明確となったトランプ政権のアジアと中東への武器売却戦略!

アメリカのトランプ政権は13日、イランと欧米諸国が結んだ核合意に付いて、破棄はしないものの、経済制裁を再び発動するか、議会の判断に委ねるとの方針を発表した。またイランの核・ミサイル開発やテロ支援に対坑する新たな戦略を打ち出した。

北朝鮮の核・ミサイル開発でイランに核・ミサイル技術が売却されることから、北朝鮮問題の表裏の問題として、今回イラン政策を具体化したものである。トランプの北朝鮮敵視、イラン敵視はアジアと中東に武器を売却するトランプ政権の戦略的狙いが見えてくる。今のトランプは国内の雇用を増やすことが全てに優先されることなのだ。

同盟国を犠牲にして非介入主義を貫いたオバマ政権と違い、トランプは日本やイスラエルを重視する戦略を明確にしたのが特徴である。トランプに最も近い安倍が議会を解散したのはトランプ政権が当面「息継ぎの和平」を続けるとの判断が有ったようである。

北朝鮮とイランの核開発・ミサイル開発は同盟国日本とイスラエルにとっては死活的意味を持つものであり、トランプは今のところ北朝鮮とイランの核・ミサイル開発に否定的な態度を堅持しつつ、緊張を激化する態度を示している。その狙いは同盟国に武器を売却するためである。

トランプは、経済制裁で北朝鮮問題を話し合いで核を放棄させたいと考えているようだが、北朝鮮は軍事的緊張状態が続くことで政権を維持している側面があるので妥協するとも思えない。むしろアメリカに届く大陸間弾道弾は認めないが、日本や韓国に届く核ミサイルは容認する可能性が高い。この場合韓国・日本・台湾の核保有を容認する問題が出てくる。アメリカが核兵器を売却する可能性も浮上するであろう。

中東ではアメリカに失望していたサウジやイスラエル寄りの、対イランに厳しい態度をとる方向を打ち出している。今のところアメリカは「息継ぎの和平」を堅持しつつ、オバマ政権が同盟国を軽視し、敵国に譲歩する和平を、見直し、敵視政策に修正することで同盟諸国に武器を大規模に売却する方針なのである。アメリカの武器売却戦略が国際情勢を一段ときな臭くする可能性がある。
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世界の警察官役不在の中の「合従連衡」に注目せよ!

トランプ政権はオバマ政権以上に内政重視だ。その内政も保護貿易主義で同盟諸国間のきずなをぶち壊すのだから、これは統一政権が崩壊し、再び戦国時代の勝ち抜き戦が訪れるようなものである。

つまり世界が新たな秩序を求めて自国の安全保障にまい進する時代なのである。北朝鮮はイランと結び核・ミサイル技術で同盟し、イランの核保有も避けられない事となった。そこで危機に直面するイスラエルとサウジが同盟関係構築に動いている。

ロシアはウクライナ問題で地政学に目覚めた。欧米の経済制裁下でシリアと中国へ接近した。世界で唯一世界覇権戦略を持っているのは中国だ。欧米の対ロシア経済制裁は、世界戦略を持つ最も危険な侵略勢力の中国の方にロシアを追いやったのは重大な誤りである。

イギリスはEUを離脱し、アメリカと日本に接近している。欧州は内部に移民問題を持ちながらも旧ソ連圏の諸国の経済的組み込みを目指すであろう。注目すべきはアメリカが抜けたTPP11カ国が自由貿易を立ち上げる動きが出ていることだ。資源のない日本は通商国家を目指すほかなく、将来アメリカがTPPに戻るまで自由貿易圏を維持する重要な役割がある。

アメリカが世界戦略を立て直すにはトランプ後の政権を待つほかなく、それまで中国は拡張主義をやり抜くであろう。重要なのは世界の主な指導者の中で中国拡張主義への戦略的対処の重要性に気付いている指導者が見当たらないことだ。中国の戦略は、日本を占領し、アジアを支配し、世界の覇権を打ち立てることであり、一党支配のファッショ的支配の軍事拡張主義の危険性を広く知らせるべきである。

日本は対米自立し、防衛力を強化して自国の防衛に万全を期して、その上で中国の覇権戦略を阻止する対坑戦略を持って外交を進めなければならない。日本はロシアとインド、ベトナムとの関係を強化して、アジアとインド洋での中国覇権主義と対抗する準備をぬかりなく行うべきである。

トランプ政権が促した多極世界の中の日本の戦略!

トランプ政権の「アメリカ第一主義」によって世界は各国が自国の利益を優先する時代に入った。トランプの保護貿易主義はアメリカ金融資本に打撃を与え、アメリカを経済的に弱体化させるであろう。欧州(=ドイツ・フランス同盟)はアメリカから離れていくであろう。

欧米の対ロシア制裁は現在はロシアを中国の方に追いやったが、アメリカと欧州の遊離はロシアとの関係改善を促すであろう。元社会主義のロシアはアメリカが期待するような普通の資本主義にはなり得ず、もと官僚達が支配する国家資本主義であり、多極化はロシアの経済圏取り込み競争を激化させるであろう。

多極化した世界で最も危険な侵略勢力は中国拡張主義である。アメリカ以上の軍産複合体が急速に肥大化しており、「一帯一路」・新シルクロード戦略は自国の過剰な生産設備のはけ口を目指すものであり、世界の成長を促すものにはなりえない。

中国社会帝国主義は国内の権力争いが絡むので過剰な設備の破棄が進まず、産業の軍事化がますます進行するのは避けられない。トランプのアメリカはロシアとの関係改善で、ロシアと中国・欧州とロシアの関係を分断し、世界の主導権回復を目指したいところであるが、アメリカ金融資本はアメリカの対ロシア関係改善に反対しており、トランプのロシアとの関係改善の戦略は簡単ではない。

トランプが弾劾で失脚しないなら、アメリカの経済力は衰退を続けるであろう。つまり日本のアメリカに依存した安全保障は先行き期待が持てないのである。日本は当面はアメリカの核の傘で中国と北朝鮮の脅威に対応しながら、対米自立を進め、対ロシア関係を改善し、経済的な相互依存関係を築きながらロシアの取り込みを進め、中国とロシアの関係を分断する戦略を進め、2正面に敵を迎える愚を回避し、中国覇権主義の軍事的暴走=侵略に単独で防衛できるよう防衛力を早急に増強しなければならない。

トランプの保護貿易主義が、トランプ恐慌を招き、世界を第三次世界大戦に導く可能性もある。アメリカの保護貿易主義で、アメリカの覇権の放棄、多極世界への移行は、世界情勢を一気に流動化させるであろう。日本はアメリカとロシアとの友好関係を維持しつつ、中国社会帝国主義の侵略に備えなければならない。安倍首相の外交・戦略が最近動揺的なのはトランプの自国第一主義の前にふらつきが表れている結果である。しっかりせよと言いたい。

世界経済の危険な傾向と経済の軍事化について!

いま世界経済はテロと保護主義の二重苦にある。日本経済は震災復興需要とオリンピック関連の需要で好調だが、欧州経済はイギリスとアメリカの保護貿易主義とテロ続発で危機に直面している。

政教一致のイスラム教の原理主義の拡大はテロとなって世界を震撼させている。宗教が心の問題であるのに、イスラム教をどう世俗化するかが問題であるのに、軍事的に解決しょうとする点だけに間違いがある。

保護貿易主義はイギリスとアメリカの経済に打撃を与えることになるだけでなく、世界貿易を縮小させることになる。中東や欧州の市場が荒れることは世界経済に打撃となり、それにアメリカまでもが石炭や鉄鋼産業資本家にテコ入れする政策では、自然破壊とともに環境技術の立ち遅れを生むに違いない。

トランプ大統領の保護貿易主義はアメリカ経済に打撃を与えただけでなく、中国拡張主義を多いに助け、励まして、世界の多極化を一気に進めた。中国拡張主義の危険性は「一帯一路」の西への鉄道輸送による中央アジアへの進出にはない。危険なのは「海洋進出」であり、海軍力の増強にある。

テロと保護貿易主義で世界経済の貿易が縮小に向かうことは避けられず。世界的な不況が目前に迫っている。しかも中国の軍事大国化が世界を軍拡へと導きつつある。中国の海洋進出・南シナ海の軍事拠点化や南シナ海の軍事挑発はアジア各国をして軍拡へと舵を切らせた。

貿易の縮小と経済対策としての軍拡は経済をますます軍事化し、世界大戦の危機を招きつつある。とくに北東アジアでは北朝鮮の核・ミサイル開発を裏で促しながら中国がアジアの盟主の地位をアメリカから奪い取ろうとして空母建造にまい進している。

中国拡張主義が覇権国を目指している時に、アメリカは内向きの保護貿易主義であり、産業資本家のための政策を推進しているのだから、まるで中国の野望を促しているように見える。米・英の保護貿易主義の中で、欧州・ロシア・中国の多極化が世界の特徴である。特にトランプ政権は世界戦略を示せない中で、ロシアゲート事件の調査が進み、弾劾の可能性の中で任期前の辞職もあり得る情勢となり、世界は新興の中国社会帝国主義の覇権への夢を追って、軍事的拡張主義の暴走があり得る。

世界は経済の軍事化の方向に進みつつあり、情勢は世界大戦前の状況と極めて似てきている。日本は内向きのアメリカに見切りをつけ自立して軍事力増強に取り組み、単独で中国拡張主義の侵攻を阻止する力を持たなければならない。必要なのは「成長戦略」と称した私的利益の導入ではなく、自立した国家としての確固とした防衛戦略である。

独裁政権がのさばる世界の危険!

アメリカはトランプ大統領とマスコミの対立、反トランプのデモも相変わらずだ。イギリスはEU離脱で経済的衰退が予想される。フランスはマクロン政権が右翼に勝利したと言っても議会では少数派だ。世論が割れている事には違いがない。欧州諸国は右翼の台頭で揺れて、移民政策がつまづき始めた。

冷戦後の自由化が格差社会を生み、自由圏の先進国はどこも国論が分裂状態だ。何処もが外交どころではない。こうした格差社会では独裁国家の方が外交は有利になる。北朝鮮が核・ミサイル開発で核保有国の基盤を固め、サイバーテロで世界中を混乱させている。中国社会帝国主義が「一帯一路」の戦略で、アジアから欧州までの大経済圏戦略にのりだした。中国社会帝国主義がその野心を露呈しなじめたことは、やがて世界がその拡張主義の危険に巻き込まれることになるであろう。

中東はイスラム原理主義の反動復古がのさばり、西側世界の武器市場になっている。ロシアはウクライナのクリミア半島を併合して、経済制裁の打撃を受けているとはいえプーチン政権の支持率は高い。こうして見ると世界は欧米が社会的分裂で内政重視になり、その隙をついて独裁国家が得点を稼いでいるのである。つまり世界は軍事力による国境線の変更の時代を迎えている。

トランプ米政権が中国の「新型の大国間係」を逆手にとり、北朝鮮に経済制裁で核放棄をせまる戦略は、今のところ成功の兆しはない。逆に中国の自己の勢力圏での統治を認める結果になり、将来アメリカと軍事力による覇権争奪になることが心配される。

世界が軍事力でことを決する時代に突入し始め、各国が軍拡競争に乗り出しつつある。こうした時代に「憲法9条は日本の宝」という観念的平和主義=法的観念論は国防をおろそかにし、日本を亡国に導きかねない。また集団的自衛権で、アメリカの侵略戦争に加担する道も、日本を亡国に導くこととなる。

我々は、アメリカの一極支配が崩壊しつつある時、対米追随ではなく、対米自立して独自の防衛力を強化しつつ、平和主義を貫く道を提起したい。世界は独裁国家がのさばる時代へと突き進んでいるが、やがていくつかの軍事ブロック化が進むであろう。日本は再び「3国同盟」の誤りを繰り返すのではなく、自立して武装中立・平和主義を堅持しなければならない。
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