OPEC原油8年ぶりの減産の国際的影響について!

9月28日、サウジやイラン等の石油輸出機構(OPEC)が2008年以来初めて原油生産量を減産することで合意した。原油生産を現在の推定生産量日量3324万バレルから日量70万バレル程度の減産を決定した。OPECはロシアなど非加盟国にも協調減産を呼び掛けるという。

各加盟国の具体的な生産量は11月の総会で合意を目指す。サウジはこれまで減産は行わない方針を示していたが原油価格の低迷に耐えきれず方針転換したと見られている。この決定でニューヨーク市場は原油価格が5%上昇し、47ドル台となった。今後50ドル~60ドル台に上昇すると見られている。

原油価格が年末に向け上昇することが国際情勢に与える影響が注目される。原油上昇がロシアやイランなど中東の産油国経済を回復させることは確実である。問題は原油輸入国の中国経済に与える影響で、中国の南シナ海や東シナ海への領土的野心は一層強まり、南シナ海での原油開発を急ぐことになるであろう。

欧米の画策で、ウクライナ問題でロシアを地政学に目覚めさせ、クリミヤ半島を併合し黒海の内海化を進め、ロシア軍はシリアに展開し、中東に影響力を拡大している。またロシアと中国の関係強化によって後背に配慮しなくて良い中国軍はインド領カシミールやインド東北部への軍事的野心を強めて、領土権の主張を出兵で示し始めた。また中国軍は南シナ海を事実上内海化し、岩礁を埋め立てて軍事基地を建設し、海洋戦略を展開し始めた。東南アジア諸国は中国軍の圧力の下でフィリピンのように属国化の傾向を強めていくであろう。

日本では中国拡張主義を「全く脅威ではない」との主張もあるが、現在の中国社会帝国主義は地球上最も危険な侵略勢力となっており、アメリカが覇権戦略を放棄し、非介入主義に転じている中でいまや地域覇権主義の勢力となったロシア・イラン・中国が勢力圏の拡大を軍事的に追求し始めている。日本はこのままでは2正面に敵を持つことになりかねない。日本の対ロシア外交が戦略的重要さを持ち始めた。

欧米は中東やアジアで戦争が起きれば巨大な武器市場となるので、ウクライナ問題でロシアを経済制裁し、ロシアを南に、中国をアジアに侵略させ、武器売却でひと儲け企んでいると見るべきである。今回の原油価格の上昇も中東を支払い能力ある武器市場とする事になる。

中国が海底油田のある尖閣や南シナ海の軍事的支配にいよいよ乗り出す可能性が強まっている。原油価格が今後何処まで上昇するか不明だが日本は対米自立めざし、防衛力の強化を急ぐべきである。
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ウクライナ危機の戦略的狙いは何だったのか?

ソチオリンピックの隙を突いてアメリカがウクライナの反政府勢力に送金し、クーデターを画策し、ロシアのすぐ南にNATOの勢力圏を形成する策動は何を狙いとしたものであったのか?を考察する上で、その後の経過を見るとアメリカはウクライナのクーデターで、プーチンを激怒させ、地政学に目覚めさせ、クリミア半島の併合、ウクライナ西部の親ロシア勢力へのテコ入れを招いた。

アメリカと欧州は対ロシア経済制裁を行い、ロシアを中国の方に追いやった。いまやロシアと中国は南シナ海で艦艇の軍事演習をやるまでになった。プーチンは中東のシリアに派兵し勢力圏を拡大している。中ロ関係が緊密になれば、中国拡張主義は南のインド、西のアジアへと向かう他ない。

中国は現在バブル崩壊で生産設備の巨大な過剰に苦しんでいる。その過剰分は武器生産でしのいでいるので、ちょうどヒトラードイツを東へと侵攻させるために、当時のチェンバレン英首相がドイツのチェコ侵攻を容認した政策とよく似ているのである。つまりロシアの矛先を南に向け、中国の矛先をアジアに向けるのが欧米の狙いなのである。

その結果北東アジアの軍事情勢は中国・ロシア・北朝鮮の側が戦略的に断然有利になった。日本は南の中国と北のロシアの2正面戦略に直面している。欧米は中国富裕層の資産保全で経済的利益を得ており、中国拡張主義の軍事的布石を阻止する気はない。特にアメリカは内向きの不介入主義が当分続くと見なければならない。

つまりアメリカと欧州に中国は経済的うま味を与えることで海洋国家戦略、すなわち西太平洋とインド洋を管轄海域とする世界の覇権戦略を実行に移し、欧米は戦争の経済的利益を獲得する戦略と見るべきであろう。

今日本が行うべきは(1)対ロシア外交で相互依存関係を深め中ロ関係にくさびを打ちこむこと。(2)中国の侵攻に備えて軍事的備えを整えること。(3)アメリカの不介入主義の危険について警鐘を鳴らすこと、である。

安倍首相は、アメリカが大統領選で政治空白の間に、対ロシア関係を戦略的関係に強めるべきである。このさい北方領土は棚上げでもいい。日本は亡国の淵に有ることを国民に知らせることも重要なことである。

アメリカ大統領選の行方は最後まで混迷か!

クリントンとトランプの大統領候補の論戦が始まった。双方とも不人気な候補の対立は、論争ではクリントンが有利だが、白人層の不満を代表するトランプには現状を変えたいとの白人労働者層の支持が有る。雇用を守る、アメリカ企業を守り、強いアメリカを実現する、というトランプの主張は実現するのが難しいが、不満層に入りやすい。

アメリカ人は賢い女性が嫌いという伝統が有り、それゆえ黒人の大統領は認めても女性大統領は難しい、と言われてきた。いわゆるクリントンが言う「ガラスの天井」が有る。しかもオバマ政権の第1期に国務長官をしていたクリントンは私的メールアドレス問題を抱える。イスラム過激派ISを台頭させたとのトランプの批判を受けやすい。TPPもクリントンは以前は推進派であった。

しかしトランプの側も「暴言」問題が有り、所得と財産を隠しているので脱税の疑惑が有る。したがって勝つのは簡単ではない。したがってアメリカ大統領選は接戦が最後まで続き、どちらが勝利するかは分からない状態が続きそうだ。

日本から見るとトランプは守ってやるから金をもっと出せ。いやなら自分で核を持ち自立せよ、ということだ。クリントンは日米同盟の重要性を主張している。実際には日本の駐留米軍は日本を守っておらず、ただ出撃基地にしているにすぎない。既に日本は駐留米軍の70%の費用を負担している。トランプの主張だと100%の金を出せということだ。

トランプが当選すれば、アメリカは全ての同盟国を失うであろう。オバマの自国の利益第一の内政重視も困りものだが、同盟国を収奪の対象にするトランプ外交ではアメリカは覇権国から退場する時期を早く迎えることになる。TPPも世界の貿易を拡大することでは重要で有るが、大統領選ではクリントンは争点にしない為にTPP反対の姿勢に変えた。それほどアメリカ人民が企業の海外移転による産業の空洞化に危機感を深めているのである。

こうして見るとアメリカの大統領選は最後まで接戦が続き、アメリカの分裂と対立が激化することは避けられそうもない。アメリカが内向きになり、対立と分裂が深まれば深まるほど、中国覇権主義が力を蓄え、アジアでの拡張主義的影響力を拡大することになる。情勢は新興の中国社会帝国主義の戦略に取り、まさに追い風と言える。

習近平の訪米は経熱・政冷=米・日の対中外交!

9月末の習近平の訪米は西海岸においては、経済ではボーイング社への総額380億ドルの航空機購入の大型契約、シアトルのマイクロソフト本社では米中のIT企業の幹部たちが顔をそろえた。中国市場へのアメリカ企業の熱い思いが表れた。

しかし東海岸でのオバマ大統領との会談は、中国のサイバー攻撃と人権問題等をめぐり意見がかみ合わなかった。つまり経済では熱烈歓迎だが、政治では「冷たい」国賓待遇だった。米中間には南シナ海問題などもある。とても政治では歓迎とはいかなかった。

しかし大きい中国市場への魅力も捨てがたい、中国市場への依存を深めつつ、政治的には中国覇権主義と対立せざるを得ないアメリカは、当分の間この経熱・政冷の関係を続けるのであろう。アメリカには多くの中国幹部の親族が資金の隠匿を兼ねてアメリカ国籍を得るために大金を投資している。こうした経済的うま味もアメリカ政府が曖昧な対中外交を続ける原因でもある。

こうした中国との経熱・政冷の関係は日本も同じで、日本企業は中国に進出し、また中国観光客の爆買いに大きい魅力を感じている。だが中国覇権主義の尖閣諸島や西南諸島への領土的野心は日本の国民の対中印象を悪化させている。日本の「言論NPO」と中国の国際出版集団が今年8~9月に行った「第12回日中共同世論調査」によれば、日本人の中国への印象が「良くない」と答えた比率は91,6%にもなる。逆に中国人の日本への印象が「良くない」と答えた比率は63,6%だった。中国側の日本への印象が改善しているのは観光客の増加が影響しているようである。

しかし見逃せないのは中国人が、日中間の軍事紛争が「起きると思う」と回答した人が昨年の41,3%から今年は急増して62,6%となったことだ。日中の政冷はアメリカの比ではないのである。習近平政権が個人独裁から集団指導体制に回帰しても、中国の対日軍事侵攻の可能性は高まっているのである。

アメリカを経済的利益で動けなくしておいて、中国覇権主義がアジアの覇権を固めようとしている事を見て取るべきである。日本は防衛力の強化を急ぐべきである。

韓国政権の北朝鮮に対する戦略の変化に冷静さが無い!

北朝鮮の相次ぐミサイル実験と核実験で、北朝鮮の事実上の核保有国の地位が確実になり、半島の戦略的優位が確実になった。これは中国が国連制裁を裏切り、裏で北朝鮮貿易を拡大し、ミサイル実験と核開発を支援した結果で、韓国パク・クネ政権の中国すり寄り路線の完全な破綻であった。

韓国の政界では、やれ原潜を保有するとか、核保有を叫ぶ声が出て勇ましいが、実際には技術も経済力もない。それどころか韓国経済は中国経済の不況の煽りを受け造船・海運界は総崩れ状態で、頼みのサムスンでも主力商品の携帯電話が爆発炎上の大量回収騒ぎで、韓国経済の技術の無さが露呈している。

韓国国内はアメリカの核の傘に満足していないのは勇ましくてよいが、実際の北朝鮮の脅威への軍事的備えができていないように見える。軍事予算を韓国の防衛に関係の無い、イージス艦やヘリ空母や潜水艦の建造に走り、北朝鮮の軍事侵攻への軍事的備えは無きに等しい。だれが見てもパク・クネ大統領の中国すり寄り外交の効果で、対日主敵の戦略判断が装備面に表れている。対北朝鮮の軍事的備えを犠牲にしているように見える。

韓国がアメリカの高高度防衛ミサイル配備で中国政府の怒りを買い、中国の経済制裁を心配しなければならないこともパク・クネ政権には計算外で有った。政治家が敵と味方の判断を間違うと韓国のように国家的危機を招くことを日本は反面教材にしなければならない。

韓国は大経済危機の中で日本の援助を求めての得意のすり寄りが予想される。誠実さと節操の無いすり寄り外交は、日本の国防の上でプラスになりはしない事を安倍政権は認識しておくべきであろう。韓国政府が気付いているように、現状のアメリカには同盟国を守る覇気が無い。2人の大統領候補も内向きでアメリカ第一なので有るから、日本は対米自立し、自分の力で日本を防衛する決意を固める時が来たと言える。韓国のような日和見国を防衛の力に頼るのは御法度であり、韓国を同盟国にするなら竹島を返還してからにして貰いたい。

北載河会議で集団指導体制を確認した中国の戦略に変わりなし!

今年初めには習近平を「核心」という言葉で、毛沢東と同列しする表現がマスコミに出て、習近平の個人崇拝は盤石とも思われた。江沢民派や軍部の幹部を反腐敗で「トラ退治」して、軍改革を進めた習近平の体制は、毛沢東以後最大の権威を打ち立てたと一時は見られた。

習近平は、軍内と人民に日本に対する敵がい心を高め、軍内に日本との戦争の準備を声高に叫び、闘えば必ず勝体制を作るよう要求した。また日本の核兵器保有を阻止する外交工作を展開することも画策していた。あたかも対日戦争が既成事実で有るかの如くであった。そこには高まる党幹部の腐敗が酷く、人民の官僚支配への反発が高まる中で、内的矛盾を外的矛盾にすり変える陰謀の存在を示すものであった。

中国社会帝国主義は現在の地球上でもっとも凶暴な帝国主義・拡張主義であり、公然と西太平洋とインド洋の覇権を握ろうとしており、その為には日本の占領が不可欠なのである。しかし安倍政権が中国の侵攻に備え、軍事力と法的備えを強化したことが中国指導部内に日本の自衛隊の戦力への冷静な分析を生み出し、現状では中国海軍は対抗できないことを知るに至ったようである。

東シナ海での中国海軍の敗北が、中国走資派指導部の打倒のきっかけになる恐れが出てきたことが、対日強硬策を先送りする理由である。習近平は政治局内で未だに少数派であり、このことが、今年夏の長老たちと現指導部の北載河会議以後、習近平に対する呼び方が「習近平を総書記とする党中央」という形になったことで、習近平が敗北し集団指導体制が確認されたことが明らかとなった。

習近平の軍改革と反腐敗のトラ退治で、自らを「核心」と呼ぶことで国内に強固な独裁体制を敷き、対日戦争を煽ることで独裁体制の確立を企んだ習近平の企みは挫折したようである。しかし中国軍が対日戦争を放棄したと見る兆候は現状では何もないので、日本の国防関係者は引き続き防衛力の強化に取り組むべきである。

中国海軍はロシア海軍との共同軍事演習を南シナ海で行うなど引き続き野心的な海洋戦略を展開していると見るべきである。習近平の集団指導体制への回帰が示しているのは他派閥の幹部への反腐敗追求の終わりを示すが、日本への開戦準備には変わりが無いと見るべきである。何故なら反日が最も強いのが江沢民であり、それゆえ中国覇権主義には変わりないと見るべきである。現状ではウクライナ問題でロシアを中国の側に追いやったアメリカ外交の失策が、日本の安全保障に暗い影を生みだしている。アメリカが内向きの下では、2正面を回避するには日本は対ロシア外交を前進させ、対米自立で自分の力で日本を防衛するほかない。

北朝鮮問題の本質は、敵対関係の温存に利益を見出している点にある!

北朝鮮は社会主義国ではない、どちらかというと個人独裁の奴隷制の国家である。500年間も続いた李王朝は奴隷制国家であった。これを保障したのは儒教思想である。北朝鮮はこれに近い。国名に関わりなく、北朝鮮は民主主義ではなく、人民共和国でもない。個人独裁の金王朝というべき珍しい国家である。

この国を解体するのは簡単だ、制裁・封鎖をやめ、市場経済に巻き込んめば、すぐに政権は崩壊する。しかし朝鮮半島の対立関係を必要とする国が有る、アメリカであり、中国だ。

北朝鮮という110万人の軍隊を持つ国は、冷戦の残滓のような国である。核やミサイルを保持する個人独裁の世襲の軍事政権が有ることで、アメリカは韓国や日本を従属下に置くことができる。韓国や日本に米軍を駐留させて支配下に置くことができるのである。

中国の側から見ると北朝鮮はアメリカの軍事力との緩衝地帯であり、東シナ海や南シナ海での拡張主義的侵攻時の第2戦線として利用価値がある。したがって米中が半島の現状固定化(=対立の固定化)で一致しているので、北朝鮮の封鎖・孤立化は今も続くことになっている。

中国は国連の制裁には形だけで、実際には貿易を規制しておらず。それゆえ北朝鮮はミサイル実験を何10回も行えるのである。核実験でさえ北朝鮮は今年2回行っている。中国拡張主義は北朝鮮を自己の手ゴマとして温存しておきたいので、国連の制裁を手抜きしているのだ。

こうした枠組みが有る以上、残念なことだが、日本の拉致問題など解決できるわけが無いのである。大国が朝鮮半島の現状固定化に利益を見出している以上、アメリカの従属国の日本政府には取るべき手段が無いのである。日本が対米自立すれば戦略関係が変化するので局面を打破できるのだが、残念なことに、それを実行できる政治家がいないのである。

強欲の資本主義が日本をダメにしている!

バブル経済で「濡れ手に粟」の超過利潤を手に入れて、冷戦後の規制緩和が日本の経営者や官僚や政治家を腐敗・堕落させたように思う。

政治家は白紙の領収書を手に入れて政務調査費をむさぼり、官僚は築地市場の移転に見られるように好きに手抜き工事に加担する。東京都は建設会社への官僚の天下り先を調査すべきだ。

政治家が、ワイロ欲しさにカジノ解禁を推し進め、外国カジノ業者の日本国民の1600兆円の個人金融資産の略奪を支援する。

警察官僚は自分たちを独裁者にするための「共謀罪」新設で民主主義の圧殺を狙うしまつ。

オリンピックの競技場が何故建設費が数倍に膨れ上がるのか?小池知事は究明すべきだ。

経営者は残業代を支払わない為に労働の時間管理さえ行わない。労働基準監督署は残業代の支払い指導ですら及び腰で、就業規則の開示の指導すらまともに行わない。官僚の腐敗は酷いものだ。

規制緩和とは違法行為の先取りを認めることなのか?!社労士制度が企業の違法行為を指導し、結果労組の団体交渉を空洞化し、労働事案の合法的解決の道を閉ざした。その結果食品への異物混入が増加し、社長の射殺事件すら起きた。

労働の規制緩和が日本資本主義の成長のための分配率の均衡を破壊し、日本資本主義は縮小再生産の自滅のサイクルに嵌った。

合法的解決を規制緩和で不可能にすることが、非合法な闘いを招くことを指摘しなければならない。必要なのは企業間の均等な競争条件を規制を強化して保証することである。そうでないならブラック企業が増加するばかりだ。

ブラック企業の増加は、経営者の絶対的剰余価値の獲得を絶対とし、新技術の生産への応用による、相対的剰余価値の獲得を放棄するようになる。日本企業の研究所の廃止や、日本資本主義の生産性の低下は偶然ではないのである。

公平な企業競争の無い資本主義は縮小再生産のサイクルを逃れられない。日本資本主義は死滅の道をたどりつつあると指摘できる。ユニオンの運動を行っていると日本資本主義の「不治の病」がよく見えるのである。

政治家と官僚と経営者の強欲が日本資本主義を死滅の道に迷いこませているのだ。

新世紀ユニオン執行委員長 角野 守

日米の支配従属同盟の「不平等」を見よ!

自衛隊に配備されるアメリカの最新ステルス機「F35」は老朽化したF4戦闘機の後継である。これを防衛庁はこれまでの戦闘機と同様のライセンス契約で清算するつもりであった。ところがステルス技術の流出を恐れるアメリカが拒否、FMS方式での購入にされた。

FMS方式とはアメリカの武器輸出管理法に基づき(1)契約価格、納期にアメリカ政府は拘束されない。(2)代金は前払い。(3)アメリカ政府は国益により一方的に契約解除できる。という不公平極まる方式なのである。これはアメリカ政府が財政難で同盟国を相手に利益を重視しているために起きている事である。

日本の自衛隊はFMS方式でイージスシステム、対戦車誘導弾ヘルファイヤー、水陸両用車AAV7、オスプレイ、グローバルホーク等を買っている。このため価格は高騰し、アメリカはぼろ儲けしている。F35の場合日本で組宛てた機体を帳簿上でアメリカに引き渡し、その後日本に引きわす事になる。つまり納期がアメリカの「言いなり」となる。

防衛省はこの機体を42機調達するために1000億円の国費を三菱に提供し製造ラインを作った。しかしアメリカ側は記述が日本に盗まれるのを防ぐため、「最終検査」から日本人を排除して行うという。組み立ては38機では費用対効果が悪く、航空自衛隊はF15戦闘機100機もF35に置き換えることを検討している。元々アメリカのステルス技術は、日本から塗料をドラム缶で提供した技術なのである。

こうしてF35の機体1機に日本は181億円支払うことになる。ライセンス契約のF15やF2の1機120億円~130億円と比べて格段に高い機体となる。技術も得られないのにだ。最近はこのFMS方式で購入する兵器が、以前は年間1000億円ぐらいで有ったのが、15年度は5916億円に上っている。アメリカのぼったくりと言っていい。例えば水陸両用車AAV7は中古車体だが1両7億円もする。しかも防衛装備庁によると金を前払いしているのに引き渡されない兵器が548億円分も有るという。アメリカの汚さが分かるであろう。

対米従属ゆえに、日本政府はアメリカに舐められているのだ。日本は対米自立し兵器をロシアから購入したり、ステルス機等を国産にすれば、防衛予算はもっと安上がりになるのだ。いつまでもアメリカ言いなりでは日本はアメリカに搾取され続けることになる。

ロシアを中国の方に追いやる欧米の外交に疑問!

アメリカがウクライナの野党をたきつけてグ―デターをやらせ、ウクライナにNATOの基地を作ろうとしたことは、アメリカの戦略的失敗であった。ロシアは一党支配を解体しているが、元社会主義国は資本主義化には時間がかかるのである。

アメリカはウクライナの取り込みを策してプーチンのロシアを地政学に目覚めさせ、クリミア半島の併合とその後の欧米の経済制裁は、みずからロシア市場を中国の方に追いやる事となった。その結果ロシアと中国の海軍が南シナ海で実弾を使用する八日間の合同軍事演習まで行うまでになった。

北朝鮮の核兵器装備とロシア中国の軍事的接近は、アジアの親米国を安全保障上の危機に直面させることとなった。特に中国・北朝鮮・ロシアを同時に敵にする事になりかねない日本と韓国は二正面戦略を強いられるわけで、アメリカが内向きになっている下ではアジアの戦略的主導権は中国が握ることになる。

冷戦の崩壊は、修正主義のソ連とマルクス・レーニン主義の中国の国際共産主義の総路線を巡る対立から、中ソ対立から、ニクソン訪中となり、旧ソ連は崩壊した。今回はこれとは逆の中国とロシアの軍事同盟をアメリカがお膳立てしたように見える。オバマ政権の戦略が私には理解出来ない。ロシアも資本主義となり、中国も走資派指導部が資本主義をまい進している。この両国を同盟させてオバマにどのような戦略的利益が有ると言うのか?

ロシアと中国はどちらも戦略を持っている地域の大国である。ロシアは旧ソ連時代の勢力圏をできるだけ守ろうとし、中国は西太平洋とインド洋を自己の管轄海域にしようとの野望が有る。両国とも軍事同盟で後ろを気にせず戦略を追求できるので有るから、オバマ外交の戦略的失敗は明らかである。
戦略的に見るなら守りのロシアよりも、中国覇権主義の方がより危険であるのだが、今アメリカには国籍欲しさの中国人が大量のドルを持って押し寄せている。この目先の利益が、オバマの中国・ロシアの軍事同盟を軽視する理由が有る。

日本は対ロシア外交を前進させて、ロシアとの経済的相互依存関係を強化し、ロシアを中国から引きはがす外交が求められている。ロシアは経済規模から中国の数分の一であり、資源輸出国で中国のように覇権戦略を持っているのではない。貿易によってロシアの市場経済化を進める必要があり、アメリカのオバマは旧ソ連圏の東欧や中央アジア諸国の勢力圏組み込みだけに目が言って、世界の戦略関係が見えていないのである。

オバマはまるでロシア主敵だが、今世界で最も危険な侵略勢力は中国覇権主義だということが、オバマには見えていないことの危険を指摘しなければならない。安倍首相がプーチン大統領の訪日で対ロシア関係を前進させようとしていることは、日本が二正面を避ける上で死活的な重要性を持っていると言える。北方領土問題はこのさい重要ではない。アメリカ政府が安倍の対ロシア外交に反対しても、ここは前進させるべき時なのである。中国とロシアの関係にくさびを打ち込むことが日本の自立外交としては必要なのである。それが対米自立にも有利な事である。

北朝鮮経済制裁を手抜きする中国の軍事的布石!

北朝鮮が国連決議に違反しミサイル実験と核実験を思うさま行い、北東アジアにおける戦略関係が北朝鮮と中国側に有利に展開しつつある。

国連による制裁強化にも関わらず、中国の「人道目的」と称する意図的な手抜きで、制裁前よりも北朝鮮と中国の貿易は活発化している。北朝鮮から中国への出稼ぎ労働も相変わらず活発で、中朝間の貿易も制裁前の水準に戻っている。中国から北朝鮮への原油輸出は統計上はゼロだが、実際には原油パイプラインで年間50万トンが中国から北朝鮮に送られている。

中国は国連決議に違反して犯罪的な北朝鮮への援助を続けている。国連の安全保障理事会では北朝鮮への追加制裁が審議中だが、それも中国が手を抜けば何の意味もない。中国は東シナ海で沖縄や南西諸島の占領を狙う軍事行動に出た場合、朝鮮半島における北朝鮮の核とミサイルを背景にした半島南進を第2戦線として戦略的に利用しょうとしている。つまり中国は北朝鮮を自己の手ゴマとして戦略的に利用している。その為の国連制裁の意図的手抜きなのである。

つまりこのような中国の企みが有る以上国連安全保障理事会の制裁強化は実質が伴わず、北東アジアにおける北朝鮮の戦略的優位だけが残ることになる。これは日本の安全保障にとっても危機的なことで有り、中国の欺瞞的な北朝鮮支持を放置しては後々ゆゆしき事態が生まれるのは避けられない。

アメリカや主要国は中国に対し、北朝鮮への経済封鎖の完全な実施を求めるべきである。そうでないなら韓国と日本は核武装をしなければ国の安全を保証できないことを安倍首相は表明すべきである。少なくとも中朝間の鉄道・道路橋の空爆による破壊で経済制裁の実効を迫るべきである。

中国拡張主義は西太平洋とインド洋の支配をもくろみ、世界覇権への並々ならぬ野心を表明している。彼らは沖縄の周辺の南西諸島の占領だけでなく日本列島全体の占領さえ企んでいる。中国が北朝鮮の核・ミサイル開発を資源供給面で支えていることは明らかであり、国連安全保障理事会は中国への制裁も考慮するべきである。中国社会帝国主義は新興の帝国主義としての凶暴性を持っており、決してこの拡張主義を軽視してはいけない。アメリカのオバマ政権の非介入主義と中国への融和策は、ナチス・ドイツを西部に侵攻させることで、その矛先をかわそうとした、当時の英首相チェンバレンに似た役回りを演じている事を指摘しなければならない。

豊洲市場の盛り土の手抜きは誰の画策か?

世界一の生鮮食料品市場の築地市場の移転予定先の豊洲市場の盛り土が建物部分で行われていなかったことが明らかになった。これまで「盛り土がされた」としてきた東京都の説明は嘘であった。小池都知事は12日都幹部に経緯を調べるよう指示した。

市場内の地下には盛り土が無いため水がたまり、ガスが発生している可能性がある。豊洲市場の土地は東京ガスの工場跡地で2008年に発がん性物質のベンゼンが環境基準の4万3千倍の数値を検出し、その後東京都は「地盤を2メートル掘り下げ、その上に4,5メートルの盛り土をした」と発表していた。

もしこのまま市場を豊洲に移転していたら世界中に日本の食の安全性が疑われるところであった。オリンピックが有ろうが、道路建設が間に合わなかろうが、もう一度建物を解体し盛り土をしてから建設し直すべきであろう。都民をだました事が後々まで尾を引くことを考えるとお金がいくらかかろうと都民をだまし手抜き工事を行ったものに負担させるべきである。

日本は官僚機構がしっかりしているから大丈夫だと言われたことがあった。しかし今日の現状では官僚機構が腐敗し、庶民をだましてはばからない事実が明らかとなっている。自公政権、自民党都議会のボスたちは何をしていたのか?誰が責任を取るのか都議会自民党や安倍政権ははっきりさせるべきであろう。

東京アリンピックの会場整備費用が何倍にも膨れ上がったのも利権あさりの可能性が有る。建設利権は自民党の金ズルなので、様々な「錬金術」が行われていると見てよい。小池知事はその全ての利権を暴くべきである。なぜ工事費がこうも膨れ上がるのか都民・国民には知る権利があるであろう。

その典型が豊洲市場の盛り土手抜き工事である。誰が企んだのか?責任を追及して刑事告発すべきである。

北朝鮮の核実験が与える外交的影響!

報道によれば、北朝鮮北東部で自然の地震ではないマグニチュード5、0の人工的地震を観測した。北朝鮮政府は「核弾頭の実験を行った」事を発表した。今年に入って北朝鮮は弾道ミサイルの実験を合計21発行っており、最近は潜水艦発射弾道ミサイルの実験まで成功している。北朝鮮の核開発は今年に入って格段に進んだ。

重要なのは国連の決議がいともたやすく破られても、北朝鮮への経済制裁が中国のポーズだけのため何の効果も上げていない事である。日本政府は制裁の強化を行うと語ったが、今以上の制裁が可能とも思えない。アメリカのオバマ政権では北朝鮮への軍事行動も考えられず。そもそも国連の安保理が北朝鮮に舐められている。

北朝鮮の核装備で安全保障上の脅威を受けるのは韓国と日本であり、この両国とも核保有を選択するほか対処が無いように見える。北朝鮮が強硬姿勢を貫けば貫くほど、アメリカの無力が際立つかのようにも見える。

核兵器は保持している相手には使えないが、保持していない相手には使える兵器なので、日本の安全保障が危機に直面しているのである。

特に韓国は中国の顔色を見て、ミサイル防衛に参加していない為、日本以上に安全保障上の危機に有る。朝鮮半島の戦略関係は北朝鮮有利に転じたと見てよい。国連の安保理が軍事制裁に踏みださないなら、世界中の国が核装備に走る可能性がある。

国連安保理決議を踏みにじった国が、安全保障を鉄壁にし、非核を貫く韓国や日本が戦略的劣勢に立たされることになった。アメリカが覇権を行使しない以上、世界は軍事力が全ての時代に突入しているのである。

北朝鮮のキム王朝は、側近を処刑しまくり、今や国際的緊張状態だけがこの愚劣極まる体制を存続させることができる。人民内部の矛盾と敵対的矛盾の区別もできない金正恩体制は、次々と高官が逃げ出し、相次ぐ処刑でいつクーデターが起きてもおかしくない。政権の崩壊が起きた時、核兵器のボタンを誰が握るのだろうか?日本と韓国内で核武装の声が高まるであろう。双方が核を保持しない限り使えない兵器にはならないのである。核武装はとりもなおさず日本の自立の問題であり、アメリカがそれを許すかどうかが問われている。

格差問題を抱えるアメリカ社会の分裂!

アメリカ政策研究所が、国内世帯の富に関する調査結果によると1983年から~2013年までの各人種の世帯の平均資産規模を見ると白人層と黒人層の貧富の格差が拡大している。

調査によると白人所帯の平均資産額は13年には65万6千ドルで83年と比較して85%も増加している。これに対し黒人世帯では8万5千ドルで26%増であった。この人種間の格差は今後も拡大することになる。

アメリカ社会はこのほか白人の中間層の貧困化が激しく、黒人と白人間の矛盾も激化している。ヒラリーは黒人層や中南米層の支持を得ており、トランプは白人貧困層の支持を獲得している。

アメリカ社会では白人警官が黒人を射殺する事件が頻発しており、こうした民族対立の背後にアメリカ社会の格差の拡大が潜んでいる。「フォーブス」誌が選ぶ米富豪上位400人の所得は、この30年間で平均して約7.4倍に増加している。一握りの金持ちだけが肥え太っているのだ。

つまりアメリカ社会の貧富の格差が拡大し、貧困層の黒人や中南米系の人たちはクリントンを支持し、白人貧困層はトランプを支持しているのである。クリントンはアメリカの金持ちや金融資本の利益代表とみられて予備選でサンダースに苦戦した。白人のアメリカ人は中南米移民が自分たちの仕事を奪い取っていると見ており、トランプの「メキシコ国境に壁を作る」政策を支持している。

つまりアメリカ社会は金持ちと貧困層、白人と黒人・中南米系の対立でアメリカ社会は大統領選のたびに分裂傾向を強めている。この社会的対立関係が反映してクリントンもトランプも嫌いな人が50%以上いるのである。

本来選挙は階級や人種間の対立を緩和・調整・妥協するためのものなのだが、アメリカ社会は大統領選の度に逆に対立が激化しているのである。ここにクリントンもトランプも内政重視の政治姿勢をとらざるを得ない理由がある。

このアメリカ社会の分裂と対立は冷戦後の「強欲の資本主義」の結果、貧富の格差が極限まで拡大した結果生まれた階級関係なのである。唯一の世界の覇権国アメリカはオバマの非介入主義の下で現在「息継ぎの和平」の局面にある。貧富の格差拡大が国内の対立と分裂をもたらしているので、アメリカは当分対外軍事介入はできない。大統領選でどちらが当選してもアメリカの覇権の維持は難しい局面なのである。アメリカの分裂と対立が示しているのは世界が多極化の時代に入っていると言うことである。

多極化の時代の外交は自国の安全保障を原則とせよ!

アメリカの一極支配の下では、アメリカ言いなりの外交でよかった。しかし今アメリカは「息継ぎの和平」に戦略転換し、内向きに転じて、同盟国への安全保障の余裕もない。

このような時に、韓国のパク・クネ大統領のように中国の反日連合にすり寄り、結果韓国を亡国の淵に陥れている。韓国の外交原則はアメリカ軍重視であるのに、中国にすり寄って原則を放棄して、アメリカの心証は最悪となった。新大統領が韓国駐留米軍を引き上げることもあり得るであろう。

日本外交は、中国拡張主義が本気で日本への侵攻を考えている下で、2正面を回避する外交が最優先課題となっている。つまりロシアを中国の方に追いやるのではなく、日本の方に引き寄せる外交が戦略的に重要となる。

例え欧米がウクライナ問題で対ロシア制裁を行っていても、日本はその制裁に参加してはならないのである。ウクライナ問題はクーデターを仕掛けたアメリカ側に非が有り、ロシアを地政学に目覚めさせたのは欧米の経済制裁だ。日本は自国の安全保障から中国とロシアを同時に敵にできない以上、日ロ関係を改善する戦略外交を実行するしかないのである。

中国のように周辺国に軍事優先で対応し、その為周辺国を全て敵にする愚かな外交を行ってはいけない。新興の社会帝国主義は経済や文化を外交の武器にする余裕はない。全て軍事優先が、友好国を引き寄せる外交を展開できない原因なのである。

アメリカのオバマの外交的誤りは、撤兵を口にしながら傭兵の形で戦争を続けていることだ。彼は非介入を原則としながら同盟国を犠牲にし、敵国の地域覇権主義をのさばらせていることだ。「息継ぎの和平」は力を蓄えるまでは自分たちの同盟国を、また勢力圏を維持することでなければならない。オバマの戦略転換は原則を放棄している過ちを指摘しなければならない。

アメリカが覇権を放棄しつつある中では、日本はいつまでもアメリカ一辺倒の従属外交ではいけない。対米自立し、日本の防衛は日本人の手で行う覚悟が必要な時代なのである。その為には防衛兵器だけの自衛隊は、急ぎ均衡の取れた装備の防衛軍にしなければならない。

中国覇権主義の軍事的危険性は半端ではないので、いつまでも頼りにならないアメリカ依存の防衛策から日本は自立しなければならない。

政治家の戦略的混迷で韓国の国防力が危ない!

韓国の国防力が本当は弱い、との指摘が盛んにマスコミに出るようになった。そのように指摘されるにはいくつかの理由が有る。第一にアメリカ軍依存、第二に独自開発兵器が技術力の不足から信頼性が無いこと、第三に半島国家であることを忘れ、海洋国家の日本への対抗心からイージス艦やヘリ空母など不用の装備に予算を消費していること、第四にパク・クネ政権の中国すり寄りが反映して中国に配慮してミサイル防衛への参加が遅れていることである。

普通、半島国家で大陸側に敵対国家の北朝鮮を抱えているのに、政権の中国すり寄りや北朝鮮との統合への願望から必要な地上軍の近代化が遅れているだけでなく、航空戦力も部品不足で稼働率が低く実践で役立つとも思えない。ましてや「反日」の反映で、海洋国家の日本に対抗して海軍力への予算投入は戦略的誤りという他ない。

アメリカの大統領にトランプが当選すれば、韓国からの駐留米軍の撤兵は避けられず、韓国の国防戦略は危機に直面する事になる。北朝鮮が戦略兵器である核兵器とミサイル開発で成功をおさめ、核保有国の地位を固め、兵力110万人を維持している時、韓国の国防力はあまりにも弱いのである。特にミサイル技術では明らかに北朝鮮の方が高いと言える。

韓国軍の弱点は情報収集力が弱く、対空ミサイルや対地ミサイルを増強しても敵を把握しきれなければ役には立たない。技術力もないのに主力戦闘機の開発を手掛けたり、中国の顔色を見てミサイル防衛に参加しない為韓国軍の脆弱性は防空面でも問題が有る。その他兵器産業と軍高官の利権構造が腐敗し、貴重な国産兵器が実際には役立たない可能性も指摘されている。

アメリカ軍の部隊が撤兵した場合、朝鮮半島の力のバランスは明らかに北朝鮮が断然有利となる。政権が、反日・親中国にぶれたため韓国軍は主敵がまるで日本であるかの装備を整えている。韓国の真の敵は北朝鮮で有るのに韓国軍が北に備えているようには見えない。北朝鮮の総攻撃が有れば韓国軍が総崩れになるのは時間の問題なのに、地上軍を強化せず、イージス艦や潜水艦増強にまい進する韓国の姿は、政権の戦略のぶれが招いた戦力配備の深刻な歪みというべきだ。

都市と農村の矛盾を空前に拡大した中国の危機!

「中国の特色ある市場経済」で都市部の資本主義化が急速に進んだが、農村部は農地の集団所有制が今も残り、したがって走資派指導部の内陸部の開発特区はいずれもゴーストタウンと化した。つまり内陸部の開発=資本主義化は完全に失敗した。

このことは中国農民は資本主義化の恩恵から排除されたままだということである。つまり中国は農村部は社会主義が色濃く残り、都市部は資本主義化が進みその結果都市と農村の矛盾が空前に激化している。つまり中国では農村部では集団所有制が価値法則の貫徹を難しくしており、走資派指導部は都市部しか近代化・資本主義化に成功していないのである。

農民が農村戸籍を放棄すれば村に農地を返却しなければならないが、都市部では土地を売却して大金を手に入れることができる。年金は上海で月額4000~5000(約6万~7万5000円)だが農村部の年金は月額200元~300元に過ぎず。最も貧しい農村だと月30元しか年金が無い。つまり中国では農村戸籍と都市の戸籍では空前の格差が生まれている。都市部では「新富人」と呼ばれる成り金がたくさん生まれているのに、農村は輸入穀物のせいで以前よりも貧困化しているのである。

中国政府は農民を都市に移し、大規模農業に変えようとしているが、農民が今更都市の戸籍をもらっても食えない為成功していない。中国全体は世界第2位の経済となり豊かになったが農民は自分たちの生活を共産党が犠牲にしてきたこと、都市は豊かになったが農村はより貧困化したことに気付きはじめている。農村から都市への継続革命の炎が広がる可能性が高まっている。中国における都市と農村の矛盾の拡大は、世界のどの国の格差よりも酷いということを指摘しなければならない。

中国における階級矛盾・民族矛盾は空前に激化しており、習近平は党主席としての自分の権威を毛沢東なみに強化しようと企んで自分を「核心」と毛沢東なみの呼称を使い始めていた。ところが8月の北載河会議の後中国共産党の新聞等が「習近平を総書記とする党中央」という表現用いた。つまり習近平の「核心体制」が北載河の幹部の会議で敗北・破綻し、中国共産党が集団指導体制であることを再確認したことであり、これは関係者を驚かせたのである。

つまり習近平は未だ政治局で少数派であり、未だに江沢民派等が党権力で優勢だということである。中国の社会不安は拡大し、大動乱が起きかねない状況で有るのに走資派指導部=党中央は一枚岩ではなく、いくつかの派閥(=利権集団)に割れているのである。中国拡張主義の危険性は、この内的矛盾の弱さの表れであることを忘れてはいけない。

今も民間軍事会社が請け負うアメリカの戦争!

「選択」9月号は「米国民間軍事会社の異様な繁盛」と題する記事を掲載している。記事によるとアメリカ政府の傭兵依存症(中毒)が強まっているという。米軍の正規の派兵はシリアに300人、イラクに3825人だが、これとは別に民間軍事企業が活動しているのは「公然の秘密」だという。

アフガニスタンでは米軍兵力8720人に対し、民間軍事企業の兵力は2万8600人だという。米軍の下級歩兵の年収は2万ドルなのに対し、民間軍事企業は15万ドルから25万ドルも支払うという。アメリカの傭兵市場に「イスラム国のテロリストを殺す仕事で60万ドル(約6000万円)稼げます。」という広告が出回っているという。

国防総省によると、2014会計年度民間企業に支払った総額は2850億ドル。このうち45%が軍事企業への支払いだという。アメリカ政府が民間軍事企業に支払っている金額はイギリス、日本、韓国3国の軍事費の合計をすこし下回るだけだという。

この結果アメリカの民間軍事会社は急膨張を続けている。「G4S」という軍事会社は世界中で62万5000人を雇用する。つまり一つの軍事会社が一国の軍隊の総数を上回るまでになっているのである。オバマ大統領が「ブッシュ政権下での『戦争の10年』を終わらせる」と公約し、ノーベル平和賞をもらったために、撤兵するために戦争の外注化を推し進めた結果、軍事会社が肥大化しているのである。

こうした戦争の民営化は議会への説明が要らないし、国民にも秘密にできる。つまりアメリカの戦争は傭兵に依存を深めているのだが、これは民主主義の危機で有るだけでなく、敵を倒すこともできない。敵をせん滅したら失業することになるのだから、民間軍事企業にとっては勝たない程度に闘うことになる。これがアフガニスタンやイラク、シリアで戦争が長く続く理由である。

民間軍事会社の下請けされた戦争に、イギリス、日本、韓国3国の軍事費の合計に達する資金をつぎ込んでいれば、アメリカの財政赤字が解決するはずがない。オバマの国民に隠した戦争の民営化の欺瞞にクリントン・トランプの2人の大統領候補が沈黙を守っている点に、アメリカの病んだ社会が表れている。産軍複合体の経済は平和の名で、戦争を軍事会社にやらせる形で兵器の消費を続けなければならないのである。アメリカという腐朽した帝国主義国は「息継ぎの和平」ですら、見えない形で戦争を続けざるを得ないのである。

中国とロシアの戦略的違いを認識せよ!

中国とロシアを「ならず者国家」として、東西の拡張主義と見る間違った論調が出ている。確かに中国のなん東シナ海と南シナ海を自己の内海化する米軍への接近拒否戦略と、ロシアの黒海の内海化による東地中海への進出戦略はよく似ている。

重要なのは似ている点を探すのではなくその戦略の中身が重要なのである。ロシアを地政学に目覚めさせたのは、ウクライナにおけるクーデターをアメリカが画策したからであり、クリミア併合に踏み切らせたのはウクライナをNATOに加入させようとしたアメリカの画策で有った。つまりロシアの黒海の内海化(接近拒否戦略)はアメリカの侵略から自国を防衛しようとする受身的なものであり、拡張主義の中国とは違う点を見なければならない。

新興の中国社会帝国主義は現在地球上でもっとも危険な侵略勢力となっており、西太平洋とインド洋を自己の管轄海域とし、世界覇権の分有をめざす本物の拡張主義である。中国の経済規模はロシアの数倍もあり、西側(=NATO)にはロシアは脅威とは言えない。しかしアジアにおいては日本や韓国やベトナムやフィリピンにとっては、ロシアを中国と同じように「ならず者国家」と位置付けるのは2正面に敵を作るようなものなのである。

つまりNATOのロシアへの経済制裁で、ロシアを中国の方へ追いやるアメリカのやり方はアジア諸国を戦略的危機に追い込むことなのである。ロシアの一党支配は崩壊しており、中国は未だに一党支配が現存している。この2国をわざわざ「東と西のならず者国家」として同一視する事に戦略の読めない陰謀家の存在をうかがわせる。

特に中国拡張主義の攻撃の矛先を受ける日本は、アメリカの支援が現状で当てにならない状況の中で、南の中国・北のロシアを同時に敵にするのは亡国路線そのものなのだ。つまりロシアと中国を同一視する危険を指摘しなければならない。重要なのは同一性ではなく相違性つまり(特徴的違い)に着目することが戦略的に重要で、特に親日のプーチンを重視して安倍首相にはロシアを取り込む外交努力を期待したいのである。反日の中国は軍事的に日本占領を想定しており、今外交で重要なのはロシアと中国の戦略的違いを認識し、この2国を分断することなのだ。

ロシアのシベリア地域は経済的に疲弊してかっては800万人いた人口が620万人まで急速に減少している。中国はこのシベリアを狙っており、ロシアは日本の資金と資源でシベリアを開発したいのである。日本は資源と市場を必要としている。日本とロシアの経済的利益は一致しており、ロシアと経済的に相互依存関係を強めることは、日本の安全保障上で何より重要なことなのである。

金正恩政権の恐怖政治の意味するもの!

8月31日韓国政府の報道官は定例記者会見で北朝鮮で政府高官の処刑が相次いでいることについて「教育担当の副首相、キム・ヨンジン氏が処刑されたほか、朝鮮労働党のキム・ヨンチル統一戦線部長も革命化教育を受けている」と明きらかにした。

北朝鮮では今年に入り既に10人以上の外交官が亡命し韓国入りしている。最近ではテ・ヨンホ駐英公使が婦人や子供と共に亡命した。韓国政府によるとキム・ヨンジン副首相は姿勢の悪さが問題視され調査を受け、「反党反革命分子」とみなされ7月に銃殺されたという。

金正恩は最高指導者に就任して以来些細な理由で数多くの部下を処刑した。この結果亡命しやすい外交官達がこぞって亡命し始めた。何の政治的実績もなしに世襲で後継者になったが為に、金正恩は恐怖政治で体制を引き締めようとして次々幹部を処刑しているのだが、その結果亡命者が続出しているのだから、もはや自壊と言える段階に至っていると言えそうだ。

敵対矛盾と人民内部の矛盾の区別もできない愚かな息子に、独裁者の位置を世襲させた金正日の誤りは明らかである。姿勢が悪いなどという詰まらない理由で処刑されるなら逃げ出すのが普通である。
金正恩政権は恐怖政治で政権を強化しているつもりだが、実際には部下たちが恐怖から逃げ出し、体制が逆に自壊しつつあるのだから、数多くの処刑は金正恩の強さの表れではなく逆に弱さの表れのように見える。

「裸の王様」=金正恩は、今ではその凶暴性のおけげで誰も諫言するものが無くなり、ますます恐れおののいて、部下がクーデターを起こすのではという恐怖に取りつかれ、処刑で恐怖政治の脅しを繰り返し、自分で自分の支持基盤を掘り崩しているのである。これはかっての中国古代王朝の暴君そのものだ。金正恩政権の先は長くないと断言できる。周辺国は北朝鮮の体制崩壊に備えた方がいい。
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