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オバマのロシア主敵の戦略は誤りである!

アメリカがウクライナ問題を重視し、対ロシア経済制裁を行い、原油価格を下落させロシアの通貨ルーブルを揺さぶっていることは、プーチンが旧ソ連圏の諸国をルーブルの経済圏に再編しょうとしていることを潰すのが狙いだが、これは戦略的重点を間違えている。

ロシアは資源輸出国であり、経済構造は発展途上国と似ている。原油価格の上下で経済が揺らぐほど脆弱な経済構造であり、経済規模も中国の数分の1に過ぎない。ロシアにアメリカの覇権を奪うほどの力は無い。危険なのはアメリカの経済規模を追い越す力を持つ中国である。1党支配の官僚独裁の中国国家資本主義は、すでに社会帝国主義に転化しており、しかもアメリカに何回も「米・中の新大国間係」を提案し、世界覇権の分有を策している。

財政危機で大規模な軍縮をしているアメリカ(=古株の覇権主義)よりも、内部的矛盾を深刻化させている新興の社会帝国主義(新興の帝国主義)の方が危険であり、中国拡張主義は既に全世界人民の主要な敵となっている。ちょうどナチスが軍事的膨張に暴走する時とよく似ており、1党独裁の中国社会帝国主義の危険性をオバマ大統領は明らかに軽視している。

中国の支配層の「資金逃避」により、年間40兆円の資金が欧米に流れている。これは「資金逃避」というよりも金融支配と考えた方がいい。中国はアメリカ国債を買いながら、着々と世界戦略を実行に移している。軍事的にも中国海軍は西太平洋からインド洋まで活動圏を拡大しており、ヒトラー以上の大軍拡を推し進めている。

我々の目にはオバマの見当違いの戦略は、かってヒトラーの暴走を許したチェンバレン英首相(当時)の歴史的役割を果たしているように見える。オバマが対ロシア経済制裁を行った事で、ロシアは中国に接近し、両国の軍事的協力が進展している。アジアのアメリカの同盟国にしてみれば中国拡張主義に強力な援軍を与えている形になっている。

侵略勢力(中国)を有利にするオバマのロシア主敵の誤りは明らかである。安倍首相はこの点をアメリカ側にただすべきであろう。オバマの無分別な外交で日本の安全が危機に瀕していることを指摘しなければならない。
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地政学的変化が戦略に大きな変化をもたらす!

温暖化で氷が減少している北極海が新しい海上交通路として浮上してきた。北東アジアとヨーロッパを結ぶ新しい航海ルートとして北極海が軍事・経済に戦略的重要性を持ち始めた。
国連の専門機関である国際海事機関は11月の海上安全委員会で、北極海を航行する船舶の安全基準を定めた条約改正案を採択した。環境基準と合わせ2017年の発行を目指している。

北極海ルートを利用するには砕氷船が必要で中国はすでに2隻目を建造している。ロシアには20隻以上の砕氷船がある。このルートによって軍事的には、ロシア海軍は日露の日本海海戦以来の課題であった、アジアとヨーロッパの海上兵力の集中が可能になる。北東アジアにとっては重要な軍事戦略的変化である。

また世界最長のニカラグア運河の建設に、中国軍部と関係のある中国企業が建設に着手し始めた。総工費500億ドル(約6兆円)のこの運河によって、アメリカの影響が強いパナマ運河を通らなくても太平洋と大西洋がつながることになる。中国はこのニカラグア運河と北極海ルートによって世界戦略を展開しょうとしている事に注目すべきである。

日本は北極海ルートを経済戦略的に利用するなら早急に大型の砕氷船を建造しなければならない。日本はこうした地政学的変化がもたらす経済・軍事上の戦略的変化に疎いのが欠点だ。対米従属が戦略的発想を出来なくしているのである。

ロシアの海上兵力の集中が可能になるということは、日本は中国拡張主義とロシアを同時に敵にする事は出来ない。対ロシア外交を前進させ経済的に日ロの相互依存関係を発展させ、北方領土問題を早急に「引き分け」で解決し、中国社会帝国主義の侵略に備えなければならない。地政学的変化が国際的戦略関係に激変をもたらすことに無関心ではいけないのである。

外務省と防衛省は早急に地政学的変化が戦略に大きな変化をもたらすことについて研究を始めるべきであり、同時に防衛面の備えを急がなければならない。

ルーブルのブロック化をめぐる矛盾の激化!

事の発端はオバマの不介入戦略(=息継ぎの和平)への転換だった。ロシアのプーチンは旧ソ連のエリート官僚だった。彼はソ連が崩壊し多くの国に分裂したことを「20世紀最大の悲劇」ととらえている。現在プーチン政権は旧ソ連圏の経済同盟の拡大を目指している。このことが欧米にはルーブル圏の形成(=ブロック化)の挑戦と見える。

旧ソ連圏の西側経済圏への取り込みはEUとアメリカの経済戦略である。そこでウクライナの与党にドルの札束を段ボールで送り付け、武装クーデターを画策した。当時ロシアは冬季オリンピックで油断していた。ウクライナはロシアの「柔らかい下腹」にあたり、クーデターに激怒したプーチンはクリミア半島を併合するとともに、ロシアと経済的に関係の深いウクライナ東部の親ロシア派を支援した。

これに対しアメリカは原油価格の暴落を画策し、ロシア経済特にルーブルの暴落を演出した。ロシアの経済同盟にはアルメニア・キルギスが既に創設条約に署名している。アメリカはEUを対ロシア経済制裁に引き込み、これはEU(=ユーロ圏)には打撃となる。アメリカは軍事介入するつもりが無いので、経済(=通貨)戦争をロシアに仕掛けているのである。

ロシアは欧米の経済制裁で中国に接近せざるを得ない。その中国からは年間40兆円もの資金が欧米に流れ込んでいる。国営企業の幹部や電力利権や原油利権や軍閥幹部等の腐敗の横領資金の海外逃避がアメリカを潤している。だからオバマ政権は当面ロシア主敵なのである。本当に危険なのは経済破綻に直面しその危機を外への拡張で切り抜けようとしている中国拡張主義なのだが、オバマの戦略はその危険な中国に「漁夫の利」を与えている。

世界はドル圏・ユーロ圏・ルーブル圏・元圏に分かれつつある。その勢力圏争いの中で国境線の変更が軍事力で進み始めたことに注目しなければならない。ロシアの政権幹部の間で通貨ルーブルの急落は「アメリカの陰謀」によるとの主張が強まっている。ウクライナの最高会議(=議会)は法律を改正し「加盟条件を満たす為にNATOとの協力を深める」との条文に「改正」した。

問題は現在の対ロシア経済戦争のアメリカの戦略的狙いが何処にあるのか?という点である。プーチンの打倒なのか?それともユーロをロシアとの対立に向かわせ、ユーロの東方への拡大を阻止し、ドルの支配を維持するのか?それとも安倍政権のロシア接近を阻止するのが狙いなのか?注目される点である。列強の通貨のブロック化がもたらす経済危機と戦争の危機が近づいているように見える。

在日米軍の為の日本の負担は年間6739億円!

本日の「しんぶん赤旗」の一面に2014年度の在日米軍関係経費の総額のうち日本側負担分が6739億円であることが、外務省が日本共産党の赤嶺衆院議員に提出した資料で分かったと報じられている。米軍の基地関連費用をこれほど沢山負担させられている国は日本だけである。

このほかに沖縄名護市の辺野古への新基地建設費に伴う沖縄県への沖縄開発補助金3000億円など日本の在日米軍への負担は膨れ上がるばかりだ。年間1兆円の金があれば、日本の防衛をアメリカ軍に頼らなくても自前で防衛できるだけの金額だ。

核兵器の装備に1兆円、海・空軍力の増強など10年で10兆円あれば十分できる。しかもアメリカのオバマ大統領は「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と2度も演説した。アメリカが非介入主義に転じ、当分の間同盟国を防衛する気の無い事は明らかなのである。

しかもオバマはロシアの解体・市場化を当面の戦略的重点にしている。アジア重視等口先だけなのだ。しかも中国拡張主義が本気で日本の占領を計画している時であり、日本は1日も早く対米自立し、自主防衛力を強化しなければならない。

「憲法9条は日本の宝」などという観念的平和主義では日本を防衛出来ない時代が来ていることを知るべきである。アメリカが「同盟国の争いに巻き込まれたくない」と考えている時に、在日アメリカ軍に大金を支出する事は捨て金に等しいのである。

安倍親米右翼政権は、本質は売国であり、アメリカに奉仕することしか考えていない。日本が平和路線を堅持するには対米自立の武装中立しかないことを指摘しなければならない。

オバマのロシアへの経済戦争は成功するか?

報道によれば、オバマ大統領は今年9月10日、サウジのアブドラ国王と電話協議し、イスラム過激派組織「イスラム国」を封じ込めるため、組織の資金源となっている石油価格引き下げを要請したという。欧州の経済停滞と中国経済の減速で、世界の石油需要が低下している中で、石油輸出国機構は原油の減産をせず、石油価格を意識的に下落させた。

ロシアは外貨収入の7割を石油・天然ガス輸出に依存している。原油価格が大幅に下落するに伴いロシアの通貨ルーブルは暴落し始めた。ロシア中央銀行は政策金利を10.5%から17%に大幅に引き上げたが、金利引き上げ後もルーブルの暴落は続いている。アメリカが意識的に仕掛けているのだから当然である。

オバマはロシアが冬季オリンピックに集中している隙に「ロシアの柔らかい下腹」にあたるウクライナの武装クーデターに成功した。これに激高したプーチンがクリミア半島を併合した。オバマの今回のロシアへの経済戦争はウクライナ経済圏をめぐる企てをプーチンに邪魔された腹いせのようなものである。

ルーブル暴落でロシアは輸入食品等が高騰しインフレとなり、同時に企業や金融機関がドル建ての債務を返済することが困難になる。プーチンがこうしたオバマの経済戦争に屈し、クリミア半島を返還し、工業地帯のウクライナ東部の分離独立派への支援をやめるとも思えない。プーチンの支持率はウクライナ問題で高まり現在80%を超えている。

ロシア国民は同じスラブ人のユーゴスラビアを欧米が分割し、国境線の書き換えをして自分達の勢力圏に組み込んだことを忘れてはいない。欧米のウクライナ取り込みを阻止したプーチンへの支持は強く、オバマのロシア敵視は中国拡張主義に軍事力増強の時間的余裕を与え、ロシアを中国側に押しやるだけであり、日本の国防にとっては戦略的に由々しき事態を生起している。

オバマは近く対ロ経済制裁の強化を可能にする法案に署名する意向だと言われている。この経済制裁がロシアの金融不安を増幅し、その影響が世界市場全体に波及する可能性がある。つまりアメリカのオバマが無分別に仕掛けた対ロシアへの経済戦争が、実はオバマに取って「もろ刃の剣」であることを指摘しておかねばならない。

ロシアには外貨準備がなお4000億ドルを超えている。ロシアの政府債務は国内総生産(GDP)比で10%台にとどまる。プーチンロシア大統領がすぐにも降参するわけがない。オバマの始めたロシアへの経済戦争が、逆に世界の金融不安を高め、世界市場に波及する可能性の方を心配しなければならない。

プダウダが報じたように「オバマはサウジにロシア経済の破壊を持ちかけた」のが事実であるなら、これは危険な冒険主義というしかない。オバマは自ら火を付けたウクライナ問題で、新しい冷戦構造を作り出すつもりなら、それは完全に間違っている。それは中国覇権主義を勇気づけ、ロシアを中国の側に押しやるだけであり、しかも原油価格の暴落はアメリカのシェールガス・シェール原油の採算割れを招くことになる。オバマの原油価格の暴落誘導によるロシアへの経済戦争は自分の上にも災いを招くことになるであろう。

オバマの戦略なき対ロ経済戦争は一層世界経済を混乱に引き込み、再び世界同時金融危機を引き起こしかねないのである。オバマの冒険主義は日本の対ロシア外交と捻じれを生み、アジアにおける日本の軍事的孤立を招く可能性が強い。当分の間アメリカは国内的対立で戦略を持てないまま漂流する。日本は対米自立し、自分の国は自分で守るため対ロシア外交を前進させなければならない。

対キューバ国交正常化交渉の持つ意味!

アメリカのオバマ大統領は17日、半世紀以上も国交断絶が続いているキューバとの関係正常化の協議を開始すると発表した。今回の関係改善にはローマ法王とカナダが橋渡し役をしたことが明らかにされています。キューバは1959年の革命後アメリカ系企業の接収=国有化を行い、このことがアメリカとの国交断絶とアメリカ側の政権転覆工作・カストロ暗殺計画の露呈など鋭い対立が続いた。東西令戦では旧ソ連の中距離ミサイル基地をめぐり米ソ対立の最前線にもなった。

オバマは中間選挙で野党共和党に敗北し、現在議会は上下両院で民主党が少数になり、追いつめられています。いかに歴史に名前を残すかが今のオバマの最大の関心事なのです。またオバマの頭にはウクライナに親米の橋頭保を作る上でロシアが軍事的に妨害していることから、対ロ経済制裁と原油安でロシアを経済的に追いつめています。

アメリカは、社会主義体制のキューバが再びロシアの軍事基地になることは戦略的に避けなければなりません。ウクライナに米軍の基地ができる事と同じくらいキューバは戦略的・地政学的にアメリカにとって重要になっています。

また経済封鎖してもキューバとは多くの国が貿易しており、経済封鎖は逆にアメリカ企業の経済的損失となっています。経済回復期に有るアメリカにとってキューバ市場をみすみす他国に取られている事は見逃せなくなっているのです。中南米を再びアメリカの裏庭にするためにはこの地域の反米国のセンター(=キューバ)を無くさなければならないのです。

アメリカ経済の市場にキューバを巻き込めば、キューバは中国のように資本主義に変質することは確実で、オバマはそれを戦略的目標にしています。逆にキューバ側に立てばカストロが老いて、しかもアメリカの経済封鎖の中で経済的成長から取り残されることは避けなければなりません。両国の関係改善の条件がそろったということです。

アメリカが対ロシア外交を戦略的重点にしたことで、ロシアは中国に接近するしかありません。アメリカとロシアの対立は中国に戦略的好機(=漁夫の利)を与えています。アメリカの覇権にとって一番危険な敵である中国の封じ込めは共和党の戦略です。オバマのキューバとの関係改善に共和党がどのような態度を打ち出すのかが注目されます。共和党の対応はアメリカの当面の主敵が対ロシアなのか、それとも中国なのかを見るリトマス試験紙のようなものです。

「イスラム国」への無益な空爆が招いたテロ!

オーストラリア・シドニー中心部にあるカフェで、イスラム過激派が17人の人質をとり立てこもった。16日治安部隊が突入し2人が死亡し6人が負傷した。地元メデアによれば容疑者はイランから1996年にオーストラリアに政治亡命した。犯人は「イスラム国」の旗を持ってくれば人質の一部を釈放する、と言っていたという。

オーストラリアはアメリカの呼びかける「イスラム国」空爆に参加しており、イスラム国のテロ攻撃の対象になっている。「イスラム国」はイスラム教スンニ派の政教一致の政権であり、イラク北部とシリア西部に支配地域を拡大している。指導部は旧フセイン政権の官僚達である。アメリカのイラク戦争の戦後処理でフセイン政権の官僚達を戦後体制に取り込まなかった点にアメリカの間違いがあった。

「イスラム国」は政教一致であり、聖戦の名で戦争の道具に信者を動員出来る。資本主義の諸矛盾からくる社会的圧迫や貧困・生活苦を階級闘争で解決するのではなく、宗教的根元に利用するなら、宗教は恐ろしい戦争の武器となる。それが今中東で起きている「イスラム国」の勢力拡大であり、アメリカを中心とする「有志連合」の空爆が「イスラム国」のインターネットを通じた世界的反撃の呼びかけとなり、今回のシドニーでのテロとなった。

一つの宗派が政治権力を取り、政教一致体制を取れば信教の自由等認められるはずがなかった。宗教とは政治権力者にとってすごく便利なもので、民衆の味あう全ての不幸・苦しみを大衆自信の不信心のせいにできる。民衆の不幸や苦しみが、実は政治家や権力者の私的利益追求の政治に原因があったとしても、それは神のおもしべしにできるし、当人の不信心のせいにもできる。

「イスラム国」との闘いで重要なのは、宗教戦争にするのではなく、心の問題である宗教と政治を分離する必要性を人々に教えることである。つまりイスラム教の世俗化を進めるソフトパワーが重要なのである。同時に石油収入の富を既得利益集団の独占を破壊し、民衆の経済的救済に回すことで宗教的根源を一掃することが重要なのである。

アメリカを中心とする「有志連合」の空爆は宗教的憎しみしか生まないし、イスラム原理主義の宗教的怒りが世界中にテロを振り撒くことになる。アメリカは直ちに「イスラム国」への空爆をやめるべきである。宗教への弾圧は民衆の闘う決意を高めるだけであり、オバマの空爆決定は完全な誤りである。全ての民族は自決権を保持しており、これを帝国主義的武力で押さえ付けることは間違っているのである。

ロシアを中国側に追いやる欧米の愚劣!

ウクライナ問題で欧米が対ロ制裁し、その結果ロシアは天然ガスと原油を中国に売り始めた。最近では中国広東省での国際航空宇宙博覧会に合わせ、ロシア製最新鋭戦闘機U35の購入交渉を始めたほか、旅客機の共同生産やロシア製大型輸送ヘリの近代化など、中ロの軍事技術協力が一気に進み始めた。ロシアは武器と航空機の中国市場に利益を見出し、中国はロシアから軍事技術を奪い取ろうとしている。

もともとウクライナの武装クーデターは、ロシアが冬季五輪を開催しているすきをついて欧米が不当に画策したものであり、プーチンが怒ってクリミア半島の併合へと反撃したもので、非は欧米側にある。ところがオバマの呼びかけで対ロシア経済制裁が行われ、結果ロシアはやむなく中国に接近することとなった。

中国拡張主義の脅威をまともに受ける日本にとっては、ロシアを中国側に追いやるオバマの画策が安全保障上の重大な脅威になっている。中国が不正な手段でアメリカの軍事技術をパクリ、軍事力向上と軍拡を急速に進めている危険の上に、ロシアの最新軍事技術が中国に渡ることは、中国の軍事的脅威に直面するアジアの国ぐににとって迷惑この上ない戦略的危機なのである。

欧米の戦略的狙いが何処にあるのか、それはロシアの旧官僚どもの特権階級から権力を奪い取り、ロシア市場を欧米の支配下に握ることが狙いなのである。しかしプーチンがいる限りそれは不可能だ。エリツイン政権時にアメリカが勧めた急進的資本主義化政策が、ロシアの金融的破綻に狙いが有った事は既に明らかで、それゆえに旧ソ連時代の官僚達が立ちあがり欧米の金融支配に抵抗し始めたのであり、明らかに誤りは欧米側にある。

ロシアは産油国であり経済規模も中国の数分の1に過ぎない。中国のように世界覇権を狙っている訳ではない。それなのに性急にロシアの金融支配を狙い失敗したからと、経済制裁でロシアに屈服を迫る行為がそもそも間違いなのである。それをウクライナ問題でみすみすロシアを中国側に追いやり、この両国を戦略的同盟関係に追いつめるやり方は賢明とは言えない。

欧米の戦略的でない対ロシア経済制裁が、中国・ロシア同盟を促すことで日本の安全保障が危機に直面する事となった。日本は中国拡張主義の孤立化を追求しなければならないのに、中国とロシアを同盟関係に追いやる欧米の経済制裁は。自分たちの利益しか見ないご都合主義でしかなく、日本は対ロシア外交で、欧米の無責任を咎め、ロシアを引き寄せ中国とロシアとの関係を断つような戦略的外交が必要になっている。

ウクライナ問題などロシアと中国の同盟に比べれば大したことは無い。国境線の変更に戦後一番早く手を染めたのはユーゴスラビアを解体したNATO側なのであり、ロシアだけを責められない。日本は対ロシア外交を前進させロシア経済を引き寄せ、中国拡張主義を戦略的優位に立たせないように大胆な外交を展開すべきである。ウクライナ問題はこの際無視すべきである。

対米追随一辺倒に対立軸を形成できない野党!

安倍首相の解散そのものが大義なき解散なのに、野党のお粗末さは話にならない。安倍首相の安全保障政策ははっきりしている、それは対米従属一辺倒でアメリカの世界戦略に自衛隊が参戦する亡国路線である。このことは集団的自衛権の解釈改憲とその具体化の関連法の立法化が来年の通常国会から始まることを見ればあきらかだ。

これに対し野党は、対米自立の平和中立の安全保障政策を対置できなかった。お粗末としか言いようがない。安倍首相はその売国性と右翼性を隠そうともしていないのに、野党は小沢(生活)の野党の一本化による受け皿作りの呼びかけに答えることができない、度量の無い小物政治家ばかりで、与党が自民・公明で1本化しているのに、野党は候補を1本化出来ないのだから始めから結果は明らかだった。

中でも共産党の独自候補にこだわる姿勢は前衛党失格だ。自民・公明が国民に飽きられ、民主が政権を握ったが消費税導入の裏切りで国民に見放された。次は共産党の番と大衆が期待しているのに統一戦線の戦略が無い。いまこそ「よりましな政府」の戦略で野党候補を一本化する好機だった、しかしそれさえやらなかった。

安倍の対米追随の戦争路線に対し、対米自立の平和主義を対置し、内政では雇用の非正規化と株価を上げるだけの政策に、国民経済の成長の為の内需拡大重視の経済政策で全ての野党をまとめ、政権の受け皿を作るべきであった。自分から確かな野党を名乗るだけに政権を取る気が無いことがこの党の抱える問題である。

選挙の開票状況をみると自公を勝たせるために共産党が野党票を割る役割を客観的に果たしている。国民からすれば、野党がばらばらで政権交代が望めない選挙だった。これは野党が国民の願いをくみ取れない現状を示している。日本の政治家はアメリカが怖いので誰も対米自立を掲げることが出来ない。安全保障政策で安倍の対米従属に、対米自立を対置し、掲げる政党が無いことが、投票率の低さの反映というべきである。

アメリカ外交は当分の間迷走は避けられない!

オバマ大統領は12月3日企業経営者らとの会合で演説し、中国の習近平国家主席について「愛国心を利用して近隣諸国に不安を与えている。南シナ海や尖閣諸島における紛争からも明白だ」と指摘した。また中国のサイバー攻撃について「中国の関与には疑問の余地は無い」と批判し、問題解決を求めていることを明らかにした。オバマはまた習近平国家主席の権力基盤について「おそらく鄧小平以来、誰よりも急速かつ包括的に権力を強固なものにした」と分析し、「そこには危険がある」と指摘した。

オバマが不思議なのはこのような中国への認識に有るのに「アメリカの中国に関する目標は、建設的な関係を構築する事だ。世界の2大経済大国は、共に効果的な関係でなければならない」と関係強化の方針を示していることである。中国の国家主席の習近平が「米中の新大国間係」を掲げてアメリカに世界覇権の分有を提案しているのに、ことさら中国に歩調を合わせていることである。

これに対し11月の中間選挙で地滑り的勝利をえたアメリカ議会=共和党は上院外交委員長や軍事委員長や情報特別委員長など上院全委員長のポストを入れ替え、対中政策で極めて強硬な立場を取ってきた人物を据える方向である。つまり議会は対中強行路線にシフトしたということである。

これまでアメリカの外交は民主・共和の超党派の委員により進められてきたが、今後2年間は大統領と議会が180度対立する外交方針のもとで、対立と混迷を深めることは確実なのである。共和党内には中国封じ込め論者が多く、1党支配の解体を目指している対中国強硬派議員が多いのである。

もちろんアメリカの外交は大統領の力が大きく、議会が反対してもオバマは非介入主義の外交を続けるのは間違いない。そうなると新興の帝国主義の中国社会帝国主義の「シルクロード基金」や「アジアインフラ投資銀行」で金融的力と軍事力で中国拡張主義がアメリカの権益を奪い、アジアで米外交は影響力を後退させることは避けられない。

日本やフィリピンなどアメリカの同盟国にとって、中国の軍事的攻勢の中でアメリカを何処まで信用できるのか?という疑心が生まれるのは避けられない。オバマ政権での民主・共和の対立はオバマケアと移民問題で鋭い対立下にあり、外交にまでこうした対立が続くとなると、日本は対米自立し独力での日本の防衛を進めるほかなくなる。アメリカの戦略的後退とオバマの日和見的対中国外交では日本の安全は保てないことを鮮明にしなければならないのである。

オバマが中国の人権抑圧を問題にしない理由が分かった!

アメリカのCIAが、ブッシュ時代のイラク戦争で捕虜の拷問を行っていたことをオバマ政権が資料公開した。最近のアメリカは白人警官が理由も無く黒人を射殺したり、絞め殺しても罪を問われることは無い。起訴もしないのだから酷いものだ、市民の抗議行動が広がるのも当然だ。自分達が酷い人権抑圧をしているのだから、中国の人権抑圧をアメリカは問題にできないのである。

中国の農民達への土地取り上げや、チベットや新疆ウイグルの人達への武力による弾圧、さらには大衆の民主化要求、香港の学生達の民主的選挙の要求等への弾圧などを、オバマが習近平との会談で取り上げなかった理由が分かった。他国の人権抑圧をアメリカが問題に出来なかったのは、自国の酷い人権抑圧をオバマが把握していたからなのである。かってのアメリカなら人権抑圧で中国への経済制裁もありえたのである。

北朝鮮政府が捕虜への拷問や警官の人種差別を取り上げアメリカの人権抑圧を批判しているが、自国の人権抑圧を棚にあげている点で、これはこれでアメリカ以上の恥知らずというべきだ。北朝鮮は自国の収容所や拉致問題や、何でもないことで銃殺にする粛清などを解決してから、他国の人権抑圧を問題にすべきである。

アメリカは現在大規模な軍事費の削減を余儀なくされている。当時のヒラり―・クリントン国務長官は軍事力による戦略を転換し、ソフトパワーによる戦略を打ち出したが、共和党政権時の捕虜拷問や現在表面化している白人警官の人種差別的黒人への殺人問題がある中では、ソフトパワー戦略も効果は無いことは明らかだ。

以前のアメリカなら、イスラム原理主義の政教一致や女性差別などの不合理を映画作品にして、政教分離を訴えたり、石油収入を権力者や王族が独占する中東の経済的不合理を映画で取り上げ、イスラム原理主義の宗教的基盤を崩すソフトパワー戦略を取りえたであろう。今のアメリカは文化面でも経済と同じで疲弊している。チャップリンのように人々を感動させる映画など今のアメリカには望むのも無理なのである。

経団連の「日本再興」は可能か?

経団連タイムスの12月4日号に名古屋での経済懇談会の記事が目を引いた。同懇談会のテーマは「日本再興を実現する」である。このテーマが大いに私の興味を引いたので読んでみると、残念ながら彼ら自身が日本経済をダメにしたデフレの原因さえ理解していないのであるから酷いものである。

かっては日経連がブルジョア階級全体の利益を代表して国民経済発展の視点から春闘対策をリードしたものである。ところが旧ソ連が崩壊して日経連を解体(統合)し、総評も解体し、家畜労組を「連合」に統合した。この労組の上層連合=家畜化と日経連の解体で、経団連は労働分野の規制緩和で個別企業の目先の利益ばかりを追求してきた。

ところが資本主義はブルジョア階級全体の利益と個別企業の利益が対立する。全体の共同利益の為に社会的規制が存在するのである。規制緩和で非正規労働を増大させたうえ、不公正な利益を追求するブラック企業をたくさん生み出し、少子化という労働力の世代の再生産さえ出来ない野蛮な搾取を生み出した。悪貨は良貨を駆逐するように、ブラック企業は企業の公平な競争条件を破壊し、法令を順守する企業をなぎ倒していくことになる。

個人消費は縮小し、国民経済は疲弊し、日本経済は縮小再生産を続けている。つまり日本がダメになったのは経団連が強欲の資本主義を追求した結果であり、彼らが「日本再興」を語るのであれば、まず彼ら自身の反省の上に、国民経済を拡大再生産の軌道にのせるには何をなすべきかを考えるべきなのである。

ところが経団連が論議しているのは「人口減少社会に対応したまちづくり」とか「革新技術を開発し新事業を起こす」という内容なのである。つまり経営者のレベルが極めて低くなっているのだ。経団連の榊原会長が「デフレから脱却し、経済再生を」と言いながら中身が何もないのである。

日本のブルジョア階級の抱える問題点を認識できていないのであるから、経団連の「日本再興」は不可能という他ない。経団連トップはGHQの戦後労働改革を学び直し、この間の労働分野の規制緩和がどのような事態を招いたかを研究した方がいい。そうしないと「日本再興」は不可能である。規制緩和で目先の利益ばかり追い求めた結果デフレを招き、国民経済を疲弊させたことを反省すべきでなのである。
                 新世紀ユニオン執行委員長 角野 守(かどのまもる)

際立つ米・中の覇権をめぐる守勢と攻勢!

アメリカは現在内政、特に共和党の中間選挙の大勝利の中で次の大統領選をめぐり、不法移民問題でのオバマの大統領令による攻勢をめぐり対立を深めている。行政は民主が大統領、立法(議会)は共和党が多数、司法(最高裁)は判事5人が共和党が指名、4人が民主党が指名である。つまりアメリカは今、行政・立法・司法が与野党の対立で機能不全に陥っている。アメリカの軍事予算を自動的に削る軍縮は今も続いている。つまりアメリカの軍事的戦略の後退は不可避なのである。

この結果アジアは中国がのさばり、中東・アフリカはイスラム過激派が勢力を拡大し、中央アジアではロシアが勢力圏の保持・拡大に転じた。覇権国アメリカが内政に手いっぱいであることが世界の不安定化の根本原因である。

ロシアは資源輸出国であり、覇権主義の野望は持っていない。イスラム過激派は中東・アフリカの経済的疲弊が解決すればアメリカには脅威ではない。この地域の軍事的混乱はむしろ武器の市場になるのでアメリカには困らない。ただしイスラエルの安全保障はユダヤロビーの力が強いアメリカの戦略的問題ではある。

アメリカにとっての真の戦略的脅威は中国拡張主義である。世界第2位の経済力を手に入れた中国は、アメリカのTPPに対坑し、アジア太平洋自由貿易圏を対置するだけでなく、「シルクロード基金」や「アジアインフラ投資銀行」でアメリカのドル金融支配に挑戦している。

習近平国家主席が「中華民族の偉大な復興」「中国の夢」実現は、アメリカとの「新大国間係」とも言われる。オバマはこの表現を巧みに避けながらも、中国との経済関係重視の姿勢を保持している。経済援助でアジア諸国を釣り、引き寄せ、軍事力増強で恫喝して今、アメリカの覇権は中国に事実上奪われつつある。

中国のアメリカとの「新大国間係」とは世界覇権の分有のことであるのだが、オバマはその点については何故か見解表明を避けている。国内的分裂と対立の関係をオバマが解決できない以上、アメリカは当面内政重視を続けることになる。中国覇権主義・拡張主義にとって絶好の戦略的好機が生まれている。

世界は第3次世界大戦に進んでいるように見える。中国は核戦力を保持し世界第2の経済力を保持している。かってのヒトラーよりも優位にある。日本は国防力を強化し、対米自立して、平和・中立の国防方針を打ち立てるべきであり、ロシアとの関係を改善し、米・欧州・中国・ロシアの等距離外交を取り、覇権を求めない外交を取るべきである。

中国は日本を仮想敵国として開戦計画を持っており、国民を狂気じみた「反日」で教育している。日本は自分の力でその侵略に対応しなければならない。アメリカは当分の間「他国の戦争に巻き込まれたくない」との姿勢であるので日本は自立・自主防衛で日本の平和を守るほかない。中国社会帝国主義の危険性を重く認識して日本は防衛力を独自に強化するのが急務なのである。

朝鮮総連本部ビルが総連系企業に売却の裏密約!?

月刊誌「選択」の12月号「情報カプセル」によれば、12月4日に最高裁判所は朝鮮総連が求めていた本部ビル売却中止の特別坑告を棄却した。これで2年ももめた本部ビル売却が不動産会社マルナカに決まった。本来ならこの決定に朝総連や北朝鮮政府が猛烈な反対の声を上げるはずだった。しかし今回は「不思議なほど静かだ。」として「選択」は「既に本部ビルをマルナカから総連系企業に売却し、今後も総連が継続出来る枠組が出来ている」(情報筋)というのである。

最高裁の4日の決定発表を官邸が事前に入手し、外務省の伊原アジア大洋州局長と小野北東アジア課長を中国に派遣し北朝鮮と接触、事前にこの事実を伝えたという。最高裁の判決や決定は3権分立から事前に外部に伝えられることは無いはずだった。しかし今回は行政の長に漏れていたのである。「選択」は「司法権が侵害された疑惑」を指摘している。

安倍首相は北朝鮮の拉致問題の調査が進むことを期待してマルナカから総連系企業に売却の筋書きを作り、朝総連が引き続き総連本部ビルを使い続ける配慮を政治的にしたのであろうが、拉致問題での事態は何も前進しなかった。

司法の最高裁が官邸の意のままに動くのであれば司法の独立は無いに等しい。しかも最高裁決定が行政の書いた筋書きで行われるなら、それは3権分立の民主主義とは言わない。しかもそれが北朝鮮の犯罪(拉致問題解決)を手助けするために行使され、拉致問題は何も解決しないのであるから、酷い外交という他ない。

安倍首相と外務省は、朝総連本部ビルをめぐる裏取引の疑惑の説明を国民にすべきである。どのような取引で最高裁決定が漏れたか説明する義務がある。日本国民はこの問題を知る権利があるのだ。

解放軍を掌握しきれない習近平の脆弱な権力!

月刊誌[選択]の12月号が、最近中国海軍副政治委員と南海艦隊の装備部長が,いずれも飛び降り自殺したことを報じている。「中国軍部が汚職摘発で大揺れ」と題した記事は習近平の江沢民派に対する粛清が終わっておらず。習近平政権は広州軍区を基盤に「西北軍」(新疆ウイグルとチベットの蘭州軍区)と東北軍区(ロシア、朝鮮正面)の軍主流の2大軍閥と険悪な関係にあると報じている。

つまり徐才厚派の残党摘発で習近平は江沢民と闘うことになるというのである。これが事実であるなら習近平政権はいまだ解放軍の一部しか握っていないことになる。習近平がインドを訪問した時カシミールで中国軍がインド領を攻撃した事件等は軍閥的動きと見ることができる。

10月末から11月初めにかけて古田鎮という山奥で「全軍政治工作会議」が開かれた。かって毛沢東が1929年に、党が軍を指導するという、軍に対する党の優位性を打ち立てたのがこの古田鎮での「古田会議」なのである。習近平があえてこの地で「全軍政治工作会議」を開かねばならないということが問題の深刻さを示している。

今後江沢民派が支配する中国石油、南方航空など国有企業の権益にしぼり捜査する、との動きもあることを見れば習近平の江沢民派に対する主導権争いは終わっていないと見るべきである。習近平が日本の安倍首相と会談し、反日をやめたのは国内の深刻化する経済情勢と軍閥間の対立の激化があることを押さえておくべきだ。

習近平政権が未だ解放軍を完全に掌握していない以上、軍が党の政治的指導に従わない事態もあり得るわけで、このことは習近平政権が安定した政権とは言えず、脆弱性を持っている事の表れである。経済的危機の中にある中国の習近平政権は政治的にも安定していないのであるから、内的矛盾の激化が外的暴走に転化する可能性もあるので、日本は軍事的備えを怠ってはいけないのである。

戦争中20万人の女性を強制連行し性奴隷にしたは嘘だった!

アメリカ人ジャーナリスト・マイケル・ヨン氏が記事を発表している。その翻訳文がネットで公開されている。

その記事によると第二次大戦中、旧日本軍が20万人もの韓国人女性を強制連行して、性奴隷(慰安婦)にした、との主張が韓国政府によって世界中に振りまかれていることについて、アメリカ政府は30億円超の費用と大勢の政府職員や歴史学者を動員して、約7年の歳月をかけて調査した。

アメリカ政府が保管している第二次大戦中の資料は約250万件だという。この調査の結果韓国政府が主張している証拠は一つも見つからなかった。約30億円(3000万ドル)が無駄に費やされた。(この最終報告は2007年にアメリカ議会に提出され、発表された)

韓国大統領のパククネは嘘と証明された20万人の韓国女性の強制連行と性奴隷の話をしつこく世界中に振りまいている。マイケル・ヨン氏は以下のように書いている。「この主張がブーメランのように戻ってくる様子を想像してみよう。朴大統領は日本が数10万人の韓国女性を、性奴隷にする為に強制連行したといううが、彼女の父親はその当時、日本軍の陸軍将校だったのだ。しかも韓国人男性が日本軍の行為に反抗して闘ったという証拠は何も残っていない」と。

つまり「第二次大戦中、韓国人男性が臆病者だったとでも言うつもりか?」とマイケル・ヨン氏は反問する。少し戦史を紐解けば、兵士の食糧すら十分に戦地に輸送出来なかった旧日本軍に、20万人の従軍慰安婦を輸送し、喰わせる余裕などなかった事は明らかで、すべてはでっち上げと分かる事だ。

そうであればパククネ韓国大統領はなぜ従軍慰安婦問題の解決をいまだに叫んでいるのか?その動機に着目すべきである。韓国では何故か?大統領は暗殺か、自殺か、逮捕・投獄だ。国民の批判が怖ければ「反日」をやれば支持率は高まるのが韓国だ。しかもパククネの父親は親日と見られている。パククネは嘘と分かっていても「反日」を演じ続けなければ殺されかねない存在なのである。

こうして「20万人の韓国女性の強制連行と性奴隷の話し」が世界中に振りまかれ、アメリカでは慰安婦像までもがつくられる騒ぎになった。こうして韓国国民は「反日」日本国民は「嫌韓」が高まり、窃盗団まで日本に送りこんで仏像を盗み出し、その盗んだ仏像を返さない韓国政府に多くの日本人は怒りを高めているのである。韓国国民は、日本政府が韓国政府に戦争賠償金を支払い済みであることを知らされていないのである。

アメリカ人ジャーナリスト・マイケル・ヨン氏は、IWGの最終報告書を読んでほしい、と結んでいる。日本の新聞やテレビが何故この報告書を報道しないのか?不思議である。真実を報道するのがマスコミの責務ではないのか?

労働分野の規制緩和が日本経済をダメにした!

戦後労働運動の原点はGHQの戦後労働改革である。アメリカは占領下の日本の戦後復興にあたり理想的な経済成長の仕組みを作った。労働組合法で経営側の不当労働行為を禁止し、強い労組を作ることで継続的賃上げを促した。個人消費の継続的拡大で日本資本主義の高度成長の基盤を作った。(他に戦後改革で地主階級を解体し、財閥を解体し、農村を資本主義の市場にした。)

ところが財界(=大ブルジョア階級)は目先の利益を追求して企業内組合を飼いならして家畜化し、その戦闘力を奪った。また旧ソ連解体後の強欲の資本主義の政策として規制緩和・民営化・自由化が進められた。社会的規制は企業間の平等な競争条件を作るとともに、労働力の食い潰しを防ぐ意味で資本主義の発展のためには必要なものであった。

小泉「改革」以後の自民党の規制緩和は、個別企業には目先の利益を増大したかも知れないが、日本の国民経済は縮小再生産の負のサイクルにはまったのである。生産財生産分野が発展するには消費財生産分野の恒常的拡大が不可欠だ。個人消費は最終消費の約7割を占めている。労働分野の規制緩和で労働の非正規化が進み、その結果労働者の実質賃金が恒常的に低下し、国内市場が縮小するもとでは、企業は設備投資などするわけがない。日本は格差社会となり労働者の過労死・過労自殺が社会問題(=労働力喰い潰し)となった。

企業はより安い労働力を求めて、海外への生産拠点の移転を進めるだけでなく、海外への資本の輸出を拡大した。つまり日本資本主義は規制緩和で、一層侵略性を強めたのである。国内市場の狭隘化が一層海外市場への日本企業の野心を拡大したのである。政府は海外での企業の利益の9割を非課税として経済進出を支援した。

こんな時に中国・韓国の領土問題での反日運動が、日本の世論を急速に右傾化させた。こうして右翼政治家の安倍政権が生まれたのである。集団的自衛権の要請は日本企業の海外権益を守るだけでなく、財政危機で軍事力の削減に取り組むアメリカにとっても願っても無いことであった。

デフレ・格差社会はアメリカも欧州も同じで、世界は大経済危機に直面し、発展途上国は動乱・内戦となり、国境線の軍事力による書き換えも進み始めた。格差社会による階級矛盾の拡大が内的矛盾を激化し、外的矛盾へと波及する。世界は戦争の時代へ進みつつある。これが日本に右翼政権が生まれた政治経済的背景である。

今回の解散総選挙は野党がばらばらで、政権の受け皿が出来ていないので、自民・公明の圧勝になるであろう。集団的自衛権の関連法案は安倍政権の思いどおりに進む可能性が強いのである。世界と日本の未来にきな臭さが増している。憲法9条を宝とする観念的平和主義では戦争を防げない事は明らかだ。日本の現憲法の制定権力はアメリカである。アメリカ軍がいつまでも日本を支配し、アメリカの国債を買わせ続ける為に、非武装の憲法9条があることを、覆い隠してはいけない。

アベノミクスは対外侵略の資金を供給するものでもあった。財界も労働界も日本の戦後資本主義の原点の戦後改革の意義を学んだ方がいい。日本は内需を拡大して外への侵略の戦争路線を防止し、対米自立で平和主義を堅持しなければならないのである。絶対にアメリカと共に侵略戦争をする国にしてはいけないのである。
                    新世紀ユニオン執行委員長 角野 守(かどのまもる)

香港学生達の民主化のための闘いを断固支持する!

中国の走資派指導部が、「1国2制度」と言いながら、香港の次期行政長官の選挙制度で事実上民主派の立候補を出来なくしたことで、香港の学生達が抗議闘争に立ちあがって2カ月が過ぎた。
11月30日からのデモ隊と学生達の衝突は多数の負傷者と逮捕者52人を出す流血の事態となった。

公表された写真を見ると、若き学生のリーダーが逮捕される時の面魂がすごい。中国は香港政庁に譲歩させなかったことで多くの民主派の闘志を生みだした。学生たちの指導者は「やむを得ず行動のレベルを上げる」と述べ庁舎の包囲を開始し、警官隊は警棒を振り上げて若い女子学生たちを殴り付けた。

香港の若きリーダーたちは賢い、闘いに柔軟性がある。中国政府は香港の民主主義の為の闘いが中国本土に飛び火することを死ぬほど恐れている。新疆ウイグルではウイグル族の若者が命をかけた民族の自決の為の戦いに立ちあがっている。重要なのは持久的闘いである。

香港の民主主義を押しつぶした中国政府は、金融センターとしての香港を動乱の中に巻き込んだ。観光客は激減し、香港の経済的役割は縮小していく。「1国2制度」が形だけのもので中国走資派指導部の独裁下にあることが明らかになれば、それは金の卵を産む香港の金融センターとしての役割を失いかねないことである。

闘いは人を鍛える、17歳の若き指導者達が鍛えられ、やがて中国の新しい民主化のリーダーに育っていくであろう。第2の天安門事件が怖くて中国政府は腰が引けている。ただ本土への飛び火が怖くて報道統制するだけだが、ネット時代には報道統制には限界がある。

香港の動乱は中国の台湾政策も困難にした。資本主義の自由を経験した台湾の人々が一党独裁支配の理不尽な窮屈さを選ぶわけがない。民主主義がなければ資本主義は発展しない。官僚支配の国家資本主義は軍国主義的侵略の道に突き進むのは法則だ。中国の外への凶暴性は国内的分裂の反映である。中国はすでに社会帝国主義に転化しており、この国の拡張主義を軽視して「新大国間係」に期待するバカ(=アメリカのオバマ)どもが戦争を招くのである。
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