OPEC原油8年ぶりの減産の国際的影響について!

9月28日、サウジやイラン等の石油輸出機構(OPEC)が2008年以来初めて原油生産量を減産することで合意した。原油生産を現在の推定生産量日量3324万バレルから日量70万バレル程度の減産を決定した。OPECはロシアなど非加盟国にも協調減産を呼び掛けるという。

各加盟国の具体的な生産量は11月の総会で合意を目指す。サウジはこれまで減産は行わない方針を示していたが原油価格の低迷に耐えきれず方針転換したと見られている。この決定でニューヨーク市場は原油価格が5%上昇し、47ドル台となった。今後50ドル~60ドル台に上昇すると見られている。

原油価格が年末に向け上昇することが国際情勢に与える影響が注目される。原油上昇がロシアやイランなど中東の産油国経済を回復させることは確実である。問題は原油輸入国の中国経済に与える影響で、中国の南シナ海や東シナ海への領土的野心は一層強まり、南シナ海での原油開発を急ぐことになるであろう。

欧米の画策で、ウクライナ問題でロシアを地政学に目覚めさせ、クリミヤ半島を併合し黒海の内海化を進め、ロシア軍はシリアに展開し、中東に影響力を拡大している。またロシアと中国の関係強化によって後背に配慮しなくて良い中国軍はインド領カシミールやインド東北部への軍事的野心を強めて、領土権の主張を出兵で示し始めた。また中国軍は南シナ海を事実上内海化し、岩礁を埋め立てて軍事基地を建設し、海洋戦略を展開し始めた。東南アジア諸国は中国軍の圧力の下でフィリピンのように属国化の傾向を強めていくであろう。

日本では中国拡張主義を「全く脅威ではない」との主張もあるが、現在の中国社会帝国主義は地球上最も危険な侵略勢力となっており、アメリカが覇権戦略を放棄し、非介入主義に転じている中でいまや地域覇権主義の勢力となったロシア・イラン・中国が勢力圏の拡大を軍事的に追求し始めている。日本はこのままでは2正面に敵を持つことになりかねない。日本の対ロシア外交が戦略的重要さを持ち始めた。

欧米は中東やアジアで戦争が起きれば巨大な武器市場となるので、ウクライナ問題でロシアを経済制裁し、ロシアを南に、中国をアジアに侵略させ、武器売却でひと儲け企んでいると見るべきである。今回の原油価格の上昇も中東を支払い能力ある武器市場とする事になる。

中国が海底油田のある尖閣や南シナ海の軍事的支配にいよいよ乗り出す可能性が強まっている。原油価格が今後何処まで上昇するか不明だが日本は対米自立めざし、防衛力の強化を急ぐべきである。
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オバマのイラン核合意は破綻寸前!

オバマ政権化の唯一の外交的成果と言われるイランと米欧など6カ国の核合意から1年経つが、イランが今も核兵器開発の野心を持ち続けていることが明らかになっている。

ドイツの情報機関「憲法擁護庁」はイランが過去合意後も核開発に必要な物資調達を、国際市場で画策しているとの報告を発表した。それによるとこの1年間の動向で「イランは極秘の手法により、ドイツから武器技術を違法に獲得しょうとしている」と結論づけている。これらの物資は「原子爆弾、化学兵器、生物兵器に使われる可能性がある」と分析している。

そもそも昨年の核合意には「10年後にはウラン濃縮計画を拡大する」旨が明記されていたそうでアメリカ、イラン両国がこのことを認めている。現在のイランはシリアのアサド政権を支え、イラクのシーアー派支配拡大を後押しし、スンニ派住民の弾圧まで行っている。いまやイランは中国と同じく地域覇権主義マル出しなのである。

このためアメリカの制裁解除も進んでいない。航空機の売却も認められていない。今ではオバマのイラン核合意の歴史的成果は双方の不信の中で崩壊寸前なのである。オバマが任期終盤に外交的成果欲しさに結んだ合意は、逆にイランの地域覇権主義を促す合意となったかのようだ。

もともとアメリカの「息継ぎの和平」は同盟国の権益を守り、アメリカの覇権を守るための一時的和平策なのだが、オバマの戦略転換は同盟国を危機に追い込み、地域覇権主義をのさばらせるものであるのが特徴で、覇権の維持というより世界の多極化を促す側面が強かった。

オバマ外交はウクライナ問題でロシアを地政学に目覚めさせ、中国拡張主義のアジア支配に道を開いた。オバマのアジア・中東外交ほど理解しがたいものはない。ただ中国覇権主義をのさばらせ、アジア・中東を巨大な武器市場に変えただけなのである。

強権的なロシア・中国・イランの地域覇権国と民主国家の欧米日の新しい対立面が形成されようとしている。中国の新シルクロード構想はこの連合を展望している可能性がある。しかも覇権国のアメリカは当面内向き外交が避けられないのであるから、アメリカの同盟国は安全保障上の危機に直面しているのである。

戦争の可能性強めるサウジとイランの対立の背景!

アメリカのシェール・オイルの増産が原油価格を暴落させ、アメリカの対イラン関係の改善がサウジ政府をいら立たせている。サウジの南に位置するイエメンはイランの支持する反政府勢力に新サウジ派の政権が追いつめられ、サウジの北のイラクはシーアー派政権だ。シリアのアサド政権とイランの関係が強まり、レバノンではイランの支援するヒズボラが勢力を拡大する等、サウジの支持する政府勢力・反政府勢力は各地で追いつめられている。シーアー派のイランは、湾岸諸国のシーアー派に武器支援も行っている。こうして中東各地でイランのシーアー派勢力に、サウジのスンニー派がいつめられ両勢力の矛盾が激化している。

こうした中で、アメリカがイランの核開発を制限することでイランと関係改善し、イランの経済力が高まる可能性が出てきた。サウジにすれば原油価格の低迷で財政危機のため国内的不満も高まる状況にある。こうした中でサウジが危機感を強め、対イラン軍事強硬姿勢を強めている。

サウジはイエメンの親イラン勢力への空爆を開始し、イエメンの政府軍への30億ドルの支援を行い、シリアの反政府勢力を支援し、ISよりも対イラン対策に力を入れている。サウジ国内では独立運動を画策したシーアー派の二ムル師を含む政治犯多数を処刑した。サウジ政府は今や反米であり、欧米諸国がISと闘わないサウジを批判することも増えてきている。

こうしてサウジとイランの対立関係は、中東地域の覇権をめぐり、またスン二―派とシーアー派の宗派争いの側面も強めている。アメリカのオバマ政権は自国がシェール・ガスやオイルの増産でエネルギー自給を達成したことから、アメリカにとってのサウジの戦略的位置付けを変えたのである。アメリカがアラブの春を支援したことも王制維持のサウジには許せない事であった。こうしてアメリカは中東を宗派争い、内戦の坩堝に変え、巨大な支払い能力ある武器市場へと変えたのである。

イランの革命防衛隊はサウジが二ムル師を処刑したことに激怒し、サウジ王家は「手厳しい復讐を受ける」と警告した。イランの革命防衛隊はレバノン・シリア・イラク・イエメンのシーアー派民兵を統括している。従ってサウジとイランの対立は激化することはあっても、沈静化する可能性はない状況にある。欧米の武器商人は今や笑いが止まらないほどの活況状況にある。

アメリカは中東のオイルマネ―を還流するために、この地域の戦乱を激化させているのである。しかしその事が、中東を制御不能の混乱に導きつつあることを指摘しなければならない。サウジとイランの戦争が火を吹けば、ホルムズ海峡の封鎖もありえるのであり、そうなれば日本経済も危機に直面することになる。

イスラム教の改革・近代化が必要だ!

イスラム原理主義のテロが世界中に広がりを見せている。イスラム国やアルカイダは、中東を巨大な武器市場にしオイルマネ―の還流を策した者が作り育成したものである。いまやその組織が世界を宗派争いに巻き込みつつある。

一国の支配層にとって宗教ほど都合がいいものはない。特に政教一致の宗教は民衆を戦争に動員する上で神や仏の「御心」を口実にし、戦死すれば天国に行けるとだますことができる。もし政治が巧く行かなくても、それは自分の信仰が足りないからだと信じ込ませることができる。権力者にとつて宗教ほど便利なものはない。信者を恐ろしい武器に換えることすらできる。それゆえ武装した宗教勢力は歴史的に見ても反動復古勢力として登場することが多い。

イスラム教は生活していく上で厳しい砂漠地帯の宗教である。しかも原理主義は奴隷制時代の経典に帰依することを至上としている。それゆえ女性を奴隷として扱い世界のひんしゅくを買うことになる。イスラム原理主義には軍事力で抑え込んでもなにも解決しないのである。

かって1500年代の戦国時代の日本で、同じ問題にぶっかった人物がいた。織田信長である。政教一致の一向宗が武装し、大名の支配にあらがった時代があった。政教一致の宗教勢力に信長は武力で弾圧し、やがて自分が神になることで思想的に解決しようとし、旧勢力(将軍や天皇制貴族)の危機感を煽り、抵抗を呼び暗殺につながったのである。

政教一致の宗教勢力を衰退させるには、イスラム教の改革・近代化(=世俗化)が必要で、それはイスラム聖職者の仕事である。キリスト教が資本主義化の中で改革し、「新教」が生まれたように。宗教も時代の発展に伴い変化しなければならない。個人の心の問題を政治と結びつけるべきではない。

イスラム原理主義の武装勢力に無差別爆撃を行うことは、恨みを増幅し、テロリストを増産することでしかない。中東を巨大な武器市場にしようと企む者の、シリア内戦化と「イスラム国」育成の意図を見抜かねばならない。イスラム圏に必要なのは戦争ではなく、宗教改革である。

対シリア政策はプーチンの方が正論!

昨日オバマ米大統領とロシアのプーチン大統領がニューヨークで会談した。この会談でプーチン大統領はアサド政権をイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対する「防波堤」との位置付けを明らかにした。これに対しオバマは愚かにも「アサド政権を維持する限りシリアの安定はない」と語り、アサド政権とイスラム国を同時に敵とする見解を表明した。

プーチン氏は「アサド政権と協力しないのは間違い」イスラム国は「危険以上の存在だ」と語った。そもそもイスラム国はアメリカがイラクのフセイン政権を武力で打倒した結果生まれた。中東における独裁政権を武力で打倒しょうとしたことが招いた困難であり、中東では独裁政権は必要悪と見るべきは明らかなのである。

オバマのようにアサド政権もイスラム国も同時に敵にすることは「2兎を追うものは1兎をも得ず」となることは明らかで、プーチンはそのことを指摘したのだが、バカなオバマには理解出来なかった。一つの戦場でアサド政権も「イスラム国」も敵にする愚策は明らかである。アサド政権をたたけば「イスラム国」が勢力を強める。「イスラム国」をたたけばアサド政権が力を回復する諸関係があるのだから、ここはアサド政権を支援して「イスラム国」に当たらせ「毒を持って毒を制する」策をアメリカは取るべきなのである。まず「イスラム国」を叩き、その後シリアを民主化する戦略が現実的なのである。

オバマの弱点は非介入戦略をとるなら他の勢力をしてより危険な敵を駆逐する戦略・戦術をとるべきなのに、オバマには事態を傍観して状況を悪化させるしか能がない。物事を解決するには段階性があり、順番があることが無能なオバマには理解出来ないのである。現在の世界でプーチンが戦略的には一番の人物で、習近平はかってのヒトラーのような人物である。オバマはさしずめヒトラーを暴走させたチェンバレン(当時の英首相)の役回りを演じている。

現代の世界情勢について重要なのは中国が社会帝国主義に転化し、ヒトラーのような拡張主義の暴走を始めつつある危険を認識することである。現代の世界人民の主敵は中国拡張主義であり、その凶暴性を認識することが重要なのである。ところがオバマはロシア主敵であり、世界の戦略関係がまるで見えていないことである。習近平が何故反ファシズム統一戦線の戦勝国を今強調しているかを考えなければならない。自己のヒトラー以上の野心を知るゆえにカモフラージュしているにすぎない。

オバマの外交は何もしない方がまし、と言うほどに拙劣でアメリカの同盟国は何処もが安保上の危機に直面している。
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