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中国とイランの同盟が中東の主要矛盾を変えた!

中国がイランに対し4000億ドルの資金協力の見返りにペルシャ湾のキーシュ島の25年間租借と中国兵5000人の駐留を受け入れ、実質的軍事同盟に踏み出したことは、中東の主要矛盾を変えるだけの衝撃を引き起こした。

それまではイスラエルと中東諸国・人民の矛盾がこの地域の主要な矛盾であったが、核開発を進めるイランを中国が支援するとなると、イランのイスラム教シーアー派とサウジやUAEなどのイスラム教スンニ派とイスラエル連合の矛盾が主要な矛盾にかわった。イランの核開発と弾道ミサイル開発はイスラエルに脅威であり、同時にイランとペルシャ湾をはさんで対峙するAUEやサウジにもイランの脅威は倍加する。

8月13日トランプ米大統領はアメリカの中介でUAEとイスラエルが関係正常化合意したことを発表した。トランプ政権はイラン封じ込めの大包囲網を築こうとしているように見える。

今回のUAEとイスラエルの合意には、イスラエルがヨルダン川西岸の併合を停止することが含まれているとされているので、イスラエルはイラン・中国を敵とする主要矛盾に対処するため譲歩を強いられたようである。トランプ大統領は今回の合意で米軍が中東にいる必要はなくなったと語った。これは大統領選に向けた発言とみられている。実際にUAEに駐留する米軍が撤兵するかどうかはわからない。

中国はイランとの戦略的関係確立によって、イランだけでなく、イラク・シリア・レバノンにも影響力を増すことになり、これは「一帯一路」の戦略的成果といえる。中東の主要矛盾が、中国の支援するイラン(=イスラム教シーアー派)とアメリカの支援するイスラエルとUAE・サウジ(=イスラム教スン二派)連合の対立と今後なっていくであろう。

外交に携わる者にとって、アメリカと中国の覇権争いが、世界の戦略関係を変えつつあることを見て取ることが重要なこととなった。
#中国イランの戦略関係 #中東の主要矛盾
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主要国の資源争奪戦の戦場となったリビア!

アメリカの孤立主義的外交は、カダフィー政権崩壊後のリビアの内戦を、主要国が介入して複雑な資源争奪の戦場にした。
内戦の初めはフランス、ギリシャがハフタル派を、イタリアが国民合意政府を支持していたが、ロシアがハフタル派を軍事支援し、トルコが国民合意政府派を軍事支援するようになってリビアは国際紛争の様相を見せ始めた。

ロシアが民間軍事会社の名で約200人の狙撃部隊の精鋭を送り込んだことで軍事的に劣勢であったハフタル派が、軍事的に圧倒するようになり、それを見たアメリカ政府や欧州(ドイツ、フランス、イタリア)がロシアの支援するハフタル派の勝利を望まない方向へと変化した。ロシアの狙撃部隊の驚異的な命中率と対物ライフルの破壊力がすさまじく、国民合意政府側は全く歯が立たない事態となったという。

リビアは産油国であり、原油埋蔵量で世界トップテンに入る資源大国だ。リビアに隣接する東地中海には17億バレルの採掘可能な原油、122兆立方フィートの天然ガスが眠っており、この資源の争奪が内戦介入には絡んでいる。またロシアは、リビアに介入することでNATOを分断し、同時にリビアに軍事拠点を持つ狙いもある。

アメリカは中東の独裁国家のイラクやリビアを打倒したが、そのあとの混乱で反米国のイランやロシアが勢力を拡大し、独裁体制後の民主主義国家建設では完全に失敗しているのが特徴だ。

アメリカは石油自給国家となって、中東を支払い能力ある武器市場と見るようになって、中東の和平に関心を示さなくなった。その隙をロシアやイランに付け込まれている。アメリカの一極支配の放棄ともいえる「アメリカ第一主義」が、中国やロシアやイランやトルコの地域覇権主義を助長している。

世界はますます資源と市場をめぐる列強の争奪が激化していることを見逃してはいけない。アメリカがイラクやリビアの独裁国家を打倒したことで、反米国家がますます有利になりつつあることが、現在の国際情勢の特徴である。

世界の多極化が、世界を戦国時代のような混乱に導きつつあることを指摘しなければならない。グローバル化による資本主義の不均等な発展が、アメリカという超大国の相対的衰退となり、戦乱の時代を招きつつあるのだ。現在の国際情勢の下では「憲法9条は日本の宝」などという観念的平和主義は通じない。軍事力がすべての時代が来ているのである。日本は自分の国を自分の力で守ることができるように、防衛力を早急に強化しなければならない。
#孤立主義 #資源争奪 #アメリカ第一主義 #観念的平和主義

サウジ原油精製施設攻撃が中東を戦乱に導くか?

9月14日サウジアラビアの世界最大の原油精製施設がドローンによる攻撃を受け、爆発炎上した。欧米の報道によれば、サウジアラビアの原油生産量の約半分程度に影響が出ているという。

イエメンの反政府勢力「フーシ派」が10機のドローンによる攻撃をしたと主張する声明を発表した。イエメンは現在部族間の争いで戦国時代の様相を見せて内戦が泥沼化している。イエメンの反政府勢力はイランの支援を受けており、これに対抗してサウジとUAEが連合勢力を支援している。

つまりイエメンは、イランとサウジの代理戦争のようになっている。イランの核開発に神経をとがらせているアメリカは、サウジに米軍部隊の増強を行っている。アラビア半島の南端にイランの勢力国家が生まれるのを警戒するサウジアラビアは、イエメン内戦に介入しているが成果は上がっていないと言われている。

アメリカのポンペイオ国務長官は「攻撃の背後にイランがいる」「サウジアラビアに対する100件近くの攻撃の背後にいるのはイランだ。今回イランは世界的に重要なエネルギーの供給網に前例のない攻撃を行った。イエメンからの攻撃だという証拠はない。」と語っている。

確かにイエメンからサウジの東部の2か所の原油精製施設には1200キロあると言われており、ドローンがそのような長距離を飛行したとも思えない。攻撃はペルシャ湾側から行われたと見るのが自然だ。

このサウジの生命線とも言える攻撃にサウジアラビア政府がどのような反応を見せるか注目される点である。もしサウジアラビア政府がアメリカとイスラエルのイラン攻撃にのるようだと中東情勢は一気にきな臭くなる。

先にトランプ政権は対イラン強硬派のボルトン補佐官を解任したが、イランは今もアメリカとの対話を拒否している。イランとサウジの対立がイエメン内戦をめぐるものだけでなく、サウジの生命線に向けられただけに、今後のサウジ側の反応が注目される。

これまでアメリカとイランの対立で、シーレーンのホルムズ海峡の封鎖が心配されたが、世界有数の産油国の原油精製施設が爆破され、産出量の50%が打撃を受けた以上、サウジがイランへの姿勢を軍事的な対立へと進むのかどうかが、世界経済にも大きな影響を与えることになる。世界情勢はますます「きな臭く」なりつつある。#原油精製施設 #イエメン #ボルトン #サウジ

アメリカの中東政策の迷走はトランプが原因!

アメリカがイラン核合意から離脱し、制裁を強め、その原油禁輸措置にイラン政府が反発し、核合意を破り、上限を超過するウラン濃縮に踏み切った。イランは瀬戸際外交を展開し始めた。

アメリカにも対イラン強硬派が政権内にいる。イランにも革命防衛隊等の強硬派がかってにアメリカの無人偵察機を撃墜した。双方の強硬派が軍事対決を望んでいるのだが、当のトランプ大統領はイスラエルとサウジを極端に偏重した中東政策を展開している。

トランプ大統領が、とりわけサウジから金を引き出すことに夢中で、彼は演説でサウジ国王が「5億ドルの支払いを約束した」ことを聴衆に公然と語った。今年になってトランプの娘婿のクシュナ―氏が共同創設者である不動産投資資金にサウジから9000万ドル(約96億円)が振り込まれたという。トランプはまるで私的利益から中東外交を展開しているように見える。

サウジやアラブ首長国連邦がアメリカ軍の対イラン軍事作戦を求めていることはよく知られている。トランプが強欲からイラン攻撃に走るのでなないか?と世界の政治的指導者が心配している。トランプはあまりにもイスラエル寄りなので、当然にも中東和平は全く機能しないままだ。

こうしたトランプの無茶苦茶な中東外交を、駐米イギリス大使が「アメリカのトランプ政権は無能だ」と報告していたことが暴露された。この極秘公電でダロック大使は「米政権が今後、かなり正常なものになり、機能不全が軽減され、今ほど予測不能でなくなり、派閥分裂が解消され、今ほど外交的に無様で無能ではなくなるとは、あまり考えられない」と書いている。

このダロック大使は、キャリア外交官として42年間の経歴を持つ、国家安全保障と、欧州連合政策を専門とする有能な外交官で、キャメロン政権の安全保障問題顧問を務めたほどの人物である。これほどの人物の報告がリークされたのであるから、これはアメリカの中東政策の支離滅裂ぶりを世界に知らせる意味を持つようである。

こうして中東情勢がトランプの迷走外交で一触触発の戦争の危機に直面している。この危険な大統領に、世界でひとりだけ追随しているのが安倍首相だ。危険極まりないことを指摘しなければならない。中東は世界の火薬庫であり、その火薬庫でアメリカが軍事力を増強して火遊びをしているのであるから、世界中が心配している。

トランプがアジアにおいては対中・対北朝鮮問題で、話し合い路線ですまし、中東で戦争路線を強めている危険を指摘しなければならない。トランプに戦争するつもりがなくても、双方の強硬派が挑発にのり攻撃すれば、アメリカの軍人に死者が出れば戦争は偶発的に始まるであろう。アメリカ政府が対イラン多国籍軍の編成に動き始めた事実は、事態の深刻さを示すものである。
#イラン核合意 #原油禁輸措置 #対イラン多国籍軍 #世界の火薬庫

安倍首相のイラン訪問は成功するか?

軍事力でアメリカを上回ることを目指す中国は、第一段階の「劣勢の立場からでも米軍に対坑する」段階から、現在は「精密誘導兵器やサイバー戦争の技術面でアメリカとおおよそ対等な立場」を達成して第2段階の「周辺地域に対する優位性の確立」に進み、最後の第3の段階すなわち「軍事技術でアメリカを追い抜く」段階を目指している。(引用は「新アメリカ安全保障センター」報告書)

トランプ政権が昨年、これまでのテロ作戦から「大国間競争」へとじゅく足を移すよう国防総省に指示したのは、中国覇権主義の戦略的追い上げへの危機感からであった。

しかし、再選をなによりも優先するトランプ政権は、イランの核脅威に直面するイスラエル=ユダヤロビーの支持を固めなければならない。トランプのイラン核合意からの離脱は、それだけでなく、イラン=シーアー派の侵略に直面するサウジなど湾岸諸国の要請でもある。

安倍首相にしてみれば、ここでイラン戦争が始まれば、中国にとっては第二戦線が開かれるに等しく、台湾や日本が侵略の脅威にさらされる。安倍首相のアメリカとイランの仲裁外交は平和的にイランを屈服させたいトランプ政権の要請でもある。

しかし当のイランは、イラン革命の成果をイスラム勢力が奪うことで、古臭い政教一致のシーアー派政権となり、その権力構造さえ定かでない上に、最高指導者のハメネイ師が80歳と高齢で、しかもガンの不安で、後継者レースがすでに始まっている。

トランプ大統領のイランへの強硬姿勢は、この最高指導者がだれになるのかを考えて、政教分離の穏健派政権へと誘導することに狙いがあると見るべきであろう。報道では現在イランではイラクのシーアー派最高指導者のシスタニ師がキングメーカーとして注目を集めている(選択6月号「情報カプセル」)という。

このシスタニ師の孫娘を妻としているのが、イランの前最高指導者の孫のアリ・ホメイニ師(33歳)で、この人物を次期最高指導者に擁立する動きが出ている。シスタニ師がイラクで政教分離を実践しイランの聖職者の支持を集めているだけに、アリ・ホメイニ師が時期後継となれば、イランの地域覇権主義に変化が期待できるかもしれない。

このようにイランの次期指導者をめぐり穏健派と強硬派がせめぎ合っている中に、安倍首相が米・イラン仲裁外交を展開しても、成功する可能性は極めて低いのである。しかしトランプ政権にしてみれば話合いのル―トさえない状況なので、安倍首相が米・イランの話合いのきっかけを作れたら成功と言えるのかもしれない。
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