トランプ米政権が抱える経済戦略上の誤り!

トランプ政権はある意味アメリカの中小の産業ブルジョア階級の願望と、失業したブルーカラー労働者の要望によって成立したと言える。TPPに反対し、北米自由貿易圏に反対する「アメリカ第一主義」は各国の大企業にアメリカに工場を建設することを要求している。トランプにとって仕事をどれだけ増やすかが公約を果たす目標なのだ。

ところがこのトランプ政権の「アメリカ第一主義」の経斉戦略が、アメリカ金融資本のドル支配の仕組みを破壊することになるのである。アメリカはドル発行益を独占し、世界中にドルを垂れ流し、世界一の債務国になったことで、ドイツや日本、中国などの貿易黒字国に米国債(財務省証券)を売り付けて、ドルを還流することで代価もなしに外国の資産を利用できるようになった。その為にはアメリカは自由貿易ルールを堅持しなければならない。

ところがトランプは、この貿易赤字による債務国がいけない、貿易黒字を減らせと同盟国に要求している。つまりトランプは「アメリカ第一主義」でTPPに反対することで米金融資本の世界の貿易黒字国を搾取する仕組みに攻撃を加えているのである。だからトランプは、自由貿易に戻そうという米金融資本のグローバリストの巻き返しに直面している。ピーター・ナバロ国家通商会議議長等のナショナリストは最近は劣勢だと言われている。自由貿易は世界通貨としてのドルを持つアメリカの利益を推進するものなのである。

つまり債務国としての地位はアメリカにとって弱点ではない。米経済学者マイケル・ハドソンは「超帝国主義国家アメリカの内幕」の著書の中で「アメリカの弱みと見えるものが、こうして世界の通貨・金融システムの基礎となった。このシステムをアメリカに不都合な具合に変えれば、アメリカへの融資国の破滅がもたらされるであろう。」と述べている。つまりトランプ政権はTPPに反対することで、このシステムを不都合に変えているのだ。米金融資本がそれを認めるわけがない。

トランプ政権内で金融資本のグローバリストの巻き返しが起きて、トランプは経済戦略を変更することになるであろう、そうでないならトランプはスキャンダルを暴露されて追い落としにかけられる可能性がある。ヨーロッパや中国や日本が経済的破滅を恐れてトランプ政権内の経済戦略が変わることを願望している。米金融資本がトランプ政権の経済戦略の転換に成功しないなら、世界は大経済恐慌になる可能性がある。
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トランプ政権の対中政策は分かりにくい?

トランプ大統領が就任してから2カ月の間に不法移民1万1040人が逮捕され本国に送還されていたことが米移民・関税執行局の発表した最新データから明らかになった。トランプ政権になってから不法滞在者が抑留されそのまま送還されるのが急激に増えているという。

アメリカには米国籍の中国系や、永住ビザを持つ中国系が約450万人いるが、これ以外に不法移民が30万人ほどいる。送還された中国移民は2カ月で1867人だと報じられている。不法移民はメキシコやグアテマラ、エルサドバドル、ホンジュラスが4位までをしめ、5位に中国系不法移民が占めている。不法移民追放で中国系を追放するのは米企業がハッキング等の被害を受けていることもあるかもしれない。

3月26日の米右派系ニュースサイトは、米海軍が南シナ海での中国の領有権主張に挑戦するため「航行の自由作戦」の実施をホワイトハウスに要請したが、トランプ政権はそれを認めていないという。その要請が棚上げになっているようだが、その理由は分からない。

報道によれば、トランプ政権の関心は北朝鮮に向けられており、中国への包括的政策が欠如していると指摘している。トランプ政権は南シナ海に気を配る余裕がないというのである。中国政府との貿易交渉があるので「航行の自由作戦」の実施を止めているのかもしれない。

トランプ大統領は選挙中の南シナ海に対する厳しい発言からすると現状のアメリカの対中政策はよくわからない?これは中国にとっては空母6隻の建造の時間かせぎには都合がいい。トランプ政権は軍事力増強の予算の制約があるが、中国政府の大規模な海軍建設には財政上の制約がない。時間は中国に有利であり、アメリカの「米中戦争を起こさず中国を封じ込める」という戦略はオバマの不介入主義とあまり違わないのではないか?と思える。

トランプ政権が、軍事戦略重視ではなく貿易摩擦解消を優先させるところからきた消極姿勢かもしれない。とにかく大統領選での激しい中国批判からは言行が一致していない。

日本に来る中国人観光客は年間423万人(15年)と急増しているが観光ビザで入国した旅行者が失踪し、不法に日本に居座る中国人は年に1万人以上増えづづけていると見られる。この点では日本政府はアメリカに学ぶべきで、中国人の不法滞在者が30万人を超えていると言われる事態は異常で、中国政府の日本侵攻計画と関連している可能性を見ておくべきである。

日本の科学研究が失速する理由!

3月24日の報道によれば、イギリスの科学誌ネイチャーは日本の科学研究の現状をまとめ別冊で「日本の科学研究が失速している」との分析結果を発表した。この分析記事は主な学術雑誌に掲載された。ネイチャーは「今後10年で成果が上がらなければ、研究で世界トップ級の地位を失いかねない」と警鐘を鳴らしている。

同誌や米科学誌サイエンスなど自然科学系の主要学術雑誌68誌に掲載された論文を対象に分析した。その結果日本の大学・研究機関に所属する研究者が著者の論文数は2012年~16年の間に8・3%減少した。中国が47・7%増え、英国が17・3%増えたのとは対照的な結果となった。

現在の日本の大学や研究所では研究不正やパワハラによる研究略奪が横行し、任期制を悪用して能力のある研究者を追放しているため、大学や研究機関には無能な者しか残れない実態がある。これまでも日本では教授の権限が強かったが、任期制がさらに無能な教授の権限を独裁者に変えた。

大学や研究機関では無能な教授のデータ―の改ざんや論文のパクリが横行し、それを指摘し注意した真面目で有能な若手研究者が追放されるのだから論文数が減少するのは当然だ。教授の組織的不正行為を指摘すると「ポスドク(博士研究員)ふぜいが口出しするな」とばかりに恫喝され、学会への参加を妨害され、研究妨害の上、雇止めされるのであるから、日本の大学や研究所の能力的劣化はすさまじのである。

無能な教授が、有能な若手研究者からパワハラで研究を奪い、雇止めが追放するため手段となっているのだ。任期制廃止と若手研究者の独立性を保証しないと、日本の科学研究はこのままでは急速に空洞化する。新世紀ユニオンに労働相談で持ち込まれる大学のパワハラは全て研究不正、もしくは研究略奪がらみであり、それが増えているのである。

日本から発表される論文は不正が多く、今や日本は世界中から「研究不正大国」と言われるまでになった。裁判で闘ってもバカな教授側がほとんど勝利するのだから若手研究者は救われない。日本の研究体制を再建するのは政治がパワハラを防止し、法律で研究者の独立性を保証し、任期制を廃止し、無能な教授のパワハラから若手研究者を守る制度が必要だ。有能な若手研究者をパワハラや陰謀で研究妨害し、研究をパクリ、追放する事を防ぐことが緊急に必要なのである。日本の大学の現状は多くが「亡国の大学」となっている。

韓国の政治混迷の根本原因は財閥支配にある!

パク・クネ大統領が中国に接近し「反日」で連携してからは、韓国財閥は中国との貿易が2割を超えるまでになり、中国市場に依存するようになった。韓国国民は天安門上で軍事パレードに参列したパク・クネの二股外交を強く支持した。

ところが北朝鮮がミサイル実験と核開発を始めるや、アメリカが対ミサイル防衛として高性能レーダーと高高度ミサイル防衛システムを配備する事になり、韓国政府が支持するや、中国政府が韓国財閥に経済制裁をちらつかせた。驚いた韓国財閥は高高度ミサイル防衛システムの配備を撤回させようとパク・クネ政権の打倒へとマスコミを誘導した。

つまり現在のパク・クネ弾劾と刑事告発は背後に中国政府がいるのである。現在の韓国財閥は中国市場に過度に依存し、いまや中国政府の手先のようである。現在闘われている大統領選では北朝鮮に最も近い候補(=従北候補)として「共に民主党」の文在寅候補が他候補に10ポイント以上の差を付けている。

つまり次期韓国大統領は、またも中国・北朝鮮寄りの政権が生まれる。中国市場を回復・維持したい韓国財閥はそれでいいのであろうが、問題は米日韓の軍事同盟で中国覇権主義に対坑としている米トランプ政権と韓国政府の間がおかしくなる可能性があることだ。

現在直面する韓国経済の危機を回避するには米日との協力なしには不可能であるのに、パク・クネが犯した二股外交を繰り返せば、韓国企業は技術的弱点を克服できず。このままパク・クネの後継政権が「従北」候補の大統領になれば韓国経済は危機を深めるだけでなく、下手をすると北朝鮮に占領支配されることになりかねない。もっともアメリカが韓国軍を使い軍事クーデターの可能性が生まれるかもしれない。

韓国財閥は、韓国経済の恩恵を一握りの家族が享受しており、国民は経済発展から阻害されている。日本の「戦後改革」のように、韓国は財閥解体が必要であり、そうでないならアメリカと中国の間を揺れ、さまよう二股外交を繰り返すことになる。

トランプ米政権高官が最近「日本とは同盟関係で有り、韓国とはパートナーだ」と語ったことの意味を韓国支配層はキチンと認識した方がいい。国連の役割が低下し、主要国が軍事力増強に狂奔する時代には、覇権国のアメリカ側につくか、それとも新興の中国社会帝国主義の側につくか、いずれかであり、二股は有り得ないのである。韓国政治の漂流は亡国の危機を深めつつ続くであろう。

共謀罪法案の閣議決定に抗議する!

右翼政権としての安倍政権は、右翼思想の小学校用地として国有地を格安で売却する等、政治の私物化が進んでいる中で、かねてより悪名高い「共謀罪法案」を「テロ等準備罪」と名前を変えて3月21日法案の閣議決定を行った。「共謀罪法案」は現代の治安維持法として悪名が広がったので、名前受けがいい「テロ等準備罪」と欺瞞的に変えて反動法案の成立を企んでいる。

この法案には自民・公明・維新が賛成で、民進・共産・自由・社民が反対している。この「テロ等準備罪」こと共謀法法案は権力者がどのようにでも運用でき、犯罪をでっち上げることができる法律であり、日本をものも言えない監視社会に変え、警察支配国家とするもので本質は現代の治安維持法に他ならない。

こんな法案が成立すれば日本は右翼勢力が支配する絶対主義的警察国家になり、民主主義は死滅することになるであろう。「テロ等準備罪」の特徴は犯罪をでっち上げることがたやすくなり、盗聴や監視社会化が進み、国民の思想信条の自由を侵害するものであり、明治時代の絶対主義的支配が理想と考える自民右翼勢力の反動的クーデターとも言える法案であることを指摘しなければならない。

安倍政権の特徴は戦争法を閣議決定で立法化を強行したように、何でも国民的議論なしに多数の力で反動法案をごり押しすることである。自公政権はこの間労働分野の規制緩和と称し、非正規化を進め、長時間労働をさらに推し進め、労働の強制労働化を進め、労働者を搾取と支配の鎖で奴隷化し、果てには解雇の自由化まで画策している。

彼らが自由化・規制緩和を進めれば進めるほど、階級矛盾は激化し、非合法的闘いの側面を強めることになる。つまりは階級的矛盾の合法的解決手段を、彼らの自由化・規制緩和が奪い去ることが間違いなのである。GHQの戦後改革(=民主的改革)の経済的意義を理解できない愚劣さが選択する反動的愚策と言うべきである。

新世紀ユニオンは、日本の全労働者に安倍政権の「共謀法法案」=「テロ等準備罪法案」に断固反対するよう呼び掛けるものである。野党4党は団結して「共謀罪法案」を廃案に追い込み、さらには政治の右翼化に反対する「民主統一戦線」を構築し、安倍右翼政権の反動的政治の私物化に反対し、政権交代を目指すべきである。
新世紀ユニオン執行委員長 角野 守(かどの まもる)

米の北朝鮮政策の全面見直しは口先だけか?

トランプ政権の人事はまだ未完だが、これまでの人事の特徴は閣僚に軍の退役将官が目立つ、安全保障チームは元将官ばかりだし、中央情報局長官・国務長官・国家情報長官・も元軍人だ。英フィナンシャル・タイムズ紙は、「元軍人を多用」「まるで軍事政権」「軍の政治家と政策の軍事化に警鐘」と報じた。

その軍人ばかりのトランプ政権が、オバマ政権の「戦略的忍耐」を転換する。国家安保補佐官会議で「全てのオプションを提示せよ」と指示し、北朝鮮政策の全面見直しへ向け、武力使用・政権交代を含む政策を検討した、というのだから世界中がアメリカの北朝鮮政策に注目した。北朝鮮を先制攻撃することもあり得ると多くの人が思った。

ところがティラ―ソン国務長官の中国訪問に先立ち明らかにされたのは「北朝鮮との交渉」や「北朝鮮の核・ミサイル基地に対する軍事行動」の選択肢は排除された、というものであった。結局ホワイトハウスは中国政府に圧力をかけ、北朝鮮を経済的に封鎖するというオバマ政権の「戦略的忍耐」とあまり変わらない政策となった。

北朝鮮は少なくとも20個以上の核兵器を作れる核物質を保持しており、その隠匿場所もアメリカは把握できていない。また弾道ミサイルに固体燃料を使用することで、北朝鮮の奇襲攻撃能力も高まっているので、北朝鮮への先制攻撃も不可能とトランプ政権は判断したようである。

つまりトランプ政権はアジアよりも中東、すなわち対ISとイラン対策を優先するということである。アジアは現状固定化がトランプ政権の当面の政策で有るようだ。これではアメリカの北朝鮮政策の全面見直しは、掛け声倒れと言うべきである。トランプ政権は対ロシア外交でも大統領選挙最中の対ロシア政策の改善は今のところ見られない。

中国は金正男を見殺しにして北朝鮮との関係改善に動いており、トランプ政権の中国に圧力をかけて経済封鎖で北を屈服させる政策は成功しない。つまるところ北朝鮮の核・ミサイル開発を温存して韓国と日本を従属下に置き、将来の対中国戦略に備えるということのようである。中国政府は高高度ミサイル防衛の配備を口実に韓国財界への圧力を強化し、それに慌てた韓国財閥はマスコミをたきつけてパク・クネ大統領を弾劾に追い込み、左翼政権を誕生させることで高高度ミサイル防衛配備への中国の反発を回避したいと考えている。

したがって今後中韓の関係改善で米日韓の軍事同盟は再び危機に直面し、日韓関係も反日大統領の誕生で再び危機に直面することになりかねないであろう。つまりアジアにおけるアメリカの戦略の重点は対中国であり、当面はトランプ政権もオバマ政権と対して違わないアジア政策をとる、ということである。アジアにおいては中国の軍事力強化に対抗し、米日の軍事力強化が米政権の当面の方針と見ておくべきである。

米国防総省がF35に276の重大欠陥を特定!

3月19日のしんぶん赤旗は一面トップで、米国防総省報告書「F35に276の重大欠陥」「火災原因未解明で日本配備」と報じている。

報道によるとアメリカ国防総省運用試験・評価局が1月に議会に提出した最新の年次報告書で、米軍と自衛隊が次期主力戦闘機として配備を進めているF35ステルス戦闘機の最新段階の試験機に関して、「重大な276項目の欠陥を特定した」と明記している、というもの。

同報告は「非現実的な開発日程に合わせるため問題を残したまま配備された」としており、既に3月までに航空自衛隊に納入された4機にも重大な欠陥が含まれている可能性があるという。報告書はまた「F35の全面的な戦闘能力を伴う初期運用試験・評価は早くても2018年後半から19年前半になる。実際は20年以降になるだろう」としているという。つまり現状では「戦闘機としては役に立たない事を指摘しているという。

 そうした事態の背景として報告は、「圧力」がかかり、必要な日程の短縮を迫られた結果、276の欠陥が残ったという。記事は、欠陥の主要例として、①垂直尾翼と機体のつなぎ目の疲労と緩みが頻繁に発生している。②エンジンの入り口の気流の温度が予想より高い。③マッハ1,5で水平尾翼がオーバーヒ―トしたー等を列挙。すでに配備されている機種が抱えている冷却系統の不具合も未解決なままだという。また脱出装置も欠陥があり体重の軽いパイロットは死傷する可能性があるという。

報告書はまた、F35は頻繁に整備しなければならない為、稼働率が既存の戦闘機の約80%に対し、昨年10月現在で52%にとどまっている、と指摘している。近接航空支援用の機関砲も現在配備されている機種では機能していないという。このようにF35は欠陥を抱えた未完成の機体であり、維持費に莫大な費用がかかる可能性が出ている。

 つまり配備が始まったF35次期主力戦闘機があと3年は未完成ということのようである。1機あたり147億円がトランプ大統領の値下げ要請でいくらか価格が下がるというが、276もの欠陥を改修していたら再び価格が高騰する可能性もある事を記事は指摘している。

航空自衛隊はベトナム戦争時代の時代遅れのF4ファントムの機体を改修しているとはいえ未だに使用しており、F35が当分未完成となると、F4を別の機体と更新する必要も出てくる可能性がある。

世界情勢は大戦前の状況にますます似てきている!

トランプ政権として初めての予算編成の指針「予算教書」の骨格が議会に提出された。2018会計年度の「予算教書」の骨格では「アメリカ第一主義」の下で「海外で使うお金を減らし、国内で使うということだ」(ホワイトハウス高官)と説明する。

国防費は10%のアップの540億ドル、およそ6兆円の増額の5,740億ドルとし、軍の再建に使われる。メキシコとの国境に壁を建設するなど不法移民対策を担う国土安全保障省も7%のアップとなる。その一方で環境保護局は31%の減、国務省の海外援助など外交関係は28%の大幅削減となる。

予算編成の指針「予算教書」の骨格でアメリカの国連分担金が加盟国全体の22%の負担を減らし、PKO(国連平和維持活動)の予算の28%を25%以下に削減されることになる。こうした事態に国連事務総長が懸念を表明している。元々国連は中国やロシアやアメリカが反対すると拒否権でなにも決められなくなっており、シリアやアフリカの難民支援で国連の支出だけが膨らんでいるが、国連PKOもアメリカの分単金削減で縮小に向かうことが避けられなくなった。また環境問題の国際的取り組みも打撃を受けることになる。

トランプ政権のこの「予算教書」の骨格は議会が実際には予算を編成するので、政権と議会の調整は難航が避けられない。アメリカ国務省の予算と環境保護局の予算の大幅削減は、国際活動の衰退となり、国連の役割の減少でもあり、他の加盟国が減少分をカバーできなければ、国連の難民対策や環境への取り組みは大きな打撃を受けることになる。

アメリカの国防費増額の「予算教書」がトランプの同盟国への国防費増額要求もあり、世界的に軍拡の時代に突入する事になる。世界情勢は大戦前の状況にますます似てきていることを指摘しなければならない。国連の衰退とともに主要国間の矛盾が激化していく情勢を迎えた。

中国拡張主義の軍事的矛先を向けられている日本も急ぎ国防力を強化し、対米自立のための軍事力保持目指して防衛費1%越えに踏み切る時である。他国(アメリカ)の従属国が必要としているのは教育勅語ではなく、自立であることを指摘しなければならない。

中国の侵攻への備えを超党派で検討せよ!

政府や野党は中国覇権主義が西太平洋からインド洋まで海洋覇権をうかがい、南シナ海では他国の岩礁までも埋め立てて軍事基地を建設している野望に対し、備えがあまりにも無さ過ぎる。中国企業が日本の南の離島や無人島を買収しているとの報道も増えている。

政府が3月16日国境に近い離島の保全に向けた基本方針の案を、自民党の領土の関する特命委員会等の合同会議に提示し了承されたとの報道があるが、その案の内容までは国民に知らされていない。4月1日に「有人離島保全に関する特別措置法」が施行されるのに向けて、国境に近い離島の保全に向けた基本方針が今月中に正式決定するらしいが、国民には十分(報道で)知らされていない。

同基本方針は、領海をまもる活動拠点として離島を維持する必要性を明記しているそうで、国が港湾整備に向け、土地の購入、借り上げを進めるという。こうした国土防衛の対策は超党派委員会で行うべきで、自民党だけでひっそりと進める性質ではないと考える。

衆院憲法調査会では「緊急事態条項」を憲法に設けるべきかが議論されている。大規模地震や津波対策だけでなく、中国の侵略への備えも含め緊急事態を議論して貰いたい。中国は明らかに官僚独裁の危険な社会帝国主義に転化しており、かっての旧ソ連社会帝国主義がアフガニスタンに侵略したように、中国社会帝国主義の軍事的危険性に気付き、早急に備えを強化すべきである。

とくに自衛隊の防衛力の強化は早急に必要で、正面装備の強化だけでなく継戦のためのミサイルや弾薬まで含め備蓄を進めるべきである。中国は本気で軍事的野心をむき出しにしており、日本も本気で防衛力を強化し、国境近辺の離島の防衛拠点の軍事的強化も含め与野党の委員会で急ぎ論議を進めるべきである。国土の防衛については反対する政党はないであろうから、自民だけで進めるのはよくない、超党派で進めるべきである。

共和党内の融和を迫られたトランプ大統領!

トランプ大統領が外交内政で掲げた公約が実行できない事態が進んでいる。対ロシア関係の見直しが抵抗にあい、内政ではオバマケア改廃法案が修正を迫られているという。

トランプ大統領の側近たちはロシアとの緊密な関係でアメリカの「影の支配者」たちのトラの尾を踏んだと報道されている。トランプ大統領がマイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の解任を受け入れ、その後任にハーバート・マクマスター陸軍中将を押し付けられたのは「影の支配者」の圧力と言われている。トランプ政権の複数の関係者がロシア諜報機関と接触したことや、マイケル・フリン氏と駐米ロシア大使との会話がマスコミ(ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムス紙)にリークされたことがそれを示している。

トランプ大統領の最大の公約であるオバマケアについては、超党派の議会予算局(CBO)が、オバマケアを廃止すれば来年までに1400万人が保険を失うとの試算を発表したことで改廃への疑問が高まり、共和党内で造反議員が出て、法案が上院を通過できないと見られている。

共和党内は1400万人が保険を失うことを心配する穏健派と、改廃法案はオバマケア撤廃に踏み込んでいないとする保守派が対立している。トランプ政権がこれをどのように融和を図るのか注目される。

これらの事が示しているのはトランプ大統領が「普通の大統領」になることを強要される局面にぶつかっているということだ。つまり外交も内政もトランプ大統領は政策を修正しなければならない事態を迎えている。

トランプ大統領がおとなしく「普通の大統領」になるのか?それとも自説を曲げずウォーターゲート事件で追い落としにかけられたニクソンのようになるのか?選択の日が迫っているようだ。

時間外労働の上限規制「100時間未満」の愚劣!

政府が目指す上限規制をめぐり、安倍首相は13日経団連の榊原会長と「連合」の神津会長と会談し、残業の上限規制を最も忙しい月で最大100時間未満、年間で720時間、月45時間を超えるのは年間6回まで、としたいとの考えを表明した。

元々政府の「働き方改革」は、電通の女性社員の過労死をきっかけに長時間労働を規制する目的で検討されている。その時間外労働の上限規制が労働基準監督署が定める「過労死ライン」の月80時間を超えることは、長時間労働の規制どころか、逆に長時間労働を促すことになりかねず、断じて賛成できない。これでは「働き方改悪」に他ならない。

日本経済のデフレ経済、すなわち経済の縮小再生産のサイクルは、非正規化による低賃金、規制緩和による長時間労働、リストラと外国人労働力の導入によって個人消費の傾向的低下が原因である。とりわけ長時間労働は過労死を世界語にし、過労自殺が激増する等、消費をしようにも時間がない状況を改善しようとするものであった。

ところが財界と家畜労組の「連合」幹部がなれ合いで、労働時間の上限規制を月100時間以内と決めたことは、日本経済を引き続きデフレのサイクルを続けさせる行為と言う他ない。あまりにも愚劣であり、国民経済の成長軌道を考えると、必要なのは大胆な残業規制であり、非正規化の規制であり、残業割増賃金の100%への改正以外ないのである。つまりこれらの規制で企業の省力化投資を促し、生産性を高め、日本企業を絶対的剰余価値の獲得から、より利潤の高い相対的剰余価値の獲得へと誘導する政策が必要なのである。

つまり労働者の側から見ても、経営側から見ても、今回の残業の上限規制ほど愚劣で意味の無い規制はないであろう。重要なのは残業の割増賃金を現状の25%から100%へ思い切って改正し、人を雇うよりも、残業をやらせるよりも、設備投資で生産性を挙げることが企業の成長にとって重要だということを政策誘導することなのである。

つまり上限規制は月20時間でよく、重要なのは非正規化を止めること、と残業の割増賃金を上げることなのである。企業の設備投資を促すよう、思い切った労働時間の削減が必要なのである。財界も「連合」も「戦後労働改革」の経済成長に果たした役割を学んだ方がいいであろう。政策誘導する役割の人物があまりにも愚劣であることが日本の経済的国力を減じていることを指摘しなければならない。
新世紀ユニオン執行委員長 角野 守 (かどの まもる)

パク・クネ弾劾が韓国経済をより深刻化させる!

サムスンはスマホの主力商品「ギャラクシーノート7」が発火事故を起こし、洗濯機の爆発事故と相次ぐ欠陥商品がブランドを毀損し、売り上げも落ちた。その上「崔ゲート事件」で最高経営者の李副会長が逮捕されサムスンは危機に直面している。さらには中国企業が低価格、性能、高品質でサムスンを追い越し始めており、サムスンは重大な危機にある。

資本主義の不均等発展で、テレビ、冷蔵庫、エアコンなどでこれまでサムスンが高いシェアを誇っていたが、インドネシアやインド、バングラディシュの企業が韓国勢を追い落とし始めている。韓国の大半の製造業は機能、品質、技術で米・欧・日のメーカーに追いつけず、新興工業国に追い越されて対抗できない事態になりつつある。

現代・起亜自動車グループは、昨年世界での自動車販売台数は792万台と2%増だが営業利益は前年度比18%減だった。これは中国とアメリカの市場で激しい値引き販売の結果だ。韓国の自動車業界の弱点は研究開発力の無さで、ハイブリッド車、電気自動車、自動運転車の開発で世界の自動車会社から大幅に遅れている。

造船業界はもっと深刻だ、2015年に大宇造船が2016年にはSTK造船が経営破たんで昨年末に受注残高で17年ぶりに日本に追い抜かれた。また韓国の海運トップの韓進海運が2月に破産宣告を受けた。韓国の造船業界は最大の発注先を失うことになった。

そのような重大な事態であるのに、米軍の高高度ミサイル防衛の配備で中国政府を怒らせて経済制裁を受け、韓国企業は大きな中国市場を失いつつある。驚いた財閥がマスコミを使いパク・クネ追い落としを策した。こうした深刻な状況で「崔ゲート事件」でパク・クネ大統領が弾劾され、さらに政治空白が続くことになった。韓国企業が危機を抜け出すには日本企業との連携しかないのだが、経済・政治危機になるとこの国は「反日」をやる。しかも次の大統領になる可能性の強い人物が「反日」候補なので、韓国企業が日本企業に救いを求めるのも難しい状況にある。

韓国経済はこうして、1997年~98年の「IMF危機」を上回る経済危機を迎えることになった。経済危機を大統領の首のすげ替えと「反日」で切り抜けることは出来ないのである。政治空白では韓国企業の危機克服もできない事態が生まれている。2カ月以内に生まれる韓国新政権が「韓国企業」の再建をどのように行うのか注目される。「反日」を振りかざして日本企業に救いを求めて、果たして日本企業が救いの手を差し伸べるであろうか?!。

米中を怒らせたパク・クネの二股外交!

表面的には、韓国国民が立ちあがってパク・クネ大統領を倒したように見える。しかし何事も背景がある、とりわけ韓国の政治家がらみの事件は全てが権益がらみ、外交がらみであることは疑いないことである。

パク・クネ大統領は中国政府の「反日」共同戦線にのり、中国に接近しアジアインフラ投資銀行にも参加し、中国北京での軍事パレードにも出席した。その見返りに韓国企業は巨大な市場を手に入れ利益にあり付いた。しかしパク・クネ大統領がもくろんだ北朝鮮を中国が仲介しての南北統一はならなかった。むしろ北朝鮮の核・ミサイル開発に拍車をかけ、北朝鮮の中国人脈は壊滅した。

北朝鮮のミサイルと核開発は、パク・クネに韓国防衛からアメリカの進める高高度ミサイル防衛の配備を受け入れざるを得なかった。しかしこの結果中国政府が激怒し、韓国への経済制裁が始まった。震え上がったのが韓国の財閥だ。巨大化した中国市場を失いたくないので、中国のそそのかしに乗り、パク・クネ追い落としのため自国のマスコミを使い、パク・クネ大統領が一人の女性の操り人形だとのキャンペーンが始まった。

韓国はアメリカの従属国であるのに、アメリカと中国を欺瞞するかのような二股外交は、いつかは失敗が避けられなかった。とりわけ中国の戦略であるアジアインフラ投資銀行に参加したことはアメリカの怒りを買うことになった。アメリカは自国の重要な軍事技術を中国に売り渡す韓国の欺瞞を許せないし、中国は市場を韓国企業に与え、観光客で儲けさせたのはアジアで主導権を握るための韓国取り込みであり、それが成功しはじめるや、アメリカのミサイル防衛に加担し、中国国内までレ―ダ―で中国空軍の動きを丸裸にされるのは、核抑止力を失いかねないのであり、許せない裏切りと映る。

こうしてアメリカからも、中国からも経済的利益を追求するパク・クネの二股外交は、アメリカと中国が朝鮮半島の現状固定化で一致しているとはいえ、軽薄にも北東アジアの軍事バランスを激変させる行為だとの認識がなかったこと、戦略に関わる外交関係で二股外交を展開して双方を怒らせて今回の弾劾を招いたのである。それにしても韓国国民は一時はパク・クネの二股外交を支持しておきながら、いとも簡単にマスコミに乗せられて反大統領に転じるのだから、政治レベルの低さは救いようがない。パク・クネの周辺に戦略が分かる軍師がいなかったことが招いた事態と言うべきだ。

習近平の権力集中を反映した中国全人代の特徴点!

中国の全人代は先進国の国会と違い階級間の利害調整の役割はない。ほぼ全会一致である。ただし共産党の一党支配の政策の目指す方向は知ることができる。

習近平の戦略は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」で、ユーラシア経済圏を目指し、アメリカの覇権に挑戦することである。これが中国の別格の指導者を意味する党の「核心」となった習近平の「夢」である。

先進資本主義国の国会なら政権発足後の2年間の成果と課題を明らかにするものだが、中国の今回の全人代の特徴は第一に、習近平主席への忠誠を示す「核心」がたくさん強調されたこと、特徴の第二は、「安定の中の前進」が貴重とされたこと、すなわち中国は安定していない事を示している。

党幹部や軍幹部の不正摘発で習近平派の強化を強引に進める中で、各派閥の確執が高まっており、習近平はこれにさらなる強権で押さえこむ方向であることが特徴である。安定を重視すれば各派の利権である国営企業改革は手を付けられない。

つまり中国はこれまで通り軍事力強化で過剰生産に対処するしかない、つまり第三の特徴は軍事予算の7%増で「戦争準備を強化し、国家の主権と安全を断固守らねばならない。」(李克強首相)という軍事拡張主義の道である。

全人代の特徴の第四は、序列1位の習近平と序列2位の李克強首相の確執が解決していないことである。この2人の指導者がほとんど全人代で目を合わそうとしなかったこと、李克強首相の目のくまが2人の確執の深刻さを示している。李克強首相は自分の担当の経斉政策に口出しする習近平に大きな不満を持っているとされ、周囲に首相を辞めたいと言っているらしい。

中国共産党は今年秋の党大会で党指導部7人の内5人が引退するので、党中央幹部の人事をめぐり対立が激化している。習近平はこの人事で政治局常任委員会の過半数を押さえようとしている。
中国人民が不満を表明している貧困問題・格差問題には経済成長がマイナスになっている状況を、嘘のデータでごまかしている中では、人民の不満を解消できる可能性は薄いと言える。ことさら安定を叫ばねばならない点に中国の不安定・弱点が存在していると言える。

もう一つ習近平政権の不安は、アメリカのトランプ政権の保護貿易主義である。またアメリカの軍拡に対抗して中国も軍拡を継続しなければならない。当然内の不満は力で押さえることになる。習近平政権は強権支配を強めることになる。表面の強権の中に脆弱性があることを見ておくべきであろう。

ぐらつき始めた安倍政権崩壊のきざし!

昨年の臨時国会で、カジノ法案採決をめぐり公明党の山口代表と井上幹事長が反対に回ったことは、安倍政権を支える公明党との溝をあらわにした。昨年の12月には都議会公明党が「連立で一貫してやってきたが信義は完全に崩れた。」と自民党との絶縁を宣言し、「小池知事が進める東京大改革は大賛成だ。」と小池との共闘に転じた。都議会自民党は大阪に続いて野党に転落したのである。東西の巨大都市で自民が政権を奪われたことは、安倍政権の足元が崩れ始めた兆しと言える。

このことは安倍政権を支えた支柱としての公明党との矛盾が簡単な問題ではない事を示している。カジノ法案とは「利権」政治の象徴であり、安倍がこれに手を付けたのは大阪の「維新」を取り込み憲法改正をやりたいからであった。自民の右翼政党「維新」への接近は、公明党には許せない裏切りと映る。

都議会公明党の自民離れに腹を立てた自民党が「衆都ダブル選挙」説を流して公明党に揺さぶりをかけたことも、自民党と公明党の溝の深さを示している。安倍の「維新」接近は、公明党にすれば「これだけ尽くしたのに浮気をするのか?」という三角関係に似ている。

右翼教育を目指す学校法人「森友学園」問題では、国有地の価格1割の格安払い下げであり、その本質は国有財産の横領であり、これに自民政治家が口利きしていたことは明らかであり。しかも校長に安倍夫人が名を連ねていたのである。公明党にしてみれば「沈む船」からは早めに降りた方が傷が少ない、と考えても不思議ではない。

それでも安倍首相が来年9月の総裁選で3選し、長期政権を続けるには近づく総選挙を乗り切る必要がある。公明党との関係を、安倍は手切れにするわけにはいかない。また小池との関係も安倍は切るわけにいかない。何故なら次の総選挙は自民大勝の後の負けいくさ確実の選挙なのである。

それにしても小池都知事のしたたかさは並ではない、あの都議会自民党がやられぱなしで、いかに自民党内に人材が枯渇しているかを示している。それでも安倍政権が持っているのは強力な「政権の受け皿」がないからだ。このままいけば安倍政権が崩壊し、自民が小池首相を担ぐ可能性もありうるかもしれない。
全野党は政権の受け皿の「連合政権構想」に公明党を取り込み、急ぎ合意を形成すべきである。

北朝鮮の秋田沖へのミサイル4発発射の狙い!

金正男暗殺が示すものは中国が北朝鮮政策を変えたことを示している。韓国のロッテゴルフ場への高高度ミサイル防衛の配備で、中国は韓国への経斉制裁として観光客を削減し、中国に進出しているロッテ系百貨店やスーパーへの不買い運動に示されているように、中国は韓国から再び北朝鮮への「乗り換え」を決めたのである。

金正男暗殺の2週間前、平壌の中国大使館で行われた「新春招待会」に北朝鮮の高官70人が押し掛け、金英大最高人民会議副委員長が挨拶で「長い歴史を持つ中朝は鮮血で固められた友諠がある。」と演説して出席者を驚かせた。「鮮血で固められた友諠」という言葉は中国が韓国と国交を回復して以後死語なっていたので出席者は驚いたという。

私はこの政治ブログで、北朝鮮のミサイルと核開発、さらには韓国の「反日」の背後に中国がいることを指摘してきた。アメリカのトランプ政権の混乱は、中国がアジア戦略を変え、韓国から再び北朝鮮にのりかえる好機であった。金正男暗殺が示すものは、中国が金正男を見捨て、北の指導者のクビのすげ替えのカードを放棄した事を示している。

北朝鮮は6日、自信を持って在日米軍基地を標的としたミサイル4発を同時に発射訓練した。この狙いはアメリカのトランプ政権に交渉を呼びかけるサインであり、同時に現在韓国で行われている米軍と韓国軍の共同軍事演習へのけん制でもある。トランプは大統領選挙の最中には北朝鮮の指導者と会見する事を公言していた。金正男暗殺で後継問題を解決し、中国との関係を改善した北朝鮮は現在のアメリカの混乱から米軍の武力攻撃はないことを知っている。

アメリカはトランプ政権の人事と排外主義をめぐる混乱で、朝鮮半島で戦争する余裕はないこと、また中国は秋の党大会での人事を巡る抗争が激化し、軍改革(30万人のリストラ)、過剰生産設備の削減をめぐる対立から、当面は軍事力強化にまい進するしかない。米中が半島の現状固定化に期待しているのだから北朝鮮の金正恩政権が自信を持っているのも当然なのである。

中国政府がかって「中国はいつでも北の指導部を入れ変えることができる」(高官)として金正男氏を護衛付きで優遇していたのを、非情にも見捨て、北朝鮮との関係のよりを戻した事は、中国と韓国の関係を改善した韓国のパク・クネ政権が弾劾のため終焉をむかえたことから決断したことである。
核とミサイルを保持した金正恩政権は盤石の体制を取ったように見える。唯一の弱点は最高指導者が内部矛盾と敵対矛盾の区別が全く付けられず、自分を支えている部下の処刑を続けていることだ。半島の緊張が緩和すれば最高指導者暗殺のクーデターもあり得るかもしれない。

トランプ政権の予測不可能の混迷!

トランプ政権は予測不可能だ、対中国で「一つの中国論見直し」で強行論かと思いきや、突然習近平に「一つの中国」を認める。これだとオバマと同じ従来の中国柔軟路線だ。しかしバノン主席戦略官は以前にアメリカにとっての脅威は「中国とイスラム教だ」「我々は5年から10年の間に南シナ海で戦争に突入するだろう」と語った対中国強硬派なのである。

このトランプ政権の混迷が、同政権内の主導権争いなのか?それとも未だ戦略が定まっていないのか?分からない。トランプは「ずるがしこい中国人」中国が「アメリカ経済を強姦している」と表現しながら、突然「一つの中国政策を尊重する」と言う、そして南シナ海に空母打撃軍を入れる。何とも理解しがたいのである。

このようであるのでマスコミも混乱している。アメリカが対イラン戦争へ向かうかのような報道もあれば、議会での抑制された演説で、「トランプは早晩普通の大統領になる」という希望的観測もある。また逆にトランプがアメリカの支配層の見切られてニクソンの運命をたどる、と見る向きもある。
トランプ政権がロシアと協力しシリア・イラクでISせん滅に向かう。つまりロシアへの態度を変えるとの見方もあれば、対ロシア政策が従来の経済制裁路線へ回帰するかの見方まで出ている。こうしたアメリカ外交の混迷を見て、中国が再び北朝鮮との関係改善へと進み始めた。金正男を見殺しにしたのは中国が北朝鮮政策を変えたことを示している。北朝鮮だけが得をする政治情勢が生まれている。中国が、韓国の高高度ミサイル配備で韓国ロッテ等を経済制裁している。アメリカの外交が固まらない為韓国が中国に揺さぶられている。

揺さぶられているのは、日本の自動車産業も同じで、トランプの日本の自動車輸入規制がはっきりしないので対策の立てようもなく、結果春闘相場は下がり、冷え込みそうだ。超大国の戦略的混迷、政権人事の遅れ、議会とマスコミとの対立、アメリカの混迷が世界を混乱させている。

日本企業社員がアメリカで「大量投獄」の驚くべき事実!

月刊誌「選択」の3月号の記事で「日本企業社員が米国で大量投獄」の記事を見て驚いた。それによると我が国の自動車部品メーカーの関係者64人がアメリカ政府から起訴され、多くがアメリカ各地の刑務所に収監されていると言うのだ。記事によればオバマ政権下で我が国の自動車産業が狙い撃ちにされ、その背後には、アメリカ自動車産業がいるという構図だというのだ。

罪状は反トラスト法違反で、日本国内で自動車メーカーが「価格に関する緩やかな話し合いが行われた。」これがアメリカの「反トラスト法」に触れるのだという。日米間の商習慣の違いで、日本では犯罪でないものがアメリカの法律が日本に適用され、法律の域外適用で次々摘発されていると言うのである。いずれも日本の公正取引委員会が「問題なし」としたケースなのである。

これはアメリカ得意有の「リニエンシ―」という制度が関連していると記事はいう。アメリカ司法省に反トラスト法違反事実を認めた企業には刑事責任を免れるという恩恵があり、その見返りにカルテルへの関与を全て告白しなければならず。結果真面目に企業のために働いてきた39社・64人もの社員が芋ずる式に次々逮捕投獄され、莫大な賠償金を取られているというのである。

このような重大なことが行われているのに、日本のマスコミが口をつぐんでいるのは、日本がアメリカの従属国であるからだ。何が同盟国か!日本はアメリカの属国なのである。日本政府がなぜ沈黙を続けているのか?従属政権であるからだ。オバマ政権下のグローバリズムはアメリカのためであった。

これが「アメリカ第一主義」のトランプ政権ならもっとひどい事になる可能性がある。アメリカでは社員が起訴され係争することになっても、裁判費用などを企業が行うことは禁じられている。それれが発覚すればさらに重い罪状が加わる。つまり裁判費用は個人持ちなので、闘えないので罪状を認めざるを得ないというのだ。

自社のために身を粉にして働く日本社員がアメリカの刑務所にぶち込まれる。アメリカの刑務所は環境が劣悪で、恐怖の刑務所で社員が犠牲になっているのに、政府もマスコミも、企業ですら知らぬ振りをしているという。こんな理不尽に「連合」も沈黙しているのだから、日本の企業戦士はつらいというしかない。
我々は、日本は対米自立すべきだと主張する。戦後70年以上経つてなおアメリカの従属国では、子供達の前で恥ずかしいと思わねばならない。

言うは易し行うは難し、トランプ議会演説!

今回の2月28日のトランプ演説を聞くとアメリカは当面は内政の立て直しが主要な側面であることは疑いない事である。「アメリカは、自国のインフラがひどく崩れている一方、海外で数兆ドルもの金を費やしてきた。」治安改善や雇用確保のため、不法移民の強制送還に着手した実績を強調。「インフラに1兆ドル(約113兆円)の投資を生む法案の承認を議会に求める。北米自由貿易協定承認後に「アメリカで製造業の4分の1がなくなった」「中国が世界貿易機関に加盟して以降、6万の工場を失った。」これらの発言は、当面トランプ政権はアメリカの立て直しに全力を注ぐと見て取れる。

トランプ大統領が掲げる政策は「言うは易し行うは難し」である、それは「医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃」また35%の法人税率を15%に下げる。1兆ドル(113兆円)のインフラ投資で米経済成長率を4%に高める。国防費の540億ドル(約6兆円)の増額等の史上最大規模の国防支出増額など議会の協力が得られるかを考えると簡単ではない。

トランプの強いアメリカの再建は「行うに難し」の国内政策の成否がかかっていると言える。トランプは国内経済を再建し、何処の国よりも圧倒的な軍事力を築いたうえで、闘わず勝つ戦略を立てているのである。「同盟国は、アメリカが再び先導役を務める国だと認識するようになる。敵味方に関わらず、世界中の国々が、アメリカを強く、誇り高く、自由な国だと感じるようになる。」

「言うは易し行うは難し」この言葉がトランプのやろうとする政策の全てである。アメリカの産業の空洞化と金融支配の下では、簡単にはアメリカは産業国家には戻らないのである。大規模な軍事力再建や莫大な資金のいるインフラの整備と法人税減税は相反する政策で、どのようにして両立するのか疑問である。「アメリカ第一主義」をやりながらどうして孤立せず、同盟国の支持がえられるのだろうか?
相対立する矛盾関係にある政策を、トランプ大統領がどのように統一して、双方とも実現するのか?疑問が次々出てくる。まさに「言うは易し行うは難し」なのである。
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