世界経済の危険な傾向と経済の軍事化について!

いま世界経済はテロと保護主義の二重苦にある。日本経済は震災復興需要とオリンピック関連の需要で好調だが、欧州経済はイギリスとアメリカの保護貿易主義とテロ続発で危機に直面している。

政教一致のイスラム教の原理主義の拡大はテロとなって世界を震撼させている。宗教が心の問題であるのに、イスラム教をどう世俗化するかが問題であるのに、軍事的に解決しょうとする点だけに間違いがある。

保護貿易主義はイギリスとアメリカの経済に打撃を与えることになるだけでなく、世界貿易を縮小させることになる。中東や欧州の市場が荒れることは世界経済に打撃となり、それにアメリカまでもが石炭や鉄鋼産業資本家にテコ入れする政策では、自然破壊とともに環境技術の立ち遅れを生むに違いない。

トランプ大統領の保護貿易主義はアメリカ経済に打撃を与えただけでなく、中国拡張主義を多いに助け、励まして、世界の多極化を一気に進めた。中国拡張主義の危険性は「一帯一路」の西への鉄道輸送による中央アジアへの進出にはない。危険なのは「海洋進出」であり、海軍力の増強にある。

テロと保護貿易主義で世界経済の貿易が縮小に向かうことは避けられず。世界的な不況が目前に迫っている。しかも中国の軍事大国化が世界を軍拡へと導きつつある。中国の海洋進出・南シナ海の軍事拠点化や南シナ海の軍事挑発はアジア各国をして軍拡へと舵を切らせた。

貿易の縮小と経済対策としての軍拡は経済をますます軍事化し、世界大戦の危機を招きつつある。とくに北東アジアでは北朝鮮の核・ミサイル開発を裏で促しながら中国がアジアの盟主の地位をアメリカから奪い取ろうとして空母建造にまい進している。

中国拡張主義が覇権国を目指している時に、アメリカは内向きの保護貿易主義であり、産業資本家のための政策を推進しているのだから、まるで中国の野望を促しているように見える。米・英の保護貿易主義の中で、欧州・ロシア・中国の多極化が世界の特徴である。特にトランプ政権は世界戦略を示せない中で、ロシアゲート事件の調査が進み、弾劾の可能性の中で任期前の辞職もあり得る情勢となり、世界は新興の中国社会帝国主義の覇権への夢を追って、軍事的拡張主義の暴走があり得る。

世界は経済の軍事化の方向に進みつつあり、情勢は世界大戦前の状況と極めて似てきている。日本は内向きのアメリカに見切りをつけ自立して軍事力増強に取り組み、単独で中国拡張主義の侵攻を阻止する力を持たなければならない。必要なのは「成長戦略」と称した私的利益の導入ではなく、自立した国家としての確固とした防衛戦略である。
スポンサーサイト

独裁政権がのさばる世界の危険!

アメリカはトランプ大統領とマスコミの対立、反トランプのデモも相変わらずだ。イギリスはEU離脱で経済的衰退が予想される。フランスはマクロン政権が右翼に勝利したと言っても議会では少数派だ。世論が割れている事には違いがない。欧州諸国は右翼の台頭で揺れて、移民政策がつまづき始めた。

冷戦後の自由化が格差社会を生み、自由圏の先進国はどこも国論が分裂状態だ。何処もが外交どころではない。こうした格差社会では独裁国家の方が外交は有利になる。北朝鮮が核・ミサイル開発で核保有国の基盤を固め、サイバーテロで世界中を混乱させている。中国社会帝国主義が「一帯一路」の戦略で、アジアから欧州までの大経済圏戦略にのりだした。中国社会帝国主義がその野心を露呈しなじめたことは、やがて世界がその拡張主義の危険に巻き込まれることになるであろう。

中東はイスラム原理主義の反動復古がのさばり、西側世界の武器市場になっている。ロシアはウクライナのクリミア半島を併合して、経済制裁の打撃を受けているとはいえプーチン政権の支持率は高い。こうして見ると世界は欧米が社会的分裂で内政重視になり、その隙をついて独裁国家が得点を稼いでいるのである。つまり世界は軍事力による国境線の変更の時代を迎えている。

トランプ米政権が中国の「新型の大国間係」を逆手にとり、北朝鮮に経済制裁で核放棄をせまる戦略は、今のところ成功の兆しはない。逆に中国の自己の勢力圏での統治を認める結果になり、将来アメリカと軍事力による覇権争奪になることが心配される。

世界が軍事力でことを決する時代に突入し始め、各国が軍拡競争に乗り出しつつある。こうした時代に「憲法9条は日本の宝」という観念的平和主義=法的観念論は国防をおろそかにし、日本を亡国に導きかねない。また集団的自衛権で、アメリカの侵略戦争に加担する道も、日本を亡国に導くこととなる。

我々は、アメリカの一極支配が崩壊しつつある時、対米追随ではなく、対米自立して独自の防衛力を強化しつつ、平和主義を貫く道を提起したい。世界は独裁国家がのさばる時代へと突き進んでいるが、やがていくつかの軍事ブロック化が進むであろう。日本は再び「3国同盟」の誤りを繰り返すのではなく、自立して武装中立・平和主義を堅持しなければならない。

世界情勢は大戦前の状況にますます似てきている!

トランプ政権として初めての予算編成の指針「予算教書」の骨格が議会に提出された。2018会計年度の「予算教書」の骨格では「アメリカ第一主義」の下で「海外で使うお金を減らし、国内で使うということだ」(ホワイトハウス高官)と説明する。

国防費は10%のアップの540億ドル、およそ6兆円の増額の5,740億ドルとし、軍の再建に使われる。メキシコとの国境に壁を建設するなど不法移民対策を担う国土安全保障省も7%のアップとなる。その一方で環境保護局は31%の減、国務省の海外援助など外交関係は28%の大幅削減となる。

予算編成の指針「予算教書」の骨格でアメリカの国連分担金が加盟国全体の22%の負担を減らし、PKO(国連平和維持活動)の予算の28%を25%以下に削減されることになる。こうした事態に国連事務総長が懸念を表明している。元々国連は中国やロシアやアメリカが反対すると拒否権でなにも決められなくなっており、シリアやアフリカの難民支援で国連の支出だけが膨らんでいるが、国連PKOもアメリカの分単金削減で縮小に向かうことが避けられなくなった。また環境問題の国際的取り組みも打撃を受けることになる。

トランプ政権のこの「予算教書」の骨格は議会が実際には予算を編成するので、政権と議会の調整は難航が避けられない。アメリカ国務省の予算と環境保護局の予算の大幅削減は、国際活動の衰退となり、国連の役割の減少でもあり、他の加盟国が減少分をカバーできなければ、国連の難民対策や環境への取り組みは大きな打撃を受けることになる。

アメリカの国防費増額の「予算教書」がトランプの同盟国への国防費増額要求もあり、世界的に軍拡の時代に突入する事になる。世界情勢は大戦前の状況にますます似てきていることを指摘しなければならない。国連の衰退とともに主要国間の矛盾が激化していく情勢を迎えた。

中国拡張主義の軍事的矛先を向けられている日本も急ぎ国防力を強化し、対米自立のための軍事力保持目指して防衛費1%越えに踏み切る時である。他国(アメリカ)の従属国が必要としているのは教育勅語ではなく、自立であることを指摘しなければならない。

世界情勢は合従連衡の時代へと移行する!

先にトランプ米政権は日米同盟の強化を確認した。2月18日にはアメリカ海軍の空母カール・ビンソンを中心とする空母打撃軍が南シナ海で活動を開始した。

マティス米国防長官は、2月17日ミュンヘン安全保障会議で演説した。2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を一方的に併合した事を安全保障の「分岐点」と指摘し、アメリカはNATOと連携していくと強調した。また欧州の安保情勢に関し、東欧諸国やトルコ、南欧などで「不安定な孤が形成されている」と語った。

マティス米国防長官は、NATOの国防相会議で、NATO重視や対ロシア政策堅持で同盟国を安心させる一方、加盟国が国防費の増額に向けた道筋を年内に付けねば、NATOへの関与を「抑制する」旨発言した。欧州が国防費を増額することは対ロシアへの備えである。欧州とロシアの矛盾は激化するであろう。

アメリカのトランプ政権の対ロシア政策は未だ変化は見られないが、中東政策ではアメリカはロシアと協力してISと対抗する方向である。つまりトランプ政権は対テロ戦略を優先すると見られる。
中国から欧州までの高速鉄道敷設によるユーラシア大陸大経済圏を目指す中国の「新シルクロード構想」に、欧州はアジアインフラ投資銀行に出資することで呼応した。言わばこれは中国の「連衡」策であり、欧州はこれに便乗した。アメリカはこの欧州の変心を許してはおらず。いずれロシアへの制裁をやめて「合従」戦略で「連衡」戦略を分断する可能性がある。

つまりアメリカは欧州への関与を削減する可能性がある。そうすればロシアは旧ソ連圏の勢力圏回復にのりだし、欧州はユーラシア大陸大経済圏どころではなくなる。トランプ政権はEUを離脱したイギリスをほめ支持した。また欧州の離脱の動きもそそのかしている。トランプ政権は統一通貨ユーロの経済圏解体を目指している可能性がある。強いアメリカの復活のためには、ドル支配からの離脱を目指す欧州の経済統合の解体が不可欠だと見ているのかもしれない。

戦略的に、トランプ政権の対中国戦略は、習近平政権の西太平洋とインド洋への海洋戦略を空母打撃軍の南シナ海投入で封じ込め、中国の南シナ海での軍事基地建設で動揺するアジア諸国をアメリカが保護する意思を表明した。オバマ政権は空母打撃軍を南シナ海には決して投入しなかった。トランプの強いアメリカは本気である。

中国の「新シルクロード構想」という「連衡」策は、トランプの米・日本、イギリス、ロシアの「合従」策で阻止されようとしている。トランプ政権の対ロシア外交が変化するのは1年後以降と見られる。世界情勢はアメリカ・欧州・中国・ロシアの戦略がぶつかり合う時代(=合従連衡の時代)へと入りつつある。

トランプ・安倍首脳会談のリスク!

トランプ大統領の雇用創出の政策がアメリカ国民の支持を得ている。しかし排外主義的政策は外国との摩擦が激化している。イスラム圏7カ国からの入国禁止は司法判断で入国が許されたが、トランプ大統領は最高裁まで争う構えだ。中国や日本等貿易黒字国に関税を課し、賃金の高いアメリカで生産すれば、アメリカ国民は高い商品を買うはめになる。トランプの保護貿易主義は長期的にはアメリカ経済を衰退させることになる。

だからメキシコのようにトランプとの話し合いを拒否する国が増えそうだ。オーストラリアの首相は電話会談の最中にトランプがオバマ政権が受け入れた移民問題で激怒し、話し合いは決裂となった。トランプと会談したイギリスの首相は帰国後反トランプの国民運動の高まりで窮地に陥った。

トランプの外交がいよいよ孤立を浮き彫りにし始めた時に、安倍首相がポチのようにしっぽを振り振りトランプと会談するのだから、トランプの側は手厚いおもてなしをするであろう。しかし朝日新聞が報じたようにアメリカのインフラ投資に日本の年金資金を使うことや、トランプの「アメリカ第一」に安倍首相が奉仕するような譲歩が明らかになれば、安倍首相は長期政権が危うくなるであろう。
トランプ大統領は、日本がアメリカ車を買うことを求めている。しかし道幅が狭く、大型の駐車場の無い日本では、アメリカの大型車が売れるわけがない。トヨタはアメリカへの投資を増やすことを提案しているが、トランプが譲歩するであろうか?注目点である。

トランプの「強いアメリカの復活」は日米同盟を強化するしかない。そかし、その道は日本がアメリカの戦争に巻き込まれる道なのである。日本はトランプの「アメリカ第一主義」を利用して対米自立の機会にすべきであるが、安倍首相は徹底した対米従属主義者なので、今回の日米首脳会談は安倍首相には非常にリスクが高いのである。

トランプと安倍の首脳会談は世界が注目している。トランプが貿易摩擦を重視せず、日米同盟の強化を優先すれば、安倍首相は世界に先駆けて対米交渉で得点を挙げることができるであろう。したがって貿易交渉の中身は伏せられる可能性が高い。トランプ政権の外交は第一に北朝鮮とイランであり、この2国への厳しい対応が予想される。安倍首相が日米交渉で得点を上げられれば長期政権が現実化するであろう。世界的に孤立しかかっているトランプは、今回の首脳会談で柔軟な外交を見せればアメリカ国民の支持はさらに高まるであろう。日米交渉の中身に注目したい。
SEO対策:政治