対米従属では北方領土は返還されない!

安倍首相とプーチンロシア大統領の首脳会談が行われた。その交渉の中身は期待はずれとも言うべき内容だ。日本側の経済協力は8項目の経済協力プラン、60件余りの合意文書、総額3000億円の日本側の経済協力だが、北方4島での特別な制度の下で実施する共同経済活動と、北方領土への元島民の自由な往来ができるような調整を進める、などで成果は乏しい。

ロシア側が欲しかった肥料プラント工場やスベルバンク向け輸出バンクローンの案件は、対ロシア経済制裁の関係で日ロ交渉から除外された。ロシア側は日本の制裁からの脱退を求めている。この点はアメリカの次期大統領のトランプが対ロシア経済制裁をやめる可能性が出ているので、案外早く解決するかもしれない。

重要なことは日米の安全保障条約があり、北方領土を返したら米軍基地ができる可能性があればロシアは北方領土の返還は出来ないということだ。4島の返還には日本がアメリカから自立しないと難しいと言うことである。この点については我々が主張してきた、対米自立なしに北方領土の解決は出来ない、と言うことの正しさが証明された形である。

トランプ次期大統領が、「我々は日本が攻撃されたら守るが、アメリカが攻撃されたら日本はアメリカを守らない。」と言って対等の日米同盟を求めているので、トランプの考えが変わらなければ解決できるかもしれないが、しかし鳩山政権時の「対等の日米同盟」の路線が、アメリカの強い反発を受けた経過から見て、トランプといえども日米の従属同盟を改変することはないと見るべきであろう。

安倍政権はこのままならロシアに経済協力を喰い逃げされる可能性が強い。どうしても対米自立がなければ北方領土4島の返還と平和条約の締結は難しいのである。アメリカが保護貿易主義で内向きを強めている今が対米自立を明らかにする好機と言うべきだ。安倍首相は対米従属一遍倒を改めるべき時である。中国覇権主義の危険性が現実化しているのでロシアを引きつけ、2正面の侵略を回避する意味としても、今回の合意はあまりにも軽すぎる。日本の対ロシア外交の転換を印象づけるには成果が少ないと言うべきだ。
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右翼ばねと「反日」バネの共演も終わりか?

日本の右翼政治家が教科書の改悪や靖国参拝等で韓国を挑発すると、韓国の政治家が「反日」で竹島を訪問したり、でっち上げの性奴隷説を海外で吹聴する。これに反発した日本の世論が右傾化し自民党は右翼バネで右翼政権が生まれた。韓国では政治家が「反日」をやればやるほど支持率がアップするのである。

右翼バネと反日バネの共演である。これはある種の相互依存関係なのかもしれないが、両国国民の嫌悪感だけが高まる構図が続いてきた。日本では嫌韓が高まるばかりで在日の人達にその付けが回る。韓国では無能政治家が反日で支持率を稼いだが国内で安全がないがしろにされ、経済は破たん状態となった。双方の政治家は支持率がアップしたが両国関係は最悪状態で「恨みを1000年忘れない」政治家まで出てきた。

この韓日関係に中国が悪乗りし、「反日」統一戦線で韓国にすり寄り、一時米日韓軍事同盟は崩壊状態となった。これを打ち砕いたのは北朝鮮の核開発とミサイル開発だ。中国の影響力で南北統一を夢見た韓国の政治家の夢は破れ、中国は北も南も失う結果となった。

アメリカの仲裁で慰安婦問題を10億円で和解したが、自らが宣伝した反日の影響で今度は韓国大統領が選挙で敗北し、ピンチになった。安倍首相のアベノミクスも中国経済の崩壊などで破綻が明確となり、参院選をダブル選で憲法改悪を企んだのだが、今や人気は下り坂となった。

右翼バネと「反日」バネは日本と韓国の政治家にとっては支持率アップの「打ち出の小槌」であったのだが、皮肉にも双方の関係改善の握手が、自らの政治生命にはマイナスに作用した。選挙に敗北したパク・クネと大地震が経済悪化に拍車をかける安倍には、天の懲罰が下されたように見える。

三流政治家が、国民への思いやりではなく、右翼バネと「反日」バネで欺瞞的な支持率を稼いでも、それは一時的なものにならざるを得ないのである。国家100年の大計のない三流政治家の政治が終わりに近づきつつある。

ロシアとの平和条約締結の好機が来た!


戦後70年以上たっても平和条約すら締結できない日本とロシアの異常な関係を一気に打破する好機が訪れている。これまでの対ロシア関係を阻んでいたのは主にアメリカ政府が反対してきたことであった。またウクライナ問題で欧米が対ロシア制裁を科していることもある。

しかし、アメリカは大統領選で政治空白に有ること、オバマはプーチン大統領の訪日に反対しているが、現在はレイムダック化している。また幸いなことに現在のアメリカの有力大統領候補は皆内向き、孤立主義であり、日本を収奪の対象と見ている。つまり客観的にはアメリカは日本の自立を促しているのである。

また欧州連合(EU)外相会議は近く対ロシア外交を転換することを決めた。ロシアとの限定的な対話を再開する新外交方針は、ウクライナでの停戦維持を求めながら、同時にロシアの孤立化を防ぐとの名目で対話を進めることを14日の外相会議で合意する。

つまり安倍首相が北方領土を引き分けで解決し、日ロ平和友好条約締結の好機が訪れている。日ロ関係を改善しょうとした鈴木宗雄氏はアメリカの反対に合って潰されたが、今はその時とは情勢が好転している。なりより世界経済が中国経済の危機で貿易が縮小する局面がある。この状況下でウクライナの停戦が実現している中で、対ロシア貿易を推進することは世界経済からも意義がある。欧州の後塵を拝してはいけない。

シベリアには資源があり、日本がエネルギーを依存している中東は今戦乱の坩堝に有る。ロシアへのエネルギー代金は、日本の工業製品の支払い能力ある市場となる。日本とロシアには相互に経済的に相手を必要としている。日本には有り余る資金が有り、先進技術があり、ロシアがそれを必要としている。日本はシベリアの資源が必要であり、新しい工業製品の市場が必要だ。

戦略的に見ても近い将来、中国社会帝国主義の侵略の矛先を受けることになる日本は、2正面を回避するためロシアを経済的・政治的に取り込む必要がある。戦前の日ソ不可侵条約が失敗したのは経済的相互依存関係の形成がなかったからであることを忘れてはいけない。既にアメリカが「同盟国の争いに巻き込まれたくない」(オバマ)と語っているのであるから、日本は自立し外交で安全保障を担保しなければならない立場にある。

北方領土はプーチンの言う「引き分け」でいい、ロシア市場を手に入れる方が日本経済にとっては起死回生の策になる。欧米も反対しにくい政治環境がある今がチャンスで、安倍首相が訪ロするか、プーチン大統領を日本に招待して、一気に北方領土問題を解決し、ロシアとの平和友好条約を締結すべきである。戦後70年もたって北の大国ロシアとの友好条約さえ結べない、アメリカの従属外交ではいけない。日本は自立して、自分の力で自国を防衛するためには隣国との平和・外交関係を前進させる以外ないのである。安倍首相は歴史に名を残す決断の時である。

日本の戦略外交を見直す時が来た!

アメリカの経済的疲弊は内向きの大統領候補ばかりの争いとなった。しかも人民の格差社会批判を反映して非主流候補が人民の支持を得る状況にある。有力な大統領候補達はヒラリーにしてもトランプにしても日本を搾取する対象としてしか見ていない。つまりオバマ政権が終わってもアメリカの内向きは続くということだ。

特にアジアにおいては中国と北朝鮮が軍事力をやりたいように拡大し、核兵器を持たない日本と韓国を核恫喝している。中国の南シナ海の軍事拠点化は東南アジア各国の従属国家化を進める戦略的布石である。アジアの覇権をめぐって中国がアメリカにとって代わり主導権を握るのは確実となった。

特に中国覇権主義は正式空母を4隻の建造を進めており、これが就役する時にアジアの軍事的主導権は中国の手に移行することになる。オバマの非介入主義は最悪でウクライナにクーデターで介入し、ロシアの大国主義を目覚めさせ、対ロシア制裁で中国の側に追いやった政策は歴史的に見るとヒトラーの西への拡張を容認したチェンバレン英首相(当時)の役回りを演じている。

日本は経済危機で凶暴化した中国覇権主義とアメリカの当てにならない非介入主義の下で独力で対決しなければならなくなり、しかも対ロ・対中の2正面では亡国の危機を迎えることになる。こうした日本の戦略的劣勢を回復する外交が今必要な時である。

幸いと言えば語弊があるがロシアは原油価格が暴落して、欧米の経済制裁もあって経済危機の最中にある。今ならプーチンもシベリア開発の資金と技術と引き換えに北方領土も「引き分け」で解決できる。ロシアとの間で経済的相互依存関係を強めれば、日本は資源を得られるだけでなく、支払い能力のある工業市場を獲得できる。何よりも中国を孤立化できる。

アメリカとの同盟を維持するかどうかは相手があることであるが、対等の同盟関係を保つには日本が軍事力を強化してトランプが要求しているように相互に守り合える力を保持しなければならない。しかし日本は専守防衛を守るのでこれは不可能だ。アメリカを当てにしないでも単独で自国を守るために日本の核装備は避けられない。北東アジアで中国・北朝鮮・ロシアが核保有国であり、日本と韓国だけ非核というのは国防上有り得ない。それでも非核を言う人間は3回目の被爆都市を生む無責任な主張をしているのである。つまり核を持たない相手には核を使用できるということだ。

アジアにおける戦略関係の激変の中で、日本は戦略外交の転換を迫られているのである。つまり対米自立が不可欠な事態なのである。安倍首相は対ロシア外交を大胆に転換せよ!

2016年版「ミリタリー・バランス」と日本の戦略!

イギリスのシンクタンク国際戦略研究所(IISS)は9日、世界の軍事情勢を分析した報告書「ミリタリーバランス2016」を発表した。
その特徴は(1)中ロの軍事のハイテク化が進み、西側の優位性が減退する恐れがあること(2)アジアで国防費の増加が著しく、去年総額で41兆円に達したこと(3)中国の軍事費がアメリカの4分の1にまで増大し、アジア全体の軍事費の41%を占めたこと、である。

アメリカは今でも対ロシア主敵だが、日本は中国の脅威を第1に対処しなければならない。中国が国内的危機を持っているから脅威ではないかの主張が一部にあるが、それは間違いである。確かに中国経済はバブル崩壊しつつあり、また幹部の腐敗も底なしで、民族の自決権をめぐる対立も激化している。また中国走資派指導部内の権力・利権争いも激化している。

しかし中国の戦略的視点で重要なことは、内的脆弱性が外的凶暴性を促すという点にある。習近平政権は未だ軍権を掌握しておらず、腐敗幹部の摘発(=トラ狩り)で内部対立を激化させている。重要なことは中国大衆が幹部の腐敗に反発しており、政権批判の動乱につながる危険が高まり、これを回避するために現指導部が「反日」を煽り、対日戦争で国内的求心力を保とうとする可能性が高いことである。

日本はアメリカとの支配・従属同盟を結んでいるが、アメリカのオバマ政権は「同盟国の争いに巻き込まれたくない」との態度であるので、アメリカ軍は日本の防衛に当てにならないことである。そこで重要となるのが外交でロシア・インドを引き寄せ、経済的相互依存関係を深め、これら2国を中国から引きはがすことが戦略的に重要となる。つまり日本の安全保障上の外交で重要なのは日米関係ではなく、対ロシア関係が最も重要だということである。

アメリカの現在闘われている大統領選を見ても、アメリカ国民は格差是正を求めており、財政危機の中でアメリカは中国の軍拡に対抗する力を持たないのである。従って日本は中国とロシアとの2正面を回避しなければならない。これが日本の戦略の中心課題となる。第2に重要なことはアメリカの覇権に中国が挑戦している以上、将来アメリカと中国の軍事的衝突は避けられないことである。この戦争に日本が巻き込まれない為には、日本が対米自立する事がカギとなる。

日本が対米自立するためには、小さくとも強力な軍事力を保持しなければならない。少なくとも中国やロシアの軍のハイテク化に遅れを取らないことが自立の必要条件となる。もう一つ重要なことは中国が「社会主義」の看板をかけているため日本国内に「親中国派」が形成されていることだ。中国が危険なのは「社会主義」を掲げた帝国主義であることだ。既に官僚独裁の社会帝国主義に成長転化している危険を認識の上で鮮明にする事が重要なことである。

中国が軍事力を急速に増強しているからと戦略配置もせず、軍拡競争に巻き込まれる危険を指摘しなければならない。重要なのは外交的戦略的配置である。
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