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米大統領選前の米日韓の軍事同盟の意義は不透明!


バイデン米大統領は18日、岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領をワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドに迎え「歴史的な場所で、歴史的な瞬間を迎えるため、われわれは会談した」と記者会見で語った。

首相も会談後の会見で成果の第一に安保協力を挙げ「歴史を切り開くもの」と表現し、共同記者会見で「今、日米韓3カ国の戦略的連携の潜在性を開花させることは必然であり、時代の要請だ」と強調した。

この米日韓の首脳会談は、中国の構造的経済危機が深化し、習近平体制が危機にある中で、内的危機の深化を原因とする、外への軍事侵攻が可能性を強めている中で、明らかに対中国封じ込め戦略を前提にしたものであり、北朝鮮への対応は副次的とみていい。

アメリカは、資本主義の不均等不均等発展の法則の結果、世界で、相対的にアメリカの経済支配力が減退している中で、同盟国の力をアメリカの戦略に利用することが、アメリカの覇権維持で避けられなくなっている。

岸田首相は、高まる中国の軍事的脅威の下で、アメリカの戦略にすり寄ることで安全保障を図る考えのようであるが、それは下手をするとウクライナのようにアメリカの戦略の「捨て駒」にされる危険があり、それは韓国も同様である。米日韓の軍事同盟が今後具体的にどこまで実践されるかを見なければ、この同盟の先行きは不透明なのである。

今後の焦点は、米日韓の軍事同盟に対する中国の反撃が、どのような経済的揺さぶり・制裁となるかを見なければならない。とりわけ重要なことは、来年、アメリカ大統領選を控えていることだ。再選を目指すバイデン大統領には、外国に金を使うことに反対する共和党のトランプという強敵がいる。大統領が変われば米日韓の軍事同盟の方針もガラリと変わるのがアメリカなのだ。

欧州で領土をめぐる戦争がはじまり、アジアで軍事侵攻の可能性が高まり、第二次世界大戦の図式が再現しつつある中では、軍事同盟や・協定は気休めにも似た空虚なものであり、重要なのは日本の防衛力を強化して、他国の軍事侵攻を招かないだけの防衛力を持つことである。こうした備えを背景に、日本は外交での自立が可能になる。

ウクライナのようにアメリカの戦略のためだけの使い捨てにされないために、必要なのは、自立した防衛力強化が何よりも重要で、それがあって初めて自立外交が可能になる。岸田首相の不用意なウクライナ支持表明で、日本は核保有国の3正面の敵を持つようになった。

この核抑止のためには、いつでも核保有できるだけの下準備をしておくほかない。核兵器は持たない相手には使える兵器であり、日本の国民の中のひときわ強い核アレルギーが、第2の広島・長崎を生む可能性がある以上、核保有せず、核抑止を図るほかないことを指摘しておく。ゆえに米大統領選前の米日韓の軍事同盟の意義は不透明というしかない。
#米日韓軍事同盟
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防衛費倍増は日本の防衛力強化にはならない!

岸田政権の進める「5年で43兆円」の防衛費2倍化は、国内総生産の2%になるが、これが日本の防衛費の強化にはなりそうもないというのである。

なぜか?その理由は二つある。一つはゼロ金利を続けたため、円安になったことからドル建てのアメリカ製兵器の購入は非常に高いものになる。

二つは、ウクライナ戦争でアメリカの軍需産業がフル生産だが、生産ラインの拡張には慎重であるため、たとえ金を支払っても、アメリカ政府の対外有償軍事援助(FМS)は「前払いのある時渡し」なので、いつ納入されるかわからないというのである。

さらに言えば防衛費には「後年度負担」の仕組みがある。2023年度に契約が行われ、24年以降にい払われる「新規後年度負担」は7兆676億円の上り、この金額は23年度の防衛予算よりも多い。つまり財政の硬直化という問題もある。

FМS方式はアメリカ側の言い値で前払いとなる。しかも価格が交渉時よりも高くなることが多い、しかも納入がアメリカ側の都合で非常に遅れる。納入されたときには装備品が旧式となり、アメリカでは最新型が配備された後になることも多い。現在はアメリカ製兵器はウクライナ向けが優先される。日本への納入は後回しになるのは確実なのである。

岸田首相が反撃能力として、アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」400発の購入を明らかにしたが、今や「トマホーク」は中古で、「抑止力としては中途半端」というのが自衛隊関係者の判断だという。つまり米軍がもてあまし、ウクライナに売ろうとしたが射程距離が長く、ロシア内陸部に届くので、戦争の拡大になるというので、売ることができなかったのが、日本に回ってきたものである。

つまり岸田政権が決めた防衛費の倍増は、中身がアメリカによる日本の国家予算の分捕りであり、自衛隊の防衛力強化にはなりそうもないのである。自衛隊の弾薬は1週間分しかないと言われており、必要なのは自衛隊員の給料を上げて、欠員を補充することであり、各種弾薬の備蓄や、防空壕の建設、日本製の対艦ミサイルや対空ミサイルの備蓄なのであるが、従属政治家である岸田首相は、アメリカへの配慮しかない。

しかも、やりきれないのは、防衛費2倍化の財源が増税になることだ。岸田首相の気前のよいバラマキは財務省の増税路線の布石でしかない。今増税すれば国民経済の内需がさらに縮小再生産のサイクルになる。つまりデフレが続くことになる。これは亡国路線としか言いようがない。
#日本の国家予算の分捕り #防衛費2倍化

政治的不安定が独裁国家の侵攻を呼ぶ危険!

国際情勢の特徴は、一方の先進民主主義国、すなわち欧米や日本の政治的不安定があり、他方の中国・ロシアなどの独裁国家の支配の強化を特徴としている。コロナ禍からの経済再建の中でのウクライナ戦争、並びに0PECプラスの石油カルテルで、世界中が物価の高騰で政治的激変を迎えている。

アメリカはラストベルト地帯(錆びた工業地帯)の労働者がいまや共和党の基盤となり、アメリカは分裂と対立をさらに深めている。イギリスはEU離脱に伴う経済危機で首相が就任早々辞任に追い込まれ。フランスは極右が伸長している。日本は一強政治家が暗殺され、その後も旧統一教会問題で政治的動揺が続いている。

今、世界中で独裁国家が増えており、とりわけ中国の習近平ファシスト政権は党大会で反対派を一掃して、さらに個人独裁体制を固めた。ロシアは資源出国であり、西側の経済制裁は効果を制限されている。中国・ロシア・イラン・北朝鮮の独裁連合は政治的揺らぎを見せていない。

さらに心配なのは欧米諸国の金利上げ競争で世界経済が同時不況に突入する危険が増していることだ。各国ともコロナ禍でのインフレ政策のつけが回り、その上に諸物価の高騰で世界中の人々が生活苦に直面し、それが政治危機に発展する可能性があり、戦争の火種が世界中に生まれている。(現状の諸物価の上昇はウクライナ戦争が原因ではなく、各国の金融緩和のインフレ政策の結果である。)

西側諸国の政治的揺らぎ、経済的危機は、世界の覇権をうかがう中国の習近平政権には台湾進攻の絶対的好機と見える。欧州はウクライナとエネルギー危機で政治的危機であり、アメリカは分断と対立を深めている。アメリカの中間選挙の結果次第では、中国の台湾進攻が年末から年明けにもありうるかもしれない。

第二次世界大戦が、イギリスのチェンバレン首相の融和政策が、ヒトラーの軍事的暴走を促したように、先進民主主義国の政治的揺らぎと経済的危機が独裁国家の軍事的暴走を促す危険を指摘しなければならない。

岸田政権がアメリカにトマホーク巡航ミサイルの購入を打診したのは、こうした緊迫した国際情勢を認識した結果であるが、日本が敵基地への攻撃兵器を持っていないこと、いわば政府の専守防衛の危険が、今ほど切迫している時はない。ウクライナの経験を生かすには兵器は自国で生産しておかねば、窮迫した状況では国土と国民を守れないことを指摘しなければならない。
#窮迫した世界情勢

中国の強軍路線で日本の位置づけが変わった!

中国の王毅の外相は7日、北京で開いた記者会見で、アメリカのインド太平洋戦略について「(アジア地域で)北大西洋条約機構(NATO)を構築しようとするものだ」と述べ,米中対立の下、国際社会のブロック化が進むなか、日本には「他人のために火中の栗を拾うべきではない」と、アメリカと距離を置くよう求めた。アメリカが「中国の核心な利益を絶えず攻撃している」として、「中国は主権国家として断固、自身の正当な利益を守る」と反発した。

中国は世界覇権をうかがい始めて以後、日本への戦略的対応を変えている。以前は、日本軍国主義復活を警戒して、アメリカに日本を押さえさせるという、日本の従属支配を容認していた。最近は日本がアメリカの世界支配を補完することを怖れて、対米自立を容認するスタンスを取り始めている。これはアメリカが将来対中国封じ込めに移行することを計算し、日本をアメリカから分断する方向に転換したことを示している。つまり世界の多極化によるブロック化は、日本の戦略的価値を高めているということだ。

とりわけ安倍政権以来、日本政府がアジア・インド洋戦略として米豪日印のクワッドをアジア版の軍事同盟として推し進めていることを、習近平ファシスト政権はとりわけ警戒している。王毅外相が、日本に対し「他人のために火中の栗を拾うべきではない」と警告したのは、日本がアメリカのために、中国封じ込めのアジア版NATO形成を狙っていると警戒しているのである。

中国が日米関係を分断する戦略に変えたということは、アメリカとの覇権争奪を考慮したことを表している。これに対し、アメリカがウクライナ問題で明らかとなったように、中国を孤立させるのではなく、ロシアを中国の側に追いやる戦略をとっていることと対照的なことであり、バイデンの戦略観点の無さは、アメリカの同盟国の不安を増大させている。

バイデン政権は、習近平政権の外需と内需の「双循環政策」を、自己の利益を獲得するチャンスとばかり、アメリカ金融資本が現在対中国投資を急増させている。バイデンの対中国戦略は、先端産業での競争のみであり、とても覇権戦略といえるものではない。トランプ前大統領が「バイデンは中国に買収されている」と言っていたことが事実に思えてくる。

こうしたバイデン政権の思惑と違い、習近平政権の「双循環政策」は成功しそうもない。中国の内陸部はその多くが自給自足経済であり、内需を拡大するには農作物の価格を権力的価値規定で、高く設定するほかない。しかしそれをやれば、中国企業の国際競争力は失われて行かざるを得ない。すなわち輸出(外需)と内需の「双循環」は成り立たず、反比例するのである。しかも生産手段が国有の中国では価値法則が貫徹ぜず、権力的価値規定で農作物の高価格政策は、都市部の労働者の生活を苦しくし、階級矛盾を拡大することになる。労働者へ賃上げを行えば競争力は失われていく。外資が逃避することは避けられない。

バイデン政権の対中国投資の増大は、まるで敵に塩を送る政策に等しく、習近平ファシスト政権に軍事強国建設の時間的余裕を与えることにしかならないであろう。まさにバイデンはかってのチェンバレンのヒトラーへの融和政策を繰り返しているのである。中国の側から見ればアメリカの矛先を中国ではなくロシアに向けることに成功したのである。

日本政府はドイツのように国防費を2倍以上にするか、もしくは核兵器保有に進むか選択の時が来ている。核兵器は保有していない国には今も使える兵器なのである。通常兵器で国防を強化するとなると5兆円の現行防衛費を10兆円以上に増やす必要がある。しかし核保有なら1兆円で足りる。国際情勢の多極化と軍事力による国境線変更の時代を迎え、日本の核保有表明の時が来たといえる。
#中国強軍路線

日本の防衛戦略を根本的に議論せよ!

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は22日、国連総会の一般討論演説で、休戦状態にある朝鮮戦争の「終戦宣言」を改めて訴えた。文氏は南北と米の3者、もしくは南北と米中の4者が終戦宣言をすれば「非核化の不可逆的進展と共に、完全な平和が始まると信じている」と語ったが、北朝鮮が核放棄する保証は何もない。

 米国務省高官は21日、記者団に対し、米国と日本、韓国による外相会談を22日にニューヨークで開くと明らかにした。今回、ミサイル発射を相次いで行った北朝鮮をめぐって協議する。

 今回の、北朝鮮の巡航ミサイルと列車ミサイルが、それぞれ複雑な軌道を飛翔したことから、日米のミサイル防衛はもはや役に立たなくなっている。また中国の高速中距離ミサイルの大量配備や尖閣諸島での軍事挑発もあり、日本の防衛は危機に瀕している。

 米英豪は新たな安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設し、オーストラリアへの原潜導入に技術協力することとなった。つまりオーストラリアは凶暴な中国外交に対処するために核装備の準備を始めたということだ。

 アメリカは中東産油国以外から駐留米軍を撤兵する方向であり、日本は独自の戦略兵器を装備しなければ防衛できない時代が来つつある。一番安上がりなのが核装備だが、日本には核アレルギーがあり、また強固な観念的平和主義思想があり、国防議論でこれらを克服するときが来ていることを指摘しなければならない。

 本当に危険なのは奴隷制国家の北朝鮮ではなく、習近平ファシスト政権の「海洋強国」路線の中国である。日本の周辺国(中国・ロシア・北朝鮮・韓国)のすべてが反日だ。しかもアメリカがアフガニスタンの小国でさえ守れないぐらい頼りにならない存在となっている。

 日本には独自の国防戦略が必要な時期であり、それは対米自立を基礎に打ち立てるべき戦略である。いつまでも他力本願の国防戦略ではアフガン政府の様に見捨てられることになる。日本は自立の時が来ているのである。核兵器は相手が所有していないときにのみ使える兵器である。核廃絶のためには日本は核ミサイルを所持しなければならないのである。いつまでもタブー視して論議を封じ込めるのはよくない。
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