fc2ブログ

ドル体制の危機を周期的に演出するアメリカの狙い!?

巨大債務国アメリカは、1971年に金とドルの交換を打ち切って以来、「米国債本位制」とも言うべき手法により、代価もなく外国の資産を利用できるようになった。増大するアメリカの財政赤字は主に海外での軍事支出で形成されたものである。アメリカは諸外国の手持ちのドルをアメリカ企業の買収に使わないよう要請し、米国債を売り付けてドルを環流させてきたのである。

アメリカは世界通貨としてのドル発行益を懐に入れつつ、ドルを世界中に垂れ流し、諸外国に莫大な米国債(=財務省証券)を売り付けたが、以来ドルの価値は下がり続けたのである。ドル安傾向は米国債の元本の目減りを意味しており、これは事実上の債務国家による国家財産の搾取に他ならなかった。

米議会が、何故毎年連邦政府予算案をめぐり政府機関の閉鎖やデフォルト騒ぎを演じるのか?それは米国債を大量に買わされている債権国(日本や中国)に、自国のドル体制を支えさせるためである。もちろんアメリカ社会が格差社会となり、オバマの医療保険制度をめぐり米議会の妥協が成立しにくいという条件もあるが、巨大債務帝国主義アメリカとしては、ドル支配体制の危機を周期的に演出する事も必要な事なのである。

アメリカが巨大債務帝国として自国の赤字の埋め合わせに、他国の資産を搾取する為に米国債を売り付けることでしのぎ、自国の金利は出来るだけ上げないようにしてきたのである。1985年のプラザ合意で日本はアメリカに自国の金利を引き下げるよう要請され、日本は忠実にそれを受け入れたが為に、狙い通り日本経済は大バブルとなり破綻させられたのであった。

ヨーロッパや発展途上国の債務を抱える国はアメリカに、インフレではなく緊縮政策を要求され2001年のアルゼンチン政府を揺さぶったIMF暴動はこうしたダブル・スタンダードの結果起きたものであった。つまりアメリカは世界中にドル紙幣をあふれさせ、そのドルを米国債を買わせることで債務国として世界各国を支配し搾取しているのである。

もし外国の中央銀行が流入ドルをアメリカ財務省に再融資しないなら、アメリカは世界の権力者として経済制裁や暗殺や戦争などの報復をするであろう。このように自国の借金を帝国の金融的支配に利用するのは人類史上初めての事である。アメリカの言う「自由貿易」とはこうしたアメリカの「米国債本位制」を維持するための言葉であり、それは「ドル支配」と同義なのである。

しかしこうしたアメリカの巨大債務帝国主義の手法がいつまでも通じるわけが無く、統合欧州が統一通貨ユーロを作ったのもアメリカの「米国債本位制」から脱する為であった。今世界はアメリカに対抗し、インフレ政策と通貨安誘導を行っている。アメリカが政府機関の閉鎖やデフォルトの脅しで債権国から搾取するやり口がいつまでも通じるわけではない。世界経済は戦後最大の転機を迎えているのかも知れない。

日本は対米自立をめざして、アメリカのドル支配からの脱出を真剣に考えるべき時である。
スポンサーサイト



テーマ : 国際経済 - ジャンル : 政治・経済

アメリカの経済支配が進む韓国産業!

アメリカと韓国とのFTA(米韓自由貿易協定)が発行して1年半が経った。韓国政府はFTAを締結するために約60以上の法律の改正に着手した。アメリカは法律を変えず、韓国がアメリカルールになったのである。しかもFTA(米韓自由貿易協定)には「毒素条項」と呼ばれるルールがある。
韓国に進出したアメリカ企業が進出先で不当な扱いを受け、期待した利益が上がらないと判断したら国家を訴る事が出来るのである。このルールの結果韓国経済は今急速にアメリカの一州のような属国になりつつある。

アメリカ産牛肉の関税は毎年2.5%づつ下げていく事になっている。この結果FTA一年目のアメリカ産牛肉の輸入は53.6%も増え、韓国酪農は危機にある。これは農業だけではなく韓国経済がアメリカの金融的支配下に置かれていくことになるのは避けられない。

アメリカと韓国とのFTA(米韓自由貿易協定)は売国的政策だという事が、韓国人民に知られ政府批判が高まることを恐れる韓国政府は、盛んに日本軍国主義・従軍慰安婦問題・竹島の占領を事あるごとに叫び、国民の目を日本批判に誘導している。

日本の国民は、安倍政権が進めているTPP(環太平洋連携協定)参加が本質的には韓国と同じ、日本経済のアメリカ化に他ならない事を知らねばならない。日本の農業、日本の産業を守ることが重要なのである。食糧を他国に依存する事は日本のアメリカに対する従属支配を深めることに他ならない事を知るべきである。韓国は日本にとって「他山の石」なのである。

日本は、対米自立しなければ、アメリカの支配従属の関係にいつまでも甘んじなければならないのである。日本の対米自立を口にせず、TPP参加を語り、愛国心を語る人物を信用してはいけないのである。

テーマ : 韓国について - ジャンル : 政治・経済

強欲の資本主義から転換する時が来た!

今日の資本主義の世界的危機は旧ソ連の崩壊から始まった。社会主義に勝利した直後の主要国首脳会議(サミット)で「平和の配当」を得ることが合意され、自由化・民営化・規制緩和の政策(これをワシントン・コンセンサスと言う)が追求され、各国それぞれのやり方で賃下げ・長時間労働が進められた。

この結果、先進各国は貧富の格差が数百倍の規模で拡大した。豊かなものはますます豊かに、貧しきものはますます貧困になった。GDPの約70%を占める個人消費は減少することとなった。典型的なのが日本だった。それまで交通ゼネストで大幅賃上げを果たし高度成長していた日本は、労組の家畜化と労組幹部の反動的上層連合によって、労組は賃下げとリストラの推進機関となった。日本経済は継続的賃下げによって個人消費の継続的減少で活力を失い、中産階級の没落が進み、財政出動での一時的市場創出で財政危機を深刻化させた。こうして国民経済は縮小再生産のデフレの泥沼にはまり込んだ。これが現在の先進各国の「世界同時不況」なのである。

先進各国の政治指導者たちは、初めて資本主義の成長・発展のためには節度ある分配率が必要であること、その為には強い労組が必要であることを理解したのである。日本の経営者たちは、個別企業の利潤追求のための労組の家畜化が、国民経済にとっては死活的マイナスであることを理解しなければならない。もともと労働者管理としての社会的規制は、資本家階級の共同の利益のために行われたのであるが、その規制緩和が個別企業の利潤追求策として行われ、結果全資本家階級の利益・国民の利益を損ねているのであるから皮肉な事と言わねばならない。

今、オバマも安倍も労働者の賃金を上げ、中産階級を増やし、個人消費を拡大する事に躍起となっている。安倍首相は政・財・労の「政労使会議」で賃金を上げようとしているが、これでは継続的賃上げは難しいのである。強い労組により比較的賃上げが進み国民経済が好調なのは先進国ではドイツだけである。ドイツの経済界の指導者たちは、強い労組の存在が国民経済の発展に不可欠だという事が分かっているのである。

日本経済がデフレの悪循環から抜け出すには、行き過ぎた労組の家畜化の弊害を経営者たちが理解する事が必要なのである。米占領軍の戦後労働改革の目指した狙いが、強い労組の育成で個人消費を拡大し、資本主義の発展を目指した事を理解すべきであった。資本主義経済の持続的発展には個人消費が持続的に上昇する事が必要不可欠であった。強欲ゆえに日本の経済界が規制緩和をやり続けるなら、日本経済の復興は有り得ないと知るべきである。
    新世紀ユニオン執行委員長 角野 守

テーマ : 政治 - ジャンル : 政治・経済

憲法9条を絶対視する法的観念論を克服せよ!

「憲法9条は日本の宝」と信奉する人達が「日本は憲法の通り非武装中立で行くのがいいのでは」との見解を、このブログに伝えてくる。「日本は軍隊を持たない方がいい」と言うのである。

日本の周辺国はロシア・中国・北朝鮮・韓国と軍事大国が並んでいる。日本が非武装で国を守れるはずが無いのである。だから憲法9条を信奉する人達は絶対に対米自立を言わない。

現憲法は、アメリカ軍がいつまでも日本に居座るため9条を定めている。つまり憲法9条は従属条項なのである。日本はアメリカの出撃基地として、いつまでもアメリカに従属しているとアメリカの侵略戦争の手伝いをやらされる事になる。集団的自衛権の解釈変更がその為の法的準備の第一段階なのである。

日本がアメリカの侵略戦争に巻き込まれない為には、日本は対米自立し、自分の国は自分で守ることの出来る、小さくとも強力な防衛力(武装力)が必要なのである。

日本共産党や社民党がいつまでも法的観念論の立場から非武装・中立、「9条は日本の宝」などと観念的な事を言っていてはだめなのである。彼らのこの態度によっていつまでも日本は、アメリカの国債を買わされ、思いやり予算等米軍基地受け入れ国支援など、搾取され続ける事となっているのである。

憲法9条を絶対視する法的観念論を克服しないと日本共産党や社民党は消えていく運命にある。国民が日本の平和主義を堅持するには、産軍複合体を基盤とした地球上最大の戦争勢力であるアメリカから、早期に自立する事が必要なのである。

こともあろうに従属憲法を「平和憲法」などと寝ぼけたことを言っていては、この両党は国民の支持を失うばかりである。戦後日本の平和が続いたのは「平和憲法」のおかげではなく、アメリカ軍が日本に居座っていたから、誰も侵略出来なかっただけなのだ。
憲法9条を絶対視する法的観念論を早期に克服せよ!民族の自立のための闘争が今必要なのである。民族の願望を掲げない政党が政権等取れるわけが無いのである。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

強欲の資本主義が米議会の対立を激化させている!

世界各地で内乱や内戦、民族・部族間の対立が激化している。新自由主義のグローバル化が強欲の資本主義化を促し、議会の階級間の利害の調整を難しくしているのである。その典型的な例がアメリカ議会である。

アメリカ議会では、イラク戦争とアフガン戦争、さらにはリーマン・ショックの財政出動の結果である財政赤字の付けを誰が払うかで対立が激化している。アメリカでは10月から新年度が始まるが、その予算案が未だに可決できないでいる。今月中に予算案の可決と連邦債務の上限引き上げで妥協が出来ないと、政府機関が閉鎖に追い込まれ、アメリカ国債が債務不履行(デフォルト)となる恐れが出てきた。

共和党は医療保険改革法(=オバマケア)に関するオバマの予算案に反発を強め、撤回を求めており、新年度予算を人質に民主党政権に譲歩を迫っている。上院は民主が、下院は共和党が多数であり、しかも対立点がオバマの目玉政策の医療保険改革法であるため、利害調整を難しくしている。

欧州でも不況対策としての財政出動の付けである財政赤字をめぐり、緊縮政策や増税で付けの支払いをめぐり階級対立が激化している。欧米の経済危機の根源は、旧ソ連崩壊後の強欲の資本主義に原因があり、労働者への賃下げが個人消費を縮小させ、国民経済を疲弊させているのである。

特にリーマン・ショック後の財政出動が、本質的には資本主義の危機の先送りであり、未だに先進資本主義国の経済危機が続いているのである。つまり現在の世界的経済危機は、旧ソ連崩壊後の「平和の配当」を求めた強欲の資本主義が必然的に招いた不治の病なのである。

大ブルジョアだけの利益を追求する強欲の資本主義が、階級対立を激化させ、議会の本来持つ階級間の利害調整を難しくし、政治危機が経済危機を深刻化させつつあることを見て取ることが必要なのである。国民経済の発展のためには節度ある分配率が政府規制(あるいは所得政策)として行われないと、この危機の克服は難しいのである。「規制された資本主義」が必要なのに、世界中が未だに規制緩和に狂奔している実態が問題の解決を困難にしているのである。

テーマ : 政治 - ジャンル : 政治・経済

安倍政権の「解雇特区」構想に反対する!

朝日新聞の報道によると、政府が解雇自由・労働時間規制せず、残業代をゼロにする「特区」を作ることを検討している。今月20日の産業競争力会議の会合で、安倍首相が田村厚生労働相に検討を指示したという。その内容は以下の通りである。

(1)入社時に契約した解雇条件に合えば、どんな解雇でも認められるようにする。

(2)一定の年収があると労働時間の規制が無くなり残業代が無くなり、休日・深夜の割増もない。
(3)短期契約の労働者が5年超働いても無期転換出来なくする契約を認める。

つまり経済特区では解雇の自由・残業代ゼロ・労働時間規制なしの規制緩和を認めるというのである。日本でこんなことをすれば過労死・過労自殺が続出する事は確実だ。しかも労働条件の悪化=賃下げが急速に進行する事になる。

デフレ対策を行うという政権が、愚かにも労働契約の規制緩和で、個人消費の縮小を進めるのだから、これでは安倍政権の自殺行為と言うしかない。この解雇の自由化と一連の規制緩和は先端産業への労働力移動を進めるという事を大義名分にしている。

大量の失業者がいるのだから、問題は先端産業を育成し、雇用を生み出すことであって、解雇を自由化しても最終消費が縮小する経済では先端産業は発展する事は無いのである。こんなことも理解できない愚かな連中が国のかじ取りをしているのであるから、日本経済の長期混迷は避けられない。

今、日本の国民経済を発展させる上で重要なのは、個別企業の目先の利益を増やすことではなく、賃上げで個人消費を増やし、設備投資を喚起する事と先端産業育成策による雇用創出が、国民経済を真に発展させることになるのである。

経営者の目先の利益を図ることと、国民経済の発展のための政策とは対立するのであって、デフレ対策と規制緩和路線は相矛盾するのであり、安倍政権の政策は愚かと言うしかなく、安倍政権の解雇の自由化は断じて支持できない。
これでTPP参加をすれば、日本経済は一層疲弊し、対米自立どころか、日本はアメリカの完全な属国となるであろう。

テーマ : 労働問題 - ジャンル : 政治・経済

国民から絞り上げ、企業にばら撒くのか!

安倍政権は来春に消費税を8%に増税し、「これによる景気の腰折れを回避する」との名目で5兆円の経済対策をやるというのである。しかも東日本大震災の復興財源となっている「復興特別法人税」を来年度から廃止する事に決めた。

「復興特別法人税」で約9000億円の企業への減税になるが、被災地の切り捨てに他ならない。このほかリストラ企業への投資減税として約3000億円をばら撒く。消費税増税は財政再建の為ではなかったのか?これでは民主党政権の子供手当のばら撒きの方が個人消費を喚起するのでまだ良かった。

国民から絞り上げ、その財源を減税や公共事業で企業にばら撒くなら、これは単なる財源の利益配分であり、国民経済を立て直すことではない。景気効果は一時的なもので終わるであろう。

日本経済はなぜ縮小再生産のサイクル(=デフレ)に陥ったのか?それは労働者の賃下げを継続的に行い、最終消費(個人消費)を縮小させ続けたからである。国民経済の健全な成長には適度の分配率が無ければならない事を知るべきだ。

安倍首相が果たすべきは個別企業の利益ではなく、国民経済の成長でなければならない。一時的な財源のばら撒きは、自民党が野党時代に批判したことではないのか。これでは安倍内閣は短命となるほかない。

国民から絞り上げ、企業への減税や財源の利益配分のばら撒きでは、財政危機は深刻化するばかりだ。こんな政策なら消費税増税は見送りとし、緊縮政策を徹底した方がいい。

一番いいのは海外・国内に多額の隠し資産を蓄えている企業や金持ちに増税し、その資金で先端産業の高度化をすすめ、雇用を生み出すことである。富の再分配の政策が日本には今必要なのである。当分の間公共事業は被災地だけでよいのである。公共事業で土木資本主義を続けては財政は悪化するばかりだ。

テーマ : 政治 - ジャンル : 政治・経済

読者の質問に回答する!

下記の質問が寄せられましたので回答します!
********************
こんにちは!内容とてもためになるのでよませていただいています。
ひとつ、どう考えたらよいのかわからないのが、日本の自立の問題です。
自立しないと、アメリカの言いなりだし、でも、日本が武力をもてば、政治家は日本国民のことを考えているわけないので、どうせ、過去のように自分たちに都合がよいように武力が使われると思うのです。
今、世論はかなり軍隊を持つべきだと言う方に流れているし、自民党タカ派がそちらへ持って行きそうですが、国民のための軍隊なんて本当に可能だと思われますか?
どうせなら、平和憲法で、武力を持たずに行った方がよいのではないでしょうか?
********************
回答
今の日本には少ないですが軍隊(=自衛隊)があります。しかしこの軍隊は陸上自衛隊で14万人に過ぎません。中国は陸軍が200万以上ですし、韓国も50万以上、北朝鮮は100万以上の陸軍があります。日本の防衛については攻撃面をアメリカが担当しているので自衛隊は攻撃的兵器は持っていません。F15は爆弾を積めません、搭載出来るのは対空ミサイルだけです。

「平和憲法」と貴方は言いますが、それは間違いです。憲法があったから戦後の日本が平和だったのではありません。
アメリカ軍が日本に居座っているので他国が侵略出来なかっただけで、日本憲法は「非武装」を掲げることで、いつまでもアメリカ軍が日本に居座るための従属憲法なのです。

いまの中国軍は拡張主義なので必ずアメリカと戦争になります。日本はその時までに自立しておかないと米中戦争に巻き込まれます。日本の周辺に軍事大国が並んでいるので、日本の中立には小さくとも強力な軍備が必要です。「憲法9条は日本の宝」という人達はアメリカの日本支配を長続きさせるために言っているのです。

日本が平和主義を継続させるには対米自立しかなく、その為にはスイスのように武装力がなければなりません。質問者が何を持って「国民の軍隊」と言っているのか解りません。軍隊はどのような国家であっても国家の武装力です。中国人民解放軍であっても、名前に関係なく国軍なのです。

質問者は、そもそも問題の立て方が間違っています。日本の憲法は従属憲法であり、軍隊は国家の軍隊です。軍隊の性質を規定するのは、国家の性質なのです。

テーマ : 政治 - ジャンル : 政治・経済

温暖化と中国の台頭が及ぼす地政学的戦略の変化!

ロシアの海洋戦略の弱点は、海軍が北極海・バルト海・黒海・極東に分割されることである。帝政ロシア時代の日露戦争の日本海海戦でも明らかなように、兵力の集中が出来ない艦隊は各個撃破されるのである。

ところが温暖化はロシア西部の艦隊を極東に北極海ルートで展開できる(季節的制限があるが)し、その逆もあり得るのである。つまり温暖化はロシアの海洋戦略に非常に有利に働くようになった。

アジアにおける中国軍の近代的増強は、東シナ海と南シナ海の戦略バランスを激変させたのである。中国はシベリアに大量の労働力を送り込み、中央アジアを元経済圏に取り込みつつあり、インドのカシミール地方等を侵略し、ミヤンマーに食指を伸ばしている。

中国はアフリカの資源開発に労働力100万人を送り込み、インド洋に軍港を整備している。また中米のニカラグアに第二(パナマ)運河の建設を予定している。中国社会帝国主義は現在世界で一番凶暴性を持つ拡張主義勢力なのである。アメリカはパナマ運河を握ることで海洋戦力の(太平洋と大西洋の)集中が可能となった。中国は第二パナマ運河の建設を予定しているが、北極海航路開設が彼らの運河建設の戦略的価値を低下させるであろう。

日本は、この中国覇権主義の矛先を一番に受ける地政学的位置にある。中国海軍は日本の南西諸島を占領しなくては太平洋に出る事が出来ない。彼らがハワイ以西を自己の管轄海域にしようと野心を肥大化させているのは、対日開戦を前提にした戦略なのである。尖閣海域での軍事的挑発は戦争戦略に基づくものである。

アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換し、もはや同盟国との防衛約束を果たせない下で、日本は自国の防衛戦略を立てなければならないのである。ロシアのシベリアで、最近中国移民排斥が激化し、プーチンが日本の北方領土の解決を「引き分けで解決」することを提案しているのは日本にとって逃すことの出来ない戦略的チャンスなのである。

ロシアとの経済相互依存関係を強化し、ロシアを引きつける事が、日本への中国軍の侵略に対抗するうえで戦略的に決定的に重要な意味を持つのである。シベリアの資源の開発は日本の資源の中東依存を軽減し、ロシアを支払い能力のある市場に変えるのである。軍事的にも日本は2正面戦略を回避できるのである。

安倍政権はロシアとの関係改善に動き、中国を主敵とする日本の防衛戦略を確立し、対米自立の必要条件を早急に整えるべきである。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

シリア問題での米ロ合意の戦略的意味!

シリアの化学兵器の破棄に向けた米ロの合意に対するオバマへの批判が高まっている。「アメリカは敗北者だ。アサドが合意に違反した場合、我々はロシアの人達の善意に頼るしかないのが現状だ」(共和党マケイン上院議員)というのである。

米ロ合意への懸念や批判は、(1)シリアが合意を守るのか?(2)守らない場合武力行使出来るのか?の2点である。内戦中のシリア軍が戦略兵器の解体に応じるわけが無い。応じても解体は一部分であり、ポーズでしかないであろう。

はっきりしているのはオバマは「息継ぎの和平」に戦略転換しており、武力行使をしたくなかった(できなかった)ということである。もしアメリカがシリアに介入しておればアメリカはイラク・アフガンに続きシリアで泥沼にはまり込んだであろう。財政危機はさらに深刻化し、アメリカは一極支配戦略の放棄を確実なものとしたであろう。

ロシアにとってシリアは、地中海における唯一のロシア海軍基地を失うことはリビアを失う事以上に軍事的敗北となったであろう。帝政ロシアの時代から黒海艦隊は地中海への進出が悲願であったのである。ロシア海軍にとって極東とバルト海での不凍港獲得と地中海進出(シリアの軍港)が戦略課題であったのである。

それは中国が日本の列島線を封じ込められると太平洋へ出れなくなるので尖閣諸島を口実に対日開戦を策動している事と同じ軍事・戦略上の重要性を持っている。つまり今回ロシアは戦わずに勝利したのである。

アメリカは移民制度改革や医療保険改革で民主・共和の対立が激化しており、しばらくは内政重視が続くのである。シリア問題でのオバマの消極性は弱さの表れであり、議会の捻じれの下で政権運営は困難な状態が続く事になる。もはやアメリカは他国との安全保障の約束を守る余力は無い事を知るべきである。

イスラエルの場合は、エジプト軍のクーデタ―でイスラエルの安全は最低限保証したというのがオバマの考えなのである。中国がアメリカの戦略転換に付け入れれば日本の西南諸島はたやすく占領されるであろう。いまのアメリカは、財政危機で一極支配者としての「世界の警察官」の役割は果たせないのである。日本は対米自立しなければならないのである。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

日本企業の技術力に赤信号がともる!


6月に三菱重工製のコンテナ船(商船三井保有)がインド洋で航行中に、船体中央部が破断した。7月にはアメリカの電力会社に納入した三菱重工製の蒸気発生器が放射能漏れで、原発が使用不能となり、同社は莫大な(数十億ドル)賠償請求の裁判を抱え込んだ。8月には三菱重工が開発中の小型ジェット旅客機が3度目の納入延期に追い込まれた。

日本の代表的企業の三菱重工の船舶・原発・航空機の3つの基幹事業でのトラブルは普通ではない。長年のリストラ経営が知らず知らずの内に日本企業の技術力を奪い取ってきた反映と考えるべきであろう。

労働相談で感じるのは、ここ数年日本企業のリストラが研究分野に移行している事だ。賃金の安い外国に工場を移転したり、技術力の高い高齢労働者をリストラして、コストを削減するため研究所をリストラしている。技術と技能の継承が巧く行かなくなっている事を企業は深刻に捉えるべきであろう。

日本の電機産業が韓国や中国に追い上げを喰い、斜陽産業化していることも技術開発力の低下が反映している。リストラした技術者を、韓国や中国に奪われて追い上げを喰う事をこれ以上繰り返してはいけないのである。

日本企業はいつまでも自動車と電気産業ではいけない、先端産業の育成が必要なのだ。リストラ経営からの転換が日本企業には差し迫って必要な時ではないかと思うのである。つまり日本の経済に必要なのは解雇規制の緩和ではなく、技術者をリストラしないで、技術力を高めていく事、同時に先端産業を育成する政府の産業政策だと思うのである。

新世紀ユニオン委員長 角野守

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

かすむアメリカの世界の盟主としての権威!

かって国連は「アメリカの投票機械」と言われたのである。イラク戦争では国連決議を受けてアメリカは侵略した。ところが先のG20首脳会議では、対シリア攻撃への理解を訴えたアメリカは孤立したのである。これを見てアメリカ国民はシリアへの単独攻撃に反対した。

オバマは、今シリアにアメリカが介入する事の危険を理解していたので、アメリカ議会にシリア攻撃の決議案の決議を促しながら、同時にロシアに根回しして毒ガス兵器の国際的管理の条件を提示していたのである。

アメリカが、イラク戦争とアフガン侵略で財政的に疲弊し、今では国連決議をまとめる「ソフトパワー」(=外交力)も失っている。ロシアと中国は国連安保理でシリアへの制裁決議に真っ向から反対し、ドイツも軍事介入に反対し、日本等同盟国も理解を示したが支持は与えなかった。

オバマはノーベル平和賞を貰った為か?軍事介入に極めて弱気だ。イスラエルの隣国のシリアにさえ介入を避けた事の戦略的影響力は極めて大きいと見るべきだ。この分なら中国軍が尖閣占領に乗りだしても、アメリカが日本に対する安全保障上の約束を守るとも思えない。

核兵器とミサイル開発を進めている北朝鮮にさえアメリカは何も出来ないと舐められている。
オバマはアジア重視の戦略を打ち出したが、中身は何もない、アジアで主導権を持っているのは中国であり、中国の大軍事力増強の前に、アジア諸国は「フィンランド化」を強めているのが現実なのだ。

世界の覇権を握るアメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換しているとはいえ、こうも国際的威信を失うとは思いもよらぬ事である。今後アメリカは空母機動部隊を7つに削減していく、陸軍も空軍も大幅な兵力削減をすることになる。2正面戦略を捨てたアメリカは、もはや世界の警察官としての役割を果たせない状況となっているのである。

日本は一日も早く対米自立し、防衛力を増強して中国拡張主義の侵略に備えるべきである。自分の国は自分で守る時代が来た事を日本国民は自覚して、民族としての誇りを取り戻さなければいけない。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

経済強国を強調した北朝鮮の意図!

北朝鮮の三代目の指導者(金正恩)は、当初「先軍政治」を改めるのではと言われたが、実際には核開発とミサイル開発には変わりが無かった。北朝鮮は冷戦の産物のような国家で、全てが軍事優先の「先軍政治」なのは、120万人と言われる軍組織の肥大化が影響している。

もともと冷戦時代のソ連と中国からの援助に寄生するような経済だったのが、冷戦崩壊後も同じ軍事力を維持した事が間違いであった。この国の指導者は軍事力が経済力に依存する、という発想が無い。だからあいも変わらず「先軍政治」を掲げているのである。

冷戦が崩壊してからは、北朝鮮は核開発やミサイル開発や、時にテロ活動でアメリカや韓国・日本から見返り援助にありついてきた。いわゆるゆすり・たかりの見返り・瀬戸際外交である。だからやっている事はテロ・覚せい剤・ニセドル札の製造販売・拉致など、ならず者国家とかわらない。

役回りとしては、軍事的に韓国や日本を恫喝し、アメリカがこの両国に居座り、従属管理のための「悪役」を演じてきたのである。北朝鮮のように個人独裁の巨大軍事国家は、「金王朝」のように見えるが、実際には実権は軍事官僚機構が握っている。だから国家の方針を「先軍政治」から「経済優先」に変える事は簡単ではないのである。

9日の建国65周年の前日、金永南最高人民会議常任委員長は「全ての軍隊と人民が経済強国建設と人民生活向上のための総進軍を」と強調したそうである。ここで言う「経済強国建設と人民生活向上」とは、秋の収穫の時期を迎えて軍人を農作業に動員するための呼びかけに過ぎない。北朝鮮のように経済力に見合わない大規模な軍事力を持つと、農業の人手不足となるので軍人を秋の収穫時期に動員しなければならなくなるのである。

北朝鮮の指導者は、近代的兵力とは兵員の数ではなく、兵器の近代化が重要なことを知るべきである。数世代前の旧式武器で120万人の軍隊をそろえても戦力とはならないのである。いつまでも「先軍政治」を続けても「強勢大国」の建設は無理なのである。

北朝鮮の指導者は、拉致家族を日本に返し、日本の戦後賠償金を得て、韓国のように近代的経済建設を行うべきである。いつまでも孤立政策を続けては、やがて金王朝は滅びるであろう。

テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

シリア問題のオバマの本音は非介入!

ロシアがシリアの化学兵器を国際管理下で破棄する事を提案し、アサド政権が受け入れた。オバマも「前向きな展開となる可能性がある」と答えた。

アメリカのシリア攻撃の鍵を握るアメリカ下院は、有権者の単独介入に反対するとの多数の声を受けて議員の反対が増え続けている。ホワイトハウスのブリンケン次席補佐官は「議会の承認なしに軍事行動を取ることは大統領の望みでも意志でもない」と語って、下院で否決された場合はシリア攻撃を断念すると示唆している。

アメリカ大統領は、議会の承認なしに戦争を始める事が出来るのに、オバマが議会の承認を取り付けに動いたのは、シリア空爆が中東情勢を流動化させる可能性が強く、リスクが高いので議会の責任にゆだね、攻撃をしたくなかったから、というのが本音なのである。

イスラエルの安全は、先のエジプト軍のクーデターで保障されている。しかし大統領選でユダヤロビーの支援を受けているオバマは、シリア非加入の責任を回避して議会に押し付けたかったのである。
下院が投票日を迎える前にロシアとシリアが化学兵器の国際管理下での破棄を表明したことで下院の承認決議の可決の可能性は無くなったと言える。

EUも武力行使の是非に踏み込まず、国連安保理に結束を求める声明を出すだけに終わった。フランスは攻撃賛成だが、ドイツが強硬に反対し、玉虫色の声明となった事も米議員に影響を与えるであろう。アメリカは厳しい財政危機の中で「息継ぎの和平」に戦略転換しており、軍事介入する余裕は無いのである。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

オバマと公明党が手を握り従属維持の安倍封じ!?

月刊雑誌「選択」9月号は「公明党と米国が共闘」「集団的自衛権問題は当面先送り」との記事を掲載している。それによるとオバマ政権は今年4月ごろから訪米した日本の政治家や官僚に対し、安倍政権のタカ派色を懸念する声を伝達している、という。

それによると米国有数の知日派の人物が来日し、安倍首相の過去の侵略行為を正当化したり、従軍慰安婦の否定などに疑念を抱く者が米政府内に少なくない事が表明されている、という。

そして「われわれの知らない内に敵基地攻撃能力の保有論が高まっている」事について、アメリカでは「同盟管理の失敗」との認識が広がっているというのである。こうしたアメリカの認識は公明党にも伝えられ、公明党がアメリカの意を汲んで集団的自衛権の行使容認と改憲に断固反対する事になった。

アメリカのオバマ政権はすでに戦略転換し「息継ぎの和平」でアメリカ経済の立て直しを優先している。従って安倍の集団的自衛権の行使容認や憲法改正は当分封印せざるを得ない状況となっているのである。つまりオバマ政権は日米の軍事的役割分担を変更する気はなく、したがって日本の対米従属を継続する事に変わりが無いという事だ。

アメリカにとって安倍の、自衛隊が敵基地攻撃能力を持つということは、アメリカの攻撃的役割分担への不信であり、日米安保を信用していないとアメリカは理解しているのである。事実アメリカは北朝鮮の核・ミサイル開発を事実上容認して、いつまでも米軍が日本に居座るのに利用しているのである。

小沢・鳩山の「対等の日米同盟」がアメリカの怒りを買ったように、安倍の改憲と集団的自衛権と敵基地攻撃能力がアメリカの疑念を呼んだという訳である。従来から米民主党政権は従属国日本に厳しい対応をしてきた。アメリカが衰退したから日本の力をアメリカの戦略に利用したいのだが、それは支配従属関係を維持したままで、アメリカの「息継ぎの和平」が終わり、アメリカが一極支配の力を回復してからの事と考えている、と見るべきである。

したがって安倍政権は当面アメリカと共闘する公明党を通じ、支配従属関係の「同盟管理」の下で右翼的政策をあきらめるほかはないのである。日本の対米自立はアメリカは簡単には許さないという事だ。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

日本の水産物禁輸を決めた韓国政府の嫌がらせ!

韓国政府は6日、東京電力福島第一原発の汚染水漏れ事故を受け、福島周辺の8県からの水産物輸入の全面禁止とした。福島県でさえ魚からの放射能は軽減してきているのに、韓国の決定はオリンピック開催決定時期に照準を合わせた嫌がらせである。

海の無い群馬県等は川魚でさえ韓国に輸出実績はないのに8県に入っている。あたかも放射能が広く拡散したかの印象を振りまく為である。

日本領の竹島占領も領土の盗み取りだが、アメリカ国内に従軍慰安婦の像を各地に建設したり、韓国政府のやり方は嫌がらせそのものである。日本から戦争賠償金を受け取りながら、さらに金をむしり取ろうという腹が見え見えだ。

サッカーの試合で日本の歴史問題を批判する横断幕を掲げたり、やる事が姑息だ。言いたい事があるなら首脳会談で安倍首相に言えばいいのだ。何も日本国民の韓国に対する悪感情を煽る必要がどこにあるというのか?

日本政府は、これ以上韓国への国民感情が悪化する前に、韓国との貿易関係を縮小した方がいい。金融支援も止めた方がいい。韓国人は、一部の右翼政治家の言動をことさら取り上げて日本の右傾化を批判するが、日本を右傾化させているのは韓国政府の意図的なものと我々の目には見えるのである。

それほど日本が嫌いなら国交断絶した方がいい。北朝鮮と言い、韓国と言い、ゆすり・たかり体質はよく似ている。これ以上日本の国民感情を悪化させない外交的対応が必要だろう。政府には日韓の首脳会談も行えない外交責任を明確にして欲しいものである。

テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

へなちょこオバマの身勝手な屁理屈!

ロシア・サンクトペテルブルグで5日行われた日米首脳会談でオバマ大統領は沖縄県・尖閣諸島について「力による問題解決を目指すいかなる取り組みにも反対する」との考えを明確にした。他国には力による解決に反対し、自分はシリアに武力行使するというのであるから身勝手なのである。

オバマはイギリスが議会の反対でシリア攻撃に参戦出来なくなったので、すでに逃げ腰でアメリカ議会に丸投げした。アメリカの大統領は議会の議決なしに戦争出来るのに、オバマは責任を議会に押し付けたのである。

北朝鮮の毒ガスや核やミサイル開発には武力で制裁しない癖に、イスラエルの利害が絡むとすぐ制裁したがるのがアメリカである。

考えても見よ、国連の毒ガス査察団がシリア入りの直前に毒ガス兵器を使う馬鹿がいるだろうか?いるとするなら武力介入したい連中(欧米)以外にあり得ない。

オバマはみずからの戦略=「息継ぎの和平」が崩れるので出来るならシリアには武力介入したくないのである。だからアメリカ議会にげたを預けたわけである。この事にオバマの姑息さが表れている。
最早アメリカには世界の警察官としての役割を果たす力は無いのである。しかしオバマの「息継ぎの和平」の間のイスラエルの安全をどうするかという課題がオバマにはある。

大統領選でオバマはユダヤロビーに莫大な政治資金を得ているだけにこれはゆるがせには出来ない課題であった。そこでエジプトの軍に軍事ク-デタ―をやらせ、イスラエル・エジプト枢軸を回復したのもアメリカの策動であった。だからすでにイスラエルの安全は確保されている、というのがオバマの理屈なのである。

シリアへの軍事介入の判断を議会に決めさせれば、オバマには責任が問われないのである。どこまでも汚い男である。オバマの理屈なら韓国に占領されている竹島を日本は武力で取り返せない事になる。国際社会では国土の防衛のための武力行使は当然の事だ。ただ日本が従属国であるが故のアメリカの大統領の身勝手なへ理屈である。

尖閣諸島を守れるかどうかは「へなちょこオバマ」の言葉ではなく、軍事力だという事を日本の国民は絶対に忘れてはいけないのである。

テーマ : 政治 - ジャンル : 政治・経済

世界で強まる排外主義的傾向!

冷戦崩壊後の新自由主義(=グロバル・リズム)は、自由化・民営化・規制緩和の政策で、労働者には「労働力の流動化」による賃下げと搾取の強化であり、その為に安上がりな労働力として、移民の自由化による外国人労働力の解禁が各国で進められた。

特に統合された欧州では北アフリカや東ヨーロッパからの移民の流入で賃下げが著しい。イギリスでは2010年比で賃下げは5.5%で、負のスパイラルに陥っている。こうした傾向は日本にも著しい、中国人だけで30万人が日本で働いている。その為日本の労働者の賃下げは過去10数年間で、年収で100万円近い減収になっているのである。

アメリカでは、メキシコなど中南米からの密入国で安上がりな労働力を入れてきたのであるが最近では移民に対する国民の反発が強く、密入国の取り締まり強化が進んでいる。

欧州では移民や出稼ぎに雇用を奪われ、外国人への排斥が強まっている。ドイツでは極右勢力が反移民のスローガンで勢力を伸ばしている。

中国では反日暴動が起きるほどだが、これは中国政府の反日教育による反腐敗の不満のはけ口を反日に求めたものである。中国政府の内需拡大策としての大軍拡政策は近隣の国々の警戒を強めている。

先進各国の失業率の高まりの中で、仕事を奪う外国からの移民や出稼ぎに対する反発が強まっているのである。それと共に社会の右翼化が進んでいることも世界的特徴である。

世界的な労働賃金の低下は、各国の個人消費を縮小させ、国民経済を縮小再生産へと導いている。国内経済を縮小のスパイラルから救おうと国家財政による人為的市場創出は、各国の財政赤字を膨らませている。

もうひとつ見ておくべきは、温暖化による異常気象や地球=地殻の活動期による災害の激化である。世界的に自然災害が激化している。かって関東大震災が日本の戦争への道につながったように、民族排外主義と大災害が戦争の時代を招く事に警戒しなければならない。特に日本は大震災・原発事故など戦前と似た状況が生まれ、右翼政党の躍進の警戒すべき現象まで起きている。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

中国の軍事的暴走を警戒しなければならない理由!

アメリカは軍と軍需産業の複合体の国である、だから武器などの軍需品の消費過程としての戦争を定期的に必要とする。もちろん世界中の金融利権を守ることも米軍の仕事なのである。つまり現代の戦争にはその国の経済基盤の利害が絡んでいるのである。

そうした視点で中国を見ると軍(=人民解放軍)は、軍が軍需工場や武器製造会社を直接経営している。つまりアメリカの産軍複合体どころか、中国の場合は軍産一体で、そのうえ金融分野でも巨大な力を持ち始めている。

最近では解放軍が不動産投資活動まで行い、住民暴動の鎮圧等で地方政府に恩を売り、軍傘下の企業が公共事業を受注し、事業の下請けへの丸投げで「中抜き」と呼ばれる暴利をむさぼる例も増えているのである。

中国の軍系企業は武器の輸出から海南島開発の不動産業、など莫大な規模に膨れ上がっている。解放軍関係の企業の総投資額が、中国政府統計に計上される不動産総投資額よりも多いと見られているほどである。

軍の所持している土地の売却がらみの軍幹部へのワイロの金額は何千億円という規模だと報じられている。巨大な軍系企業の経済活動は軍事機密のベールで隠されており、政府の統制も及ばないのである。軍資金は中国の巨大なアングラマネーなのである。

こうした経済的力の巨大化を背景に、中国軍内に対日開戦派が力を持ちつつあり、それが尖閣諸島での中国の軍事的圧力となっている事を見ておくべきである。つまり軍は中国の官僚支配の中の最大の利権集団であり、中国人民の反腐敗の闘いを、外への侵略で矛先をそらしつつ鎮圧すること、軍の経済力を背景に世界戦略を持って、海外に権益を追求しているのである。

中国社会帝国主義は、軍産一体の利権集団であるだけに、中華思想と、さらには拝金思想と結びついて軍事的拡張主義へと暴走する可能性は高いのである。この中国覇権主義の凶暴性を見ておかないとアメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換している下では、日本は中国軍の軍事的占領を避けられないであろう。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

外国人の日本の土地所有権を制限せよ!

今、日本人の知らぬ間に對馬や沖縄や南西諸島の無人島までもが外国人に買い取られている。對馬は韓国人や中国人に、沖縄周辺の土地は中国人に買い取られている。

深刻なのは對馬である、韓国人名義で中国人が土地を買いあさっているという。韓国政府は外国人土地法によって厳格に外資の土地買収状況を把握し公表する。中国では土地は国有であり、使用権が売り買いされるだけである。外国人や外資は簡単には土地を買えない。

ところが日本国内でも山や土地が多く中国人に買い取られている。彼らは土地登記をしないので実体が解らないだけなのだ。買収されているのは對馬や沖縄だけではないのである。

日本の地方は今、経済的に過疎であり、疲弊している。だから土地が次々中国人に買い取られているのである。尖閣諸島に気を取られていると、知らぬ間に日本の土地や山の多くが中国人の所有となりかねない危機にある。

日本政府は「外国人土地所有法」を制定し、税金をかけるとともに、制限を厳しくし、外国人の土地の乱開発を禁止するべきである。とりわけ土地の登記は外国人は購入後1カ月以内に義務付けるようにすべきである。

日本には、今反日教育を受けている中国人が30万人も働いている。中国が日本に戦争を仕掛ける可能性が高まっている中で、日本の軍事施設の周辺の土地が中国人に買収されている事に警戒しなければならない。

安倍政権は、外国人の土地所有を制限するようにすべきである。日本人は相手の土地を買えないのに、韓国人や中国人が日本の土地を安く買収している現実を調査し、急ぎ対策を取るべきである。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

シリア空爆をためらうオバマの弱さ!

イギリス下院が8月29日、キャメロン首相が提案したシリアへの軍事介入を容認する決議案を、反対多数で否決したことで、オバマ大統領が軍事攻撃の姿勢を堅持しつつも議会の承認を得る方針を示し、米議会への説得活動を始める事を表明した。

オバマ政権の方針では、空爆が議会の承認を得たとしても時間がかかり、その間にシリア政府軍は拠点を移動するので空爆の効果は限定されたものとなるのは避けられない。

今回のシリア空爆は国連安保理の決議なしで行うため、国際世論の支持が得られない可能性が強く、しかもイラクのように政権を転覆させても、そのあとにシーアー派政権が出来たり、シリアが原理主義の拠点化し、中東が不安定化する可能性があるので、シリア空爆が事態を好転させるとは限らないのである。つまり失敗する公算が高いのでオバマは空爆をためらっているのである。

イギリスが空爆に不参加となったので、オバマはシリア空爆の是非を議会に丸投げして責任を回避した訳で、これでアメリカのシリア攻撃は難しくなった。オバマの弱さは、アメリカが戦略転換し「息継ぎの和平」の局面で、つまり財政上の制約の下で出来るだけ軍事介入は避けたいとの思いがある点である。

反米的政権を軍事介入で覆すことを目指すシリア空爆は、その口実がイラク侵略の時と同じ大量破壊兵器である事が、多くの国民の疑心を掻き立てたのである。とくにイスラエルの安全の為にエジプトの軍にクーデターを起こさせたすぐ後でのシリア空爆は、アメリカの戦略転換の間のイスラエルの安全保障の為と解るだけに、議会の承認が得られるとは限らないのである。

オバマは大統領選でユダヤロビーの支持を得ているだけにシリア空爆でイスラエルの安全を図りたいところであるが、国際世論が味方するとは限らないので日和見を決め込んだのである。議会の承認で攻撃しておけば、政治的リスクは少なくなるとの計算が働いているのであるが、攻撃がロシアや中国やイランを刺激するだけに、戦線の拡大や中東の不安定化は経済に影響するので避けたいところである。

オバマの慎重さは、アメリカ経済を再建するという「息継ぎの和平」の戦略局面での、自己の政権の戦略的任務とシリア軍事介入が矛盾するからに他ならない。イスラエルの安全が、エジプトのクーデターで担保されているとの読みもある。

アメリカが一極支配の覇権主義を維持するには10年間は「戦略的和平」を徹底的に守り、財政的消耗を避け、力を蓄える以外ないのである。オバマが「息継ぎの和平」の戦略を堅持できるかを世界が注目している。フランスが共同介入の意思を表明している戦略的狙いに注目しなければならない。アメリカを泥沼の闘いに引きずり込めば、世界は一気に多極化の時代を迎える事になる。

そうなるとドルに代わりユーロの時代が早まるのである。オバマがフランスの狙いを見抜くのは確実なので、アメリカが介入見送りを決める事もあり得るであろう。

テーマ : 政治・経済・時事問題 - ジャンル : 政治・経済

SEO対策:政治