ているであろう。

トランプ米大統領が「アメリカ第一主義」をやればやるほど、同盟国を窮地に陥らせアメリカから遠ざけ、世界の独裁国家を戦略的に有利にし、民主主義勢力間の団結は損なわれていく。こうした戦略的変化が明らかであるのに、安倍首相が何処までもトランプの言いなりで、日本が戦略的に不利になることを傍観しているのは理解出来ないことだ。

鳩山内閣の「対等の日米同盟」の路線が当時のアメリカの民主党政権に嫌われて追い落としにかけられたが、トランプ政権はまさに「対等の日米同盟」を求めているように見える。彼は、「我々は日本を守るが、日本はアメリカが攻撃されても守らなくて良い」と不満の気持を発言している。その後側近に在日米軍は日本の思いやり予算で、本国に米軍を置くよりも安くついている、事を知らされたと見えて、トランプの日本への要求は、高い米製兵器の売り込みが主要になった。

問題はトランプ外交がもたらした戦略的変化の中で、日本や韓国やドイツの防衛戦略が窮地に陥り始めたことだ。もはや同盟国としてアメリカを当てにできなくなった可能性が高いのである。日本は早急に対米自立して、自分の国は自分の力で防衛できるようにすべきで「安上がりだから」と、アメリカに日本の防衛をゆだねる危険を指摘しなければならない。

高価な米製兵器は本当に必要なのか?

安倍首相がトランプに購入を約束したイージス・アショアは当初800億円とか1000億円で2基購入すると言われていた。これが現在では5000億円とか6000億円と言われており、メンテナンスや関連経費を入れるとすぐに1兆円を超える買い物になるらしい。

分かりにくいのはF35ステルス戦闘機の価格だ、1機146億円から約189億円まで開きがある。戦闘機の価格はフライアウェイ・コスト(機体価格)とウェポンシステム・コスト(機体と補助機材等)がある。つまり兵器の価格は単体のコストに騙されてはいけない。機体単価の上に整備部品のデータ―ベース構築や技術者受け入れなどの関連経費も309億円いるのだ。

F35の機体を安倍首相はトランプにさらに数十機追加購入を迫られた。もちろん言いなりで買うことになる。問題はこのイージス・アショアやF35ステルス戦闘機が大量に必要なのか?という疑問だ。地上固定式のイージス・アショアは開戦と同時に狙われて使用不能になる可能性が高く、F35ステルス戦闘機は、まだソフトウェアが未完で、しかも実践に役に立つのか未知数だ。F35はエンジンが一基で機体重量は35トン、F15はエンジンが2基で機体重量は40トン弱だ。だからF35は「曲がれず、上昇できず、動けない」と言われている。ステルスだからそれでいいのかもしれないが格闘戦には向かない。そんな兵器に今後何兆円も使うのか?

どうせ買わされるのなら日本の防衛に必要な兵器を必要な量買うべきで、役に立たないと思われる高価な兵器を多く購入して、日本の防衛に支障がないようにしなければならない。高価な戦闘機と安価な戦闘機のバランスが必要ではないかと思う。日本のF35ステルスの42機は、古くなったF4ファントム戦闘機代替えだ。F15戦闘機までF35に置きかえる必要があるのか疑問である。
国産戦闘機の開発の方がまだましではないのか?

イージス・アショアにかかる1兆円は止めて、5000トンクラスのミニイージスを2隻建造し、イージス艦8隻の半分をミサイル防衛に充てるという選択肢もあるのではないか?FMSによるアメリカからの兵器購入はいくらでも価格を上乗せして来る。安い自国産に移していくことも検討していくべきだ。トランプの言いなりで役に立たないイージス・アショアに1兆円も投ずる価値があるのか?はなはだ疑問ではある。
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