米中の貿易戦争は未来の覇権をかけた対立!

中国は一党独裁の「軍産一体」の特殊な国家である。中国政府は近年中国進出企業に「基幹技術を提供するよう」要求するなどしており、またドイツやアメリカで高度技術を持つハイテク企業を買収するなど、国家の指揮のもと、軍事力の面でアメリカを追い越す戦略を展開している。特に人工知能の分野ではアメリカを追い越していると言われており、その高度技術の軍事への応用(AI軍拡と表現される)は2030年までにアメリカとの軍事面の差を逆転する可能性さえ危ぶまれている。

トランプ米政権はハイテク技術とその軍事面への応用で、世界支配をうかがう中国の野心的戦略に対し、民間の技術力を高め、先進的軍事技術の獲得に結び付ける中国の民間と軍事の一体化への警戒心を高めており、10日の中国製品2000億ドル(約22兆円)相当の関税を強化する制裁は単に中国が知的財産権を侵害しているだけではなく、未来の軍事覇権をアメリカから奪おうとしている事に対する戦略的姿勢であるようだ。

アメリカでは軍事・安全保障面での中国脅威論が台頭しており、この戦略的脅威が背景にあって米中間の貿易戦争が激化している事を見ておくべきである。米通商代表部がまとめた中国による知財侵害の報告書は、先進技術の開発力を底上げするため、産業界と軍事部門が一体的に取り組むよう求めた中国政府方針「軍民融合」に注目している。この中国政府の「軍民融合」は2014年「国家戦略」に格上げされ、2017年には専門の監督組織が新設された。

このような中国の軍産一体のハイテク振興策に対し、米政府は中国への輸出管理制度を強化する検討に入った。トランプ政権は6月下旬「米安全保障と技術面のリーダーシップを守るため」商務省に検討作業を指示た。米マスコミによればこの作業にホワイトハウスの国家安全保障会議も作業に参画するという。

資本主義の不均等発展は、米中の経済的な力を均衡させつつあり、アメリカは中国政府の軍民一体のハイテク振興と、その軍事への応用に戦略的危機感を持つに至ったようである。トランプの対中貿易戦争は単なる雇用を守る側面だけではなく、戦略的覇権争いの前段階の貿易戦争なのである。それだけに制裁合戦の妥協は難しく、妥協ができたとしてもそれは一時的なもの、中間選挙の勝利のための戦術的妥協であり、米中の覇権をめぐる対立は、基本的で、絶対的で戦略的だという点を見ておくべきである。
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米朝交渉の食い違いが明らかに!

ポンペイオ米国務長官が金英哲朝鮮労働党副委員長との会談した7日、北朝鮮外務省報道官は、アメリカ側が「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)だ、申告だ検証だと言って、一方的な非核化要求を持ち出した」としてアメリカ側の対応を「強盗的な要求」と決めつけた。

これに対し、ポンペイオ米国務長官は北朝鮮がベトナムに学ぶよう提案した。ベトナムが和平後経済成長し、アメリカの友好国となっている事を指摘したのである。北朝鮮は(1)朝米関係改善のための交流(2)朝鮮戦争の終戦宣言(3)大出力エンジン実験場廃棄(4)米兵遺骨発掘交渉開始、等の協議を提案し、段階的見返りを狙っている。つまり米朝間の非核化をめぐる交渉は具体化の段階で食い違いを見せているのである。

アメリカの安保専門家らは「北朝鮮は非核化に努力していると見せかけるため、巧妙に成果を小出しにし、トランプ大統領の関心を買おうとしている」との疑念を表明しており、北朝鮮の非核化が進まない場合、軍事行動の検討が必要との発言をしている。つまりアメリカは軍事行動で脅し、北朝鮮は中間選挙向けの成果をちらつかせる。これが外交の駆け引きである。

北朝鮮と中国はトランプ政権との交渉で在韓米軍の撤退を狙っており、したがって現在は時間稼ぎをしているが、トランプの再選のために秋の中間選挙前までに一定の成果を上げるように演出するものと見られる。

ポンペイオ米国務長官が「ベトナムに学べ」と発言した事は、北朝鮮と中国にとっては「パリ和平協定」で米軍が南ベトナムを引き揚げた後で2年後に北ベトナム軍が進行し、南ベトナム政権が崩壊した経験があるので、中間選挙前に何らかの成果をトランプに与える可能性がある。しかし最終的には北朝鮮が核とミサイルを完全に放棄することはないであろう。北朝鮮の狙いは制裁の解除と経済的見返りであり、戦略的には在韓米軍の撤兵に狙いがある。

在韓米軍の戦略的価値を理解せず、たんに駐留費用の側面だけを見るトランプ大統領は、中国や北朝鮮にとって貴重な存在なのである。特に(2)の朝鮮戦争の終結宣言は、在韓米軍の撤兵問題が隠されているのである。したがって米朝合意の具体化に食い違いがあっても、双方が交渉に利益を見出している以上、何らかの「成果」が作られる可能性がある。

中国に操られるトランプ政権の危険!

北朝鮮の核放棄で外交得点を稼ぎ秋の中間選挙で勝利して再選を果たす、というのがトランプ政権の筋書きだ。これに対する中国と北朝鮮の戦略がどうなのかを見ることが重要だ。

7月5日夕刊の朝日新聞によれば、北朝鮮の金正恩委員長が6月19日20日の中国の習近平主席と会談し、朝鮮戦争の休戦協定が平和協定へ転換された場合には在韓米軍の朝鮮半島での駐屯は必要なくなるとの認識で一致。その上でトランプ米政権に在韓米軍の撤退を促すために中朝が戦略的に協力していく方針を確認した、(関係筋による情報)という。

この線で北朝鮮と中国が手を握っているのに、トランプ大統領はいとも簡単にこの戦略にのり在韓米軍と韓国軍の共同軍事演習の中止を受け入れた。また6月14日の板門店で開かれた南北将官級軍事当局者会談では、南北は最前線に配備された北朝鮮の長距離砲を軍事境界線から30~40キロ後方に移す問題について協議を始めたという。

韓国の文在寅政権は「韓半島の恒久的な平和体制の定着」を悲願として南北協議を進めている。しかし北朝鮮の長距離砲を軍事境界線から30~40キロ後方に移すには、米韓合同軍も多連装ロケットや戦術対地ミサイルを後方に下げる必要がある。軍事境界線の距離はソウルが約50キロ、平壌が約140キロで、同じ距離だけ下げたら北朝鮮が軍事的に有利になる。だから韓国国防部は「こんな協議はしていない」と懸命に隠蔽している。

中朝の戦略には、非核化の協議でアメリカに譲歩を迫り、在韓米軍を撤兵に追い込みベトナム戦争後の「パリ協定」のように米軍を南ベトナムから撤兵させてから、2年後に侵攻作戦を行い南ベトナムを降伏させた、南北統一の戦略再現が頭の中に描かれている。

米紙ウォールストリートジャーナルによれば1日衛星写真を専門家が分析した結果として北朝鮮がミサイル製造工場の拡張を進めていると報じた。どう見てもトランプの半島の非核化は実現せず、逆に軍事力による南北統一が実現しかねないのである。韓国の文在寅政権は、中国と北朝鮮の陰謀に乗せられており、北朝鮮への融和策で、韓国民を危険な戦争の道に導きつつあるのだ。

既に中国と北朝鮮は米朝交渉を急がない方針で一致しており、トランプ政権はまんまと在韓米軍撤兵の罠にはまりつつある。トランプには在韓米軍の戦略的価値を理解してはおらず、金がいくらかかるかという経済的側面しか見えていないのである。
米朝協議は中国の戦略的狙いに導かれて進んでいるように見える。

迷惑な米のイラン産原油輸入停止措置!

アメリカの国務省高官は26日、トランプ政権のイラン核合意離脱を受けて、11月に復活させるイランへの経済制裁の一環として、日本・中国・欧州連合などにイランからの原油輸入停止を求めている事を明らかにした。アメリカはこの制裁の適用除外は認めず。それ以降も原油の輸入を続けた場合、これら諸国の企業や個人が「二次的制裁」の対象となるとしている。

トランプ政権は、この原油取引関連の制裁を適用する猶予期間を11月4日までとしている。これを受けてニューヨーク原油先物市場の原油価格は大幅に上昇した。1バーレル70ドル台へと跳ね上がった。イラン産原油の最大の最大の輸入国は中国で、EUやインド、韓国、トルコ、日本等が大口の輸入国となっている。

原油価格の高騰で世界最大の産油国となっているアメリカやサウジなどはぼろ儲けで、日本や欧州など原油輸入国は原油高騰はたまったものではない。日本政府はイランからの原油輸入を認めるようアメリカ政府に働きかけているが、アメリカ政府高官は「日本も他の原油輸入国と立場が特段、異なるとは思わない」「日本を含めた輸入国の協力は得られる」との見通しを示している。

イランの原油埋蔵量は世界で4番目で、日本は歴史的にイランを重要な原油供給元と位置付けてきただけに、今回のトランプ政権の決定は迷惑そのものと言える。自国の外交政策の転換なら、自国だけでやればよいのに、世界中の輸入国にイランから原油を買うなといい、受け入れないと「二次的制裁」の対象とするというのである。

トランプ政権はまるで世界経済を混乱させることを目的にしている、としか思えない政策転換で迷惑この上ないものである。原油の高騰でトランプの目指す日本や欧州の貿易黒字は大幅に減るであろうが、そのことで世界経済が受ける打撃は深刻なものになる可能性がある。トランプ政権の各国へのイラン制裁への強要は、アメリカとの貿易戦争と結び付いて反発を拡大することになりかねない。

無法国家に不当な見返りを与えてはいけない!

北朝鮮はラングーンでの爆弾テロや大韓航空機爆破、金正恩の兄や叔父や、部下約200人以上を処刑や暗殺した。また日本人約200人を拉致した。国内では地獄の収容所に多くの国民を幽閉している。だから世界中から「悪魔のような国家」と呼ばれている。

その北朝鮮の核開発が成るや、指導者金正恩がトランプ大統領と会談したとたんに評価が変わり、核廃絶の見返りに220兆円の経済援助を約束した。しかもこの援助は日本と韓国が行うらしい。日本の拉致問題は未だに北朝鮮は「解決済み」としており、悪魔のような所業の国家機密を知るであろう拉致した人々は北朝鮮は体制が続く限り絶対に返しはしないであろう。

空前の人権侵害国家である北朝鮮に、核の脅しで「見返り」を与える愚は絶対にしてはいけない。奴隷制国家だから他国の民を奴隷として拉致することが、悪いという認識がそもそもないのである。
220兆円の経済援助をトランプ大統領が約束し、安倍が受け入れた。経済援助はますますこの悪魔のような国家を付け上がらせることになりはしないのあろうか?

日本の核武装のためには1兆円があればできると言う。それなら220兆円の大半を日本が負担するより、日本も核開発すれば安上がりに問題を解決できる。核兵器は保持する相手には使えない兵器となるからだ。悪魔のような国家である北朝鮮は何らの反省もなく、謝罪の言葉もない。つい最近自分の兄を暗殺したのは誰であったかを世界の指導者は忘れてはいけない。

北朝鮮の核廃絶の各段階での見返り要求は、過去の2回の「ちゃぶ台返し」で援助のただ取りを行ったのであるから「2度あることは3度ある」またも得意の瀬戸際外交の「たかりゆすり外交」を繰り返すことになるばかりか、孤立主義のトランプは在韓米軍の撤退すら受け入れかねないのであるから、米朝の段階的交渉を日本人や韓国人は喜んではいられないのである。トランプの米韓共同演習さえ金がかかるとして中止したこの発想は、地域覇権主義の中国やロシアやイランの独裁国家を付け上がらせるだけでなく、同盟国への高額の関税をかける貿易戦争は、「強いアメリカ」の呼び声とは逆にアメリカ経済を弱体化させることになる。

第2次世界大戦の教訓は、大国の身勝手な指導者の軟弱外交=譲歩外交が戦争を招いたことを教えている。アメリカの間違った外交を日本が追随するだけでいいのか?無法国家に不当な見返りを与えてはいけないと多くの人が危惧している。
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