米のイランの位置付けはアジアの北朝鮮と同じだ!

北朝鮮の核・ミサイル開発があるので日本や韓国はアメリカの核の傘から離れられず、アメリカ製武器を買い続けなければならない。思いやり予算も出さねばならない。つまりアメリカは北朝鮮の必要悪を理解し、中国と共に北朝鮮の存続で一致している。

中東に置いてはイランが北朝鮮の役割を与えられている。オバマはイランの核開発を条件付きで容認し緊張緩和を目指したが、トランプはより露骨だ。イランのミサイル開発の脅威を非難し過激派「イスラム国」の脅威を超え高に非難してきたが、その非難の目的がトランプのサウジ訪問で明らかとなった。

トランプがサウジと5月20日に結んだ武器売却契約は当初分だけで1090億ドル(約12兆円)で、ティラ―ソン国務長官によるよサウジは総額5000億ドル(約55兆円)の対米インフラ投資にも合意している。これは前代未聞の額となる。サウジが購入するのはイランのミサイルに対坑する最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」のほか国境警備用の武器等である。アメリカはUAEにもミサイル防衛用のパトリオット(PAC3)を焼く20億ドルで売却する。トランプ大統領は「多額の資金がアメリカに流れ込む」と語り、ティラ―ソン国務長官は「数十万人の新規雇用を生む」と説明した。

ロイターによると、イランの最高指導者ハメネイ師は、アメリカが中東を不安定にしたとして非難するとともに、アメリカが「イスラム国」と戦っているというのは「嘘だ」と述べた。ハメネイ師は「アメリカと米政府職員が中東を不安定にしている。誰がISを作りだしたのか。ISと戦っているというアメリカの主張は嘘だ。」と述べている。ハメネイ師はさきに「アメリカとサウジがIS等の強硬派スンニ派兵士に資金を援助している。」と指摘していた。

つまり、アメリカが「イスラム国」を作り資金援助して、さらに北朝鮮がイランの核・ミサイル開発を支援するのを見逃して、イランと「イスラム国」の脅威をテコに産油国を巨大な武器市場にする、というのがトランプの戦略なのである。北朝鮮の核・ミサイル開発を口先で反対しながら日本や韓国に武器を売り込むのが狙いなのである。

アメリカは「産軍・情報共同体」の経済であり、したがってトランプが雇用を生み出し、アメリカ第一を実践するには武器市場とする敵が必要で、それが北朝鮮であり、イランであり、アメリカが作った「イスラム国」なのである。日本は武器を自分で生産し、対米自立の条件を整備し、アメリカの従属支配から脱出しなければならない。
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トランプのアメリカはイランとの対決を選択か!

トランプ米大統領は、自国ではイスラム諸国からの入国を一時禁止する等の排外主義的な政策を取りながら、先日訪問したサウジアラビアでは、イスラム教を「偉大な信仰」と呼んだ。また対テロで「団結を訴える「二枚舌」外交を展開した。ロシアゲートで国内で追いつめられているトランプ大統領は、核を持つ強力な北朝鮮ではなく、イランを戦争の相手に選んだ可能性がある。

5月21日サウジアラビア訪問中のトランプ大統領は、サウジへの多額の兵器売却に応じた。「イランは宗派戦争とテロの火を燃やし続けている。この国の政府は、大量殺害を公言し、イスラエル破壊を狙い、アメリカに死を!と叫び続けている。良心のある国々は一致団結して、イランを孤立に追い込まなくてはならない。」とトランプは口を極めてイラン批判を展開した。

ティラ―ソン米国務長官とサウジのシュベイル外相は「イランの脅威」への対抗が必要との認識を強調し、アメリカの巨額の武器売却を正当化した。6月6日にはサウジやエジプトアラブ首長国連邦、バーレーン、イエメン等がイランと関係を強めているカタールと断交を発表した。カタールは世界最大の天然ガス輸出国で、イランと天然ガスの共同開発を計画している。

カタールとの断交という動きは、イラン攻撃を視野に入れているトランプ大統領の登場でイランのライバル国がイランへの敵対的姿勢を見せ始めた表れといえる。イランは保守穏健派のロハニ師が再選を勝ち取った、が最高指導者のハメネイ師が復帰したことでイランとアメリカの軍事的衝突は不可避の情勢にある。

アメリカ経済を活況へと導くには産油地帯の中東での戦争が必要で、イスラム教シーアー派(イラン)とスンニー派の対立はトランプには歓迎すべきことなのだ。特にユダヤ人の支持を固め弾劾の動きを乗り切るには、ユダヤロビーの支持が不可欠なので、トランプが核開発を進める対イラン戦争を始める可能性が出てきた。

トランプにとって、油田もなく核とミサイルを持ち、130万人の軍隊を持つ北朝鮮はアメリカにとって強すぎるので、イランとの戦争を選択した可能性がある。中東の戦乱は支払い能力を持つ巨大な武器市場なので緊張の高まりはアメリカにとって歓迎すべき事なのである。今後中東情勢から目が離せなくなった。

OPEC原油8年ぶりの減産の国際的影響について!

9月28日、サウジやイラン等の石油輸出機構(OPEC)が2008年以来初めて原油生産量を減産することで合意した。原油生産を現在の推定生産量日量3324万バレルから日量70万バレル程度の減産を決定した。OPECはロシアなど非加盟国にも協調減産を呼び掛けるという。

各加盟国の具体的な生産量は11月の総会で合意を目指す。サウジはこれまで減産は行わない方針を示していたが原油価格の低迷に耐えきれず方針転換したと見られている。この決定でニューヨーク市場は原油価格が5%上昇し、47ドル台となった。今後50ドル~60ドル台に上昇すると見られている。

原油価格が年末に向け上昇することが国際情勢に与える影響が注目される。原油上昇がロシアやイランなど中東の産油国経済を回復させることは確実である。問題は原油輸入国の中国経済に与える影響で、中国の南シナ海や東シナ海への領土的野心は一層強まり、南シナ海での原油開発を急ぐことになるであろう。

欧米の画策で、ウクライナ問題でロシアを地政学に目覚めさせ、クリミヤ半島を併合し黒海の内海化を進め、ロシア軍はシリアに展開し、中東に影響力を拡大している。またロシアと中国の関係強化によって後背に配慮しなくて良い中国軍はインド領カシミールやインド東北部への軍事的野心を強めて、領土権の主張を出兵で示し始めた。また中国軍は南シナ海を事実上内海化し、岩礁を埋め立てて軍事基地を建設し、海洋戦略を展開し始めた。東南アジア諸国は中国軍の圧力の下でフィリピンのように属国化の傾向を強めていくであろう。

日本では中国拡張主義を「全く脅威ではない」との主張もあるが、現在の中国社会帝国主義は地球上最も危険な侵略勢力となっており、アメリカが覇権戦略を放棄し、非介入主義に転じている中でいまや地域覇権主義の勢力となったロシア・イラン・中国が勢力圏の拡大を軍事的に追求し始めている。日本はこのままでは2正面に敵を持つことになりかねない。日本の対ロシア外交が戦略的重要さを持ち始めた。

欧米は中東やアジアで戦争が起きれば巨大な武器市場となるので、ウクライナ問題でロシアを経済制裁し、ロシアを南に、中国をアジアに侵略させ、武器売却でひと儲け企んでいると見るべきである。今回の原油価格の上昇も中東を支払い能力ある武器市場とする事になる。

中国が海底油田のある尖閣や南シナ海の軍事的支配にいよいよ乗り出す可能性が強まっている。原油価格が今後何処まで上昇するか不明だが日本は対米自立めざし、防衛力の強化を急ぐべきである。

オバマのイラン核合意は破綻寸前!

オバマ政権化の唯一の外交的成果と言われるイランと米欧など6カ国の核合意から1年経つが、イランが今も核兵器開発の野心を持ち続けていることが明らかになっている。

ドイツの情報機関「憲法擁護庁」はイランが過去合意後も核開発に必要な物資調達を、国際市場で画策しているとの報告を発表した。それによるとこの1年間の動向で「イランは極秘の手法により、ドイツから武器技術を違法に獲得しょうとしている」と結論づけている。これらの物資は「原子爆弾、化学兵器、生物兵器に使われる可能性がある」と分析している。

そもそも昨年の核合意には「10年後にはウラン濃縮計画を拡大する」旨が明記されていたそうでアメリカ、イラン両国がこのことを認めている。現在のイランはシリアのアサド政権を支え、イラクのシーアー派支配拡大を後押しし、スンニ派住民の弾圧まで行っている。いまやイランは中国と同じく地域覇権主義マル出しなのである。

このためアメリカの制裁解除も進んでいない。航空機の売却も認められていない。今ではオバマのイラン核合意の歴史的成果は双方の不信の中で崩壊寸前なのである。オバマが任期終盤に外交的成果欲しさに結んだ合意は、逆にイランの地域覇権主義を促す合意となったかのようだ。

もともとアメリカの「息継ぎの和平」は同盟国の権益を守り、アメリカの覇権を守るための一時的和平策なのだが、オバマの戦略転換は同盟国を危機に追い込み、地域覇権主義をのさばらせるものであるのが特徴で、覇権の維持というより世界の多極化を促す側面が強かった。

オバマ外交はウクライナ問題でロシアを地政学に目覚めさせ、中国拡張主義のアジア支配に道を開いた。オバマのアジア・中東外交ほど理解しがたいものはない。ただ中国覇権主義をのさばらせ、アジア・中東を巨大な武器市場に変えただけなのである。

強権的なロシア・中国・イランの地域覇権国と民主国家の欧米日の新しい対立面が形成されようとしている。中国の新シルクロード構想はこの連合を展望している可能性がある。しかも覇権国のアメリカは当面内向き外交が避けられないのであるから、アメリカの同盟国は安全保障上の危機に直面しているのである。

戦争の可能性強めるサウジとイランの対立の背景!

アメリカのシェール・オイルの増産が原油価格を暴落させ、アメリカの対イラン関係の改善がサウジ政府をいら立たせている。サウジの南に位置するイエメンはイランの支持する反政府勢力に新サウジ派の政権が追いつめられ、サウジの北のイラクはシーアー派政権だ。シリアのアサド政権とイランの関係が強まり、レバノンではイランの支援するヒズボラが勢力を拡大する等、サウジの支持する政府勢力・反政府勢力は各地で追いつめられている。シーアー派のイランは、湾岸諸国のシーアー派に武器支援も行っている。こうして中東各地でイランのシーアー派勢力に、サウジのスンニー派がいつめられ両勢力の矛盾が激化している。

こうした中で、アメリカがイランの核開発を制限することでイランと関係改善し、イランの経済力が高まる可能性が出てきた。サウジにすれば原油価格の低迷で財政危機のため国内的不満も高まる状況にある。こうした中でサウジが危機感を強め、対イラン軍事強硬姿勢を強めている。

サウジはイエメンの親イラン勢力への空爆を開始し、イエメンの政府軍への30億ドルの支援を行い、シリアの反政府勢力を支援し、ISよりも対イラン対策に力を入れている。サウジ国内では独立運動を画策したシーアー派の二ムル師を含む政治犯多数を処刑した。サウジ政府は今や反米であり、欧米諸国がISと闘わないサウジを批判することも増えてきている。

こうしてサウジとイランの対立関係は、中東地域の覇権をめぐり、またスン二―派とシーアー派の宗派争いの側面も強めている。アメリカのオバマ政権は自国がシェール・ガスやオイルの増産でエネルギー自給を達成したことから、アメリカにとってのサウジの戦略的位置付けを変えたのである。アメリカがアラブの春を支援したことも王制維持のサウジには許せない事であった。こうしてアメリカは中東を宗派争い、内戦の坩堝に変え、巨大な支払い能力ある武器市場へと変えたのである。

イランの革命防衛隊はサウジが二ムル師を処刑したことに激怒し、サウジ王家は「手厳しい復讐を受ける」と警告した。イランの革命防衛隊はレバノン・シリア・イラク・イエメンのシーアー派民兵を統括している。従ってサウジとイランの対立は激化することはあっても、沈静化する可能性はない状況にある。欧米の武器商人は今や笑いが止まらないほどの活況状況にある。

アメリカは中東のオイルマネ―を還流するために、この地域の戦乱を激化させているのである。しかしその事が、中東を制御不能の混乱に導きつつあることを指摘しなければならない。サウジとイランの戦争が火を吹けば、ホルムズ海峡の封鎖もありえるのであり、そうなれば日本経済も危機に直面することになる。
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