日本の対外純資産は世界一!

新聞を切り抜いていて、各紙が掲載している日本の政府や企業、個人の対外資産が1012兆円になった、との記事が目にとまった。対外資産とは企業の企業買収や工場建設等の直接投資、米国債買収、租税回避地(タックスヘイブン)への資産隠しなどの合計である。

一方海外の政府や企業や個人が日本国内で保有する資産(対外負債)は683兆9840億円で、その結果資産から負債を差し引いた日本の「対外純資産」は328兆4470億円となり27年連続で世界1位となった。2位はドイツの261兆円、3位は中国の205兆円となった。

この数字が示すものは、国内では労働者の賃金が、非正規化と奴隷労働化等で平均して5万円も下がっているが、大金持ちは5年間で資産を2,4倍に増やした事と重ねると、内に搾取・収奪を強め、外に経済侵略と資産隠しを行い、日本の金持ちと企業が世界最大の利潤を手に入れている、ということだ。

とりわけアベノミクスで、年金資金を株式市場に投入し、株価を意図的に吊り上げ、国債の日銀引き受けで資金を大量に流し込んで投機を促していることだ。何れ株価が暴落すれば労働者の年金資金が消えてしまうので、これは明らかな労働者・人民への収奪政策なのだ。

こんな金持ち大企業においしい政策がいつまでも続くわけがない。アベノミクスの破綻は目前といってよい。安倍政権の政治権力の私的利用は限りがなく、森友・加計問題が示しているのは自民党政権の政治権力の腐敗であり、このことが労働者の勤労意欲を奪い、国民の政治不信を高めているのだ。政治家は自らの退陣で政治不信を一掃する勇気を持つべきで、日本国が世界一の債権国だと言っても、日本の国民は急速に貧困化しているのであるから、その政治責任が問われるべき時なのかもしれない。
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国内総生産(GDP)速報値マイナスの理由!

内閣府が16日に発表した2018年1月から3月期のGDPが年率換算で0,6減となり、9四半期ぶりのマイナス成長となった。これは賃金上昇が緩慢であること、設備投資がマイナスとなったことが影響している。

アベノミクスは円安で企業の輸出は好調で、しかも外国投資家の株売却に年金資金で株価を買い支える作戦でこれまで成功してきたが、年金が若い世代には破たんが予測され、このため消費よりも老後に備える傾向が強く、しかも「働き方改革」で残業代ゼロ法案の成立を企むことや、非正規化で賃金が伸び悩み、個人消費がマイナス0,6となったことから、アベノミクスも破綻の兆しが表れ始めたと言える。

アベノミクスの弱点は政府の政策が、個人資本家の目先の利益のみ追求し、国民経済を成長させる視点に欠けることが最大の弱点である。最低賃金を大幅に上げて企業の省力投資を促すような政策誘導が必要なのであるが、労働者の賃金を上げる政策は安倍首相には望むべくもない。

安倍首相のやっている「改革」とは、残業代ゼロ法案や裁量労働制の拡大に表れているように絶対的剰余価値の獲得ばかりに経営者の視点を向けている点に経済学的な間違いがある。必要なのは省力化投資に火を付ける政策誘導(最低賃金の大幅上げによる消費拡大)であるのに、安倍政権の政策は個別資本家の目先の利益しか見ていない。したがって個人消費がマイナスとなり、日本経済の生産性の向上のための設備投資に経営者の関心が向けられないことが問題なのである。

日銀が多額の国債を引き受けて投機資金を供給し、公共事業を増やしても経済成長は限界だ。国債とは税金の先取り請求権であり、子供や孫の世代の税金を先に使い果たすアベノミクスは、まさに「われなき後に洪水は来たれ」という無責任な世界観の表れの政策であり、いつまでも続けられるわけがなく、今回、国内総生産(GDP)速報値がマイナスになったのは、アベノミクスの破たんが避けられないことの表れなのである。。

企業の不正続発は強欲追求の帰結だ!

神鋼や日産自動車、東レなどの日本の大企業の不正続発を「日本の勤労倫理がおかしくなっている」とか「国民性の問題だ」とか論議されているが、いずれも誤っている。日本企業はリストラ経営を行って以後技術や技能の継承が巧く行っていないこと、したがって製品の品質が落ちており、これが検査データの改ざんにつながっている。また利益第一の体質が規則をないがしろにする原因で、検査の資格がない社員が検査することを長く見逃してきたのである。

以前は社内の不正に対し労働組合が問題点を指摘していたが、「労組の家畜化」によって、社内で問題点を指摘する組織・人間が不在となっている。冷戦終了後の強欲の資本主義は、企業を利益第一に駆り立てて、政治を動員して労働分野の規制緩和を行い、リストラと非正規化と長時間労働で、利益第一を追求し過ぎた。この結果日本経済は賃金部分の縮小を招き、個人消費の縮小でデフレ経済を招いた。資本主義は強欲過ぎると国民経済を縮小させるのである。資本主義の成長にはほどほどの分配が不可欠なのである。

この非正規化と長時間労働による利益第一主義は経済学的に説明すると、日本資本主義を絶対的剰余価値の追求のみに偏向させ、設備投資による相対的剰余価値の追求を放棄する間違った企業統治へと促すことになった。資本主義の拡大再生産のサイクルには、継続的な賃上げによる個人消費の継続的拡大が不可欠で、現在の日本経済の停滞は、いわば消費不況なのである。日本経済の戦後の経済復興が戦後の「労働改革」で示された強い労組が賃上げを導き、結果高度経済成長に果たす起動力となったことを思い起こすべきである。

物事は矛盾があるから成長する。資本主義は資本家と労働者が矛盾関係を形成しているから成長する。労組の家畜化で矛盾を解消し、利潤増大を追求したのが間違いで、それが資本主義の適正な分配を破壊し、結果日本は縮小再生産のサイクルにハマったのである。資本主義の強欲病が全ての根源であり、日本企業の社員の多様性を認めないリストラが、社員間に保身第一をはびこらせた。言わば多様性を失った事が日本企業の不正続発・国民経済の縮小となっていると知るべきであろう。

冷戦後の先進国の高利潤体質への転向が、先進国のデフレ化を促したのである。ソ連や中国の社会主義の崩壊が今日の資本主義の危機を招いたのであるから皮肉というしかない。

アベノミクスはバブル崩壊を招く!

インフレ目標2%達成を掲げ、日銀が国債を引き受けてマネーサプライを拡大し続けるというアベノミクスはどう考えても間違いで無茶だ。デフレ対策がインフレ政策だというのだからアホというしかない。

労働分野の規制緩和で非正規化と外国人労働力導入で実質賃金が下がり続け、個人消費が増えない、しかも海外の原油や鉱物などの資源価格が需要減で下がっているのだから、インフレになるわけがない。

外国人観光客が増えて日本は今ホテル建設がブームだし、復興需要とオリンピック関連施設建設で景気がいい、だから土地投機や株の投機が起きている。年金資金で株を買うのだから株価が上がると言うので株投機が起きている。こんなことがいつまでも続くわけがない。バブル崩壊が起きれば労働者の年金資金が消えることになりかねないのである。

だいたい日本企業は内部留保が豊富である、借り手がいないのに金融の異次源緩和をやれば投機資金に向かうしかない。全く安倍首相の経済政策は愚劣としか言いようがない。株価は実体経済がよくなれば上がる。しかし株価を無理やり上げても景気は良くならないのは分かり切った話だ。いまのアベノミクスは金持ちと大企業、株主だけが儲かるだけなのだ。しかも必ずバブル崩壊を招くことになる。安倍首相は友人に公的資金200億円を流し込む等政治権力を私的に利用している。株価を友人のために上げているだけだろう。国賊の政治に他ならない。

ゼロ金利なのだから高齢者の貯金は増えない、だから誰も貯金を消費するわけにいかない。今必要な政策は最低賃金を大幅に上げ、残業代の割増賃金率を2倍にして、時短を促し、企業に省力化投資(設備投資)を促すことが必要なのに、逆に長時間労働を促す残業代ゼロ法案や、裁量労働制拡大をやろうとしている。これでは個人消費は増えない。実質賃金の上昇が必要なのに、企業・金持ちだけが儲け、内部留保をため込み、株主への配当を増やすことしかしない。これではデフレはひどくなるばかりだ。

安倍首相のやり方では国民経済を拡大再生産のサイクルにできない。必ずバブル崩壊を招くであろう。問題なのは強欲の資本主義をやり過ぎて実質賃金が下がり続け、貧富の格差拡大で国民が個人消費を増やせなくなっていることなのだ。

強欲の資本主義が日本をダメにしている!

バブル経済で「濡れ手に粟」の超過利潤を手に入れて、冷戦後の規制緩和が日本の経営者や官僚や政治家を腐敗・堕落させたように思う。

政治家は白紙の領収書を手に入れて政務調査費をむさぼり、官僚は築地市場の移転に見られるように好きに手抜き工事に加担する。東京都は建設会社への官僚の天下り先を調査すべきだ。

政治家が、ワイロ欲しさにカジノ解禁を推し進め、外国カジノ業者の日本国民の1600兆円の個人金融資産の略奪を支援する。

警察官僚は自分たちを独裁者にするための「共謀罪」新設で民主主義の圧殺を狙うしまつ。

オリンピックの競技場が何故建設費が数倍に膨れ上がるのか?小池知事は究明すべきだ。

経営者は残業代を支払わない為に労働の時間管理さえ行わない。労働基準監督署は残業代の支払い指導ですら及び腰で、就業規則の開示の指導すらまともに行わない。官僚の腐敗は酷いものだ。

規制緩和とは違法行為の先取りを認めることなのか?!社労士制度が企業の違法行為を指導し、結果労組の団体交渉を空洞化し、労働事案の合法的解決の道を閉ざした。その結果食品への異物混入が増加し、社長の射殺事件すら起きた。

労働の規制緩和が日本資本主義の成長のための分配率の均衡を破壊し、日本資本主義は縮小再生産の自滅のサイクルに嵌った。

合法的解決を規制緩和で不可能にすることが、非合法な闘いを招くことを指摘しなければならない。必要なのは企業間の均等な競争条件を規制を強化して保証することである。そうでないならブラック企業が増加するばかりだ。

ブラック企業の増加は、経営者の絶対的剰余価値の獲得を絶対とし、新技術の生産への応用による、相対的剰余価値の獲得を放棄するようになる。日本企業の研究所の廃止や、日本資本主義の生産性の低下は偶然ではないのである。

公平な企業競争の無い資本主義は縮小再生産のサイクルを逃れられない。日本資本主義は死滅の道をたどりつつあると指摘できる。ユニオンの運動を行っていると日本資本主義の「不治の病」がよく見えるのである。

政治家と官僚と経営者の強欲が日本資本主義を死滅の道に迷いこませているのだ。

新世紀ユニオン執行委員長 角野 守
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