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戦争か和平かを左右するイスラエル総選挙!

イスラエルの戦争か和平かを左右する総選挙が本日投票される。
政権を握る右派リク―ドは、ネタニヤフ首相が5期目続投を目指しているが、ネタニヤフ氏を収賄等の罪で検察が起訴する方針を固めていることもあり、世論調査ではガンツ元軍参謀総長が率いる「青と白」にリードを許している。トランプ米大統領はイスラエルが占領するシリアのゴラン高原のイスラエルの主権を承認する発言を行ってネタニヤフ首相を支援した。またロシアから戦争で死亡したイスラエル兵の遺骨を返還されたことなどで、ネタニヤフ首相は外交で得点を稼ぎ挽回しつつあると言われている。

トランプ大統領は4月8日、イランの精鋭部隊=革命防衛隊をテロ組織に指定すると発表した。トランプ政権はイスラム教シーア派の支配するイラン敵視を強めており、ネタニヤフ政権はこれを受けてシリア領内の革命防衛隊の基地を空爆するなど、核開発を進めるイラン敵視を強めている。こうした右派のネタニヤフ政権の戦争路線を危惧する人々の支持を受けて、ガンツ元軍参謀総長が率いる「青と白」がパレスチナの和平を掲げ、第1党をうかがう勢いとなっている。

つまり日本時間本日午後からの投票で、今後の中東情勢が決まる重大な局面を迎えている。ロイターの報道では「青と白」の予想獲得議席は30議席、右派リク―ドの26議席を上回ると見られている。しかしイスラエルでは過半数を取れる政党はなく、連立政権となるとリク―ドの右派連合が過半数に達すると見られており、戦争で多くの死体を見てきたガッツ元軍参謀総長の和平派は連立という点で劣勢となっているようだ。

ネタニヤフ政権は、これまでエルサレムを首都とする等アラブの人々を刺激する外交を展開し、中東を戦乱に巻き込んで武器市場とするトランプ米政権に呼応する外交を進めており、この戦争路線をイスラエル国民が支持するのかどうか、選挙結果が注目される。イランは革命防衛隊をアメリカがテロ組織に指定した事に反発し、アメリカ軍をテロ組織に逆指定した。もしネタニヤフの連立政権が続くとなると、中東情勢は戦争への流れを一気に強めることになりかねない。
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緊迫するイスラエル・イラン情勢について!

トランプ米政権は先にシリアからの米軍の撤兵を決め、今度はアフガニスタンから米軍の撤兵を進めていることが分かった。トランプ政権のハリルザド・アフガン平和担当特別代表は1月28日、アフガニスタンの旧支配勢力であるタリバンとの交渉について、タリバンが国土を国際テロ組織アルカイダに使用させないこと等を条件に、駐留米軍がアフガンから完全撤退することで大筋合意した事を発表した。アメリカの戦線整理はどのような戦略に基づくものか、関心を持たないわけにはいかない。

中東ではシリア領内でイラン軍とイスラエルの間で交戦状態が続いている。イスラエルはシリア領内のイラン側武器庫を空爆するなどし、イラン側はゴラン高原にミサイルを撃ち込み、翌日にはイスラエルが、ダマスカス近郊のイランの軍事基地を空爆している。双方の攻撃は次第に激しさを増している。

昨年12月上旬、イスラエルのテレビ局は「ネタニヤフ政権は、サウジとの正式な国交樹立を望んでいる」と報じた。イランとの戦闘が激しさを増している中で、イランと敵対するサウジがイスラエルの潜在的同盟国になりつつある。サウジのカショギ氏暗殺にイスラエルの協力があったとの報道もある。サウジとイスラエルが歴史的和解に進むのは確実で、それは対イラン戦争が前提にあることは間違いないことである。

この地域におけるあらゆる軍事的動きがイスラエル・イラン戦争を前提に進んでいるように見える。トランプ政権は対イラン核合意を破棄し、イランへの経済制裁を行っている。トランプ政権の北朝鮮との時間稼ぎの話し合い路線も、中東での戦争を前提にしているのかもしれない。

ひそかに核開発を進めるイランへのイスラエルの攻撃は時間の問題であり、それに向けてアメリカがシリアやアフガンから戦線を整理していると見えるのである。サウジとイスラエルの同盟も戦争への布石と見ればうなずけるのである。最近イランが大規模な軍事演習を行ったのもこうした軍事情勢を反映したものである。

中東は油田地帯であり、いまも「世界の火薬庫」である。ここでのイスラエルとイランの戦争には当然アメリカも参加するであろう。シリアにはロシア軍が駐留しており、この戦争が第3次世界大戦に発展する可能性もある。米中の覇権争いもあり、中国は今もイランから原油を買っているし、戦争が起きれば当然中国はイラン支持となるであろう。ロシア軍がイスラエルとイランの戦争に参戦するのかどうかはわからないが、欧米から経済制裁を受ける以上、ロシアも参戦する可能性がある。
中東情勢から目を離せなくなった。

米朝首脳会談にイスラエルが「疑問」!

月刊誌「選択」の7月号「情報カプセル」によれば、6月12日の米朝首脳会談に付いてイスラエルが表向きの称賛とは別に、内部では厳しい見方をしていた事を紹介している。それによるとイスラエル外務省が会談直後に作成し、世界各地の大使館に送った文書が、マスコミに漏れニュース番組で紹介された。

ネタニヤフ首相は「歴史的会談だった」と表向き称賛したが、漏えい文書では「会談前に米国が説明していた事と、共同声明の間にかなり落差がある」と率直に認め、特に「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」の文言が盛り込まれていない事に付いて、強く疑問を呈している、という。

イスラエルは、北朝鮮とイランが核開発で関係が深い事を把握しており、北朝鮮の非核化が曖昧な解決になることに、極めて強い警戒心を持っている。したがってこの文書はイスラエル政府が意図的にマスコミにリークしたと見られている。

イスラエルのハッカー部隊は、今年4月イランの秘密施設から大量の資料を手に入れており、ネタニヤフ首相はこれを受けて「イランにはアマド計画という、核兵器開発計画があった」と公表した。イランの核開発は北朝鮮が指導しており、イスラエルはイランの核施設への空爆もあり得る局面を迎えている。

つまり、トランプ政権の北朝鮮の非核化が失敗に及べば、イランの核開発も現実の問題となり、イスラエルの核の脅威は厳しい局面を迎える。トランプ政権をイスラエルは批判はできないが、イランの核開発問題が深刻な局面にある以上、アメリカの対北朝鮮政策の甘さをイスラエル政府は自国国民に知らせておく必要があったものと見られる。

今年4月にバクダッドでロシア・シリア・イラク・イランの4カ国の諜報機関が会合を持っている。シリア国内ではイランとイスラエルが既に交戦しており、アメリカのイランへの経済制裁の方針もあり、イスラエルも追いつめられているが、イランも追いつめられている。つまりイスラエルのイランの核開発施設への攻撃があり得る局面が生まれている。そのような情勢の時にアメリカの北朝鮮との「ゆるい非核化」の動きは、イスラエルにはいら立ちを強めざるを得ないのである。

トランプの北朝鮮への長引く対話路線が中東での戦端を開くためのモノなら理解できる。今後、イランとイスラエルをめぐる軍事的対立は不可避となったようである。

平和のためにイスラム教の宗教改革が必要だ!

アフガニスタンでイスラム教原理主義の武装勢力が再び勢力を伸ばしている。タリバンはアフガニスタンの国土の3分の1以上を支配する。シリアとイラクから追い出されたテロ組織「イスラム国」(IS)がアフガニスタンで急速に台頭しているという。またウサマ・ビン・ラ―ディンが組織した「アルカ―イダ」も健在で、訓練キャンプに数百人がいると言う。

これらの武装勢力は国際支援の金を巻き上げるだけでなく、ケシによるヘロイン生産で麻薬の密輸・密売を資金源としている。アフガニスタンにおけるアヘン生産は昨年で史上最高の年間9000トンを記録している。

アフガニスタン駐留米軍は、オバマ大統領時代に10万人に達していたが、トランプ政権で撤退を進め現在15000人ほどで、アメリカではアフガニスタン駐留米軍の撤退論が広がっている。マティス米国防長官ら軍幹部は撤退するとISが伸長するとして反対しているが、10万人の米軍が武装勢力を一掃できなかったのに、わずかな米軍では何もできない実態がある。したがってアメリカでは超党派で厭戦論が広がっているのである。

アメリカの間違いは、武力で原理主義勢力を一掃できると考えたことである。奴隷制時代のイスラム教原理主義は政教一致で女性差別の野蛮な宗派である。テロで中東の平和が訪れるわけがなく、アフガニスタンの住民も強請りたかりの武装勢力を嫌っているのである。アフガニスタンを再び「テロの巣」にしない為には民主主義の時代に合ったイスラム教の改革が必要なのである。

ところが中東にはいまも王政の国家が多く存在しているため、今のままではこうした原理主義の武装勢力が蔓延る事になる。国連が中心になってイスラム教の各宗派を統合し、民主的な宗教への改革を行うべきで、そうしないとアフガニスタンが世界中にテロを振りまく武装勢力の拠点化することは避けられないであろう。

トランプが火を付けた「火薬庫」(中東)!

アメリカのイラン核合意からの離脱とエルサレムへの米大使館移転は、世界の火薬庫と呼ばれる中東に火の付いたたいまつを投げ込むに等しい行為であった。それはこれまで中東で「火消し役」であったアメリカが、「火付け役」に変わったことであり、その結果中東は地獄の様相を見せ始めた。

トランプがイラン核合意からの離脱を発表した翌日、イスラエル軍はシリア国内のイラン軍への数次に渡る空爆を行った。この空爆には最新のステルス攻撃機F35が参加したと言われている。またエルサレムへの米大使館移転式典の翌日にはパレスチナ自冶区内でのデモ隊にイスラエル軍が実弾を発砲しこれまでにパレスチナ人50人以上が死亡し、3月以降では既に100人以上が死亡した。またパレスチナ自冶区のガザでハマスとイスラエル軍の戦闘も起きている。

サウジとイランの代理戦争となっているイエメン内戦ではトランプ政権はサウジとアラブ首長国連邦に武器を売却し、極秘に特殊部隊をサウジに派遣している。中東にはもう一つ戦争が起きている。それはトルコ軍のクルド人武装組織への攻撃である。トルコはNATO加盟国だが、トルコのエルドアン政権はシリア国内に侵攻してクルド人武装組織への攻撃を行った。エルドアン政権は最近はクルド人を支援するアメリカから離れ、イラン・ロシア・トルコ「3国同盟」結成へと転じた。

トルコのアメリカ離れを見てアメリカの国防総省や国務省とトランプ政権の間で大きな対立が生じているようだ。トランプは米軍のシリア駐留に否定的で、このトランプのスタンスを見てトルコはシリア領内のクルド攻撃に踏み切った。トルコはイラクとシリアの内戦でクルド人武装勢力が強力な武装を成し遂げつつあることを脅威に見ており、アメリカ軍がシリアから撤兵すればクルド人勢力はトルコ軍の攻撃にさらされる事になるであろう。いまのところ国防総省や国務省が米軍のシリア撤兵を押しとどめているが、トランプがクルド人武装組織を見捨てるのは時間の問題と見られている。

こうしてトランプ政権は「火薬庫」に火をつけて、中東を戦乱の坩堝とすることで、中東を巨大な武器市場とするとともに、原油価格を高騰させ、世界最大の産油国のアメリカが、ぼろ儲けすることとなった。アメリカは軍需産業国であり、トランプはまさに中東を地獄と化することで、アメリカ一人勝ちの政策をもくろんだのである。中東の民は数多くの戦乱でますます難民化するほかない。重要な事はアメリカ政府が和平の騎手から、戦乱の「火付け役」に変わったことで、戦争の広がりを止める国がなくなったことである。
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