欧米とウクライナ政府の矛盾が表面化!
ポーランドのウクライナ国境近くの村にミサイルが着弾し、2人が死亡した問題で、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアのミサイルである」「ロシアの矛先はNATO諸国へも向かう」と述べた。
これに対し、バイデン大統領はミサイルがロシアから発射されたかどうかについては、「異議を唱える初期段階の情報がある」と指摘。「可能性が低い」との見方も示し、その後「ウクライナの対空ミサイルだ」との説明をした。また欧州諸国の複数の国がゼレンスキー大統領の戦争拡大を狙いとしたロシアの攻撃説の発言を批判している。
ウクライナ政府は、ポーランドへのミサイル着弾を好機として、ロシアの侵攻が欧州への侵攻に繋がると発言することで、欧米の武器支援の継続を図ろうとしている。しかし欧米にはウクライナ戦争を拡大する意図はなく、できれば朝鮮半島方式で停戦ラインを作り、戦争を早期終結させたいのである。
ロシア軍が南部ヘルソン州のドニプロ川西岸地域から撤退したのも、南部戦線の停戦ラインをドニプロ川とすることを意識しているとみられる。つまり今回のポーランドへのミサイル着弾は、その捉え方によって欧米とウクライナの停戦をめぐる矛盾を表面化したのである。
アメリカはウクライナ戦争の長期化がウクライナ国土の荒廃を招き、また軍事支援の負担が増すだけでなく、中国軍の台湾進攻を招きかねないと判断し、停戦を考慮し始めていることを示しているのである。
問題はウクライナ政府が、占領地域をそのままにして停戦を受け入れられるかであるが、これはウクライナへの軍事支援を削減することで、受け入れせざるを得ない状況となる。欧州諸国はエネルギー価格の高騰で、冬を迎える前に現状を改善しないと、政権が持たない可能性も出ている。
局面は、ウクライナ政府が停戦を受け入れるかにかかっており、ロシアがこれまで控えていた発電所へのミサイル攻撃を開始したのは、ウクライナ側を停戦に追い込みたいからなのである。この動きに欧米が呼応し、停戦に踏み込むのかどうかが今後の注目点である。
#ウクライナ戦争の停戦
これに対し、バイデン大統領はミサイルがロシアから発射されたかどうかについては、「異議を唱える初期段階の情報がある」と指摘。「可能性が低い」との見方も示し、その後「ウクライナの対空ミサイルだ」との説明をした。また欧州諸国の複数の国がゼレンスキー大統領の戦争拡大を狙いとしたロシアの攻撃説の発言を批判している。
ウクライナ政府は、ポーランドへのミサイル着弾を好機として、ロシアの侵攻が欧州への侵攻に繋がると発言することで、欧米の武器支援の継続を図ろうとしている。しかし欧米にはウクライナ戦争を拡大する意図はなく、できれば朝鮮半島方式で停戦ラインを作り、戦争を早期終結させたいのである。
ロシア軍が南部ヘルソン州のドニプロ川西岸地域から撤退したのも、南部戦線の停戦ラインをドニプロ川とすることを意識しているとみられる。つまり今回のポーランドへのミサイル着弾は、その捉え方によって欧米とウクライナの停戦をめぐる矛盾を表面化したのである。
アメリカはウクライナ戦争の長期化がウクライナ国土の荒廃を招き、また軍事支援の負担が増すだけでなく、中国軍の台湾進攻を招きかねないと判断し、停戦を考慮し始めていることを示しているのである。
問題はウクライナ政府が、占領地域をそのままにして停戦を受け入れられるかであるが、これはウクライナへの軍事支援を削減することで、受け入れせざるを得ない状況となる。欧州諸国はエネルギー価格の高騰で、冬を迎える前に現状を改善しないと、政権が持たない可能性も出ている。
局面は、ウクライナ政府が停戦を受け入れるかにかかっており、ロシアがこれまで控えていた発電所へのミサイル攻撃を開始したのは、ウクライナ側を停戦に追い込みたいからなのである。この動きに欧米が呼応し、停戦に踏み込むのかどうかが今後の注目点である。
#ウクライナ戦争の停戦

危険なウクライナ政府の極右体質!
ロシアのプーチン大統領が「ウクライナの非ナチ化」を掲げているので、最近の西側報道では、ウクライナ政府の過激な民族主義的な体質は報道されなくなっている。
アメリカのCIAが段ボール箱にドル札を詰めて送り付けた先がウクライナの極右組織であり、2014年のクーデターは過激なこの民族主義者である極右勢力が行ったのは事実である。アメリカの国際人権団体「フリーダムハウス」は18年の報告書で「極右は愛国心の波に乗り公共空間における民族主義的で過激なレトリックが正当化されるようになった」と指摘している。
そのウクライナの極右がマリウポリ製鉄所を拠点にした「アゾフ大隊」で2014年のクーデター時に極右グループを基盤に発足している。「アゾフ大隊」はナチス親衛隊が使った紋様と酷似した紋章を今も使用しているという。アゾフ兵士の親族によれば、兵士らの中にはフリーガン(暴力的なサッカーファン)出身が多いという。
報道によれば欧米諸国は「アゾフ大隊」の極右傾向に懸念を示していたし、アメリカ政府は2015年に「アゾフ大隊」をネオナチ組織とみなし一時軍事支援を停止していたほどだ。2016年の国連人権高等弁務官事務所は報告書でアゾフ兵士らが民間人の拷問や略奪に関与していたと報告している。この「アゾフ大隊」は現在内務省傘下で、今も独立した組織として存続している。
重要なことは、アメリカCBSテレビが制作したドキュメンタリー番組の中でNGOの代表が「ウクライナ支援の武器は3割程度しか戦闘目的地に行っていない」とのべたこと。同様の見方は、国際人権団体「アムネスティ」の現地関係者も明らかにしているという。大半の武器が欧州の闇市場に横流しされているといわれているのである。
ウクライナ戦争を通じて欧州はウクライナと結束を強めているが、ウクライナ政権の極右体質が今後の欧州の新たな対立と混乱を引き起こす可能性を指摘する声が強まっている。ドイツがウクライナへの武器支援に消極的なのは、現ウクライナ政権の過激な民族主義的思想を警戒してのこととみられている。またアメリカ政府もウクライナへの軍事支援を、ウクライナが負けない程度に制限していることも指摘しておけねばならない。
アメリカからの武器の6割以上が闇市場を通じて、中東やアフリカに流れているという。この武器の横流しは、アメリカの政治家の利権でもあるが、同時にウクライナの政治家の利権でもあるので、ウクライナの極右は莫大な資金を手に入れ、欧州内の極右との連携を強めていると見られている。欧米政府はウクライナ軍事支援で、厄介な怪物を育てているということでもある。
つまり現ウクライナ政権内には極右が大きな力を保持しており、ロシア側の主張は半分は事実なのである。戦争における報道は嘘が多いのであるが、ウクライナ政権内の極右の存在だけは双方がその危険を指摘していることは事実なのである。
#ウクライナの極右勢力
アメリカのCIAが段ボール箱にドル札を詰めて送り付けた先がウクライナの極右組織であり、2014年のクーデターは過激なこの民族主義者である極右勢力が行ったのは事実である。アメリカの国際人権団体「フリーダムハウス」は18年の報告書で「極右は愛国心の波に乗り公共空間における民族主義的で過激なレトリックが正当化されるようになった」と指摘している。
そのウクライナの極右がマリウポリ製鉄所を拠点にした「アゾフ大隊」で2014年のクーデター時に極右グループを基盤に発足している。「アゾフ大隊」はナチス親衛隊が使った紋様と酷似した紋章を今も使用しているという。アゾフ兵士の親族によれば、兵士らの中にはフリーガン(暴力的なサッカーファン)出身が多いという。
報道によれば欧米諸国は「アゾフ大隊」の極右傾向に懸念を示していたし、アメリカ政府は2015年に「アゾフ大隊」をネオナチ組織とみなし一時軍事支援を停止していたほどだ。2016年の国連人権高等弁務官事務所は報告書でアゾフ兵士らが民間人の拷問や略奪に関与していたと報告している。この「アゾフ大隊」は現在内務省傘下で、今も独立した組織として存続している。
重要なことは、アメリカCBSテレビが制作したドキュメンタリー番組の中でNGOの代表が「ウクライナ支援の武器は3割程度しか戦闘目的地に行っていない」とのべたこと。同様の見方は、国際人権団体「アムネスティ」の現地関係者も明らかにしているという。大半の武器が欧州の闇市場に横流しされているといわれているのである。
ウクライナ戦争を通じて欧州はウクライナと結束を強めているが、ウクライナ政権の極右体質が今後の欧州の新たな対立と混乱を引き起こす可能性を指摘する声が強まっている。ドイツがウクライナへの武器支援に消極的なのは、現ウクライナ政権の過激な民族主義的思想を警戒してのこととみられている。またアメリカ政府もウクライナへの軍事支援を、ウクライナが負けない程度に制限していることも指摘しておけねばならない。
アメリカからの武器の6割以上が闇市場を通じて、中東やアフリカに流れているという。この武器の横流しは、アメリカの政治家の利権でもあるが、同時にウクライナの政治家の利権でもあるので、ウクライナの極右は莫大な資金を手に入れ、欧州内の極右との連携を強めていると見られている。欧米政府はウクライナ軍事支援で、厄介な怪物を育てているということでもある。
つまり現ウクライナ政権内には極右が大きな力を保持しており、ロシア側の主張は半分は事実なのである。戦争における報道は嘘が多いのであるが、ウクライナ政権内の極右の存在だけは双方がその危険を指摘していることは事実なのである。
#ウクライナの極右勢力

欧米に広がる“ゼレンスキー疲れ”
ウクライナ政府は「戦争を終わらせるためには重火器を(ウクライナとロシア)同等にする必要がある。として以下の兵器支援を欧米に求めている。
▼155ミリ りゅう弾砲1000門
▼多連装ロケットシステム300基
▼戦車500両
▼装甲車2000台
▼ドローン1000機
155ミリ りゅう弾砲1000門とはアメリカが保有する数に匹敵するものを求めている。要求が大きすぎるというのもあって欧米に“ゼレンスキー疲れ”が出始めている。
ドイツでは高射砲を搭載した車両“ゲパルト自走砲”を50両。“自走りゅう弾砲”を7両、提供することをすでに決定しているが、弾薬が確保できない、ウクライナ兵を訓練中などの理由で未だ1両もウクライナには届いていない。さらにスペインが所有するドイツ製の戦車をウクライナに送ると提案したところ、ドイツがこれを認めなかった。
ドイツ政府には、ゼレンスキー政権への反感もあるといわれている。確かにゼレンスキー大統領はドイツに対して武器供与が他の国より遅かったと名指しで批判している。プレッシャーのかけ方が強すぎる。要するにドイツはウクライナ側に圧力をかけられ、それに屈したようになるので反発から武器を提供できなくなっている。
フランスでは、ウクライナに対し、自走りゅう弾砲“カエサル”を供与しているが、ある議員は「フランス軍はカエサルを64両しか持っていない」、またある議員は「我々の戦争ではない」などから武器を供与している場合ではないと、反対の声が出ている。フランスやドイツには、ウクライナ戦争はNATO加盟でロシアを挑発した「バイデンの戦争」との認識がある。
ウクライナをどんどん支援することは、それによってウクライナが急速にロシア軍を駆逐して、ゼレンスキーがロシアを押し戻すことが現実味を帯びてきた時、今度はロシアの戦術核使用も現実味を帯びてくる。欧州には、いずれロシアとの経済関係を回復しなければならないので、ウクライナが勝ちすぎるのも欧州には困るのである。
こうして欧米に“ゼレンスキー疲れ”が出ている。経済が弱まり兵器が不足する中で、ゼレンスキー大統領が兵器などを要求し続けることに西側指導者が疲れてしまうのである。アメリカの世論調査でも共和党支持者の中で、“ウクライナ支援は過剰だ”と思う人が、3月の13%から5月には27%に増えている。
キシッンジャー元国務長官がウクライナ政府に領土割譲での停戦を呼びかけたように、アメリカには、ロシアを疲弊させすぎると、ロシアを中国側に従属させるので戦略的に不利だとの見方が出ていることもある。
こうしてウクライナ政府のたかり・ゆすり的な際限のない兵器支援要求に、欧米政府の中に“ゼレンスキー疲れ”が出始めている。国防上必要な武器生産は自国で行わなければ、武器の供給が途絶えると継戦能力に差しさわりとなる典型的な例である。武力による現状変更は認めたくないが、いい加減ウクライナには領土割譲での停戦をしてほしいというのが欧米の本音なのである。
#欧米の援助疲れ
▼155ミリ りゅう弾砲1000門
▼多連装ロケットシステム300基
▼戦車500両
▼装甲車2000台
▼ドローン1000機
155ミリ りゅう弾砲1000門とはアメリカが保有する数に匹敵するものを求めている。要求が大きすぎるというのもあって欧米に“ゼレンスキー疲れ”が出始めている。
ドイツでは高射砲を搭載した車両“ゲパルト自走砲”を50両。“自走りゅう弾砲”を7両、提供することをすでに決定しているが、弾薬が確保できない、ウクライナ兵を訓練中などの理由で未だ1両もウクライナには届いていない。さらにスペインが所有するドイツ製の戦車をウクライナに送ると提案したところ、ドイツがこれを認めなかった。
ドイツ政府には、ゼレンスキー政権への反感もあるといわれている。確かにゼレンスキー大統領はドイツに対して武器供与が他の国より遅かったと名指しで批判している。プレッシャーのかけ方が強すぎる。要するにドイツはウクライナ側に圧力をかけられ、それに屈したようになるので反発から武器を提供できなくなっている。
フランスでは、ウクライナに対し、自走りゅう弾砲“カエサル”を供与しているが、ある議員は「フランス軍はカエサルを64両しか持っていない」、またある議員は「我々の戦争ではない」などから武器を供与している場合ではないと、反対の声が出ている。フランスやドイツには、ウクライナ戦争はNATO加盟でロシアを挑発した「バイデンの戦争」との認識がある。
ウクライナをどんどん支援することは、それによってウクライナが急速にロシア軍を駆逐して、ゼレンスキーがロシアを押し戻すことが現実味を帯びてきた時、今度はロシアの戦術核使用も現実味を帯びてくる。欧州には、いずれロシアとの経済関係を回復しなければならないので、ウクライナが勝ちすぎるのも欧州には困るのである。
こうして欧米に“ゼレンスキー疲れ”が出ている。経済が弱まり兵器が不足する中で、ゼレンスキー大統領が兵器などを要求し続けることに西側指導者が疲れてしまうのである。アメリカの世論調査でも共和党支持者の中で、“ウクライナ支援は過剰だ”と思う人が、3月の13%から5月には27%に増えている。
キシッンジャー元国務長官がウクライナ政府に領土割譲での停戦を呼びかけたように、アメリカには、ロシアを疲弊させすぎると、ロシアを中国側に従属させるので戦略的に不利だとの見方が出ていることもある。
こうしてウクライナ政府のたかり・ゆすり的な際限のない兵器支援要求に、欧米政府の中に“ゼレンスキー疲れ”が出始めている。国防上必要な武器生産は自国で行わなければ、武器の供給が途絶えると継戦能力に差しさわりとなる典型的な例である。武力による現状変更は認めたくないが、いい加減ウクライナには領土割譲での停戦をしてほしいというのが欧米の本音なのである。
#欧米の援助疲れ

窮地に立つジェレンスキー大統領
フランスのマクロン大統領は15日、「時が来たら、ウクライナの大統領はロシアと交渉せねばならない」と述べ、平和解決に向けた対話の必要性を主張した。訪問先のルーマニアで行った記者会見で述べた。マクロン氏はロシアとウクライナ、欧州が同じ大陸にあると強調。「『ロシア人と戦争し、完敗させるべきだ』との意見にはくみしない」と述べ、対露強硬策を主張するポーランドやバルト諸国と距離を置いた。
ドイツ政府がウクライナに支援を約束していた重火器の兵器が、一台もウクライナ側に引き渡されていないのも、ドイツがウクライナの勝利を望んでいないことを示している。ロシア政府はパイプラインでドイツに送る天然ガスを削減して、ドイツに圧力を加えておりドイツ政府はウクライナへの武器支援ができない事態となっている。
北欧2国のNATO加盟にはトルコを含む全加盟国の承認が必要だが、トルコは2国がトルコの非合法組織クルド労働者党(PKK)を支援していると抗議し、加盟に反対している。トルコ政府はスウェーデンとフィンランドにクルド支援撤回とトルコの懸念に対する具体的な措置を文書で示すよう求めていた。
15日、トルコのチャブシオール外相は、北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請した北欧スウェーデンとフィンランドから、トルコが示す懸念への対応策を文書で受け取ったと明らかにした。その上で「期待にはほど遠い」と指摘し、加盟反対の立場を変えなかった。つまりアメリカのNATO拡大の戦略もうまくいっていないのである。
欧州がウクライナ戦争の停戦を模索し始めたこと、アメリカもキッシンジャーが領土割譲による停戦を呼びかけ、ロシアを中国の側に依存させない戦略的配慮を行い始めたことは、ウクライナのジェレンスキー大統領が軍事援助の削減で停戦を余儀なくされる事態が近づいていると見るべきであろう。
ジェレンスキー大統領は領土割譲を受け入れると民族の裏切者となり、ロシアをNATO加盟申請で挑発したこと、バイデンが「ジェレンスキー大統領が侵攻前に、忠告を受け入れなかった」と発言したことで、窮地に陥っている。ジェレンスキーは「亡国の徒」と批判される瀬戸際にある。大統領の地位が危ういのはプーチンの方ではなく、むしろジェレンスキーの方が危ういと見るべきであろう。
アメリカはウクライナ政府に対艦ミサイルハープーンを支援することで黒海の制海権をウクライナ側に握らせることで、穀物の輸出を行えるようにしようとし、ロシア側は新たに原子力潜水艦を黒海に配備したので、ウクライナ戦争は黒海の制海権の争奪に局面が移り始めた。
ロシア側は欧米の経済制裁後も外貨収入は増大しており、経済制裁で打撃を受けているのはロシアよりもむしろ欧州の方が打撃が大きいことが明らかになってきた。このままウクライナ戦争が長期化すれば、ロシアの中国依存が深まり、覇権争奪でアメリカより中国の方が優位に立ちかねない事態となっている。
ウクライナ戦争の長期化で、中国の享受する戦略的利益は非常に大きい。最近ロシアと中国が相互支援を軍事面にまで拡大する協定を結んだので、欧米側はウクライナ戦争の早期停戦を選択せざるを得ない局面が生まれている。ジェレンスキー大統領が停戦を拒否し続けても、軍事支援が削減されれば戦争継続は難しくなる。ウクライナ戦争は終局が近いのである。ジェレンスキー大統領が戦争を続ければ、ウクライナが廃墟になるだけであり、彼が戦略関係から事態を見ることができれば早期停戦を選択するであろう。
#ウクライナ戦争
ドイツ政府がウクライナに支援を約束していた重火器の兵器が、一台もウクライナ側に引き渡されていないのも、ドイツがウクライナの勝利を望んでいないことを示している。ロシア政府はパイプラインでドイツに送る天然ガスを削減して、ドイツに圧力を加えておりドイツ政府はウクライナへの武器支援ができない事態となっている。
北欧2国のNATO加盟にはトルコを含む全加盟国の承認が必要だが、トルコは2国がトルコの非合法組織クルド労働者党(PKK)を支援していると抗議し、加盟に反対している。トルコ政府はスウェーデンとフィンランドにクルド支援撤回とトルコの懸念に対する具体的な措置を文書で示すよう求めていた。
15日、トルコのチャブシオール外相は、北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請した北欧スウェーデンとフィンランドから、トルコが示す懸念への対応策を文書で受け取ったと明らかにした。その上で「期待にはほど遠い」と指摘し、加盟反対の立場を変えなかった。つまりアメリカのNATO拡大の戦略もうまくいっていないのである。
欧州がウクライナ戦争の停戦を模索し始めたこと、アメリカもキッシンジャーが領土割譲による停戦を呼びかけ、ロシアを中国の側に依存させない戦略的配慮を行い始めたことは、ウクライナのジェレンスキー大統領が軍事援助の削減で停戦を余儀なくされる事態が近づいていると見るべきであろう。
ジェレンスキー大統領は領土割譲を受け入れると民族の裏切者となり、ロシアをNATO加盟申請で挑発したこと、バイデンが「ジェレンスキー大統領が侵攻前に、忠告を受け入れなかった」と発言したことで、窮地に陥っている。ジェレンスキーは「亡国の徒」と批判される瀬戸際にある。大統領の地位が危ういのはプーチンの方ではなく、むしろジェレンスキーの方が危ういと見るべきであろう。
アメリカはウクライナ政府に対艦ミサイルハープーンを支援することで黒海の制海権をウクライナ側に握らせることで、穀物の輸出を行えるようにしようとし、ロシア側は新たに原子力潜水艦を黒海に配備したので、ウクライナ戦争は黒海の制海権の争奪に局面が移り始めた。
ロシア側は欧米の経済制裁後も外貨収入は増大しており、経済制裁で打撃を受けているのはロシアよりもむしろ欧州の方が打撃が大きいことが明らかになってきた。このままウクライナ戦争が長期化すれば、ロシアの中国依存が深まり、覇権争奪でアメリカより中国の方が優位に立ちかねない事態となっている。
ウクライナ戦争の長期化で、中国の享受する戦略的利益は非常に大きい。最近ロシアと中国が相互支援を軍事面にまで拡大する協定を結んだので、欧米側はウクライナ戦争の早期停戦を選択せざるを得ない局面が生まれている。ジェレンスキー大統領が停戦を拒否し続けても、軍事支援が削減されれば戦争継続は難しくなる。ウクライナ戦争は終局が近いのである。ジェレンスキー大統領が戦争を続ければ、ウクライナが廃墟になるだけであり、彼が戦略関係から事態を見ることができれば早期停戦を選択するであろう。
#ウクライナ戦争

アメリカの外人部隊が支えるウクライナ軍
4月24日付ネット記事によると、4月下旬にキーウ(キエフ)で朝日新聞の取材に、ウクライナで活動する外人部隊の「ジョージア部隊」の司令官マムカ・マムラシュウィリ氏が応じた。その記事によると「ジョージア部隊」は2014年4月22日からウクライナで活動してきたこと、2016年にウクライナ正規軍に組み込まれたという。「ジョージア部隊」は結成時はジョージア出身者の傭兵部隊だったが、ロシア侵攻後様々な外国人を受け入れ、ウクライナで最大の外人部隊となったという。一説によるとアメリカの傭兵会社の部隊が1万2000人ウクライナに派兵されているとの情報もある。
つまり2014年のウクライナでのクーデターは、当時からアメリカのCIAがドルを段ボールに詰めてウクライナの極右に送ったことが知られていたが、アメリカは傭兵も送り込んでいたのである。このクーデターで当時親ロシア派のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、隣国ロシアへ亡命することになった。このクーデターは、ロシアの猛反発を招き、ウクライナ領のクリミア半島のロシアによる併合と親露派武装勢力によるドンバス地方に於ける戦争の勃発をはじめ、クリミア危機・ウクライナ東部紛争へとつながっていった。 つまりウクライナは2014年からアメリカのかいらい国だということだ。
報道によると、ウォレス英国防相は25日、ウクライナ侵攻後のロシア軍の戦死者が約1万5千人に上るとの見方を示した。英下院で報告した。少なくとも530台の戦車を含む2千台以上の装甲車を失い「目標のほぼ全てにおいてロシアは失敗している」と述べた。つまりロシア軍は情報戦にのせられてウクライナに侵攻し、待ち構えていたアメリカの傭兵部隊に携帯ミサイル「ジャべリン」でボコボコにされたということだ。
この戦争の、アメリカの戦略目標はプーチン大統領の失脚だが、プーチンは敗北を糊塗するためにウクライナ東部の「ドンバス解放」で戦争を終わらせようとしているように見える。アメリカや親米派諸国が軍事援助でプーチンの狙いを挫こうとしているのが現在の局面である。この戦争でアメリカは穀物、原油、天然ガス、武器が高値で飛ぶように売れ、経済が好況となり、バイデンの中間選挙での勝利もめどが立った。
しかしアメリカの計算違いはいくつかある。その一つがロシアはプーチンが倒れても、元官僚どもの別の独裁政権が生まれるだけで、普通の資本主義にはなりえないこと、その二つは、中東諸国が親ロシア・中国側に回り、原油などの資源の高騰が続くことである。またプーチン政権が倒れず、戦争が拡大する危険もある。
ロシアのラブロフ外相は、アメリカとソ連が核戦争の手前まで行ったとされる1962年の「キューバ危機」時は、米ソ指導部の間に対話のチャンネルが存在したが今はないと指摘し、第3次大戦が起きる可能性は「十分にあり、過小評価すべきではない」と述べている。また同外相は「(ロシアは)リスクを人工的にあおりたくないが、そうでない国も多い」と主張し、ウクライナに武器を支援し続ける欧米側を暗に批判した。プーチンは「経済制裁は宣戦布告とみなす」と語っている。ヨーロッパ全域に戦争が拡大する危険は増しているのである。
アメリカ経済は好況が約束されているが、欧米や日本、中国はコロナ禍とウクライナ戦争による物価高で大不況になる可能性がある。また発展途上国は穀物の値上がりで暴動が起きるほど内的矛盾が拡大している。戦争の火種は全世界に拡大しているのである。バイデンの「火遊び」とプーチンの「怒り」が第3次世界大戦の危険性を高めている。
#アメリカの傭兵「ジョージア部隊」
つまり2014年のウクライナでのクーデターは、当時からアメリカのCIAがドルを段ボールに詰めてウクライナの極右に送ったことが知られていたが、アメリカは傭兵も送り込んでいたのである。このクーデターで当時親ロシア派のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、隣国ロシアへ亡命することになった。このクーデターは、ロシアの猛反発を招き、ウクライナ領のクリミア半島のロシアによる併合と親露派武装勢力によるドンバス地方に於ける戦争の勃発をはじめ、クリミア危機・ウクライナ東部紛争へとつながっていった。 つまりウクライナは2014年からアメリカのかいらい国だということだ。
報道によると、ウォレス英国防相は25日、ウクライナ侵攻後のロシア軍の戦死者が約1万5千人に上るとの見方を示した。英下院で報告した。少なくとも530台の戦車を含む2千台以上の装甲車を失い「目標のほぼ全てにおいてロシアは失敗している」と述べた。つまりロシア軍は情報戦にのせられてウクライナに侵攻し、待ち構えていたアメリカの傭兵部隊に携帯ミサイル「ジャべリン」でボコボコにされたということだ。
この戦争の、アメリカの戦略目標はプーチン大統領の失脚だが、プーチンは敗北を糊塗するためにウクライナ東部の「ドンバス解放」で戦争を終わらせようとしているように見える。アメリカや親米派諸国が軍事援助でプーチンの狙いを挫こうとしているのが現在の局面である。この戦争でアメリカは穀物、原油、天然ガス、武器が高値で飛ぶように売れ、経済が好況となり、バイデンの中間選挙での勝利もめどが立った。
しかしアメリカの計算違いはいくつかある。その一つがロシアはプーチンが倒れても、元官僚どもの別の独裁政権が生まれるだけで、普通の資本主義にはなりえないこと、その二つは、中東諸国が親ロシア・中国側に回り、原油などの資源の高騰が続くことである。またプーチン政権が倒れず、戦争が拡大する危険もある。
ロシアのラブロフ外相は、アメリカとソ連が核戦争の手前まで行ったとされる1962年の「キューバ危機」時は、米ソ指導部の間に対話のチャンネルが存在したが今はないと指摘し、第3次大戦が起きる可能性は「十分にあり、過小評価すべきではない」と述べている。また同外相は「(ロシアは)リスクを人工的にあおりたくないが、そうでない国も多い」と主張し、ウクライナに武器を支援し続ける欧米側を暗に批判した。プーチンは「経済制裁は宣戦布告とみなす」と語っている。ヨーロッパ全域に戦争が拡大する危険は増しているのである。
アメリカ経済は好況が約束されているが、欧米や日本、中国はコロナ禍とウクライナ戦争による物価高で大不況になる可能性がある。また発展途上国は穀物の値上がりで暴動が起きるほど内的矛盾が拡大している。戦争の火種は全世界に拡大しているのである。バイデンの「火遊び」とプーチンの「怒り」が第3次世界大戦の危険性を高めている。
#アメリカの傭兵「ジョージア部隊」
