FC2ブログ

同盟国に依拠した米の「インド太平洋戦略」!

トランプ大統領の貿易赤字減らしの強引な貿易戦争もあって、アメリカの軍事戦略が見えにくかった。しかし、ここにきてアメリカ国防総省の中国覇権主義封じ込めの戦略が見えてきた。

アメリカ政府が台湾への最新式戦車やF16Vの台湾への売却を決めたこと、アメリカ陸軍が陸上自衛隊の対艦ミサイルに関心を示していること。アメリカが中距離ミサイルの開発を急いでいること。今年5月、アメリカ軍が太平洋・インド洋を担当する「太平洋軍」の名称を「インド太平洋軍」と改称した事。日本にF35を142機売却を認め、同時にいずも型護衛艦の空母への改修を認めたこと。9月に国防長官や国務長官のインド訪問が予定されていること。

こうした一連の出来事が示しているのは、アメリカが日本・台湾・オーストラリア・インド等の同盟国・友好国をネットワーク化し、中国封じ込め戦略を実行し始めたということだ。もちろんインドはまだアメリカの同盟国ではない。インドはアメリカが敵対しているロシア製の戦闘機を使っているし、イランと近い。原油はイランから輸入している。しかし最近の中国海軍のインド洋進出、さらにはインド東部と西部で中国陸軍の侵略の脅威を受けている。ゆえにインドは危機意識を持ち、アメリカ海軍や海上自衛隊と共同訓練を行っている。今後アメリカが外交的にインドに接近していくことになるであろう。

米国防総省が今年6月1日発表した「インド太平洋戦略報告」の特徴は、(1)自由貿易の促進、地域の連結性強化、公正な国際規範の重視をビジョンとして掲げていること(2)中国、ロシア、北朝鮮を上記ビジョンへの挑戦者と位置付けていること(3)インド太平洋地域に、同盟国と友好国からなる濃密な安全保障のネットワークを築きあげていくとしていること、である。

この「インド太平洋戦略報告」はトランプの「アメリカ第一主義」とは整合しないが、アメリカ国防総省としては、アメリカの相対的な力の低下を考慮した、現実的な中国封じ込め戦略と言えるものである。

アメリカの戦略が明確になる中で、韓国は中国とアメリカの双方から利益を得ようとして、中国に接近し、同時にアメリカのミサイル配備で、双方の不信を買い、戦略的に孤立している。トランプ大統領はかねてから朝鮮半島からの撤退を主張している。中国・北朝鮮への片思いが強い文在寅が韓国を国防上の戦略ミスで、亡国の淵に追い込んでいる。トランプ大統領は文在寅を「乞食のようだ」と語っており、たかりゆすり外交にうんざりしている。

米中とも半島を双方の緩衝地帯として現状固定化で一致していると見ていい。ゆえに韓国からの米軍の撤退の可能性は高いと見ておくべきであろう。

このように見ていくと、アメリカは中国海軍を南シナ海と東シナ海に封じ込める上で日本の軍事的役割を期待しており、その為には憲法改正を許す可能性が高い。元々トランプは同盟関係の双務性を強く求めている。日本・台湾・インドの米戦略上での軍事的役割が強まるであろう。


スポンサーサイト

現在の国際情勢の見方について!

一部にトランプ大統領がアメリカの覇権を崩す多極主義者のように語る評論家がいる。そうではない冷戦後のグローバル化の中で、資本主義の不均等な経済発展が中国の台頭を促し、世界の多極化を促しているのである。つまり世界の戦略関係は一人の政治家が左右できるものではないのだ。

国際情勢は経済的基礎から分析しなければならない。トランプは「強いアメリカ」を掲げ、アメリカの覇権を維持しょうとしているが、相対的なアメリカ経済の衰退がそれを難しくしていると言うことなのだ。

国際情勢では、原因が結果を引き起こし、結果が新たな原因となって世界情勢を流動化させる。例えば、トランプの貿易黒字減らしとNATO諸国への軍事力増強要求が、ドイツやフランスをロシアに接近させることとなった。またトランプの中国への貿易戦争が、中国とロシアを接近させた。トランプの対イラン制裁が中東の緊張を激化させ、その「有志連合」は参加する国がイギリスぐらいで、アメリカの狙いどうりには進んでいない。

つまりトランプの「強いアメリカ」は、主観的にはアメリカの覇権を挽回しょうとしているのだが、今のところ成果を挙げていないのである。それどころか逆に欧州の親米諸国を非米化し、現象的には世界の多極化が進んでいるように見える。

こうした現象を理由に「トランプは覇権放棄だ」「多極主義だ」と論ずるのは完全な間違いで、世界の多極化の経済的な背景が、資本主義の不均等な発展にあり、すなわち中国の経済的・軍事的台頭とトランプの同盟国への貿易赤字減らしの強引な貿易交渉の結果なのである。

トランプの「アメリカ第一主義」が同盟国を離反させ、また中国やロシアやイランを結びつけて、アメリカの覇権が後退し、世界が多極しているように現象しているのである。しかしアメリカの軍事的・経済的力は今も相対的に大きく、未だ覇権国であるのだが、トランプの外交がハチャメチャなので覇権を放棄しているように現象的に見えるだけなのだ。

アメリカのこうした戦略的混乱は、次の大統領選で修正されるのか?それともトランプ再選で世界の混乱がなおも続くのか?は誰にもわからないが、重要なのはアメリカの現職大統領が、日本に対し対等の同盟関係を求めているということだ。これを利用して、日本は民族の悲願である対米自立の好機が来ているという点を指摘しなければならない。日本は武装・自立・中立の平和主義の路線を進むべきときである。
#対米自立 #多極主義者 #覇権国 #非米化 #戦略的混乱 #世界情勢の流動化

アメリカの戦略的重点は北朝鮮ではなくイランだ!

アメリカの核非拡散政策は、イランと北朝鮮は対照的に違う。イランにはオバマ大統領が結んだ核合意をトランプが離脱し、イランへの経済制裁を実施した。ところが北朝鮮の金正恩には極めて好意的で北が大陸弾道弾と核実験さえしなければ他は大目に見ている。

イランが核合意に基づく一部の義務履行停止を発表し、安倍首相がイランを訪問している6月13日に、ホルムズ海峡付近で日本のタンカーなど2隻が攻撃を受け、6月20日にはイランの革命防衛隊がホルムズ海峡付近でアメリカ軍の無人偵察機を撃墜した。

つまり中東で緊張が激化したらトランプは北朝鮮の金正恩に親書を送り、6月末の訪韓時に非武装地帯で合うことを申入れた。北朝鮮が牽制のため短距離弾道ミサイルを発射しても、トランプは「彼らは核実験していないし、小さいミサイルしか発射していない」と気にもしない。

それに反し対イランのために同盟国に「有志連合」への参加を呼び掛けている。明らかにアメリカはイランの政権打倒を狙っている。イランと戦争する上で北朝鮮に第2戦線を開かれるのが嫌で、北朝鮮には融和路線を選択しているかに見える。つまり北朝鮮の政権は打倒せず、非核化を迫り、非核化しないうちは経済制裁を続けるつもりなのだ。

このアメリカの政策は、イランには豊富な油田があり、北朝鮮には油田がないこと。中東にはイスラエルという同盟国があり、極東における北朝鮮の核とミサイルは、アメリカの脅威ではないが、中東のイランの核保有はイスラエルの安全保障上断じて見逃せないのがアメリカなのだ。

北朝鮮にすれば国家が安全に存続を許され、核実験と大陸間弾道弾さえ実験しなければ体制存続が許されるのであるから、経済制裁さえ我慢すればいいのである。北朝鮮が最低限必要な物資は中国が保障するのであるから、半島におけるアメリカの現状維持戦略は明らかなのである。

韓国の文在寅大統領は、米朝対話が南北の統一国家樹立のチャンスと見たが、これは間違いに過ぎなかった。アメリカの半島の現状維持、すなわち分断の現状固定化は何も変わっていないのである。北朝鮮が核を放棄するはずがなく、したがって国連の経済制裁も続くことになる。文大統領の北朝鮮との経済交流はアメリカが許さない。

世界最大の産油国となったアメリカにとって、中東での戦争は支払い能力ある武器市場であり、金は有志連合にださせればアメリカの軍需産業は多いに潤うことになる。原油も値上がりするのでアメリカはニ重に儲かるのだ。トランプがイラン核合意から離脱し、自分から緊張を作りだした裏にはアメリカの戦争願望が明確に隠されていると見るべきであろう。

軍需産業国家のアメリカの景気刺激策は、支払い能力ある地域での戦争なのだ。しかしその為の「有志連合」には今のところ参加国はイギリスだけであるのは、誰の目にもアメリカが作りだした緊張だと分かり、また国連決議もないので「有志連合」は多くの国が警戒心で見ているのである。
#非核散政策 #北朝鮮 #金正恩 #現状維持戦略 #文在寅大統領

米の日韓「休止協定」は韓国の戦術だ!

文在寅韓国政権は7月31日「韓国官民協議会」の初会合を開き、「日本政府の措置に対し直ちに措置を撤回して2国間協議に応じることや、輸出管理の優遇措置の対象国から韓国を除外する措置に向けた手続きを中断することを、日本側にたいし、様々なチャンネルを通じて強く求める」ことを決めた。

これは韓国政府がアメリカに泣きつき調停を求め、これを受けて30日ポンペイオ国務長官が仲介に乗り出す考えを表明し、日韓両国が一定期間新たな対抗措置を取らない「休止協定」への署名を検討するよう求めたことを明らかにしたが、これは韓国側のホワイト国取り消しの「手続きの中断」と一致している。

ポンペイオの提案は、日韓が協議する時間を稼ぐことが目的だと説明しており、協定の有効期限も定めていない。つまり、この協定を結べば韓国は目的を達成でき、日本は敗北することになる。

菅官房長官は1日ポンペイオの仲介に対し「日本の立場に理解が得られるよう努めていきたい」と述べたが、既にアメリカは韓国の仲介案で動いているのであるから、政府が韓国にしてやられることが半ば確実になっている。菅官房長官はアメリカの「休止協定」への署名について、「指摘のような事実はない」と語ったが、これはおかしい。アメリカ政府がこの問題で嘘を流すとも思えない。

安倍政権のホワイト国取り消しが、事実上撤回に追い込まれつつあると見てよいであろう。いつもアメリカの言いなりの安倍首相が、この問題でアメリカの提案する「休止協定」への署名をするようでは、日本国民を失望させることになるであろう。誰が挑発をしかけたかも曖昧にしたまま、期限のない日韓の「休止協定」への署名に我々は断固反対するものである。

財政赤字は問題ないという米のMMT理論は誤り!

MMT理論とは、アメリカのニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が提唱している理論で、長期的に財政赤字を続けてもいい、という理論だ。ケルトン教授は「民主社会主義者」を自称するサンダース上院議員のアドバイザーで、民主党左派が医療保険等低所得者支援や環境対策のために財政赤字を拡大してもいい、という主張の理論的根拠となる理論だ。

このMMT理論が日本に飛び火したのは消費税増税が必要ないとの裏づけとして引用されていることである。ケルトン教授は「日本はMMTを実証している」と言っているのだが、この理論は完全に間違いであるので注意しなければならない。

確かに日本の長期債務残高は2019年末にはGDPの2倍近い1122兆円に達する。しかも消費者物価は2018年度で0,8%の上昇にとどまっている。だが日本の場合は対外純資産が巨額で、国債は国内で消化している。もっとも日銀が国債引き受けをしているのでいずれインフレが起きるのは確実だ。

アメリカのように国際通貨の通貨発行益を独り占めしている国や、日本のように対外純資産が世界一の国は、財政赤字が少しばかり拡大し続けても、インフレがすぐには起きないというだけの話で、これを財政赤字を長期に続けても問題ない、というMMT理論に導くのは完全な間違いなのである。

哲学的に言えば、物事は、量的な蓄積が積み重なればある段階で質的激変を引き起こすのである。水は一度づつ温度を上げていけば100度で液体から気体に激変する。財政赤字が拡大していけば、やがては質的激変を招き、ハイパーインフレになることは哲学的に見てもわかることなのだ。

民主党左派のサンダース議員が福祉の拡大を行うため、財政赤字を増やしても問題ないとのエセ理論が必要なので生み出したものに過ぎない。これを見てもサンダース議員の福祉路線が経済的・理論的裏付けのないものであることが分かる。

日本においては安倍政権が無責任な異次元金融緩和路線で国債発行残高を拡大し続け、その上に法人税減税のための消費税増税を強行しょうとしていることは、いずれハイパワーインフレを招くことは避けられない。既に消費税増税前に諸物価が上昇し始めている。

日本の金持ちと大企業は有り余る財産を海外の租税回避地に隠匿している。増税は有休貨幣を多く持っている人から取るようにすべきだ。

「大財政赤字は問題ない」という米のMMT理論(現代金融理論)の間違いにごまかされては、日本経済は破滅を招くことになりかねないことを指摘したい。安倍政権は消費税増税をやめ、法人税増税と金持ちへの増税で財政赤字を削減するべきである。
SEO対策:政治