平和のためにイスラム教の宗教改革が必要だ!

アフガニスタンでイスラム教原理主義の武装勢力が再び勢力を伸ばしている。タリバンはアフガニスタンの国土の3分の1以上を支配する。シリアとイラクから追い出されたテロ組織「イスラム国」(IS)がアフガニスタンで急速に台頭しているという。またウサマ・ビン・ラ―ディンが組織した「アルカ―イダ」も健在で、訓練キャンプに数百人がいると言う。

これらの武装勢力は国際支援の金を巻き上げるだけでなく、ケシによるヘロイン生産で麻薬の密輸・密売を資金源としている。アフガニスタンにおけるアヘン生産は昨年で史上最高の年間9000トンを記録している。

アフガニスタン駐留米軍は、オバマ大統領時代に10万人に達していたが、トランプ政権で撤退を進め現在15000人ほどで、アメリカではアフガニスタン駐留米軍の撤退論が広がっている。マティス米国防長官ら軍幹部は撤退するとISが伸長するとして反対しているが、10万人の米軍が武装勢力を一掃できなかったのに、わずかな米軍では何もできない実態がある。したがってアメリカでは超党派で厭戦論が広がっているのである。

アメリカの間違いは、武力で原理主義勢力を一掃できると考えたことである。奴隷制時代のイスラム教原理主義は政教一致で女性差別の野蛮な宗派である。テロで中東の平和が訪れるわけがなく、アフガニスタンの住民も強請りたかりの武装勢力を嫌っているのである。アフガニスタンを再び「テロの巣」にしない為には民主主義の時代に合ったイスラム教の改革が必要なのである。

ところが中東にはいまも王政の国家が多く存在しているため、今のままではこうした原理主義の武装勢力が蔓延る事になる。国連が中心になってイスラム教の各宗派を統合し、民主的な宗教への改革を行うべきで、そうしないとアフガニスタンが世界中にテロを振りまく武装勢力の拠点化することは避けられないであろう。
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トランプが火を付けた「火薬庫」(中東)!

アメリカのイラン核合意からの離脱とエルサレムへの米大使館移転は、世界の火薬庫と呼ばれる中東に火の付いたたいまつを投げ込むに等しい行為であった。それはこれまで中東で「火消し役」であったアメリカが、「火付け役」に変わったことであり、その結果中東は地獄の様相を見せ始めた。

トランプがイラン核合意からの離脱を発表した翌日、イスラエル軍はシリア国内のイラン軍への数次に渡る空爆を行った。この空爆には最新のステルス攻撃機F35が参加したと言われている。またエルサレムへの米大使館移転式典の翌日にはパレスチナ自冶区内でのデモ隊にイスラエル軍が実弾を発砲しこれまでにパレスチナ人50人以上が死亡し、3月以降では既に100人以上が死亡した。またパレスチナ自冶区のガザでハマスとイスラエル軍の戦闘も起きている。

サウジとイランの代理戦争となっているイエメン内戦ではトランプ政権はサウジとアラブ首長国連邦に武器を売却し、極秘に特殊部隊をサウジに派遣している。中東にはもう一つ戦争が起きている。それはトルコ軍のクルド人武装組織への攻撃である。トルコはNATO加盟国だが、トルコのエルドアン政権はシリア国内に侵攻してクルド人武装組織への攻撃を行った。エルドアン政権は最近はクルド人を支援するアメリカから離れ、イラン・ロシア・トルコ「3国同盟」結成へと転じた。

トルコのアメリカ離れを見てアメリカの国防総省や国務省とトランプ政権の間で大きな対立が生じているようだ。トランプは米軍のシリア駐留に否定的で、このトランプのスタンスを見てトルコはシリア領内のクルド攻撃に踏み切った。トルコはイラクとシリアの内戦でクルド人武装勢力が強力な武装を成し遂げつつあることを脅威に見ており、アメリカ軍がシリアから撤兵すればクルド人勢力はトルコ軍の攻撃にさらされる事になるであろう。いまのところ国防総省や国務省が米軍のシリア撤兵を押しとどめているが、トランプがクルド人武装組織を見捨てるのは時間の問題と見られている。

こうしてトランプ政権は「火薬庫」に火をつけて、中東を戦乱の坩堝とすることで、中東を巨大な武器市場とするとともに、原油価格を高騰させ、世界最大の産油国のアメリカが、ぼろ儲けすることとなった。アメリカは軍需産業国であり、トランプはまさに中東を地獄と化することで、アメリカ一人勝ちの政策をもくろんだのである。中東の民は数多くの戦乱でますます難民化するほかない。重要な事はアメリカ政府が和平の騎手から、戦乱の「火付け役」に変わったことで、戦争の広がりを止める国がなくなったことである。

米のイラン核合意離脱の狙いは何か!?

トランプ大統領は大統領選の公約として、オバマ前大統領の「政治的遺産(レガシー)」の否定を掲げてきた。しかも公約を実行に移してきた。それは新たな地球温暖化対策「パリ協定」離脱やTPP離脱等を見れば明らかだ。

トランプ大統領は8日ホワイトハウスで演説し「今の核合意のもとではイランの核保有を止められない。核合意は根本的に欠陥だ」とのべオバマ政権が結んだ核合意から離脱することを表明した。その上で「イランの政権に対する制裁を再開させる文書に署名する。我々は最大級の経済制裁を実施していく。」と発表した。

このイラン核合意離脱に対し、イスラエルは「勇気ある決断に感謝」し、サウジアラビアは「トランプ大統領の判断を歓迎した」が、フランスなど欧州諸国はいずれも「失望」を表明している。このトランプの決断は依然としてアメリカが中東重視であり、経済制裁解除後のイランが中東で存在感を拡大し、とりわけシリアやイエメン等で勢力を拡大している事、またイランが北朝鮮の指導下で核開発を継続していることを、サウジやイスラエルは容認できなくなっていたこと。またロシアがシリアを基盤に中東の警察官役の地位を固めつつあることへのアメリカ政府の危機感が根底にある。

また、今なぜこの時期なのか?という視点で見ると、米朝首脳会談を控えて、トランプは核だけでなく、ミサイルやテロの輸出や毒ガスなどの規制も含めた総合的な合意を北朝鮮と目指す上で、いい加減な合意はしないという、アメリカ政府の決意を示したものであった。軍需産業国のアメリカにすれば中東は支払い能力ある巨大な武器市場であり、中東で戦争が広がれば、今や産油国となったアメリカ経済には原油価格の高騰は歓迎すべきことなのだ。

トランプは「強いアメリカ」を掲げ、戦争を恐れない挑発的とも言える外交を行っているが、実際にはアメリカ軍をシリアやアジアから撤退したがっているのである。それゆえ米朝会談で目先の秋の中間選挙に向けた成果を求めれば、逆に北朝鮮や中国に足元を見られる可能性がある。アメリカ政府のイランへの経済制裁は90日と180日の2段階の猶予期間を儲けているので、すぐに緊張が激化するわけではない。

米のイランの位置付けはアジアの北朝鮮と同じだ!

北朝鮮の核・ミサイル開発があるので日本や韓国はアメリカの核の傘から離れられず、アメリカ製武器を買い続けなければならない。思いやり予算も出さねばならない。つまりアメリカは北朝鮮の必要悪を理解し、中国と共に北朝鮮の存続で一致している。

中東に置いてはイランが北朝鮮の役割を与えられている。オバマはイランの核開発を条件付きで容認し緊張緩和を目指したが、トランプはより露骨だ。イランのミサイル開発の脅威を非難し過激派「イスラム国」の脅威を超え高に非難してきたが、その非難の目的がトランプのサウジ訪問で明らかとなった。

トランプがサウジと5月20日に結んだ武器売却契約は当初分だけで1090億ドル(約12兆円)で、ティラ―ソン国務長官によるよサウジは総額5000億ドル(約55兆円)の対米インフラ投資にも合意している。これは前代未聞の額となる。サウジが購入するのはイランのミサイルに対坑する最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」のほか国境警備用の武器等である。アメリカはUAEにもミサイル防衛用のパトリオット(PAC3)を焼く20億ドルで売却する。トランプ大統領は「多額の資金がアメリカに流れ込む」と語り、ティラ―ソン国務長官は「数十万人の新規雇用を生む」と説明した。

ロイターによると、イランの最高指導者ハメネイ師は、アメリカが中東を不安定にしたとして非難するとともに、アメリカが「イスラム国」と戦っているというのは「嘘だ」と述べた。ハメネイ師は「アメリカと米政府職員が中東を不安定にしている。誰がISを作りだしたのか。ISと戦っているというアメリカの主張は嘘だ。」と述べている。ハメネイ師はさきに「アメリカとサウジがIS等の強硬派スンニ派兵士に資金を援助している。」と指摘していた。

つまり、アメリカが「イスラム国」を作り資金援助して、さらに北朝鮮がイランの核・ミサイル開発を支援するのを見逃して、イランと「イスラム国」の脅威をテコに産油国を巨大な武器市場にする、というのがトランプの戦略なのである。北朝鮮の核・ミサイル開発を口先で反対しながら日本や韓国に武器を売り込むのが狙いなのである。

アメリカは「産軍・情報共同体」の経済であり、したがってトランプが雇用を生み出し、アメリカ第一を実践するには武器市場とする敵が必要で、それが北朝鮮であり、イランであり、アメリカが作った「イスラム国」なのである。日本は武器を自分で生産し、対米自立の条件を整備し、アメリカの従属支配から脱出しなければならない。

トランプのアメリカはイランとの対決を選択か!

トランプ米大統領は、自国ではイスラム諸国からの入国を一時禁止する等の排外主義的な政策を取りながら、先日訪問したサウジアラビアでは、イスラム教を「偉大な信仰」と呼んだ。また対テロで「団結を訴える「二枚舌」外交を展開した。ロシアゲートで国内で追いつめられているトランプ大統領は、核を持つ強力な北朝鮮ではなく、イランを戦争の相手に選んだ可能性がある。

5月21日サウジアラビア訪問中のトランプ大統領は、サウジへの多額の兵器売却に応じた。「イランは宗派戦争とテロの火を燃やし続けている。この国の政府は、大量殺害を公言し、イスラエル破壊を狙い、アメリカに死を!と叫び続けている。良心のある国々は一致団結して、イランを孤立に追い込まなくてはならない。」とトランプは口を極めてイラン批判を展開した。

ティラ―ソン米国務長官とサウジのシュベイル外相は「イランの脅威」への対抗が必要との認識を強調し、アメリカの巨額の武器売却を正当化した。6月6日にはサウジやエジプトアラブ首長国連邦、バーレーン、イエメン等がイランと関係を強めているカタールと断交を発表した。カタールは世界最大の天然ガス輸出国で、イランと天然ガスの共同開発を計画している。

カタールとの断交という動きは、イラン攻撃を視野に入れているトランプ大統領の登場でイランのライバル国がイランへの敵対的姿勢を見せ始めた表れといえる。イランは保守穏健派のロハニ師が再選を勝ち取った、が最高指導者のハメネイ師が復帰したことでイランとアメリカの軍事的衝突は不可避の情勢にある。

アメリカ経済を活況へと導くには産油地帯の中東での戦争が必要で、イスラム教シーアー派(イラン)とスンニー派の対立はトランプには歓迎すべきことなのだ。特にユダヤ人の支持を固め弾劾の動きを乗り切るには、ユダヤロビーの支持が不可欠なので、トランプが核開発を進める対イラン戦争を始める可能性が出てきた。

トランプにとって、油田もなく核とミサイルを持ち、130万人の軍隊を持つ北朝鮮はアメリカにとって強すぎるので、イランとの戦争を選択した可能性がある。中東の戦乱は支払い能力を持つ巨大な武器市場なので緊張の高まりはアメリカにとって歓迎すべき事なのである。今後中東情勢から目が離せなくなった。
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