日本の戦略外交を見直す時が来た!

アメリカの経済的疲弊は内向きの大統領候補ばかりの争いとなった。しかも人民の格差社会批判を反映して非主流候補が人民の支持を得る状況にある。有力な大統領候補達はヒラリーにしてもトランプにしても日本を搾取する対象としてしか見ていない。つまりオバマ政権が終わってもアメリカの内向きは続くということだ。

特にアジアにおいては中国と北朝鮮が軍事力をやりたいように拡大し、核兵器を持たない日本と韓国を核恫喝している。中国の南シナ海の軍事拠点化は東南アジア各国の従属国家化を進める戦略的布石である。アジアの覇権をめぐって中国がアメリカにとって代わり主導権を握るのは確実となった。

特に中国覇権主義は正式空母を4隻の建造を進めており、これが就役する時にアジアの軍事的主導権は中国の手に移行することになる。オバマの非介入主義は最悪でウクライナにクーデターで介入し、ロシアの大国主義を目覚めさせ、対ロシア制裁で中国の側に追いやった政策は歴史的に見るとヒトラーの西への拡張を容認したチェンバレン英首相(当時)の役回りを演じている。

日本は経済危機で凶暴化した中国覇権主義とアメリカの当てにならない非介入主義の下で独力で対決しなければならなくなり、しかも対ロ・対中の2正面では亡国の危機を迎えることになる。こうした日本の戦略的劣勢を回復する外交が今必要な時である。

幸いと言えば語弊があるがロシアは原油価格が暴落して、欧米の経済制裁もあって経済危機の最中にある。今ならプーチンもシベリア開発の資金と技術と引き換えに北方領土も「引き分け」で解決できる。ロシアとの間で経済的相互依存関係を強めれば、日本は資源を得られるだけでなく、支払い能力のある工業市場を獲得できる。何よりも中国を孤立化できる。

アメリカとの同盟を維持するかどうかは相手があることであるが、対等の同盟関係を保つには日本が軍事力を強化してトランプが要求しているように相互に守り合える力を保持しなければならない。しかし日本は専守防衛を守るのでこれは不可能だ。アメリカを当てにしないでも単独で自国を守るために日本の核装備は避けられない。北東アジアで中国・北朝鮮・ロシアが核保有国であり、日本と韓国だけ非核というのは国防上有り得ない。それでも非核を言う人間は3回目の被爆都市を生む無責任な主張をしているのである。つまり核を持たない相手には核を使用できるということだ。

アジアにおける戦略関係の激変の中で、日本は戦略外交の転換を迫られているのである。つまり対米自立が不可欠な事態なのである。安倍首相は対ロシア外交を大胆に転換せよ!
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中国拡張主義の沖縄帰属問題の世論形成の狙い!

中国共産の中央機関紙「人民日報」が日本の沖縄県について「中国の明と清の時代には中国の属国だった」とする論文を掲載した。「沖縄帰属問題議論を」と題した同論文は第2次世界大戦での日本の敗戦時に「琉球の帰属について議論するべき時だった」と主張し、未解決のままの琉球問題も「再度協議する時が来た」と主張している。

また中国外交部参加の外交専門誌「世界知識」は「日本の合法的主権は沖縄には及ばない」と主張する論文を掲載した。この論文は「中国と500年以上の宗藩間係(=宗主国との支配従属関係)を維持してきた太平洋の島国が日本の武力によって併合された」とした上で「日本の琉球国併合は国際法に合致しておらず、琉球の人民・政府や宗主国・清朝政府の同意、国際社会の認可を得ていなかった」と指摘している。

また人民解放軍の張海軍少将は、中国中央テレビでの番組で「魚釣島は言うに及ばず琉球も中国に属している。琉球の独立支持、または中国の省として施政下に直接置く闘いをいま、各方面から起こすべきだ」と語っている。

これらの主張は家康の時代(徳川幕府の初期)に薩摩藩が武力で琉球を支配下に置いたことが合法的ではない、という主張である。中国に歴史的に朝貢していた国は全て自国のものだというもので、とても国際的に通る主張ではない。日本の敗戦時にそもそも中華人民共和国は存在していなかったのであるから議論も協議もできなかった。

それではなぜ中国政府は琉球の帰属問題をキャンペーンし始めたのか、戦略面から見ると北方領土から南西諸島の日本列島は、中国の主張する西太平洋の管轄権を軍事的に掌握する上で軍事的・地政学的な障害となるのである。そのようなとき沖縄県知事に中国と関係の深い翁長知事が生まれ、辺野古米軍基地建設に反対し始め、沖縄独立運動が起こり始めたことが影響している。沖縄の人々に琉球は中国の属国だったことを思い起こさせれば沖縄独立運動を活発化させることができ、将来中国が占領することも可能となる、との幻想を抱き始めたのである。

徳川幕府の時代から400年以上日本が実行支配してきた沖縄を、愚かにも中国は沖縄の人々の米軍基地反対運動を見て、自分たちが占領できるのではないかと幻想を抱き始めたのである。中華思想にもとづく中国拡張主義の愚か極まる幻想なのである。ただ油断すべきでないのは中国社会帝国主義の凶暴性、侵略性を軽く見てはいけない。中国走資派指導部はGDPで世界第2位になったことで自信過剰になり、アジアの支配者になったかの幻想に取りつかれている。

中国は、自国経済が破綻直前で、人民の動乱が続発し、内政面で脆弱性を抱えており、この内的矛盾を外的矛盾に転化することで危機を乗り切ろうと、平和憲法で観念的平和主義がのさばる日本に「隙あり」と野心を燃やしているのである。特にアメリカ大統領が「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と語っているいまがチャンスと見ている。

日本は対米自立し、自力で領土を守れるよう軍事的備えを強化しなければならない。

北の核開発がアジアの戦略関係を激変させた!

韓国のパク・クネ大統領は昨年9月、中国の「抗日戦勝70年軍事パレード」に日本とアメリカの反対を押し切り出席し、中国と韓国の蜜月ぶりを演出した。中国政府は韓国を歴史問題で「反日統一戦線」に取り込み、米日韓軍事同盟は瓦解寸前となった。ところが北朝鮮の核実験と長距離ミサイル実験が、アジアの戦略関係を突き崩すこととなった。

パク・クネ韓国大統領は中国との経済関係と歴史認識での反日共闘で、中国に北朝鮮への圧力を加えさせて「南北統一」を夢見たのである。ところが北朝鮮が独立国であり、中国が北朝鮮に政治的影響力を持たないことが証明され、しかも北朝鮮の核開発とミサイル開発の資金が、自国の「太陽政策」から提供されていたことを知り、手のひらを返すように中国への「微笑み政策」(=すり寄り政策)を転換した。

パク・クネ大統領は「開城工業団地」稼働全面中断を決定し、アメリカの計画するTHAAD配備の協議を開始した。これに対し中国政府は韓国にTHAAD配備について「中国の安全保障に大きな影響を及ぼす」(中国の駐韓国大使)と反対した上で「中韓関係を今のように発展させるのに多大な努力が必要だった。こうした努力は1つの問題のために一瞬のうちに破壊されうる。簡単には回復しない」とパク・クネ大統領を脅迫した。

一方アメリカと中国は国連の安全保障理事会の追加制裁協議として、北朝鮮空軍向け航空燃料の輸出制限等を盛り込むことで合意した。しかし中国政府は今も北朝鮮との間で全面的に貿易を行っており、事実上軍事用か民間用かの区別は不可能なのである。

中国は韓国政府のTHAAD配備協議に対し、南シナ海の人口島への高性能デ―ダ―・対空ミサイル・戦闘機などの配備を行い、南シナ海の軍事化=侵略拠点化を推し進めた。中国軍は北朝鮮の核恫喝を機に東南アジアへの砲艦外交の布石の好機としただけでなく、自国の核抑止力として南シナ海の中国ミサイル原潜の戦略活動海域として確保したのである。

これに対するアメリカ政府の動きは緩慢で、米軍サイドの原潜の増強及びステルス艦の配備等が語られるにすぎない。つまり北朝鮮の核・ミサイル実験の強行が米日韓軍事同盟を復活させたが、戦略的には東南アジアで中国覇権主義の南シナ海の戦略拠点化が進み、アジアの軍事覇権という側面では中国が断然有利となった。中国軍はアメリカが大統領選の最中で戦略決定ができない政治空白を好機として、アジアの覇権に向け橋頭保を築いたということである。

韓国では核武装化論が台頭し、日本でもミサイル防衛に1兆数千億円を投じたことから、核装備の方がはるかに安いことが論じられている。落ち目のアメリカが日本や韓国を防衛するとは限らない状況の下で、アジアの戦略関係が急速に変化しつつあることを指摘しなければならない。アメリカの大統領候補達はいずれも内向きであることから、日本は対米自立目指し国防力を早急に増強しなければならないことは明白である。

おかしな民主・維新の新党作り!?

民主党と維新が代表間で3月中の新党結成に合意した。両党代表は維新が主張していた両党解党による新党実現を断念し、民主党が党名変更し、新党名の党に両党議員が合流することになった。

不思議なのは「新党」を作るというのに、綱領が検討される訳でも、政策のすり合わせが行われるわけでもない。ただ参院選挙前に目新しさを狙っただけのように見える。

共産党が提起している、戦争法反対での国民連合の方が筋が通っている。しかも民主党内には公約を破り消費税率を上げた菅元首相や、自民に政権を渡した野田元首相など裏切り者の戦犯がいる。菅や野田がいる政党など、「新党」であっても絶対に国民は支持しないであろう。

戦争法廃止、TPP反対や、対米自立や、平和主義堅持など政策・綱領を明確にして全野党に解党的に新党への合流を呼び掛けるようにした方がいい。それなら政権の受け皿となる。

今回の民主党と維新の「新党」作りは肝心の何を目指す政党か、どのような日本を作るのか?が明確になっていない。これでは国民には、政権の受け皿だと言っても、何を目指すのか全く分からない。

自民党の政治家のレベルの低下は、数々の発言・失言で明らかだが、野党の方も政治家の質が低下しているのではないか?と心配になる。

反動的で売国的な自公政権に対抗して、どのような政策を掲げるのかも明確でない「新党」では国民の希望や願いや支持を結集できないのではないか?しっかりしろと言いたいのである。

政府は朝鮮学校への補助金中止通達をやめよ!

日本政府が、核実験や事実上の弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮への制裁措置として、新たに朝鮮学校に補助金を支出している地方自冶体に対して、中止を求める通達を出す方向で検討に入ったことが報道されている。

朝鮮学校は、在日朝鮮人の子女が通う学校で2013年度で都道府県から計約1億7000万円、市町村から計約1億8000万円が補助金として投入されている。これを北朝鮮の核・ミサイル開発を口実にして、政府が補助金中止を通達するのは乱暴な議論である。たとえ北朝鮮政府が拉致問題を解決しょうとしなくても在日の人達に責任は無い。在日の人達が日本に住むことになった歴史的いきさつを考えると、日本政府は在日の人達をキチンと遇した方がいいし、そうする事が拉致問題の解決のためにもいいであろう。

北朝鮮は共和国の名称にも関わらず奴隷制の国家であり、その王朝の大王である最高責任者を朝鮮学校が礼賛しているからと言って、「特異な教育」だとしても北朝鮮の社会の発展段階が奴隷制国家では当然なことであり、拉致という行為も奴隷制国家の思考では当然のことなので、彼らは悪いとも思っていないのである。だから被害国として日本政府は北朝鮮に経済制裁を行っている。この制裁の矛先を在日の組織である朝鮮総連に向ける誤りを指摘しなければならない。

核・ミサイル開発も小国が独立するには不可欠で、事実日本は核を持たない為戦後70年経ってもアメリカの支配・従属の下にあるではないか?都合よく「アメリカの核の傘に入る」と言い換えても従属国には違いがない。在日の人達は拉致問題で祖国の北朝鮮がどれだけ野蛮な国にかを知り、情けない思いで生きている。こうした人達を排外主義的に扱う間違いを指摘しなければならない。

朝鮮総連内に「工作員」がいると言っても、それは公安が監視すればいいことで、子供たちの学校まで制裁の対象にするのは行き過ぎである。我々は北朝鮮の不当な拉致という誘拐罪、国連決議違反の核恫喝に反対するのは当然としても、それとは関係のない在日の朝鮮学校に制裁の矛先を向けることは日本民族を貶めることにならないかを、自民党とその政府にはよく考えてほしいと願うものである。

安倍政権のデフレ対策は間違い!

安倍政権が日銀を通じて行う金融緩和は愚劣としか言いようがない、彼らは経済を投機経済にし、インフレにしたら株価が上がり、デフレ対策になると考えているようだが間違いだ。年間80兆円も日銀が国債を買い上げ、ゼロ金利にして通貨供給量を増やしても景気が良くなるわけではない。事実ゼロ金利にしてから株価が下がり続け、円高になった。

日本経済が不況なのは実質賃金が低下し続け、消費購買力が低いため設備投資が伸びないのが原因である。だから必要なのは社会の底辺への分配の増加なのだが、安倍政権は大企業に減税や補助金ばかり振りまいている。必要なのは労働者への賃上げであり、最低賃金の引き上げなのだが、安倍政権は企業への補助金しか関心がない。

個人消費を回復させずにデフレを終わらせることは不可能だ。ところが安倍政権は労働分野の規制緩和で非正規化を促し、派遣化を促している。これでは個人消費が回復するわけがない。経済成長にはバランスが重要で、労働運動が活発で継続的に賃金が上昇することが、個人消費の継続的拡大となり、それが消費財生産分野の拡大再生産を促し、生産財生産分野の拡大を促すのである。

つまり日本は労組を家畜化し、非正規化・規制緩和で賃金が傾向的に低下するようになって経済が縮小再生産(=デフレ)になった。経済が成長するには分配のバランスが必要で、強欲の資本主義がこの分配のバランスを破壊したことがデフレ不況の原因なのである。

だから日本経済の成長を図るには、最低賃金を欧州並みの1時間1200円にし、大企業並みの賃上げを下請け、系列に配慮し、同時に残業代の割増賃金を100%にして、残業させるよりも新しく人を雇う方を安くすれば、省力化投資に火が付き、日本経済は活況局面を迎えられる。しかしブルジョア政権の悲しさで安倍政権はこの政策が取れない。ブルジョア階級の目先の利益のみ追求する誤りを指摘しなければならない。

実体経済をよくすることで株価を上げるのではなく、年金資金を株式市場に投入して株価を上げようとするから、年金資金が何十兆円も消えることになる。安倍政権の愚劣さはたとえようもない。一日も早く退陣に追い込まないと労働者の年金資金が消えていまうであろう。

混迷する世界と内向きとなるアメリカと日本の進路!

移民問題が欧州を揺さぶっている。民族排外主義が台頭し欧州は分裂の火種を抱える。ギリシャの経済破綻、イギリスが欧州から離脱するか?ユーロ圏の東方への拡大は欧州の発展を意味しなかったのである。

アメリカがウクライナのクーデターを演出したことでロシアの大国意識を目覚めさせ、プーチンは強いロシアを目指し始めた。グローバリズムは分裂の世界を導き出したのである。

産軍複合体経済のアメリカは、中東を武器市場にし、オイルマネ―を還流するため、シリア内戦化と「イスラム国の台頭」を画策しで、中東は宗派争いの坩堝となり、テロは世界中に拡散している。

世界的規模での格差拡大で、先進国のデフレ経済が深刻化している。世界の輸出基地としての中国経済はバブル崩壊とともに人民の不満が拡大し、小数民族の自決権を求める闘いも激化している。中国のこの内的脆弱性が習近平の軍権掌握となり、中国社会帝国主義の拡張主義的冒険主義を促していることを見逃してはいけない。

アメリカは非白人国化を進め、格差の拡大と共に排外主義的世論が台頭し、人民の不満がオバマの世界の警察官役放棄となり、さらなる内政重視へと促している。アメリカの大統領選は社会の不満をくみ上げた非主流派候補の台頭となり、アメリカの内政重視の方向は変わりそうもない。

アジアにおける中国覇権主義の軍事的拡張に、覇権国アメリカのオバマはまるでヒトラーの暴走を促したチェンバレンの役割を果たしている。こうして世界情勢はますます混迷し、世界的経済危機と政治危機が拡大する局面が生まれ、しかも覇権国アメリカが内向きの傾向を強めている。

日本は戦後70年の今、内向きのアメリカに追随・従属する外交でいいのだろうか?アメリカが中国の侵略から守ってくれる保証はない。世界はアメリカの一極支配から多極化の流動化した時代へと進んでいる。自公の対米従属路線も、野党の「9条は日本の宝」路線も混迷化する世界情勢の中で日本を守れる状況ではない。

今こそ日本は対米自立し、自分の国は自分の力で守ることのできるようにしなければならないことを我々は主張する。世界中が自国の事で精いっぱいの時代に、他力本願の国防政策は亡国の道であり、同様に観念的平和主義も亡国路線に他ならない。

中国が内的矛盾の外的矛盾への転嫁を始める前に、日本は自力で国防体制を作り上げるべきであると我々は考える。アメリカとの支配従属関係を断ち切るべき時が来たのである。

中国の南シナ海へのミサイル配備の戦略的狙い!

中国政府にとって北朝鮮の4度目の核実験とミサイル実験は計算違いだった。せっかく反日歴史問題で韓国を取り込み米日韓軍事同盟は崩壊寸前であったのに、韓国のパク・クネ大統領の北朝鮮への圧力に答えられず。韓国の北朝鮮への「太陽政策」を放棄させ、アメリカの高高度ミサイルサードの配備へとパク・クネを転換させた。

韓国の変心によるアメリカのミサイル防衛への参加で、中国の地上配備の核戦略抑止力は相殺され、残るは南シナ海のフィリピン西部の海域におけるミサイル原潜のみとなった。中国としてはアメリカに対する核抑止力を確保するためには南シナ海の軍事化による内海化がミサイル原潜の安全な活動海域確保のため不可欠なのである。

つまり今回の中国のパラセル諸島への対空ミサイル配備は、南シナ海が核抑止力を保持する上で戦略的価値を持つのであり、これに対するアメリカ海軍の「航行の自由作戦」は南シナ海の戦略海域を消し去ることが狙いなので、中国は核戦略抑止力を維持する上で譲ることのできないことなのである。

アメリカのケリー国務長官は、中国の南シナ海の軍事化に「深刻な懸念」を表明したが、これは形だけである。アメリカは現在大統領選の最中であり、重要な戦略決定は出来ない。中国は韓国へのミサイル防衛サード配備が中止されるなら南シナ海の軍事化を中断する可能性がある。つまり北朝鮮の核実験とミサイル実験で戦略的打撃を受けたのは韓国だけでなく、中国の核戦略も深刻な打撃を受けたのである。

つまり中国政府は、アメリカ政府の弱腰=口先だけの抗議を見抜いており、現状では南シナ海の軍事化を譲る気はないと見るべきである。オバマ政権の弱腰はヒトラーに対するチェンバレンのごとくであり、特に対ロシア制裁でロシアの大国意識に火をつけ、中国の側に押しやったことは戦略的過ちであり、日本等の同盟国の安全保障を危機に陥しいれるものである。

北朝鮮と中国はアメリカの戦略的日和見的弱腰を見抜いており、北朝鮮と中国社会帝国主義の軍事的暴走を煽る役割をしているように見える。日本は中国拡張主義の矛先を受ける立場にあることを認識して、単独で中国の攻撃を撃退できるまで軍事的備えを急ぐべきである。同時に日本は対ロシア外交を前進させ、2正面を回避しなければならない。オバマのアメリカはもはや頼りにならないことは明らかであり、対米自立の時が来たと断言できる。

中国経済の深刻化が世界経済を奈落へと引き込む!

株価安定のための緊急取引停止措置が、さらに株価を下落させる。政府の介入にも下落は止まらず、中国の外貨準備は1か月で12兆7000億円も減少し、過去最大の減少を記録した。中国株安や人民元安で投資家のリスク回避姿勢があからさまになり円や日本国債買いが進行している。

投機家のソロスが「中国は既にハ―ドランディングしているので売りだ」と語り、中国からの資本逃避が始まっている。習近平政権は、経済危機は「統制」で切り抜けられると甘く考え、力点を軍権の掌握としての軍政改革に全力を上げている。その結果世界経済は連鎖株安に見舞われたのである。

市場関係者の中では中国市場の長期閉鎖や一部廃止、あるいは「人民元の交換停止」でさえあり得ると見ている。何故なら中国国内では自由化、国際化への不信感が台頭しているからである。輸出は急減し、株価下落と不動産価格の下落が進み「社会主義市場経済」の見直しすらあり得るのである。

中国経済は毛沢東の文革時の全人民所有制がネックとなり、価値法則が貫徹しにくいので全国に「新鬼城」と呼ばれるゴーストタウンがたくさんできた。「社会主義市場経済」が限界にぶつかっている。「極まれば反転する」のが中国の政治である。つまり中国経済政策が急変することで世界経済が奈落へと引きずり込まれる事態もあり得るであろう。空前とも言える過剰な生産設備の中で、国営企業のリストラが必要なのに、30万人のリストラ軍人を国営企業に押し付けるのは無理がある。

最近、習近平がアフリカや欧州や中東等を訪問し援助の大判振る舞いをしているのは、輸出を拡大するためであるが、過剰な設備の削減のための企業の統廃合は未だ手を付けていない。2月17日、アメリカのFOXニュースによれば、中国軍は南シナ海のパラセル諸島の島に新型の地対空ミサイルを配備したと報じている。過剰な生産設備を解消するための軍艦船の大量建造と合わせて考えると、中国が経済危機を切り抜けられないと見て、軍事的冒険主義に踏み込む可能性をも見ておくべきであろう。

経済崩壊が起きれば中国各地で人民の反乱が大規模に起きることは避けられない。それゆえに中国は「坑日ドラマ」を洪水のように制作放映し、内的矛盾を外的矛盾に転換しょうと布石を進めているのである。その時世界が中国社会帝国主義の凶暴性に気付いても遅いのである。中国経済危機の中で習近平政権の内部で「新左派」と呼ばれる勢力が台頭している。「改革開放」路線の変更があるのか?注目される点である。

中国中央軍事委改革工作会議が進める軍の機構改革が、習近平の軍権掌握であるので、それが成功した時、中国政府の思い切った経済危機対応策が打ち出されると見ておくべきである。中国経済が世界資本主義を道ずれに経済破綻の道を行くのか?それとも「統制経済」で危機の先送りを進めるのか?いずれにせよ世界経済が大きく揺さぶられ危機に巻き込まれることになる。

世界は、中国発の経済恐慌と戦争に備えるべき時がきている。

北朝鮮に対する韓国の「太陽政策」の破綻!

北朝鮮は世界中の反対を押し切って「水爆実験」をやり、大陸間弾道弾の実験を強行した。国連の制裁は中国が賛成しないと読んだ上の事である。その後の国連安保理は中国とアメリカの意見が対立し未だに制裁案が決まらない。

こうした北朝鮮の核恫喝の事態に立腹したのが韓国のパク・クネ大統領だ。制裁に反対する中国に怒り、アメリカのミサイル防衛の話し合いを始めただけでなく、開城工業団地の操業を中断した。韓国の統一部長官によると、開城の北朝鮮労働者の賃金の70%が北朝鮮労働党書記室や39号室をへて核兵器とミサイル開発に転用されているとし、関連資料まで持っている、と明らかにした。

これが事実なら歴代韓国政府は北朝鮮の核・ミサイル開発にに使われると知りながら開城の工業団地の操業を支援してきたことになる。これは明らかな国連決議2094号違反である。アメリカは北朝鮮制裁を国連で要求し、中国が反対して事実上強力な制裁は行わず、中国は北との間で盛んに貿易を行っている。

これらの事が何を示しているかを考えなければならない。アメリカと中国は半島の現状維持で合意しており、事実上北朝鮮の核・ミサイル開発を容認している。イラクはありもしない「大量破壊兵器」を口実に侵略したが、北朝鮮は大量破壊兵器があるのに何もしないのは北朝鮮には油田がないからだ。北朝鮮の核恫喝が日本や韓国をアメリカへの核の傘に頼らざるえ得なくさせ、すなわちアメリカに従属を続けなければならないようにしている。

中国は北朝鮮をアメリカとの緩衝地帯と位置づけており、国連の制裁には協力しない姿勢を続けている。こうして韓国の「太陽政策」や日本の拉致問題のための譲歩政策はことごとく失敗したのである。とりわけパク・クネ大統領は中国にすり寄ることで南北統一の仲栽役を期待していただけに、その戦略の破綻は決定的で、それが今回のパク・クネの、怒りを政策に換えた強硬策なのである。

韓国は経済危機だけでなく外交戦略も破綻したのである。一方北朝鮮の金正恩は既に100人以上の部下を処刑している。最近では北朝鮮軍の参謀総長を「反党・反革命分子」として処刑している。中国の歴史上の「亡国の王」ですら5年間で幹部100人を処刑した暴君はいない。これでは瀬戸際政策で戦争の危機を継続しないとクーデターが起きる可能性がある。いくら奴隷制王朝の大王であっても内部の矛盾と敵対矛盾は区別しないと、その王朝は砂上の楼閣である。

世界同時経済危機と覇権の多極化の下では小国は北朝鮮のように核・ミサイルを保持して自立を保つか、それとも日本や韓国のように大国に従属して生き延びるしか方法がないのである。アメリカと中国が半島の現状維持で合意している以上、日本の拉致問題の解決や韓国の「統一」の悲願は願望で終わるしかないのである。
韓国や日本で核・ミサイル保有論が台頭するであろう。

野党は9条を宝とする法的観念論を克服せよ!

知人が昨日土井たか子をしのぶ社民党の集会に参加したそうです。多くの人が集まったそうですが高齢者が多かったようです。共産党もそうですが社民党も集会では憲法9条を守ることばかりです。まるで憲法9条が戦後の日本の平和を保障したかのようです。

戦後の日本が70年間平和を守ったのは世界最強の米軍が居座る日本に、何処の国も手を出さなかっただけで、憲法9条があったからではありません。憲法9条は「平和条項」のように観念的平和主義者は言いますが、決してそうではありません。

憲法9条は、アメリカ軍が日本に居座るために日本に押し付けたのであり、むしろ「従属条項」と言うべきものであるのです。ところが法的観念論者は「憲法9条は日本の宝」とまで言います。そこには日米安保条約が、アメリカの日本に対する支配・従属関係を規定し、憲法がそれを条文化したのが9条なのです。従って憲法9条を信奉する人達はアメリカの日本支配を容認する民族的裏切り者だということを指摘しなければなりません。

日本はアメリカの従属国であり、多額のアメリカ国債を買わされ、毎年多額の思いやり予算等米軍基地の受け入れ国支援の金を負担しています。これはアメリカによる日本の国家予算の分捕りに他ならず、日本は戦後70年経っても他国の支配・従属を受けているのである。

我々は、日本は対米自立し、自分の軍事力で自分の国を守ることのできる国になるべきであり、その為には憲法9条の従属条項を廃棄しなければなりません。日本が戦争放棄を掲げても中国や韓国や北朝鮮は日本への報復の野心を燃やしているのであり、国際情勢の変化を無視した観念的平和主義では日本を再び亡国へと招くのは分かりきったことです。

共産党や社民党は9条を「日本の宝」とする誤りを正し、対米自立の民族的要求と平和主義の堅持の路線へ舵を切るべきである。そうしないとこれらの党は国民から見捨てられることになり、消えゆくことは避けられない。戦争は政治の継続であり、国家間の経済的・政治的対立が戦争へと転化するのである。従って経済危機と政治危機の時代には戦争は必然であり避けられない。いかに戦争国家アメリカから自立し、平和主義を堅持するかを日本は目指すほかない。観念的平和主義も、自公の対米追随一辺倒も「亡国の道」であることを指摘しなければならない。

北朝鮮外交を根本的に換えるべきである!

北朝鮮が瀬戸際外交をを進めるたびにアメリカは食糧援助や原油援助で答えた。北朝鮮の瀬戸際外交は、たえず見返りを得てきた。これは韓国のでっち上げの20万人性奴隷外交の度に日本は謝罪と金を支払ってきた。半島の強請りたかり外交は長い中国王朝への従属の中で形成されたものでありしたたかで、陰謀的で恥知らずを相手にしていることを指摘しなければならない。

北朝鮮の日本国民の誘拐・拉致は国家機関が行ったもので元々調査機関を作る性質のものではない。日本政府はやすやすとだまし、見返りを得られると思わせた間違いを指摘しなければならない。核とミサイル開発には日本が核とミサイルを保有すれば、見返りを与えなくともいいのである。拉致被害者を取り戻すなら、現王朝をどのように打倒するかを外交の方針とすべきである。

アメリカと中国が半島の現状維持で合意しているのだから、北はやり放題であり、核とミサイル開発で韓国と日本の防衛が危機にさらされている。北朝鮮国家は奴隷制の王朝であり、それゆえ他国の民を平気で誘拐するのであり、それは奴隷制王朝の思考方法なのである。

韓国は奴隷主のヤンバンの支配する発展途上国であり、彼らはだまし、陰謀で富を得ることを本分と考えている。韓国の外交は「ヤンバン外交」であり、その本質は北朝鮮とたいした違いはない。奴隷制の大王(=金正恩)かそれとも奴隷主のヤンバンか、それが北と南の外交なのである。

北朝鮮への制裁と言っても中国は今も北朝鮮と貿易を大々的に行い、経済的に北朝鮮を支えている。日本の民間船用のレ―ダ―が北朝鮮の軍艦に装備されているように中国を通じて北朝鮮は核・ミサイル開発のための部品を日本から手に入れている。日本が北朝鮮に制裁を行うなら中国へも制裁しなければ意味がないのである。

見せかけの6カ国協議というアメリカの現状維持の消極的な姿勢は、北朝鮮の核・ミサイル開発を容認しているに等しいのである。北朝鮮の政権を変えるための外交へとアメリカに方針を転換するように働きかけるべきである。

米大統領選を見ると対米自立以外に選択肢はない!

アメリカの大統領選の行方を見ると民主党は大学授業料無料化のサンダースが勝利する可能性が強く、共和党は日本や中国やメキシコを「我々から大金をむしり取っている」と発言するトランプの勝利が強くなった。どちらが大統領になってもアメリカは内政重視であり、もはや日本の防衛でアメリカを頼りにすることは出来なくなった。

アメリカの外交的間違いはそれだけではない、いかにアメリカが産軍複合体の経済だからと言って中東の宗派対立を煽り、シリアの内戦化で中東を武器市場にしようとして混乱を拡大したのはまずかった。覇権国の資格なしと言うべきだ。またウクライナのクーデターを起こさせてロシアを激怒させ、強いロシア復活へと誘導し、ロシアに対する経済制裁でロシアを中国覇権主義の側に追いやったのは外交としては愚劣としか言いようがない。

アメリカ外交は、世界で一番危険な中国社会帝国主義に対し、ヒトラーに対する融和策を取ったチェンバレン英首相と同じ過ちの外交をしている。アメリカ外交は拙劣でとても日本の安全をゆだねることのできる相手ではない。しかもこの傾向はアメリカ大統領選での主要候補者を見ても基本的に変わりそうもなく、当分続くと見た方がいい。

中国の拡張主義の軍事的脅威に直面する日本は、対米自立し軍事力を強化し、独自の対ロシア外交で中国との2正面を回避し、自分の力で国防を果たせるようにすべきであり、もはや日米の従属同盟を継続する価値は見出せない。

安倍自公政権はあまりにもアメリカ一辺倒で従属路線過ぎ、アメリカの顔色を見てロシア外交を前進させることができず。北朝鮮への核とミサイル保有を容認したかの現状維持政策は日本の危険を増大することを容認している。イランへの制裁で日本が経済利権を放棄したのも、今になってはマルマル損させられたようなもので、今度は都合よく制裁解除だと言われても、いつまたその政策が変更されるか分からないのだから、もはやアメリカのへな猪口外交に追づいしても、日本の国益にはなりえない。

日本が戦後70年間続けた対米従属路線を転換し、自立を目指す時が来たと言わねばならない。自民党の対米奴隷根性は底抜けで何でもアメリカの言いなりで、思いやり予算は増え続け、アメリカ国債を買い続けてアメリカに貢ぎ続けている。野党の中にもアメリカが怖いので対米自立を掲げる政党は一つとしてない。情けない限りである。

2016年版「ミリタリー・バランス」と日本の戦略!

イギリスのシンクタンク国際戦略研究所(IISS)は9日、世界の軍事情勢を分析した報告書「ミリタリーバランス2016」を発表した。
その特徴は(1)中ロの軍事のハイテク化が進み、西側の優位性が減退する恐れがあること(2)アジアで国防費の増加が著しく、去年総額で41兆円に達したこと(3)中国の軍事費がアメリカの4分の1にまで増大し、アジア全体の軍事費の41%を占めたこと、である。

アメリカは今でも対ロシア主敵だが、日本は中国の脅威を第1に対処しなければならない。中国が国内的危機を持っているから脅威ではないかの主張が一部にあるが、それは間違いである。確かに中国経済はバブル崩壊しつつあり、また幹部の腐敗も底なしで、民族の自決権をめぐる対立も激化している。また中国走資派指導部内の権力・利権争いも激化している。

しかし中国の戦略的視点で重要なことは、内的脆弱性が外的凶暴性を促すという点にある。習近平政権は未だ軍権を掌握しておらず、腐敗幹部の摘発(=トラ狩り)で内部対立を激化させている。重要なことは中国大衆が幹部の腐敗に反発しており、政権批判の動乱につながる危険が高まり、これを回避するために現指導部が「反日」を煽り、対日戦争で国内的求心力を保とうとする可能性が高いことである。

日本はアメリカとの支配・従属同盟を結んでいるが、アメリカのオバマ政権は「同盟国の争いに巻き込まれたくない」との態度であるので、アメリカ軍は日本の防衛に当てにならないことである。そこで重要となるのが外交でロシア・インドを引き寄せ、経済的相互依存関係を深め、これら2国を中国から引きはがすことが戦略的に重要となる。つまり日本の安全保障上の外交で重要なのは日米関係ではなく、対ロシア関係が最も重要だということである。

アメリカの現在闘われている大統領選を見ても、アメリカ国民は格差是正を求めており、財政危機の中でアメリカは中国の軍拡に対抗する力を持たないのである。従って日本は中国とロシアとの2正面を回避しなければならない。これが日本の戦略の中心課題となる。第2に重要なことはアメリカの覇権に中国が挑戦している以上、将来アメリカと中国の軍事的衝突は避けられないことである。この戦争に日本が巻き込まれない為には、日本が対米自立する事がカギとなる。

日本が対米自立するためには、小さくとも強力な軍事力を保持しなければならない。少なくとも中国やロシアの軍のハイテク化に遅れを取らないことが自立の必要条件となる。もう一つ重要なことは中国が「社会主義」の看板をかけているため日本国内に「親中国派」が形成されていることだ。中国が危険なのは「社会主義」を掲げた帝国主義であることだ。既に官僚独裁の社会帝国主義に成長転化している危険を認識の上で鮮明にする事が重要なことである。

中国が軍事力を急速に増強しているからと戦略配置もせず、軍拡競争に巻き込まれる危険を指摘しなければならない。重要なのは外交的戦略的配置である。

アメリカのロシア主敵の認識は誤り!

「アメリカに対して実際の脅威を与える可能性がある国を上げろと言われるなら、ロシアを上げなければならない」この言葉は昨年7月統合幕僚本部議長に指名されたダンホ―ド海兵隊司令官の公聴会での証言である。

アメリカはウクライナを手に入れ損ねたことがよほど誤算だったようだ。だが「実際の脅威」を感じているのはアメリカではなくロシアの方である。旧ソ連時代の東欧はNATOに取り込まれ、自分の柔らかい下腹(ウクライナ)はクーデターで欧米寄りになった。これではプーチンでなくとも脅威に感じる。

ただアメリカの核戦略に対抗できるのは現在ロシアだけであるので、アメリカは一極支配にロシアが挑戦しているかの幻想にとらわれている。しかしロシア経済は原油と天然ガスの輸出だけの経済で、しかも現在価格が低迷し、ロシア経済はマイナス成長となっている。経済規模からいっても絶対に冷戦の再来とはならないのである。

ただしロシアは、アメリカが内戦化で武器市場とした中東のシリアに影響力を持ち、軍事的に介入している。世界の資源地帯としての中東は依然として大国の争奪の主戦場であり、覇権国アメリカの関心も中東にある。そうした意味でウクライナ問題を口実に対ロシア制裁で、ロシアを孤立化しなければならないのである。

日本から見れば国民に反日思想を注入し、社会帝国主義となり、軍事的拡張主義を進む中国の方がよほど危険な存在なのだが、アメリカは世界覇権のライバルとなりえるロシアの方を未だに主敵としているのである。それは東欧やウクライナなど旧ソ連の支配下の諸国を欧米の勢力圏にすること、さらには世界の資源地帯の中東支配を考えてのことである。

アメリカは、旧社会主義国のロシアを普通の資本主義国にできなかったことを歴史的限界とは認識しておらず。プーチンがいるから国家社会主義になったぐらいに認識している。プーチンの軍の近代化を見て、必要以上にライバル視している。しかしアメリカにとって実際に脅威が大きいのは経済力の大きい中国の方なのである。

アメリカのロシア主敵が及ぼす戦略的影響を見ておくことが重要である。ロシア主敵ゆえに、アメリカはドイツのヒトラーに対するチェンバレン英首相のような役回りを、中国を相手に演じていることを見てとらねばならない。ロシアを中国の方へ追いやるアメリカ外交は危険な戦略的誤りと言うべきだ。

北朝鮮の核・ミサイル開発の狙いと大国の戦略!

マスコミや評論家の今回の北朝鮮の核・ミサイル開発の狙いを見ると以下のような点が挙げられる。
(1)アメリカを揺さ振り交渉に引き出す。
(2)中国をターゲットにした威嚇。
(3)金正恩の威信と求心力を高める。
これらはいずれも一面を指摘しているが全体をあらわしてはいない。

アメリカは朝鮮半島の現状の固定化が狙いであり、それは日本と韓国を従属下に置くためである。中国は北朝鮮がいかに問題があろうとアメリカとの緩衝地帯として、この国家を守る。つまり米中は半島の現状固定化で一致しており、北朝鮮は安全保障と大国の現状維持政策を打破するために核・ミサイル開発を進めているということである。

北朝鮮の核・ミサイル開発はアメリカにとって有益で、開発が進めば進むほど韓国と日本はアメリカの核の傘の下に入る、すなわち従属を深めることになる。それは韓国政府がサードの導入方向を決めたことにしめされている。しかし一方で韓国と日本国内で核兵器保持の声が高まり、両国が自立の傾向を強める。中国はこの点に期待を抱いている。

つまり国連安保理でアメリカの制裁強化と中国の制裁反対はそれぞれ自己の戦略に基づく態度である。アメリカは北のミサイルがアメリカまで届くのは防ぎたい。中国は北のミサイルがアメリカに届くまで経済援助を進めれば、アメリカは自国を危険にさらしてまで韓国や日本を守るない。つまり中国は韓国と日本の自立を促したい。つまり米中の戦略の違いから北朝鮮制裁案は国連安保理で合意出来ないのである。

北朝鮮の金正恩は敵対矛盾と人民内部の矛盾が区別できておらず、自分に逆らったり、意見を主張する者は処刑する。つまり部下に盲目的従属を要求している。従って北朝鮮の上下には矛盾が拡大しており、戦争状態かもしくはそれに似た緊張状態が体制維持には必要不可欠なのである。

中国は北朝鮮内で中国人や華僑100人が逮捕され人質状態なので我慢して、金正恩のやり方を許している。いかに腹が立とうと、いかに問題があろうと、この国を戦略的緩衝地帯として位置付けている以上、中国に取ってそれは外交上の原則なのである。

こうして日本は、北朝鮮を貿易関係に取り込み拉致問題を解決したい。韓国は貿易関係を発展させ北の政権を崩壊させることで南北を統一したい。という日本と韓国の外交はもろくも崩れ去ることになる。それは朝鮮半島の戦略決定権がアメリカと中国という大国の手にあることを示しているのである。

メルケル独首相「難民受け入れ」が命取りか?

メルケル・ドイツ首相が人道を掲げ「難民受け入れ」を表明した時は、ドイツ経済は順調で「人口減社会の克服」すなわち労働力の確保という経済的要請があった。従って「難民受け入れ」表明はドイツ国民の広範な支持を受け、国際的にも支持と評価を高めた。

ところが80万人を超える難民の流入に乗じて北アフリカから犯罪者やゴロツキが多数流れ込んだ。5~6人で観光客を取り囲み金を奪う、集団スリを行うなど、ドイツ社会に物騒な連中が目立つようになった。昨年末、ケルン中心街で集団での女性への性的暴行事件が起き、その犯人がモロッコ人やアルジェリア人等北アフリカ出身の犯罪集団だったことが判明し、一気に流れが変わった。

戦乱のシリアから逃れてきたとして、同情を呼んだ難民は、今や凶悪な犯罪者のイメージとなった。北アフリカから組織的犯罪者集団が1万人を超える規模でドイツに潜入していたのである。昨年夏からの「難民を助けよう」という声は犯罪が急増するなかで、180度かわり民族排外主義が広がり始めた。

ドイツのメルケル政権は犯罪の広がりを受けて「北アフリカ出身者」の本国送還に手を付けたが、北アフリカ諸国が受け入れない事態となった。ドイツの地区によっては、スリの被害が昨年の2倍の件数になるなど犯罪が急増し、メルケル首相退陣の声まで出始めている。

こうしたドイツの事態は、難民拒否の動きを欧州全体に広げる事態となり、難民を受け入れない「日本政府を見習え」との声まで出る始末となっている。報道によればドイツのメルケル首相は3月までに辞任に追いつめられると見られている。

シリアの和平交渉が巧く行かないと、今後も難民をめぐり民族排外主義が広がると見られている。アメリカにおいても大統領選で中南米からの移民排斥を掲げるトランプ候補が支持を広げるなど、民族排外主義は世界的傾向を示している。まして移民を受け入れる政治家が辞任に追いつめられる事態となると、シリア難民の受け入れ先がなくなることになる。メルケル首相の今後の動向が注目されている。

一国二制度の欺瞞が破綻した中国の香港支配!

香港は中国に帰属するにあたり「一国二制度」が謳われ言論の自由が認められてきた。ところが香港の書店が、中国の最高指導者習近平の女性スキャンダルに関する本を「習近平と6人の女」のタイトルで出版をした事が、中国側の怒りに火を付けた。

この本の出版に関係した5人が中国公安に逮捕され、秘密に本土側に拉致れ、既に印刷されていた本も倉庫から根こそぎ奪っていった。拉致された書店主らは「イギリス海外公民」のパスポートを保持しており、イギリス人に準ずる地位にある。しかしイギリス政府は中国政府の経済果実欲しさに沈黙を守っている。

この中国政府による「一国二制度」の蹂躙は香港の若者を刺激し、独立の運動を激化させつつある。香港行政長官の直接選挙が否定されたこともあり、香港人民の中に「中国から離れるしかない」との声が高まっている。香港の住民は中国政府が押し付ける愛国主義教育にも反発しており、香港メデアが次々中国側に買収され、香港に言論の自由がなくなりつつあることも独立志向を強めるこ原因になっている。

香港の独立派は台湾の総統選挙に際し、台湾の独立を志向する民進党と交流している。台湾の総統選挙で民進党の蔡英文氏が当選したことも中国外交に打撃となった。とくに香港の一国二制度の欺瞞が露呈したことと、中国が統制経済に復しつつあることも、香港と台湾の独立志向を強める結果となった。

習近平の中国が「軍改革」で軍権の掌握を目指している間に、中国経済は株式が暴落し、株式市場の凍結・統制で危機を先送りしているが、こともあろうに、習近平の女性スキャンダル本をめぐり、香港の自冶を踏みつけにしたことで、香港と台湾を独立へとの動きを強めたことは習近平の失策というべきである。

習近平にしてみれば、国内でのトラ退治が行き過ぎて、自分への反発が強まり、暗殺騒ぎが続き、地方幹部に「中国の核心(習近平のこと)を守れ」との声明を出させて、踏み絵を踏ませる状況で、未だ軍権が完全に掌握できていない中で、台湾と香港の求心力が弱まる事態は避けたいが、事態は逆の方向に向かっている。

習近平は、最近華僑を優遇する政策を出しているが、北朝鮮国内で華僑など100人ほどの中国人が逮捕され、核実験やミサイル開発で北朝鮮を経済制裁することもできなくなっている。南シナ海ではアメリカ軍の「航海のための自由作戦」で覇権を求める砲艦外交も行き詰まり、習近平外交はガタガタになっている。こうした傾向が習近平の軍権掌握の欲求をさらに強めており、これが成功した時、アジア情勢が動く可能性が強いのである。

落ち目のアメリカを象徴する非主流派台頭の大統領選!

アメリカの大統領選の候補者を選ぶアイオワ州党員集会は、民主党では「政治革命」を掲げ、ウォール街を批判し、富裕層増税や公立大学の無償化を掲げ、若者の支持を受けるサンダース氏が本命のクリントンに肉薄し、共和党は、「小さな政府」を掲げるティー・パーティーを基盤にしたクルーズ氏と不法移民への不満を代表するトランプ氏が1位2位となった。

いずれもアメリカ社会の不満を代表する候補達が健闘する結果となった。資本主義の選挙制度が人民の不満を体制内に吸収する制度であるので当然と言える結果だが、アメリカが超格差社会となり、多数の移民や不法入国者で仕事を奪われる事態を反映した選挙となった。

民主党のサンダース氏は「民主社会主義者」であり、これまでのアメリカでは考えられないほどの超リベラル派である。また共和党のティー・パーティーを基盤にしたクルーズ氏は超保守派であり、本選挙で民主に勝てない可能性が高い。さりとて不法移民への不満を代表するトランプ氏では本選挙でヒスパニック票が取れるわけがない。しかし今やトランプ氏は共和党の本命の位置を確保したかに見える。だが共和党はどちらが勝っても本選挙で苦戦が予想される。

アメリカ社会は保守的で黒人の大統領を認めても、女性の大統領は認めないと言われ、事実ヒラリー・クリントンは前回の大統領選で負けている。しかし超リベラルのサンダース氏では、その掲げる政策を大統領になっても、議会は共和党が多数で実行できない可能性が高い。しかし格差社会に不満を持つ貧困層と若者の不満解消にはなる。

こうした点を見ると、今回のアメリカ大統領選は民主も共和いずれも非主流候補が主導権を奪い、何処まで本命候補を脅かすかの選挙となった。カナダ生まれのクルーズ氏は大統領に選ばれる資格が問われており、クリントンは国務長官時の個人メールアドレス使用の弱点がある。

つまり、アメリカ大統領選挙は超格差社会と財政危機で落ち目となったアメリカを反映して、最後まで混迷の激烈な選挙となり、だれもその結果が分からない劇的で面白い選挙となるのは間違いないことである。

習近平の軍権掌握と経済改革は可能か?

習近平政権は未だ軍権を掌握していない。中国の解放軍は各軍区が軍閥のように独立王国を形成している。未だ江沢民派などの幹部が健在だ。この軍を習近平は陸・海・空・第2砲兵の各軍区司令部をを統合し、統合参謀本部作り、7大軍区を5つの軍区の統合し「30万人の軍縮」で軍権掌握を画策している。

問題は失業する30万人をどうするかに各方面の関心が集まっていた。最近の報道(選択2月号情報カプセル)によると習近平政権は、今後リストラされた軍人を国営企業に押し付けるというのである。こうした軍改革が成功するかどうか注目されるのは中国の各軍区は予算執行権から人事権まで持つ独立王国であり、党中央でさえ介入できない独立王国であるからだ。つまり既得利益集団が既に権益を強固に握っているのである。

習近平は、江沢民派や各軍区幹部等を敵にして命を狙われており、天津の大爆発も習近平を狙ったものであったことが分かっている。最近中国の地方幹部から「中国の核心(習近平のこと)を守れ」というたぐいの声明が次々発表されているのは、習近平が地方視察にいけないほど危険な状態を政治的に封じようとするため、地方幹部に踏み絵を踏ませているのである。

中国経済がバブル崩壊で危険な状態であり、肥大化した国営企業改革や過剰な生産設備の削減のための統廃合が求められているのに、その国営企業に30万人のリストラ軍人を押しつけなければならない事態にあることは、習近平政権の危機的閉塞状態を示すものである。

従って習近平政権の経済対策は後回しとなり、当面は危機の凍結で切り抜ける算段であるようだ。株式市場を統制すれば一気の暴落は避けられるが、それでは資本主義とは言えない。海外の資本の逃避は避けられないであろう。問題は国営企業も中国の幹部たちの権益であり、軍のリストラをすんなり引き受けるだろうか?ということである。引き受ければ国営企業がますます肥大化し。危機を深めることになる。

だが習近平にしてみれば最高指導者が軍権も掌握しないで、高まる民衆の不満を抑圧・支配することも、周辺国と高まる領土紛争にも立ち向かうことは出来ない。習近平は経済危機にかまっていられない国内政治情勢にある。腐敗幹部の「トラ狩り」をやり過ぎて、いまや暗殺の標的となり、たえず命の危険にさらされているのだから、解放軍を自己の指揮下に置かないと安心できないのである。しかし軍の権益に手を付ければ付けるほど、習近平の危険が高まるのだから、これは悪循環なのである。
中国は、習近平の暗殺による政変もありえると見ておくべきであろう。このまま中国経済の改革が放置されると、世界経済が中国経済破綻の道ずれにされかねないことも指摘しておかねばならない。

安倍政権にとっての北は政治的ジレンマ!

北朝鮮が4度目の核実験をおこない、しかも今度はミサイル発書準備の動きが観測されている。
韓国政府は大型拡声機による宣伝を開始するや、北朝鮮はパク・クネ大統領を批判するビラ風船100万枚を飛ばし、韓国に対抗して報道も開始した。

アメリカはB52とステルス戦闘機F22を極東に派遣した。2月1日からは米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」が始まり、これが北朝鮮をさらに刺激することになる。北朝鮮は全国的な戦争動員体制を準備している。

アメリカは国連安保理で石油の禁輸などの制裁をやろうとしているが中国が反対してできない状況にある。中国は北朝鮮の体制維持を優先して、制裁は出来るだけ軽くしたいのである。アメリカも北朝鮮の現政権を温存した方が日本や韓国を従属国にしておけると考えている。

北朝鮮の金正恩も半島の緊張が激化すればクーデタ等を防止できる。既に就任後100人もの処刑を出し、内部矛盾は激化しているが、戦争の一歩手前の緊張状態が金王朝には延命しやすい環境なのである。つまり米・中・北が緊張激化を望んでいる。

こうした環境では安倍政権の目指す拉致問題の解決などできるわけがない。それどころか制裁強化をやればやるほど、拉致問題の解決は遠のく事になる。半島の対立関係をアメリカも中国も現状維持したいのだから、安倍政権は解決不能のジレンマを抱えることになっている。

北朝鮮の核開発とミサイル開発をアメリカが阻止できないなら韓国と日本で核保有すなわち自立の動きが強まることになる。北朝鮮が安全保障のための核とミサイルを放棄するはずがなく、今のままでは拉致問題は絶望的である。北朝鮮の体制を変えるには国際市場に取り込むのが一番いいのだが、アメリカと中国が現状固定化で合意しているのではどうしょうもない。

アメリカの強硬な制裁が北朝鮮を暴発させる、というのが中国が制裁に反対する理由である。問題は北朝鮮の核・ミサイル開発で極東の力の均衡が崩れつつあることである。アメリカがその事に気づけば限定的な武力行使がありうるのだが、オバマは非介入主義であり、しかも現在大統領選の最中で重要な戦略的決定は出来ない可能性が強い。

つまり安倍政権の拉致問題の解決は完全に行き詰まりなのである。政治的ジレンマとは安倍政権の対北朝鮮政策の事である。
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