世界は先の見えない混沌の中に!

主要7カ国首脳会議(G7サミット)が8日、カナダ・ケベック州ラマルベーで2日間の日程で開幕し、各国首脳は特にトランプ米大統領と対立しながらも、それを目立たぬものにし、引き続き協力できる関係にあることを示そうと演出に努めた。ところがトランプ米大統領は9日、米代表団に主要7カ国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言を承認しないよう指示するとともに、カナダのトルドー首相が不誠実だと批判し、2日間のシャルルボワ・サミットでの貿易問題を巡る対立が激化する形となった。

欧米日の先進7ヶ国の団結は崩れ、米対6カ国の構図となった。トランプが貿易戦争を何処まで行うかにもよるが、既に先進国の団結は崩れたと見てよい。アメリカの関税25%が自動車にも及べば、日本とアメリカの関係も対立が主要な側面になりかねない。欧米がバラバラになりブロック化の傾向を強めることは避けられそうもない。欧州は東欧の取り込みを急ぎ、アメリカはアメリカ産業を再建目指して保護貿易主義にまい進する。

ロシアは、シリアの政権に食い込み中東の警察官役を目指し、中央アフリカに急接近し特殊部隊を送り込むだけでなく軍事顧問を送りこんで政府軍を支援して中央アフリカの(レアアースや金、貴金属など)の資源獲得に向かい始めた。

中国は「一帯一路」戦略で西太平洋からインド洋周辺地帯への勢力圏拡大を目指し、アメリカに対坑する海軍力の構築を目指している。彼らは南シナ海の岩礁を埋め立てていくつかの軍事基地を構築し、原潜の安全海域と出撃基地を構築し、東シナ海から西太平洋の出口を求めて日本の西南諸島の占領支配を目指し海軍力を増強している。

トランプは大統領選の再選を目指して、今秋の中間選挙の勝利に全力を挙げており、その為に米朝会談に全力を挙げる。ここで朝鮮戦争の終わりを告げる政治的成果を獲得すれば、彼の本来の孤立主義へとアメリカを導くのか、それともアメリカが覇権再構築に向かうのか?世界の注目がシンガポールに集まる。

世界資本主義のグロック化は中国・ロシアの独裁国家の覇権主義的軍事行動を促すであろう。先進国が自己の経済圏の囲い込みに動くのか、それとも自由経済圏を守るのかは今後の世界の戦略関係を左右することになる。トランプ大統領がカナダでの「G7の首脳宣言を承認しない」と発言した事が、一時的な気まぐれなのか、それとも孤立主義の表れなのか気になる点である。世界はまさに混とんの中に巻き込まれたと言える。日本は孤立主義のアメリカに何処までも追随するのでいいのであろうか?
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経済のブロック化の中での日本の戦略的危険!

日米首脳会談で明らかになったことはトランプのアメリカがTPPには復帰しないこと、保護貿易主義を続け、2国間交渉で貿易赤字の削減を続けていくことである。すでにアメリカには頼れないと言うのでドイツを中心とした欧州のユーロ圏、ロシア中央アジアのルーブル圏、アジアの元圏、日本を中心としたTPP11カ国の自由貿易圏、そして孤立主義のアメリカ、というふうに経済のブロック化が進み始めたと断言してよい。

今後この経済圏を基礎に資源と市場の奪い合いが激化し、各国は軍拡競争に既に進んでいる。アジアからアメリカ軍が引き上げるのはトランプ大統領の持論なので不可避だ。そうなると中国の元圏は資金はあるが技術がない。つまり日本の占領で覇権主義を突き進む可能性が高く、日本は戦略的危険の中で防衛戦略の再構築に迫られている。

「アメリカ第一主義」のトランプには日本や韓国を守る気はさらさらない。日本は対米自立し、国防力を急ぎ強化しなければならず、同時に自由貿易圏維持の路線で各グロック圏との通商関係を維持しつつ多極的外交が必要になる。アジアでは中国が主導権を握るのは確実で、既に他国を守らないと宣言しているトランプのアメリカに日本が依存できない事は明らかだ。

日本は武装中立・多極外交の自立戦略を持つ時が来た。この時に「憲法9条は日本の宝」という法的観念論は亡国につながりかねず。日本国民は武装・自立した平和主義の下で新たな自立戦略をもち、自公の従属安全保障路線と決別の時が来たと言える。もはや経済のブロック化が進んでいる条件の中では自分の国は自分の力で守るほかないことを自覚する時である。自立して初めて「敵を作らない・孤立しない」という多極外交で、中国拡張主義への軍事的備えが初めて可能になるのだ。

世界の各国の政治が狂い始めたその帰結は?

アメリカは世界の基軸通貨ドルを握る超大国だ。その国のかじ取りが素人ばかりで危なかしい。やたら同盟国にケンカを売り、貿易戦争を仕掛けている。口先は勇ましいが戦争はさける経済人の大統領。欧州はEU離脱が広がりかねず。移民問題で国論が割れ、求心力が低下し、それを回復するためにロシアへの敵がい心を煽る。

ロシアは国力が小さいのに、アメリカと張り合い、無理をした軍拡が民衆の反発を買いかねない。経済力が小さいのに、中東の警察官役は荷が重い。やがて重荷に耐えかねる日が目前に迫っている。強いロシアが大衆に受けても、その「強いロシア」が欧米の制裁を招くことになる。矛盾に満ちたこの国の地域覇権主義は亡国を招きかねない。

中国は、独裁体制を固めれば、固めるほど政権がもろくなるのも気づかない、いわゆる野心だけが大きい指導者が、時代遅れの社会帝国主義の覇権主義で世界の信を失うばかり。官僚独裁は腐敗まみれだから、反腐敗の独裁が国民の支持を受ける。その政権もやがて腐敗しても、独裁を固めすぎて、逆にもろさとなることは必然なのだ。柳は雪折れしないが、多様性・柔軟性を失った個人独裁は幹の強固さに反比例してもろくなる。

北朝鮮は対立関係が国体を守る唯一の手段なのに、あの敵国と対話を初めて、独裁体制のもろさが出かねない。体制の存続を求めて軍内部のクーデターを招きかねないもろさがある。金正恩にとってアメリカとの和解は緊張緩和であり、軍官僚の反発を招きかねない。国力もないのに核・ミサイル開発は民衆の貧困の犠牲の上にあり、極めてもろい体制である。個人独裁は戦争の直前である危機感が体制維持の唯一の道なのに、宿敵との和解は極めて危ない!

日本は、素人の運転するアメリカ国の手先としての道を選んだが、それが国の先行きを危うくしている。貿易黒字を削減せよと、厳しい交渉がもたらすものは、アメリカに譲歩すれば政権の支持基盤である農民の支持を失う。貿易交渉で譲歩しなければアメリカ頼みの経済は大きな市場を失うことになりかねない。さりとて自立の道を選ぶ根性はない。

このように主要国の政治が狂い始めて、世界経済の危機、政治の危機、戦争の危機が近づく。国民が政治の腐敗を見逃せば、ますます政治の暴走が、迷走にかわる。
世界各国の政治のお粗末さは、世界の民衆の不幸を(=世界大戦を)招きかねないものである。世界は次第に大戦前の情勢に似てきた。

経済と安全保障を絡める動きに警戒すべき!

イギリスに亡命したロシア軍の情報機関の元大佐らが神経剤で襲われた事件をめぐり、国連の安全保障理事会でロシアとイギリスが対立した。ロシアのネベンジャ大使は「イギリスはロシアの関与を裏付ける物的証拠を示していない。」と主張した。

イギリスはEU離脱交渉が難航しているので、ロシアを敵として強調することでNATOの重要性を強調して、EU離脱交渉を有利に展開しょうとしており、今回の事件はイギリス側に動機がある。

アメリカが、2016年の大統領選にロシアが介入したとされる問題で、米財務省がロシアの情報機関など5団体と19人を制裁対象としたと発表した。アメリカはロシアの脅威を強調すればEU(欧州)のアメリカ離れを抑止し、EUの国防費をGDP2%に拡大させて、アメリカ製兵器を売る狙いがある。

トランプ米大統領は14日、韓国との関係について「我々はとても大きな貿易赤字を抱えているのに、彼ら(韓国)を防衛している。貿易で金を失い、軍事でも金を失っている」と不満を表明した。つまりトランプは韓国との貿易赤字削減交渉がうまく進まない場合に、在韓米軍の削減や撤退を検討する考えを示唆したものである。

こうした考えはトランプが大統領選の時から発言していたものであるので、北朝鮮へのメッセージと決めつけるわけにもいかない。貿易交渉と安全保障を絡めることは経済人であるトランプの特徴だが、韓国への米軍の駐留は、覇権国アメリカが旧ソ連との冷戦の過程で行った経緯があり、貿易交渉と絡めるような問題ではないと思うのだが?トランプの考えは常識はずれなので韓国政府も戸惑っているであろう。

こうした貿易交渉と安全保障を絡める動きは、日本も大いに警戒しなければならない。トランプはアメリカ製自動車が日本で売れない事に怒りを表明しており、黒字減らしに日本に高価なアメリカ製兵器を売り付ける可能性は高い。アメリカ製の兵器はアメリカのいい値で買わねばならないのでEUも日本も警戒するべきだ。トランプは同盟国に兵器を売るなら国内価格で売るべきであろう。

世界で独裁帝国が幅を利かす時代をどう見るか!

中国の習近平が国家主席の任期を撤廃し、終身化に踏み出した。政敵、対抗派閥や軍幹部を「反腐敗」を口実に追い落とし、権力を固めて個人独裁へ踏み出した。ロシアのプーチンは自国の戦略兵器の増強で「強いロシア」を演出して大統領選に向けて「圧倒的優勢」を誇示し「プーチン帝国」とも言われる。北朝鮮は核・ミサイル開発で個人独裁の延命を目指す。シリアは個人独裁とロシアの支援でしぶとく延命を果たしつつある。

こうした影響か?東欧諸国で独裁政権化が目立つ、世界に独裁方式が増えつつあるのだ。確かにイギリスでEU離脱が決まり、ドイツでは連立政権がなかなか決まらない。アメリカでは産業資本にテコ入れするトランプ政権が生まれるなど欧米の政治的混乱が目立つ。一見独裁政権の方が政権が安定するかに見える。一頃、中東で「民主化」の風が吹き荒れて、イラク・リビアと独裁政権が倒された時と比べると雲泥の差だ。

この独裁政権が幅を利かす傾向をどう見ればよいのだろうか?
強権的支配は本当に強いのであろうか?私が見るところ軍事的緊張状態の下では強権的支配が広がるが、これはその国の弱さの反映のように見える。例えば中国の習近平政権の独裁強化は安定の表れではなく不安定化の中で起きていることである。これまで習近平は13回も暗殺未遂事件が起きている。だから習近平は秘密警察のような組織を作り党内だけでなく、党外の人達まで監視している。これは習近平の弱さの表れであり、反対派は終身化で一層殺すほか政治路線を変えることはできなくなった。習近平は墓穴を掘っているように見える。

ロシアのプーチンは反対派への無慈悲な弾圧を繰り返し4選を目指している。しかしその地政学的覇権追求は中東が経済的に重荷になり、すぐに財政上の制約にぶつかるように思う。北朝鮮は経済力がないのに核ミサイル開発で政権の延命を目指しているが、アメリカ相手に得意の瀬戸際・見返り外交が成功するとも思えない。経済制裁が長引けば、国民の不満が噴き出す可能性がある。強そうに見える政権は、案外内部的弱さを内包しているものである。

本当に政治的に強いのは民主主義的な国だということはおそらく真理である。経済的余裕がないから手っ取り早く独裁の強権政治に頼るのである。それは「安倍一強」と言われた政権が、今は官僚の反乱で危機にあることを見れば明らかである。強権政治の弱点は権力の腐敗なのである。
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