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サウジ原油精製施設攻撃が中東を戦乱に導くか?

9月14日サウジアラビアの世界最大の原油精製施設がドローンによる攻撃を受け、爆発炎上した。欧米の報道によれば、サウジアラビアの原油生産量の約半分程度に影響が出ているという。

イエメンの反政府勢力「フーシ派」が10機のドローンによる攻撃をしたと主張する声明を発表した。イエメンは現在部族間の争いで戦国時代の様相を見せて内戦が泥沼化している。イエメンの反政府勢力はイランの支援を受けており、これに対抗してサウジとUAEが連合勢力を支援している。

つまりイエメンは、イランとサウジの代理戦争のようになっている。イランの核開発に神経をとがらせているアメリカは、サウジに米軍部隊の増強を行っている。アラビア半島の南端にイランの勢力国家が生まれるのを警戒するサウジアラビアは、イエメン内戦に介入しているが成果は上がっていないと言われている。

アメリカのポンペイオ国務長官は「攻撃の背後にイランがいる」「サウジアラビアに対する100件近くの攻撃の背後にいるのはイランだ。今回イランは世界的に重要なエネルギーの供給網に前例のない攻撃を行った。イエメンからの攻撃だという証拠はない。」と語っている。

確かにイエメンからサウジの東部の2か所の原油精製施設には1200キロあると言われており、ドローンがそのような長距離を飛行したとも思えない。攻撃はペルシャ湾側から行われたと見るのが自然だ。

このサウジの生命線とも言える攻撃にサウジアラビア政府がどのような反応を見せるか注目される点である。もしサウジアラビア政府がアメリカとイスラエルのイラン攻撃にのるようだと中東情勢は一気にきな臭くなる。

先にトランプ政権は対イラン強硬派のボルトン補佐官を解任したが、イランは今もアメリカとの対話を拒否している。イランとサウジの対立がイエメン内戦をめぐるものだけでなく、サウジの生命線に向けられただけに、今後のサウジ側の反応が注目される。

これまでアメリカとイランの対立で、シーレーンのホルムズ海峡の封鎖が心配されたが、世界有数の産油国の原油精製施設が爆破され、産出量の50%が打撃を受けた以上、サウジがイランへの姿勢を軍事的な対立へと進むのかどうかが、世界経済にも大きな影響を与えることになる。世界情勢はますます「きな臭く」なりつつある。#原油精製施設 #イエメン #ボルトン #サウジ
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アメリカの中東政策の迷走はトランプが原因!

アメリカがイラン核合意から離脱し、制裁を強め、その原油禁輸措置にイラン政府が反発し、核合意を破り、上限を超過するウラン濃縮に踏み切った。イランは瀬戸際外交を展開し始めた。

アメリカにも対イラン強硬派が政権内にいる。イランにも革命防衛隊等の強硬派がかってにアメリカの無人偵察機を撃墜した。双方の強硬派が軍事対決を望んでいるのだが、当のトランプ大統領はイスラエルとサウジを極端に偏重した中東政策を展開している。

トランプ大統領が、とりわけサウジから金を引き出すことに夢中で、彼は演説でサウジ国王が「5億ドルの支払いを約束した」ことを聴衆に公然と語った。今年になってトランプの娘婿のクシュナ―氏が共同創設者である不動産投資資金にサウジから9000万ドル(約96億円)が振り込まれたという。トランプはまるで私的利益から中東外交を展開しているように見える。

サウジやアラブ首長国連邦がアメリカ軍の対イラン軍事作戦を求めていることはよく知られている。トランプが強欲からイラン攻撃に走るのでなないか?と世界の政治的指導者が心配している。トランプはあまりにもイスラエル寄りなので、当然にも中東和平は全く機能しないままだ。

こうしたトランプの無茶苦茶な中東外交を、駐米イギリス大使が「アメリカのトランプ政権は無能だ」と報告していたことが暴露された。この極秘公電でダロック大使は「米政権が今後、かなり正常なものになり、機能不全が軽減され、今ほど予測不能でなくなり、派閥分裂が解消され、今ほど外交的に無様で無能ではなくなるとは、あまり考えられない」と書いている。

このダロック大使は、キャリア外交官として42年間の経歴を持つ、国家安全保障と、欧州連合政策を専門とする有能な外交官で、キャメロン政権の安全保障問題顧問を務めたほどの人物である。これほどの人物の報告がリークされたのであるから、これはアメリカの中東政策の支離滅裂ぶりを世界に知らせる意味を持つようである。

こうして中東情勢がトランプの迷走外交で一触触発の戦争の危機に直面している。この危険な大統領に、世界でひとりだけ追随しているのが安倍首相だ。危険極まりないことを指摘しなければならない。中東は世界の火薬庫であり、その火薬庫でアメリカが軍事力を増強して火遊びをしているのであるから、世界中が心配している。

トランプがアジアにおいては対中・対北朝鮮問題で、話し合い路線ですまし、中東で戦争路線を強めている危険を指摘しなければならない。トランプに戦争するつもりがなくても、双方の強硬派が挑発にのり攻撃すれば、アメリカの軍人に死者が出れば戦争は偶発的に始まるであろう。アメリカ政府が対イラン多国籍軍の編成に動き始めた事実は、事態の深刻さを示すものである。
#イラン核合意 #原油禁輸措置 #対イラン多国籍軍 #世界の火薬庫

安倍首相のイラン訪問は成功するか?

軍事力でアメリカを上回ることを目指す中国は、第一段階の「劣勢の立場からでも米軍に対坑する」段階から、現在は「精密誘導兵器やサイバー戦争の技術面でアメリカとおおよそ対等な立場」を達成して第2段階の「周辺地域に対する優位性の確立」に進み、最後の第3の段階すなわち「軍事技術でアメリカを追い抜く」段階を目指している。(引用は「新アメリカ安全保障センター」報告書)

トランプ政権が昨年、これまでのテロ作戦から「大国間競争」へとじゅく足を移すよう国防総省に指示したのは、中国覇権主義の戦略的追い上げへの危機感からであった。

しかし、再選をなによりも優先するトランプ政権は、イランの核脅威に直面するイスラエル=ユダヤロビーの支持を固めなければならない。トランプのイラン核合意からの離脱は、それだけでなく、イラン=シーアー派の侵略に直面するサウジなど湾岸諸国の要請でもある。

安倍首相にしてみれば、ここでイラン戦争が始まれば、中国にとっては第二戦線が開かれるに等しく、台湾や日本が侵略の脅威にさらされる。安倍首相のアメリカとイランの仲裁外交は平和的にイランを屈服させたいトランプ政権の要請でもある。

しかし当のイランは、イラン革命の成果をイスラム勢力が奪うことで、古臭い政教一致のシーアー派政権となり、その権力構造さえ定かでない上に、最高指導者のハメネイ師が80歳と高齢で、しかもガンの不安で、後継者レースがすでに始まっている。

トランプ大統領のイランへの強硬姿勢は、この最高指導者がだれになるのかを考えて、政教分離の穏健派政権へと誘導することに狙いがあると見るべきであろう。報道では現在イランではイラクのシーアー派最高指導者のシスタニ師がキングメーカーとして注目を集めている(選択6月号「情報カプセル」)という。

このシスタニ師の孫娘を妻としているのが、イランの前最高指導者の孫のアリ・ホメイニ師(33歳)で、この人物を次期最高指導者に擁立する動きが出ている。シスタニ師がイラクで政教分離を実践しイランの聖職者の支持を集めているだけに、アリ・ホメイニ師が時期後継となれば、イランの地域覇権主義に変化が期待できるかもしれない。

このようにイランの次期指導者をめぐり穏健派と強硬派がせめぎ合っている中に、安倍首相が米・イラン仲裁外交を展開しても、成功する可能性は極めて低いのである。しかしトランプ政権にしてみれば話合いのル―トさえない状況なので、安倍首相が米・イランの話合いのきっかけを作れたら成功と言えるのかもしれない。

イランと米の軍事的対立は不可避か?

トランプ政権は極めてイスラエルに近い、それは娘婿がユダヤ人であるだけでなく、トランプ外交の理論的基礎を与えているのがイスラエル人哲学者ヨラム・ハゾニ―氏であることでもわかる。

そのイスラエルの安全保障の脅威となっているのがイランである。シリアはかっては7割がスンニ派であったが、最近はシリア内に進出しているイランの民兵がシリア国民に改宗をうながしシ―ア派が増えて、最近ではシ―ア派の若者だけで民兵を組織するほどで、シリアのアサド政権もイランがシリア内で独自の軍事力を整備し活動する権限を認めている。つまりシリア内でイランの軍事力が増大しているのである。既にシリア内のイラン革命防衛隊基地に対し、イスラエル軍が空爆を実行する等しており、イスラエルとイランの軍事的対立は避けられない状況にある。

トランプ政権がイラン核合意から離脱し、イランからの原油の輸入禁止の制裁をきめた理由は、イランに以下の要求を突き付けたことで明らかだ。
(1)ウラン濃縮の停止を含めた無期限の各開発制限
(2)ざん同ミサイルを拡散させない
(3)シリアからイランが指揮する部隊を撤退する
(4)イエメンやアフガニスタンの内戦に関与しない

これに対しイランのロウハニ大統領は8日、アメリカの核合意離脱と経済制裁に対抗し、濃縮ウランの貯蔵量の制限等、核合意の履行を一部停止する方針を表明した。今後60日以内に欧州等との交渉に進展がなければ、高濃縮ウランを製造するとも警告した。これは事実上の最後通告で、イラン核合意は崩壊の瀬戸際を迎えた。EUがイランに対する対応を変えるのかどうか注目される点である。

アメリカ軍はこれに先立つ5日、イランの不穏な動きに対応して、中東地域に空母打撃群と爆撃機部隊の派遣を発表している。トランプ大統領はイランのロウハニ大統領の核合意の履行を一部停止する方針を受けて8日イランの鉄鋼・アルミ・銅等の輸出を停止する新たな制裁措置を決めた。

イラン内ではミサイルを船舶に搭載するなど戦争準備が進んでおり、アメリカ軍とイスラエル軍がイラン攻撃に踏み切るか、もしくはイラン軍がシリア内で軍事行動を強化するか、さらにはホルムズ海峡を封鎖するか、軍事的対立は避けられないように見える。
トランプ大統領は再選に向けてユダヤロビーの支持が不可欠で、イスラエルの安全保障で強い姿勢を示さねばならない。イスラエルは先の総選挙で強硬派のネタニヤフ首相派が勝っており、念願のイラン核施設への軍事攻撃があり得る情勢となった。イランは最近対艦ミサイルの軍事訓練をホルムズ海峡で実施しており、アメリカとの軍事対立になれば、イラン革命防衛隊によるホルムズ海峡封鎖が現実の事態となる可能性がある。

戦争か和平かを左右するイスラエル総選挙!

イスラエルの戦争か和平かを左右する総選挙が本日投票される。
政権を握る右派リク―ドは、ネタニヤフ首相が5期目続投を目指しているが、ネタニヤフ氏を収賄等の罪で検察が起訴する方針を固めていることもあり、世論調査ではガンツ元軍参謀総長が率いる「青と白」にリードを許している。トランプ米大統領はイスラエルが占領するシリアのゴラン高原のイスラエルの主権を承認する発言を行ってネタニヤフ首相を支援した。またロシアから戦争で死亡したイスラエル兵の遺骨を返還されたことなどで、ネタニヤフ首相は外交で得点を稼ぎ挽回しつつあると言われている。

トランプ大統領は4月8日、イランの精鋭部隊=革命防衛隊をテロ組織に指定すると発表した。トランプ政権はイスラム教シーア派の支配するイラン敵視を強めており、ネタニヤフ政権はこれを受けてシリア領内の革命防衛隊の基地を空爆するなど、核開発を進めるイラン敵視を強めている。こうした右派のネタニヤフ政権の戦争路線を危惧する人々の支持を受けて、ガンツ元軍参謀総長が率いる「青と白」がパレスチナの和平を掲げ、第1党をうかがう勢いとなっている。

つまり日本時間本日午後からの投票で、今後の中東情勢が決まる重大な局面を迎えている。ロイターの報道では「青と白」の予想獲得議席は30議席、右派リク―ドの26議席を上回ると見られている。しかしイスラエルでは過半数を取れる政党はなく、連立政権となるとリク―ドの右派連合が過半数に達すると見られており、戦争で多くの死体を見てきたガッツ元軍参謀総長の和平派は連立という点で劣勢となっているようだ。

ネタニヤフ政権は、これまでエルサレムを首都とする等アラブの人々を刺激する外交を展開し、中東を戦乱に巻き込んで武器市場とするトランプ米政権に呼応する外交を進めており、この戦争路線をイスラエル国民が支持するのかどうか、選挙結果が注目される。イランは革命防衛隊をアメリカがテロ組織に指定した事に反発し、アメリカ軍をテロ組織に逆指定した。もしネタニヤフの連立政権が続くとなると、中東情勢は戦争への流れを一気に強めることになりかねない。
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