確固たる北朝鮮戦略持たないトランプ政権!?

ロイターの4月27日の報道によれば、トランプ政権による米議会の議員らへの北朝鮮政策の説明は期待していたような確固たる戦略は示されなかったようだ。

上院議員100名はホワイトハウスで、下院議員には議会で説明が行われた。説明はティラ―ソン国務長官、マティス国防長官、コーツ国家情報長官、米軍のダンフォード統合参謀本部議長の4人がおこなったという。

参加した共和党議員は肯定的な評価だが、高い評価をする声は出ていないという。ボブ・コーカ―上院外交委員会委員長は「まあまあの説明だった」と評したうえで「説明を今日行った意味がよくわからない」とかたり。上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長はトランプ政権の確固たる戦略について聞かれ「現在策定しているところだ」と答えたという。

下院外交委員会のブラッド・シャーマン委員は、トランプ政権が北朝鮮の行動を抑制するために十分な措置を講じるという確信はない。「決意の度合いは非常に控えめで弱く、まやかしと言ってもいいぐらいだ。北朝鮮に十分な圧力をかける唯一の方法は、中国が圧力をかけるよう仕向けることだ」と語ったという。

下院軍事委員会のマック・ソーンベリー委員長は、トランプ政権は北朝鮮が核開発を放棄するよう「さまざまな」手段を活用する積りだ、と述べ、全ての選択肢を検討するという方針に賛成する。「我々はこの地域で、ミサイル防衛を含め驚異的な軍事的存在感を示す必要がある」と語った。

つまり、トランプ大統領の北朝鮮政策は「まやかしと言ってもいい」ぐらい北朝鮮攻撃の意思は弱いということで、未だ確固とした戦略さえ持っていないことが分かった。これでは中国も本気で北朝鮮に経済制裁を加えることはなく、したがって中国頼みのトランプ大統領の外交も成功はおぼつかないとみてよい。

現在の朝鮮半島周辺の米海軍はとても「驚異的な軍事的存在感を示す」ものとはお世辞にも言えない。つまりトランプ政権は、今作成中の「確固とした戦略」ができない間はポーズだけと見ていいでしょう。アメリカは予想以上に衰退しているということかもしれません。
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北朝鮮に核放棄を目指すトランプ政権に妙手有るのか?

トランプ政権は26日にホワイトハウスで上院議員100人を呼んで北朝鮮情勢について説明する。これにはティラ―ソン国務長官、マティス国防長官、コーツ国家情報長官、ダンホード統合参謀本部議長が出席する。

トランプ政権が過去20年間の「戦略的忍耐」の政策が誤りだ、という点で一致しているのは間違いないことだ。問題は北朝鮮の軍事力が強力な為、全面的反撃を招く可能性が高く、したがって核施設に限定した攻撃を躊躇(ちゅうちょ)しているように見える。

中国の経済制裁が何処までやられるか、も分からない。アメリカが軽々しく攻撃して泥沼に巻き込まれる可能性を考慮すれば、うかつに限定的攻撃に移行できない。中国のマスコミが容認するかの報道が逆に警戒感を高めることになる。

北朝鮮もいかに米軍の攻撃を回避するかを考えれば、核実験は避ける可能性が高い。北朝鮮が新たな挑発をしなければ、アメリカは振り上げたこぶしを下ろせなくなる。トランプの決断は中国の制裁と韓国の大統領選を睨んで下されることになりそうだ。

トランプ大統領にすれば軍事力を使わず、北朝鮮に核放棄をさせるのが理想だが、中国には北朝鮮に対する影響力はなくなっている。したがってトランプ政権はリスクを覚悟で攻撃に踏み切る可能性もある。26日の上院議員への説明で支持を得られれば、限定的攻撃に踏み込む可能性も残っている。100人の米上院議員が武力行使に反対すれば、問題の解決は長引く可能性がある。

軍事力の行使なしで北朝鮮に核放棄を決意させればトランプの支持率は上がることは疑いない。果たしてトランプ政権に妙手が有るのか?注目したい。

トランプの戦略なき軍事優先主義の危険!

トランプ政権の閣僚は軍人出身者が多い。その点だけ見れば「まるで軍事政権」という見方がイギリスのマスコミの中から出ていた。今回のシリアミサイル攻撃がトランプがサリン攻撃を受けた子供たちの映像を見た、単なる思い付きのシリア攻撃だったことが分かって始めは好意的だった世論も、攻撃の2時間前にロシアに通告した形だけの攻撃だった、と分かって批判的なものに代わってきたようだ。

米報道によれば、アメリカの国務省の官僚はする事が無く、食堂でコーヒーを飲むばかりだという。つまりトランプ政権の軍事介入は国務省の外交的戦略もなく軍出身閣僚の軍事的判断で展開されているようだ。つまり現在米空母を朝鮮半島周辺に派遣しつつあることもオバマ政権の非介入主義を逆さまにしただけの軍事力投入のようである。

本来のアメリカは、軍事戦略を鮮明にして、介入に当たっては出口戦略を明らかにして介入する。思いつき的な介入は思わぬ戦線の拡大を招いたり、戦略的に無意味な軍事行動になる危険がある。今のアメリカは2正面で大規模な戦争をする力はない。中東で軍事力を行使するなら、アジアでは戦略的均衡策にとどめるし、アジアで北朝鮮に軍事力を行使するなら、中東ではミサイル攻撃は控えるであろう。今回のシリア攻撃が中国の習近平主席との首脳会談に向けた圧力なら、これは戦略と呼べるものではない。

トランプは閣僚に戦略家をまず最初に見つけた方がいい。中国覇権主義の封じ込めが戦略的狙いなら中国とEUのユーラシア経済圏構想を断ちきるためロシア・イランへの外交的布石がいる。中国が主敵でなく、ロシア主敵の戦略なら中国とロシア間を外交的に分断しなければならない。アメリカの当面の主敵も明確でないのに、2つの地域で軍事行動を行うのは理解出来ない。トランプは戦略的オンチというしかない。

オバマ政権の失敗はウクライナのクーデターに手を付け、対ロシア経済制裁でロシアを中国の側に追いやったことだ。アメリカが一極支配を延命させるなら、ロシアを地政学的に目覚めさせるべきではなかった。また中国拡張主義とロシアを分断し各個に撃破する戦略を持つべきであった。トランプ政権は「強いアメリカ」を掲げるならまず戦略を打ち出すべきであって、思いつきで軍事行動を行うべきではない。2正面を闘うほどの力は今のアメリカにはないのである。

こんなに杜撰な、戦略もなく、北東アジアを戦乱に巻き込めば、世界は経済的に大恐慌になる可能性がある。北朝鮮は経済力はないが軍事力は大きい。韓国と日本にミサイル攻撃が起きれば世界の安全保障上の危機になりかねない。北朝鮮に軍事的行動を起こすなら、空母機動部隊が4つは集中すべきだ。トランプ政権はまず戦略を定め、そののち戦略的順番を鮮明にすべきで、あちらでも、こちらでも軍事行動を起こす危険を指摘しなければならない。

トランプ米政権が抱える経済戦略上の誤り!

トランプ政権はある意味アメリカの中小の産業ブルジョア階級の願望と、失業したブルーカラー労働者の要望によって成立したと言える。TPPに反対し、北米自由貿易圏に反対する「アメリカ第一主義」は各国の大企業にアメリカに工場を建設することを要求している。トランプにとって仕事をどれだけ増やすかが公約を果たす目標なのだ。

ところがこのトランプ政権の「アメリカ第一主義」の経斉戦略が、アメリカ金融資本のドル支配の仕組みを破壊することになるのである。アメリカはドル発行益を独占し、世界中にドルを垂れ流し、世界一の債務国になったことで、ドイツや日本、中国などの貿易黒字国に米国債(財務省証券)を売り付けて、ドルを還流することで代価もなしに外国の資産を利用できるようになった。その為にはアメリカは自由貿易ルールを堅持しなければならない。

ところがトランプは、この貿易赤字による債務国がいけない、貿易黒字を減らせと同盟国に要求している。つまりトランプは「アメリカ第一主義」でTPPに反対することで米金融資本の世界の貿易黒字国を搾取する仕組みに攻撃を加えているのである。だからトランプは、自由貿易に戻そうという米金融資本のグローバリストの巻き返しに直面している。ピーター・ナバロ国家通商会議議長等のナショナリストは最近は劣勢だと言われている。自由貿易は世界通貨としてのドルを持つアメリカの利益を推進するものなのである。

つまり債務国としての地位はアメリカにとって弱点ではない。米経済学者マイケル・ハドソンは「超帝国主義国家アメリカの内幕」の著書の中で「アメリカの弱みと見えるものが、こうして世界の通貨・金融システムの基礎となった。このシステムをアメリカに不都合な具合に変えれば、アメリカへの融資国の破滅がもたらされるであろう。」と述べている。つまりトランプ政権はTPPに反対することで、このシステムを不都合に変えているのだ。米金融資本がそれを認めるわけがない。

トランプ政権内で金融資本のグローバリストの巻き返しが起きて、トランプは経済戦略を変更することになるであろう、そうでないならトランプはスキャンダルを暴露されて追い落としにかけられる可能性がある。ヨーロッパや中国や日本が経済的破滅を恐れてトランプ政権内の経済戦略が変わることを願望している。米金融資本がトランプ政権の経済戦略の転換に成功しないなら、世界は大経済恐慌になる可能性がある。

トランプ政権の対中政策は分かりにくい?

トランプ大統領が就任してから2カ月の間に不法移民1万1040人が逮捕され本国に送還されていたことが米移民・関税執行局の発表した最新データから明らかになった。トランプ政権になってから不法滞在者が抑留されそのまま送還されるのが急激に増えているという。

アメリカには米国籍の中国系や、永住ビザを持つ中国系が約450万人いるが、これ以外に不法移民が30万人ほどいる。送還された中国移民は2カ月で1867人だと報じられている。不法移民はメキシコやグアテマラ、エルサドバドル、ホンジュラスが4位までをしめ、5位に中国系不法移民が占めている。不法移民追放で中国系を追放するのは米企業がハッキング等の被害を受けていることもあるかもしれない。

3月26日の米右派系ニュースサイトは、米海軍が南シナ海での中国の領有権主張に挑戦するため「航行の自由作戦」の実施をホワイトハウスに要請したが、トランプ政権はそれを認めていないという。その要請が棚上げになっているようだが、その理由は分からない。

報道によれば、トランプ政権の関心は北朝鮮に向けられており、中国への包括的政策が欠如していると指摘している。トランプ政権は南シナ海に気を配る余裕がないというのである。中国政府との貿易交渉があるので「航行の自由作戦」の実施を止めているのかもしれない。

トランプ大統領は選挙中の南シナ海に対する厳しい発言からすると現状のアメリカの対中政策はよくわからない?これは中国にとっては空母6隻の建造の時間かせぎには都合がいい。トランプ政権は軍事力増強の予算の制約があるが、中国政府の大規模な海軍建設には財政上の制約がない。時間は中国に有利であり、アメリカの「米中戦争を起こさず中国を封じ込める」という戦略はオバマの不介入主義とあまり違わないのではないか?と思える。

トランプ政権が、軍事戦略重視ではなく貿易摩擦解消を優先させるところからきた消極姿勢かもしれない。とにかく大統領選での激しい中国批判からは言行が一致していない。

日本に来る中国人観光客は年間423万人(15年)と急増しているが観光ビザで入国した旅行者が失踪し、不法に日本に居座る中国人は年に1万人以上増えづづけていると見られる。この点では日本政府はアメリカに学ぶべきで、中国人の不法滞在者が30万人を超えていると言われる事態は異常で、中国政府の日本侵攻計画と関連している可能性を見ておくべきである。
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