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始まった資源と市場の再分割の動き!

中国が中南米最大の債権国になった。2010年に中国は中南米各国に対し合計370億ドル相当の借款を供与した。これはこの地域へのアメリカ輸出入銀行からの40億ドルをはるかに上回っている。

またアフリカ大陸に進出している中国企業の数は2000社以上に上り、現地で働く中国人は全体で100万人に上る。エジプトやスーダンで中国人が大量に誘拐される事件が発生し、人民解放軍のアフリカ派遣論が出ているほどである。

これらのことが示しているのは、アメリカの戦略的後退である「息継ぎの和平」への戦略転換につけ込んだ中国が地球規模で資源戦略を展開していることである。

アメリカの相対的衰退の下で、また欧州の国債危機の下で、また日本の震災の打撃の下で、中国がチャンスとばかり資源と市場の獲得を目指し世界戦略を展開していることである。

ドル安傾向が続く中で、日本はアメリカ国債を購入し、中国はアメリカ国債を売却し鉱山や油田など資源の獲得にまい進しているのである。中国はロシアのシベリアにも開発の食指をのばし、労働力を大量に送り込んでいる。

中国がハイテク技術の獲得に向けレアアースの輸出規制を行い価格を高騰させたのも、こうした資源戦略の一環と言える。
日本は対米従属下で油断していると、中国に有望な資源と市場を奪いつくされかねない事を知るべきだ。

すでに資源と市場の再分割戦が始まっていると考えるべきなのだ。政府の無策が資源戦略面の立ち遅れを招いている。日本は早急に対米自立して、国益を守るための資源戦略を持たねばならない。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

主要国の指導者交代と戦略関係の変化!

今年はアメリカ・ロシア・中国など主要国の指導者が交代する。とりわけ覇権国のアメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換した。しかも欧州とアメリカは金融危機を抱えている。

中国やロシアにとっては戦略的食指を伸ばすチャンスなのである。アメリカは今年は大統領選であり、おのずと政治空白となる。欧州連合は国債危機が続く、日本は震災と原発事故からの再建途中なので、遅れて経済発展を目指す中国やロシアは資源と市場を獲得し、世界戦略を打ち立てる好機である。

つまり来年以降に世界は多極化が一層鮮明になるであろう。エネルギーとレアアース・各種資源の争奪の時代となる。世界経済は電気自動車などハイテク技術の開発が、軍事ではステルス機などの開発が国力のバロメーターとなるであろう。

アメリカが当分の間戦争する力を失い、国力の回復が戦略的課題となるので、日本とっては自立の必要条件を整え複合的戦略関係を構築するチャンスとなる。対米従属一辺倒の従属派の時代は終わったのである。

小沢・鳩山・亀井などの自立派の新党に期待が集まるであろう。維新の会は道州制など小泉改革の焼き直しで有り、対米自立の時代には適合しない。共産党や社民党は従属憲法の9条を守る護憲路線なので、対米従属派の一派であり、自立路線には参加できないので政権の受け皿にはなりえない。

消費税増税派が国民の支持を失い、日本の内政の混乱は続くであろう。世界の火薬庫は引き続き中東で有り、イランがその中心となる。アメリカが内政重視なので発展途上国の政治的動乱は増えるであろう。米ソの冷戦時代は比較的平和が続いたが、多極化の時代は戦争と経済危機が高まることは避けられないのである。

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北朝鮮の核保有体制と大国の思惑!

核保有国は新たな核保有国の出現に反対する。それは自分たちの核独占が崩壊するからである。
北朝鮮にしてみればイラクやリビアは核を保持していなかったので侵略された、国防には核兵器が有用だと考えるであろう。

アメリカから見れば、北朝鮮の核保有とミサイル実験は、米軍の駐留で日本と韓国を従属下に置く上で必要なことである。これがアメリカがイスラエルの脅威になるイランの核保有には断固反対し、北朝鮮には寛容な理由である。

中国は、アメリカが日本と韓国の核保有を阻止してくれるので、アメリカがアジアから撤兵した時に自分の覇権が打ち立てられる。その意味で北朝鮮の日本と韓国への核恫喝は意義がある。ロシアもアジアでの核保有国の拡大は好ましくないと考えているが、日本がアメリカの従属国である限り北方領土の解決が難しく、したがって日本の技術と資金でシベリアを開発することは難しい。

つまり北朝鮮の核保有体制をめぐる大国間の思惑の違いがあることを日本は見ておくべきなのである。核兵器は相手が保持すれば使えない兵器となる。日本と韓国が対米自立するには核兵器を保持する以外ないのである。

しかし日本には国民に強烈な核アレルギーが存在する。だから政治家は誰も自立を言わないし、核保有も言わない。福島原発の事故が国民の中の核アレルギーにどのような作用を及ぼすのか注目したい。核兵器は抑止力を持つが日本は核を保持しないため軍事的には危険だと言うことを知らなければならない。

永遠にアメリカの従属国としてアメリカ国債を買い続けることでいいのだろうか?民族の自立を捨てて非核を貫く国でいいのか!いつまでも核をタブーにしてはいけないのだ。

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レアアースの自前の産出体制を急げ!

先進各国間のハイテク製品をめぐる競争は激化している。特にハイブリッド車や電気自動車はレアアース(希土類)の中のジスプロシウムが無ければ生産できない。レアアースには17種類がある.日本はレアアースの内7割を中国から輸入している。

レアアースは鉄などの金属に混ぜると熱に強くなったり、磁石の力が強くなったりする。このレアアースを日本は年間3万トン必要としている。しかし産地はほとんどが中国である。

中国政府はこのレアアースを戦略物資として位置付け、日・米・欧との外交関係の切り札にしようとしている。昨年産出国の中国がレアアースの輸出を削減したため価格が高騰し、一時は10倍以上となった。現在の価格は5倍である。

このレアアースの輸出制限について日本・アメリカ・欧州は世界貿易機関に提訴する動きを示している。これは中国がレアアースの国内価格を安くし、国際価格を高くすることで、自国内にハイテク工場を誘致し、(実際に一部の日本の企業が工場を中国に移している)先進技術をパクろうとしている狙いに危機感を深めたことがある。

先進各国間の経済競争が激化すれば資源をめぐる競争・争奪が激化するのが法則だが、現代ではその資源がレアアースなのである。石油での湾岸諸国と同様にレアアースでは中国の立場が強いのである。中国が日本向けレアアースの輸出を停止すれば日本のハイテク製品は生産が止まる事態もあり得るのである。

日本はレアアースの自前の生産に乗り出さないとハイテク製品の生産による経済戦略はあまりにもぜい弱なのである。
日本は政治的には対米自立を目指すべきだし、経済面での資源戦略を持つべき時に来ているのである。海外のレアアース鉱山を買収し、海底資源の開発も急ぐべきである。

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対米追随一辺倒の政治はうんざりだ!

先の総選挙で政権交代を求めた人民の願いは鳩山・小沢を引きづり下ろすことで踏みにじられた。現在の野田政権を支えているのはアメリカと日本の官僚である。

民主党政権の進めるTPPの参加、米軍再編の見直し、南スーダンPKOへの自衛隊派遣、F35購入決定、脱原発、消費税増税等はすべてアメリカの要求である。脱原発で原油・天然ガスが急騰しアメリカの石油メジャーはボロ儲けしている。

消費税増税は日本の国家予算に寄生する既得利益集団の延命が狙いだ。小泉「改革」は財界に巨大な利益をもたらしたが、地方の商店街はシャッター通りとなった。富が大ブルジョアに集中すれば国民経済が疲弊するのは当然なのだ。

自公政権の罪は大ブルジョア独裁ともいえる新自由主義の規制緩和を進め、既得利益集団のための独占的利益の政治を進めたことだ。その結果日本は格差社会となり経済はデフレ(縮小再生産)となった。

民主党野田政権の罪悪は、政権を第2の自民にしたことだ。彼らはアメリカと官僚に命じられ消費税増税を進めるだけで国民経済の再建のことなど一切考えていないのである。

TPPと消費税増税でアメリカが狙う法人税減税で米金融資本の日本進出が可能となり、郵便貯金と保険の2会社の株を買い占め、国民の巨額の個人金融資産をアメリカが握るシナリオが実現する。誰のための政府か?と言いたい。

アメリカの相対的衰退で世界は多極化の時代に突入している。日本は対米自立し日本の国益を守る政治が必要なのである。対米追随一辺倒の政治から転換しなければならない。財政再建は富の再分配(金持ち・大企業への増税)を進めることで解決すべきだ。

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アメリカを侮る北朝鮮の瀬戸際外交!

北朝鮮のウラン濃縮の停止と引き換えにアメリカが24万トンの食糧援助を行うことで合意したばかりの3月16日、北朝鮮は4月12日から16日の間に人工衛星を打ち上げる事を発表した。

北朝鮮は4月15日に故金日成首席の生誕100年を迎えるほか、この時期に労働党代表者会議を開き金正恩が総書記に就任すると見られる。北朝鮮は2009年4月にも人工衛星の打ち上げと称して長距離弾道ミサイルを発射しており、今回もミサイル実験と見て間違いない。

アメリカが先に2正面戦略から1正面戦略に転換したこと、アジア重視と言いながらイランの核開発に対し経済制裁を発表していることから、北朝鮮はアメリカの戦略転換が本物かどうかを見極めようとしている。「息継ぎの和平」で有ればアメリカは手出ししないと北朝鮮は見ているのである。

財政危機下のアメリカが1つの大規模な戦争しか闘えない以上アメリカの戦略的重点は中東であり、北朝鮮は完全にアメリカを侮り足元を見ているのである。アメリカはこれに対し口先では強硬な事を言っても基本的にアジアでは事を構えることはできない。つまり今回も北朝鮮の瀬戸際外交が勝利し、食糧援助のただ取りとなる事は間違いない。

アメリカの朝鮮半島での対応は対立の固定化であり、日本と韓国がアメリカ軍を必要とする程度に北朝鮮が軍事的恫喝を加える方がアメリカにはいいのである。

北朝鮮に侮りを受けるアメリカが、イランに制裁と脅しで屈服を迫っても成功するとも思えない。中国が南シナ海や尖閣で強行姿勢を強めているのも、アメリカの「息継ぎの和平」につけ込むものである。
日本は中国の脅威に本気で備え、防衛力を強化し対米自立の必要条件を早急に整えるべきである。

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ベトナム化し、高まるアフガンの反米感情!

「反テロ戦争」の名目でアフガニスタンを占領し、カルザイ政権(カイライ)を作り治安をカイライ軍にゆだねるというオバマ政権の計画は、他ならぬ米兵によって打ち砕かれた。

アメリカ軍がアフガニスタン占領・支配を成功させるには現地住民の心をつかむことが重要だった。ところが実際にはそれとは逆の事が相次いで起きたのである。

今年1月米海兵隊員がタリバン兵の遺体に放尿する映像がネットで流された。2月にはアフガニスタンの米軍基地内で、現地で没収されたイスラム教のコーランが大量に焼かれた。3月には米兵が子供や女性など民間人16人を虐殺した。

この一連の事態がアフガニスタン住民の反米感情をこれまでになく悪化させた。治安が悪化し、欧米のNGOなども撤退しつつある。
これまでもアメリカの無人攻撃機による誤爆への反発があったが、いまやアフガニスタンは反米感情が極限まで高まりベトナム化したと断言できる事態となっている。

これまでオバマの2014年撤退計画に反対していた共和党の大統領候補も、一転して早期撤退へと変化した。これはアメリカの世論がアフガニスタンのベトナム化を認識して早期撤退に変化したことが影響している。

オバマ政権が追求しているカイライ政府軍の訓練で、戦争のアフガン化を進めたあと撤収というという計画はベトナム戦争で失敗した作戦であり、もともと上手くいくと考える方が間違いだった。

アメリカはパキスタンに売却を約束したF16戦闘機を売却せず、インドとの関係を改善したことでパキスタンをタリバン側に追いやった。パキスタンは中国とロシアから武器をかうようになり、アフガニスタンの米軍への補給路を遮断したのである。

オバマの外交は中東でもアフガニスタンでも失敗続きである。アフガニスタンのベトナム化が米大統領選にどのような影響を与えるかが注目される。

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国民経済の起動力をアップする議論を!

岡田副総理が今月上旬に谷垣自民党総裁に近い自民党幹部に民主党との大連立を持ちかけたことが明らかとなった。民主党内の消費税反対派を切って自民党と連立で消費税増税をやろうとしているのである。

自民党も民主党の消費税増税派も親米・大ブルジョアの党である。しかし消費税増税はマニフェストに書かれていないことであり、国民を総選挙でだましたことになるので、次の選挙を考えた場合うかつに賛成できない議員が多いのである。

自民党の戦略は消費税増税に協力するが、その見返りに解散総選挙を取り付け政権に復帰することである。しかし維新の会が選挙に参戦する下では自民の政権復帰の戦略は失敗する可能性が強いので、大連立という泥船に乗るわけにはいかないのである。

野田政権の失敗は、消費税増税すれば国民経済が良くなるというシナリオを提起できないことだ。むしろ消費税10%で個人消費がやせ衰え、国民経済が疲弊するのが分かっているので党内の支持を一本にまとめきれないのである。

内需を拡大し、税収をアップさせるには何をすべきか?という論議がないのである。彼らは税率を5%から10%にすれば財源が二倍になると単純に思っている。しかし国民経済が疲弊してそうはならないのである。

内需を拡大し、国民経済の起動力をアップする論議を抜きにした増税論議は意味が無いのである。つまり財務官僚の単純思考で動いている消費税増税派は「泥船派」と呼ぶべき人達なのである。

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TPP参加はアメリカの日本支配強化を招く!

米韓FTA(自由貿易協定)が3月15日発行した。韓国ではこのFTAが不平等な協定だと批判の声が上がっている。
米韓FTA実施法では合衆国の法が優先されることが規定されているため韓国側だけが義務を負う不平等な協定となっているというのである。

現在日本政府が進めているTPP(環太平洋連携協定)にも同様の問題があると見られている。
日本国憲法第98条2項は国際法規の遵守を定めており、アメリカのように自国法の優先を定めていない。この外国との条約の順守規定は従属国の特徴で、アメリカとの条約が国内法に優先するように法体系がなっているのだ。

したがってTPPに日本が加入すると、日本は韓国と同じく不平等な協定の元で貿易をおこなうことになる。この「自由貿易」の名で行われる不平等な協定は、日本の農業と漁業に深刻な打撃を与えることになるであろう。もともとアメリカ大陸は農業に適した自然的条件があり、日本の狭い土地での集約型農業との競争は平等ではありえない。

日米の支配と従属の関係において結ぶいかなる条約・協定も平等なものとはならない事を知るべきだ。つまりは食糧の分野でアメリカが日本市場を支配するようになり、日本は軍事的政治的に従属国である上に食糧までアメリカに支配されることになるであろう。

我々は、対米自立を目指すうえでTPP加入が日本の対米従属性を深めることになるので支持するわけにいかないのである。日本民族としての誇りを保つには日本は対米自立すべきであり、不平等な条約や協定を結ぶべきではないのだ。

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文革の可能性を語った温家宝首相!

中国の温家宝首相は全人代の記者会見で、政治体制改革を進められていない現状への危機感をあらわにし、改革が挫折すれば「文化大革命の悲劇がまた繰り返される」と訴えた。

これは国家財産を横領する党幹部が続出し、人民大衆の共産党への不信感が高まっていること、各地で文革時を彷彿とさせる大衆的抗議行動が起きていることに動揺し、危機感を表明したものである。

文化大革命とは、党官僚の特権的支配に将来走資派が権力を奪う(新たな支配階級となる)ことを予想した毛沢東が、下からの造反(継続革命の運動)で官僚支配を打倒する予行演習のことで「造反有理」(反乱には道理がある)のスローガンで行われた。

多くの中国の人民がこの毛沢東の文革の意義を、今日の党幹部の腐敗を見て理解しており、各地で暴動・反乱で党幹部を追い出す運動となっている。

名目上の社会主義、実際の資本主義の共産党官僚の支配は、ソ連解体を見てもわかるように脆弱で、人民の蜂起で打倒される運命にある。ただし中国の場合は毛沢東の文革で予行演習を展開した経験があるので、左派による揺り戻しの可能性が高いのである。

中国の経済危機は、人民大衆の反乱となり、走資派幹部は文革を防止するため対外戦争に打って出る可能性が高い。つまり中国は文革の可能性もあるが、同時に戦争の可能性も高いのである。

温家宝首相は、党幹部の腐敗を何とかしなければ文革が発生する可能性を認めたもので、中国ではすでに一般的な認識である。(文革は党幹部を打倒対象としたので、幹部にとっては悲劇なのである。)
{関連記事はこちら}中国人民は鳥カン村の闘いに学べ!

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アジアにおける戦略的変化について!

アメリカの戦略転換(息継ぎの和平への転換)によって中東・アフガニスタンとパキスタンで戦略関係の激変が起こりつつあるが、アジアでも変化が起きつつある。

プーチンのロシアが北方領土の「引き分け」での解決を提案した事に着目しなければならない。
中国が東シナ海で覇権主義的砲艦外交で挑発しており、アメリカもこれに対抗する戦略を打ち出している。

しかし中国の狙いは実は北方にある。シベリアの資源は中国には魅力的で、今は出稼ぎという形でシベリアに人を送り込んでいる。裏に領土的野心が隠されていると見るべきだ。中国は南を攻めろると見せて、実はシベリアを狙っているのである。

中国は、ロシアがNATO諸国に解体の対象と位置付けられ、旧ソ連時代の中央アジア諸国を影響下に置かれていっている隙に、中国はシベリアに数多くの労働力を送り込む形で影響下に取り込むことを考えている。そのためにはロシアを油断させるため、中国の関心が南(東シナ海)にあるかの振りを演じているのである。

日本は、アメリカの衰退による戦略転換と中国の軍事大国化で脅威が増しており、ロシアとの戦略的関係を築くことに利益がある。とくにロシアの資源は、エネルギーの中東依存を減少させるし、同時にロシアは支払い能力のある市場としても魅力的だ。ロシアは日本の先端技術と資金力を必要としている。

日本とロシアの戦略的関係は今後強化されていくであろう。日本とロシア双方が巨大化する中国の脅威を受けているからだ。日本が日米の関係を基礎に戦略的外交を展開するには一定の軍事力の強化が欠かせない。そうでないと足元を見られるからである。

日本は中国の覇権主義の脅威を考えるなら、今後中国に技術流出をさせてはいけない。中国経済がマイナス成長へと流れが変わった時、軍事的暴走が始まるであろう。アメリカは財政危機で当分の間戦争はできない。日本は自主防衛力の強化を急ぐべきなのである。

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中東・アフガンをめぐる戦略的変化について!

アメリカがインドとの関係を改善したのは中国封じ込めを意識したものであった。その結果アフガニスタンの米軍の補給路であったパキスタンがアメリカ軍の越境攻撃や「誤爆」に反発したこと、またインド接近に反発して米軍の補給路を遮断した。パキスタンは最近ではロシアとの関係を強めている。また中国から兵器を輸入し、中国海軍へのグワダル港の提供計画が進行している。

つまり超大国アメリカのインド接近が、パキスタンの中国・ロシア接近という波紋を広げているのだ。パキスタン国内では今や反米感情が高まり、国内でタリバンが公然と経済活動までおこない勢力を拡大している。アフガニスタンから米軍等が撤退すればアフガニスタンにタリバン政権が復活する可能性が高いのである。

アメリカがイラクのフセイン政権を打倒したことで、イラクにはイスラム教シーアー派政権が生まれた。米軍がイラクから撤退すればイランの戦略的地位が強化されるので、スンニ派の湾岸諸国とアメリカ等はシリアの反政府勢力を支援して内戦状態にしてイスラエルの安全を確保しようとしている。

イスラエルはイランの核施設を空爆したいであろうが、イランがホルムズ海峡の封鎖を公言しているので空爆はリスクが大きいのである。また「アラブの春」と呼ばれる民衆運動が、空爆で反イスラエルに流れる可能性もあるのでイスラエルは空爆のポーズをとるだけに終わるであろう。現在アメリカ軍が地下深くにあるイランの核基地を破壊する爆弾の開発を急いでいるのは、イスラエルの空爆が現状では効果が期待できないからである。

オバマはユダヤロビーの、大統領選での資金援助が欲しいのでイランの核開発に反対し経済制裁を実施しているが、原油高騰につながるイスラエルのイラン空爆には今のところ反対している。
大国の戦略転換は対象周辺国の戦略と軍事情勢を激変させるのである。
したがってアメリカの戦略転換で情勢は流動化しているので戦争の可能性は無いとはいえないのである。

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アフガニスタンの治安維持に失敗した米軍!

アフガニスタン駐留米軍が基地内でイスラム教のコーランを焼却した事件は、アフガニスタン人民の怒りを巻き起こした。
全国で抗議デモが発生し、かいらい政権の警官が米軍人2名を射殺し、その後アメリカ軍兵士が民間人に向けて銃を乱射し16人を射殺した事件は、アメリカのアフガニスタンの治安維持を破綻に直面させている。

反テロを口実にしたアフガニスタン侵略は、キリスト教とイスラム教の宗教戦争に転化しつつある。アフガニスタンでは米兵のコーラン焼却に抗議するデモが続いている。アフガニスタン民衆の反米感情の高まりは、今回の米兵による16人射殺事件で一層高まるのは必至である。

今回の事件はアメリカ軍が没収したコーランを大量に焼却しており、意識的に民衆を挑発している。アメリカ軍とカイライ政府の治安維持はこの結果困難に直面することとなった。事件が大統領選がらみなのか?不明だがオバマにとっては外交的失点である。

オバマ政権はアフガニスタンからの撤兵を早めることは大統領選に与える影響を考慮しなければならない。それゆえに当面はアフガニスタン人民の反米感情をなだめることしか手はない。事態を宗教戦争に変化させるのはタリバンの思うつぼとなる。アメリカは銃乱射の兵士を厳しく処罰しなければならないが、それで治安が改善するとも思えない。

アフガニスタンをめぐっては補給路のパキスタン軍がアメリカ軍の誤爆に怒り、現在補給路を遮断しており、アメリカはアフガニスタン駐留米軍に空輸で補給をしている。アメリカのアフガン侵略戦争の失敗が近づいている。

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震災をあらゆる側面から教訓化せよ!

多くの犠牲を出した東日本大震災から一周年を迎えた。報道を見て思うことは政治と官僚の愚劣さである。
かっての日本は官僚組織の優秀さが内外から指摘されてきた、その官僚組織が震災・原発事故では役に立たなかった。

大震災から1年がたつのに経験をあらゆる側面から教訓化する作業がなされていないことを指摘しなければならない。
地震・津波・原発事故を予測できなかったこと、住民の側の教訓、救助する側の教訓、行政の教訓、原発の管理上の問題、原発事故対策上の教訓、政府の情報管理と指導上の教訓など、あらゆる側面から教訓化し今後の震災に備えなければならない。

特に首都直下型の巨大地震の可能性が指摘されている。首都機能の維持・移転、救助体制に今回の教訓を生かすべきである。
アメリカ軍の空母がヘリ基地の機能を果たしたように、空母の役割が大きいことが分かった。自衛隊も空母を持つべきであるし、それは中国が数隻の空母を建造している事を考慮すると、防衛と災害の対策に空母保有の必要性が増している。

これからの日本が、対米自立し、日本の防衛を日本の力で成し遂げる上でも航空母艦の保有は必要である。自衛隊のヘリによる機動力も高める必要がある。津波からの避難マニアルも地域別に作成しておくべきであろう。震災は時間との闘いであるのに、備えができていないことが被害を拡大したというべきだ。
ニ度と想定外という言葉で責任回避を許してはいけないのだ。

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強欲の資本主義から決別できないバカ者たち!

アメリカが金融緩和の政策をとり、続いて日本も金融緩和を行った。これは現在の世界経済の不況を克服する決め手とはならないばかりか、逆に自分で自分の首をしめることになる愚かな政策なのである。

欧米と日本の現在の不況(経済停滞と金融危機)は新自由主義の政策(強欲の資本主義)に根本原因があり、大ブルジョアが強欲に利益を独り占めした結果、消費が縮小しているのである、したがってゼロ金利の政策を取ろうが、通貨供給を増やそうが景気には直接関係がないのである。

それどころか過剰な資金が商品投機市場にに流れ原油や天然ガスが急騰して、実体経済へ打撃を与えている。愚かとしか言いようが無い事態だ。

今必要なのは金持ちと大企業に増税し、富の再分配を行うこと、労働者に賃上げし、個人消費を喚起することだ。しかし拝金思想に貫かれた者どもの標語は「われ亡きあとに洪水は来たれ!」であり、社会によって規制を強制されない限り出来はしないのである。

既成緩和で、目先の利益を追求しすぎて、自由放任の資本主義の重大な危機を招いた愚か者たちは、資本主義の最後の鐘が鳴り始めめても「われ亡きあとに洪水はきたれ」と自由放任の経済を規制することに反対するのである。(そのくせ公的資金は受け取るのであるが・・・)強欲で愚かとしか言いようがない。

今考えると米ソの冷戦が、社会主義に対抗するために、福祉や社会的規制を行ったことで資本主義の国民経済が発展した。旧ソ連崩壊後の「自由化・民営化・規制緩和」の高利潤追求の政策が国民経済のバランスを破壊し、経済停滞を招いたのである。

何事も極まれば反転するのである。つまり皮肉なことに、ソ連崩壊が資本主義の終わりの始まりだったということである。愚か者たちが 亡くなるまで資本主義が持つかどうかは分からないが、おそらく「われ亡きあとに洪水はきたれ」という強欲者たちの標語は変わらないであろう。

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プーチンの大統領選勝利の戦略的意味!

エリッインによるソ連解体後アメリカはロシアに急激な資本主義化を提案し、ロシア経済を意識的に破綻に導いた。その結果ロシアの国民は年金を失い、預金を失い、生活は危機を迎えた。ロシアは大国として核ミサイルを維持する経済力を失い、核戦力の解体をアメリカの資金で行う羽目になった。

このロシアの危機を立て直したのがプーチンである。かってのKGBの幹部だったプーチンはアメリカの陰謀を見抜いており、したがってアメリカの旧ソ連圏への影響力の拡大に不信の目を向けている。
ロシアは極東で中国の労働力を利用しているが、中国への警戒感を強く持っている。特に中国の技術のパクリに警戒している。

プーチンが大統領選で安定を訴えたのは、国民にかっての経済破綻を思い出させ、現在の繁栄が誰の成果かを思い出させた。国家主義者のプーチンはアメリカとEU、つまりNATOがロシアの解体を狙っているので、今も警戒している。
アメリカはロシアを新自由主義の政策で解体したいところだが、プーチンは国家資本主義の経済政策をとってアメリカの策略をかわしている。

ロシアが産業のハイテク化を推進するには、またシベリア開発を進めるには日本の技術と資金と市場が必要なのである。
日本側から見るとエネルギーの中東依存を減らし、資源の豊富なシベリアの開発は、同時にロシア市場の支払い能力を拡大することであり、両国の利害が一致するのである。また地域覇権主義の中国の危険に対処する上でも日本とロシアは連携できる。

北方領土もプーチンは「引き分け」での解決を表明している。アメリカの経済的衰退と戦略転換(息継ぎの和平)の下で日本は自主的防衛力の強化と戦略的多極外交を必要としている。対米自立の好機が訪れていることを見てとるべきである。

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中国の偽装国防費の狙いを見てとれ!

中国の昨年の国防予算が実際には公表額(約8兆7000億円)の1,7倍に上ることが分かった。
昨日の朝日新聞によると軍高官が認めたというのである。それによると中国政府の公表する国防費には兵器の研究開発の予算や外国から買う「装備調達費」が含まれていないこと、また中国政府の予算事態の公表が不十分なため他の省庁の軍事関連費が明らかになっていないのである。

つまり中国政府は意識的に軍事費を隠し、軍事大国化の狙いを隠しているのである。中国軍は現在ステルス機の開発や、航空母艦を数隻建造しつつある。軍事予算を隠して軍事力増強する狙いを周辺国は分析して備えをして置くべきである。
中国の国防防衛ラインの中に日本列島がすっぽり含まれている事実を、日本の国民は知っておくべきだ。中国政府が自国国民に反日教育を行っていることの戦略的狙いを見ておくべきなのである。

アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換していること、今後10年間は戦争する力を持たないことを計算すると、日米安保は最早役に立たないということだ。日本は戦略的にロシアとの関係を強化し、東南アジア諸国との軍事的関係を強化して中国の拡張主義に備えるべきである。

中国軍の幹部がアメリカ軍の幹部に太平洋の西半分を中国が、東半分をアメリカが管理する事を提案したのは、中国軍の野心を示しているのである。中国は大陸棚の領有を叫んでおり、日本列島は大陸棚の上にあるのだ。
中国人は今や経済大国になったと奢り、地域覇権主義に酔っているである。偽装国防費が示しているのは危険この上ないことであり、ひとたび経済危機や政治危機が発生すれば中国軍の軍事的暴走が始まるであろう。

日本は防衛のために、自衛隊に海兵隊を作り、空母を持ち、航空兵力を強化しなければならない。自主防衛を強化し対米自立の軍事的力量を強化すべき時だ。

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プーチンの北方領土解決の提案を受けとめよ!

ロシアの次の大統領が確実なプーチンが、北方領土を「引き分け」で解決することを提案している。
戦後70年近くたち、戦争で奪われた領土を返還してもらえる環境はすでにない、半分でも返してもらい、領土問題を解決しロシアとの相互依存の戦略的関係を築くことが重要だ。

アメリカが国債を買わせて、日本を搾取することばかりやっているのだから、それをけん制することもできる。
かっての日ソ中立条約は相互依存の関係が無かったので破られたが、今は双方が相手を必要としている。日本はシベリアの資源を必要とし、ロシアの市場を必要としている。ロシアは日本の資金と技術、産業を必要としている。

中東の資源への依存を日本は軽減しなければならない。ホルムズ海峡の閉鎖があり得る情勢も生まれている。対米従属を軽減するためロシアとの関係改善に動くべきだ。アメリカが相対的に衰退し、戦略的力を失いつつあるのだから、日本は多極外交が必要なのだ。アメリカが政治空白になっている時がチャンスなのだ。

もっとも対米追随一辺倒の野田内閣では難しい、アメリカに言うべきことを言える小沢を起用してでも日本は対ロシア外交を改善すべきなのだ。日本好きの、プーチンの呼びかけを受けとめなければ北方領土が半分でも帰ってくることは永遠にないであろう。
しかし、残念ながら今の従属国の日本に、プーチンの呼びかけにこたえられる政治家はいないのである。

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維新の会が注目を集める現政局をどう見るか!

野田内閣の支持率が読売で30%、産経で26.4%と低迷している。今解散すると民主も自民も敗北し、「維新の会」が勝利すると、支持率からはそう見える。大阪での維新の会の支持率は60%以上なのだ。
という訳で永田町の解散風が一気にしぼんだのである。

違憲状態の選挙制度見直しを政府と野党が先送りしたのは解散する気が無くなったからだ。
野田内閣は、支持率が下がってもアメリカと財務官僚の支持があるので長持ちする。
野田が掲げる消費税増税は財務省の要求であるだけでなくアメリカの要求なのである。野田のTPP参加、米軍再編の見直し、南スーダンへの自衛隊派遣、F35の購入決定、これら野田の政策は、すべてアメリカの要求なのだ。この自公も顔負けの対米従属ぶりは野田政権が国民の支持が無くても持つ理由である。

小沢のように対米自立を掲げ、アメリカの利益よりも日本の利益を優先する政治家は刑事被告人にされるのが従属国日本の政治の特徴なのだ。では「維新の会」が国民の期待にこたえられるか?というと疑問である。
橋下は右翼的であるのに対米自立を掲げない、「船中八策」は改憲しなければ実現できない事を掲げているが、日本の従属憲法は「改正」できないようになっているので、橋下は失敗する。

「維新の会」が300人の候補を立てると言うが、1人300万円の供託金がいる。比例の供託金は600万円だ。全部で約18億円の資金が要るのに、それを橋下は用意できない。各候補者に用意させるならカネのある者しか立候補させられないことになる。つまり「維新の会」は口先だけなのだ。

ファシズム政党はブルジョアジ―の支持が無ければ勝利できないことを橋下は知るべきだ。つまり政局は対米自立という民族の悲願を実現しようとする政治家が現状ではいないので、アメリカの要求を巡って混乱が続くということだ。

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アメリカの現局面の外交政策!

アメリカは大統領選の時期に入っている。つまりアメリカは政治空白の時期に入っているのである。しかもオバマ政権は深刻な財政危機の中で戦略転換をしている。つまりアメリカは「息継ぎの和平」にあり、しかも選挙という政治空白の時期だと言うことだ。

したがってアメリカの外交はアメリカの権益を失わない形で、現状を維持する事が外交目的となっている。その重点は「世界の火薬庫」中東である。ここでは重要な戦略的変化が起きている。一つは「アラブの春」の民衆運動でエジプトのムバラクが打倒された事である。二つ目はイランの核開発である。こうした状況の下でいかにイスラエルの安全を保つかがオバマには重要となっている。

エジプトの軍への援助を継続し、イスラエル・エジプトの協力関係を維持する。イランにはイスラエルが攻撃すると言うポーズで恫喝し、イランとイスラエルの間のシリアを内乱状態とする。これでイランのパレスチナゲリラ等への援助を断ち切る。イランへの空爆は、「アラブの春」の闘いをアラブ民族主義に導くのでやりたくともできない。

アジアでは、中国の拡張主義を軍事的に包囲する。同時に北朝鮮に食糧援助を行い、体制の存続を許し、軍事行動を封じこめる。以上がオバマの政治空白に向けた外交の内容である。しかしこれだけでオバマの再選が可能になるわけではない。
オバマにとって幸い共和党の候補選びが混迷している。後はアメリカ経済が上向き雇用が回復するかどうかであろう。

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