ミサイル発射で習近平に行動求めたトランプ!

まるで先の安倍首相とトランプが食事中に北朝鮮が新型ミサイルを発射した事の「お返し」のように、今度は習近平とトランプの食事中に、アメリカがシリア軍基地に59発のミサイルを発射した。これはトランプの習近平への決意を示すものであった。

今回の米中会談の中心は北朝鮮に中国が影響力を発揮することを求めることであった。オバマも習近平に会談で迫ったが、簡単にかわされた。そこでトランプはシリアへのミサイル攻撃によって「中国がやらなければ我々がやる」という力の脅しで習近平に迫ったのである。

外交筋は「会談終了後の成果を両首脳が情報を発信しないのは、むしろ異例だ」と指摘している。しかしアメリカの国務長官が習近平がシリア攻撃に理解を示した事を明らかにした。習近平は秋に人事の党大会を控えている。自分がもう一期主席を務めるために自分が「核心」であることを現在強調している。いま中国が北朝鮮に影響力を行使しなければ、アメリカが北を単独で攻撃したら、習近平は危機に直面する。北朝鮮の核・ミサイル放棄に向け中国が何らかの行動をとる可能性がある。

北朝鮮をどのように料理するかを話し合ったのであるから、合意ができても発表するわけにはいかないであろう。トランプ大統領が「米中関係はとてつもない進展を遂げた。習主席と素晴らしい関係を築けたと思う」「大きな進展が得られたと思う。今後もさらに進展するだろう。多くの潜在的問題も消えていくだろう」と語ったことがそれを物語っている。

トランプ政権は、現在支持率が低迷し、重要法案が議会の抵抗を受けている。しかしアメリカは戦争という事態になればトランプへの支持率は上がり、議会は大統領に協力する。オバマが失敗したのは軍事力を背景にしなかったからだ、とトランプは見ている。今後中国が北朝鮮への原油輸出を止めるとか、北朝鮮との貿易の90%を占める北朝鮮貿易の制限にのりだし、北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させられるかが注目される点である。

習近平の中国が、北朝鮮への圧力で政策転換ができなければ、アメリカの単独北朝鮮攻撃も有り得るであろう。
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中国の新シルクロード戦略に難題が発生!

中国は1945年に新疆ウイグル自冶区を植民地支配している。新疆の石油・石炭開発とともに漢族の入植を進めた。人民解放軍も生産建設兵団という形で入植を進めた。いわゆる屯田兵のような形での入植である。この入植による新疆の同化政策はウイグル族の反発を生み、独立運動が高まった。「東トルキスタン独立運動」がアフガニスタンを拠点に独立闘争を進めるようになった。

インドの報道ではアフガニスタン内を中国製の装甲車が走行している写真を掲載し、ロイターも中国軍のアフガニスタンでの活動を報じているという。欧米のアフガン駐留兵力が少なくなり政府軍の訓練程度に規模が縮小した空白に中国軍が進出しているのである。

中国国内への天然ガスを運ぶパイプラインはトルクメニスタン・ウズベキスタン・ガザフスタンから新疆ウイグル自冶区を通過して運ばれる。ウイグル族の独立運動は中国のエネルギーラインを脅かすものであり、その拠点にアフガニスタンがなるのは困るのである。また新シルクロード戦略に沿って中国企業がアフガニスタンの銅鉱山を購入していることもあり、中国軍は欧米軍に代わってこの地域への関与を強めている。

新疆ウイグル自冶区の人口は1980年には漢族の比率が41%を占めるまでになったが、2014年には37%に低下し、最近では戸籍上は漢族の人口は変わらないが実数は過去10年で半減したと言われる。漢族を狙う連続テロで治安が悪化し、エネルギー産業が落ち込み、新疆から漢族の大脱出が起きているというのである。戸籍を残したまま沿海部へ流出する漢族が増えて、新疆ウイグル自冶区の漢族による支配が揺るぎ始めているのである。解放軍の生産建設兵団も同様に解散や解体になっていると言われている。これは事実上のウイグル同化政策の破たんである。

新疆ウイグル自冶区独立を目指す独立闘争が、欧米軍が撤退し始めたアフガニスタンを軍事拠点にすれば中国は新シルクロード戦略=「一帯一路戦略」どころではなくなる。自国のエネルギー安全保障にかかわる事態なのである。今年3月の全人代の新疆ウイグル自冶区の分科会に習近平主席が出たのは、新疆からの漢族の脱出を押し止めるためであった。

アフガニスタンの欧米軍(NATO)が撤退し、変わって中国軍がタリバン・ゲリラとの闘いに派兵を増やせば、中国は極めて「重い荷」を担ぐことになるであろう。新疆ウイグルの独立闘争が中国走資派指導部の「一帯一路」戦略を阻止することになるかもしれない。

習近平の権力集中を反映した中国全人代の特徴点!

中国の全人代は先進国の国会と違い階級間の利害調整の役割はない。ほぼ全会一致である。ただし共産党の一党支配の政策の目指す方向は知ることができる。

習近平の戦略は現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」で、ユーラシア経済圏を目指し、アメリカの覇権に挑戦することである。これが中国の別格の指導者を意味する党の「核心」となった習近平の「夢」である。

先進資本主義国の国会なら政権発足後の2年間の成果と課題を明らかにするものだが、中国の今回の全人代の特徴は第一に、習近平主席への忠誠を示す「核心」がたくさん強調されたこと、特徴の第二は、「安定の中の前進」が貴重とされたこと、すなわち中国は安定していない事を示している。

党幹部や軍幹部の不正摘発で習近平派の強化を強引に進める中で、各派閥の確執が高まっており、習近平はこれにさらなる強権で押さえこむ方向であることが特徴である。安定を重視すれば各派の利権である国営企業改革は手を付けられない。

つまり中国はこれまで通り軍事力強化で過剰生産に対処するしかない、つまり第三の特徴は軍事予算の7%増で「戦争準備を強化し、国家の主権と安全を断固守らねばならない。」(李克強首相)という軍事拡張主義の道である。

全人代の特徴の第四は、序列1位の習近平と序列2位の李克強首相の確執が解決していないことである。この2人の指導者がほとんど全人代で目を合わそうとしなかったこと、李克強首相の目のくまが2人の確執の深刻さを示している。李克強首相は自分の担当の経斉政策に口出しする習近平に大きな不満を持っているとされ、周囲に首相を辞めたいと言っているらしい。

中国共産党は今年秋の党大会で党指導部7人の内5人が引退するので、党中央幹部の人事をめぐり対立が激化している。習近平はこの人事で政治局常任委員会の過半数を押さえようとしている。
中国人民が不満を表明している貧困問題・格差問題には経済成長がマイナスになっている状況を、嘘のデータでごまかしている中では、人民の不満を解消できる可能性は薄いと言える。ことさら安定を叫ばねばならない点に中国の不安定・弱点が存在していると言える。

もう一つ習近平政権の不安は、アメリカのトランプ政権の保護貿易主義である。またアメリカの軍拡に対抗して中国も軍拡を継続しなければならない。当然内の不満は力で押さえることになる。習近平政権は強権支配を強めることになる。表面の強権の中に脆弱性があることを見ておくべきであろう。

ダボス会議で自由貿易の旗を掲げた習近平の弱点!

トランプ米大統領が保護貿易主義の政策を進めることを横目に、習近平が世界経済フォーラム(ダボス会議)で「グローバリズムと自由貿易主義システムを守り、保護貿易主義に反対する」と演説した。資本主義の旗頭のアメリカと社会主義の中国が正反対の政策を語るところに今日の世界の混迷が示されている。

習近平政権は誕生してから一貫して民主化運動に関係した弁護士や学者やジャーナリスト等多数を「国家転覆罪」で逮捕拘禁し、雑誌やネットの支配を強化してきた。その習近平が今力を入れているのが権力闘争に勝ち抜くための人事であり、自派の人材でポストを固める事である。海軍司令のポストを握り、武装警察部隊のポストを握り、国家観察委員会の組織を新設して、首相でも逮捕できる力を彼は握ろうとしている。北京・上海・天津・重慶の市長ポストを習派で握り、党大会に向け習独裁体制を固めようとしている。

中国政府は最近、同国で働く外国人を身勝手な基準でランク付けし、この基準を使って外国企業の指導的人材を追い出し、外国企業の乗っ取りを画策する等、ナチス張りの差別政策を進めている。技術とノウハウを得るために外国企業を国内に誘致しながら、今になって外国企業の乗っ取りを進めるのだから、これは外国人浄化政策で、やっていることはトランプよりも排外主義的だ。

その習近平が進める戦略は、今年の5月に北京で開催する「一帯一路国際協力サミット」に表れている。中央アジアからインド洋、さらには欧州までをユーラシア経済圏として取り込む雄大な戦略である。西太平洋と南シナ海への海洋戦略はアメリカの権益とぶつかる、だから当面経済戦略を軍事戦略に先行させることを意味している。

習近平が世界経済フォーラムでアメリカのお株を奪う演説をした背景は、経済戦略をトランプの保護貿易主義の隙を突く巧みな戦略なのである。しかし習近平は重大な点を見落としている。経済も自由も独裁権力で統制するのでは資本主義は発展しないということだ。中国経済の発展を支えた外国企業をまるまる奪い取るような政策では、中国の成長も先が見えたと言う他ない。

中国経済は元の暴落を押さえるために買い支えで外貨準備が減り続け、海外への資金逃避が続くなかで、いかにアメリカの覇権を奪おうとしても、国内的に自由・民主を奪い取る強権的弾圧下では経済が発展するわけがない。資本主義経済は自由と民主がなければ発展しないのである。つまり習近平走資派指導部の弱点は経済にある。

しかもトランプ政権が貿易赤字解消を目指して2国間交渉を求めてくる。中国経済は最悪な状況を迎える。それゆえさらに強権的独裁を目指すのだが、それをやればやるほど中国経済は壁にぶつかる。中国走資派指導部にとって歴史の転換点が近づいている事を自覚しているのであろうか?中国共産党支配の終わりが近いのである。

パキスタンから中国へのパイプライン計画が浮上!

国を挙げて覇権戦略に突き進む中国の弱点はエネルギーラインだ。マラッカ海峡が戦略的弱みとなる。そこで中国はミヤンマーから雲南省まで石油・天然ガスパイプラインを敷設している。最近ではパキスタンのアラビア湾沿岸に中国が建設しているダワダル港が、昨年11月に運用開始となった。中国がインド洋に重要な軍港としての拠点を確保したのである。

このダワダル港からパキスタン北部、さらにはインドとの係争地のカシミールを通り、中国の新疆ウイグル自冶区までのラインを中国の「エネルギー生命線」と位置付けて石油・天然ガスパイプラインを敷設する計画が明らかとなった。

実現すれば中東からの中国への輸送路がマラッカ海峡から南シナ海経由より8000キロも短縮でき、戦略的要衝のマラッカ海峡を通過しないでエネルギーを自国に送る二つ目のルートができることになる。アジアの覇権をめぐりトランプ米政権が5年後に中国と戦争を仕掛ける計画があることが浮上している中でのパイプライン計画の浮上である。

このパイプラインルートは戦略的・経済的に中国には非常にメリットがあるが、ヒマラヤの西部の山岳地帯はインドとの係争中のカシミール地方であり、パキスタンの隣国のアフガニスタンはイスラム原理主義のタリバンが力を持っている。中国がウイグル族を弾圧している関係でパキスタンの反中国イスラムゲリラの勢力圏でもある。

中国がこのパイプライン計画を実施に移すときは、アメリカとの覇権戦争が前提となる場合であることを念頭に置いておくべきであろう。中国はロシアのシベリアからの天然ガスのルートを確保しており、エネルギールートの数を増やすことは中国のエネルギー戦略の上で重要な布石である。

習近平はアメリカとの世界の覇権の分有を夢見ており、アメリカの一極支配から、中米のニ大国による世界支配を夢見ている。彼らは欧州まで高速鉄道を敷設して、新シルクロード戦略を具体化し、ユラシア経済圏の主導権を握る雄大な戦略を持っている。また海上戦力を強化して西太平洋からインド洋の海洋覇権も構想している。オバマ政権の非介入主義が中国の野心の実現の時間的機会を与えたのである。中米で進めているニカラグアの運河建設と合わせてみると、中国の地域覇権主義の野心が地球規模で膨れ上がっている事に警戒するべきである。

中国の戦略には、日本を外交的に屈服させ取り込むか、軍事占領して日本の技術と資金の取り込みをその戦略に組み込み構想している。政府は自衛隊の奇形的防衛的な装備を、攻撃防御の均衡のとれた装備に強化し、中国拡張主義の野心に備え、同時に対米自立の前提条件としての強力な防衛力を急ぎ備えるべきである。
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