日本を危うくする安倍首相の対米従属路線!

安倍首相の路線は何処までもアメリカに従属することで日本の存続を図ろうとする対米従属路線である。この路線が危ういのは、第1にアメリカのオバマ大統領が民主党であり、現在アメリカ経済の立て直しに集中し、「息継ぎの和平」の局面であること。つまりオバマは「同盟国同士の争いに巻き込まれたくない」と発言して経済重視の戦略を取っており、中国の拡張主義からアメリカが日本を防衛するとは限らないことである。

第2に、世界はユーロ圏、元圏、ドル圏等に分かれており世界の多極化が進んでいる。アメリカの巨大な軍事力を支える世界通貨ドルの発行益・及び米国債購入国は減少していくことになる。つまりアメリカは巨大な軍事力を保持し続けることは出来ない。しかもオバマのアメリカ経済再建策は成功しておらず、アメリカの覇権が延命する条件は小さい。

第3に、アメリカの覇権が延命するとする必要条件は、TPPで日本の世界最大の資金を奪い、日本市場を手に入れること以外ないのである。つまり安倍は「日本の国益を守る」と言いながら、国益を狙うアメリカに引き続き従属し、民族的利益を売り渡す裏切りをやろうとしていることになる。

第4に、覇権国アメリカの衰退の中で、日本は戦後初めて対米自立の好機を迎えているのに、安倍は民族の利益をTPPでアメリカに売り渡して、日本の国益を放棄しようとしていることである。自立すれば、日本はロシアとも、中国とも、EUとも、アメリカとも対等に貿易ができる。貿易立国を掲げる日本が、多極化の下でアメリカだけに従属する危険を指摘しなければならない。

第4に、安倍政権の進める労働分野の規制緩和は、日本経済を一層の縮小再生産に追い込むことになる、これでは日本は中進国に転落しかねない。トヨタなど多国籍企業は外国で儲けるから良いであろうが、日本国民は衰退する国民経済の中で苦しむことになる。TPPで農業は破壊され、アメリカルールの中で日本の市場はアメリカ企業の喰い物にされるであろう。

以上の点から、我々は安倍首相の対米従属路線に反対する。つまり世界の多極化の中で日本は自立・平和・中立の日本を目指すべきであり、その為には小さくとも強力な軍事力を保持しなければならないと考える。アメリカへの属国化の政策を進め、アメリカのための戦争をやりながら、国民に日の丸・君が代を強制する売国右翼=安倍政権の胡散臭さを指摘しなければならない。
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超格差社会アメリカの困難と、その経済戦略!

アメリカは新自由主義で一層の格差社会となった。中産階級が押し並べて貧困化し1%の大金持ちが99%を支配する社会になっている。1%の人が70%以上の富を独占する超格差社会である。

アメリカの中流階級の85%が今の生活水準を維持できない、と回答している。1%の金持ちの富は増え続け、同時に貧困層が増えているのである。

金持ちは郊外へ、貧困層は都市のスラムへ、これは事実上の人種隔離政策とも言えるもので、黒人の貧困の固定化でもある。この結果白人警官が黒人を射殺する事件が続発している。アメリカにおける中南米からの移民が低賃金労働力の流入で、中流階級の労働者の低賃金化が進んでいる。

黒人と移民が貧困層であり、この貧困構造を黒人大統領のオバマでもどうしょうもない。富の格差が学歴の格差となり、金持ちと貧困者の2極分化が極限まで進んでいる。アメリカの貧困層は絶望的な経済的貧困の中で喘いでいる。

アメリカは世界一の借金国であり、唯一の景気対策であった戦争の結果、財政赤字が深刻で、頼みの戦争政策も取れず。オバマは現在非介入主義=「息継ぎの和平」に戦略転換している。

こうしたアメリカが、打ち出した経済戦略がTPPであり、世界一の金持ち国日本を搾取収奪の生贄とすることである。つい最近までアメリカの労働者が「雇用を失う」としてTPPに反対していたのに、最近議会の風向きが変化した。TPP条約の内容が議会に公表され、その内容が日本から富を奪う内容であることが分かって、議会が賛成に転じたと見ることができる。

つまりTPPとは不平等条約であり、金融・特許・医療機器・医療などでアメリカが日本にアメリカルールを押し付け、日本から富を奪いつくす戦略なのである。その為に「毒素条項」と呼ばれる(1)「投資家対国家紛争解決条項」が含まれ、アメリカの投資家が日本で当初期待した利益が上がらなければ日本政府に賠償させることができる。

さらに(2)ラチェット条項は一度決めた約束は、後でどのようなことが発生しても変更できないという内容である。(3)スナップパック条項とはアメリカだけは不利であれば一方的に条件や関税を変えられる、という狙いがある。(4)また許可・特許連携制度とは知的所有権を多く持つアメリカに有利な条項なのである。

日本はTPPの条約で、対米従属ゆえにアメリカに富を奪いつくされようとしているのである。世界最大の債務国アメリカは、世界最大の債権国日本を生贄にしようとしている。
我々は、日本は対米自立すべきであり、いつまでもアメリカの国債を買わされることから脱出すべきであり、自分の国は自分の力で守るべきであると考える。安倍政権は徹底した対米従属派であり、TPP参加・戦争参加の売国政治でアメリカに奉仕しているのである。

安倍政権の体質露わにした報道規制発言!

自民党の若手議員による勉強会「文化芸術懇話会」で沖縄の2紙を潰さなければいけない、として経団連に圧力をかけ広告を規制するなど報道機関への圧力を強める発言がされた問題は、まさしく安倍政権の体質をあらわしているものである。

靖国参拝や歴史見直し発言で韓国や中国を挑発し、反日世論を高めさせ、これに反発する国民世論を右傾化させ、マスコミの報道をたえず批判し、圧力を加え、報道を自分たちの有利なようにコントロールしてきた。安倍政権のマスコミへの圧力は度々これまでも報じられてきた。しかしそれが特定の新聞社を「潰さねばならない」との発言は言論の自由へのあからさまな挑戦と言うべきである。

言論・主張の多様性が民主主義では当然で、重要であるし、権力を監視するマスコミの役割を理解せず、政府批判をしているから潰すというのはいかにも右翼的発想、反民主主義的である。自民党は昨年の衆院選の時もテレビ各局に圧力を加える文書を出したり、4月にはテレビ局幹部を事情聴取したりしている。言論の自由・報道の自由も保証しないファッショ的体質がうかがえるのである。

言論統制の体質は中国や韓国と本質上変わらないと言える。「安倍さんを応援する会だ」という自民党青年局の勉強会「文化芸術懇話会」が、こうした反動的体質を露呈して安倍政権のひいきの引き倒しのようなことになっている。元々安倍政権は陰謀的に中国・韓国の反日を利用するなどやり方が汚いので、今回のことが発覚しても、やはりと思う人が多いのである。

現在対米従属の戦争法案をめぐり、国会の会期を3カ月以上も延長するなどしているのに、その戦争法案と報道統制がセットではないかと国民に勘繰られても仕方がない。報道の自由を奪う発言を公然と論議するなど自民党の右翼的体質は驕り・暴走ともいえるレベルに達していると言わねばならない。

安倍政権が国家機密法を真っ先に制定したことを見ても、その反動的体質は明らかであり、こうした体質は改められるべきであり、改められないのであるなら対米従属の戦争法案は撤回すべきであろう。こともあろうに中国や韓国の「日本軍国主義」批判の正しさを自ら立証するようなことはあってはならないことであり、自民党が木原青年局長を更迭する方針を固めたというのも当然である。

安倍政権が最も注意すべきは身内の驕りであり、その反動的体質である。今回の報道の自由を奪うかの発言は彼らの本音であり、それ故に深刻な事態なのである。憲法違反の集団的自衛権の戦争法案をこのような反動的政権に許せば日本を亡国へと導くことになるであろう。安倍政権は対米従属の戦争法案を直ちに撤回すべきである。

安倍首相の対ロシア外交がアメリカの反対に直面!

安倍首相がプーチンロシア大統領の訪日を求める意向を示した事について、アメリカ国務省のハーフ副報道官は5月20日「反対する理由はない」と述べたが、その2日後ラッセル米国務次官補は「我々はロシアに平常通りの対応はしていない。日本政府も現状ではこの原則を守ってくれると思う」と述べ日本の対ロシア外交をけん制した。ケリ―国務長官も日本政府が「アメリカの政策を取り違えているとは思わない」とけん制した。

日本は中国覇権主義の尖閣諸島等日本の南西諸島への侵略に直面して、自衛隊の防衛主要正面を北海道から南西諸島へと移している。日本には中国とロシアの2正面戦略をとる余裕はなく、いかにアメリカがウクライナ問題が重要と言っても、ロシアを中国側に押しやる戦略は支持できないのである。
アメリカはウクライナのネオナチ勢力にテコ入れし、クーデターを起こさせ、ウクライナ政府をしてNATO加盟へと動かすことでロシアのプーチンを地政学に目覚めさせ、クリミア併合とウクライナ東部の親ロシア戦力への支援を導き出した。EUは東欧へのロシアの領土的野心にうろたえ、アメリカに同調して対ロシア経済制裁に踏み切った。

アメリカは、EUが東欧をユーロ経済圏に引き込み、対ロ貿易もアメリカの対ロ貿易の10倍にまで拡大し、そのユーロ経済圏拡大がドル経済圏にとって脅威となってきたので、ウクライナ問題に火を付け、ユーロ経済圏の東への拡大を阻止したのである。アメリカは当初ロシアを普通の資本主義にできると考えていたが、実際には旧社会主義国は旧官僚支配を逃れられず、国家資本主義にしかならなかったのである。

しかも現在のロシアはエネルギー輸出国であり、中国覇権主義のような野心は存在しない。ただ旧ソ連圏を全てNATO加盟へと導くアメリカのやり方に怒りを持っているだけである。アメリカの戦略的意図は、ロシアの封じ込めにあるのではなく、EU経済圏からの分断にある。ユーロ経済圏が大きくなるのは希望しないということであり、同時にロシアの大国化も阻止したいのである。

EUがアメリカの意図に気づき、中国のアジアインフラ投資銀行に参加を決定したことは、アメリカにすれば裏切り行為なのである。このような中で安倍首相がロシアとの話し合いを続ける意思を表明したので、アメリカは当初「反対する理由はない」と言いながら、直後にプーチン訪日に反対をにおわせたのは、日本が対ロシア関係を正常化してシベリアの資源とロシア市場を手に入れることで対米自立を考えていると、疑心が出てきたことによる。

EUの東への拡大と中国の台頭で世界が多極化しつつある中で、アメリカの覇権が危機にさらされアメリカが財政危機で、軍事介入を回避せざるを得ない中で、集団的自衛権でアメリカの戦略に協力を申し出ている対米従属派の安倍でさえ、アメリカは疑心の目で見なければならない点に、アメリカの相対的衰退が表れている。安倍首相がアメリカの反対を押し切って対ロシア外交を前進させられるかどうか世界の注目を集めている。

中国経済のバブル崩壊が始まった!

5月に入ってから日本の中国向けの輸出が伸び悩んでいた。これは中国経済の減速の表れと見られている。中国税関総署が6月8日に発表した5月の貿易総計によると輸出が前年同月より2,5%減っている。中国の5月の輸出は欧州向けが6,9%減、日本向けが8,1%減っている。5月の輸入は前年同月比17,6%の減少で今年に入ってから毎月10%以上の大幅減が続いている。

こうした中で中国で株価が急落し始めた。上海総合指数は前週19日の市場で6%の大幅安となった。バブル的様相の中国株が急落し始めたことは日本にとっても影響は避けられない。バブル崩壊が近いことは大方の見方であったがそれが始まったと見るべきであろう。

中国は大気汚染・河川の汚染で水の安全が崩れ、空気だけでなく、野菜などの食品まで危険な状況が生まれている。地方経済の活性化を狙って作り上げた多くの工業団地は、「新鬼城」と呼ばれるゴーストタウンとなり、理財商品の破綻は確実で、しかも不動産価格の上昇はバブル崩壊が近いことを示していた。

元々中国は「社会主義国」(=その後国家資本主義になった)であり、毛沢東時代の集団化で資本主義が発展しにくい環境にある。しかし不動産の払下げによる国家財産の横領で「成り金」は多く生まれるので、経済特区では工業化が進んだ。外国企業が生産拠点としたのであるから世界第2位の経済にまで発展した。しかしそれも賃金が上がり、生産拠点から撤退する企業が出始めて、中国経済は産業の空洞化の危機に直面している。

こんな状況であるのに中国政府は経済成長が7%台などと言う、およそ現状とかけ離れた数値を発表している。もちろん粉飾である。大気汚染・水も汚染・食品も汚染で、金持ちは国を捨ててアメリカなどに逃げ出し始めている。国内の無人島を買い占め住み始めた金持ちも出始めた。多くの日本企業が撤退しはじめて中国政府は「反日」を中止せざるを得なくなった。習近平が安倍首相に笑顔を見せたのは経済的破綻が迫っていたからであった。

著名な投資家のジョージ・ソロス氏が世界銀行ブレトンウッズ会議の席上で「もし中国経済が衰退期に入れば、第3次世界大戦が起きる可能性があると言っても過言ではない」と述べたのは、中国が内的脆弱性から、内的矛盾の外的矛盾への転化があり得ること、つまり中国ほどの大国が拡張主義的暴走に移れば世界大戦の可能性は高いのである。

中国経済の今後の動向次第では日本経済も打撃を受け、安倍政権も危機を迎える可能性がある。いま世界中が中国経済の今後の動きに注目しているのである。

野党が国民の支持を得られない理由!

自公の議会支配は2つの理由で支えられている。一つは中国・韓国の反日で国民世論が右傾化したこと、二つは選挙の足として公明党を自民が抱き込んだことである。世論の右傾化で自民内の護憲派は急減し、維新のような右翼政党まで生まれた。これらは主要には中国・韓国の「日本は軍国主義だ」「日本は侵略を謝罪せよ」「従軍慰安婦への償いをせよ」と言う反日が影響している。戦後の請求権問題は解決済みであるのに、政権の支持率を上げるための「反日」の陰謀に屈するわけにはいかない。

巨大与党を野党の側から見ると、社会党=現社民党と共産党の「護憲論」の誤りが国民の支持を失うことになった。憲法9条はアメリカが日本を従属下に置き、いつまでも米軍が日本に居座るための従属条項なのであるが、護憲派は憲法9条を「日本の宝」「平和のシンボル」のように扱った。実際には日本の戦後の平和は、日本にアメリカ軍が居座ったため、どの国も侵略しなかっただけであり、平和は憲法9条のおかげではない。

日本の主要な矛盾は、日本を支配するアメリカと日本民族の矛盾であり、この主要な矛盾を解決するには対米自立が唯一正しい統一戦線スローガンである。鳩山・小沢が一時的であっても政権を奪い取ったのは、自民の「対米追随一辺倒」に対し、「対等の日米同盟」(=対米自立)を掲げたことが大衆の支持を獲得したからであった。

鳩山政権がアメリカの反発で打倒されたことは、アメリカが日本を従属下に置くことで、日本に米国債を買わせる巨大な利益を捨てるわけにいかなかったからである。アメリカの巨大な軍事力は他国(=従属同盟国)に米国債を買わせることで維持されているのである。これは人類の歴史で初めての、債務大国の軍事覇権の経済的仕組みと言うべきである。

アメリカの意向で鳩山政権が打倒されて以後、日本の野党はアメリカ批判を一切しなくなった(=できなくなった)。共産党ですらアメリカ批判を避けている。野党が日本の主要矛盾を解決する対米自立を掲げることができず。自公の「対米従属」に追随している限り、日本では政権交代は起こらないであろう。

戦後70年も経つのに、未だにアメリカに従属する日本の姿は情けない限りである。自国の防衛すら自分でできないのに、日本が軍国主義で有るわけがない。かっての日本軍国主義の侵略戦争を行き過ぎるほど反省しているからこそ、日本は戦後70年間戦争をしていないのである。安倍政権はアメリカの戦争の手伝いをすることで日本の安全保障を得ようとして集団的自衛権の戦争法を制定しょうとしている。これは究極の従属根性と言うべきだ。

朝鮮戦争とベトナム戦争を闘って、徴兵制度のある韓国の方がよほど軍国主義である。中国は第2次大戦後チベット・ウイグルを侵略し、朝鮮戦争、中ソ国境紛争を闘い、ベトナムを侵略した。現在は日本の南西諸島を狙い、南シナ海を略奪しようとしている。中国は中央アジアとシベリアを経済圏に巻き込もうとしている。中国社会帝国主義はヒトラーのような拡張主義であり、すでに全世界の国と民族の主要な敵となっている。

対米自立・平和主義の堅持・中立・自主防衛の日本を作るべく、新しい野党の登場が待望されているのである。

現状では、日韓関係の改善はありえない!

韓国のユン・ビョンセ外相と岸田外相は21日都内で会談し、関係改善へ努力することで一致した。また韓国が異論を唱えていた「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録について、韓国が推薦する「百済歴史遺跡地区」と共に双方が協力で合意した。懸案の旧日本軍による従軍慰安婦の問題では、外務省局長級協議を継続することで合意した。

これを受けて22日の国交正常化50周年には安倍首相とパク・クネ大統領が両国の大使館が開く記念行事に相互に出席することになった。しかし従軍慰安婦問題では双方の主張は大きく対立しており、解決は難しく、世界遺産に日本側がどのように強制徴用の問題を反映させるかも明確ではない。
今後発表される戦後70年を記念する安倍首相の談話の内容に韓国への謝罪がなければ、両国は再び対立関係に逆戻りするだろう。今回韓国政府が外相を4年ぶりに訪日させたのは、韓国経済が深刻であること、アメリカ政府の日韓関係改善の圧力を受けてのことであり、今回の外相会談で日韓関係が改善される保証は何もないと断言できる。

韓国の歴史を無視した「反日」で日本の世論が右傾化し安倍政権の誕生となった。韓国の歴代大統領は自分の支持率を上げるために何度も「日本に謝罪」をせまり、従軍慰安婦20万人の強制拉致による性奴隷をでっち上げてきた。実際には日韓国交正常化時に8億ドルの賠償金が支払われ、請求権問題に最終的解決が図られた歴史については韓国政府は無視してきた。つまり韓国政府も安倍政権も韓国の「反日」キャンペーンの利益に有りついてきたのであるから、日韓関係が改善するわけがない。

現在国会での戦争法案の論議では、韓国によるわが国の領土竹島の占領に軍事的にどう対応するかの論議が与野党とも欠けている。他国に領土を占領されているのに、それに触れないで中東のホルムズ海峡の事態を論議することは奇妙きてれつと言うべきである。

韓国経済は近年中国市場への依存を強めており、外交的に中国に取り込まれつつある。韓国が中国政府の進めるアジアインフラ投資銀行に参加したことでそれは明らかである。つまり韓国は米日韓軍事同盟が経済的に障害と感じており、その中国傾斜の外交を正当化するため、日本の「歴史認識」なるものを利用しているにすぎない。従って今回のユン・ビョンセ外相の訪日も怒りを強めるアメリカへの一時的懐柔策と見ておくべきであろう。

パク・クネ韓国政権は客船の沈没やMERSの蔓延で支持率が30%を切っており、しこも外交でも孤立している状況なので、ひとまず日韓関係を改善せざるを得なかっただけであり、問題が韓国のアメリカと中国を天秤にかける二股外交に核心がある以上、アメリカにとっては裏切りに等しく、これを誤魔化す為に日本の「歴史認識」なるものででっち上げてきたのである。

ところがアメリカは日本の右翼政治家の「歴史修正主義」に警戒感が強く、韓国のこの「歴史認識」のごまかしに引っかかったことが日韓関係がこじれた原因なのである。本質は韓国のアメリカに対する裏切りの外交にあることを日本政府はキチンとアメリカ政府に説明すべきであろう。韓国経済が中国経済に依存し過ぎている中では今後も日韓関係は揺らぎ続けることは確実なのである。

規制緩和路線はアメリカの陰謀である!

日本経済がアメリカを抜いて世界のナンバーワンになると騒がれた時期があった。そのころアメリカが日本経済の成長にストップをかける決意をした、という報道があった。その後に露わとなったアメリカの政策は、第1に財務省証券を日本等に買わせることであり、第2にワシントン・コンセンサスと言われる自由化・民営化・規制緩和の政策であり、第3にプラザ合意やルーブル合意であった。

これらが日本の経済的挑戦を打ち砕いたことはいまでは広く認識されている。第3のプラザ合意やルーブル合意が日本経済をバブル崩壊に導いたのであり、第2の規制緩和路線が非正規化による野蛮な搾取を通じて日本の経営を目先の絶対的超過利潤の拡大追求へと導き、際限のない賃金部分の継続的縮小に導き、日本経済は縮小再生産のデフレのサイクルへと誘い込まれた。

その後アメリカは2国間の協定でアメリカ企業のために市場優占率の増加を約束させていくことになる。日本のアジアにおける円通貨圏の利益は、日本の対外準備資金が財務省証券(=アメリカ国債)であるので、金はアメリカに流れていく。これはドルを基軸にしたアメリカと言う超金融帝国=債務大国の先進国搾取の仕組みである。言いかえればアメリカは他国に国債を売り付けることで他国の金で戦費を調達し、世界の覇権国としての巨大な軍事力を持つに至ったのである。

さて安倍政権が現在も進めている労働分野の規制緩和は、一口で言えば労働者に対する野蛮な搾取であり、これば目先の利潤追求の主要な手段となった。日本企業は研究投資を減らし、新技術の開発による超過利潤の獲得よりもたやすい賃金部分の切り下げを選んだ。戦後労働改革の中心は労組法の不当労働行為などによって強い労組を誘導し、賃金の継続的上昇による消費市場の継続的拡大、したがって国民経済の高度成長を可能にしたことであった。つまり労働運動は資本主義の拡大成長の社会政策として位置付けられていた。

ところがアメリカの進めに従って日本が労働分野の規制緩和で得たものは経済の縮小再生産、すなわちデフレ経済でった。このまま日本が規制緩和路線を進めれば日本は近い将来中進国に転落することになる。労働者の賃金部分は言いかえれば個人消費市場であり、消費財生産分野の市場である。この部分の継続的縮小は生産財生産分野をも縮小に追い込む。ましてやアメリカの勧めたグローバル化で賃金の安い中国などへの生産拠点の移転は、生産技術を奪い取られて日本は世界の工場の地位さえ失いつつある。

アメリカの従属国である日本は、労働者が過労死するほど働いても利益の大半はアメリカに流れている仕組みの中で、いつしかリストラ経営が労働の奴隷化を日々促す野蛮な搾取の下に置かれるようになった。

日本と同じ先進国の欧州は通貨統合でユーロを生みだし、アメリカのドル支配に挑戦するようになった。特に欧州が東欧とロシアを経済圏に組み込んだことでEUのユーラシア連合は規模でアメリカの経済圏を上回ることが確実となった。アメリカがウクライナで武装クーデターを画策し、ロシアのプーチンをして地政学的利益に目覚めさせたのは、EUのユーラシア連合に軍事的対立を持ちこむ狙いがあった。欧州諸国が中国のアジアインフラ投資銀行への参加を決めたのは、あからさまなアメリカに対する裏切りで有り、挑戦であった。

アメリカは衰退しつつある帝国主義であり、安倍政権がアメリカとの軍事従属同盟に踏み込むことは新興のユーロ経済圏=ユーラシア連合と将来対立していくことになる。ドル圏とユーロ圏のこの対立は、両方と貿易する中国拡張主義を戦略的に優位に置くことになる。日本は労働分野の規制緩和路線を辞めなければやがて中進国に転落することは避けられない。縮小再生産のサイクルを止めるには戦後労働改革が作り上げた高成長のための強い労組を守るべきである。日本はロシア・欧州・アメリカとの貿易関係を打ち立てるには対米自立しなければならないのである。自国の防衛をいつまでもアメリカに依存していては、ドル支配の搾取から逃れることは出来ないのである。
新世紀ユニオン執行委員長 角野 守(かどのまもる)

激化する欧州とアメリカの経済覇権めぐる対立!

EUの通貨統合・ユーラシア経済連合、東欧への拡大、さらにはロシアの経済的結びつきは、EUがアメリカを超える一大市場を手に入れることであった。EUの対ロシア貿易はアメリカの対ロシア貿易の10倍の規模に膨れた。ユーロが確実にドルを超える存在になりはじめた。

ロシアのオリンピックの隙をついて、アメリカはウクライナの野党に資金援助してクーデターをしかけた。ロシアの下腹にアメリカが軍事拠点を築くことでロシアのプーチンを地政学的利益に目覚めさせた。プーチンはクリミア半島を併合し、ウクライナ東部に拠点を築いた。ロシアは戦略核兵器の再建に着手し、アメリカの思惑通り旧ソ連圏の地政学的利益の再建を考え始めた。

アメリカはこうしてEUのユーラシア経済連合にくさびを打ち込み、EUを対ロ経済制裁に巻き込んだ。対ロシア貿易がアメリカとロシアの10倍である分、EUの制裁の経済的打撃は大きかった。今年1月フランスのオランド大統領は対ロシア経済制裁を終わらせるよう呼び掛けた。これに対しオバマのアメリカは、ウクライナへの武器支援と東欧諸国への重火器の先行配備を表明した。アメリカはあくまでもEUとロシアを「冷戦状態」=対立関係へと導こうとしている。

欧州諸国はウクライナ危機の背後にアメリカの利己的な戦略的利益が隠されている事に気付いている。ワシントンの戦略が欧州とロシアの経済関係を断ち、軍事的対立へと向けようとしていることは明らかである。

今年3月12日イギリスが、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加を表明し全世界に衝撃が走った。その後ドイツ、フランス、イタリア、スイス、ルクセンブルグがAIIBへの参加を決めた。欧州が一致してアメリカの経済覇権に逆らったのである。アメリカはユーラシア経済連合の戦略を妨害し、欧州は中国をユーラシア経済連合に巻き込むことで反撃したのである。

アメリカのTPP参加が議会の反対で行き詰まりを見せている時に、欧州のAIIB参加は裏切りにも似た行動であった。オバマは怒り中国の南シナ海の埋め立てに遅ればせながら中止を要求した。中国が埋め立ての終了を発表したのは、中米間の経済関係を当面維持するためであった。

アメリカは現象的にはアメリカとロシアの軍事的対立に見せているが、本質はアメリカと欧州の経済戦略をめぐる対立なのである。ユーロ圏とドル圏の覇権をかけた経済圏の囲い込み争いが激化していることを見て取るべきである。アメリカのオバマが経済戦略であるTPPで議会の承認が得られない点に没落するアメリカの弱さが表れている。

欧米とアメリカの対立の背後で中国拡張主義が大軍事力増強に着手し、「漁夫の利」に有りつこうとしている点を見逃してはいけないのである。アメリカがロシアを中国の方に追いやったことで日本の安全保障が危機に直面している。日本はロシア外交を転換して2正面戦略を回避しなければならない局面となった。

円安誘導が中国・韓国に与えた経済的打撃!

安倍政権の為替切り下げ政策が円安誘導となって中国・韓国の生産拠点としての位置付けに大変化が出ている。中国商務部のデータによると、2014年における日本の対中投資は前年比38,8%減となり、2015年1~4月は同7,8%減となっている。中国の貿易総額は前年比9,3%減少している。この中国と貿易額が一番多い韓国の経済的落ち込みは中国を上回る深刻さである。

中国メディアの21世紀経済報道は10日、中国から撤退する日本企業が増えているとの噂について「確かに中国国内の工場を閉鎖したり、事業を清算したりする日本企業は存在する」「そうした企業は一般的に付加価値の低い製品を生産しているメーカーだ」と報じた。続けて「日本企業は全面的に撤退しているわけではない」と強調した。

こうした傾向は韓国経済にも言える。円安で輸出基地としての日本企業にとっての中国・韓国の価値は低下している。これは中国と韓国の進めた反日キャンペーンが日本国民の反発を呼んだこと、今年が戦後70周年で中国で記念集会が相次いであること、しかも安倍首相の「談話」が発表される。こうした情勢の下で日本企業がリスクを避けて中国・韓国への投資を控えていることは当然のことである。

こうして危機感を深めた中国の習近平が対日関係の改善に乗り出し、孤立を深めた韓国がにわかに日本との関係改善を図ろうとしている。これは安倍首相の円安誘導の副産物のようなものであるが中・韓には思いのほか効果があったというべきである。

韓国のパク・クネ大統領がワシントン・ポスト紙に「慰安婦問題についてはかなりの進展があった」と語ったが、日本の外務省は何を指して「進展」と言っているのか不明だとのべ、日本政府が慰安婦問題は解決済みとの見解に変わりはない、とのべたことの食い違いに、孤立を深める韓国の焦りが垣間見える。

中国はアメリカが南シナ海の岩礁の埋め立ての中止を求めたことに対し「埋め立ての終了」を表明して中米間系の悪化を回避したことも、今以上の経済関係の悪化を回避したい下心が表れている。中国と韓国の反日のやりすぎが安倍政権の戦争法制定を促し、日本国民の中国・韓国への反発=不信感を促して安倍右翼政権を助けた側面もあって、中国・韓国の対日外交の緩和路線が出てきているのである。

安倍政権は中国と韓国に反日の間違いを謝罪させ、言うべきことを言うべきであり、それなしに中国・韓国との関係改善はありえないことを指摘すべきである。日本の国民から見れば軍国主義は中国・韓国の方であり、日本は軍事費1%を厳守する平和国家であり、軍国主義批判は間違いであることを指摘して謝罪させるべきである。この両国に譲歩することは断じてすべきではない。

海洋覇権を強調しひそかに西と北を狙う中国!

中国が国内で「反日」ドラマの洪水で国民に反日キャンペーンをすりこみ、はでに尖閣周辺で領海侵犯行為を続け、今度は南シナ海で岩礁の埋め立てで軍事基地を建設し、あたかも当面の狙いが海洋覇権にあるかのポーズをとっている。こうした派手な布石は多くは偽装か、もしくは陽動であることが多いのである。

中国の当面の戦略的重点は西と北にあると見るべきだ。西とは「新シルクロード構想」でパキスタンや中央アジア諸国に経済的影響力を拡大することである。これによってイスラム過激派のウイグルへの浸透を阻止できるので「一石二鳥」なのである。特に「中国・パキスタン経済回廊計画」は中国がインド洋への出口ルートを獲得することであり、パキスタンのダウラルの中国軍港建設は中東・アフリカへの拠点となり得るものである。

また中国は最近出稼ぎ労働力をシベリアに注ぎ込んでいる。またウクライナ問題で欧米の制裁を受けているロシアから天然ガスを購入してロシアとの関係改善を進めている。中国とロシア国境のアムール川に全長3,2キロの鉄道橋建設で中国政府は自国担当分1,9キロを完工する勢いで進めている。中国の鉄道網とシベリア鉄道をつなぐ大動脈は中国の経済を遠くヨーロッパにまでつなぐ大動脈となるだけでなく、ウラル以西のロシア東部を中国の経済圏に組み込むことが可能となる。

つまり中国は東シナ海と南シナ海で派手に軍事的対立を「作り出し」ながら、あたかも中国の戦略的重点が海洋覇権にあるかのポーズをとっている。しかし中国の当面の戦略的重点は実は西と北にあると見るべきだ。パキスタン野党が「中国の経済回廊」建設に反対し始めたのは中国の軍事的野望に気付いたからである。またロシアがアムール川の鉄橋建設を着工さえしない異常事態となっているのも、プーチンが中国の領土的野心を警戒してのことである。中国陸軍の大半が中ロ国境に布陣していることをロシアは見逃してはいけない。

中国社会帝国主義の危険性は軍事産業を軍自体が握っている文字通りの産軍一体の体制であることだ。中国経済はリーマン・ショック以後の国家財政出動で大規模な軍拡を推し進めている。軍備が拡大すれば、やがて軍需の消費過程(=戦争)を必要とする。アメリカ覇権主義との衝突は避けられない。しかし中国がアメリカと対決する上での弱点はエネルギーを運ぶ海上交通路を守れないことである。中国のすぐ北にシベリアと言う資源地帯がある。アメリカは中国拡張主義をロシアと対立させようとし、ロシアは技術的に高い日本と関係を強化しようとしている。

アメリカの相対的弱体化で世界は多極化が進み、各国の合従連衡の時代が来ている。アメリカがウクライナ問題で欧州とロシアの間に経済制裁でくさびを打ち込み、南シナ海での中国の横暴を一時中止で見逃すのは、アメリカが当面非介入主義を続けなければならないからである。

安倍政権の集団的自衛権の戦略的背景には世界の多極化があるが、我々はこうした流動化した時代こそ日本は対米自立して、軍事同盟ではなく多極外交で国の安全を図るべきであると考える。自立のためには強力な自衛力を保持すべきであり、国の安全を他国に頼るべきではないと考えるものである。

アメリカ大統領選は当面民主優位か?

アメリカ大統領選でヒラリーの優位があやしくなりつつある。夫のビルクリントン氏が主宰しているNGO「クリントン・イニシアティブ」が外国政府からの多額の献金を受けていた問題で、ヒラリーが国務長官時代に外交的配慮をしていたのでは、と疑われている事、「個人メールアドレスを公務使用していた」疑惑が出てきてにわかに支持率が下がり始めた。

共和党からは大統領選立候補者が10人以上も出てきており、共和党は闘い方では勝機があると見られている。アメリカの大統領選は近年ヒスパニックが大きな影響を与える。彼らの多くは貧困層であり福祉政策(=大きな政府)を望んでいる。オバマ大統領が不法移民に温情のある政策を出したことでヒスパニックは民主党支持と思われている。

しかし共和党はヒスパニックの大統領候補を出すか、もしくはジョブ・ブッシュの奥さんがヒスパニックである事、従ってスペイン語で話せることなどでヒスパニックの票を奪えると見ている。元々アメリカは保守的で黒人の大統領は認めても女性の大統領は認めない、と言われている。ヒラリーは絶対的知名度で優位にあるが、この支持率が最後まで続く保証がないのがアメリカなのである。

つまり前回の大統領選でもヒラリーは予備選で優位にあったのにオバマに一気に追い抜かれた例があり、今回もヒラリーの支持率が急速に低下しているのが象徴的である。ヒラリーはリベラル過ぎると見られており、反発を受けやすい「頭の良い女性」であることがマイナスとなる可能性があり、ネガテブキャンペーンに崩される可能性がある。

ヒラリーがアメリカ初の「おばあちゃん大統領」を強調しているのは前回のてつは踏まないとの意志の表れであり、従ってしばらくはヒラリーの独走状態が続くと見られる。オバマの下で外交もガタガタで経済も思わしくない。ヒラリーの夫のビル・クリントンは経済政策での実績があり、この面ではヒラリーに有利に働くかもしれない。

共和党は現在保守右派のティパーティと中間派に分裂しており、予備選で右派寄りの政策を出せば党内で有利になれても、大統領選では中間派が民主との闘いでは有利となる。共和党が政権奪取に向けて右派と中間派が団結できるのかも注目される点である。

注目されるのはオバマの「息継ぎの和平」の内政重視の戦略が、いつ軍事力による覇権の維持へと転換するのかである。軍事介入しないアメリカから「強いアメリカ」へ何時舵を切るのかも大統領選の注目点である。

アベノミクスに見る自民政治家の哲学的貧困!

自公と維新の間の妥協は極めて詐欺的だ。派遣法改悪法案の採決に協力する見返りに維新が出した条件は「同一労働同一賃金法案」を修正のうえ成立させるものである。この修正が問題で、当初案のうち、正規社員と非正規社員の「均等の実現を図る」としていた部分を「均等な待遇及び均衡の取れた待遇」と修正したことで、「同一労働同一賃金法案」の根幹部分が骨抜きになり実効性は極めて低くなった。

「同一労働同一賃金」は新世紀ユニオンもスローガンで掲げている。これは強行法での実効性があるものでなければ意味がない。同じ仕事をしていても正規社員と非正規社員の賃金格差は酷い場合で2倍以上違う。現行法でも「均衡への配慮」は明記されているがこれは努力義務なので実効性がない。実効性がないから同じ仕事をしても2倍も賃金が違うのである。

維新が譲歩したのはこれだけではない、1年以内の法改正や立法措置を義務付けていたのを、「3年以内」に先延ばししたうえで、法改正などせず、厚生労働省の通達などでもいいことになった。維新の議員は「一歩前進だ」とほざいているが、自民党の議員は「ひとつ残らず骨を抜いた」と自慢している。維新の党は間抜けとしか言いようがない。

これで派遣法改悪法案が成立することになった。正規社員の非正規への置き換えがさらに進むことになるであろう。安倍首相は「直ちに同一にすることは困難だ」と発言しているが、欧州では既に完全な同一賃金が実現している。同一賃金になったとしても正社員には各種手当が付くので賃金格差は幾分残るのである。

安倍首相ら与党の考え方は目先の利益しか見ない財界の意向を受けてのことであるが、実はこうした賃金差別が正規社員の非正規への置き換えで、労働者の賃金部分の傾向的縮小を招き、日本資本主義の需要不足による縮小再生産を招いていることが彼らは理解出来ないのである。資本主義経済を目先の利益でしか見ないことで国民経済の経済循環が傷ついていることが全く見えていないのである。

物事を循環運動としてとらえられず、企業家の目先の利益のみ追求すれば経済の均衡は破壊され、個人消費は傾向的に縮小再生産になり、消費財生産分野が縮小し、生産財生産分野まで縮小する。これが国民経済が縮小する「日本病」と呼ばれる「デフレ経済」なのである。日本病は目先の利益追求の帰結であるので強欲病と言い換えることができる。

デフレ経済になると商品が売れなくなる。売るためには値下げする。こうしてデフレ経済になると物価が下がるのでアベノミクスは物価を上げる目標を出し、インフレ政策をとっている。愚かとしか言いようがない。現象と本質が違うのに、現象への対策だけしかしないのであるから、これは自民政治家の哲学的貧困と言うべきかもしれない。彼らは個人資本家の目先の利益を代表することで資本家階級全体の利益を裏切っているのである。それが分からずアベノミクスを支持している日本財界人は輪をかけた愚か者なのである。
新世紀ユニオン執行委員長 角野 守

韓国の杜撰な「危機管理」を反面教材とせよ!

韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染が3週間過ぎても収まるどころか、一層拡大している。8日に感染が分かった男性は3日に感染が疑われていたのに、連絡を受けた保険当局が何ら対応を取らず4日間も放置し、その間にその男性は約360人と接触していたという。

特に感染が疑われているのに隔離されず、ゴルフをしていたり、会議に出ていたり、外国(中国・フイリピン)に渡航していたりして当局の杜撰な対応が批判を集めている。11日にも新たに14人の感染が確認され、うち5人は感染経路が分からないという。感染者は合計122人となり、隔離=自宅待機は3000人を超えている。感染者が乗っていた飛行機が消毒もせず、中国や日本に飛行していたように韓国の対応は杜撰なので、MERSが日本に飛び火する可能性は高いのである。

世界保健機関の専門家はさらなる感染拡大を警告している。韓国政府と保険当局が初期に杜撰極まる対応をしたことで2次感染、3次感染と際限なく拡大しており、国民の批判も「昨年4月のセウォル号沈没の時と同じだ」との批判が噴出しており、パク・クネ大統領の支持率は30%に近づいている。パク・クネ大統領はさすがに危機感を強めて訪米を先延ばしして対応しているが、すぐには収まりそうにない。

政府が国民の安全や健康に関心がなく、あるのは日本への歴史認識で、反日外交ばかりやっていた為、何かが起きても初期対応が杜撰で無能と言うしかない対応になった。香港政府は9日に韓国への渡航自粛勧告を出した。中国などからの観光客は2万数千のキャンセルを出しており、韓国観光業は深刻な打撃を受けることになった。

日本においては火山の爆発が相次ぎ、震度5の大地震も1か月に5件も起きている。この上韓国からMERSが上陸すると増え始めた外国人観光客が再び激減する事になりかねない。また季節は梅雨であり、大雨の心配もある。政府は韓国の危機管理のお粗末さを反面教材として、国民の安全確保に万全を期すべきである。

韓国政府はセウォル号の時もそうであるが、メンツがあるので日本政府に支援要請をすることはない、むしろ日本にMERS患者を送り込む可能性すらある。とにかく全て悪いのは日本人のせいにするのが韓国の「恨みの文化」なので、日本の税関関係者は注意すべきである。日本政府は韓国への渡航自粛勧告を早めに出した方がいい。

軍艦島などの世界遺産登録を取り下げよ!

7月の世界遺産委員会で「明治日本の産業革命遺産」登録の可否が決まるのを前に韓国の登録反対の動きが激化している。韓国の尹外相が12日に世界遺産委員会の議長国のドイツを訪問し登録反対を働きかける。

韓国の主張は今回の世界遺産登録される見通しの23施設のうち7施設で戦時中に徴用工の強制労働があったというもので、日本側は遺産の対象は1850年~1910年までで、強制徴用とは時代が異なる、というものである。

慰安婦問題でもそうだが韓国は歴史問題を利用するが、日韓間の賠償問題が最終的に終了している歴史的事実だけは言わない。あたかも国民の反日を煽り、日本の世論を右傾化させることに政治目的を見出しているかのようである。

中国政府がこうした韓国の姿勢を支持し、ユネスコへの日本の世界遺産登録に反対の働きかけをしている。中国政府は反日で日本の世論を右傾化し、軍国主義を復活させて、報復戦争に持ち込みアジアの覇権を確立する狙いがある。歴史問題で明らかに韓国と中国は連帯しており、日本はこの連帯を打ち砕くことが外交目的となる。

日本の国民は軍艦島の廃墟が世界遺産だとは誰も思っていない。日本がアジアで唯一産業革命を成し遂げた事実は廃墟を世界遺産にしなくてもその偉大さに何ら変わりはない。世界遺産にしなくても日本遺産にして保存すればいいではないか。

日本政府は、ユネスコに今回の世界遺産登録を取り下げ、同時に国連分担金やユネスコへの分担金を経済規模に応じた額に減少させるべきである。アメリカがロシア主敵で、中国の南シナ海での埋め立てによる基地建設で覇権争いが激化する状況の下では、もはや国連は拒否権を持つ者どうしの対立で何の役にも立たないのである。

軍艦島など今回の全ての世界遺産登録を取り下げ韓国と中国の狙いである、日本の世論の右傾化を防止し、彼らの意地悪外交を世界に示すべきである。自国民の健康や安全さえ守れない韓国や中国の悪政と外交的意地悪を明らかにして世界に恥をかかせることを考えた方がいい。

日本は中国と韓国の間の経済関係を縮小していくべきで、「反日」が経済的損失となることを示すべきであり、その方が日本国民の精神衛生のためにもいいのである。

中国・韓国経済の悪化と反日の激化!

中国税関総署が8日に発表した貿易統計によると、5月の輸出と輸入を合わせた貿易総額は3220億ドル(40兆3800億円)となり、前の年の同じ月と比べ9、3%減少した。3カ月連続で去年の同じ時期を下回った。輸出は2、5%減と、4月の6、4%減と比べ減少幅が縮小したが、輸入は17、6%減と7カ月連続の減少となった。この数字は減速する中国経済の先行きに暗雲が広がりつつあることを示している。

中国経済の輸出の減少は世界経済の回復の遅れを反映したものであり、同時に中国における人件費の上昇による生産コストの上昇を反映していると見られる。また不動産不況で不動産向けの鋼材などの輸入が減少しており、中国内需の弱さを示している。

中国経済の貿易の縮小は韓国経済に深刻な打撃を与えることになる。韓国は輸出の約25%が中国向けで中国経済の減速が韓国に打撃を与えることになる。韓国の5月の輸出額は前年同期比10,9%減となり、6年ぶりの落ち込みとなった。

また韓国経済にとって円安が日本製品の競争力を回復しており、その結果輸出の減少が大きくなった。また韓国国内で中東呼吸器症候群(=MERS)の感染者が広がり、中国経済の減速・円安・MERS、この3重苦の結果観光客が激減し、韓国経済は深刻な打撃を受けつつある。

中国・韓国経済の深刻化は、政治的には「反日」を高める方向に作用する。戦後70年の日本軍国主義への勝利の記念パレードや集会が続くので、東アジアの情勢は緊張状態が続くであろう。安倍首相の戦後70年談話の内容がどのようなものになるかで、緊張が急激に激化する可能性がある。

習近平やパク・クネは、自己の失政を転化するため「反日」を強化する以外の逃げ道がない状況にある。特に中国拡張主義は南シナ海で岩礁を埋め立て軍事基地を建設しており、経済危機で国内治安が悪化すると、南シナ海や東シナ海で戦争の危機を激化させる可能性が強い。日本は中国軍の侵略に備えを強めなければならない。

次つぎ失敗する安倍首相の外交政策?

北朝鮮の拉致問題は進展が予想されたが、相手の金正恩政権が側近の粛清で新しいことに取り組む余裕がない。困ったのは安倍政権で、5月に合同捜査本部が、朝鮮総連のまつたけの密輸入問題で朝鮮総連の議長の次男を外為法違反などで逮捕したのは、官邸が拉致問題が進展しないのを北朝鮮側に責任を押し付ける為であった。日朝政府が「ストックホルム合意」を結んで1年になるが、事態は何も進展していない。北朝鮮は今回の逮捕で「日朝関係の改善は遠のいた」と反発し、安倍政権は巧く拉致問題の行き詰まりを北朝鮮のせいにした。

元々アメリカは北朝鮮の核開発とミサイル開発を事実上容認し、北の脅威を温存し日本と韓国をアメリカの従属下に置く「現状固定化」の政策なので、日本が独自の北朝鮮外交を展開できる余地がない。ましてや金正恩政権は側近の射殺で最高指導部の権威付けに忙しく、まだ新しい政策を展開する余裕がないのである。

安倍首相が日本の最新鋭潜水艦「そうりゅう」型潜水艦の技術をオーストラリアに供与する意向を示していたが、当初の潜水艦10隻の輸出話は、オーストラリア国内の造船会社が反発し、共同開発が濃厚になった。しかもライバルのフランス・ドイツが選定手続に参加を表明し、にわかに日本有利が揺らぎ始めた。しかも「そうりゅう」型潜水艦の技術を供与することに三菱重工と川崎重工が反発し、オーストラリアへの潜水艦輸出話は「視界不良」となってきた。

一体この「そうりゅう」型潜水艦の売却話は何処から出てきたのか?当初はオーストラリアの要求する潜水艦の性能を満たすのは日本の「そうりゅう」型潜水艦しかない、と言うことで輸出が決まったかのような話であった。ところがこの潜水艦の搭載兵器がアメリカ製にきまり、日本からの輸出が共同開発とかわり、日本の技術だけが奪われる話になってきて、日本の企業側が消極的になった。結局のところアメリカは日本の兵器輸出に反対のようで、安倍首相の目論見はもろくも崩れることとなった。

安倍首相の政策で崩壊寸前なのが対ロシア外交である。ロシアのプーチンが、日本との北方領土問題を「引き分け」で解決する提案をして、にわかに日ロ関係が前進する兆しが見えた。ところがアメリカが対ロ関係の改善に反対の意向を示し、ウクライナ問題で欧米が対ロシア制裁を決めたことで、安倍首相の目論見は崩れつつある。日本は中国拡張主義の脅威の下でロシアを中国側から引き離したいのだが、オバマはロシアを逆に中国側に追い込んでいる。

このように安倍首相の外交が失敗続きなのは日本が対米従属していることに起因している。アメリカに従属している下では自主外交は不可能で、全てはアメリカの意向に沿わないと、日本は独自の外交などできないのである。オバマは非介入主義であり、アメリカが日本を防衛する意志などあてにはならない。日本は対米自立する時が来ている。

憲法学者が「違憲」の烙印押し、動揺する自公!

6月4日の衆院憲法審査会で自公が推薦した学者と、野党が推薦した学者計3人が審議中の安全保障関連法案を「憲法違反」と答えたことで安倍政権は動揺し、自民党の船田元憲法改正推進本部長に批判や注意が行われた。

自民・公明・次世代が推薦した長谷部早大教授は、従来の政府解釈が個別的自衛権のみを認めてきた点を踏まえて、「従来の政府見解の基本的な論理の枠内で説明がつきませんし、法的な安定性を大きく揺るがすものだと考えております」「(閣議決定は)何処まで武力行使が許されるかも不明確で、立憲主義にもとる」と批判した。

小林慶大名誉教授は、今の安保関連法案の本質について「国際法上の戦争に参加することになる以上は戦争法だ」と断じ、平和安全法制と名付けた安倍首相や政府の姿勢を「平和だ、安全だ、レッテル貼りだ、失礼だと言う方が失礼だ」と痛烈に批判した。

笹田早大教授は、内閣の判断で憲法解釈を変えることについて、戦前のドイツでナチスの台頭を許した「ワイマールのことを思う」と言及、専門の違憲審査会の問題を踏まえて、憲法解釈については「少しクールに考える場所が必要」と指摘した。

政府・与党内には、今後の衆院特別委員会で審議に冷や水を浴びせかねないとの見方が広がり、「委員会の存立危機事態だ」との声も出たという。佐藤国対委員長は「平和安全法制特別委員会への影響を十分に考え、今後は人選やテーマ、スケジュールに配慮するよう船田憲法審査会委員長に注意した。公明党の井上幹事長は「衆院憲法審査会の運営をよく考えるべきではないか」と自民党に苦言を述べた。

現行憲法の下での戦争法制定を憲法学者が合憲などと言えるわけがない。言えば御用学者の烙印を押されることになるであろう。憲法9条に抵触しない戦争法等はありえないというべきである。

つまり政府の集団的自衛権の解釈変更による戦争法制定は、明らかに無理筋であることを示している。野党はこの憲法審査会の参考人発言を根拠に、政府に戦争法の撤回を求めて圧力を強めている。政府が言う「行政府による憲法解釈の裁量の範囲内だ」(中谷防衛相)「憲法学者はどうしても憲法9条2項の字面に拘泥するが、自衛隊が抑止力として働いて平和を手にした」(高村自民党副総裁)との見解は無理がある。

安倍首相は、戦争法を制定するならキチンと憲法を改正してからにした方がいい。戦争法を「リスクがない」「安全だ」などと言う詭弁でごまかすのはやめるべきだろう。

アメリカの恥部、人種隔離政策の実情!

昨年からアメリカで警察官の黒人に対する過剰暴力に反発する黒人の暴動が続発している。月刊誌「選択」6月号によれば、こうした黒人暴動の背景に、黒人に対する事実上の隔離政策がある、という。ワシントン・ポスト紙はボルチモア暴動の直後「これは政府が推進した人種隔離政策の帰結だ」と指摘した。

自由の国アメリカに人種隔離政策があるとは知らなかった。報道によれば今から100年以上前の1910年。当時のボルチモア市長は「黒人は、孤絶したスラムに隔離されなければならない。治安紊乱(びんらん)を防ぎ、白人居住区に伝染病が広がるのを食い止め、白人の不動産価値が下がるのを防止するため」黒人をスラムに囲い込み、白人居住区に移ることを禁止したという。

こうして人口65万人のボルチモアは現在黒人が64%を占め、ワシントンでは黒人人口が50%、デトロイトでは83%が黒人である。つまり白人は郊外に出ていき、貧困な黒人は都市に残る結果「黒人居住区」が都市の非開発地域に巨大化することになった。

ハイウエーは黒人居住区を避け、郊外の白人地区だけを結ぶように造られた。交通インフラでもアメリカでは黒人差別がおこなわれている。連邦政府は住宅ローンを人種差別的に運用し、自冶体の人種隔離政策を後押しした。開発業者が「黒人は絶対に入れない」と約束しないと連邦政府の補助金は交付されないのである。だから黒人が多少成功したとしてもスラムの外には住めないのである。

こうして黒人は貧困ゆえ教育を受けられず、仕事がないのでギャング団に入ることになる。アメリカのギャング構成員は140万人に上るという。こうして黒人スラムは麻薬取引などの犯罪の温床となる。勢い黒人が警察の取り締まりの対象となり、武器を所持していなくとも黒人であるというだけで射殺される事態が頻発するようになった。つまりアメリカにおける麻薬取り締まりとは黒人の逮捕・取り締まりのことなのである。

こうしてアメリカの刑務所は黒人であふれかえることになった。アメリカは200万人以上の収監者を抱えている。黒人であるがため貧困と弾圧の対象となっている。アメリカでは軍の古い武器が警察に払い下げられ、アメリカの警官は重武装となった。この重武装化が警察をより凶暴化したのである。黒人大統領のオバマでさえ、この黒人に対する事実上の人種隔離政策を止めさせることができない現実がアメリカにはある。

オバマが、外交で中国の人権抑圧を批判できないのは、アメリカにおける黒人への人種隔離の不当な人権抑圧を知っているからなのである。アメリカ社会の民主・共和の2極分化と、人種対立は深刻な人権抑圧をともなって、世界にアメリカの恥部をさらけ出している。

中国長江客船沈没事故、韓国と同じ政府批判の恐れ!

中国湖北省を流れる長江で客船が横倒しとなり沈没した事故は行方不明420人以上の大惨事となることが確実となっている。転覆した4階建ての「東方乃星」は、現地の報道では何度も改造し、トップヘビーになっていたようで、伝えられるように竜巻のせいではなく、方向を変えたことで横倒しとなった韓国の客船事故と同じ「人災」のようだ。

中国政府は事故現場への外国報道機関の立ち入りを制限し、厳しい報道統制を行っている。このため現地の新聞は事故2日目も1日目と同じ写真を掲載していると言われる。一般的に河船は船底が平たく作られている。これを改造で4階建てにすれば重心が上がり、風の影響も増加する。安全軽視の増・改造が事故の原因と見て間違いない。

中国では、2011年の高速鉄道の事故では、事故車両を埋めて隠蔽しょうとした例がある。この国は官僚独裁のため保身目的での隠蔽体質が強い。今回は報道統制で事故の拡散を防ぐつもりなのである。間が悪い事に6月4日は天安門事件26年目のデリーケートな時期であり、中国政府は今回の客船事故が政府批判にならないよう細心の報道統制をおこなっている。

中国政府が進める「新シルクロード構想」に基づく新疆ウイグルからパキスタンのダワル港までの「中国経済回廊」建設がパキスタン国内の野党の反対と資金計画の難航で暗雲が立ち込め。中国ロシア国境のアムール川に鉄道橋を建設し、中国国内の鉄道を、シベリア鉄道につなぐ計画が、ロシア側が中国の戦略的意図を警戒して全く着工していない為、中国の思惑が外れた状態となっている。また南シナ海では中国の埋め立てでの基地建設に周辺国の反発が高まり、アメリカも埋め立ての中止を要求するなど、中国政府の進める戦略は次々困難に直面している。

国内経済も実質マイナスといわれ、バブルの崩壊が近づき、農民の暴動、チベット・ウイグル人民の民族自決の闘争の高まり等、中国走資派指導部は内外で多くの困難に直面している。たかが客船事故と侮っては指導部を揺さぶる反政府闘争になりかねないのが今の中国なのである。中国政府としては第2次大戦、戦勝70周年記念で国民の怒りの矛先を小鬼(=日本)に向けたいところである。

拝金思想に毒された中国経済は、安全無視の体質で韓国と同レベルの社会構造なのである。中国国内の大気汚染を見ても国民の安全等は考慮の外なのが今の中国だ。中国人民がいつまでも屈服しているわけがない。中国走資派指導部は巨大な敵(=中国人民)に直面している。

中国に寛容なオバマが事態を悪化させる!

中国が数十隻の浚渫船を動員して南シナ海の岩礁を埋めたて軍事拠点を建設している点に対しアメリカの高官の強硬な発言が続いている。カーター米国防長官は「アジア太平洋地域の安全保障を構築する規範と国際法から逸脱している」南シナ海の岩礁の埋め立てを「即時中止すべき」と語り、バイデン副大統領は中国の人工島建設に対し「アメリカはたじろぐことなく立ちあがる」「アメリカが領有権の主張に特権を与えることはない」と強調した。

ところが6月1日に、オバマ大統領は東アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の若手指導者らを集めたイベントで演説し、「いかなる当事者であれ、埋め立てや攻撃的な行動は非生産的だ」「中国の主張のいくつかには正当性があるが、他人に肘鉄を食らわせ、押しのけるやり方はすべきではない」と極めて穏やかなけん制をした。

中国が埋め立てが終わり3000メーターの滑走路ができ次第、南シナ海全域に防空識別圏設定するのが確実であるだけに米国防長官らのいらだちが理解できる。明らかにオバマとは認識上の隔絶があることを指摘しなければならない。安倍首相とオバマとの日米首脳会談後の記者会見でオバマは「強い日米同盟は(中国への)挑発と見られてはならない」と中国への配慮を示した。オバマは中国社会帝国主義の危険性を全く理解していないのである。

中国は、こうしたアメリカ政府内の対立と弱腰を読み切っており、ケリー国務長官が南シナ海の緊張緩和を提案したのに対し、中国の王毅外相は「主権を守る中国の意志は岩のように固い」と述べた。中国共産党系の環球時報は5月25日付け社説で「中米両国が南シナ海で一戦交えることは不可避だ」と書いた。中国の国防白書では「ある国家は中国に対し頻繁に海上、空中で接近偵察を行っている」とあからさまにアメリカを非難した。

アメリカ軍や国防総省などの強行発言とオバマのやる気のない弱腰が並立している点を、中国は侮って強硬な態度に出ている。中国拡張主義はリーマンショック後莫大な国債発行で武器生産を行うことで中国の経済を崩壊から逃れている。しかしいつまでもヒトラーのような経済政策は取れない。何れ武器の消費過程を必要とするようになる。

中国の軍事戦略は南シナ海と東シナ海を内海化し、原潜の安全な活動海域とし、それを拠点に西太平洋とインド洋の管轄海域化を進めるというものである。とりわけ太平洋とインド洋への進出は日本列島があるので南シナ海の内海化が中国海軍の生命線とも言えるほど重要なのである。

オバマの非介入主義は、自分がノーベル平和賞を貰った事に由来しており、別段戦略があってのことではない。しかもアメリカは来年には大統領選で2つの陣営に分裂する。中国には願っても無い戦争準備の期間となる。習近平はこの間に軍閥を一つにまとめ、空母の建造と航空優勢を打ち立てることができる。

日本は頼りにならないアメリカに依存するのではなく、対米自立し防衛力を強化し自立と武装中立による平和主義堅持の路線を進むべきなのである。

分かりにくい日米のTPP交渉の内容と行方!

TPPはアジア・太平洋の12カ国が交渉している。しかし日本とアメリカ2カ国でGDPの80%を占める。しかも日本市場をアメリカルールにするのであるからアメリカ企業とりわけ薬・医療関係、特許関係(知的財産)、金融などは日本市場から利益を吸い上げるチャンスなのである。TPPは農業関係だけではないのである。

知的財産とISDS(国家対投資家の紛争解決)は問題が大きい。損害を受けたアメリカ企業が「国際投資紛争センター」に提訴できる。この組織はアメリカが支配しているからアメリカ企業に有利な裁定が出ることになる。アメリカとFTAを結んだ韓国がISD条項に苦しめられた例がある。

「TPPは日本の富をアメリカに差し出すようなものだ」という報道もあれば、アメリカ議会では自動車企業や労組がTPPに反対している。つまり新しい貿易ルールは、既得利益集団が日本にもアメリカにも反対勢力として存在しているのである。

伝えられているのは日本政府がアメリカに譲歩し続けている、と言うことだ。TPPは内容が秘密にされているのでよくわからないが、アメリカ議員には内容が知らされ、それによってTPA法案への合意が議会で進みつつあるようだ。アメリカ議会では為替操作への強力な対抗措置のルールを定めようとする動きもあり、日本には厳しい内容になりつつある。

対米従属派の安倍政権がTPP交渉でどのような譲歩しているのか不明であるだけに、日本の国民の中には不安が広がっている。アメリカが日本経済をアメリカルールに取り込むことで、世界の覇権の延命を図る経済戦略それがTPPと見るべきであろう。

安倍政権がTPP交渉で日本の国益を守れるのか注目したい。安倍ら対米従属派がアメリカの手先の正体をさらすのか?それとも国益を守ることで長期政権の道を開くのか注目される点である。
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