民主党幹部の政治資金問題

裏に支配従属国関係の維持狙う米の存在

 鳩山首相の政治団体を巡る偽装献金事件は、相続税を支払うことで元秘書の在宅起訴と略式起訴で決着した。
 昨年春以来の小沢への政治資金疑惑については、小沢の代表辞任で決着がついたと思われた。だがその後小沢が民主党幹事長として巨大な力を持つことが判明すると土地購入を巡る疑惑が表面化した。
 1月12日には民主党小沢幹事長の関係先が東京地検特捜部から一斉捜索された。
 これらの民主党幹部の政治資金を巡る動きは、裏に支配・従属関係の維持を狙うアメリカの意向を反映している。
 民主党政権が発足して以後の日米関係は、普天間問題の日米合意の見直し問題と日米密約の問題が焦点とされた。民主党はマニフェストで「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくります」としている。また「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と明記している。アメリカ政府がこうした民主党の日米関係の見直しに反発していることは間違いない。
 クリントン米国務長官は民主党の東アジア共同体構想の「米抜き」の議論は容認できないと語っている。要するにアメリカは民主党の自立・自主外交に怒っているのである。
 政治資金問題は、日米の利害が対立した時の支配・従属関係の下での、いつものパターンが始まったのである。つまりロッキード事件と同じことが起こり始めたことを認識しておかねばならない。
 当時の田中角栄首相は、日本の資源面での弱点を補うため“日の丸油田”の獲得に向けてインドネシアや中東の油田買収に手を付けた。当時キッシンジャー米国務長官は、日本の行動を「裏切りだ」と断じ、また田中の日中国交回復に怒ってロッキード事件を演出して田中角栄を首相の座から引きずり下ろした。
 小沢は田中に「政治的息子」と呼ばれ、中国政府とも密接な関係を持ち、対米自立を「普通の国」と称して進めているためアメリカは怒りを強めていた。その小沢が政権党の幹事長として民主党国会議員の大勢力を傘下に確保したことがアメリカには許せないことであった。
 この間中国派の加藤紘一が潰され、ロシア派の鈴木宗男も潰された。今回の小沢潰しもアメリカが裏で策動している事は間違いない。
 アメリカは日本全国に米軍基地を置き、とりわけ首都東京周辺に多くの基地を維持している。現日本国憲法の制定権力はアメリカであり、したがって日本の真の権力者はアメリカなのである。
 日本とアメリカの利害が対立した時、動くのが東京地検特捜部である。同特捜部の動きは日本の真の権力者が誰かを日本の人々に気付かせている。
 地検特捜部を使って捜索すれば誰の、どのような犯罪でも捏造できるのである。
 民主党幹事長の小沢が本当に日本の実力者なら、今回の事はおこり得ない事である。
 普天間基地の移転は、グアムの米軍基地建設などで約3兆円も日本は負担しなければならない、これを白紙にされたことがアメリカの怒りの直接の理由だが、中心は日米の支配従属関係の維持とアジア支配にある。
 自民党の歴代首相が靖国神社に参拝して中国や韓国等を刺激したのはアジアで日本は戦略的に動かない証を示してきたのである。
 今の日本で小沢を批判しているのはアメリカの手先か従属論者ばかりである。
 日本の対米自立は、国民運動を背景に進めなければ今後もアメリカに同じ手口で潰されるであろう。
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戦線拡大する「テロとの闘い」!

イエメン・ソマリアが反米の拠点化

 アメリカ政府はイラクに増派し治安の安定化に全力をあげてきたが、その隙にアフガニスタンのタリバンが勢力を回復・拡大した。そこでオバマ政権になってからアフガニスタンに増派したが、そうすると今度はパキスタンで原理主義が勢力を拡大し始めた。
 09年にアフガニスタンでの外国軍兵士の死者は519人と前年比で8割近くも増えた。同政府軍の兵士の09年の死者は523人と前年の倍に増えている。
 パキスタンではテロによる民間人の犠牲が2281人になり、国連は外国人職員の退避を決めた。
 米軍がアフガニスタンで軍事行動を強化すれば、アルカイダはパキスタンでの行動を強化し、米軍がパキスタンに戦線を拡大すればアルカイダは拠点をイエメン・ソマリアに拡大するという状況になっている。
 昨年12月25日には米デトロイト上空を飛行中の米旅客機内で爆破未遂事件が発生した。この容疑者が「イエメンでアルカイダ関係者から爆薬を受け取り、下着に縫い込んだ」と供述したことから、アメリカはイエメンとソマリアでの軍事協力を強化する方向で動いている。すでに米軍はイエメン内のアルカイダの拠点を空爆したとの報道もある。
 ソマリアのアルカイダ系民兵組織マル・シャバブは、ソマリアの南部と中央部の大部分を支配している。アル・シャバブはイエメンのアルカイダに援軍派遣とアメリカへの報復を表明した。
 アメリカはアフガニスタンとパキスタン北部で無人攻撃機からのミサイル攻撃で多くの民間人を殺し、その結果人々の憎しみを生み、彼ら自身がテロリストを生産している。こうして戦線は拡大し、まるでモグラたたきの様に、イスラム原理主義勢力をアメリカが攻撃すればするほど誤爆も増え、テロリストを生産し、拠点が拡大していくのである。
 アメリカはオバマ大統領がイエメンのサレハ大統領に、ペトレアス米中央軍司令官を通じて書簡を手渡し、昨年の7000万ドル(約63億円)の倍以上の軍事援助を約束した。オバマは1月2日の国民向け演説で「我が国は広範囲に広がる暴力と憎しみのネットワークとの戦争状態にある」とのべて、アルカイダ掃討の決意を示した。
 この先アメリカはイエメンやソマリアに戦線を拡大するのだろうか?アメリカの攻撃とイスラム原理主義の報復の負のサイクルからの脱出は、米軍の撤兵以外には方法がないように思える。つまりイスラム原理主義の軍事的制圧は不可能なのである。
 ところがアメリカにはイラクの油田に利害を持ち、戦争で儲ける産軍複合体の経済構造がある。戦争で儲ける人々がいる以上簡単に撤兵はできないのである。
 アメリカはグローバル化した市場と資源を必要としているのであるが、すべての人々が自分達のルールを受け入れると考えるのがそもそも間違いである。宗教や文化の多様性を認めなければならない。
 宗教を力で押しつぶそうとするのは愚かなことである。アメリカは侵略を繰り返してきたため中東・中南米・アフリカは今や反米圏になったのである。
 EUも日本もアメリカの戦争に付き合う愚はできるだけ回避した方がよい。アメリカは「テロとの闘い」と主張しているが、アフガニスタンの人々は米軍の方がテロリストであり侵略者だと考えている。
 今のままアメリカが戦線の拡大を続けていけば、アメリカ経済は疲弊していくことになる。
 超大国の疲弊と世界同時経済危機の中で、今後世界はどう変わっていくのかを見なければならない。
 アメリカの衰退は、世界を多極化の時代へと導くのは必然である。
 エネルギーの多様化は、中東の戦略的価値を減少させることができるであろうか?それとも中東とアフリカ等の資源地帯の争奪が再び始まることになるのであろうか?
 今中国は、世界中、とくにアフリカの資源を次々と手に入れている。アメリカは中東の石油地帯の戦略的価値に着目しているからこそ「反テロ戦争」を続けているのである。
 日本とEUは、環境問題に最大限取り組むことでエネルギーの多様化・クリーン化を実現して、中東の石油への依存を減少させようとしている。この日本の独自の戦略方向こそ、アメリカが一番警戒していることである。
 アメリカは中東の石油を失っても衰退するが、軍事的消耗も衰退を招くことになる。つまりアメリカは戦略を転換する局面にあるのだ。アメリカが撤兵すればアルカイダも力を衰退させることになる。対立面を形成している米軍とアルカイダは互いに相手を必要としているのである。したがって米軍が撤兵すればアルカイダは存在意義を失うのであり、アメリカは疲弊をまぬがれることができるであろう。
 オバマの「息継ぎのための和平」は中途半端であり、アメリカが経済的衰退を阻止できない可能性を見ておくべきである。一国の戦略的転換は二兎を追うべきではなく徹底性が重要なのである。
 世界の多極化は時代の流れであり、アメリカは多極化の時代の戦略を持つべきで、覇権主義の夢を追うべきではないのである。

日米関係は危機か?

普天間移設先送り=日米合意見直しの狙い!?

 連立与党内で社民・国民新両党が連携して民主党を揺さぶった。米軍普天間基地の県外移設に固執する社民党に国民新党が加勢した。これで鳩山政権は辺野古案の日米合意見直しに動き、辺野古以外の検討を指示するなど揺れ動いた。
 これに対しアメリカ政府は一貫して日米合意の履行を求めたが、連立維持を優先せざるを得ない鳩山政権は問題の先延ばしとして5月まで結論の先送りを決めた。
 アメリカ政府はコペンハーゲンでのCOP15での日米首脳会談を拒否して強硬姿勢を示した。また鳩山首相のブレーンの寺島実朗氏の「鳩山首相への誤解を解く」目的での訪米にも会見を拒否した。
 アメリカ政府は寺島氏の「日米関係の再構築」を拒否して見せたということである。つまり鳩山政権の「対等の日米関係」に対し、アメリカは自公政権と同じ「対米追随一辺倒」を引き続き求めているように見える。
 アメリカ政府は鳩山政権の日米の密約外交の調査も気にくわないであろう。「密約外交」とは対米従属の結果であり、その調査は日本の自立へと向かうからである。
 アメリカの強硬姿勢に対し、鳩山政権は来年度予算案で在日米軍関係経費を大幅に増やした。前年度比491億円増の3370億円で過去最多にしたのである。在日米軍再編経費(1320億円)も海兵隊新基地建設費(約126億円)も増加した。
 つまり鳩山政権は予算面でアメリカに譲歩して「誤解」を解こうとしたのである。
 こうした普天間問題をめぐる動きの中で日本のマスコミは「日米関係がきしんでいる」「日米同盟の危機」「日本の安全を損ないかねない」「日米関係深い傷」と書き立てている。
 一連の日米関係の対立を見るとアメリカは普天間移設が問題なのではなく鳩山首相の「対等の日米同盟」が同盟軽視論だととらえていることである。
 鳩山連立政権は社民党の支持がなければ参院で過半数を失うのであり、そうなれば日米関係を維持するための予算も通過が難しくなるのである。アメリカはこうした事情は分かっており、彼らが問題と見ているのは、アメリカの力がリーマン・ショック以後衰退しつつある中での鳩山首相の「対等の日米同盟」がアメリカ離れではないか?との疑いを持っていることである。
 鳩山首相の普天間先送りの狙いはどこにあるのだろう。鳩山はオバマに「私を信頼してほしい」と語った。しかしこれ以上の説明をしていない。しかし鳩山が米軍基地の県外・国外移転の発言をしたことで北朝鮮や中国は、日本のアメリカ離れを好感している。
 鳩山の普天間問題の先送りは北朝鮮外交のための布石かも知れない。北朝鮮が日朝関係の改善へ舵を切れば、民主党の参院選勝利は間違いないであろう。
 つまり鳩山首相も小沢も当面参院選の勝利を戦略課題と位置付けているのである。
 鳩山連立政権は、自民・公明の連立政権が招いた経済危機を引き継いだわけであり、当面景気がすぐに回復するわけではないのだから、当面成果を外交に求めるほかない。
  鳩山首相は、海上自衛隊のインド洋からの給油活動の中止を決め、今また辺野古への米軍基地建設中止の方向を見せている。これらが北朝鮮に向けたアピールとして働く可能性を見せておくべきである。
 日本の政権交代を最も注目しているのは北朝鮮の金正日将軍なのである。
 恐らくアメリカは鳩山のこうした外交的狙いを読みながらも、日本のアメリカ離れを警戒しているのであろう。外交で二兎を追うわけにはいかないし、北朝鮮のように外交的したたかさを持った国を相手とする場合、日米合作の芝居もありうるであろう。
 アメリカは先に北朝鮮の6ヵ国協議への復帰の外交に失敗している。そのため鳩山の「友愛外交」に期待するしかないであろう。
 以上の点から自民党が「日米関係の危機」を政権奪回の好機と見るのは完全な誤りである。
 民主党連立政権とオバマ政権の関係は、相方の立場の違いを考慮した関係と見るべきである。
 たかが普天間のヘリ基地問題で日米同盟がつぶれるわけがない。アメリカは日米同盟なしに世界戦略を維持できないのである。
 鳩山首相が「辺野古の可能性も残っている」と語っているのは優柔不断な態度の表れではなく、揺れ動く様を北朝鮮に見せる事で外交的決断を促していると見えなくもない。
 アメリカはアフガニスタンとイラクで泥沼に突入しており、極東では緊張緩和以外の選択肢は無いのである。したがって鳩山政権の誕生を最大限生かし、北朝鮮を市場経済に取り込む「ソフトパーワー」戦略を展開していると見ることもできる。そのためには日米関係がさも対立しているように見せかけることが不可欠なのである。
 今北朝鮮の指導者は、世代交代を控えて和平と外交関係の改善を必要としている。
 鳩山政権をどう見るのか?アメリカから離れるかに見える鳩山政権に北朝鮮を含む世界が注目している。
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