ロシアと中国が世界で存在感強める時代!

アメリカのトランプ大統領が国内でユダヤロビーとキリスト教右派の支持を求めて、イスラエル米大使館をエルサレムに移すことを発表して世界中、特に中東で大きな抗議を巻き起こし、世界で孤立している中で、ロシアのプーチン大統領が突然シリアを訪問し、アサド大統領と会談した。プーチンは「国際テロ組織を壊滅させた。」としてシリアに駐留するロシア軍の撤退を発表した。

この後プーチンはエジプトに向かいシ―シ大統領と会談し、シナイ半島を拠点とするIS系武装組織の脅威に直面するエジプトの戦力を強化するためロシアとエジプトが軍事協力を拡大することで合意した。アメリカが世界の警察官役を放棄する中で、中東諸国の中でロシアの占める位置がより大きくなりつついある。シリアをISの侵攻からまもったロシアは確実に中東で存在感を高めたと言える。

アジアでは南シナ海に多くの基地を建設し、南シナ海を中国海軍の軍事拠点としたこと、インド洋に中国海軍の拠点港を次々建設し、アフリカのジブチにまで軍事拠点を建設し、「一帯一路」でアジア諸国を経済援助で手なずけ、東シナ海では日本の尖閣占領の布石を打ちながら、事実上アジアで中国がこの地域の支配者として振る舞い始めた。

アメリカのトランプ大統領の「アメリカ第一主義」の保護貿易主義への転換は、世界の覇権の放棄に他ならず、当然戦略的空白に乗じてロシアと中国が地域覇権主義の正体を露呈し始めた。EUは欧州統合がイギリスの離脱でほころび始めており、今後旧東欧及び中央アジアをめぐり勢力圏拡大が試みられるであろう。

今回のトランプ大統領のイスラエルの米大使館のエルサレムへの移転発表は拙劣としか言いようがない決断で、アメリカは自ら孤立の道を表明したに等しい。こうしたアメリカの孤立に唯一日本が「トランプ第一主義」を堅持していることは、まさに亡国路線としか言いようがない。日本は早急に防衛力を均衡のとれた形で強化し、自分の国は自分の力で防衛するようにしなければならない。

核戦力は核を持たない国には使える兵器であり、世界に国家が存続する限り核兵器は絶対になくならない。「核は絶対悪」と叫ぼうが、北東アジアでは特に、核兵器がなければ国防が成り立たない時代になった。北朝鮮のよう「なならず者国家」が核を保持した以上、その脅威は核を持たない国全てに及ぶのである。

世界全体が軍事力による国境線の変更の時代を迎えたことをはっきりさせるべきである。あらゆる観念的平和主義は「亡国の道」であることを鮮明にすべきである。日本は早急に対米自立し、防衛力強化に取り組むべきである。
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武器売却だけが狙いのトランプの強行発言のもたらすもの!

今年5月20日、トランプ大統領はサウジを訪問し、総額1100億ドル(約12兆円)の武器売却の契約に署名した。今年6月、トランプ大統領は総額14億2000万ドルの台湾向け武器売却計画を議会に通知した。早期警戒レーダーへの技術支援、高速対レーダーミサイル、魚雷、ミサイル部品等がふくまれる。

9月7日にはトランプは「私は、日本と韓国に対して、アメリカの高性能の軍事装備を大量に購入する事を認めるつもりだ。」とつぶやいた。17日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で小野寺防衛相は新たにイージス艦の地上版である弾道ミサイル迎撃システムイージス・アジョア2基(約1600億円)を購入する予定だと発表した。

トランプ大統領は北朝鮮のミサイル・核開発に強硬意見を並べており、またイランへの強硬意見を繰り返しているのは、アジアと中東地域への武器売却が狙いなのである。中国の急速な軍事力増強でアジアは巨大な武器市場と化し、中東のイラン・シリア・ヒズボラの軍事力増強で、IS後の中東は戦争の可能性を高めている。

ロシアはベトナムに最新型のフリーゲート艦2隻や最新戦車を売却し始めた。しかし武器売却ではアメリカの方が規模が大きい。アメリカは戦略的には引き続き「息継ぎの和平」を守りつつも、トランプは選挙公約の雇用の創出に向けて大規模な武器売却にのりだしている。自分からことさら戦争の危機を煽り、武器を売り付けるのだからこれも「アメリカ第一主義」の政治なのである。

問題は、大量の米製武器を売却したあとのアジアと中東の情勢がきな臭さを増すことだ。中国が社会帝国主義・軍事拡張主義として大軍拡にのりだしてもいる。習近平が描くように「中国の夢」を実現するには、アメリカからの覇権奪還が必要で、いまの習近平の過剰な生産力を大武器生産で賄う路線は、経済危機を招くだけでなく、巨大な産軍複合体を生みだしており、やがて米・中の覇権争奪が不可避となるであろう。

経済人であるトランプ大統領が、アメリカの巨大な武器売却がもたらす軍事的緊張状態に対し、その後の戦略を持っているとも思えない。ただ国内に雇用を生むために軍事産業国家として武器売却を大規模に進めているだけのように見える。安倍首相はどこまで対米追随一辺倒を続けるつもりなのか分からないが、彼の9条改憲は米中戦争の片棒を担ぐためのものに見える。国民はこうした事態を認識したうえで総選挙の投票に臨むべきであろう。

明確となったトランプ政権のアジアと中東への武器売却戦略!

アメリカのトランプ政権は13日、イランと欧米諸国が結んだ核合意に付いて、破棄はしないものの、経済制裁を再び発動するか、議会の判断に委ねるとの方針を発表した。またイランの核・ミサイル開発やテロ支援に対坑する新たな戦略を打ち出した。

北朝鮮の核・ミサイル開発でイランに核・ミサイル技術が売却されることから、北朝鮮問題の表裏の問題として、今回イラン政策を具体化したものである。トランプの北朝鮮敵視、イラン敵視はアジアと中東に武器を売却するトランプ政権の戦略的狙いが見えてくる。今のトランプは国内の雇用を増やすことが全てに優先されることなのだ。

同盟国を犠牲にして非介入主義を貫いたオバマ政権と違い、トランプは日本やイスラエルを重視する戦略を明確にしたのが特徴である。トランプに最も近い安倍が議会を解散したのはトランプ政権が当面「息継ぎの和平」を続けるとの判断が有ったようである。

北朝鮮とイランの核開発・ミサイル開発は同盟国日本とイスラエルにとっては死活的意味を持つものであり、トランプは今のところ北朝鮮とイランの核・ミサイル開発に否定的な態度を堅持しつつ、緊張を激化する態度を示している。その狙いは同盟国に武器を売却するためである。

トランプは、経済制裁で北朝鮮問題を話し合いで核を放棄させたいと考えているようだが、北朝鮮は軍事的緊張状態が続くことで政権を維持している側面があるので妥協するとも思えない。むしろアメリカに届く大陸間弾道弾は認めないが、日本や韓国に届く核ミサイルは容認する可能性が高い。この場合韓国・日本・台湾の核保有を容認する問題が出てくる。アメリカが核兵器を売却する可能性も浮上するであろう。

中東ではアメリカに失望していたサウジやイスラエル寄りの、対イランに厳しい態度をとる方向を打ち出している。今のところアメリカは「息継ぎの和平」を堅持しつつ、オバマ政権が同盟国を軽視し、敵国に譲歩する和平を、見直し、敵視政策に修正することで同盟諸国に武器を大規模に売却する方針なのである。アメリカの武器売却戦略が国際情勢を一段ときな臭くする可能性がある。

世界の警察官役不在の中の「合従連衡」に注目せよ!

トランプ政権はオバマ政権以上に内政重視だ。その内政も保護貿易主義で同盟諸国間のきずなをぶち壊すのだから、これは統一政権が崩壊し、再び戦国時代の勝ち抜き戦が訪れるようなものである。

つまり世界が新たな秩序を求めて自国の安全保障にまい進する時代なのである。北朝鮮はイランと結び核・ミサイル技術で同盟し、イランの核保有も避けられない事となった。そこで危機に直面するイスラエルとサウジが同盟関係構築に動いている。

ロシアはウクライナ問題で地政学に目覚めた。欧米の経済制裁下でシリアと中国へ接近した。世界で唯一世界覇権戦略を持っているのは中国だ。欧米の対ロシア経済制裁は、世界戦略を持つ最も危険な侵略勢力の中国の方にロシアを追いやったのは重大な誤りである。

イギリスはEUを離脱し、アメリカと日本に接近している。欧州は内部に移民問題を持ちながらも旧ソ連圏の諸国の経済的組み込みを目指すであろう。注目すべきはアメリカが抜けたTPP11カ国が自由貿易を立ち上げる動きが出ていることだ。資源のない日本は通商国家を目指すほかなく、将来アメリカがTPPに戻るまで自由貿易圏を維持する重要な役割がある。

アメリカが世界戦略を立て直すにはトランプ後の政権を待つほかなく、それまで中国は拡張主義をやり抜くであろう。重要なのは世界の主な指導者の中で中国拡張主義への戦略的対処の重要性に気付いている指導者が見当たらないことだ。中国の戦略は、日本を占領し、アジアを支配し、世界の覇権を打ち立てることであり、一党支配のファッショ的支配の軍事拡張主義の危険性を広く知らせるべきである。

日本は対米自立し、防衛力を強化して自国の防衛に万全を期して、その上で中国の覇権戦略を阻止する対坑戦略を持って外交を進めなければならない。日本はロシアとインド、ベトナムとの関係を強化して、アジアとインド洋での中国覇権主義と対抗する準備をぬかりなく行うべきである。

トランプ政権が促した多極世界の中の日本の戦略!

トランプ政権の「アメリカ第一主義」によって世界は各国が自国の利益を優先する時代に入った。トランプの保護貿易主義はアメリカ金融資本に打撃を与え、アメリカを経済的に弱体化させるであろう。欧州(=ドイツ・フランス同盟)はアメリカから離れていくであろう。

欧米の対ロシア制裁は現在はロシアを中国の方に追いやったが、アメリカと欧州の遊離はロシアとの関係改善を促すであろう。元社会主義のロシアはアメリカが期待するような普通の資本主義にはなり得ず、もと官僚達が支配する国家資本主義であり、多極化はロシアの経済圏取り込み競争を激化させるであろう。

多極化した世界で最も危険な侵略勢力は中国拡張主義である。アメリカ以上の軍産複合体が急速に肥大化しており、「一帯一路」・新シルクロード戦略は自国の過剰な生産設備のはけ口を目指すものであり、世界の成長を促すものにはなりえない。

中国社会帝国主義は国内の権力争いが絡むので過剰な設備の破棄が進まず、産業の軍事化がますます進行するのは避けられない。トランプのアメリカはロシアとの関係改善で、ロシアと中国・欧州とロシアの関係を分断し、世界の主導権回復を目指したいところであるが、アメリカ金融資本はアメリカの対ロシア関係改善に反対しており、トランプのロシアとの関係改善の戦略は簡単ではない。

トランプが弾劾で失脚しないなら、アメリカの経済力は衰退を続けるであろう。つまり日本のアメリカに依存した安全保障は先行き期待が持てないのである。日本は当面はアメリカの核の傘で中国と北朝鮮の脅威に対応しながら、対米自立を進め、対ロシア関係を改善し、経済的な相互依存関係を築きながらロシアの取り込みを進め、中国とロシアの関係を分断する戦略を進め、2正面に敵を迎える愚を回避し、中国覇権主義の軍事的暴走=侵略に単独で防衛できるよう防衛力を早急に増強しなければならない。

トランプの保護貿易主義が、トランプ恐慌を招き、世界を第三次世界大戦に導く可能性もある。アメリカの保護貿易主義で、アメリカの覇権の放棄、多極世界への移行は、世界情勢を一気に流動化させるであろう。日本はアメリカとロシアとの友好関係を維持しつつ、中国社会帝国主義の侵略に備えなければならない。安倍首相の外交・戦略が最近動揺的なのはトランプの自国第一主義の前にふらつきが表れている結果である。しっかりせよと言いたい。
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