fc2ブログ

共産党の「戦争法廃止の国民連合政府」構想について!

日本共産党の志位委員長は19日「戦争法廃止の国民連合政府」構想を発表し、25日民主党の岡田代表と会談し同連合への参加を呼び掛けた。報道では岡田代表は今後も話し合う態度を見せた。また28日には生活の小沢代表と、また社民党の吉田党首と会談し、両党ともこの提案を前向きに高く評価した。
国民政府構想は
(1)戦争法廃止、安倍政権打倒の闘いを発展させる。
(2)戦争法廃止で一致する政党・団体・個人が共同し「国民連合政府を作る」。
(3)この連合で一致する野党が国政選挙で選挙協力を行う。
というもので同党は国民的大義を掲げている。

日本の国民にすれば前回の総選挙でこの構想で闘って貰いたかった。共産党は多くの選挙区で候補者を立てるが、結果は野党票を分断して、与党が勝利する役割を果たすものとなっていた。その極めてセクト的なこの党が、自党の候補を降ろし、他の野党候補を支持できるのか大いに疑問である。

元々志位委員長になって統一戦線的発想が共産党から消えて、政権交代を求める国民の期待をしばしば裏切り続けたのが共産党である。国民が政権交代を望んでいる時に小沢の連合の呼びかけを拒否し「確かな野党」を掲げたぐらい愚かな政党が、やっとこさ「連合政府構想」を出したのだから評価しなければならないのだろうが・・。

しかし、これまでこの党は選挙のたびに敗北しても、党首が一切責任を取らない無責任な党なので、本当に統一戦線的対応ができるのか大いに疑問が残る。志位委員長は、これまでのセクト的路線を何ら反省せずして、突然「連合政府構想」に目覚めた理由を国民に説明すべきであろう。日本の若者が戦争法反対に立ち上がったから、それに便乗するというのでは前衛とは言えない。

早くから自民党が公明党を抱き込んでいたのに、野党がバラバラで結果選挙で敗北を続けた。以前掲げていた「民主連合政府構想」はどうなったのか?この構想と今回の構想はどう違うのか是非国民に説明して貰いたい。
スポンサーサイト



対シリア政策はプーチンの方が正論!

昨日オバマ米大統領とロシアのプーチン大統領がニューヨークで会談した。この会談でプーチン大統領はアサド政権をイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対する「防波堤」との位置付けを明らかにした。これに対しオバマは愚かにも「アサド政権を維持する限りシリアの安定はない」と語り、アサド政権とイスラム国を同時に敵とする見解を表明した。

プーチン氏は「アサド政権と協力しないのは間違い」イスラム国は「危険以上の存在だ」と語った。そもそもイスラム国はアメリカがイラクのフセイン政権を武力で打倒した結果生まれた。中東における独裁政権を武力で打倒しょうとしたことが招いた困難であり、中東では独裁政権は必要悪と見るべきは明らかなのである。

オバマのようにアサド政権もイスラム国も同時に敵にすることは「2兎を追うものは1兎をも得ず」となることは明らかで、プーチンはそのことを指摘したのだが、バカなオバマには理解出来なかった。一つの戦場でアサド政権も「イスラム国」も敵にする愚策は明らかである。アサド政権をたたけば「イスラム国」が勢力を強める。「イスラム国」をたたけばアサド政権が力を回復する諸関係があるのだから、ここはアサド政権を支援して「イスラム国」に当たらせ「毒を持って毒を制する」策をアメリカは取るべきなのである。まず「イスラム国」を叩き、その後シリアを民主化する戦略が現実的なのである。

オバマの弱点は非介入戦略をとるなら他の勢力をしてより危険な敵を駆逐する戦略・戦術をとるべきなのに、オバマには事態を傍観して状況を悪化させるしか能がない。物事を解決するには段階性があり、順番があることが無能なオバマには理解出来ないのである。現在の世界でプーチンが戦略的には一番の人物で、習近平はかってのヒトラーのような人物である。オバマはさしずめヒトラーを暴走させたチェンバレン(当時の英首相)の役回りを演じている。

現代の世界情勢について重要なのは中国が社会帝国主義に転化し、ヒトラーのような拡張主義の暴走を始めつつある危険を認識することである。現代の世界人民の主敵は中国拡張主義であり、その凶暴性を認識することが重要なのである。ところがオバマはロシア主敵であり、世界の戦略関係がまるで見えていないことである。習近平が何故反ファシズム統一戦線の戦勝国を今強調しているかを考えなければならない。自己のヒトラー以上の野心を知るゆえにカモフラージュしているにすぎない。

オバマの外交は何もしない方がまし、と言うほどに拙劣でアメリカの同盟国は何処もが安保上の危機に直面している。

米中の対立回避したオバマのことなかれ外交!

オバマ大統領と中国の習近平国家主席は25日ワシントンで会談した。今回の習近平の訪米は初の国賓としてのものとなった。

この会談内容はサイバー攻撃問題では、両国政府は知的財産に対するサイバー攻撃を実行、支援しない、ことで合意し、軍事分野では空軍間の偶発的衝突回避のための行動規範で合意したぐらいで、他には成果らしきものは見当たらない。特に注目された南シナ海の軍事拠点化問題では「深刻な懸念」を表明するオバマに対し、習近平は「南シナ海の島は昔から中国の領土だ」と反論、「埋め立てはいかなる国にも影響を与えず、軍事拠点化するつもりもない」と答えたが、現実には着々と軍事拠点化が進んでいる。

オバマが提起した人権や民主化問題では、習近平は「国によって歴史違う」として「それぞれ異なる歴史や国情が尊重されるべきだ」とのべ、かみ合わない議論となった。アメリカにとっての唯一の成果は旅客機300機の購入という経済的成果だけとなった。

習近平は大統領選をまじかに控え、オバマ政権がレイムダックの季節に入りつつあることを読んだ上で、アリューシャンでの米領海を海軍艦船5隻が意図的に通過し、また黄海で米軍偵察機に戦闘機を異常接近させて挑発し、アメリカの反応を試す等オバマの弱腰を見越した布石をしてきた。

米中首脳会談の結果は、習近平の読み通りオバマは中国との対立を回避し、経済的利益をのみ得る対応をした。中国側が狙った「新型の大国間係」へのオバマの承認はなかったものの、軍事大国化の時間的余裕を得ることでは習近平が戦略的に成功した形となった。

オバマは経済重視・非介入主義であるので、始めから習近平に足下を見られており、ことごとく意見が対立しているのに、決裂と見られないように体裁を整えた情けない会談となった。オバマと習近平の記者会見は冷めた雰囲気の中で笑顔の無いまま形ばかりの握手をして会見は終わった。つまり米中首脳会談は事実上の決裂だが、政治的にそうは取られないように政治的に配慮したものとなった。

つまりオバマが習近平に足下を読まれ、舐められ、侮りを受けた首脳会談となったと言える。日本は戦後70年がたったのに何時までこの情けないオバマ政権を頼りにするのか、考えるべき時に来ている。

安倍首相は対ロシア関係改善に踏み込め!

安倍首相が対ロシア関係改善に踏み込むことにためらいを見せているように見える。その理由はオバマ米政権がウクライナ問題での対ロシア制裁の足並みを乱さないことを安倍首相に求めていることがある。

安倍の先の訪米では、オバマは安倍のプーチン訪日への暗黙の容認を与えたと報じられている。しかし、その後アメリカ政府筋からはプーチン訪日に慎重な対応を求める動きが出ている。

ウクライナ問題はプーチンが仕掛けたものではない、アメリカがクーデターを仕掛けたのであり、プーチンは無理やり地政学に目覚めさせられたというべきである。つまりロシアを中国側に追いやることで日本の安全保障が2正面の危機に直面しているにおである。アメリカはこのことで日本を自立させず、アメリカの戦略に自衛隊を取り込むことを狙っている。ウクライナ問題は政治的に作られた領土問題と見るべきである。

しかもオバマは「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と2度も演説した。これでは戦争法でアメリカの戦争に協力しても、アメリカが中国の攻撃から日本を守ることは期待できない。しかもアメリカのオバマは中国の習近平を訪米させ巨大な経済的利益を得ている。

日本が中国からロシアを外交的に引きはがし、経済相互依存関係を深めることは日本の戦略的課題になっている。たかがウクライナ問題で、この戦略課題を投げ捨てるバカはいない。アメリカは中国の習近平の訪米を許したのに、日本のプーチン訪日には反対するのは筋が通らないのである。日本は中央アジアよりも、北東アジアの問題をこそ外交的に優先しなければならない。

このことは安倍には分かり過ぎるほど分かっている。彼が心配なのはアメリカのオバマを怒らせはしないか?という親米従属派らしい心配なのである。しかしアメリカではすでに大統領選の予備選が始まっている。オバマ政権は既にレイムダックの時期に入っている。国際経済が長期低迷に入りつつある時、欧米の対ロシア経済制裁は愚策としか言いようがない。

安倍首相は、日本の国益に立って対ロシア独自外交に舵を切る勇気を持つべきである。

アメリカを試す中国の力の外交が目立つ!

アメリカが中国が進める南シナ海の暗礁埋め立てを、領海と認めないと表明すると、9月3日中国艦隊5隻がアリュ―シャン列島のアメリカ領海内を通過した。それもオバマ大統領がアラスカを訪問していた時であるから中国軍の挑発は軍国主義そのものだ。

9月15日にはアメリカ太平洋軍の電子偵察機RC135が中国山東半島から東約130キロの黄海上空で中国軍機に危険な行為で航行を妨げられた。

9月22日中国共産党の幹部劉雲山政治局常務委員(宣伝・思想部門担当)が習近平政権が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」について、「中国の拡張戦略ではなく、平和と発展を欧州やアフリカまで広く実現する共同の作業だ」と強調し、覇権戦略であることを強く否定した。

9月13日には3月に中国を訪れたアメリカの女性実業家が、国家機密を盗んだとして中国当局に拘束されていることを発表した。

9月23日(日本時間22日)には訪米した習近平がシアトルのボーイング社で旅客機300機三百八十億ドル(約4兆5600億円)の購入を発表した。こうした一連の中国側の動きは目前に迫ったオバマと習近平の米中首脳会談に向けて、中国側がアメリカを試していることを示している。

9月3日の「抗日戦争勝利70周年記念」の大軍事パレードでその世界第2位の軍事力を見せつけ、アメリカ軍を挑発し、巨大なアメリカ製旅客機の300機購入でアメ(経済的利益)を見せつける。中国は明らかにオバマを試しているのである。

中国の習近平政権の狙いは経済的利益と軍事力を見せつけて「新型大国間係」の受け入れをオバマに迫っているのである。太平洋の西半分とインド洋の管轄権をアメリカに認めさせるのが習近平の今回の訪米の最大の狙いなのである。

オバマ政権が非介入主義を続け、「息継ぎの和平」という戦略転換の間に、中国は覇権の分有を迫っているのである。大統領選を前にオバマが軍事的介入を避ける傾向性を読んだ上での外交的・軍事的・経済的・政治的試しを行っている。アメリカも舐められたものである。米中首脳会談でオバマが中国の試しにどのような回答を与えるのか?世界が注目している。

大軍事パレードで力見せた習近平訪米の注目点!

中国の習近平国家主席が22日から25日まで訪米する。今回の訪米は国家主席就任後初の国賓としての訪米である点が注目を集める理由である。迎える一方のオバマは「アメリカは世界の警察官ではない」と発言し、中東の親米国を見捨て、クリミア半島などのウクライナではプーチンの軍事的決意に屈し、アジアでは中国の軍事的脅威を許し、北朝鮮の核開発にも弱腰で、今や世界中の反米国に舐められ、安倍を除く世界中の同盟国に見放されている。

他方の習近平は大軍事パレードで周辺国を軍事恫喝し、アフリカ・中東・中南米に戦略的影響力を強め、インド洋に軍港を確保し、オバマに「新型の大国間係」を提起し、太平洋とインド洋を管轄海域として確保しようとして「中国の夢」に邁進している。習近平は天津を始めとする国内各地で江沢民派の爆破テロで揺さぶられ、暗殺の恐怖に怯えながら軍や長老の権力のはく奪を追求している。彼の「抗日戦争勝利70周年」の軍事パレードは、国内各派閥への自己の権力を見せつけることでもあった。

古い帝国主義のアメリカも、新興の帝国主義の中国も互いに国内での経済的危機を抱えている。中国の場合は政治危機も孕んでいる。つまり両国は世界覇権のライバルであるが、今は覇権争いをする余裕がない、それゆえの首脳会談なのである。

オバマは習近平との会談の最大のテーマとして中国のサイバー攻撃を挙げている。軍の兵器やアメリカ企業の新技術を中国がネットを通じて奪い取っていることをなんとか止めさせようとしている。中国側の最大の関心事は「新型の大国間係」に対するオバマの承認を取り付けたいところである。それは南シナ海での埋め立てによる軍事基地建設の黙認にもつながることである。

つまり、アジアの覇権をめぐる妥協が成立するのか、それとも決裂するのかが最大の注目点である。中国側は「新型の大国間係」が「中米間係の将来の発展を位置付ける指針」と表明している点に中国の意気込みが表れている。しかしオバマが中国のアジアにおける砲艦外交に弱気な対応をすれば、韓国の中国すり寄りのように、アジア諸国が中国のフインランド化(=従属国化)することは避けられないであろう。

つまり今回の中米首脳会談は衰退している覇権国と新興の帝国主義の話し合いによる妥協の場と言いかえることができる。中国人民網によれば中国側は習近平訪米の9つの注目点を挙げて過大な期待を寄せている。しかしアメリカは既に大統領選に入っており、オバマ政権はレイムダックの期間であり習近平は多くをオバマから得ることは難しいであろう。

我々が注目しているのは習近平の訪米中に「トラ狩り」や「キツネ狩り」で頭に来た江沢民派や軍が習近平の訪米を破綻させるため天津での爆破テロのような、事件を引き起こすかどうかである。以前習近平がインドを訪問した時、中国軍がカシミールで軍事侵攻を引き起こしたように、今回も南シナ海でアメリカを挑発する何が起こるのか?注目点である。

安倍首相の功績は大きい!

安保関連法案で、日本の若者を政治に目覚めさせた安倍首相の功績は非常に大きい。
自分が靖国参拝と歴史教科書の書き換えで中国と韓国の反動支配層を挑発し、「反日」に駆り立て、日本の世論を右傾化させて政権を握る手際は、日本国民に右翼政治家を警戒すべき存在であり、彼らが実はアメリカの手先であり、アメリカの戦争の手伝いをする売国派だと認識させたのも安倍の功績と言える。

真の愛国派は、アメリカの戦争に巻き込まれないように対米自立を掲げている。真の右翼は反米であって、アメリカの戦争の手伝いをするから守ってください、などと恥ずかしいことは言わない。安倍自民党は親米右翼政権であり、「平和の党」を掲げながら戦争法に加担する公明党は、今後は「戦争の党」を掲げるべきであろう。

国民は自公政権にうんざりだ。しかし「消費税を上げない」と言いながら消費税増税を行った菅や野田のいる民主党にもうんざりなのだ。共産党が政権を取るチャンスが来ているが、この党は不思議な事に政権を取る気がなく「確かな野党」をスローガンに掲げている。しかもいつまでたってもアメリカが作った憲法9条を「宝だ」というおバカぶりだ。

憲法9条は日本を非武装にし、アメリカ軍がいつまでも日本に居座るための従属条項なのだ。日本の国民は戦後70年もたって未だにアメリカの従属国であることを恥じるべきであり、日本民族が自立して他国の戦争の手伝いを断固拒否して、武装中立で平和主義を堅持するように気付かせた点に安倍の最も重要な功績がある。

不思議なのは、安倍首相は持論の通り、なぜ憲法改正で戦争法に挑戦しなかったのだろう?姑息にも閣議決定の憲法解釈の変更で乗り切れる問題ではないことは明らかだ。強行採決で戦争法を成立させても国論が真っ二つで海外派兵などできるわけがない。閣議決定で集団的自衛権の解釈を変更する姑息な手法が招いた国論の分裂なのである。

戦争法ができても、消費税増税で来年夏の参院選は自公の惨敗になるのは明らかだ。そして安倍は責任を問われて辞職する羽目になるだろう。株価を上げるだけの愚かな経済政策=アベノミクスでは日本経済の再生は不可能なので、世界は長期不況の中で混乱が激化することになる。危険な右翼政権を一日も早く終わらせるべきである。

「戦争法」制定のやり方は正しいか?

国民の戦争法への不安は、安倍首相が靖国参拝や教科書の歴史認識の改ざん等で隣国をいたずらに刺激し、中国や韓国の「反日」を利用して国民世論を右傾化させ、正当な憲法改正ではなく、欺瞞的な集団的自衛権の憲法解釈を閣議決定で変え、NHKに右翼思想を持った人物を送りこみ世論を操作し、NHKを「アベチャンネル」と呼ばれるようにした政治手法に原因があります。

確かに中国覇権主義の侵略の危険性は増しています。だからと言ってアメリカの戦争の支援をすることでアメリカに守ってもらうという安倍首相の従属的卑屈さを多くの国民はどうしても支持できないのです。

戦後70年もたつのに未だにアメリカの従属国でいいのか?それでよく愛国心教育だとか天皇イデオロギーとか、日の丸・君が代を強制できるなと思うのです。日本をアメリカの従属国ではなく、自立した国家にする事が、国民に愛国心を持たせるうえで重要なことではないか?と思うのです。

国会で多数だから強行採決すればよい、と言うなら政権が代わればその法律はいとも簡単に改正されるのではないですか?国の根幹を決める安保法案は、アメリカでは野党と与党の超党派委員会で作られています。何処の国に国民の6割が反対する、戦争法のような重要法案を強行採決するでしょうか?安倍首相の政治手法は非民主主義的で欺瞞的・権力的です。

アメリカの大統領が非介入主義で「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と言っている時に、アメリカに守ってもらう法律は意味が無いことを指摘しなければなりません。現在の国際情勢を見ていると、世界経済は長期不況が避けられず。アフリカや中東が政治危機となり内戦・部族争い・宗派争い等で難民が5000万人を超え、豊かな欧州目指し大移動を開始し、人類はかって無かった戦争の時代を迎えつつあります。

こうした状況の下で戦争路線を進むのか、平和主義を堅持するのかの選択は全国民による国民投票で決すべきではないでしょうか。国会での討議打ち切り、採決強行は民族の禍根となりかねないことを指摘しなければならない。

本音は米軍基地維持の沖縄県の強欲!

普天間基地の辺野古への移転は元々沖縄の人の願いから決まった。当時の民主党政権は沖縄開発資金として3000億円の交付金を出すことで当時の沖縄知事の辺野古の埋め立て承認を得た。ところが知事が変わると再び基地建設を阻止しようと企んで、埋め立て承認に「瑕疵(かし=キズ)があった」と主張し、政府は埋め立て工事を1か月中止して、沖縄県と協議した。

この協議に当たり翁長知事は訪米してアメリカと打ち合わせしている。沖縄知事の翁長は「辺野古の新基地は作らせない」と語っているように、協議の始めから政府との約束を反故にする腹であった。アメリカ軍は沖縄の基地を維持することで年間2000億円の在日米軍駐留経費負担が手に入る。沖縄県の米軍基地の地代収入は年間800億円に上る。

普天間基地の存続でアメリカと沖縄の利害は一致している。辺野古に新基地ができると普天間の人達は莫大な地代収入が入らなくて困るのである。沖縄の人達の米軍基地反対の闘争がいつも「県外」を主張するのもこのためで、彼らは鳩山当時首相の「国外」では地代が入らなくなって困るのである。

沖縄県は普天間の埋め立てを覆すのなら3000億円を政府に返却すべきで、お金は貰うが約束はほごにするというのは通らない。沖縄の人が本心から米軍基地に反対するのなら、彼らは「対米自立」をこそ主張すべきであり、アメリカが呑むわけがない「県外」を掲げるところに沖縄の汚い企みがある。沖縄の人達の「反基地」とは政府から金をむしり取るためのものにすぎない。

日本の島で暮らす国民の中で沖縄県は米軍基地をネタに豊富な政府資金を手に入れ段違いな豊かな生活をしている。彼らは米軍と政府補助金獲得で結託しており、普天間基地を何としても存続するつもりなのである。沖縄県民には愛国心などみじんもなく、あるのはたかりゆすり根性のみである。

こうした訳なので政府が工事を再開すれば、沖縄県は裁判で新基地を阻止することになる。金が絡むと沖縄県人はしぶとい。そんな訳で辺野古の基地は完成しても普天間にアメリカは居座り、沖縄県もそれを支持することになる。政府は辺野古の基地で無駄金を使っていることになる。

オバマは「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と語っており、現在世界中で「非介入主義」を実践している。日本政府がアメリカ軍に大金を使うなら、その金で自衛隊を強化し、対米自立する方がはるかに安上がりなのである。沖縄が「犠牲になっている」かの振りをして政府から金をむしり取る不当をこれ以上許すべきではない。

オバマ無気力外交は変わるか?

オバマ政権になって、アメリカの中東への影響力は大きく後退した。中東・アフリカの混迷は深まり、世界中の難民は5000万人を超えた。オバマはロシアを地政学に目覚めさせ。ウクライナを内戦に導き、クリミアをロシアに与えた。アジアでは中国拡張主義がのさばり、北朝鮮は核開発を続けている。オバマはイランの核開発を容認し、キューバとの国交を回復しつつある。いまやアメリカの世界の覇権は見る影もなく、ロシアと中国がのさばり、多くの難民が欧州を目指す事態になった。

オバマ外交とは、事実上の「息継ぎの和平」という帝国主義的な戦略的後退であった。「アメリカは世界の警察官ではない」「同盟国の争いに巻き込まれたくない」というオバマの発言は、世界覇権の維持の視点はみじんもなく、極端なまでの非介入主義である。

オバマの決断の無さが「イスラム国」をのさばらせたと、「息継ぎの和平」の先輩であるカーターがオバマ外交を批判していることで、より明瞭にオバマ外交が腰ぬけ外交であることを示している。オバマの無気力外交で世界はアメリカの1極支配から多極化が一層明確になってきた。

多極化の一角を目指す野心国は、クリミアや東シナ海や南シナ海でアメリカの覇権維持の決意をうかがっているのに、オバマはこれにあまりにも無関心で、ただ中国のサイバー攻撃に関心を示したのみであった。「オバマ政権で国防長官を務めた人物が、退任後に次々と、大統領には断固たる行動力がないと強く批判している」とカーターすらが批判している。

オバマの誤りは、中国社会帝国主義の危険性を認識していないことである。あまりにもオバマがノー天気なので韓国が中国にすり寄りフインランド化し始めている。オバマは「アメリカの戦略がアジアにシフトする」と言ったが実際にはアジアから後退し、中東から後退し、アフリカから後退している。

安倍首相が中国拡張主義の封じ込め外交を展開し、ロシアのプーチンの訪日を進めたが、オバマは不愉快な態度であったという。中国は中南米・アフリカ・中央アジアへの影響力を強め、今やアメリカにとって代わろうとの野心を隠そうともしていない。オバマの戦略転換は大統領就任早々にノーベル平和賞を受賞してから、「息継ぎの和平」の戦略は単なる「腰ぬけ外交」の繰り返しとなった。

オバマの最大の失敗は、対ロシア制裁でロシアを中国の方へ追いやったことだ。この結果日本は2正面戦略に直面し、安全保障上の危機に直面した。安倍は非介入主義の腰ぬけオバマに覇権の役割を求め戦争法を成立させようとしたが、オバマの腰ぬけ外交は変わりそうもない。既に大統領選が始まっている中で、アメリカはレイムダックの時期に突入している。

安倍首相は、アメリカに頼る安全保障政策の誤りを自覚し、独自外交でロシアを引き寄せ、中国とロシアを分断し、中国拡張主義への戦争に軍事的備えを急ぐべきである。日本はこの機会に対米自立し、オバマに頼らないで自分の力で国を守れるようにすべきである。

安倍首相をめぐる報道の異変!

自民党総裁選で無投票再選が決まり、「戦争法」も国会通過が確実になり、派遣法改悪法案も成立が確実になった。安倍政権には順風が吹いているように見ていた。ところが最近の報道には不可解な特徴が表れている。

安倍内閣の支持率が38%になったとか、支持率を不支持率が上回ったとか、月刊誌「選択」の9月号では「燃え尽き始めた安倍晋三」「後継者なき権力者の気力の衰え」「安倍は本当に首相を続けたいのか?」「再び支持率政治に陥った安倍」との安倍に関して否定的見出しが目につく。

週刊誌には安倍首相の喀血説まで報じられたという。鳩山首相が辞任に追い込まれた時もマスコミが普天間問題を大騒ぎして、世論を誘導した。現在の安倍首相も沖縄知事に辺野古問題で揺さぶられている。日本の真の支配者であるアメリカが日本の首相を取りかえるときにマスコミを使うのが常套手段なのである。

沖縄知事は辺野古で政権を揺さぶる前に訪米してアメリカと打ち合わせしている。オバマ政権は安倍首相の歴史認識に警戒しており、TPPも実際には成立させる力はない。安倍首相のTPPへの積極的姿勢はオバマの意図ではないような感じを受けている。安倍政権の「戦争法」は、アメリカ軍や官僚の受けは良くても、オバマ政権の不介入主義とは相いれないものがある。

ふつう自民党の総裁選で無投票で再選が決まれば、後継者不在で長期政権になることが確実である。ところがマスコミのこの反安倍の報道が示すものは何なのか?不可解としか言いようがない。もちろん従属国日本の特徴として、宗主国アメリカの意向で良いように首相が取りかえられるのが日本の特徴ではあるのだが?

従属国日本はマスコミ主導の政変が多いので、マスコミが不可思議な騒ぎ方をするときは国民は警戒した方がいい。不思議なのは安倍の対抗馬と見られていた政治家が無投票再選の後で派閥を結成する動きをしていることである。さらに不思議なのは安倍首相の覇気が無いことだ。安保法成立後の新しい政治目的も打ち出さない。何か政変が進んでいるのか、それとも安倍の健康問題か?もしれない。

アメリカのロシア・中国への認識上の誤り!

元社会主義国が官僚独裁の下で変質し、利潤導入・自由競争で資本主義化を進めても、土地や工場が国有企業であること(=社会的所有関係)と矛盾し、価値法則の放任政策は限界がある。このエセ資本主義国では、物は価値どおりに売られることはない。従って商売人は儲けることは消費者をだますことととらえ、詐欺行為が蔓延することになる。今の中国がこれである。

生産力の発展のためには労働力の自由な移動や民主的な政治形態が必要なのだが、官僚独裁の統制が民主化の障害となる。しかも官僚たちの政策追及は、経済目標の形式的追求となり、各地にゴーストタウンが乱立することになる。従って旧ソ連や現在の中国が最終的に軍需産業中心の経済になり、やがて必然的に拡張主義の戦争(旧ソ連のアフガン侵略がこれにあたる。)に突き進むことになる。

アメリカ政府は、ロシアや中国が民主的な資本主義になると思っていたのだが、実際は旧党官僚の既得利益集団が国家統制を政治支配の手段としているため、絶対に民主的政権になどにはならないのである。そこには元社会主義国が官僚独裁の既得利益集団のための生産であり、人民のための生産ではないのだから当然なのである。

つまり「社会主義の成果はなくならない」と言われるのは、社会主義が変質しても普通の資本主義国には戻らないということであり、それは社会主義の「社会的所有関係」が障害となって、また分配の不平等もあって価値法則が不十分にしか貫徹しないからである。これは言わば歴史的限界と言い換えてもいい。従ってアメリカが旧ソ連からロシアになり、その急激な資本主義化を進め失敗したのは当然なのである。

現在の中国が社会帝国主義に変質し、軍事拡張主義の道を暴走していることは、覇権を握るアメリカの将来の大敵を養成していることになる。しかしアメリカのオバマ政権の中国への認識は甘く、オバマは、まるでヒトラーの暴走を許した当時のチェンバレン英首相のごとくである。

世界の政治指導者は、社会帝国主義の中国への認識を変えるべきであり、名目的社会主義、実際の資本主義という、1党独裁の脆弱性からくる外への凶暴性が異常とも言える「反日」運動に表れている。それが内的矛盾の外的矛盾への転嫁が狙いであったとしても、軍が軍需産業を握る特殊な産軍複合体の経済であるため、武器の消費過程としての戦争を不可避にしているのである。

現在のアメリカがロシア主敵で、中国拡張主義の横暴を容認していることの危険を指摘しなければならない。いずれ近いうちに古い帝国主義アメリカと新興の社会帝国主義中国の間で覇権をめぐる戦争は避けられないと見ておくべきである。日本は一日も早くアメリカから自立し、米中の覇権戦争に巻き込まれないようにしなければならない。

アメリカ一辺倒の防衛戦略でいいのか?

安倍首相の防衛戦略は、アメリカの戦争の後方支援をすることで、日本を守ってもらおうとする属国根性そのものだ。その為に集団的自衛権の憲法解釈を閣議決定で見直し、「戦争法」を平和の名で成立させようとしている。このアメリカ一辺倒とも言える防衛戦略は我々から見ると極めて危うい。

アメリカのオバマが非介入主義であり、「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と語っていること。次のアメリカ大統領も同じ非介入主義の民主党大統領となる可能性が強いこと。アメリカ経済が対アジア貿易を縮小していること、オバマが中国の「新型大国間係」に一切反対していないことを見ると、日本の外交がアメリカ一辺倒でいいのかという疑問がわいてくる。

今世界の外交関係は激変している。アメリカがイランの核開発を容認したことで、サウジアラビアが反米の姿勢を強め、ロシアに急接近している。サウジアラビアはアメリカの対イラン外交に激怒しており、ロシアに100億ドルの投資を決めた。その狙いは対イランへの短射程の弾道ミサイルを購入することだと見られている。サウジが原油価格の暴落誘導で、アメリカのシェールオイル業者に市場戦争を仕掛けているのは、対アメリカへのエネルギー戦争である。

アメリカの工作で、ウクライナのクーデターと新政権抱き込みで、地政学に目覚めたロシアは欧米の経済制裁に対抗し、中国拡張主義に接近している。軍事力増強の中国を恐れ韓国は中国に尻尾を振り、フインランド化の道を進む。世界第2位の中国経済が低迷期に入り、世界中の株価が暴落し、新興国経済が危機に陥り、世界経済が長期低迷が避けられない中で、覇権国アメリカの内政重視の戦略が、世界の政治情勢を一変させつつあることを指摘しなければならない。

アメリカの内政重視・非介入主義がいつまで続くか分からないのに、日本の安全をアメリカに全面的に頼ることの危険を指摘しなければならない。最低限日本外交は2正面に敵を迎えることを避けるために対ロシア外交を大胆に転換するべきである。ロシアのプーチンは技術力に劣る中国よりも、日本との経済関係を結びたいと考えている。ロシアの資源を購入すれば、日本は支払い能力ある市場が手に入る。中ロ関係にくさびを打ち込めば2正面を回避できる。

現在のオバマ政権はTPPですら締結のために譲歩できない弱体政権であり、日本が戦争法を制定しても当分の間アメリカの非介入戦略は続くのである。世界が急激に多極化して、外交関係が激変している時に、多極化の中の複数の大国と経済的相互依存の関係を築くことの重要性を指摘しなければならない。中国が侵略的な社会帝国主義に転化していることは、無視すべきではない戦略的課題である。いつまでも対米従属を続けていいわけがない。自立なしに自主外交は出来ないのである。対米追随一辺倒の安倍売国政権の戦争路線は多極化の中では「亡国の道」なのである。

史上最低の国連事務総長パン・ギムンの無能!

世界中で動乱・宗派対立・内戦が拡大し、世界の難民がこの1年で830万人増え、難民の総数が過去最多の5950万人になり、国連の難民対策が急がれる事態になっている。何十万人の難民が欧州へ押し寄せルートに当たる国々で大混乱が起きている。しかし国連は何もしない。

それもそのはず、その時に国連事務総長のパン・ギムン(韓国人)は北京の天安門上にいた。「抗日戦争勝利70年」の記念大軍事パレードに拍手を送っていたのである。かって民主を叫んだ学生達を戦車で蹂躙し、ウイグル族やチベット人を虐殺している中国軍、東シナ海と南シナ海で戦争挑発をしているヒトラーのような中国軍の大軍事パレードに国連事務総長が拍手を送ったのである。

彼は言った、軍事パレードは「非常に素晴らしかった。中国人民の平和を守ろうとの願いが十分に示されていた。」人民日報は軍事パレードで「日本を震え上がらせる」と報じた。まるでヒトラーの軍事恫喝とうり二つである。パン・ギムンにはそれが平和に見えるらしい。

米誌ニューズウイークは「世界で最も危険な韓国人」と題して、「歴史的にレベルの低い国連事務総長の中でも際立って無能。核拡散の脅威や難民危機にも関心を示さないバンのおかげで、国連はあってもなくても関係ない存在になった」と評した。バンは「世界中で名誉学位を収集して歩き、見事なまでに何も記憶に残らない声明を発表し、事務総長として影響力を発揮できたかもしれない貴重な機会を無駄にする事に費やしている。」

イギリスのガ―デイアン紙は「存在不明人間(透明人間)パン・ギムン国連事務総長の活動への動揺広がる」と題して「歴代事務総長の中で最低の2人に入る」と厳しく批判した。残虐行為に強力に反対する意見も出さず。多くの難民を放置し、無責任で、韓国人を優遇する国連人事でひんしゅくを買い、もはやその無能が世界中の認識となった。

バン・ギムン国連事務総長は次期韓国大統領選に出る為に、現在事前運動の際中だと言われている。韓国国内では不思議な事に、この世界的な無能者が人気があるらしい。5950万人の難民が飢えに直面している時に、国連事務総長が世界の指導者を訪問して資金を集め救済事業をやるべきであるのに、何もしないことで彼は世界的無能者になった。

いまや彼を擁護するのは中国拡張主義と韓国国民だけである。

国家戦略を誤った韓国大統領の「バランス外交」!

韓国のパク・クネ大統領が中国の「抗日戦勝利70周年記念軍事パレード」で天安門上に習近平と並んだことが、韓国では「世界最高のバランス外交」ともてはやされ、パク・クネ大統領の支持率が何と50%を超えた。

韓国が技術力の無い中国に尻尾を振っても、今後韓国経済にプラスになるとは思えないのである。単に対中輸出が24%になったからと言って、今後長期の経済停滞に入る中国に未来があるとも思えないのである。

半島国家が、軍事大国の大陸国家に政治的に従属するのは宿命だが、韓国のようにアメリカ軍に防衛されているにもかかわらず、言わば朝鮮戦争の敵国に尻尾を振ることは「バランス外交」ではなく、属国化=フィンランド化と言うべきであり、とても民族の将来を考えると良いこととも思えない。

ただ李王朝500年の歴史が中国王朝の属国であった歴史から見れば、従属的地位に安心感があるのかもしれない。しかしアメリカの世界覇権に「新大国間係」を提起して、覇権の分有を狙う野心国中国のヒトラーばりの軍事パレードで、自己の力を見せつける軍国主義に追随する危険を指摘しなければならない。

経済破綻に直面する中国に媚びて経済的施しがあるとも思えない。今日の韓国経済が日本経済との関係の中で発展したことを忘れた親中国外交が、韓国の経済危機を招くことになるであろう。中国の巨大化に恐れおののき、属国化(=フィンランド化)する事が、「世界最高のバランス外交」で有るわけがない。社会帝国主義に転化した拡張主義の中国に追随することは、韓国にとって亡国路線と言う他ないのである。

韓国国民は、韓国の未来が日本との経済技術関係強化にこそあることを冷静に見るべきである。アメリカと中国のバランスの中で目先の利を求める外交は、戦略的視点を欠いた誤りと言うべきである。間違った外交で支持率が急上昇する韓国世論は捻じれていると言うしかない。韓国の敵が北朝鮮であり、その後ろ盾が中国であることを韓国国民は忘れてはいけない。こんな発想だから500年間も属国を続けることになるのである。自由と民主主義を軍事力で踏みにじる中国に、目先の利益を求める韓国大統領の過ちを「バランス外交」などと賛美してはいけない。アメリカのオバマが内向きで頼りにならないから、と言って敵に尾を振ることが正しいわけがない。

世界経済の長期低迷が及ぼす波紋の拡大!

中国人民銀行が元の切り下げに踏み切り、上海株式市場の統制でバブル崩壊を先送りしたが、中国経済が既にマイナス成長であることは今や誰も否定しない。中国では過剰生産で過剰な在庫が積み上がり、今や発展途上国からの資源の輸入が半減している。

中国経済の減速で世界中の株価が暴落し、今後中国市場に依存する日本や欧州の経済も減速に向かう可能性が強い。見逃せないのは世界経済の成長を支えてきた新興国(=資源輸出国)が資源輸出額が半減し、しかも資源価格が暴落してブラジルや南アフリカ、インドネシアなど資源輸出国が経済危機に直面していることである。

オランダの投資顧問会社が新興国を調査したところによると、2014年6月から今年7月までの13ヶ月で資本流出額は9420億ドルに上ったという。この19カ国には2009年7月から14年6月までの5年間で2兆ドルもの資金が流入していたが、それが過去1年あまりの間に半分が国外に流出したという。発展途上国からの資金逃避は世界的不況の長期化を不可避としている。

中国が鉱物資源等を南米から買わなくなって、南米各国はとたんに金回りに困るようになり、輸入を控えるようになった。新興国通貨は米ドルに対し軒並み下落している。ロシアのルーブルは過去1年間でドル換算の価値が半減した。ブラジルのレアルは3分の1以上ドルに対し価値を失った。インドネシアのルピアも5分の1価値を減らした。インドネシアは新幹線建設の資金のめどが立たなくなっている。

つまり中国経済が低迷期に入り、日本や韓国や中国が当てにした「東南アジア市場」「中南米市場」はこの1年で消えてしまったのである。原油安・資源安で潤うのは資源輸入国のインドや日本ぐらいなものである。今後アメリカの利上げがさらに途上国からの資金流出に拍車をかける可能性がある。中東の産油国も原油価格の暴落で収入が半減している。

中国の不況、発展途上国の不況がアジア・アフリカ・中南米の経済的打撃を拡大し、政治危機を招く可能性がある。アフリカや戦乱の中東から難民が豊かな欧州へ大量に流れ込み、欧州でネオナチ等の民族排外主義が台頭する情勢が生まれている。難民の大量受け入れはドイツにとって安上がり労働力の流入で経済的に有利な面もあるが、治安は悪化していくであろう。

世界的規模の不況が、人々を豊かな国へ流入させる動きは、世界的経済危機とそれに伴う戦争が引き金になっている。世界的規模の経済恐慌が世界中を動乱の渦に巻き込みつつあることを見て取るべきである。日本は対米自立して北方領土問題を解決し、対ロシア貿易によって経済危機を切り抜ける好機が来ている。対米従属で戦争の道に進むことに反対しなければならない。

安倍首相は対米追随の外交をやめよ!

日本政府のTPPの交渉は完全に失敗した。アメリカ議会が野党に主導権を握られ、しかも大統領選に入りつつある中で民主党支持者はTPP反対派が多いのである。つまりオバマ政権は始めからTPP交渉は、形だけではなから合意する気はなかったのである。ところが日本政府は愚かにも農業分野で譲歩に譲歩を重ね、しかも得るものは何もなかったのである。

大統領選を前にオバマ政権はレイムダック化しており、シリアやイラン問題・ウクライナ問題を見ても無責任な非介入主義を貫いている。オバマ外交は平気で同盟国を危機に陥れる。イランの核開発容認でイスラエルが危機に直面し、ロシアを地政学に目覚めさせウクライナを見捨て、プーチンを中国側に追いやって日本が2正面に直面するように仕組んだ。

ロシアのプーチンは国民の支持率が極めて高い、そのプーチンが北方領土を「引き分け」で解決しようと呼びかけているのに、安倍政権はオバマが怖いので北方領土が半分帰ってくる好機を逸したのである。ロシアとの貿易関係を強化すれば日本はエネルギーの輸入先を多元化できるだけでなく、支払い能力のある市場を手に入れられる。

TPPで経済が衰退しているアメリカに市場を求めなくとも、隣国に大きな市場が存在しているのに安倍政権は田中角栄が訪中を決断したように、対ロシア外交を決断する勇気がない。みすみすロシアとの経済的相互依存関係を結ぶ好機を逸しつつある。安倍首相ら右翼の意識は「ロシアは信用できない」と言う、しかし戦前の旧ソ連との相互不可侵条約は、経済の相互依存関係がなかったから意味をなさなかったことを右翼は愚かにも理解していない。

安倍首相が平和・安全の名で戦争法を成立しでアメリカに貢献しても、アメリカが日本を守る保証は何もない。日本はへなちょこオバマが大統領のうちに対米自立し、自分の国は自分で守るようにし、外交でロシアを中国から引きはがし、中国覇権主義の侵略に備えを強めなければならない。安倍首相の過度の対米従属の奴隷根性が日本外交を歪めていることを指摘しなければならない。

北載河会議の山場で起きた「天津大爆発」の陰謀!

月刊誌「選択」の9月号の記事「中国政局に火を付けた天津爆発」と「逆噴射する中国経済」は非常に興味深い。いずれも「天津大爆発」が北載河会議の山場で起きた「人為的事件」・反腐敗闘争への反撃、すなわち陰謀説を取っていることである。

現在の中国政局は習近平の「反腐敗闘争」に反対する火の手が全国に広がり、地方幹部、解放軍、国有企業等の幹部が共闘し、習近平に対する包囲網を形成しているらしい。中国人民の中では指導部暗殺が噂として広がり、北載河会議の場が激しい権力闘争の場となり、天津大爆発も習近平の側近が拠点にしている天津で陰謀を画策し、事実習近平はトカゲのしっぽ切りをしなければならなかった。

「天津大爆発」は打倒習近平を狙う勢力の陰謀だったのは間違いないと見られている。不思議なのは例年なら北載河会議の内容がニュースになるのに、今年は一切流れないことだ。北載河会議の議題が(1)中国経済の危機とその責任(2)秋の中央委員会全体会議に出す人事案(3)中国株式市場の危機への対応などが予想できる。この北載河会議の内容が流されないのが権力闘争の深刻さを示しているのかもしれない。

指導部の深刻な対立抗争の中で、中国国民の中では毛沢東の生地などゆかりの地を巡る「赤い旅行」が盛り上がりを見せている。党幹部の深刻な腐敗の中で、中国人民は毛沢東時代の清廉な政治への郷愁が広がっているのである。

中国の経済危機は、自由主義国なら産業循環で経済矛盾が解消されるのだが、習近平走資派指導部は株式市場の統制で事態を乗り切ろうとしている。一党支配の権力で資金を投入し株価を支え、国有企業に保有株の売却を禁止し、取引停止の銘柄を増やしても危機がなくなるわけではない。しかも深刻な権力闘争が「天津大爆発」と言う形で激化しているのであるから、中国は経済も政局も危機の中で実力行使の段階に突入していると言える。

毛沢東は「物事は極まれば反転する」と言った。走資派指導部の「社会主義市場経済」が限界まで達しつつあることは間違いない。少なくとも習近平の「新常態」の経済引き締め策は完全に破たんしたのである。習近平政権の幹部たちは、例年行う地方視察さえテロを恐れて行えない状態で、中国共産党中央が現在「反日」を抑制しているのは、支配層の対立が過激化しているもとで、人民を激発させる危険を自覚していることが背景にある。

経済も、地方も、都市も、少数民族も、人民も、幹部間も、矛盾が激化して、人民が毛沢東を懐かしむ傾向は、中国社会が反転の時を迎えつつあることを示しているのかもしれない。過激化している中国における権力闘争の行方が注目される。

オバマの対中国へなちょこ外交が事態を悪化させる!

習近平政権は国内で自由・民主・人権・法治を踏みにじるファシスト政権である。南シナ海の航行の自由の侵害やサイバー攻撃や、大気汚染の垂れ流しや株式市場の統制など、自由経済を尊ぶアメリカの原則をことごとく踏みにじっている。

ところがこの中国の横暴に対するアメリカのオバマ外交があまりにもへなちょこ過ぎる。習近平との2年前の米中非公式会談での習近平の「新型大国間係」を未だにオバマは拒否していないのである。習近平の「新型大国間係」の中身で重大なのは「核心的利益の相互尊重」である。

中国にとっての核心的利益とは台湾・チベット・ウイグル・南シナ海・魚釣島(尖閣諸島)である。近年オバマ政権がこうした核心的利益を尊重する様は、ヒトラーに対するチェンバレン英首相(当時)のようである。昨年11月の米議会の諮問委員会報告が中国に融和策を取るか、紛争の危険に直面するか二者択一を迫っていることを指摘し、アメリカの統合参謀本部が中国を「潜在的敵性国家」に位置付けたが、オバマ政権の対中融和外交に変化は全く見られない。

過去10年前にアメリカは対ASEANの全貿易の20%を占めて第1位であったのが、今では中国・欧州・日本に次いで4位に下がっている。アジアに対するアメリカの経済的地位は減少している。中国はこの点から、アメリカにアジアの同盟国を見捨てるように暗に迫り、中米の「新型大国間係」を受け入れさせようとしているのである。

問題は、オバマ政権が未だに中国に曖昧な対応をしていることである。しかもアメリカ政局は大統領選に入りつつあり、オバマ政権がレイムダック化しているので、今更中国の「地理的経済学的、軍事的力を規制する方向にアメリカは対中政策を転換」(外交問題評議会研究員報告)することは難しい。オバマ政権は中国社会帝国主義の危険性・凶暴性に対する認識が甘すぎると言うしかない。

日本にとって心配なのは、パククネ韓国大統領が中国の9月3日の抗日戦勝利の記念大軍事パレードに参列することである。今や韓国の「フィンランド化」は深刻で米・日・韓の軍事同盟は事実上空洞化している。こうした「フィンランド化」が他のアジア諸国に広がるのは時間の問題であり、全てオバマの曖昧な対中外交に原因が有る。これでは尖閣問題が米中の「見解の相違を認める」として核心的利益を事実上認めることにつながりかねないのである。

習近平国家主席が今年9月に訪米(公式訪問)し、米中首脳会談が行われる。この会談内容が日本やアジア諸国にとって戦略的に極めて重要なものとなる。

大軍事パレードで社会帝国主義の力を誇示する中国!

中国の9月3日の「抗日戦争70周年記念」「世界反ファシスト戦争勝利」の大軍事パレードの狙いがいろいろと論じられている。「自信を示し投資家の疑念を打ち消す」(参考消息網)「中国軍事パレードの主たる狙いは「抗日」ではない」(米ニューズウイーク)「日本を震えがらせ、世界に向け中国が戦後の世界秩序を守る断固たる決意を示す」(人民日報)様々な解釈が出されているがどれも本質を欠いている。

現在の中国は反腐敗の「トラ退治」をやり過ぎて走資派指導部内の派閥対立が激化し、経済はバブル崩壊寸前で、土地を取り上げられた人民は憤激し暴動に立ちあがり、ウイグルやチベットの独立闘争も激化している。「改革開放」で発展した沿海地域と、経済発展が遅れた内陸部の矛盾も拡大している。

中国の習近平指導部は、内的諸矛盾を大軍事パレードで国威を発揚し、社会帝国主義としてアメリカと肩を並べた大国であることを世界に誇示することで、米中の「新型大国間係」の力を世界に見せつけることで、アメリカと世界の覇権を分有する野心を見せつけようとしている。

巨大な軍事力を世界に見せつけることで、覇権への野望を目指す点においてはヒトラーと何ら変わりないことを指摘しなければならない。中国社会帝国主義の体質は官僚独裁のファシズム的体質であり、その脆弱性の裏返しとしての凶暴性は、海洋戦略を目指すうえで、太平洋の出口にあたる日本にまず向けられていることを忘れてはいけない。9月3日が近づくにつれ中国国内のテレビ番組の内容が反日の宣伝が増えていることを見れは「抗日」ではない、などとは絶対に言えない。

中国走資派指導部は世界第2位の経済力で自信過剰になり、大国主義に酔いしれ、世界の覇権を保持するという「中国の夢」を追い始めた。世界第2位の経済指標が実は官僚どもの嘘の報告の積み重ねに過ぎないことも忘れて、砂上の楼閣にも等しい軍事大国を突き進んでいる。日本民族にとっていまや中国が主敵となっているのである。

世界はいずれ覇権国(=アメリカ)と新興の覇権国(中国)との覇権を賭けた対立へと突き進むことになるであろう。中国拡張主義が危険極まりない道を爆走し、日本がその侵略に巻き込まれる可能性は高まっているのである。対米追随でアメリカの戦争の手伝いをするのか、それとも対米自立して平和主義を貫くのか、日本は重大な民族的・戦略的岐路にぶつかっているのである。
SEO対策:政治