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オバマの対ロシア制裁はトランプ次期政権への嫌がらせ!

ロシアがアメリカの大統領選に介入したとされる問題で、オバマ米大統領は大統領任期1ヵ月を切る中で29日、ロシアの情報機関の幹部4人を制裁対象にしたほか、アメリカに駐在するロシア当局者35人を国外退去処分にした。

ロシアのラブロフ外相は30日、「敵対行為を放置できない」としてロシアに駐在するアメリカの外交官35人の国外退去させることをプーチン大統領に提案した。しかしプーチン大統領は「トランプ政権の政策を踏まえて、米ロ関係の改善のためのさらなる行動を起こす」と発表した。このアメリカへの寛大な対応にトランプ次期大統領はツイッタ―に「素晴らしい対応」とし「私はいつも彼が賢いと知っていた。」と書いた。

トランプ次期大統領は中国が原則とする「一つの中国」政策を否定する発言をしており、台湾に武器売却をすすめる方向であるので、中国がトランプの台湾重視を座視するとも思えない。アメリカの海軍力の増強とも合わせ考えると中国の海洋覇権追求はアメリカとの衝突の可能性がある。

これらの動きを見るとトランプ政権がオバマの対ロシア敵視を誤りと認識し、一党支配による独裁の中国覇権主義がより危険と認識していることが分かる。ロシアは共産党を解散しているので、この資本主義化を促すうえでも経済制裁にトランプは反対なのであろう。

オバマが任期の最後にロシアへの制裁を決定したのはトランプへの嫌がらせに過ぎず。それゆえプーチンは制裁への反撃をしなかったのである。言わば今回のオバマの対ロシア制裁は先の大統領選の延長戦に過ぎない。

オバマがウクライナでクーデターを仕掛けなければ、原油価格の低迷でプーチン政権は危機に陥ったであろう。ロシアにクリミア半島の併合の機会を与えたことでプーチンの支持率は80%を超えたのである。しかもロシアを経済制裁で中国覇権主義の側に追いやったオバマの無責任外交は完全な失敗と断じることができる。

トランプの「一つの中国」政策の見直しは、習近平政権の強硬策を招く可能性があり、北朝鮮問題への強い対応も有り得るので、来年はアジアが軍事的緊張状態になる可能性がある。安倍政権が年末に真珠湾への慰霊訪問を行ったのは、トランプ政権発足前に日米同盟を強化する意図がある。安倍の集団的自衛権路線は、非介入主義のオバマには合わず、トランプの「強いアメリカ」路線とマッチすると見られる。安倍首相はトランプ大統領に対等の日米同盟を提起すべきであろう。対米自立はトランプも歓迎する可能性がある。
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漂流する中国社会帝国主義の「夢」は拡張主義!?

GDPで日本を追い抜いた中国の指導者習近平主席は、中国の「夢」を国民の前で吹聴してみせた。抑圧に抵抗する少数民族、蔓延る党官僚の腐敗、行き詰る内陸部の開発、深刻化する不良債権と年間118兆円にまで膨れ上がった資金の流出、進まない国営企業改革、口先だけの過剰生産の処理、国内的には中国は夢を語ることなどできない。

覇権主義を追求する力もないのに世界戦略の大風呂敷を広げても、通貨元は国際通貨には程遠く、アメリカに反対しながらも、アメリカ市場に依存している。その中国走資派指導部が最も恐れるトランプが次期大統領になった。世界で戦略的変化が起きようとしている。

安倍首相とオバマ大統領がハワイの真珠湾での慰霊の訪問を意識したわけではなかろうが、中国の空母「遼寧」が艦船5隻を引き連れて沖縄と宮古島の間の海峡を通過して太平洋に出た。この艦隊に軍事的な意味はあまりないが、政治的にはに日米同盟やアメリカ海軍の「航行の自由作戦」を意識していることは間違いない。

国内的行き詰りを、なんとか国際的地位向上を中国人民に見せつけることで求心力を高めたい習近平の願いが表れている。内政面では漂流状態の中国は軍事的には内需拡大を軍需生産で行っているためなかなか勇ましい。アメリカについてアジアで2国目の空母機動部隊の誕生だ。内政面のボロボロ状態を西アジアとインド洋の管轄権を確保しようとする野心だけが、経済的基礎と遊離して拡大している危険を指摘しなければならない。

中国の内政面の脆弱性が外への凶暴性に転化する危険が現実化しつつあるように見える。習近平は未だ政治局で少数派であり、「反腐敗」のやり過ぎで敵を多く作り、暗殺未遂が何度も起きて、今では国内視察もできない状態だ。習近平は国際的な進出で国内的支持をつなぎとめるしかない。南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事拠点化を進めたのは、戦略ミサイル原潜の安全活動海域を確保するとともに、西太平洋とインド洋への進出のためである。

アメリカが「息継ぎの和平」の間に世界の分割支配を行う計画は、トランプの登場で破綻しそうになっている。習近平の「中国の夢」は地域覇権を確立することであり、現在の世界で最も危険な侵略勢力となっている。中国人民の中に「反日」「抗日」イデオロギーを注入しているのは国内的危機を外への侵略で切り抜けるためなのだ。

日本の国民は、「憲法9条は日本の宝」という亡国的・法的観念論を早急に克服し、対米自立して日本の防衛は日本人の力で行えるようにしなければならない。中国社会帝国主義の内的脆弱性ゆえに、外への凶暴性を甘く見てはいけないのである。中国海軍の空母機動部隊の太平洋進出が示すものは、日本の安全保障への挑戦と野望なのである。

世界大戦前の危機的状況に似てきた国際情勢!

世界の火薬庫と言われている原油地帯中東が内戦と宗教戦争の坩堝となり、アフリカまで内戦が拡大している。アメリカの次期大統領に保護貿易主義のトランプが選出されたことで世界経済は貿易の縮小から大経済恐慌の可能性を強めている。

テロが世界中に拡大し、移民の増加の中で犯罪が拡大し、その結果民族排外主義が先進国全体に拡大している。いたるところで爆弾が爆発し、トラックが市場に突入し、銃が乱射され、大使が警官に射殺される事態まで起きている。

新興の覇権主義である中国社会帝国主義が、自国の管轄権を拡大するため気違いじみた軍拡を行い、拡張主義の本性を隠そうともしていない。世界覇権を握るアメリカは相対的な経済的力を失い、「アメリカ第一主義」で同盟国を守ることも放棄し始めた。ロシア・イラン・中国の地域覇権国が国境線の変更へと動き始めた特徴を見て取らねばならない。

世界は一極支配から、複数の列強が軍事的力を誇示する多極化の時代へと進みつつある。中国に見るように内政面の脆弱性が外への凶暴性となって現出する時代なのである。特に中国社会帝国主義は、その侵略的本質を著しく強めており、国内人民への反日宣伝を強め、「日本軍国主義」への憎しみを煽り、幹部の腐敗による内的矛盾の、外的矛盾への転嫁の矛先を日本に向けている。

国際情勢が示しているのは、日本がノー天気に「憲法9条は日本の宝」だと、観念的平和主義でいるなら、それは「亡国の道」であり、自分の国は自分の力で守らねばならない時代だと認識することが求められている。日本は対米自立し、国防力を強化して中国拡張主義の侵略に備えを強化しなければならない。つまり世界情勢は日本が国を守り、平和を守るには軍事力の強化が緊急に必要な時代である事を教えている。日本は対米自立と国防力強化で初めて平和主義を貫けることを知らねばならない。憲法9条では平和を守れず、それどころか隣国の侵略を招くことを知るべきである。

何よりも情けないのは、日本の政治家たち=政権与党の自民・公明・維新がカジノ法案や年金削減法案で新しい利権作りや、国民への収奪に血道を挙げていることだ。彼らは国際情勢の危機的特徴は把握できておらず、したがって「亡国の徒」に過ぎないと言うことである。

中国海軍がアメリカの無人潜水機を盗んだ狙い!

アメリカ国防省は16日中国の艦船がアメリカ海軍の海洋調査船の無人潜水機を違法に奪った、と発表した。トランプ次期大統領は「中国が盗んだ」とツイッタ―に書いた。国際的に盗んだと非難されることをあえて中国が行ったことは、それだけの深い理由がある。

中国が9段線で南シナ海全域の管轄権を主張しているのは、騒音の激しい中国海軍のミサイル原潜が安全な海域で遊弋できることが中国の核抑止力の保持のためには不可欠であり、この海域の塩分濃度や潮流を調査されると、中国の原潜にとってアメリカの潜水艦が死活的脅威となることがある。

軍事技術で一般的に中国はアメリカに1世代遅れている。特に原潜の静音性や潜水艦の探知力ではその差は決定的で、中国はアメリカの軍事技術をパクルことに全力を挙げてきた。恥を忍んでアメリカ海軍の調査用無人潜水機を盗んだのも、軍事技術欲しさであることは明らかだ。

中国が南シナ海の埋め立て基地の軍拠点化を急ぐだけでなく、沖縄本島と宮古島の間の公海上を中国軍機が編隊で通過したり、台湾とフィりピンの間のバシー海峡を回ったこと等はオバマ政権時の間に軍事的既成事実を積み上げようとの読みがある。トランプ政権だとやれない事を今のうちにやろうとの計算がある。

強いアメリカの復活を目指すトランプ政権は、中国海軍の取っては脅威であり、オバマ政権の内に既成事実を積み上げることを中国は急いでいる。それにしても他国海軍の調査機器を中国海軍が恥も恐れず盗む点に、中国の焦りが表れている。

いかに南シナ海に軍事拠点を建設しても、中国海軍は海中ではアメリカ原潜に歯が立たない。アメリカだけでなく日本の潜水艦にも太刀打ちできないのだから、中国軍の核抑止は危機に直面しているのである。アメリカ海軍の海洋調査船の無人潜水機を盗んだ点に中国の軍事的焦りが表れている。

対米従属では北方領土は返還されない!

安倍首相とプーチンロシア大統領の首脳会談が行われた。その交渉の中身は期待はずれとも言うべき内容だ。日本側の経済協力は8項目の経済協力プラン、60件余りの合意文書、総額3000億円の日本側の経済協力だが、北方4島での特別な制度の下で実施する共同経済活動と、北方領土への元島民の自由な往来ができるような調整を進める、などで成果は乏しい。

ロシア側が欲しかった肥料プラント工場やスベルバンク向け輸出バンクローンの案件は、対ロシア経済制裁の関係で日ロ交渉から除外された。ロシア側は日本の制裁からの脱退を求めている。この点はアメリカの次期大統領のトランプが対ロシア経済制裁をやめる可能性が出ているので、案外早く解決するかもしれない。

重要なことは日米の安全保障条約があり、北方領土を返したら米軍基地ができる可能性があればロシアは北方領土の返還は出来ないということだ。4島の返還には日本がアメリカから自立しないと難しいと言うことである。この点については我々が主張してきた、対米自立なしに北方領土の解決は出来ない、と言うことの正しさが証明された形である。

トランプ次期大統領が、「我々は日本が攻撃されたら守るが、アメリカが攻撃されたら日本はアメリカを守らない。」と言って対等の日米同盟を求めているので、トランプの考えが変わらなければ解決できるかもしれないが、しかし鳩山政権時の「対等の日米同盟」の路線が、アメリカの強い反発を受けた経過から見て、トランプといえども日米の従属同盟を改変することはないと見るべきであろう。

安倍政権はこのままならロシアに経済協力を喰い逃げされる可能性が強い。どうしても対米自立がなければ北方領土4島の返還と平和条約の締結は難しいのである。アメリカが保護貿易主義で内向きを強めている今が対米自立を明らかにする好機と言うべきだ。安倍首相は対米従属一遍倒を改めるべき時である。中国覇権主義の危険性が現実化しているのでロシアを引きつけ、2正面の侵略を回避する意味としても、今回の合意はあまりにも軽すぎる。日本の対ロシア外交の転換を印象づけるには成果が少ないと言うべきだ。

韓国の民衆は社会改革を目指すべきだ!

韓国の民衆の決起はすごい、150万人のデモに立ちあがる。それも週末ごとにだ。ところがその矛先は大統領で、首をすげ替えたら終わりだ。社会改革はスローガンにも表れない。

韓国の階級構成を調べようと検索したが探せなかった。韓国の封建制についてはよく論じられている。しかし韓国の歴史で武士階級(武官)が権力を握った例はない。韓国は封建制を経験していないように見える。李王朝は奴隷制の大王のようで、奴隷主のヤンバンが実質支配していた。朝鮮半島は地政学的に見ると半島国家なので大陸王朝に長く従属する。その儒教イデオロギーもあって、結果奴隷制社会が近代まで続いたと言うのが正解であろう。

朝鮮半島は第2次世界大戦後の朝鮮戦争が中途半端で停戦となり、またも社会改革が行われずにきた。だから韓国の経済的支配は少数の家族=財閥が支配している。戦後日本経済が急速に発展したのはGHQの財閥解体が大きい。持ちろん地主階級を解体する農地改革や、労働基本権を認めた労働改革・民主的な法制度の枠組みを定めた司法改革まである。ところが韓国では150万人のデモが起きる革命情勢であっても、社会改革は全く行われない。大統領の首をすげ替えるだけなのである。これはまるで王権との闘争に明け暮れたヤンバン政治が形を変えただけのように見える。

これでは韓国の経済的問題を解決できない。経済が発展しても一握りの家族が潤うだけなのだ。財閥が発展しても中小企業は発展しない。サムスン・グループが韓国経済の20%を占める財閥経済では韓国経済の今以上の発展は見込めない。なぜこうなるのか、それは全ての韓国の社会的問題点を科学的に分析するのではなく、悪いのは全て日本の植民地支配にすり替えてしまうことにある。本当は社会改革が必要なのに、韓国の民衆はそれに気づいていないように見える。財閥勢力が巧くごまかしていると言うべきか?。

韓国に必要なのは、日本の戦後改革のように財閥を解体し、地主階級を無くし、土地を耕す者に分配する等の社会改革である。いつまでもヤンバン政治の名残のような王権(=大統領)の首のすげ替えの闘争をしても問題は解決しないのである。北朝鮮との対立関係を温存する事で、アメリカの従属下で巨大な軍事力を維持していては民衆の生活が犠牲にされることになるのは当然だ。ところで北朝鮮も未だに奴隷制社会のように私には見える。半島国家の社会改革の遅れは北も南も同じなのではないだろうか。

トランプの対中国挑発外交の本気度!

12月2日トランプ次期米大統領は1979年の断交以来続いてきた台湾総統と直接接触しない、という外交上の慣行を破り、台湾総統と電話会談をした。同4日には中国の南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事拠点化を進めている事について、中国は「南シナ海で巨大な軍事施設を建設しても良いかと我々に尋ねたか?」とツイッタ―に書き込んだ。トランプはこれまで何度も「台湾に武器を売却する」と語っている。

12月11日トランプはインタビューで「なぜ我々は一つの中国政策に縛られなければならないのか?」「一つの中国を順守するかどうかは、南シナ海問題や貿易政策などの対立する分野で、中国側が我々と取引するかどうかにかかっている。」と語った。

彼の発言を裏付けるようにトランプ次期大統領の周辺には「中国との通商交渉で強硬姿勢を貫け」という通商強硬派のピーター・ナバロ氏やタカ派のボルトン元国連大使等がいる。また安全保障担当補佐官も強硬派で、国防長官もタカ派の軍人を起用している。トランプは単に通商交渉だけでなく中国に覇権主義の放棄を迫る可能性がある。

一方の中国は「一つの中国」を核心的原則としており、これを破壊するものは「中国の核心的利益を損なう行為」として強硬に反発している。トランプは通商交渉を睨んだだけかもしれないが、中国は「一つの中国」をアメリカが放棄し、台湾の独立を図れば、台湾への武力解放に踏み切る可能性もある。つまり通商交渉次第で米中の武力対立へと進む可能性が高いのである。武力紛争が尖閣諸島で起きるか、それとも南シナ海で起きるかは分からないが、トランプの対中強硬姿勢は単なるポーズではないようだ。

トランプは中国が北朝鮮への圧力に協力していないことも問題視している。問題は中国外交がやられたら必ず報復すると言うことだ。つまりトランプの次期米政権はアジアを戦乱に巻き込む可能性を含んでいると見なければならない。こう見てくるとトランプの対ロシア関係改善の方向は、中国と事を構えるための「布石」に見えてくる。トランプの実際の対中国政策がどのようになるのか注目しなければならない。

安倍政権はトランプ・ショックに備えよ!

予測されるトランプ・ショックは第一に経済的なもの、第二に政治的なものがある。
TPPから離脱し、北米自由貿易圏との再交渉や、日本や中国に関税をかけて保護貿易を図るトランプ次期政権は、世界貿易の縮小による世界的経済危機を招く可能性が高い。

もちろんトランプ政権が暗殺やスキャンダルで追い落とされる可能性がないわけではないが、すくなくとも1年はアメリカの保護貿易主義が続くと見なければならない。欧州のグローバルリズムの逆転現象が続く中で、また原油の減産の中でトランプの保護貿易主義が世界経済を不況に向かわせる可能性は強い。

政治的な面では、トランプの反イスラム主義が中東の戦乱を拡大する可能性と、北朝鮮の核・ミサイル開発への強硬姿勢や、中国の海洋覇権に対する強硬姿勢が戦争の拡大を招く可能性が強い。しかもこの経済的摩擦とアメリカの覇権回復によるトランプの「強いアメリカ」の戦略が重なれば、地域覇権主義のイランやロシアや中国を巻き込んだ世界戦争の可能性すらないとは言えないのである。

何故なら、トランプの保護貿易主義は同盟国との軋轢を深め、アメリカの戦略的力を削ぎ、中国の西太平洋からインド洋の管轄権を目指す新シルクロード構想という、アメリカの覇権への挑戦に有利な内容となっている。中国へのトランプの軍事的対応が注目される。

日本はこの世界的経済危機と戦争の可能性に向けて備えを急ぐべきである。対ロシア関係の改善、シベリアの開発への協力とロシアとの相互依存の関係を築くことで戦争の2正面を回避し、同時に日本の防衛力を急ぎ強化しなければならない。ロシア市場拡大と武器生産の強化で日本経済はトランプショックを少しは凌げるであろう。同時に内需の拡大策が必要だが安倍政権はあいも変わらず土木資本主義なのが問題だ。公共事業ではなく最低賃金の大幅アップと残業代の割増賃金率の100%へのアップで、企業の省力化投資に火を付けることが必要である。

安倍の対米追従姿勢示す真珠湾訪問!

安倍首相がオバマ大統領と共にハワイの真珠湾を訪問することを発表した。旧日本軍の真珠湾奇襲攻撃から75年経つ、オバマが広島を訪問した時にトランプが、オバマの広島訪問を「日本滞在中に真珠湾奇襲について議論したのか。何千人もの米国人の命が失われた」と批判したことが安倍首相の真珠湾を訪問の動機となっていると見られる。

軍事施設への奇襲攻撃と一般市民を標的にした原爆投下を同列に扱うことに疑問も感じるが、それ以上に疑問なのは、トランプ次期大統領は「我々が日本を守っても、日本はアメリカを守らない」と言って、対等の日米同盟を求めているのに、安倍首相は何処までも対米従属路線なのに違和感を覚えるのである。

日本とアメリカの戦争はどちらも帝国主義であり、言わばアジア支配をめぐる強盗同士の争いであった。安倍首相が本当に慰霊に訪問すべきは日本の侵略の犠牲になった国ぐにではないか?中国の南京訪問をこそ慰霊訪問で優先すべきではないだろうか?

保護貿易主義・アメリカ第一主義のトランプに接近しても、安倍首相のアメリカ頼みの集団的自衛権路線はトランプの支持を得られる保証はないのである。トランプの登場でロシアのプーチンが日本との交渉で強気となり、安倍首相の北方領土返還交渉は難しくなった。安倍首相は対米自立で対等の日米同盟を提起する方がむしろ対ロシア外交もうまく行き、トランプも支持するのではないのか?

トランプに従属的に呼応する安倍首相の対米追従姿勢示す真珠湾訪問が、逆に日本の安全保障を危機に直面させるのではないかと危惧せざるを得ない。真の国防は自分の力を強化することで達成できる。つまり国防は主体的でなければならない。他国に従属する安倍首相の対米追従一辺倒の従属路線は多極化している時代にはそぐわず、危ういことを指摘しなければならない。

次期大統領トランプの戦略は習近平を喜ばせている!

報道を見ているとトランプの政策的重点は(1)反イスラム(敵はISとイラン)(2)北朝鮮には強硬、(3)ロシアに対しては関係改善、(4)反オバマケア(国民皆保険は骨抜き)(5)反TPPの雇用を増やすための2国間交渉である。

分かりにくいのは中国に対する対応が不明である。しかし上記の政策的重点から見ると、国内に問題点を多く抱え、政権基盤がぜい弱な中国の習近平にとっては思わず笑顔がこぼれるような話である。トランプが反イスラムを実践し、保護貿易主義を実践すればアメリカの戦略は崩壊し、アメリカは巨大な軍事力を維持できなくなる恐れがある。

TPPは世界市場を拡大軌道に乗せ、ドル支配を維持し、地域覇権国の台頭を抑えるアメリカの戦略だ。トランプはTPPを戦略から見るのではなく、雇用を奪うという一側面しか見ていないので、保護貿易主義を実行すると、アメリカの戦略が崩壊し、世界経済は大恐慌になる可能性がある。

そうなると喜ぶのは中国だ。11月のペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議で習近平が勝者の笑顔を浮かべ、オバマが顔をそむけたと言われるのは、この点を反映したものである。習近平はいまだに強力な支持基盤を確立しておらず。太子党や江沢民派や共青団派、さらには軍閥の多くを「反腐敗」のやり過ぎで敵に回して孤立している。

そこで習近平はかっての毛沢東や鄧小平のように「核心」としての称号を得ようと画策したが、成功してはいない。未だ彼の派閥は政治局で過半数を得ていない。習の後継者と見られた子分も失脚させられる等、むしろその基盤は弱体化している。習近平の暗殺未遂は6回と言われ、習近平は暗殺を恐れて国内の視察も行えない状態になっている。

その習近平にとってトランプの反イスラム重視の外交は、自己の支持基盤を固める時間的余裕を得たと言える。中国が東南アジア諸国をこの隙に従属化すれば、東南アジアは中国が覇権を握りかねない。トランプ政権はこのままではロシアと中国に有利となり、安倍首相の北方領土交渉も成果を期待できそうもない。しかし領土問題がダメでも日本はロシアを経済支援で引き寄せることが戦略的に2正面を回避するためには必要な外交交渉なのである。

事態は中国覇権主義の拡張に有利に展開しそうであり、日本は戦後最大の安全保障上の危機に直面している。国内の雇用創出しか考えないトランプ次期政権が日本の防衛責任を果たすかは極めて心もとないと言うしかない。日本は対米自立し、自分の国は自分の防衛力で守ることができるように自衛隊の防衛力を早急に強化しなければならない。

地政学に目覚めたプーチンの東欧親ロ化工作!

オバマ政権が、ウクライナのクーデターとNATO加盟を策動したことが、ロシアのプーチン政権を地政学に目覚めさせた。結果ウクライナの戦略的要衝のクリミア半島がロシアに併合され、さらにプーチンは東欧諸国に工作活動を強化して次々と親ロシア政権を誕生させ始めた。オバマがウクライナに軍事介入する気もないのになぜ野党をテコ入れし、クーデターを画策したのか理解に苦しむ。

EUとNATO加盟のブルガリアと、西側志向のモルドバで「新ロシア」派の大統領が誕生したのは、天然ガスや、米企業のシェールガス開発を潰すための環境団体への経済支援や文化活動やスパイ、マフィアまで動員したプーチンの東欧諸国を奪い返す戦略の表れと見られている。

今回ロシアとの関係を改善するトランプ次期米政権の誕生は欧州への接近を目指す旧東欧諸国には衝撃で、ロシアによる野党勢力へのてこ入れで政権が打倒される可能性を強め、動揺している。プーチンを地政学に目覚めさせたオバマの誤りは明らかである。わざわざEUに接近する東欧諸国に、NATOの基地を作るかの動きは無用と言うべきであった。アメリカのトランプ次期大統領が「欧州離れ」「NATO離れ」を公言しているのだから、EUは東欧諸国をめぐりロシアの親ロ政権作りに対抗し、対立を深める可能性がある。

しかし、地政学に目覚めたプーチンではあるがアジア方面での中国の戦略的動きには疎い。中国はインドや東シナ海や南シナ海で派手に軍事行動をするが、中国の真の狙いはロシアのシベリアへの中国人の送り込みにある。ロシアは数年以内に2000万人と言われる労働力不足になる。この隙をついて中国政府はシベリアの戦略的取り込みに向けて、ロシアへ労働力を送り込み、浸透を強めている。ロシアの極東では中国人移民による犯罪やロシア住民との軋轢が激化しており、ロシア政府も中国の戦略に気付いていると思われるが、欧米の経済制裁下ではプーチンは中国に強く出れない状況にある。

プーチンの地政学への目覚めはあくまでもNATO対策であり、アジアの地政学には無警戒と言うべきである。安倍首相は近く訪日するプーチンに、中国拡張主義への警戒を警告した方がいい。

韓国社会の後進性の原因は何処にあるか?

韓国経済が危機的なのに、政治が前近代的で大統領の追い落としに明け暮れる韓国政治は、肝心な時に政治空白を続けている。韓国社会がかくも前近代的なのは、地政学的な点から見ると半島国家ゆえに中国の大陸王朝に長年従属し、奴隷制社会が長く、戦国時代も経験していない為、社会改革が全くなされず。従って封建制度すら経験していないことが影響している。

李王朝の500年は奴隷制社会であるため、奴隷を楽にするための農機具の改良や治山治水が進まず農業生産性が低かった。日本の統治下で農業生産力が急速に上がり人口が増えたのは当然であった。日本の統治と戦後の賠償金が、韓国の資本主義化を大きく前進させた側面を無視してはいけない。

現在の韓国社会は、この李王朝の奴隷主としてのヤンバン支配のしっぽを持っている。奴隷制時代の古臭い儒教の影響を受けた家族主義と序列主義や性接待の特徴はヤンバン支配の名残なのである。日本の場合、敗戦でのGHQの「戦後改革」で革命的・民主的改革が行われた。日本の国民は努力してそれを受け入れ実践した。財閥の解体で軍事産業も消滅し、企業間の競争が確保された。農地改革で地主階級は消滅し、日本軍国主義の階級的基礎は解体され、急速な戦後復興の体制が作られた。

ところが韓国は北朝鮮との38度線での対立=冷戦で、社会改革はなおざりにされた。サムスン1社が韓国経済の20%を占める、韓国経済は少数の家族が支配する財閥が支配している。これが韓国にまともな一流企業が一社もない、自分の力で高度な技術を開発する企業が少なく、技術のパクリ体質が産業構造の高付加価値生産への転換を不可能にしている。韓国経済に必要なのは少数の家族が支配する財閥の解体なのだ。そうしないと韓国で有力な中小企業が育ち始めても財閥が陰謀で潰してしまうのである。

韓国社会の奴隷制の残滓は、社会における陰謀や民主主義的な遅れや、政治面での遅れに見ることができる。韓国教育界における権威主義や、政治における悪いことは全て日本の植民地政策に求める誤りを指摘しなければならない。諸悪の根源は李王朝以来の自分たちの社会改革への無関心であるのに、全て「反日」で自分たちの社会改革に対する努力の無さに気付かない政治・思想面・社会改革面の遅れを韓国は自覚すべきなのである。韓国に必要なのは「反日」ではなく財閥の解体なのだ。

トランプ政権は中国に貿易戦争を仕掛ける!

トランプ次期米大統領は選挙中に「中国を為替操作国と認定する」「中国産品に45%の関税をかける」等の強硬な発言を繰り返し、民主党の基盤の中西部から白人労働者の支持を得て勝利した。デビッド・ダラーブルッキングス研究所上級研究員はインタビューで「トランプ次期政権が中国に厳しく臨まなかったら驚きだ」として、トランプは必ず中国に攻勢をかける、と語っている。中国とアメリカの間には過剰生産・ダンピング・サイバー攻撃・産業スパイ・自国市場の保護・知的財産権保護等の問題で対立がある。「中国は歴史的にやられたらやり返す国なので制裁合戦が1~2年は続くだろう」とダラ―は語っている。

事実トランプ次期政権に「通商タカ派」が集結していると言われている。安全保障政策でもタカ派や中国の海洋戦略に批判的な強硬派が集まっている。特に米軍の中にはオバマの中国への融和策に反発する声が多く、東シナ海の防空識別圏や、南シナ海の岩礁埋め立てによる軍事拠点化に反発し、アメリカの同盟国が動揺し、オバマの中国への融和策でアメリカの軍事的プレゼンスが崩壊しかかっている事に反発がある。

さらに中国側から見ると、鉄鋼の過剰生産と赤字の国営企業の構造改革や、中西部の工業化の行き詰まりや、「少子高齢化」問題、政治的な派閥間の権力闘争の激化、共産党幹部の腐敗問題、少数民族問題など内部矛盾の激化があり、アメリカの経済制裁に屈服できない状況にある。アメリカと中国の貿易戦争の激化は避けられないと言うのが一般的である。中国は自国の市場を閉ざしたまま、アメリカやドイツで企業買収を盛んに行っており、トランプの怒りは米企業家の怒りでもあるのでこの貿易戦争は解決が難しい。どちらもが譲歩できない国内問題を抱えているからである。

トランプの保護貿易主義が最初の1年は続くであろうから、中米関係は緊張が激化するのは避けられない。トランプ政権下の不確実な情勢は、恐慌と戦争への可能性を著しく高めているのである。

保護貿易の公約実現するトランプは危うい!

アメリカはグローバルリズムで世界市場を一つにし、世界貿易を拡大することでドル支配を強固にし、巨大なドル発行益で世界最大の軍事力を維持してこれた。つまりTPPはアメリカの戦略そのものであった。

ところがアメリカはTPPの戦略を理解せず。TPPは雇用を奪うものと理解する人物を大統領に据えた。トランプは北米自由貿易圏の交渉をやり直し、アメリカ企業に工場をアメリカに移すよう要求する。世界の貿易は縮小し、経済恐慌になれば打撃を受けるのは覇権国アメリカなのだ。

TPP反対のトランプは同盟国に関税をかけることで、貿易戦争に世界を巻き込むつもりなのだ。アメリカは同盟国を失い、世界情勢は独裁国で地域覇権国のロシアや中国やイランに有利に展開するであろう。トランプが保護貿易主義をやればアメリカは普通の国に転落するであろう。

アメリカの産軍情報複合体がアメリカの没落を見過ごすわけがない。つまりトランプが保護貿易主義をやれば、トランプがスキャンダルで追い落とされるか、それとも暗殺される可能性もある。アメリカにとってそれほど重大なことなのだ。つまりトランプは分からないことだとは言え、アメリカの戦略をTPP反対で潰そうとしているのである。世界は経済恐慌と戦争の時代に突き進むことになりかねない。

そんな訳でトランプ米政権が何年持つのか分からない混迷の時代に世界が巻き込まれつつあるのだ。その事態は、地域覇権国には喜ばしいことでロシアや中国やイランは祝杯を上げることになる。アメリカの産軍情報複合体がどのようにトランプ政権を変えるのか?それとも取り除くのか?注目される。アメリカ国民と世界の同盟国は、世界戦略も理解出来ない人物を大統領に据えた付けを払うことになるであろう。

野党は政権の受け皿作りを急げ!

安倍政権が、物価が上がっても賃金が下がっても年金が減額される「年金カット法案」と言われる悪法を強行採決した。NHKの世論調査で賛成が立ったの10%の法案を平気で強行採決するのは与党の奢りと言うしかない。少ない年金で生活している高齢者いじめに他ならない。大金持ちは税金逃れの海外のタックスヘイブンに多額の資金を隠匿している。金持ち優遇・弱い者いじめの政治がまかり通る事態となっている。野党の計算では年金は年額14万円も減額になるらしい。

多くの国民が自公の奢りの政治に怒っているのに、野党4党の政権の受け皿作りが、「連合」の反対を気にする民進党のためらいでとん挫しているので自公の奢りが出ている。安倍政権は年金基金の資金を株式市場に投入して、何兆円という年金資金の損失だして、その結果基金が消えているので年金の減額が必要になった。

安倍政権は労働分野の規制緩和を審議する厚生労働大臣の諮問機関「労働政策審議会」から、労働者と使用者の代表を締め出し、多数決で労働分野の規制緩和を進めようとしている。解雇の自由化や残業代ゼロの拡大や労組法の改悪等を画策しているのである。これも一強自公の奢りだ。

PKOの「駆けつけ警護」も強引に閣議決定で決めた。安倍政権の奢りが目立つようになり、右翼的反動政治に拍車がかかっているように見える。日本は社会的弱者がますます住みにくい社会になりつつある。国民が自公一強の横暴に怒りを高めているのに、野党各党はなぜ政権の受け皿のために連合しないのか?理解出来ない。共産党や小沢の自由党の政権の受け皿作りは正しい。今の民進党は消費税増税で民主党政権を潰した野田が幹事長だ。野党政権を潰した菅や野田のいる民進党に国民はうんざりしている。

野党が政治レベルが低く、野党第1党の民進党が国民にバカにされているのだから、当分自公の労働者いじめが続くと見なければならない。それにしても「連合」労働貴族はなぜ野党の政権の受け皿作りに反対するのか?家畜労組の本領発揮と言えばそれまでだが?ここまでブルジョアジーの手先としてやるのはまずいとは思わないのか?!彼らもまた奢り・腐敗しているとしか言いようがない。トランプ米政権誕生で世界が経済危機と戦争の時代に入りつつあるのに、野党の連合を阻む者は危機感が足りないだけでなく、無能と言うしかない。 自公は消費税を上げる前に解散総選挙を仕掛けるであろう、野党は4党の連合を急ぐべきだ。
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