大統領選挙で支持者を統合出来なくなった共和・民主!

共和党大会では多くの幹部がトランプを拒否して大会に欠席した。トランプに投票しない、という党員が多くいる。民主党も同じでクリントンと争ったバーニー・サンダース上院議員の支持者たちは民主党大会でクリントンの名前が出るたびにブーイングした。

サンダース氏が支持者をクリントン支持にまとめられない可能性が強くなった。サンダース氏が民主党予備選で・党員集会で集めた支持は1350万票であり、共和党のトランプ候補とほぼ同数なのである。この票がクリントンではなく第3の候補者緑の党に流れると、大統領選は共和党のトランプが有利となる。

重要なことはアメリカ社会が格差社会が極限まで拡大し、もはや現状維持派では大統領選に勝利できない状況があるということだ。クリントンがリベラル寄りに政策を修正しても、なおサンダース派の支持者たちの多くが「クリントンには投票しない」としている事は重大で、これではクリントンは勝利できない。。

同じように共和党員の中にもトランプが嫌いで投票しない層がある。もちろん共和党の方が反乱は少ないようなので、本選はトランプが有利となることは確実なのである。ジョージ・ブッシュが勝利した時、リベラル派が緑の党のラルフ・ネーダーに投票したことで民主党が敗北した。これと同じ構図が生まれつつある。

それほど大衆が共和党も民主党も変化を求めているということだ。民主党ではリベラル派が大きく勢力を拡大して反乱している。共和党内の幹部達もまたトランプの型破りに付いていけない状況にある。しかしアメリカ国民の多数が政治に変化を求めている以上、型破りなトランプが本選で有利なことになる。重要なことは予備選で支持者が考えを統合できず、しこりを残したままだということだ。民主党も共和党も支持者を政策で統合できないことは、格差拡大社会が反映したと言える。

確かなのはアメリカの戦略転換=「息継ぎの和平」が思いのほか長く続きそうだということだ。覇権国が力を失い、内向きの政治が長く続くと、世界は多極化し、列強の合従連衡の時代に向かうということだ。安倍政権のアメリカ頼みの集団的自衛権の解釈変更による防衛路線は破綻を免れない。日本は早急に対米自立による独立・自主の防衛戦略を持たねばならない。
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テロと経済危機が政治を崩壊に導く!

欧州やアメリカでテロが拡大している。欧州では毎日のように自爆テロや乱射事件が起きている。欧州の移民問題でイギリスがEUから離脱し、イギリスの経済危機が心配されている。さらにはトルコでクーデター未遂があり非常事態が続いている。

サウジとアメリカの石油戦争が長引く中、原油価格の急落・低迷で弱小な産油国、イラクやリビアやベネズエラやナイジェリア、アルゼリア等が石油収入の激減で経済崩壊寸前となり、経済危機から政治危機へと進みつつある。とりわけ南米のベネズエラは社会秩序ががたがたで殺人事件の犠牲者が公式記録で1万8千人、野党の集計では2万8千人というありさまで、政権崩壊もあり得る事態となっている。

中国経済のバブル崩壊で世界の鉱物輸出国は輸出の急減で、押し並べて不況となり経済危機を深刻化させている。産油国のロシアも原油価格の急減で経済的に苦しくなっている。

こうした中で中東ではISとの戦争が続き、アジアでは中国拡張主義の大軍拡を機に一大軍拡競争が起きている。事態は経済危機から政治危機へと進みつつあり、とりわけアメリカのグロバリズムからの反転現象による内政重視の下で、ロシア・中国・イラン等の新興の拡張主義の出現で、世界は戦争の危機を著しく強めている。

もはや相対的に衰えたアメリカの防衛力に期待できない時代を迎えている。世界はテロの拡散で観光業が打撃となり、貿易は世界的に縮小し、世界同時不況を深刻化させている。政治情勢は地政学的な矛盾を激化させ、戦略と戦略がぶつかり合う戦争への道を進んでいるのである。

経済危機が政治矛盾を激化させ。その政治の延長が戦争なのであるから、世界中が軍拡に狂奔するのもうなずけるのである。日本は対米自立し、自分の国は自分で防衛できるように早急に軍事的備えを強化しなければならない。

恫喝で裁定への巻き返し図った中国!


中国が国際仲裁裁判所に出て自らの主張を展開できなかったのはいかにもまずかった。南シナ海の自分たちの領有権を法的に証明できなかったのだから、これは中国外交の敗北と言える。

この裁定への中国の反撃がASEAN外相会議で展開された。王毅外相はビエンチャン入りした24日シンガポール、ブルネイ、タイ、ミヤンマー、カンボジア、韓国外相と会談し南シナ海問題で小国に圧力をかけ続けた。

中国は「日本は当事者ではなく介入すべきではない」南シナ海問題では「数十カ国が中国の立場を支持している」「中国は孤立していない」と声高に叫ばねばならなかった。中国の圧力でASEAN外相会議では共同声明で南シナ海問題では国際仲裁裁判所の裁定には触れることさえできなかった。

王毅外相は「日本は当事者ではないので口をはさむな」と恫喝したが、軍事的にも南シナ海で大規模な軍事訓練を展開するとともに、南部戦区と戦略潜水艦部隊を「一級戒備」に入らせ、海軍の南海艦隊とロケット軍、空軍を「戦前状態」に入ることで周辺国を軍事恫喝したのである。

また「高高度ミサイル防衛」を配備した韓国に対し「最近、韓国が中国との信頼関係の礎を損ねたことは遺憾だ」としてアジアインフラ投資銀行の副総裁を務めていた韓国産業銀行会長を解任して韓国に制裁の意思を示した事も大国意識が強権的な制裁となって表れたものと言える。

中国外交の強権行使は、アメリカが大統領選の最中で、言わば政治空白に有る中で、アジア諸国を恫喝して手なずける好機と読んでいるからなのである。中国の狙いは経済援助と軍事恫喝でアジアの小国を従属化する事である。

社会帝国主義に転化した中国拡張主義は世界第2の経済大国になってのぼせあがり、あろうことかアメリカに世界の支配権の分有を提案し、海洋大国としての「中国の夢」を、中華思想に基づく世界戦略として展開するまでになった。

史上例を見ない海軍力の増強と南シナ海を埋め立てての侵略拠点の確保は、西太平洋とインド洋を自らの管轄海域とする野望を果たすためである。こうした強硬な外交は習近平政権の国内的弱さの反映でもある。

特に習近平政権は反日の江沢民派と鋭く対立しており、外交的に強く出ることで江沢民派に媚びているのである。大国なら大国らしくした方がいいのに、成り上がり者の虚勢が出るのである。

共同声明出せないASEANの限界を露呈!

東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議において南シナ海問題をめぐる国際仲栽裁判所の裁定をめぐる共同声明に対し、中国と経済的関係が強いカンボジアや議長国のラオスが反対し、共同声明が出せなくなっている。

国際仲栽裁判所の裁定に反発する中国の王毅外相がASEAN内の切り崩しを進めたため、ASEAN外相会議で声明さえ出せない事態になった。中国と領土問題で対立するベトナム・フィリピン・インドネシアは声明に、仲裁裁判所の裁定を盛り込むよう求めているが、親中国のカンボジアが強硬に反対した。

中国は国際仲栽裁判所の「裁定を紙くず」と位置づけ、「南シナ海問題は当時国同士で解決すべき」との考えである。だが大国の中国と他の小国との領土問題を「当事国同士で」と言いながら一方的に南シナ海の暗礁を埋め立て、軍事拠点化を進める中国の横暴は、ASEANの限界を露呈する事となった。

大国中国の側が軍事力を全面に出しているのだから、もはやASEANの限界は明らかで、ASEANは反中派と親中派に事実上分裂する事態になっている。アメリカや日本は仲裁裁判所の裁定を支持しており、ベトナムやフィリピンを支持している、中国とアメリカの対立で南シナ海の中国による支配をめぐり、ASEANの限界が露呈することとなった。

当分の間アメリカの内政重視が明らかとなり、中国の拡張主義が台頭する中で、アジアの小国は中国の側に付くのか、それともアメリカの側に付くのか、選択を迫られる事となった。こうなるとASEAN等の既存の国際会議等は最早存在自体が無意味で、期待すべくもない。国際関係は軍事力が全ての時代へと移行していると言って過言ではないのである。

世界の覇権を握るアメリカの相対的衰退が、中国拡張主義という新興の社会帝国主義を生みだしたのである。アジア諸国は早急に中国覇権主義の侵略への備えを強化しなければならない。時代は軍事力が国境線の変更を成し遂げる時代へと変化したのである。

トランプの指名受諾演説が示すカラ約束!

クリントンのオバマ路線の継承、すなわち現状維持と比べ、トランプは変化を求めるアメリカ国民の期待を集めるのが巧い。自分が大統領になれば「安全が約束される」「強いアメリカを作る」「数百万の雇用と数兆ドルの富」をもたらす。メキシコ国境への壁の建設、中国との貿易協定見直し、北米自由貿易圏も見直し、TPPも反対、これでは強いアメリカどころか、アメリカはもっと弱くなりそうだ。

トランプの「アメリカ第一主義」は、アメリカの孤立路線となる可能性がある。同盟国は見捨てられ、世界の貿易は縮小し、世界大恐慌を招くかもしれない。どうやって安全なアメリカ社会をつくるのか?不明で、できもしないカラ約束を並べただけに見える。

しかし今のアメリカ国民はそんなトランプに期待しなければならないほど変化を求めており、どう見てもクリントンに勝ち目はない。クリントンが巻き返すには国民の変化を求める気持ちにこたえなければならない。

トランプの掲げている政策はアメリカが今以上の孤立主義であり、同盟国に高負担を求め、支配従属同盟は崩壊へと進むほかないように見える。各種の貿易協定の見直しをしていけば、アメリカは孤立していくほかないであろう。

トランプのアメリカは、中国やロシアやイランの地域覇権主義の国々を拡張主義へと導きかねない危険を持っている。新興の拡張主義の国にとって、トランプの「アメリカ第一主義」は好機であり、世界を、自由と民主主義の国と、絶対主義的支配と統制と強権の陣営へと二分しかねないのである。

トランプが大統領になれば、アメリカとの2国間の安全保障協定は駐留米軍への全額負担が条件となり、当然にもアメリカの同盟国はアメリカとの同盟を見直す方向へと進むであろう。

日本にとっては、アメリカを頼りとする安倍政権の安全保障政策はアメリカの孤立主義の下では成り立たず。安倍政権は安全保障政策を自力での防衛を主要なものへと転換するほかないであろう。

アメリカの大統領選が世界を多極化へと一気に替えることになる可能性が強まっている。安倍政権は米大統領選の前にも解散総選挙で政権の長期化の基盤を固めないと政権の基盤は経済面から崩壊する可能性がある。世界の多極化とは流動化の時代であり、合従連衡の外交戦の時代でもある。

日本には、自立的で、知的で、柔軟で、断固とした戦略を持てる指導者が必要な時代である。

中国は北朝鮮のミサイル実験を容認か?

韓国への最新鋭ミサイル迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の配備を決定後、北朝鮮が「物理的対応措置」を取ると警告していたが、19日に弾道ミサイルノドンなど3発を日本海で発射した。このミサイル実験に中国政府は一切声明を出していない。今回のミサイル実験は港や基地に対する攻撃実験であることを北朝鮮は明らかにしており、「高高度防衛ミサイル」の配備に対する対抗措置であることは明らかで、実験を中国が容認している可能性は強い。近く行われる北朝鮮の核実験も容認するのではないかと思われる。

中国政府は「高高度防衛ミサイル」の韓国配備に対し「強烈な不満と断固とした反対を表明している」この中国の不満は、「中国の戦略的なバランスを著しく損なう」点にある。つまり中国政府は「高高度防衛ミサイル」の韓国配備に対し、対抗措置として南シナ海の内海化のための基地建設に力を入れているのである。したがって北朝鮮の今回のミサイル実験を中国政府が対抗措置として容認した可能性が強いのである。

中国政府(=習近平)は、北載河における党幹部の会議を乗り切るために、東シナ海や南シナ海で強硬な砲艦外交を展開している。これは江沢民の反日好きを考慮したもので、同時に対外的対立の激化の下で習近平政権への国内的支持を固めるためであると見られている。

中国の国内情勢は外交に反映する。内的矛盾の激化は習近平政権を外への軍事的冒険主義に駆り立てると見ておくべきなのである。その場合朝鮮半島は東シナ海・南シナ海の第2戦線としての意味を持つので、中国は北朝鮮への影響力が無いかのように装いながら、実は自己の戦略に北朝鮮の軍事力を利用しようとしているのである。

アメリカの大統領選の政治空白と、トランプなどの内向きの大統領候補の中で、中国覇権主義には戦略的好機が訪れている。凶暴な中国社会帝国主義の矛先は「海洋戦略」から見て日本であり、中国政府の狂気じみた反日キャンペーンから見てもそうである。中国が世界覇権の夢を実現するには日本の高度な工業的技術と生産力が不可欠なのである。

アメリカの非介入主義が明らかであるので、日本は防衛兵器のみの偏った自衛隊を、早急にバランスのとれた戦力に整備することが求められている。爆撃機もなければ、巡航ミサイルもなく、核も、原潜もない。しかもアメリカが日本を防衛する意思を持たない可能性が高く、日本は亡国の危機にあると言ってもいい状態なのである。

日本は対米自立し、自立した防衛力を早急に整備すべきである。

年内の総選挙で安倍の長期政権はなるか?

参院選挙で改憲議席の3分の2を達成した安倍政権は、9月の内閣の改造・総裁任期の延長を経て、秋の中国でのG20、ウラジオストクでの東方経済フォーラムでのプーチン大統領との会談など重要な外交の後に、衆院解散が有り得る情勢が生まれている。

安倍首相が消費税増税を延期したのは、それまでに総裁任期を延長し、参院選挙で改憲議席を達成して、衆院解散を行えば安倍政権は長期政権に向け盤石となるとの読みからである。

今年中に衆院を解散しなければ安倍政権は困難な局面に立ち至るであろう。それはイギリスのEU離脱ショックや、アメリカの大統領選で内向きのトランプが大統領になると、EUの分裂に続き北米自由貿易圏も解体、TPPの棚上げへと進み、世界はグローバル化の反転現象の中で、貿易は縮小し、世界大恐慌も有り得る事態となるであろう。

安倍政権は当然こうした世界経済の先行きの暗さは理解しているであろうから、世界経済が悪化する前に衆院解散・総選挙を乗り越えておきたいところである。とするなら今年末までに解散総選挙が有りうるのである。解散を来年に先送りするようだと世界経済の悪化の下で政権与党に厳しい選挙結果となるであろう。

安倍政権の10兆円を超える大型補正予算の先に衆院解散・総選挙があると野党は見て、総選挙への備えをしておくべきである。

世界情勢は経済危機の広がりとともに、トルコの情勢が示すように政治危機を拡大し、テロの拡大と共に世界は次第にきな臭さを増しており、戦争の可能性を強めている。とりわけ中国社会帝国主義の軍事侵略が野心的な覇権戦略の中で現実みを帯びている。アジアでの軍事衝突は避けられず、東シナ海と南シナ海は緊迫しており、アメリカの非介入主義の下で、日本が対米自立する情勢が近づきつつあることを指摘しなければならない。

米・中のアジアの軍事実践体制の整備進む!


米韓両国は今月8日、北朝鮮の書く・ミサイルの脅威に対し米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を発表した。このミサイルはシステムはレーダーの有効範囲が長く中国の北部沿岸部をカバーする。

中国政府はこの米韓両国の決定に「強烈な不満と断固ことした反対を表明する」と非難した。また北朝鮮はTHAADの配備の位置が確定したその時刻から物理的対抗措置を取ると警告した。北朝鮮がミサイル開発と核開発を急いでいるのも迫る戦争に備えるためである。

韓国へのTHAADの配備は北朝鮮だけでなく中国にとっても戦略的安全性への脅威となるものである。中国が核抑止力を保持しようと核原潜の活動海域としての南シナ海の軍事基地での囲い込みを急いでいるのは、北東アジアへの高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備と関連しているのである。

米軍がソウル北方に駐屯する第2歩兵師団を、ソウル南方の平沢への移動が行われた。合わせて在韓米軍司令部も平沢へ移動した。これは国境に近いソウルの防衛が困難であるばかりか、北朝鮮軍のロケット砲等の第一撃に耐えられない事を考慮した実践的対策そのものである。

中国が南シナ海の軍事基地化への国際仲栽裁判所の決定に反発しているのもこうした戦略的後退がある故であり、中国は核抑止力を保持する上で南シナ海の内海化は軍事戦略からゆずれないのである。中国の戦略は韓国・日本の占領を踏まえた西太平洋の支配とインド洋の支配を戦略的目的としている。つまりアメリカとの世界の覇権の分有が当面の戦略目標なのである。

東シナ海等での我が国の領海侵犯など中国軍の挑発が激化していることは、決して偶然ではない。アメリカが大統領選の政治空白にあり、また当面は内政重視を続けるので、中国は今がアジアの覇権を握る好機と判断している。

日本が早急に手を打つべきは対ロシア外交を改善することであり、対空・対艦ミサイルや弾薬の備蓄を進めるとともに、戦闘機・潜水艦の増強を急ぐ事である。合わせて「憲法9条は日本の宝」という観念的平和主義の「亡国路線」を一日も早く克服し、日本の国土の自力防衛の体制を急がねばならない。

一部トルコ軍のクーデターの失敗・背景と深刻度!

7月16日トルコのエルドアン政権に反対する軍の一部によるクーデターが発生した。エルドアン政権はこれまで世俗的なイスラム国のトルコのイスエラム化を進め軍に反感があったと見られている。報道ではクーデター派は米軍基地の兵士たちでアメリカが関与したとの説が流れている。

このク―デターにより反乱軍と正規軍の間で戦闘が起き194人が死亡したと報じられている。トルコ政府は軍人など6千人を逮捕したほか裁判官多数も逮捕したという。トルコ政府はエルドアン大統領と対立する在米のイスラム教指導者ギュレン師に関係があるとしてアメリカ政府に国外追放するよう求めた。

トルコはISを空爆するアメリカに基地を提供しているため、ISのテロの標的となっているだけでなくクルド人独立国家を目指すPKKと対立している。エルドアン政権はシリア政府軍を支援するロシア軍機をミサイルで撃墜し、ロシアと鋭い対立関係にあった。アジアとヨーロッパの中間に有るトルコにはシリア難民が多数流れ込んでおりISも浸透している。

つまりシリアとイラクの宗派対立の激化の中でトルコは矛盾の集中点であり、エルドアン政権は独裁色を強めながらもテロを封じ込められず、イスラム化の中で政権を維持している。ゆえに今回のクーデターはエルドアン政権の自作自演説もある。今回のクーデター騒ぎでエルドアン政権は反対派を強権で弾圧する絶好の口実を得たのである。

アメリカ関与説はギュレン派の策動説と同じで信ぴょう性は薄い。普通クーデターは最高指導者を狙うが、今回はエルドアンが首都を留守にしたときに行っている点、さらにはクーデターは軍人の数が少ないなどエルドアン政権の反対派潰しの自作自演説の可能性が強いのである。

トルコ軍はイスラム原理主義ISやクルド人武装勢力PKKと対立し、さらにはシリア難民の受け入れで治安が悪化しており、エルドアンは反対派潰しの口実を必要としていたのであるから、自作自演説は当たらずも遠からずと言える。

重要なことは世界が内戦・テロ・動乱の拡大でますます不安定化し、先進諸国にイギリスのEU離脱のような、グローバル化の反転の動きが強まり、世界はますます不安定化し、貿易の縮小、世界的経済危機が拡大する事である。そうした意味で今回のトルコのクーデター騒ぎの重要性は、世界経済にとって非常に深刻な動きなのである。深刻なのは、世界の動乱が、警察官役のアメリカが大統領選で政治空白のまま、軍事的決着の時代が来て、世界がより流動化かしていることである。

次期アメリカ大統領はトランプの可能性高まる!

今回のアメリカ大統領選は、クリントン(民主)とトランプ(共和)の支持率の差が無くなってきた。しかも現状維持派のクリントンに対し、トランプは変化を体現する候補と大衆に見られている。ワシントン・ポストによればクリントン・トランプ両候補とも57%の有権者が「好感を持てない」と答えている。また双方45%程度の人が「極めて好ましくない」と答えている。つまり両候補とも人気がないのが特徴である。

アメリカの白人男性はクリントンのような頭の良い女性が嫌いで、黒人大統領は認めても女性の大統領は認めない、という人が多いのである。しかもクリントンは国務長官時代私用メールアドレスを使っていた問題が弱点として残る。また中国から多額の寄付金を得ていたことが弱点でもある。

さらに言えばイギリスのEU離脱のように、世界の流れはグローバリズムの反転とも言うべき大衆の動きが起きている。その根っこには拡散するテロ・移民の受け入れ・拡大する格差社会があり、現状維持への根強い反発を人民大衆が持っていることだ。トランプはメキシコとの国境に壁を作るとして、こうした世界の流れを味方にしている。現状維持派のクリントンの不利は大きいのである。

しかも軽視できないのは、世界のグローバルリズムの反転現象を政治的に代表しているのが右翼政党だ、という点である。トランプ候補は右翼ではないが「アメリカ第一主義」と表現される「孤立主義」であり、アメリカは覇権国で有ることを止めるとともに「強いアメリカの復活」を掲げている。右翼ではないが掲げる政策は極めて右翼的なので有る。クリントンもTPPの再交渉を掲げており、アメリカのグローバルリズムからの反転は避けられそうもないのである。

トランプは「自国通貨を下落させ、アメリカから輸入品を排除することで、アメリカから略奪している」と日本のアベノミクスの政策を批判している。クリントン候補は中国との関係が強く、日本にとってどちらが大統領になっても厳しいが、現状ではトランプが大統領になる可能性が高く、その場合の日本の選択はアメリカから自立し、対等の日米同盟を選択するほかない。

社会帝国主義に転化した中国拡張主義の軍事的冒険主義の侵攻を正面から受ける立場にある日本は、トランプ大統領を予想して、対米自立の方向での防衛戦への軍事的備えを急がなくてはいけない。

天皇陛下の「生前退位」の御意向を尊重すべきだ!


天皇陛下が82歳となり、体力が衰えたことで公務を削減するよりも「生前退位」して若い天皇に公務を果たしてもらうことを希望されていることが報道されている。

これに対し安倍首相と官房長官はコメントを避け、石原慎太郎元東京都知事は「もうちょっと頑張っていて頂きたい。」陛下が生前に退位された場合は「憲法問題になってくる。予測はつかないが、日本の社会に大きな混乱が起きる」と反対の意思を示している。おそらく安倍政権もこうした石原の意見と同じなのであろう。

重要なことは、日本の歴代天皇の内、約半数が生前に皇位を譲っていることだ。日本の長い歴史を見れば天皇の「生前退位」は珍しいことではない。なにも絶対主義天皇制の明治の短い習慣にとらわれる必要はない。現在の天皇は象徴天皇であり、明治の規定にこだわる必要はない。皇室典範を改正しなければならないなら陛下の御意向を尊重して早急に改正すればよい。

この機会に男子の後継がいない場合の、女性天皇もキチンと定めた方がいい。男女平等に定める方がいい。過去の歴史で女性天皇もいたのだから、当然歴史ある天皇制として成文化した方がいい。右翼政治家は必要もないのに明治の短い間の「絶対主義天皇制」の時の皇室典範にこだわる。これは長い日本の歴史を軽んずる行為であり間違いだ。

宮内庁もおかしい「宮内庁として一切検討していない。天皇陛下の御意向と、実現できるかは別の話だ」というのは理解出来ない。宮内庁であるからには真っ先に陛下の御意向を尊重すべきではないのか?ましてや年間300件近い公務を82歳の天皇陛下に石原のように「ガンバっていただきたい」などというべきではない。

皇室典範を現代の民主的時代に合わせて改正すれば済むことではないか。天皇陛下の御希望は尊重されるべきである。日本を亡国に導いた明治の時代の皇室の習慣は無視すべきである。「生前退位」こそ長い日本の歴史的伝統と言えるのであるから陛下の御意向を尊重すべきである。

南シナ海を軍事的に囲い込む中国の戦略的狙い!

オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、南シナ海を囲い込む中国の9段線を否定したことで中国政府の怒りが高まっている。
国際法に基づく初の裁定であるが、中国政府は当初から裁定に従わないことを明らかにし、仲裁裁判所には「管轄権が無く、審理を決定すべきではない」(中国外交部)とし、裁定の前日まで南シナ海のパラセル海域で大規模な海軍の統合演習を強行した。中国政府の幹部が「裁定はただの紙くずだ」(戴乗国=たいへいこく前国務委員)とワシントンで語ったように、中国は裁判で権利でもあり義務でもある弁明を始めから放棄し、軍事力で南シナ海を維持する強硬姿勢を示している。

南シナ海を囲い込む中国政府の言い分が国際法から見て認められるわけがなく、無理筋であることは当の中国政府も分かっている。しかし中国の戦略から見て、その無理筋を強行する以外に中国の核戦略を成り立たせることは出来ないのである。

中国の地上配備の核ミサイルは、アメリカの第一撃で壊滅することは避けられず。中国は核搭載のミサイル原潜の安全な活動海域として、南シナ海の「内海化」を図らねばならないのである。中国には潜水艦の基地として最適な基地が海南島以外にはない。他の港は浅い海域しか無く潜水艦基地には適さない。

核搭載のミサイル原潜の安全な海域を確保することは中国覇権主義の核抑止力にとって譲ることの出来ない戦略問題なのである。であるから南シナ海の岩礁を埋め立て多数の軍事基地を建設し、核抑止力を保証する上で国際法にかまってはいられないのである。

つまり、地政学的に中国は日本列島に太平洋への出口を押さえられ、太平洋・インド洋への出口に当たる南シナ海の出撃基地化が中国覇権主義の戦略のかなめなのである。中国中央テレビが12日に中栽栽の仲裁人(判事にあたる)を任命した国際海洋法裁判所の柳井俊二所長(当時)を「日本の右翼」として、その柳井が座長として安倍首相に集団的自衛権の行使を容認するよう提言した事を挙げて今回の裁定の黒幕として、日本に自国国民の怒りを向けようとしている。

つまり南シナ海の中国覇権主義による軍事的囲い込みは、中国軍の世界支配戦略の野望が抑えがたいほど膨れ上がっていることの反映であり、その国内的背景には中国走資派指導部の8月の北載河の会議が、習近平の独裁的指導権が確立するか?それとも敗北するか?の分水嶺となる。中国政府の南シナ海における外交面・軍事面での強硬姿勢は、内的矛盾を勝利的に解決するためには願ってもない機会なのである。

既に社会帝国主義に転化した中国は、アメリカが内向きに戦略転換しているのを好機として、世界の分割支配にのりだしており、当面は西太平洋とインド洋を自分たちの管轄海域とする事が戦略目標なのである。この中国覇権主義の最初の軍事的侵攻の矛先が日本であることも、日本政府間係者はキチンと認識しておかねばならない。

豪潜水艦を製造できないフランスの偽装受注が明らかに!

月刊誌「選択」7月号の情報カプセルによれば、オーストラリアの次期潜水艦受注競争で日本とドイツを破り受注したフランスが、ディーゼル発電機やリチウム電池で日本側に協力の打診を始めているという。日本政府関係者の情報で、フランスには4000トンクラスの潜水艦は原潜しか無く、エンジンを製造する技術がない。リチウム電池は日本が製造技術で世界の先端で、フランスには高性能なリチウム電池は製造できない。

これではインドネシアやアメリカなどでの中国の高速鉄道の受注競争と同じで、技術の無い国が製造できないのに受注して、後で困り契約が破綻するのに似ている。フランスは困り、日本に泣きついて技術協力を申入れたが、日本はその気が全くない。オーストラリア海軍は現在のコリンズ級潜水艦と同じで、またも役立たずの潜水艦を運用する羽目になりそうだ。

元々一般的なレベルの造船技術さえ無いオーストラリアが、最先端の潜水艦製造技術をものにしようという話がウマすぎた。日本の潜水艦は優秀すぎてオーストラリアで製造は出来ない、そこでフランスの技術に頼ったが、フランスにもディーゼルエンジンと高性能蓄電池の製造技術がない。オーストラリア政府がそこまで読んで、最終的にフランスの原潜を手に入れようと考えていたなら、大したものだが、実際にはオーストラリア政府は、自国での潜水艦製造で雇用を創出する国内的狙いしか無かったようだ。

結局フランスも中国の高速鉄道受注と同じで、日本の受注を妨害する狙いしか無かったとしか言いようがない。結果的に日本の高度なステルス潜水艦の技術が中国に流出しなかって良かったのだが、しかし中国覇権主義を南シナ海と東シナ海で封じ込めるには、海上自衛隊の増強が不可欠となった。

中国社会帝国主義は本気で日本占領を企んでおり、西太平洋とインド洋の管轄権を手中にしようと本気で野望を燃やしている。日本はアメリカが内向きで有る中では、単独で中国拡張主義の軍事的侵攻に対処しなければならない。少なくとも3カ月闘うだけの対空・対艦ミサイルや魚雷を備蓄して置いた方がいい。十分なミサイルや魚雷の備蓄が有れば、多数の巡視船にソナーやレーダーを装備して海軍力を素早く増強できる。

安倍政権の集団的自衛権で他国のあてにならない協力を期待する他力本願の防衛策は亡国路線としか言いようがない。日本は武器輸出ではなく自国の防衛力をこそ強化すべきなのである。

参院選の自民勝利と中国の軍事的意図!

参院選の投票前に中国公船や艦船が東シナ海等で日本の領海や接続水域を侵犯し、また中国空軍機が自衛隊機に戦闘動作を見せ軍事挑発をしたのには政治的意図がある。中国社会帝国主義はいまや地球上最悪の拡張主義であり、内的矛盾を外的矛盾に転化するためにしきりにアジア諸国に戦争挑発をしているのである。

中国拡張主義は西太平洋とインド洋を自己の管轄海域に収めるため、対日報復戦争をその拡張主義戦略に位置づけている。対日戦のためにはアメリカが内向きである間がチャンスであり、開戦には日本の安倍右翼政権が都合がいいのである。その為に彼らは安倍に選挙を勝たせるため、しきりに日本領海と接続水域を侵犯して安倍の安全保障戦略に「塩を」送ったのである。同時に日本に強いスタンスを取ることで習近平政権が江沢民派との政争を有利に展開することでもあった。

安倍政権は集団的自衛権の憲法解釈を変更し、アメリカに依存する安全保障路線を明らかにしている。しかし中国はアメリカが当分の間内向きで、対外的武力介入は出来ないことを知っており、したがってアジアにおける覇権を確立するチャンスと読んでいる。

安倍政権がアメリカ頼りの安全保障戦略を持っているのに対し、野党各党は安全保障政策で一致できず。その多くが「憲法9条は日本の宝」という観念的平和主義であるので、参院選の自民勝利は始めから明らかであった。野党が最も重要な安保戦略で対案を提起できないのに1人区だけ候補を統一しても、自公の団結の方が力があるのは分かりきったことであった。

アベノミクスの経済政策は今回の「英EU離脱ショック」で既に失敗が明らかとなっているが、安倍は参院選前に消費税増税を先送りして選挙の勝利を確かなものとした。中国拡張主義の軍事的挑発は日本の改憲勢力の改憲議席3分の2獲得を可能にしたので有る。

憲法改正に向けた安倍政権の動きは、中国拡張主義にとって日本に対する軍事挑発と戦争行動を正当化できると考えている。日本は早急に単独での日本防衛の軍事的備えを行わねばならず。アメリカが当分の間内向きとならざるを得ない事を念頭に軍事的増強を進めねばならない。重要なことは安倍政権が頼りにならないアメリカからの自立を明確にして改憲政策を具体化し打ち出すことであろう。対米従属では、アメリカが内向きでは、日本のアメリカ依存の防衛戦略は成り立たないのである。

グローバル化の逆転現象が世界の戦略関係を変える!

 冷戦が終わりアメリカの一極支配となったが、奢りから生まれたイラク戦争とアフガニスタン侵略で、アメリカは深刻な財政危機となった。ユーロ圏が誕生しアメリカのドル支配は後退し、ドル発行益も縮小した。アメリカの「息継ぎの和平」は一時的と見られたが、オバマの後の米大統領はクリントンもトランプも内向きで、アメリカの非介入主義は長引くことになった。世界は多極化の時代に突入したのである。

イギリスのEU離脱は、欧州統合と東への拡大にブレーキをかけ、EU内の離脱派が台頭することになった。これに伴いNATOの拡大もブレーキがかかることになった。ウクライナのNATO加盟の動きは、ロシアを地政学に目覚めさせ、ソ連時代からの軍事拠点であったクリミア半島のロシアへの併合は、もはやNATOの拡大がロシアとの軍事衝突なしには不可能な段階に至った。またEUの解体的動きの中でNATOの役割も縮小せざるを得ない。

もはや世界の警察官としての米軍は長い内むきの時代に入って、海外基地の維持すら難しくなりつつある。グローバル化がもたらした格差の拡大への人民の反発がアメリカの海外における戦争を難しくした。アメリカの駐留米軍の受け入れ国(ドイツやイタリアや日本韓国など)の全額費用負担が、既存の軍事同盟の解体を促さずにはおかない。

新しく中国・ロシア・イランの同盟が力を持つようになるかもしれない。とりわけ中国社会帝国主義の拡張主義が、アメリカ・日本・ベトナム・フィリピン・インドの同盟化を促す可能性がある。多極世界は戦略関係の流動化を促し、個々の主要国は軍拡の時代を迎えたと言える。

現在闘われている参院選で相変わらず野党の「憲法9条は日本の宝」という観念的平和主義が、現実的な安保論争を不可能にしている。日本は内向きのアメリカに従属を続けるのか、それとも対米自立するのか、今選択の時が来ている。もはや古い戦略観点では日本を守ることは出来ない。内向きのアメリカに全面依存する集団的自衛権の安倍政権の安保論も既に破綻していることを指摘しなければならない。

パク・クネ大統領の「ロッテ潰し」の狙い!

現在、韓国企業は約4割が倒産しかねない未憎有の危機にある。しかし中国にすり寄り失敗したパククネには有効な韓国経済立て直し策はない。それよりもパク・クネにとって重要なのは来年の大統領選である。この勝利のためには陰謀もあり、国策捜査もありが韓国政界の常套手段なのである。

6月10日ロッテグループの本社や系列会社7社、関係先17か所がソウル地検により捜索された。韓国ではロッテ企業は日本企業として国民の憎しみの対象になる。韓国10大財閥の中で資産規模で5位のロッテはどの政権にも親しい関係を保ってきたという。だからカネの流れをつかめば与党の最大の敵である野党を潰す材料が見つかると言われている。

つまりパク・クネ政権は「ロッテ潰し」で国民の支持を得るだけでなく、来年の大統領選で与党が有利になるよう野党たたきのネタを探すための国策捜査だと言われている。企業経営であれ、政党政治であれ、全てを決めるのが韓国では陰謀なのである。陰謀である以上野党叩きの材料が必ず見つかるし、無ければ捏造するであろう。それはかっての産経新聞前支局長をめぐる大統領の報道に対する報復の刑事裁判を見れば明らかだ。

パク・クネ大統領の与党セヌリ党は4月の総選挙で大敗しており、「親朴系」と「非朴系」の対立で政権の衰退は隠しようもない状態なのである。月刊誌「選択」7月号によれば、今年6月韓国中央選挙管理委員会は第3党の「国民の党」5人の国会議員を政治資金規正法違反の疑いで検察に告発している。パク・クネの「ロッテ潰し」はこうした動きと一連のものであり、来年の大統領選に向けた陰謀と見ることができる。

韓国経済はなぜ中小企業が育たないのか?韓国では、日本のように下請けの中小企業を育成する気はなく、陰謀的手段で次々新事業を財閥が奪いつくすからなのである。政治も陰謀、経済活動も陰謀では、公平な企業競争はありえず、造船大手企業が粉飾決算を堂々と行うような体質があり、政治が企業に国策捜査を公然と行うようでは、韓国は先進国にはなりえない。

韓国では、引退した大統領が政権の陰謀で逮捕されることが当たり前なので、パク・クネは次期政権を自分の支配下の与党から大統領を出す以外に保身の道はないのである。合わせて「日本企業」と国民が見ているロッテを、国策捜査し攻撃すれば、下降気味の支持率も回復する。

ロッテは在日韓国人の重光氏が創業し、日本で儲けた利益を韓国に投資して母国の発展に奉仕したのに、、母国からはこのような裏切り的扱いとなる。韓国政治の愚劣さは、「20万人の性奴隷」なるでっち上げの例を指摘するまでもなく、その汚さは呆れるほどである。国家が経済危機に有るのに、大統領が保身に狂奔するのが韓国なのだ。パク・クネの次期政権下での保身が成功するか注目される。

多極化の中での日本の戦略再構築が必要だ!

アメリカの大統領選を見ていると、民主党のクリントンは中国から多額の献金を得ていること、オバマ路線の継承を表明していることから内向き、非介入路線は明らかだ。また共和党のトランプは日本に米軍への駐留費用の全額の負担を求めている。彼は「アメリカ第1主義」であり、アジアからの米軍の引き上げを信条としており、クリントン以上の内向きである。

唯一の覇権国のアメリカの内向きが継続することが明らかであるので、世界の既存の秩序が至るところで崩壊に向かうのは避けられない。イギリスの欧州離脱でEU内にイギリスと同じ反移民の右翼運動が高揚しかねない。欧州の統合が逆方向に進み出し、NATOの結束力も怪しくなってきた。

世界秩序を軍事力で守る国家がアメリカの内向きで不在となり、世界は多極化の時代を迎えた。中国・ロシア・イラン・インドなどの地域覇権国が台頭する時代を迎えた。特にアジアは中国覇権主義の軍拡が激しい中、アジア諸国は中国への従属を選ぶか?それとも中国の覇権と闘う道を選ぶか選択を迫られている。

アメリカの内向きが明らかとなって、日本の防衛をアメリカに頼ることがいかに危険かを指摘しなければならない。これまでアメリカに依存して国防を果たしてきた欧州・イスラエル・日本・韓国は国防戦略の再構築が必要となっている。今のところ中国覇権主義だけがアメリカに代わる世界覇権戦略を具体的に追求している。

中国が「反日」「坑日」を明確にして、あたかも日本が軍国主義であるかの宣伝をしているのは、自国の社会帝国主義の軍事的野心を隠す為であり、彼らは日本占領で日本の経済力と技術力を手に入れることで「中国の夢」(=中華思想)である世界支配戦略を可能にしようとしている。

日本が中国覇権主義の毒牙を逃れるにはロシア・台湾・ベトナム・フィリピン・インドを引き寄せ中国を孤立させて外への冒険主義に出られないようにしなければならない。合わせて日本は自立し、小さくともバランスの取れた軍事力を備え、自分の力で日本を防衛できるようにしなければならない。
アメリカの次期大統領に、クリントンがなろうがトランプがなろうが、日本はもはやアメリカを頼りに防衛戦略を立てられない時代だと認識することが重要な事である。世界が軍事力による国境線の変更の時代に入っていることはユーゴスラビアの解体や、クリミア半島の併合を見れば明らかである。
世界は覇権国のアメリカの相対的衰退で、主要国の多極化の時代に突入している。日本はアメリカとの支配従属同盟を脱し、自立する時が来ている。日本の防衛力が強化されるまでは一時アメリカとの対等の同盟が可能かは、その時の自立政権の政治判断となるであろう。

中国海軍の暴走がアジアを世界最大の武器市場に!

中国海軍が習近平の「中国の夢」とする覇権戦略を遂行するには、戦略目標として西太平洋とインド洋の「管轄権」を握らねばならない。官僚独裁の中国社会帝国主義は現在地球上でもっとも侵略的な覇権主義となっている。

西太平洋の軍事的支配権を確立するには地政学的に日本列島からフィりピン、インドネシアに囲まれた東シナ海・南シナ海の内海化が不可欠だ。特に中国海軍の中心となる潜水艦の有望な基地が中国にはない。日本のように横須賀や呉のような潜水艦に最適な基地は中国にはない。わずかに海南島の潜水艦基地が戦略的に重要性を持つ。

海南島を基地とするミサイル原潜が南シナ海を安全な活動海域として確保することが、西太平洋とインド洋の「管轄権」確保の出撃基地を確保する上で戦略課題となる。南シナ海の「九段線」内の暗礁を埋め立て軍事基地を建設するのは、中国海軍の戦略目標を達成するために必要なことなのである。

中国は、地政学的に封じ込められやすい地形であるため、第一地列島線の外に基地を確保することに躍起となっている。ミヤンマーやスリランカやパキスタン、最近ではオーストラリアに基地を確保した。つまり海上自衛隊が第一列島線で封じ込めるために敷設した潜水艦監視網の外に、開戦時に戦力を出して置き当面の標的としての日本の海上封鎖を狙い、継戦能力を確保することを目指している。中国が南太平洋諸国に援助をばら撒いているのも将来の基地確保が狙いなのである。

中国がアジアで砲艦外交を展開しているのは、アメリカが介入戦争をする気がない中でアジア諸国を従属化する事に狙いがある。韓国のように中国とアメリカの狭間で揺れ動く日和見国が増え、タイのように中国から潜水艦を購入する国にまで生まれた。

中国の超音速ミサイル「東風」の命中精度がどのようなものか不明だが、最近のロシア製の潜水艦の清音化、アメリカ製を改善した魚雷やミサイルの配備で、アメリカの戦略的優位は崩されつつある。日本が与那国島等に対艦ミサイル部隊を配備したが、中国は南シナ海から太平洋とインド洋に出ることをもくろんでいる。しかも中国海軍は二隻の大型空母を建造中である。

今アジア諸国は中国の脅威の前に大軍拡にのりだしている。アメリカが南シナ海での中国軍の基地建設に「航行の自由作戦」のみであるのは、武器市場化に期待しているからである。

米国製のミサイルと魚雷を装備した手強い中国海軍!

月刊誌「選択」の7月号情報カプセルによると,中国海軍はアメリカ製の魚雷「MK(マーク)46」を改造して使用しているという。MK46魚雷はアメリカ国防省が1984年のレーガン政権時に旧ソ連に対抗する目的で中国に供与し、89~93年のブッシュ政権まで中国に輸出されたという。

クリントン政権が魚雷の供与を停止するまで、アメリカ製の魚雷射程10キロの「MK(マーク)46」の輸出が続き、中国海軍はこの魚雷を改造しつつ現在でも駆逐艦に搭載していることが確認されているという。このほか韓国政府を通じてパトリオットミサイルが中国に流れており、中国海軍のイージス艦にこの対空ミサイルのコピーが搭載されていると見られる。このほか中国軍はインターネットの不正アクセスでアメリカ軍の技術をパクリ続けており、対艦ミサイルも高度化していると見るべきで、現在の中国の軍事的な近代化は格段に進んでいるのである。

オーストラリアの次期潜水艦受注競争で日本とドイツを破ったフランスが、大型のディ―ゼル発電機や高性能蓄電池で日本側に協力を打診しているという(「選択」情報)、以前からフランスが4000トン級の通常動力型潜水艦を作れるか技術的な疑問が持たれていたが、今回日本に技術支援で泣きついてきたことで、(日本は支援しないので)オーストラリアの潜水艦増強計画はまたも失敗することが明確化している。

そうすると拡張主義の中国軍を第一列島線に封じ込めるには、海上自衛隊が沖縄からフィりピンのラインを封鎖するだけでは足りず。南シナ海を封じ込めるのにはオーストラリアの潜水艦戦力は期待できない状況となる。中国海軍がアメリカ製のミサイルと魚雷で対抗して来るとなると、巷に流れているように自衛隊だけで1週間で中国海軍をせん滅することなど不可能であり、自衛隊が消耗戦を回避するには潜水艦戦力の増強が必要となる。潜水艦母艦も必要となる。

アメリカが内向きの非介入戦略に転換し、トランプのような「アメリカ第一主義」の声が出ている中では、中国海軍との衝突を回避する可能性が強く、安倍政権のアメリカとの同盟に依存する安全保障は成り立たない可能性が強いのである。アメリカ製のミサイル技術と魚雷を装備した中国海軍を舐めてはいけないのである。中国軍は本気で覇権戦略を進めており、日本は軍事バランスを保つため本気で潜水艦戦力と対艦ミサイルや対空ミサイルなどの増強・備蓄を進めるべきである。

イギリス国民の中に広がる後悔?!

EU離脱を決めた国民投票で、離脱に投票した人の間に後悔が広がっているらしい。グローバル化で格差社会となり、移民が増加して自分たちの仕事を奪われ、賃金が上がらなくなり、EU離脱に投票したことが、イギリス経済が欧州の市場を失い、外国企業が生産拠点を欧州に移すことが避けられず。多くの雇用が失われることになる。イギリスが冬の時代になることは避けられなくなって、自分の投票を後悔している人が多いらしい。

日本では今参院選挙の真っ最中だ。この期間だけは政治家が国民に頭を下げ、お願いする。それだけではない、政治の腐敗で不祥事が露見するとマスコミが「投票した国民が悪い」と声を高める。ブルジョア選挙とは政治の責任を投票した人のせいにすることができる点に支配階級にとっての選挙の利点がある。

国民投票という形で重要な政治的決断を、国民に決定をゆだねることは、間違った結果を招くことも避けられない。しかしグローバル化の恩恵にあずかれなかった人達にとっては、市場経済化はマイナスばかりだった。だから私は離脱に投票したが後悔はしていない。という人も多いのである。

イギリスのEU離脱と、アメリカにおけるトランプ現象は、言わばグローバル化の逆転現象であるので、選挙で逆転派が勝利するのはグローバル化における強欲の資本主義が、ごく一部の人しか経済的恩恵を与えなかった点に問題の本質がある。つまりグロバルりズムは一人握りの金融資本と大金持ちにしか経済的利益を及ぼせなかった点に、問題の本質がある。

格差の是正と富の再分配、労働者への賃上げが社会政策として行われていれば、イギリスの国民の後悔は無かったであろう。まさに「後悔先に立たず」の諺を思い起こすのである。民主主義は一握りの人が私的利益をむさぼることであったのでは人民が反発し、怒り、政治の逆転を招くということだ。政治とは思いやりであり、社会的弱者に救いの手を差し伸べることを忘れてはいけない、ということをイギリスの国民投票は教えている。

参院選挙で、社会的弱者に救いの手を差し伸べ、国民経済の恩恵を受けられない人を出さないような政治家を是非選んでもらいたい。政治資金を自分の欲望を満たすことに消費する政治家は間違っても選ばないようにしたい。
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