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世界的な景気後退は避けられなくなった!

月刊誌「選択5月号」は「米経済景気後退に備えよ」との衝撃的な記事を掲載している。それは以下のような内容である。

=世界経済から見て大きな市場を持つアメリカ経済の指標が、景気後退が近いことを暗示している。今年3月のアメリカ消費者物価指数は8.5%まで上昇し、しかも上昇は止まりそうにない。これは40年ぶりの高水準である。

=コロナ禍での金融緩和が高インフレを招いている。金利の上昇で住宅市場が急速に冷え込んでいる。アメリカ国債市場では3月29日に10年債と2年債の「逆イールド」(長期金利より短期金利が高い状態)が発生した。

=3月のアメリカの失業率は3.6%と労働市場も過熱している。インフレ率8.5%という「現金の暴落」は止めるのが難しい。ローレンス・サマーズ元財務長官は「歴史を見れば、インフレ率が4%を超え、失業率が5%を下回った時点から2年以内に景気後退が起こらなかったことはない。」と語っている。

=ウィリアム・ダドリー前ニューヨーク連銀総裁が「(インフレ抑制を)効果的なものにするには、株式と債券投資家に対してさらなる損失を与える必要がある。」と語ったことが市場関係者を驚かせたという。同氏は「景気後退は事実上避けられない」としているという。
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しかも世界経済を牽引してきた中国経済が習近平のゼロコロナ政策で、中国経済の先行きが暗いのである。その上に、ロシアのウクライナ侵攻への経済制裁で、欧州経済のエネルギー高騰と供給危機と食糧高騰の打撃は計り知れない。対ロシア経済制裁は世界的な市場の縮小になり、それがコロナ禍からの復興に打撃となる。

コロナ禍での世界的な金融緩和が大インフレを招き、エネルギーと穀物の高騰で世界的な景気後退が起こりそうである。しかもウクライナ戦争はバイデンの中間選挙対策で戦争の長期化が避けられない。バイデンの支持率は40%前半と低迷している。高物価でアメリカ国民は悲鳴を上げている。世界的な経済危機と戦争の危機が重なり、不気味な不安が世界に広がりだしている。

対ロシア経済制裁をこれ以上拡大しては、欧州のエネルギー不足は深刻化し、資源価格と穀物の高騰がインフレに拍車をかける可能性がある。世界的な景気後退は避けられそうもないのである。
# 世界的景気後退
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G20で明白になった欧米と中ロの力関係の逆転!

20~22日に開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁の会議は、共同声明を出せずに決裂して終わった。ロシアに対する各国の姿勢の違いから共同声明は採択されず、さらにロシア代表者の発言時には、米国のジャネット・イエレン財務長官をはじめ、カナダや英国、ウクライナの代表者が一時退席するなど欧米陣営とロシア中国陣営の対立が明白になった。

ウクライナ情勢について、参加国からは人道的危機および経済的影響に深い懸念が表明され、またウクライナのマルチェンコ財務相は「ロシアは世界経済の疾病だ」と、強い言葉でロシアを非難した。一方、中国の劉昆財政部長は「G20参加国は、世界経済を政治の道具として利用することを避けるべきだ」とし、欧米諸国の姿勢を非難した。

20カ国・地域(G20)のメンバー国ブラジルのフランサ外相は24日、ウクライナに侵攻したロシアをG20から排除する動きが出ていることについて、上院で「ブラジルは反対する」と述べていたため、ロシア排除はできなかった。

あらわになったのは、ロシア問題を巡る日米欧7カ国(G7)と新興国の分断だ。中国、ロシア、インドネシア、ブラジル、アルゼンチン、インドなど主要新興7カ国(E7)の経済力は、中ロ陣営となった中東産油国を含む「アラブ連合」などを加えると逆転する。G7とE7の分断は短期的には対ロ経済制裁の効果を弱め、エネルギーなど資源を握る中ロ陣営が優位となる。戦略的視点で見ても、アメリカと中国の覇権争いの力関係を大きく逆転させるものだ。バイデンの戦略的失敗は明らかだ。

これはアメリカの進めるウクライナ戦争の欺瞞的プロパガンダが、新興国に浸透していないことを示している。そこにはアメリカが2014年にウクライナのネオナチ勢力に金と傭兵を送り込み、グーデターでかいらい政権をでっちあげ、以後親ロシア派を弾圧してきたことが広く知られており、ロシアのプーチンは当時から怒りを表明してきたこと、つまり突然ロシア軍がウクライナを侵略したわけではないことが明らかであるからだ。

しかも欧米マスコミが、ロシア軍の悪逆非道を宣伝すればするほど、世界中で戦後アメリカが繰り広げてきた戦争で、多くの民衆を虐殺してきた戦争犯罪は問題にもされなかったことへの反発が浮上し拡大する。ウクライナの避難民が優遇されればされるほど、中東の戦争避難民が受けた冷遇が思い起こされ、欧米の欺瞞的二重基準が反発を呼ぶのである。

バイデン米大統領は、国内で高騰するガソリン価格で、支持率は相も変わらず低い。バイデンがいくら「ロシアが引き起こした物価高」を強調しても、アメリカ国民は2014年以後のウクライナで、バイデン親子が高額な利権を漁ったことは広く知られているのである。ゆえにバイデンは秋の中間選挙に向けて欧州での戦争を拡大、持続しなければならない。しかし欧米陣営と中ロ陣営の力関係はもはや逆転し、頼みの経済制裁も逆に欧州が甚大な打撃を受けることになる。

日本政府は、こうした経済的力関係の逆転が見えていないので、盛んにアメリカにゴマをすって対ロシア制裁に狂奔しているさまは、愚かとしか言いようがない。まるで第2次世界大戦前に、欧州の政治情勢を正しく分析できず、三国同盟で亡国の危機をまねいた時と同じに見えるのである。
#ウクライナ戦争が招いた戦略的変化

世界中に経済危機と政情不安が拡大か!

ウクライナ政府は3日、ロシアによる黒海の港の封鎖で、3月の主な穀物の輸出量が前月の4分の1に急減したと表明した。黒海では外国船籍の100隻以上が足止めされているという。ウクライナ経済省は3日、3月のトウモロコシの輸出量が110万トン、小麦は30万9千トンに減ったとし「2月の4分の1だ」と強調した。世界の穀物価格の高騰は今後も続くとみられる。

石油輸出国機構(OPEC)にロシアなどを加えた「OPECプラス」が3月31日、アメリカ、欧州、日本などが求めた原油の追加増産に応じないと決めた。その直後、アメリカは石油備蓄の追加放出を発表し原油価格を抑える姿勢を鮮明にした。ロシアのウクライナ侵攻が原油高継続に拍車をかける中、消費国の原油高が長期継続する可能性が日事に増している。

サウジアラビアが支援金50億ドル(約6100億円)を原理主義を弾圧しているエジプトの中央銀行の口座に振り込んだ。アラブ諸国で最も人口が多く、ロシアによるウクライナ侵攻のあおりで揺らぐエジプト経済を下支えするためだ。サウジ国営通信は、この支援をエジプトを支える「たゆまぬ努力」の一環と位置付けた。2月下旬に始まったウクライナ侵攻と米欧による経済制裁でエジプトでは小麦、植物油、燃料の価格が急騰し、政情不安が強まっている。

ウクライナ戦争が今後も継続すれば、中東、アジア、アフリカの食料輸入国で、今後政情不安が拡大する可能性が強く、中東、中央アジア、北アフリカで、イスラム過激派が勢力を盛り返す可能性も強まっている。ウクライナとロシアは世界の穀物の3割を生産しており、この穀物が戦争と経済制裁で市場に出回らないということは、世界で穀物価格の高騰が続くことであり、食料輸入国は食料危機に揺さぶられることになる。

今回のロシア軍のウクライナ侵攻は、アメリカがウクライナのNATO加盟でロシアを挑発し、仕掛けたものだが、このロシアを中国、イランの側に追いやることで、中国・ロシア・イラン・アラブ連合の方が、戦略資源が豊かであり、戦争が長引けば、欧米日の側がエネルギーと食料価格高騰で経済・政治危機に陥る可能性が強まっている。

アメリカや欧州、日本にとって、経済制裁は「諸刃の剣」であり、対ロシア経済制裁は制裁をした方が打撃が大きいのである。プーチンもアメリカの罠にかかり軍事的打撃を受けたが、世界の分割で多極化が進み、アメリカの側もドル支配が後退しかねないのである。とりわけ秋の中間選挙を控えるバイデン米政権は、原油高で支持率が低迷しており、原油高が長引けば中間選挙で敗北し、政権のレイムダック化は避けられず、次期大統領選でトランプ復活の可能性も出てくるであろう。ロシア・ウクライナの和平交渉の早期和解を期待しているのは、むしろアメリカの側なのである。
#原油・穀物高騰

ウクライナ戦争の帰趨は我慢比べに!

我々は、アメリカがクーデターで作ったウクライナのかいらい政権を使い、NATO加盟でロシアを挑発し、プーチンにウクライナの政権交代を決意させ、侵攻に誘い込んだのはプーチン政権の打倒が狙いであることを早くから指摘してきた。

それを示すかのようにバイデン米大統領は、3月26日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、「非難されるべき人物は、ウラジーミル・プーチンだ」などと、ロシアのプーチン大統領を厳しく批判したうえで、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と語った。これは正にバイデンが本音を語ったものと理解すべきである。

バイデンのこの発言は、アメリカがプーチン政権の体制転換を目指していると受け取れるものであり、演説直後から欧州に波紋が広がった。ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロイター通信の取材に対し、プーチン氏が権力の座にとどまり続けるかどうかについては「バイデン氏が決めることではない。ロシア大統領はロシア人によって選ばれる」と反発した。バイデンがこのこの発言を、あとで慌てて取り消したのは、この発言が戦争を欧州への全面戦争に拡大する危険があったゆえである。

ロシアは当初アメリカの狙いに気付かず、ウクライナ側の戦争準備も知らずに無防備に侵攻し、打撃を受けたが、現在は欧米の経済制裁と、ロシア側の経済的打撃の我慢比べの様相を呈してきているので、戦線を再構築していると見るべきであり、ウクライナ側が勝っているわけではない。ロシア軍の打撃も欧米マスコミの誇張されたものよりも軽微と思われる。しかしロシア軍が通信の盗聴と、対戦車携帯ミサイルやドローンの攻撃を想定していなかったのは事実であろう。

ロシア側の狙いはウクライナにロシア攻撃のNATOの基地を作らせなければ戦争目的は達成できる。事実ウクライナ政府は「中立の維持」で和平交渉しており、プーチンはウクライナの政権交代でなくともNATO加盟を阻止すれば目的を達成できる。プーチンはできればウクライナを分断して、緩衝地帯としての親ロシア政権を作れれば成功と考えており、アメリカが望むように早期にプーチン政権が崩壊する可能性は少ない。

むしろ戦争が長引けば、ロシアにエネルギーを依存している欧州経済の打撃の方が大きい。欧州はエネルギーを引き続き輸入するために経済制裁の対象からエネルギー取引銀行を外しており、ロシア経済が制裁に耐える可能性が強い。石油の価格決定権を握る中東がロシア・中国寄りとなり、原油の高騰が続くことは避けられず。ウクライナの戦争が長引き、国際経済が大不況となれば、バイデン政権が望んでいた秋の中間選挙での勝利も危うくなる。

つまり、ウクライナ戦争の行方は双方の経済が持つかという我慢比べとなっており、中国が、どの程度ロシアを支持するかで勝敗が決まりそうだ。中国政府にすれば、ここでロシアのプーチン政権が倒れ、ロシアに親米政権が生まれると、自国が包囲されるのであるから、全力でプーチンを支えるであろう。ゆえに新冷戦で世界経済がどのような打撃となるかが当面の焦点となってきたといえる。

世界戦略も持たず、バイデン政権の中間選挙対策で、アメリカが誘い込んだウクライナ侵攻だが、それがバイデン政権の打撃となる可能性が出てきたとみるべきであろう。バイデンにすれば、欧州がエネルギーのロシアからの輸入をすべて断てば、早期にプーチン政権を打倒できたはずであった。計算外れはプーチンの側だけではないのである。
#ウクライナ侵攻

多極化は、経済のブロック化と経済危機を招く!

南米アルゼンチンのフェルナンデス大統領が最近、米欧とウクライナ情勢で対峙するロシアや中国を歴訪して首脳会談を行い、アメリカ政府に衝撃を与えている。中国は首脳会談でイギリスのフォークランド諸島のアルゼンチンの領有権を支持したことで、イギリスは反発している。アルゼンチンのフェルナンデス大統領はロシア政府系メディアに「アメリカ依存をやめる」と公然と語った。米欧と露中の地政学的な対立が中南米にも拡大している。

中国政府は党内にロシア批判をしないように通達を出しており、中国、ロシア、イラン、それにアラブ連合(産油国を含む)もロシア、中国寄りとなった。キューバやべネズエラに加えて、アルゼンチンまでもがロシア、中国寄りを表明したわけで、世界の2分化が進み始めた。この傾向はアジアやアフリカにも今後及ぶ可能性がある。

バイデン米大統領が中間選挙対策として、ウクライナのかいらい政権を使いNATO加盟の脅しでロシアのプーチンを挑発したことが、世界の分割という事態へと進み始めたのである。これで冷戦崩壊後のグローバル市場は反転・分断されていく可能性が出てきた。世界はドル圏・ユーロ圏・元圏へとブロック化が進行していくのは避けられない。今後も資源、エネルギーの高騰が続き、コロナ後の世界経済は大不況に見舞われることになりつつある。

今後の注目点は、ウクライナの事態を長引かせずに、休戦・和平へとつなげられるか、それとも戦線が拡大していくかが注目点となる。アメリカのウクライナへの軍事援助は最新兵器のロシアへのプレゼントになる可能性がある。アフガン政府軍へのアメリカの膨大な軍事装備の支援が、イスラム原理主義のタリバンにすべてプレゼントされたように、今後ロシア軍はウクライナの極右政権交代まで戦う可能性が強いし、そのウクライナの装備兵器もロシアにわたることになる。

バイデン政権は未だに世界戦略を公表しておらず、戦略ないままに選挙戦略を優先する愚策を犯している。ロシアのウクライナ侵攻で、アジア諸国は安全保障上の3正面を余儀なくされることになった。バイデン政権がアフガニスタンとウクライナを「捨て駒」としたことで、アジア・アフリカ諸国は動揺し、アルゼンチンにならい自国の利益を計算して外交路線を決定することになる。

アメリカの覇権は今後急速に衰えることになるであろう。世界市場が分割され、ドル経済圏が狭まれば、巨額のドル発行益が支えたアメリカの巨大な軍事力を維持できなくなるであろう。世界は経済危機の中で軍拡競争に取り組むことになる。経済恐慌と第3次世界大戦が避けられなくなるかもしれない。
#多極化が招く経済危機と戦争
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