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世界は移民問題をどう解決するのか?

20世紀は先進国と発展途上国の格差が問題となった、いわゆる「南北問題」だ。しかし21世紀は移民の増加による先進国の社会的分裂問題が国際問題化している。

欧州への移民の波は中東とアフリカから押し寄せた。トルコには320万人が欧州目指し滞留している。アメリカへは中南米から起きている。報道によるとロシアへの移民の波がタジク・ウズベク・アゼルバイジャン、カザフ等から押し寄せている。ロシアの首都モスクワには人口約1300万人のうち移民が500万人を超えていると言われる。

ロシアも先進国で人口が急減している中で、労働力として移民を受け入れてきた結果イスラム教徒の移民が「大増殖」しているのである。ロシア全土の人口は約1億4500万人だが、このうち移民が6人に一人になった。スキンヘッドや極右の無差別暴力も激化している。ロシア国内でもイスラム教徒の増加を危惧する意見があり、移民が必要ならイスラム教とではなく人種が同じであるウクライナやベラルーシから受け入れるべきだ、との声も上がっている。

日本もロシアと同じように少子化で人口が急減しつつある。この労働人口をどう解決するのかは、将来の国家の姿を決める重大なことだが、安倍政権はうかつにも国会で議論もせず、移民解禁をなし崩しに進めようとしている。
アメリカでは白人の人口が過半数を割るのが目前になっている。日本もそのような多民族国家を目指すのか、それとも労働者の待遇を改善して子供を産み育てられる社会にするのか、それとも安上がりの移民を解禁するのか、きちんと国民的な議論を踏まえるべきである。

世界は既にグローバル化から反転し自国優先主義がアメリカから世界中に拡大している。移民の波は収まるであろうか?と見ていくと中東は今後大混乱が必死だ。米・イスラエル・サウジ連合と、ロシア・イラン・トルコの連合との対立が激化しつつあり、とりわけサウジの王子が絡んでいるとされるカショギ記者暗殺事件で、サウジの国際的地位が低下し、中東は今後ますます流動化する可能性がある。中東が戦乱となれば難民・移民の波がさらに先進国に押し寄せる可能性がある。

グローバル化の波が、豊かな生活がしたい人達を先進国へと津波のように押し寄せる事態は今後どうなるであろうか?日本の移民解禁が移民の群れにどのような作用を及ぼすであろうか?先進国の移民の増加による社会的分断が国際情勢にどのような作用を及ぼすのか?注目される点である。移民解禁法が議論されている参院で、キチンとした討議がされることを希望したい?
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現代は貿易が大国の戦争の手段となる時代だ!

トランプ大統領が始めた貿易戦争は、2国間の貿易交渉が安全保障と絡めて外交的圧力の手段となった。日本は黒字を削減するためにアメリカから高額な兵器をたくさん買うはめになった。トランプは北朝鮮の非核化への圧力を強めるために中国に貿易戦争をちらつかせた。中国が北朝鮮への影響力を拡大し、北朝鮮への経済支援を開始するや、それは本物の米中貿易戦争となった。アメリカの中国への関税制裁は、中国の「一帯一路」戦略や、先端技術戦略、さらには南シナ海の軍事拠点化などの軍事戦略へのアメリカの戦略的反撃に他ならなかった。

イギリスはEU離脱による、EU側の制裁を防ぐためにイギリスの核戦力によるEUの安全保障上のマイナスをちらつかせて、制裁の牽制を行っている。ロシアは東欧諸国への天然ガスの供給を武器にNATOへの接近をけん制した。中国は「一帯一路」戦略で自己の経済圏への囲い込みを強化した。このように現代は、大国の経済的圧力が安全保障や勢力圏形成の力となり、さらに極言すれば「貿易戦争」が、次の戦争の手段となる時代になっていることを指摘しなければならない。

かってアメリカは、第二次世界大戦に参戦するために、地球の裏側で日本への「ハルノ―ト」を突き付けることで挑発し、その経済制裁が真珠湾攻撃を誘い込み、第二次世界大戦に参戦する戦略目標を達成した。世界は今まさに、経済制裁が戦争開始の手段となる時代を迎えているのである。

とくにトランプの「アメリカ第一主義」は、先進資本主義国の同盟関係を空洞化し、西側同盟を4分5裂にし、ロシアは中東への戦略的影響力を拡大し、中国は南シナ海を軍事拠点とすることでアジア諸国の盟首の地位を獲得しつつある。トランプが同盟国の安全保障への意欲を示さなくなったことで、世界は一極支配から多極化の時代を迎えることとなった。この「多極化の時代」が貿易を戦争の手段とすることを推進したのである。

アメリカが自国第一主義となったこと、世界が多極化の時代を迎えたことが日本に要求しているのは、対米自立の時代を迎えたことを必然化している。日本は戦後72年立って、いまなおアメリカの従属国では生き延びることが出来ない時代であることを、すべての日本人は認識しなければいけない。自立と独自の戦略的外交で、日本の安全保障を再構築しなければいけない。貿易戦争が本物の戦争の手段となったことを自覚して、日本は防衛力の強化をして対米自立を目指さねばならない。もはや日本の防衛を他国に頼る時代ではないのである。

多極化の中で国連の限界が露呈した!

国連がかってなかったほどの財政難に陥っている。アントニオ・グテ―レス国連事務総長が「国連はこのままでは破産する」と加盟国に書簡を出すほどの異例な事態となっている。ロイター通信によれば、通常予算、平和維持活動を含む国連の核となる予算で一億3900万ドル(約166億8000万円)の赤字を計上しているという。

元々拒否権を持つ大国が対立する問題では国連は機能しないのだが、平和維持でも国連の限界が露呈している。冷戦が崩壊して戦争は減少したが、逆に内戦・内乱が増えた。国連加盟国の約半数の100カ国が内戦・騒乱状態で援助を必要とする難民は増えるばかりだ。

それだけではない、アメリカのトランプ政権が「アメリカファースト」で、北朝鮮の制裁では国連を利用するが、実はアメリカは分坦金(国連予算の22%)を払っていない。国連の財政危機は、こうした「自国ファースト」が広がっている結果である。未払い国はアメリカのほか、スーダン・アンゴラ・イラン・シリア・北朝鮮など81カ国が未払いとなっている。

アメリカが他国の安全保障を放棄する事態の中で、世界は中国・ロシア・イラン等の地域覇権主義が台頭しており、こうした一極支配から多極化の中で国連の役割は主要国にとって意味がなくなってきているのである。

したがって日本の国連中心主義ももはや意味をなさないのである。北朝鮮の経済制裁も今や中国は事実上無視している事を見れば、国連の形骸化は明らかだ。温室効果ガスの排出削減等での国連の役割は増しているのに、金欠で国連が破さん寸前なのだ。このような世界では観念的平和主義はもはや無力であり、世界は主要国の軍事力が決定的役割を果たす時代に入っているのである。つまり国連の財政危機は、すなわち国連の限界が露呈したということであり、世界は軍事力が決め手となる時代であり、主要国の軍拡の時代なのである。

トランプの孤立主義が勢力圏作りを加速か?

世界の動きをみると、トランプのアメリカが孤立主義を強めている中で、中国が南シナ海の軍事的拠点化を進めるとともに、チベットに新たに3つの空港建設を始めた。これはインドの西部と東部を睨んだ軍事拠点と見てよい。中国は新疆ウイグル自冶区のタジキスタン側に壁を作る動きもある。イスラム過激派のウイグルへの浸透を警戒しているのである。また中国はアフリカへの野心を隠そうともしていない。

またロシアがキルギスやタジキスタンの中国側国境に軍事基地を建設しているのは中国の「一帯一路」で中央アジアを勢力圏に取られるのを警戒しているのである。ロシアはクリミア半島に橋をかけてウクライナを睨み、また中東への進出拠点化している。

欧州は東欧圏の組み込みに力を入れているが、ロシアに対する北大西洋条約軍の新しい防衛線をバルト3国を見捨てて、ポーランドまで引く新戦略が検討されている。つまりアメリカの孤立主義が独裁国家の中国とロシアの軍事的膨張を促している事を見ておかねばならない。

アジアでは北朝鮮の非核化の米朝協議で北東アジアが流動化している。またインドネシアはロシアに接近している。インドネシアはロシアから最新鋭の多目的戦闘機SUー35を11機購入を決め、また戦略爆撃機TUー95爆撃機の着陸を受け入れるなどロシアとの軍事協力に力を入れている。

いま世界の趨勢は民主主義国側が劣勢で、ロシア・中国・イラン等が攻勢に出ている。アメリカの孤立主義がロシア・中国の軍事的拡張主義を促しているように見える。トランプの孤立主義は「強いアメリカ」を作るどころか、アメリカを弱体化するのは確実で、世界は独裁国家が幅を利かす趨勢を強めており、いずれ民主主義国との覇権争いを招くであろう。

日本は防衛力を強化して、対米自立を目指し、こうした覇権争いに巻き込まれないようにしなければならない。

多極化の中での戦後の国際秩序の崩壊!

哲学的に言えば、あらゆるものに生成・発展・消滅の過程がある。それは第2次大戦後の国際秩序に置いても然りである。アメリカの巨大な経済力を背景にした一極体制の下での民主主義的国際秩序は、冷戦の終了と強欲の資本主義への移行の下で、急速に多極化への移行を早めた。

資本主義の不均等な発展がその変化の経済的基礎であり、一方でのアメリカ経済の衰退は、産業の空洞化と金融支配への移行であり、他方での1党支配の下での中国の経済的成長、さらには欧州の通貨統合などのブロック化が多極化を経済面から推進した。

アメリカのトランプ大統領が、現象的には「強いアメリカ」の政策で、アメリカが自らの1極支配を解体しているように見える現象は、金融支配のもとでアメリカの産業資本家たちの反動復古とも言える政治の一時的揺り戻しと言える後退現象なのである。これがアメリカの大統領が「戦後の国際秩序」を自ら解体するように見える奇妙な現象を生むこととなった。

欧州における移民問題をきっかけとするポピュリズム政党の排外主義的動きも、「戦後国際秩序」の後退的解体の現象と解するべきであろう。トランプ政権の北朝鮮と中国への融和的政策が北東アジアにおけるアメリカの覇権を解体するきっかけとなるであろう。

アメリカに変わって非民主主義国の絶対主義的一党支配の中国が、今世紀半ばまでに世界一流の軍事力を備えた「社会主義現代化強国」を建設する事は、中国の覇権主義的変化であり、習近平の「中国の夢」実現は戦争の時代への扉を開くことになるであろう。中国は間違いなく戦後の「民主主義的国際秩序」に敵対する一方の旗頭である。アメリカがトランプ政権を生み世界の警察官役を降りた事は、世界各地に独裁国家の地域覇権国を台頭させることになった。

旧ソ連圏のロシア・中東のイラン・アジアの中国という独裁国家が戦略的空白を埋め、将来反動復古から転換したアメリカとの間で覇権争奪が激化する可能性が高い。つまり世界は軍事力による対立の時代へと移行しているのである。このような時代背景の下で日本における護憲勢力による観念的平和主義の虚構も破綻の憂き目を見ることになる。戦後の国際秩序が今死滅しつつあるのだ。時代の変化に備えて日本は対米自立しなければ、国際的変化への備えとはならないであろう。
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