国防費の歴史的な増額を発表したトランプ戦略!

マティス米国防長官は2月27日、イスラム教スンニ派過激組織IS掃討の加速化に向けた作戦計画の草案をホワイトハウス・国家安全保障会議に提出した。報道ではISを「10カ月以内」に壊滅させる方策が盛り込まれているという。

同日、トランプ大統領は「国家安全保障の予算になる。国防費を歴史的な増額とする。」「アメリカの劣化した軍隊を再建するため、国防費の歴史的な増額が含まれる」と語った。
米行政予算管理局(OMB)のマルバニ―局長も27日の記者会見で国防費を540億ドル(約6,1兆円)増額する方針を示した。国防費の増加分は海外援助や地球温暖化対策費等の予算削減が想定されている。

トランプ大統領はまずISを「10カ月以内」に壊滅させ、その間に「劣化した米軍」を再建し、その上で戦略的動きに向かう構想であることが明らかとなった。国防費を10%も増やせばアメリカの軍需産業が潤い、米景気も上向くことが予想される。国防費の増加分は日本の国防費1年分を上回る大規模なものであり、明らかに大軍拡を進める中国軍を意識したものである。

トランプ政権が10カ月でISをせん滅する作戦計画の内容は明らかではないが、ロシアとの共同作戦となる可能性が強い。トランプ政権は日本など同盟諸国にも軍事力増強を求めており、世界は冷戦時の大軍拡に戻ることになる。日本の軍拡がどの程度になるのか分からないが、安倍首相が先の訪米時にトランプ大統領のフロリダの別荘で歓待されただけに、相当(10%ぐらいか)な防衛費の増額になると思われる。

ソ連崩壊後の世界は大軍縮へ舵を切ったが、トランプ政権の誕生でこの軍縮は反転し、歴史的な軍拡への転換が避けられない動きとなった。もっとも中国拡張主義が数年前からヒトラー以上の大軍拡を進めており、アメリカの軍拡は、それへの対抗であるのは確実である。世界は新たな戦略的対立の時代に、すなわち新たな冷戦に転じたと言えるであろう。

日本は中国拡張主義の侵略に備えるため当然軍拡に進むのであるが、この機会に対米自立の必要条件である均衡の取れた自衛隊にするべき好機である。自分の国は自分の力で防衛することができるように是非して貰いたい。
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国家の形態が経済発展に影響すること!

一般的に資本主義経済は民主的でなければ発展しない。日本は戦後のGHQの戦後改革で、経済改革で財閥を解体し、農地改革で地主階級を無くし、労働改革で労働三権を認め、司法改革で民主的な法制度を整えた。これが日本の戦後の急速な経済復興を可能にしたのである。

小泉改革以後の規制緩和でこの戦後の国民経済を発展させるシステムを破壊したことが日本経済の縮小再生産(=デフレ)のサイクルに巻き込んだ原因である。いかに民主化が資本主義を発展させると言っても、戦後労働改革の経済に与える効果を台なしにすればデフレのサイクルは避けられず「失われた20年」にはまりこむことになった。

北朝鮮は冷戦の産物である。戦後旧ソ連が社会主義改革をしようとしたが金日成が受け入れなかった。国名が民主主義人民共和国であっても本質は個人独裁の王朝であり、発達した奴隷制社会に他ならない。だから王朝の後継をめぐり、兄弟を暗殺し、中国の古代王朝のように暴君が部下をつぎ次に処刑する国家となる。個人独裁の王朝=軍事支配の下では資本主義は発展しないのである。また中国のような「改革開放」政策も取れない。新興ブルジョア階級の拡大は、奴隷制の大王としての個人独裁王朝を突き崩すからである。

韓国は朝鮮戦争が中途半端に終わり38度線で休戦したために、日本の「戦後改革」のような革命的民主化がやられなかった。李王朝500年の奴隷制社会のしっぽが、ヤンバンの支配から財閥の支配に代わっただけで、財閥解体などの社会改革が行われなかった。この為経済危機になると大統領の首をすげ替え、さらには「反日」で国民の不満を日本に向けるだけの国家となった。このため韓国は経済危機の対策が必要な時に大統領不在となり、適切な経済対策が取れない社会となっている。韓国に必要なのは財閥を解体し、国民経済の成長が国民を潤す民主的な社会に作りかえることである。

中国は、元社会主義の官僚独裁の資本主義国家であるが、社会主義の集団化の影響が残っているため所有制の制限で、内陸部では資本主義の発展は限界がある。しかも習近平は民主派を弾圧し、権力的官僚支配へと移行している。資本主義は民主的な社会でないと発展しない。しかし官僚支配を守ろうとすると民主化はやれない。経済危機を国家統制で一時しのぎすると、なおさら資本主義は発展しない。しかし安い労働力で世界の輸出基地としての経済は巨大な生産能力を持つようになる。しかし国家統制では資本主義のような企業倒産という形で需給関係の調整が自然にできない。巨大な生産能力を満たすため現在国家の金で大兵器生産を行っている。日本での公共事業が中国では軍需産業の肥大化を招き、外へ軍国主義の拡張的暴走が始まっている。

以上が北東アジアの社会政治情勢で、これは国家の社会改革の程度で経済が制限を受けている事を示している。多くの人が「北朝鮮に生まれなくて良かった」「日本に生まれてよかった」と言うのは当然で、日本は戦争(第2次世界大戦)を徹底的に闘ったことで米占領軍が日本軍国主義の社会基盤を解体するために「戦後改革」を徹底的に行ったからである。これも一種の戦争の「歴史打開力」と言えるであろう。

金正男毒ガス暗殺でも北朝鮮に手出しできない米中!

アメリカはトランプ政権が発足したが、現在国内の大マスコミと政権が抗争中で、政策も移民問題など(内向き)の最中にある。中国も習近平政権は、今年秋の第19回党大会に向けて軍の上将と中将の高官47人を引退させ、習近平の軍権確立の最中にある。また韓国に至ってはパク・クネ大統領が弾劾の最中で、大統領不在とも言える政治空白の状況にある。

つまり北朝鮮の独裁者金正恩は、自分の兄金正男を暗殺しても、米・中・韓が何処も制裁や軍事行動を行う状況にない事を読んだ上で暗殺を実行しているのである。金正男氏は政治的野心もなく、3世代世襲に反対していたが、韓国にいる脱北者団体が北朝鮮亡命政府の樹立で金正男氏と接触するなどしており、北朝鮮の金正恩委員長にすれば、その存在が脅威であったのである。北朝鮮は中国の古代王朝とよく似た個人独裁の王朝なので、兄弟と言えど中国派で改革開放の張成沢(処刑された)から多額の資金を与えられていた兄金正男氏の存在は脅威であった。

アメリカにとっての北朝鮮は、核開発・ミサイル開発で韓国・日本を恫喝すればするほど、両国はアメリカの核の傘から逃れられず。韓国と日本はアメリカへの従属を続けるほかない。では中国はどうかというと、北朝鮮がいかに愚劣な個人独裁であろうと米軍基地のある韓国との緩衝地帯として中国は北朝鮮政権の存続を望んでいる。

つまり米中とも、朝鮮半島の現状固定化に戦略的利益を見出しているので、金正恩政権がミサイル実験をやり、核実験を繰り返し、海外で毒ガスで暗殺の主権侵害をしようが、現状では北東アジアに変化は起こりそうにない。最近中国政府が石炭の輸入禁止を発表したが、中国の軍は制裁等無視して北朝鮮との貿易を続けている。(習近平はまだ完全に軍権を掌握しているわけではない。しかし人事が行われる秋の党大会までには軍権を握るかもしれない。)

これが金正男暗殺事件で中国政府が沈黙を決め込み、アメリカが沈黙を続ける理由である。米中が半島の現状固定化を望んでいる以上、朝鮮半島の世界一愚劣な金正恩政権が当面、存続すると言うことなのだ。

金正男殺害事件で北朝鮮は韓国の陰謀と?!

マレーシアの空港で金正男氏が殺害された事件の捜査が進んでいる。マレーシア当局は既に殺害に関与した3人を逮捕した。うち一人は北朝鮮国籍の男である。また容疑者として北朝鮮大使館の書記官の名前も出ている。マレーシア政府はこの事件で北朝鮮に主権を侵害されたことになる。

2月16日の北朝鮮の「金正日総書記生誕75年」を祝う中央報告大会で金永南最高人民会議常任委員長は「金総書記の指導の継承問題を完璧に解決したのは千年、万年未来とともに末永く輝く最も尊い業績だ。」と述べた。この発言は一般的に金正恩委員長の異母兄の金正男氏殺害の成功を指すと見られていた。報道では最高指導者から、何年も前から暗殺命令が出されていたという。

ところが北朝鮮は金正男殺害事件で、北朝鮮の関与が指摘されていることについて、韓国の「陰謀」だと主張した。北朝鮮側の報道では「死因は心臓発作」で、遺体の引き渡しをせず、司法解剖したのは北朝鮮の自主権に対する露骨な侵害だと言うのである。いつものことながら加害者が被害者を装ういつもの手法である。

先に北朝鮮は日米の首脳が食事中に日本海へ固形燃料の新型ミサイルを発射し、日米の同盟を挑発した。今回の金正男殺害事件が不可解なのはいつも同行している中国政府の護衛がいなかったことだ。新型ミサイルと、金正男殺害は北朝鮮のしわざであることは明らかだが、問題はこの二つの事件の背後に中国政府が関与しているのではないのか?という疑いが出ていることだ。

アメリカ軍の韓国への高高度ミサイル配備が確定し、韓国政府を反日で抱き込む戦略が破綻した中国が北朝鮮政府とよりを戻している、と見るべきである。トランプ政権がオバマの「戦略的忍耐」と称する非介入主義から、「圧倒的対応」に転じているにもかかわらず、北朝鮮が新型ミサイルを発射し、金正男殺害を行ってアメリカの介入を恐れもせずに挑発しているのは、背後に中国政府がそそのかしているからと見た方が理解できる。

北朝鮮の背後に中国がいると分かっても、トランプ米政権が北朝鮮に軍事的制裁を行えるのか?世界が注目している。しかしトランプ米政権はテロとの闘いを戦略的重点にしている。これが口先だけと分かったら世界中のテロリストがアメリカを舐めてくることが明らかで、トランプの本気度が問われているのである。現在の中国と北朝鮮は独裁統治という共通点があり、反米と言う点でも利害を同じくしている。アメリカ海軍がアジアに空母打撃軍を二つ配備し、日本にF22を配備していることはアジア情勢をにらんだものであり、「狂犬」と呼ばれるマティス米国防長官が軍事行動に踏み込むのか?注目される点である。

「戦略的忍耐」から「圧倒的対応」に転換した北朝鮮政策!

北朝鮮が日米の首脳の晩さん会に合わせ新型ミサイル実験を行い、また金正男氏の暗殺が北朝鮮の手で行われた。当面トランプ政権は反テロ対策を優先し、北朝鮮とイランをテロ国家と認定しているのだから当然米軍が北朝鮮に強硬な軍事制裁を行う可能性は高く、その事に世界の注目が集まっている。

マティス米国防長官は2月4日の訪日時に稲田防衛相に対し、北朝鮮の攻撃に対しては「圧倒的な対応を取る」と語っている。トランプ米政権は前オバマ政権の政策を全て覆している。トランプ政権がオバマ前政権の北朝鮮への現状固定化の「戦略的忍耐」と称した優柔不断な北朝鮮政策の見直しを進めている時の北朝鮮のミサイル発射であり、暗殺(テロ)であっただけに、トランプ米政権がこのまま北朝鮮を許すわけがない。

トランプ米政権が西太平洋に空母打撃軍二つを配備し、日本にF22ステルス攻撃機を配備したことは偶然ではないと世界は見ている。どう見てもトランプ政権が北朝鮮の金正恩独裁政権に「圧倒的な対応を取る」可能性は高い。もし何もアメリカが動かなければ世界中のテロリストがアメリカ新政権を舐めるであろう。

アメリカが動きにくい理由を見ると韓国の大統領不在の内政状態のまま、北朝鮮への軍事的制裁が可能か?という点ぐらいである。トランプ米政権にすれば日米首脳の晩さん会の最中にミサイルを発射し、その直後にマレーシアで暗殺を実行された訳で、この世界に対する挑戦的なテロ行為を見逃せるわけがない。

注目すべきは、トランプ米政権が、辞任したフリン大統領補佐官の後任にマクマスター陸軍中将を起用した事である。国家安全保障を担う補佐官は国家安全保障会議の司会役である。このポストに軍人を充てるところに、トランプ大統領の決意が示されているように見える。オバマの頑なな非介入主義から、トランプのアメリカが転換した事を示すには、北朝鮮にどのような制裁で答えるのか?世界が注目しているのである。

注目されるトランプ米政権の北朝鮮への対応策!

北朝鮮が日米の首脳の晩さん会に合わせ新型ミサイル実験を行い、また金正男氏の暗殺が北朝鮮の手で行われた。当面トランプ政権は反テロ対策を優先し、北朝鮮とイランをテロ国家と認定しているのだから当然米軍が北朝鮮に強硬な軍事制裁を行う可能性は高く、その事に世界の注目が集まっている。

マティス米国防長官は2月4日の訪日時に稲田防衛相に対し、北朝鮮の攻撃に対しては「圧倒的な対応を取る」と語っている。トランプ米政権は前オバマ政権の政策を全て覆している。トランプ政権がオバマ前政権の北朝鮮への現状固定化の「戦略的忍耐」と称した優柔不断な北朝鮮政策の見直しを進めている時の北朝鮮のミサイル発射であり、暗殺(テロ)であっただけに、トランプ米政権がこのまま北朝鮮を許すわけがない。

トランプ米政権が西太平洋に空母打撃軍二つを配備し、日本にF22ステルス攻撃機を配備したことは偶然ではないと世界は見ている。どう見てもトランプ政権が北朝鮮の金正恩独裁政権に「圧倒的な対応を取る」可能性は高い。もし何もアメリカが動かなければ世界中のテロリストがアメリカ新政権を舐めるであろう。

アメリカが動きにくい理由を見ると韓国の大統領不在の内政状態のまま、北朝鮮への軍事的制裁が可能か?という点ぐらいである。トランプ米政権にすれば日米首脳の晩さん会の最中にミサイルを発射し、その直後にマレーシアで暗殺を実行された訳で、この世界に対する挑戦的なテロ行為を見逃せるわけがない。

注目すべきは、トランプ米政権が、辞任したフリン大統領補佐官の後任にマクマスター陸軍中将を起用した事である。国家安全保障を担う補佐官は国家安全保障会議の司会役である。このポストに軍人を充てるところに、トランプ大統領の決意が示されているように見える。オバマの頑なな非介入主義から、トランプのアメリカが転換した事を示すには、北朝鮮にどのような制裁で答えるのか?世界が注目しているのである。

世界情勢は合従連衡の時代へと移行する!

先にトランプ米政権は日米同盟の強化を確認した。2月18日にはアメリカ海軍の空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃軍が南シナ海で活動を開始した。

マティス米国防長官は、2月17日ミュンヘン安全保障会議で演説した。2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を一方的に併合した事を安全保障の「分岐点」と指摘し、アメリカはNATOと連携していくと強調した。また欧州の安保情勢に関し、東欧諸国やトルコ、南欧などで「不安定な孤が形成されている」と語った。

マティス米国防長官は、NATOの国防相会議で、NATO重視や対ロシア政策堅持で同盟国を安心させる一方、加盟国が国防費の増額に向けた道筋を年内に付けねば、NATOへの関与を「抑制する」旨発言した。欧州が国防費を増額することは対ロシアへの備えである。欧州とロシアの矛盾は激化するであろう。

アメリカのトランプ政権の対ロシア政策は未だ変化は見られないが、中東政策ではアメリカはロシアと協力してISと対抗する方向である。つまりトランプ政権は対テロ戦略を優先すると見られる。
中国から欧州までの高速鉄道敷設によるユーラシア大陸大経済圏を目指す中国の「新シルクロード構想」に、欧州はアジアインフラ投資銀行に出資することで呼応した。言わばこれは中国の「連衡」策であり、欧州はこれに便乗した。アメリカはこの欧州の変心を許してはおらず。いずれロシアへの制裁をやめて「合従」戦略で「連衡」戦略を分断する可能性がある。

つまりアメリカは欧州への関与を削減する可能性がある。そうすればロシアは旧ソ連圏の勢力圏回復にのりだし、欧州はユーラシア大陸大経済圏どころではなくなる。トランプ政権はEUを離脱したイギリスをほめ支持した。また欧州の離脱の動きもそそのかしている。トランプ政権は統一通貨ユーロの経済圏解体を目指している可能性がある。強いアメリカの復活のためには、ドル支配からの離脱を目指す欧州の経済統合の解体が不可欠だと見ているのかもしれない。

戦略的に、トランプ政権の対中国戦略は、習近平政権の西太平洋とインド洋への海洋戦略を空母打撃軍の南シナ海投入で封じ込め、中国の南シナ海での軍事基地建設で動揺するアジア諸国をアメリカが保護する意思を表明した。オバマ政権は空母打撃軍を南シナ海には決して投入しなかった。トランプの強いアメリカは本気である。

中国の「新シルクロード構想」という「連衡」策は、トランプの米・日本、イギリス、ロシアの「合従」策で阻止されようとしている。トランプ政権の対ロシア外交が変化するのは1年後以降と見られる。世界情勢はアメリカ・欧州・中国・ロシアの戦略がぶつかり合う時代(=合従連衡の時代)へと入りつつある。

トランプ政権の対欧州戦略に注目せよ!

トランプ大統領はNATOを時代遅れと批判し、欧州の移民政策を批判、とりわけドイツの移民政策を失敗とまで批判してきた。またトランプは、EUを離脱したイギリスを評価し、またEUをドイツのためのものと見なしており、最近では国家通商会議のナバロ委員長が不当なユーロ安で暴利をむさぼっているとドイツを批判した。つまりトランプ米政権はドイツのメルケル首相を窮地に陥れ、ユーロの崩壊を狙っていると見られ、欧州諸国はトランプ政権を強く警戒している。

そのトランプ政権の閣僚3人が今週欧州を訪問する。マティス国防相が15日のNATO国防相理事会で、各国に「アメリカの納税者はもはや不釣り合いな負担を担えない」として各国に国防支出の増大を強く求めた。マティス国防相は、アメリカがNATOへの関与を縮小する可能性も言及した。

今月16,17日にはティラ―ソン国務長官がドイツのボンでの主要20カ国外相会談に出席する。また17日~19日にはミュンヘン安全保障会議にペンス米副大統領、マティス国防相が出席する。この場でのアメリカ側の発言で、アメリカの対欧州戦略が浮かび上がるであろう。

アメリカは、同盟国日本には駐留米軍への負担増は言及しなかった。しかし欧州にはマティス国防相が国防支出の増大を強く求めたことから、ドイツに対しどのような対応を取るのか注目される。日本と同じくドイツは第2次大戦の敗戦国だが、東西対立の中で西と東に分断された分ドイツは日本ほど対米従属ではない。どちらかと言うとドイツは自立している。だからトランプ政権が発足してドイツ国内では独自核武装論が国内で出ている。

アメリカにとって覇権国としてのドル支配に、地域統一通貨ユーロで独自の経済圏を目指すEUはいわば競争相手であり、したがってトランプ政権は欧州に厳しい対応を取る可能性がある。とりわけドイツはアメリカとの貿易黒字が多く、EUの親分格であるだけに一連の国際会議でのアメリカ側の発言がどのようなものになるのか世界が注目しているのである。安倍首相がトランプにドイツのメルケルに何らかの働きかけを託されている可能性もある。トランプ政権の関心がドイツのメルケル首相にあるのは間違いない事である。

とりわけ当面のアメリカの戦略的敵である中国の、アジアインフラ投資銀行に欧州諸国が投資し、中国と共に大ユーラシア経済圏を目指していると見ているトランプ政権は、欧州に経済・防衛でどのような揺さぶりと強い態度を取るのかが注目される点である。

独裁者金正恩はついに兄までも殺害した!

北朝鮮の金王朝の独裁者は国連決議を踏みにじり、隣国に向けてミサイルを発射し、マレーシアの首都空港で兄である金正男氏を暗殺した。まるで国際社会を愚弄するかのような暴挙を続けている。彼は就任後叔父の張成沢を含む約100人の部下を処刑した暴君である。

金正男氏は海外での生活が長いせいもあり、北朝鮮の3世代世襲を批判していた。「朝鮮民主主義人民共和国」という国名にふさわしくないこの個人独裁の金王朝ほど醜い国家は地球上に存在しない。それはまるで奴隷制国家のように自国の国民を殺害し、収容所に送り、未だに個人軍事独裁を続けている。

この金独裁王朝が存続できたのは米ソの冷戦の中での38度線の対立関係が、絶体権力の金王朝への批判を妨げ、大国の援助がこの王朝を潤したのである。しかし冷戦が崩壊してからは、この独裁王朝の暴走が始まる。拉致・覚せい剤・偽札など手段を選ばぬ金儲け、とりわけ3代目の金正恩は敵対矛盾と人民内部の矛盾を全く区別できず、自分に意見を表明するものを決して許さない。まるで中国古代王朝の暴君のように、滅びの道をまい進しているように見える。

北朝鮮がいかに醜い政権であっても大国のはざまで、その核・ミサイル恫喝が韓国と日本のアメリカへの従属を強要し、また中国にとっては如何に問題のある政権でも、アメリカとの緩衝地帯としてその北朝鮮の存在が貴重である限り、この国は存在し続けることができる。つまりアメリカも中国も半島の対立関係(軍事的緊張状態)の存続を望んでいる限り、この醜い個人独裁奴隷制国家=金王朝は存続するということだ。

中国古代王朝の歴史が教えているのは、こうした暴君の多くが、たまりかねた部下により殺されている。北朝鮮の終わりが近いと言うべきだ。他国での拉致や暗殺は他国への主権侵害であり、またミサイルと核開発は国連決議違反であるのに、この国が存続できるのは大国がその存続に利益を見出しているからであり、北朝鮮人民が独裁者金正恩を支持しているからこの国が存続しているのでは全くないのである。

半島の南の韓国は、国民の怒りをいつも「反日」で隣国に向けることで政権の存続を目指し、国家間の解決や約束をいとも簡単に覆す無責任国家だ。冷戦の代理的対立が北も南も奢り、たかり、強請り、独裁の無責任国家を生みだしたのである。朝鮮半島の人民こそ大国の冷戦の最大の被害者なのである。

ミサイルと「反日」挑発外交の後ろにいる中国!

北朝鮮が固体燃料の移動式新型ミサイルを日本海に向け発射した。近く長距離ミサイルの実験や核実験もあり得る。また拉致問題も解決しない。南の韓国では従軍慰安婦像増設と竹島への設置で日本を挑発している。慰安婦問題の「不可逆的解決」はまたも「手のひら返し」である。窃盗団が盗み取った仏像は「日本(=倭寇)が盗んだものだ」と言い建てて返還しない。窃盗の犯人があたかも自分を被害者に見せかけている。

北朝鮮が国連の制裁下であるのに北朝鮮の首都に高層ビルが増え続け、核開発とミサイル実験を続けられるのは中国がひそかに支援しているからである。今回の移動式ミサイル搭載車両は中国製なのである。韓国政府とマスコミの慰安婦像と竹島占領それに踊らされている韓国国民の「反日」の後ろにいるのも中国だ。

パククネ大統領が中国すり寄り外交で「反日共同戦線」で手を握り、日本から戦争賠償金を再びむしり取ろうとした結果、韓国政界、マスコミと国民は困った時は「反日」の、隣国にとってはとんでもない迷惑な事態を生みだした。韓国の経済危機を考慮すると、これ以上国民の怒りを日本に向けて、韓国にどのような利益があると言うのだろうか?もはや何度でも謝罪し、何度でも金を払うお人よしの日本政府ではない事を、いいかげんに韓国支配層は認識すべきであろう。

韓国政府の中国接近が何の成果もなく、今では米軍の高高度ミサイルの配備問題で韓国は中国の経済制裁下にある。北朝鮮のミサイルと核の矛先も韓国は関係ないとでも言うのであろうか?アジア情勢の変化も読まず、「反日」を続ける韓国政府の二股外交は愚かと言うしかない。韓国国民は中国覇権主義の矛先が韓国と日本に向けられていることを深刻に考えた方がいい。

韓国と北朝鮮の挑発外交は「反日」と軍事の違いはあるが、後ろに中国の影が差していることを日本人は見て取らねばならない。中国は70年以上前の日本軍国主義の犯罪を持ち出して自分の侵略的姿を隠蔽し、「反日統一戦線」で日本を孤立させ、アジアの盟主の地位を奪い取ろうと企んだのである。半島の北と南の日本への挑発は何も偶然ではないのである。日本が自国の防衛を他国に依存している弱さを中国政府は見据えているのだ。対米自立の精神が何よりも重要で必要なのである。

日米首脳会談で明確になったトランプ政権の世界戦略!

大統領選挙中からトランプ大統領の日本批判は「在日米軍の費用を100%出せ」であり、「円安誘導」であり、自動車の貿易不均衡であった。ところが今回の安倍・トランプ会談では経済問題は麻生副総理とペンス副大統領の「経済対話」で解決することになった。トランプ大統領は在日米軍の費用負担も出さなかった。尖閣諸島に日米安保条約第5条が適用されることもトランプは認めた。つまり日米首脳会談は誰もが大成功を認めるよい結果となった。

こうした結果は、先のマティス米国防長官の訪日で引かれた戦略であることが分かる。つまりアメリカは対中国を戦略の中心と見ているのである。中国のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)にイギリスをはじめとして欧州諸国が参加し、欧州からアジアにかけた巨大な経済圏を展望するのは、すなわちアメリカの世界覇権への挑戦であった。日本政府がAIIBに参加しなかったのは、アメリカにとってはありがたいことであったのだ。

アメリカのトランプ政権の世界戦略は、主敵は中国拡張主義であること、アメリカの同盟国は欧州ではEUを離脱したイギリスであり、アジアではAIIBに参加しなかった日本が主要な同盟国であり、この同盟関係を確認したうえで、当面中東はロシアとともにISと闘い、イラン・北朝鮮が当面のアメリカの敵であること。経済面では最大の貿易黒字国の中国に譲歩を迫るうえでの日米同盟の強化なのである。

つまり安倍首相は運がいいのである。トランプがイギリスのメイ首相と安倍首相と会談し、安倍首相を最大限の歓待でもてなしたのは、対中国との覇権争奪を長期的な戦略に位置付けていることを示している。つまり安倍首相の対米追随外交は、日本を米中の戦争に将来巻き込む可能性を示している。米共和党右派のトランプ政権は長期的には中国共産党政権の解体を視野に入れていると言うことだ。しかし短期的には中国との2国間経済交渉で米国内の雇用を増やすことが、トランプ政権の短期的な経済戦略なのである。だから習近平との電話会談で「一つの中国」の原則を尊重することを表明したのである。

日米の2国間交渉も将来どのような譲歩を強いられるか分からないのであるから、日米首脳会談の成功を日本人は喜んでいられないのである。トランプの周辺では5年後に中国との戦争を想定している、との報道も流れているように、トランプ政権は予測しがたく、安倍政権は今後ともトランプ大統領との「蜜月」関係の維持に神経を使うことになるであろう。
重要なことはマティス米国防長官が言っているように「日米双方がそれぞれの防衛力を強化しなければならない」ことである。この軍事力強化は将来の対米自立を可能とする均衡のとれた防衛力とすることを心がけるべきである。日本は憲法9条の法的観念論を克服すべき時期が来たということでもある。安倍政権が憲法改正に手を付ける可能性が出てきた。

韓国支配層の危機乗り切りのための「反日」の愚劣!

韓国経済が破たん寸前になると、この国は国民の反政府デモが盛り上がり、いつも大統領を標的にする。その後はお決まりの従軍慰安婦像を設置して、際限無く慰安婦像を増設し続け、日本を悪者にして反日のキャンペーンで国民の目を日本にそらす。それで支配層の政治危機は切り抜けるのがいつもの手口だ。

この韓国支配層(=財閥とその政治的代理人)はこうした戦前の日本支配、それも20万人の拉致・性奴隷というありもしないでっち上げを世界中に宣伝した。こうした韓国支配層の蛮行を日本の右翼支配層が利用し、国民の反発=右翼バネを利用して安倍右翼政権が生まれたのである。

自国の支配が揺るぐ度に、隣国である日本に国民の憎しみ(それもデマである)を向けて危機を脱する手法は愚劣としか言いようがない。窃盗団を派遣して日本の対馬の寺から仏像を盗みださせ、裁判で韓国の寺に返却を判決し、日本国民を挑発して韓国政府=韓国支配層は何を狙っているのか?

日本国民が立腹しているのは、何度も戦前の事を謝罪し、賠償金を3度も支払っているのに「日本は謝罪していない」と嘘の20万人拉致と性奴隷説を世界中に振りまく韓国政府の汚いやり口である。彼らは日本との戦争を狙いとしているのか?と疑いたくなる。

何処の国が多額の戦後賠償金を受け取りながら、自国の国民を煽り、そそのかし日本を敵視するマスコミのキャンペーンを続けているだろうか。そのキャンペーンの反映で日本で韓国人が犯す犯罪の数々は日本の国民の怒りを高めている。殺人・強盗だけではない、多くの石仏の頭を砕き、国宝の仏像に油をふりかけ、仏教徒である日本国民を挑発する行為は愚劣極まる手口である。これらは韓国の反動的支配層が組織的にしかけているのである。

戦後日本はGHQの「戦後改革」で、農業改革として地主階級を解体し、経済改革で財閥を解体し、軍国主義の階級的・経済的基盤を解体した。(他に戦後改革は政治改革・司法改革・労働改革がある)こうして日本は世界に稀な民主主義の国になった。しかし韓国では北朝鮮との戦争とその後の休戦で財閥解体などの社会改革が全く行われず。古臭い支配層(=ヤンバン)が長く専制・独裁支配を続け、民主化は最近のことだが内実は独裁のしっぽを根強く保持し、先に書いた愚劣極まる手法で韓国国民を搾取支配している。

今回の韓国釜山の日本領事館前の慰安婦像の設置で、安倍政権が日本大使を帰国させたら、今度は竹島に慰安婦像を設置する運動が始まった。こうした執拗な韓国支配層の企みに日本国民は国交断絶もやむなしの決意を強めつつある。韓国国民は自国の反動支配層の手口・企みを見抜く賢さを身に付けた方がいい。戦後70年以上経つのに未だに隣国を敵視する支配の手口を続ける韓国支配層の反動的キャンペーンにのせられてはいけない。このままでは韓国は世界に恥をさらし孤立し、日本国民の憎しみを増幅し、経済危機が来てもどの国の支援も得られない最悪の事態を迎えるであろう。

トランプ・安倍首脳会談のリスク!

トランプ大統領の雇用創出の政策がアメリカ国民の支持を得ている。しかし排外主義的政策は外国との摩擦が激化している。イスラム圏7カ国からの入国禁止は司法判断で入国が許されたが、トランプ大統領は最高裁まで争う構えだ。中国や日本等貿易黒字国に関税を課し、賃金の高いアメリカで生産すれば、アメリカ国民は高い商品を買うはめになる。トランプの保護貿易主義は長期的にはアメリカ経済を衰退させることになる。

だからメキシコのようにトランプとの話し合いを拒否する国が増えそうだ。オーストラリアの首相は電話会談の最中にトランプがオバマ政権が受け入れた移民問題で激怒し、話し合いは決裂となった。トランプと会談したイギリスの首相は帰国後反トランプの国民運動の高まりで窮地に陥った。

トランプの外交がいよいよ孤立を浮き彫りにし始めた時に、安倍首相がポチのようにしっぽを振り振りトランプと会談するのだから、トランプの側は手厚いおもてなしをするであろう。しかし朝日新聞が報じたようにアメリカのインフラ投資に日本の年金資金を使うことや、トランプの「アメリカ第一」に安倍首相が奉仕するような譲歩が明らかになれば、安倍首相は長期政権が危うくなるであろう。
トランプ大統領は、日本がアメリカ車を買うことを求めている。しかし道幅が狭く、大型の駐車場の無い日本では、アメリカの大型車が売れるわけがない。トヨタはアメリカへの投資を増やすことを提案しているが、トランプが譲歩するであろうか?注目点である。

トランプの「強いアメリカの復活」は日米同盟を強化するしかない。そかし、その道は日本がアメリカの戦争に巻き込まれる道なのである。日本はトランプの「アメリカ第一主義」を利用して対米自立の機会にすべきであるが、安倍首相は徹底した対米従属主義者なので、今回の日米首脳会談は安倍首相には非常にリスクが高いのである。

トランプと安倍の首脳会談は世界が注目している。トランプが貿易摩擦を重視せず、日米同盟の強化を優先すれば、安倍首相は世界に先駆けて対米交渉で得点を挙げることができるであろう。したがって貿易交渉の中身は伏せられる可能性が高い。トランプ政権の外交は第一に北朝鮮とイランであり、この2国への厳しい対応が予想される。安倍首相が日米交渉で得点を上げられれば長期政権が現実化するであろう。世界的に孤立しかかっているトランプは、今回の首脳会談で柔軟な外交を見せればアメリカ国民の支持はさらに高まるであろう。日米交渉の中身に注目したい。

ダボス会議で自由貿易の旗を掲げた習近平の弱点!

トランプ米大統領が保護貿易主義の政策を進めることを横目に、習近平が世界経済フォーラム(ダボス会議)で「グローバリズムと自由貿易主義システムを守り、保護貿易主義に反対する」と演説した。資本主義の旗頭のアメリカと社会主義の中国が正反対の政策を語るところに今日の世界の混迷が示されている。

習近平政権は誕生してから一貫して民主化運動に関係した弁護士や学者やジャーナリスト等多数を「国家転覆罪」で逮捕拘禁し、雑誌やネットの支配を強化してきた。その習近平が今力を入れているのが権力闘争に勝ち抜くための人事であり、自派の人材でポストを固める事である。海軍司令のポストを握り、武装警察部隊のポストを握り、国家観察委員会の組織を新設して、首相でも逮捕できる力を彼は握ろうとしている。北京・上海・天津・重慶の市長ポストを習派で握り、党大会に向け習独裁体制を固めようとしている。

中国政府は最近、同国で働く外国人を身勝手な基準でランク付けし、この基準を使って外国企業の指導的人材を追い出し、外国企業の乗っ取りを画策する等、ナチス張りの差別政策を進めている。技術とノウハウを得るために外国企業を国内に誘致しながら、今になって外国企業の乗っ取りを進めるのだから、これは外国人浄化政策で、やっていることはトランプよりも排外主義的だ。

その習近平が進める戦略は、今年の5月に北京で開催する「一帯一路国際協力サミット」に表れている。中央アジアからインド洋、さらには欧州までをユーラシア経済圏として取り込む雄大な戦略である。西太平洋と南シナ海への海洋戦略はアメリカの権益とぶつかる、だから当面経済戦略を軍事戦略に先行させることを意味している。

習近平が世界経済フォーラムでアメリカのお株を奪う演説をした背景は、経済戦略をトランプの保護貿易主義の隙を突く巧みな戦略なのである。しかし習近平は重大な点を見落としている。経済も自由も独裁権力で統制するのでは資本主義は発展しないということだ。中国経済の発展を支えた外国企業をまるまる奪い取るような政策では、中国の成長も先が見えたと言う他ない。

中国経済は元の暴落を押さえるために買い支えで外貨準備が減り続け、海外への資金逃避が続くなかで、いかにアメリカの覇権を奪おうとしても、国内的に自由・民主を奪い取る強権的弾圧下では経済が発展するわけがない。資本主義経済は自由と民主がなければ発展しないのである。つまり習近平走資派指導部の弱点は経済にある。

しかもトランプ政権が貿易赤字解消を目指して2国間交渉を求めてくる。中国経済は最悪な状況を迎える。それゆえさらに強権的独裁を目指すのだが、それをやればやるほど中国経済は壁にぶつかる。中国走資派指導部にとって歴史の転換点が近づいている事を自覚しているのであろうか?中国共産党支配の終わりが近いのである。

パキスタンから中国へのパイプライン計画が浮上!

国を挙げて覇権戦略に突き進む中国の弱点はエネルギーラインだ。マラッカ海峡が戦略的弱みとなる。そこで中国はミヤンマーから雲南省まで石油・天然ガスパイプラインを敷設している。最近ではパキスタンのアラビア湾沿岸に中国が建設しているダワダル港が、昨年11月に運用開始となった。中国がインド洋に重要な軍港としての拠点を確保したのである。

このダワダル港からパキスタン北部、さらにはインドとの係争地のカシミールを通り、中国の新疆ウイグル自冶区までのラインを中国の「エネルギー生命線」と位置付けて石油・天然ガスパイプラインを敷設する計画が明らかとなった。

実現すれば中東からの中国への輸送路がマラッカ海峡から南シナ海経由より8000キロも短縮でき、戦略的要衝のマラッカ海峡を通過しないでエネルギーを自国に送る二つ目のルートができることになる。アジアの覇権をめぐりトランプ米政権が5年後に中国と戦争を仕掛ける計画があることが浮上している中でのパイプライン計画の浮上である。

このパイプラインルートは戦略的・経済的に中国には非常にメリットがあるが、ヒマラヤの西部の山岳地帯はインドとの係争中のカシミール地方であり、パキスタンの隣国のアフガニスタンはイスラム原理主義のタリバンが力を持っている。中国がウイグル族を弾圧している関係でパキスタンの反中国イスラムゲリラの勢力圏でもある。

中国がこのパイプライン計画を実施に移すときは、アメリカとの覇権戦争が前提となる場合であることを念頭に置いておくべきであろう。中国はロシアのシベリアからの天然ガスのルートを確保しており、エネルギールートの数を増やすことは中国のエネルギー戦略の上で重要な布石である。

習近平はアメリカとの世界の覇権の分有を夢見ており、アメリカの一極支配から、中米のニ大国による世界支配を夢見ている。彼らは欧州まで高速鉄道を敷設して、新シルクロード戦略を具体化し、ユラシア経済圏の主導権を握る雄大な戦略を持っている。また海上戦力を強化して西太平洋からインド洋の海洋覇権も構想している。オバマ政権の非介入主義が中国の野心の実現の時間的機会を与えたのである。中米で進めているニカラグアの運河建設と合わせてみると、中国の地域覇権主義の野心が地球規模で膨れ上がっている事に警戒するべきである。

中国の戦略には、日本を外交的に屈服させ取り込むか、軍事占領して日本の技術と資金の取り込みをその戦略に組み込み構想している。政府は自衛隊の奇形的防衛的な装備を、攻撃防御の均衡のとれた装備に強化し、中国拡張主義の野心に備え、同時に対米自立の前提条件としての強力な防衛力を急ぎ備えるべきである。

「狂犬」マティスが思いのほかまともだった!

トランプ大統領が強く信頼するマティス国防長官が韓国・日本を訪問した。当初在日米軍経費の負担増が出ると予想されたが、結果は「日米の分担の在り方は他国の手本になる」とのべ、防衛省関係者は「発言にはびっくりした」との声も出たと言う。

マティス国防長官の考えは、北朝鮮の核・ミサイルによる挑発、中国の南シナ海・南シナ海での「挑戦的行為」など安全保障環境の変化を受け、「日米双方がそれぞれの防衛力を強化しなければならない」と言うものだ。つまり日本の防衛力の強化とはアメリカの戦闘機やミサイルを買えと言うことのようだ。日本は自動車を売り、アメリカは武器を売るということで貿易摩擦も改善しようということなら安倍首相も一安心と言える。

マティス国防長官は稲田防衛相との会談で中国に対しては「ルールに基づいた国際秩序が維持されるべきだ」と語り、イランについては「世界で唯一最大のテロ支援国家」と呼び、北朝鮮の核・ミサイル攻撃は「必ず撃退する」「圧倒的対応を取る」と宣言した。

つまりトランプ政権は当面イラン・北朝鮮に強硬な対応を取る考えであることがうかがわれる。トランプ大統領は大統領令で、米軍を強化するため現在の脅威に対処する能力があるかの検討を命じ、マティス国防長官が2月下旬までに即応体制に関して報告書を提出することになっている。つまり日本と韓国の首脳との会談に、今後の米軍の増強計画が反映するということのようである。

つまりマティス国防長官は大方の予想とは違い思いのほかまともな考えの人物だと言うことだ。日本が古くなったF4ファントムの後継機種にF22の購入をはたらきかけたら、アメリカは日本にF22を売らなかった。トランプ政権ならこんなことはなくなるのではないか?自分で日本の軍隊を弱体なものにして、駐留米軍の費用負担を求めたこれまでの政権と違い、トランプ政権はアジアにおける軍事的環境の変化から日本の防衛力増強を本気で求めている点は評価できる。

しかし重要なのは中国社会帝国主義の危険性・凶暴性をマティス国防長官が正しく認識しているのか?という点は、イランと北朝鮮重視なのが気になるところだ。安倍首相はトランプ大統領にこの点をキチンと説明した方がいい。アメリカの覇権に中国が戦略的に挑戦していることを指摘して、アメリカが軍事戦略をキチンと立て直すよう助言した方がいい。オバマ政権の非介入主義でアメリカの軍事戦略が受けた打撃の大きさは、とりわけアジアで、中国に有利な軍事力増強の時間を与えてしまった事をキチンと説明した方がいい。マティス国防長官が「狂犬」と呼ばれていた割にまともであったことは日本にはよい事である。

トランプ大統領の破滅的政策で世界が悲鳴!

大統領に就任して2週間もたたないうちにトランプが普通の政治家でないことが明らかになった。普通の政治家なら当選と同時に公約は忘れ去り、現実的な政策に立ちかえるものだ。ところがトランプは反移民・反イスラム・反メキシコ・反同盟国を異常な律儀さで実践している。

就任早々大統領令を連発するので誰も止められない。イスラム国からの入国を禁止し、壁の建設を進め、同盟国に高い関税で恫喝し、アメリカ国内への投資を促し、まるで産業資本家のように工場の建設にこだわりを見せている。アメリカ金融資本の戦略であるTPPを「永遠に離脱」し、アメリカ内の移民の人達は強制送還に恐れおののいている。アメリカは分裂と対立を深めている。

アメリカ国内ではトランプ反対デモが拡大し、メキシコやオーストラリアの首相と決裂した。このままでは全同盟国と対立し、孤立主義を貫徹する構えである。そのトランプがロシアにだけは優しい。ロシアのプーチンもトランプ批判を控えている。米マスコミはトランプの破廉恥なビデオをロシアに握られているのではとの疑いを抱いている。

トランプ政権の大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のマイケル・フリン氏が連邦捜査局(FBI)中央情報機関(CIA)国家安全保障局(NSC)の捜査対象になっている、との報道がある。いずれもフリン氏とロシアとの関係が疑惑を持たれているのである。

同盟国は、アメリカが孤立主義で「衰退の道」をまい進することを恐れ、自国に関税問題で火の粉が降りかかることを心配し、ロシアや中国はアメリカの「衰退の道」を表面上は静観し、内心は大歓迎している。既にアメリカでは「トランプを追い出す選択肢」が提案されている。それによると(1)あと4年我慢する(2)弾劾(下院の過半数の賛成があれば弾劾裁判にかけられる。また上院の3分の2が賛成すれば有罪))(3)合衆国憲法修正25条で副大統領が権限を握る(4)軍事クーデター(5)そして最も可能性が高いのがケネディ大統領が経験した暗殺である。

このままトランプ大統領を放置すればアメリカは衰退し、世界は大経済恐慌になる。戦争の可能性も高まる。トランプ政権は共和党内でも反対するほどの極右派政権である。それでは日本政府はどうするのか?安倍政権は親米政権なのでトランプに追随し、被害を最小限にする方向だ。とにかく世界中がトランプが説得など受け入れない人間なので困惑している。「トランプ台風」が世界情勢を不確実なものとしている。

中国政府のトランプ政権抱き込みが進行中!

月刊誌「選択」の2月号は「米政権に流れ込む中国マネー」「習近平とトランプの裏取引」を報じている。それによると中国の習近平政権が水面下でトランプ政権と裏交渉を進めて、本格的な貿易戦争や軍事的対決を回避しようとしている。

中国の複合企業「海航集団」(HNAグループ)傘下のHNAキャピタルがトランプ大統領の顧問アンソニー・スカラムッチ氏が所有する投資会社スカイブリッジ・キャピタルの持ち株を約2億ドル(約230億円)で買収することで双方が合意したという。スカラムッチ氏はトランプ大統領の長女イバンカ氏の夫で上級顧問でホワイトハウス入りした。

今回自分が創業した会社の株をスカラムッチ氏が売却したのは「大統領顧問の仕事に専念したい」と言うのが表向きの理由だが、買収側の中国企業HNAキャピタルの親会社は海南航空(中国最大の民間航空会社)で習近平に近い王岐山の影響が強いので、習近平政権がトランプ政権に接近する足掛かりとしての中国マネ―での裏取引としての意味があるというのだ。

中国政府は、大統領選でクリントンが当選すると読んで中国の実業家王文良氏を通じて200万ドル(約2億2千万円)もの献金をするなど、クリントン陣営に100人以上の献金者が名前を連ねていた。しかし大統領選がトランプの勝利となり、中国当局は対策チームを結成し、この後スカラムッチ氏への接近が始まったという。

また中国のアリババ集団(電子商取引最大手)の馬雲会長が1月9日にトランプ大統領と会談しアメリカでの100万人の雇用創出を打ち出した。馬氏はアメリカの農産物や酒や衣料品を中国や東南アジアに輸出する事業を始めるという。アリババ集団も習近平と近いのであるから、こうした動きはトランプとその周辺に中国企業の金を流し込み、経済的利益でトランプ政権の抱き込みを策していると見ていい。

中国は、自国の事業家を使い巨額の経済的見返りで、台湾や海洋進出など自国の戦略的利益を獲得する腹と見るべきである。安倍首相はトランプにアメリカ製自動車を買うことを求められて窮地にある。せいぜい自衛隊の旧式なF4ファントムの代わりの機体の購入か、トマホークミサイルの購入を持ちかけるぐらいしか策がない。外交戦では明らかに日本は中国に遅れを取っている。
それにしても中国は、トランプ政権がまるで産業資本家のような「保護貿易主義」の政策であることを分析し、実業家トランプに中国マネ―を振り撒くことで国難を克服しょうとしている。
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