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一転協調的になったトランプの一般教書演説!

トランプ米大統領の一般教書演説は報道では目新しいものはない、と報じられている。しかしこれまでの敵対的な意固地さが消え、協調的な姿勢が目立ち、団結を呼びかけたこと、北朝鮮と中国への姿勢も極めて協調的だ。いかに、その特徴的発言を紹介する。

・いまは市民として、隣人として、愛国者として、私達を結び付ける愛と忠誠心、記憶の紐帯をよみがえらせる時だ。」
・我々は国外の敵を打ち負かすため、国内で団結しなければならない。
・我々は、不一致によって規定されてしまうのか、勇気を持って違いを乗り越えていくのか、選ばなくてはならない。

一般教書演説は時間の多くを国境の壁建設の必要性にさいた。壁建設では妥協は見えないようだ。この問題で妥協ができるときは民主党が譲歩する時だろう。

中国について「中国は何年もの間、我が国の産業を標的にして知的財産を盗み、アメリカの雇用と富を奪ってきた。それはもう終わりだ、中国にはっきり告げた」と言いながら「習近平国家主席を非常に尊敬している」とほめたのは、アメリカと中国が相互依存関係にある中で、貿易問題では妥協を考えているからに違いない。外交では中国を最重点としているのは間違いない。

一般教書演説の特徴から見るとトランプ大統領が再選に向けて国内的に融和路線のスタンスを取ろうとしているのは間違いない。それは「我々は国外の敵を打ち負かすため、国内で団結しなければならない。」との発言に示されている。この再選戦略に対し民主党がどう出るかで最大の対立点の壁建設問題での妥協が成立するのかもしれない。
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レアアースを中国に依存する米の戦略的弱点!

米中の新冷戦がかっての米ソの冷戦と違うのは、アメリカが進めたグローバル化の中で相互依存が進んでいる点だ。中国はアメリカ市場に依存し、アメリカは中国からレアアースと呼ぶジスプロシウムやユウロビイム、イツトリウム等がなければウァジニア級攻撃型原潜も、アレイ・バーク級駆逐艦もF35A戦闘機も生産できないのである。

トランプ政権は国家安全保障戦略で中国とロシアをアメリカに挑戦する「修正主義国家」と指摘して対決姿勢を鮮明にした。「国家防衛戦略」でも中国を「地球規模での優位を確立しアメリカにとって代わる」意図を持つとして批判している。

アメリカの最新の兵器が、レアアースがなければ生産出来ないのに、アメリカ政府には驚くべきことにその対策がなされていないのである。エレン・ロード国防次官は昨年4月講演会で「我が国は驚くべきことに中国に依存しています。つまりレアアースの供給源が中国だけしかないのです。これは早急に解決すべき問題に他なりません」と発言したが、それ以降も対策は何もとられていないのである。アメリカは今でも必要な量のレアアースを市場価格で買えると考えているのだ。

ウァジニア級攻撃型潜水艦一隻には4,17トン、アレイ・バーク級駆逐艦一隻には2,36トン、F35A戦闘機一機には0,2トンのレアアースが使われている。これらのレアアースをアメリカは100%中国に依存しているのだ。レアアースはアメリカにもあるが商業ベースで採算の取れる鉱山や精製設備や、産業基盤はすでに存在しないのである。

もちろん中国もアメリカ市場に輸出しなければ産業を維持できないのであるから、これは戦略的相互依存とも呼ぶべき関係なのである。つまり米中の新冷戦は戦略的相互依存の中で覇権をめぐる闘いが展開されることになる。この点が米ソの冷戦と違う点なのである。だから米中の首脳が話合いで妥協しつつ戦略的対立関係を維持することになる。こうした戦略的対立関係はアメリカが提唱・推進したグローバル化の結果なのである。つまりトランプは「アメリカ第一主義」でグローバル化に反対だが、それでもアメリカは戦略的相互依存から脱することができないのである。これは解決が難しいという意味で、絶対的矛盾とも呼ぶべき矛盾関係である。

トランプ外交はアメリカを危うくする!

「アメリカファースト」をきまじめに実践するトランプ大統領は、同盟関係を損ね、アメリカ国民を分断し、国際的な指導力を損ねているように見える。そんなトランプ大統領をマスコミは「偏狭」「独善」「直情型の組織運営」「専横的」「うそつき」と表現する。

当初、大統領になれば公約に固執しない柔軟性を見せるだろうと、多くの人が期待した。ところが政権発足から2年が過ぎ、政権が安定するどころか、ますます暴走が激しさを増している。政府高官の更迭・退任はとどまらず、3権分立を尊重せず、NATOからの離脱さえ表明しかけてマティス国防長官と対立した。同盟関係は次々希薄となり、アメリカの国際的な権威や指導力はかすむばかりだ。
政府機関の閉鎖で一般教書演説も遅れているのでアメリカの戦略もよくわからない。中国の覇権への野心と闘う方向はわかるが、戦略的位置付けがよくわからない。トランプにも分かっていないように見える。米ソの冷戦と、今回の米中の冷戦の違いは、その勢力圏の市場を中国はアメリカ市場に依存していることだ。つまり相互依存の中で対立戦略的になり、激化していることである。こうした関係の中でアメリカが中国の戦略的覇権と戦う上では自由・民主主義・人権重視という自由主義経済の価値観を前面に出す必要がある。ところがトランプ政権はこの価値観というソフトパワーを軽視しているとしか思えない。

「中国製造2025」が野心的で戦略的技術支配戦略であり、これが応用されると官僚独裁の支配体制が強化され、資本主義の自由・民主主義・人権重視の価値観が、独裁者の支配下で潰されようとしている点にこそ戦略的危険性がある。中国における官僚独裁の脆弱性は自由・民主主義・人権重視の価値観が普及すると、中国共産党は解散に追いつめられる点にある。ところがトランプ政権はこのソフトパワーを軽視し、どちらかと言うと北朝鮮やロシアや中国等独裁国家に話合いのスタンスを取るのが特徴だ。

これではトランプ政権が続けば続くほど、アメリカの覇権と権威が傷つき、独裁国家が覇権を獲得する危険性を拡大することになる。トランプ政権はオバマ前政権の成果を潰すために全力を上げる、その結果アメリカの戦略まで破壊している。TPPから離脱したのがそのよい例だ。アメリカの経済戦略としてのTPPに参加しないことで、中国の「一対一路」の経済戦略を優位にしてしまった。

中国の覇権戦略に対抗するのではなく、オバマ前政権の遺産を潰すためだけに徹するから、結果アメリカの戦略的利益を破壊することになる。ドル支配に基づく米国債本位制の結果である貿易赤字を、トランプは「輸出国は我々から収奪している」という。実際にはドル(紙きれ)で商品を輸入し、貿易黒字国に米国債を売り付ける方が、対価なしに搾取しているのだが、トランプにはそれが見えない。だから貿易戦争でアメリカが対価なしで輸出国を搾取する仕組みを攻撃することになっている。

問題は民主党内の分裂で、トランプの再選が確実視されていることだ。トランプの再選は中国覇権主義に戦略的時間を保障することになり、アメリカの覇権的地位を危機にさらすことになりかねない。トランプ大統領が人の忠告に耳を貸さない性格ゆえに事態は深刻である。日本は同盟国と話し合い、トランプの暴走に歯止めをかけるように働きかけるべきであろう。

政府機関閉鎖が続くアメリカの危機!

中間選挙で野党民主党が下院の多数派となり、連邦予算が通らなくなった。このため昨年末からアメリカ政府の一部閉鎖が続いている。これを「トランプ・シャトダウン」という、これで政府職員80万人が無給生活を続けることとなった。

予算をめぐる対立はメキシコ国境に壁を建設する予算50億ドルをめぐり共和党と民主党が対立しているためだ。政府機関閉鎖のため官公庁や博物館が閉鎖になり、空港職員は無給で働いている。空港ターミナルが閉鎖になる例も出ている。家賃やローンを払えなくなる職員も出始めた。

「トランプ・シャトダウン」は過去の政府機関閉鎖の最長期間を更新し続けている。ワシントン・ポストの調べでは、トランプ支持者の3分の2が壁の建設を最優先事項にすることに賛成している。したがって最大の公約である国境の壁建設の予算がえられなかったらトランプ政権は終わりで、2年後の大統領選挙を前にトランプ大統領は支持者を絶対に裏切れない事になっている。

この壁建設の予算をめぐり民主党幹部と交渉が続いているが合意の兆しはない。トランプ大統領は予算を得られるまで「数ヶ月でも数年でも政府機関を閉鎖する」という脅し発言までしている。政府職員は給料の支払いがストップし、生活が困窮し、寄付金を募る職員まで出ているという。

深刻なのは政府機関が長期に閉鎖されるとアメリカのサイバーセキリテイ対策が放置されることだ。人員が最小限になっているため、ハッカーが付け入る隙が増えているという。サイトのメンテナンスも障害が出ているという。サイバー攻撃の脅威が政府の閉鎖で増大している。

このままでは重大なデータ流出事件が起き、トランプ大統領が非常事態宣言を出して強行突破する可能性も出ている。アメリカの政府機関(安全保障関連以外)が閉鎖され、アメリカ政府が機能閉鎖状態なっているのだからこれは深刻な対立だ。ふつう議会は階級対立や利害対立を調整し、妥協する役割なのだが、トランプの政策が極端なので妥協ができにくくなっている。メキシコ国境の壁建設はトランプ政権の命運を決するほどの公約なので事態は長期化が避けられない。「トランプ・シャトダウン」の長期化がトランプ政権にとってプラスに作用するのか、マイナスに作用するのか分からないことが事態の深刻さを拡大している。アメリカ社会の分断が妥協を難しくしているのである。

今日にも2回目の米朝首脳会談発表か!

北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長が、金正恩(キム・ジョンウン)委員長とトランプ大統領との2回目の首脳会談について、ワシントンでアメリカ側と会談し、今日にも2回目の首脳会談が決まると報じられている。2回目の会談場所はベトナムのダナンと見られ、会談時期は3月~4月となると報道されている。

金英哲氏とポンペイオ米国務長との会談で、再首脳会談の細目が決まると見られる。ぺンス米副大統領は16日に各国大使の前で演説し、北朝鮮との非核化に向けて「核兵器を解体する具体的な措置を取るのを待っている状態だ」と述べ、また2度目の首脳会談ではすべての核兵器・弾道ミサイルや核関連施設を検証可能な形で申告させる形で合意することが必要になる、との見通しを語っている。

金正恩委員長は先に中国を訪問し、中国側と交渉した上で、今回の2回目のアメリカとの首脳会談の前交渉となった。中国側はアメリカとの貿易戦争を妥協する方向なので、北朝鮮は核廃絶の具体化に向けた譲歩を余儀なくされる可能性が出てきている。

北朝鮮が当初もくろんだ米中を手玉にとり、双方から利益を得る方針は、米中の覇権争いが激化して、北朝鮮問題が中国側のカードになったため、思うように運ばなくなった。国連制裁下で韓国からの人道援助と中国側からの人道援助が満足いくものであれば引き続き引き延ばし策をとる可能性もあるが、韓国からの金剛山観光再開や、開城工業団地の再開も、アメリカの圧力でうまく行かず、北朝鮮は経済的に追いつめられている。

南北交流を掲げる文在寅の韓国が、北朝鮮に対し物資支援の瀬取り等で支援したものの、アメリカの信頼を失い文政権は支持率が急低下し窮地に陥っている。文在寅政権の支持率回復策は、全ての日韓合意を反故にして、日本を挑発し、反日で支持率回復につなげようとの画策は今のところ成功していない。北朝鮮と韓国に共通するのは、外交に誠実さがなく、人だましの欺瞞が外交と心得ていることだ。今回の2回目の米朝交渉がまたも欺瞞で終わるようだと、北朝鮮も韓国も経済的破綻を招く可能性がある。

米中の覇権争いが激化しているため半島の南北が統一することは不可能で、北朝鮮を緩衝地帯とすることで米中が合意する可能性が強いので、金正恩委員長の韓国取り込みは成功しないであろう。
現在、在日米軍は厳しい軍事訓練を行っており、今回の首脳会談が成功しなければ北朝鮮はアメリカの軍事攻撃を受ける可能性もありえる。アメリカが北朝鮮の望む核廃絶の各段階で見返りの援助を与える可能性は低く、北朝鮮の選択の余地は狭まっている。
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