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制裁下のロシア経済は復調、EU経済は大打撃!

ロシアの2022年の国内総生産(GDP)が、前年比マイナス2.5%程度となることが15日分かった。ロシア中央銀行が同日までに示した予測で、正式な成長率はロシア連邦統計局が近く発表する見通し。日米欧による原油の輸入禁止などの制裁効果で2桁の大幅減と当初みられていたが、中国やインドが買い支えたこともありロシア経済は持ちこたえている。

欧米の経済制裁でロシア産の原油や天然ガスはインド・中国への売却が急増しており、価格の高騰で3割引きでの売却価格でも、ロシアの外貨収入は増えているという。つまりウクライナ戦争での対ロシア経済制裁は、ロシア経済にはわずかしか打撃とはなっていないのである。

ロシアによるウクライナ侵攻後、欧米や日本の自動車メーカーはロシアでの販売を取りやめた。そこで外国の「仲介企業」に購入してもらい、そこからロシアに仕入れるのが「並行輸入」だ。ロシア政府も侵攻後、並行輸入が可能な96品目のリストをつくるなど、法整備を進めて後押している。

ロシアで販売停止したアイホーンも、大手ショップに豊富に並んでいる。ロシア郵便は外国企業と提携し、欧米からネットで購入できるサイトを設けた。「バイエル」と呼ばれる個人の仕入れ屋もいる。トルコや中国、ドバイなどを拠点に商品を購入し、ロシアに送る。スマホや高級ブランド品、薬など、専門分野を持つバイエルも多く、トルコで取材すると、制裁で活況となったと語る仕入れ屋もいるらしい。

欧米の対ロシア経済制裁は、中国・インド・中東を介した「並行輸入」と称する迂回輸入で制裁の効果は尻抜けで、今年のロシア経済はプラスに転ずると言われている。ただしロシア製の自動車生産はIC不足で生産が激減しているが、欧米の車が迂回輸入され、また日本製の中古車が大量にロシアに輸出されており、対ロシア経済制裁は効果がない事態となっている。

これに比べて欧州経済はマイナス成長で、EUを離脱したイギリスや、ロシアからの安いエネルギーに依存していたドイツや東欧諸国の経済は打撃が深刻さを増している。アメリカ経済はエネルギー・兵器の欧州への輸出で儲けているが、欧州経済の打撃が大きく、ウクライナへの軍事支援の温度差が欧米で露わとなっている。

ウクライナ戦争を世界通貨の側面から見ると、アメリカの狙い通りユーロ経済圏に打撃を与えられたが、同時に中国・ロシア・中東の非ドル通貨圏を生み出しつつある。サウジが中国との間で元による原油取引を認めたことは、アメリカのドル支配には打撃であり、今後経済のブロック化は避けられない。

現在は対ロシアの脅威があるので、欧州の安全保障面でのアメリカ依存が存在するが、今後、欧州はアメリカ離れを強める可能性がある。とりわけアメリカがロシアとドイツ間の海底ケーブルを爆破したことは、ドイツの人たちの間で反発を強めており、欧州における極右の台頭とともに、NATOも解体の方向へと進む可能性がある。この面でのプーチンの欧米への分断外交が一つの焦点となる。

エネルギー価格の高騰で米・日・欧の経済が打撃を受けているが、中国経済は安上がりなエネルギーをロシアから購入することで、経済的には優位に立っている。今後中国は集積回路などの先端産業分野で自給体制構築へと進むに従い、戦略的に優位を確立していく可能性が高い。アメリカの先端産業分野での経済制裁も迂回輸入で効果が制限される可能性があり、ウクライナ戦争の継続は、欧米側に戦略的不利に働くことが今後明確化するであろう。
#復調したロシア経済
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プーチンは戦争が分かっていない!

プーチンはKGB出身だけに戦争が分かっていない。アメリカやNATO諸国が、ウクライナに対空・対戦車個人携帯ミサイルなどを大量に支援していることにお構いなしに、ウクライナ軍だけ攻撃せよという命令が間違っている。ロシア軍が都市への進軍で、待ち伏せ攻撃で多大な打撃を受けるのは分かり切ったことだった。

NATOの軍事基地化を阻止するなら、軍基地と橋など交通インフラを空爆するだけでよかった。都市を攻撃すると市街戦になり、携帯ミサイルの餌食になるだけで、被害が拡大すれば虐殺や、戦術核兵器を使用するようになりかねない。今後ウクライナは戦争の泥沼になりかねない。

どうやらアメリカの狙いは、ウクライナを泥沼にしてロシア軍を消耗戦に引きずり込み、プーチン政権を打倒する狙いがありそうだ。アメリカは政権を取り換えればロシアが普通の資本主義になるとでも思っているようだが、これは間違いだ。プーチン政権を取り換えてもロシアの官僚独裁の政権には変わりがない。

一度社会主義の国になると、官僚独裁に変質し、共産党が解体しても、元官僚どもの究極の国家資本主義の国になる。経済的に見ても、土地などの生産手段が国有化された国では価値法則が貫徹せず、普通の資本主義にはなりそうもないのである。したがってウクライナを「捨て駒」にしたアメリカのプーチン政権打倒の陰謀は成功しない。むしろ逆にロシアを中国の側に押しやり、アメリカの覇権喪失を早めることになりかねない。もっともEUとロシアの間に冷戦の壁は作れるので、ドル支配は延命する可能性がある。

今後のウクライナ戦争の焦点は、プーチンが早期の撤退を決断し、ウクライナの交通インフラのみ攻撃し、NATOの軍事拠点化を阻止するだけの、柔軟な戦略転換ができるかどうかだが、プーチンは謀略は専門だが戦争は知らない。プーチンがアメリカの罠にひっかかった可能性が高い。

ドイツ政府がウクライナへの携帯ミサイルの支援を決めたのは、プーチン後を見据えた判断だと見てよい。東ドイツ出身のメルケル首相が引退したことでプーチンの暴走を止められる指導者がいなくなったようだ。

ロシアの政権崩壊がもしあれば、日本の北方領土回復の好機となるかもしれない。しかしロシアは核保有国であり、軍事大国だけに、アメリカのプーチン政権解体はヨーロッパ全体を戦火に巻き込む危険性を内包している。またウクライナ戦争の泥沼化は、中国の覇権獲得に向けた好機となる可能性が強い。北朝鮮も韓国も反日の動きを強める可能性がある。習近平の中国は、もともと国民に反日教育を強化しており、日本の占領を目指し強国路線を進めている。日本は戦略的危機にあるといえる。

日本はGDP1%の軍事費を早急に2,5%にして対米自立すべきであり、少なくとも世界大戦が始まる前に防衛力の強化を急がねば、亡国を招きかねない。時代は世界の警察官不在の軍事力による国境線の書き換えの時代なのである。もはや従属憲法をもてはやす平和主義は亡国の道なのである。
#ウクライナ戦争 #プーチン政権

米とEU・ウクライナでロシア軍侵攻で認識に格差!

 ウクライナは、91年の独立以降、大統領選では親ロ派と親欧米派が対立してきた。アメリカ政府の画策で、14年にクーデターで親ロ政権が崩壊し、親欧米派のポロシェンコ政権が発足。19年にゼレンスキー政権が誕生。ロシアは親欧米路線をとる同政権を親ロシアに戻そうとしており、プーチン大統領はウクライナ人とロシア人が「ひとつの民族だ」と述べたように旧ソ連圏は自国の勢力圏と考えている。ゼレンスキー大統領は北大西洋条約機構(NATO)加盟への意欲を公言し、ロシアとの対立は深刻化している。

 このウクライナをめぐり、ロシア軍の侵攻が近いとするアメリカと、「そうした状況にはない」とするEU・ウクライナとの認識の格差が表面化している。それは以下の諸点に表れている。
(1) ロシア軍のウクライナ侵攻が近いとする、アメリカ防総省のカービー報道官は25日、東欧諸国への派遣に備える米兵について最大8500人から拡大する可能性に言及した。国防総省は24日、北大西洋条約機構(NATO)が多国籍の即応部隊を東欧の加盟国に派遣すると決めれば、米国から最大8500人が参加すると明らかにしていた。
 またアメリカ政府は、大使館職員の家族にウクライナから退避するよう命じた。

(2) 欧州連合(EU)は24日に開いた外相理事会にアメリカのブリンケン国務長官を招き、ウクライナ国境で軍備を増強するロシアへの対処方針を議論した。米国が一部の在ウクライナ大使館員の自主退避を認めたのに対し、EUとしては、そうした状況にはないという点で一致した。ロシアの軍事侵攻への危機感について認識の違いが表面化した。

 (3)報道によると、ウクライナがロシアによる早期の軍事侵攻の可能性を躍起になって否定している。ウクライナのレズニコフ国防相は「(ロシア軍は攻撃の可能性を示すような)攻撃部隊を編成していない」と語っている。ウクライナに対するロシア軍侵攻が間近に迫っているとの見方は主にアメリカ政府が示しているが、ウクライナのゼレンスキー大統領や国防相らが真っ向から否定し、後ろ盾であるアメリカとの足並みが乱れている。
 アメリカ政府はロシア軍がウクライナに侵攻すれば経済制裁を強化することを表明している。ロシアは世界の天然ガス生産の17%を占め、欧州は消費量の3割をロシアに依存する。アメリカメディアによると、ウクライナを通るパイプラインを経由して欧州に流れる量はそのうちの3分の1に達する。アメリカ政府高官は「このルートの供給をすでに半減させており、途絶えれば欧州に深刻な影響が出る」と話した。米欧が資源大国であるロシアへの経済制裁強化に踏み切れば、影響は世界経済に及ぶのは確実だ。ゆえに金融市場には動揺が広がり、株価は下がった。

 ロシア軍のウクライナ侵攻をめぐるこうした認識の相違は、アメリカ政府が欧州に新たな反ロシアの冷戦ラインを作りたがっていることの表れであり、欧州とウクライナはユーロ経済圏の旧ソ連圏への拡大を目指しており、NATOの必要性はなくなりつつある。それゆえアメリカの反ロシアの冷戦ライン構築には組したくないのである。

 アメリカ政府は、対中国の覇権争いに集中しなければならないが、その間に欧州共通通貨のユーロ経済圏が旧ソ連圏に拡大すれば、ドル支配が揺らぐと考えているのである。つまり世界の多極化の中で、アメリカはNATOを維持し、そのために反ロシアの冷戦構造を必要としていると見ていい。こうしてウクライナをめぐるアメリカと欧州の認識の格差が生まれているのである。

 日本にとって重要なことは、バイデン政権がロシアを中国側に追いやる外交をとっていることだ。これは日本にとっては2正面に敵を迎えることになる。バイデン外交では中国だけが「漁夫の利」を得ることになる。バイデンが世界戦略を理解していないことは明らかだ。
#ウクライナ問題

NATOの東方拡大阻止目指すプーチンの強気!

 ロシアのプーチン大統領は、21日、モスクワの国防省で開かれた会合で演説し.緊張が高まっているウクライナ情勢をめぐって、ウクライナがNATO=北大西洋条約機構に加盟しないことを法的に保証する協定が必要だと一方的に主張し、アメリカとの交渉のなかで、要求していく姿勢を強調した。

 さらにプーチンは、欧米諸国が攻撃的な路線を続けるのであれば、われわれは軍事的、技術的な対応をとり、非友好的な措置に対して厳しい対応をとる」と軍事的な行動も辞さない強気の姿勢を示した。

 DPA通信は、NATOが来年1月12日に「NATOロシア理事会」の会合を招集することを検討していると伝えた。緊迫するウクライナ情勢を協議するためだとみられる。、この会合で欧米がプーチンの要求であるウクライナのNATO加盟をあきらめるかが、注目される点である。もしウクライナのNATO加盟を認めると、ロシア軍のウクライナ侵攻は確実で、アメリカにとってはアフガンから撤退してまで進めた対中国重視の戦略転換も破たんすることになりかねない。

 タス通信によると、プーチン大統領は26日放映のロシア国営テレビの番組で、ロシアの要求が拒否された場合、「軍事専門家からの提案に基づき、ロシアはさまざまな対応を取る」と述べた。

 バイデン米大統領が24日、クリスマスイブに子どもたちと電話で話す公開イベントで、4人の子どもの父親という男性から「くたばれバイデン」を暗に意味する侮辱的なスローガンを浴びせられる一幕があった。バイデン氏は「同意する」と応じたが、米メディアは、意味を理解していたかどうかは不明だと伝えている。

 国内の対立と分裂の中でバイデンの支持率は急落しており、ウクライナ問題でもウクライナに米軍を派遣しないと断言しているだけに、アメリカがプーチンの強硬姿勢にどのような対応をとるか注目される。

 バイデン政権が本当に対中国戦略を重視しているなら、ウクライナ問題でロシアに譲歩し、ロシアと中国を分断する戦略をとるであろう。原油価格の高止まりで産油国のロシア経済は持ち直す可能性が高くなっており、プーチンの強気の外交は弱まりそうにない。

 NATOがプーチンの強気を読み間違うと、ウクライナ問題は第3次世界大戦の発火点となりかねないであろう。
#ウクライナ問題で強気のプーチン

領土維持が困難になったロシア国境地帯!

 月刊誌「選択」11月号は「ロシア国境地帯の激しい人口減少」を報じている。この記事はロシアとの国境問題を抱える国には見逃しにできない情報である。

 記事はロシア全土で、国境地帯の人口減少や経済的衰退が進んでいる。その原因はコロナウイルス感染対策により国境を挟んだ貿易が難しくなり、国境地帯で貿易で潤っていた地域経済が大打撃を受けているという。

 例えば日本の北方領土と関係が深いロシアの極東は東アジアの発展から完全に取り残されており、極東管区の人口はソ連崩壊時は800万人を超えていたが、2010年で630万人で、今は400万人台という推計もあるという。

 ヨーロッパの西の端、プスコフ州はエストニア、ラトビア、ベラルーシと国境を接しているが、ここも辺境の越境ビジネスがコロナ感染症で国境が閉鎖され、交易が閉ざされて経済的に疲弊し、2010年の国勢調査で人口が約67万人だったのが、現在は20%も人口が減少している。

 ロシア南部(中央アジア)のカフカス地方ではチェチェン戦争など治安が悪化し、イスラム教の勢力拡大で、キリスト教のロシア人は、以前は人口の50%を占めていたが、現在のロシア人は0.9%に過ぎない。イングーシでもロシア人は約1%以下、ダゲスタンではロシア人は3%まで減少している。

 このようにロシアの辺境は欧米の経済制裁と、コロナ禍で国境交易が出来なくなり経済的に疲弊し、ロシア人が急減し、もはやロシアの辺境の領土支配は経済的に崩壊状態となっている。

 長年中国とロシアの国境紛争の係争地である、ウスリー川とアムール川の間にある大ウスリー島は、半分を中国側が支配しているが中国側は開発が進み、ロシア側は国境警備兵が撤退し、事実上中国の領土と化しているという。中国はかねてからシベリアを自分の領土と考えており、ロシアとの国境地帯に人を送り込み、シベリアにも中国人が浸透している。

 日本の北方領土のある千島列島ではロシアの公式統計では人口が約1万5000人1945年の終戦時と全く変わらない。つまりロシア政府は辺境地域を開発する力はなく、事実上ロシアの統治は崩壊状態だという。辺境地帯の越境交易が新型コロナ禍で国境が封鎖されたため、ロシアの領土維持が難しくなっている。

 日本政府はこうしたロシアの国境地帯の経済的疲弊に付け込む外交を行うべきであり、北方領土のロシア人を経済的に取り込む外交が必要となっている。
#北方領土
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