世界情勢は大戦前の状況にますます似てきている!

トランプ政権として初めての予算編成の指針「予算教書」の骨格が議会に提出された。2018会計年度の「予算教書」の骨格では「アメリカ第一主義」の下で「海外で使うお金を減らし、国内で使うということだ」(ホワイトハウス高官)と説明する。

国防費は10%のアップの540億ドル、およそ6兆円の増額の5,740億ドルとし、軍の再建に使われる。メキシコとの国境に壁を建設するなど不法移民対策を担う国土安全保障省も7%のアップとなる。その一方で環境保護局は31%の減、国務省の海外援助など外交関係は28%の大幅削減となる。

予算編成の指針「予算教書」の骨格でアメリカの国連分担金が加盟国全体の22%の負担を減らし、PKO(国連平和維持活動)の予算の28%を25%以下に削減されることになる。こうした事態に国連事務総長が懸念を表明している。元々国連は中国やロシアやアメリカが反対すると拒否権でなにも決められなくなっており、シリアやアフリカの難民支援で国連の支出だけが膨らんでいるが、国連PKOもアメリカの分単金削減で縮小に向かうことが避けられなくなった。また環境問題の国際的取り組みも打撃を受けることになる。

トランプ政権のこの「予算教書」の骨格は議会が実際には予算を編成するので、政権と議会の調整は難航が避けられない。アメリカ国務省の予算と環境保護局の予算の大幅削減は、国際活動の衰退となり、国連の役割の減少でもあり、他の加盟国が減少分をカバーできなければ、国連の難民対策や環境への取り組みは大きな打撃を受けることになる。

アメリカの国防費増額の「予算教書」がトランプの同盟国への国防費増額要求もあり、世界的に軍拡の時代に突入する事になる。世界情勢は大戦前の状況にますます似てきていることを指摘しなければならない。国連の衰退とともに主要国間の矛盾が激化していく情勢を迎えた。

中国拡張主義の軍事的矛先を向けられている日本も急ぎ国防力を強化し、対米自立のための軍事力保持目指して防衛費1%越えに踏み切る時である。他国(アメリカ)の従属国が必要としているのは教育勅語ではなく、自立であることを指摘しなければならない。
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世界情勢は合従連衡の時代へと移行する!

先にトランプ米政権は日米同盟の強化を確認した。2月18日にはアメリカ海軍の空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃軍が南シナ海で活動を開始した。

マティス米国防長官は、2月17日ミュンヘン安全保障会議で演説した。2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を一方的に併合した事を安全保障の「分岐点」と指摘し、アメリカはNATOと連携していくと強調した。また欧州の安保情勢に関し、東欧諸国やトルコ、南欧などで「不安定な孤が形成されている」と語った。

マティス米国防長官は、NATOの国防相会議で、NATO重視や対ロシア政策堅持で同盟国を安心させる一方、加盟国が国防費の増額に向けた道筋を年内に付けねば、NATOへの関与を「抑制する」旨発言した。欧州が国防費を増額することは対ロシアへの備えである。欧州とロシアの矛盾は激化するであろう。

アメリカのトランプ政権の対ロシア政策は未だ変化は見られないが、中東政策ではアメリカはロシアと協力してISと対抗する方向である。つまりトランプ政権は対テロ戦略を優先すると見られる。
中国から欧州までの高速鉄道敷設によるユーラシア大陸大経済圏を目指す中国の「新シルクロード構想」に、欧州はアジアインフラ投資銀行に出資することで呼応した。言わばこれは中国の「連衡」策であり、欧州はこれに便乗した。アメリカはこの欧州の変心を許してはおらず。いずれロシアへの制裁をやめて「合従」戦略で「連衡」戦略を分断する可能性がある。

つまりアメリカは欧州への関与を削減する可能性がある。そうすればロシアは旧ソ連圏の勢力圏回復にのりだし、欧州はユーラシア大陸大経済圏どころではなくなる。トランプ政権はEUを離脱したイギリスをほめ支持した。また欧州の離脱の動きもそそのかしている。トランプ政権は統一通貨ユーロの経済圏解体を目指している可能性がある。強いアメリカの復活のためには、ドル支配からの離脱を目指す欧州の経済統合の解体が不可欠だと見ているのかもしれない。

戦略的に、トランプ政権の対中国戦略は、習近平政権の西太平洋とインド洋への海洋戦略を空母打撃軍の南シナ海投入で封じ込め、中国の南シナ海での軍事基地建設で動揺するアジア諸国をアメリカが保護する意思を表明した。オバマ政権は空母打撃軍を南シナ海には決して投入しなかった。トランプの強いアメリカは本気である。

中国の「新シルクロード構想」という「連衡」策は、トランプの米・日本、イギリス、ロシアの「合従」策で阻止されようとしている。トランプ政権の対ロシア外交が変化するのは1年後以降と見られる。世界情勢はアメリカ・欧州・中国・ロシアの戦略がぶつかり合う時代(=合従連衡の時代)へと入りつつある。

トランプ・安倍首脳会談のリスク!

トランプ大統領の雇用創出の政策がアメリカ国民の支持を得ている。しかし排外主義的政策は外国との摩擦が激化している。イスラム圏7カ国からの入国禁止は司法判断で入国が許されたが、トランプ大統領は最高裁まで争う構えだ。中国や日本等貿易黒字国に関税を課し、賃金の高いアメリカで生産すれば、アメリカ国民は高い商品を買うはめになる。トランプの保護貿易主義は長期的にはアメリカ経済を衰退させることになる。

だからメキシコのようにトランプとの話し合いを拒否する国が増えそうだ。オーストラリアの首相は電話会談の最中にトランプがオバマ政権が受け入れた移民問題で激怒し、話し合いは決裂となった。トランプと会談したイギリスの首相は帰国後反トランプの国民運動の高まりで窮地に陥った。

トランプの外交がいよいよ孤立を浮き彫りにし始めた時に、安倍首相がポチのようにしっぽを振り振りトランプと会談するのだから、トランプの側は手厚いおもてなしをするであろう。しかし朝日新聞が報じたようにアメリカのインフラ投資に日本の年金資金を使うことや、トランプの「アメリカ第一」に安倍首相が奉仕するような譲歩が明らかになれば、安倍首相は長期政権が危うくなるであろう。
トランプ大統領は、日本がアメリカ車を買うことを求めている。しかし道幅が狭く、大型の駐車場の無い日本では、アメリカの大型車が売れるわけがない。トヨタはアメリカへの投資を増やすことを提案しているが、トランプが譲歩するであろうか?注目点である。

トランプの「強いアメリカの復活」は日米同盟を強化するしかない。そかし、その道は日本がアメリカの戦争に巻き込まれる道なのである。日本はトランプの「アメリカ第一主義」を利用して対米自立の機会にすべきであるが、安倍首相は徹底した対米従属主義者なので、今回の日米首脳会談は安倍首相には非常にリスクが高いのである。

トランプと安倍の首脳会談は世界が注目している。トランプが貿易摩擦を重視せず、日米同盟の強化を優先すれば、安倍首相は世界に先駆けて対米交渉で得点を挙げることができるであろう。したがって貿易交渉の中身は伏せられる可能性が高い。トランプ政権の外交は第一に北朝鮮とイランであり、この2国への厳しい対応が予想される。安倍首相が日米交渉で得点を上げられれば長期政権が現実化するであろう。世界的に孤立しかかっているトランプは、今回の首脳会談で柔軟な外交を見せればアメリカ国民の支持はさらに高まるであろう。日米交渉の中身に注目したい。

自衛隊の駆けつけ警護の無責任極まる閣議決定!

政府は南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊が「駆けつけ警護」等ができるようにする閣議決定をした。南スーダンでは武器が全土に拡散し、事実上政府軍と反政府軍の間で内戦状態となり、大規模な戦闘が首都周辺でも起きている。政府軍とPKO部隊の戦闘も起きている。

戦車やロケット砲を装備する相手と軽装備で「駆けつけ警護」を担わされる自衛隊員はまさに死地へと投入される事態である。安倍政権は何が何でも戦争できる国にしたいのである。

「紛争当事者間の停戦合意」や「紛争当事者の安定的な受け入れ同意」が既に崩壊している状況の下では、検討されるべきは自衛隊の撤収であって、自衛隊の戦闘行為ではないはずである。自衛隊の国際貢献の幅を広げたい安倍政権は、南スーダンの内戦状態を利用して内戦への介入にのりだそうとしている。政府の「PKO参加5原則」は何処へ行ったのか?

道路や施設整備の自衛隊部隊が「駆けつけ警護」に適した部隊とは言えない。戦闘任務を自衛隊に与えるならロケット砲に耐えられる戦車や装甲車などの装備がいる。自衛隊員に犠牲が出たら重装備を送る口実になる、と政府が考えているなら間違いだ。国連の南スーダン派遣団の部隊が逃げ出すほどの内戦の激化のなかでの「駆けつけ警護」を担わされる自衛隊員の安全はどうなるのか?政府の軽率を指摘しなければならない。

道路整備の施設隊に「駆けつけ警護」の任務を付け加えることは冒険主義以外の何物でもない。国連部隊が逃げ出す事態は、内戦が極めて激化しており、施設部隊が対応できる枠をはみ出している。政府が閣議決定すべきは自衛隊PKO部隊の撤収であるべきだ。自衛隊に多くの犠牲が出ることは避けられず。その時安倍首相は責任を取るのであろうか?「駆けつけ警護」の閣議決定は安倍右翼政権の奢りにも見える危うさを指摘しなければならない。

安倍のアフリカ外交は適切か?

安倍首相が財界人多数を引き連れてアフリカ外交を行った。中国の資源外交に対抗して質の高い援助をするらしい。もちろん狙いは中国のアフリカ外交に対抗して、日本の常任理事国入りの支持集めである。中国がアフリカ支援に6兆円を投じているのに対抗するものだが、果たしてこの外交が正しいかどうかは疑問が多い。

最近中国がマレーシアと共にマラッカ海峡に共同で港湾開発に乗り出すことになった。これは中国の「一帯一路」構想に基づくもので、南シナ海に建設中の基地を拠点にインド洋に進出する上でマラッカ海峡を握ることが軍事的に重要性を持つ。マレーシアでは最近中国からの投資が急増し重要インフラ事業を次々中国国営企業が受注している。

つまり中国企業がアフリカに自国の労働者100万人を送り込み、資源開発に力をいれているのとセットでインド洋各地に中国が港湾を確保し、今度はマラッカ海峡まで支配しようとしている。マレーシアに新設する港湾が中国の軍港化するのは時間の問題なのである。

日本がアフリかに3兆円の支援をしてもインド洋からマラッカ海峡のシ―レーンを軍事的に確保できなければ中国側の戦略が勝利する事になるであろう。そういう意味で安倍首相のアフリカ外交は戦略に裏打ちされているとは言い難いのである。

つまり戦略なき外交は、いかに「地球儀を俯瞰する外交」と言っても、投下する3兆円が無駄金となりかねないのである。中国社会帝国主義は中華思想に裏打ちされた野心的な覇権戦略を持っている。その中国に、アメリカの従属国の日本が戦略もなく対抗する愚を指摘しなければならない。インド洋の覇権はインドやアメリカに任した方がいいのではないか?アフリカはアメリカや欧州諸国に任した方がいい。このままでは日本はアフリカに無駄金を振りまくだけで終わるであろう。
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