地政学に目覚めたプーチンの東欧親ロ化工作!

オバマ政権が、ウクライナのクーデターとNATO加盟を策動したことが、ロシアのプーチン政権を地政学に目覚めさせた。結果ウクライナの戦略的要衝のクリミア半島がロシアに併合され、さらにプーチンは東欧諸国に工作活動を強化して次々と親ロシア政権を誕生させ始めた。オバマがウクライナに軍事介入する気もないのになぜ野党をテコ入れし、クーデターを画策したのか理解に苦しむ。

EUとNATO加盟のブルガリアと、西側志向のモルドバで「新ロシア」派の大統領が誕生したのは、天然ガスや、米企業のシェールガス開発を潰すための環境団体への経済支援や文化活動やスパイ、マフィアまで動員したプーチンの東欧諸国を奪い返す戦略の表れと見られている。

今回ロシアとの関係を改善するトランプ次期米政権の誕生は欧州への接近を目指す旧東欧諸国には衝撃で、ロシアによる野党勢力へのてこ入れで政権が打倒される可能性を強め、動揺している。プーチンを地政学に目覚めさせたオバマの誤りは明らかである。わざわざEUに接近する東欧諸国に、NATOの基地を作るかの動きは無用と言うべきであった。アメリカのトランプ次期大統領が「欧州離れ」「NATO離れ」を公言しているのだから、EUは東欧諸国をめぐりロシアの親ロ政権作りに対抗し、対立を深める可能性がある。

しかし、地政学に目覚めたプーチンではあるがアジア方面での中国の戦略的動きには疎い。中国はインドや東シナ海や南シナ海で派手に軍事行動をするが、中国の真の狙いはロシアのシベリアへの中国人の送り込みにある。ロシアは数年以内に2000万人と言われる労働力不足になる。この隙をついて中国政府はシベリアの戦略的取り込みに向けて、ロシアへ労働力を送り込み、浸透を強めている。ロシアの極東では中国人移民による犯罪やロシア住民との軋轢が激化しており、ロシア政府も中国の戦略に気付いていると思われるが、欧米の経済制裁下ではプーチンは中国に強く出れない状況にある。

プーチンの地政学への目覚めはあくまでもNATO対策であり、アジアの地政学には無警戒と言うべきである。安倍首相は近く訪日するプーチンに、中国拡張主義への警戒を警告した方がいい。
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対ロシア外交を前進させることは米国にも利益となる!

安倍首相が北方領土解決にのりだそうとしている事に反対する勢力がいる。反対派の主張をまとめると「歯舞色丹の2島先行返還は択捉、国後放棄につながる」「択捉、国後の返還先送りは中国に誤ったメッセージを送ることになる。」「自衛隊配備や米軍駐留が焦点になる。」「日ロの接近は日米同盟に遠心力が働くかもしれない」「日本の1兆円を超えるロシア援助は無駄だ。」と言う主張である。

安倍政権の領土問題の解決が2島先行返還であることは間違いないようである。安倍政権の対ロシア外交は、中国拡張主義の日本への軍事進攻が避けられない、という分析に立っている。つまりアメリカが「息継ぎの和平」を当分の間続ける以上、日本は単独で中国とロシアを同時に敵にできないのである。そうであるなら外交でロシアを中国から引きはがすしかない。

欧米の対ロシア外交は完全に間違っており、経済制裁で欧米が得たものはプーチンのロシアを地政学に目覚めさせただけである。社会主義を捨てたロシアは土地の所有制の制約があり、すぐに普通の資本主義国になるわけがない。オバマの些細な問題を取り上げて戦略的利益を捨てる拙劣な外交で、ロシアとフィりピンを中国の方に追いやる愚は、日本の防衛にとっては迷惑なことでしかない。安倍首相の対ロシア・対フィりピン外交はアメリカの失策を回復することであり、アメリカが反対し、日米の間に「遠心力」が働く訳がない。

中国はシベリアに大量の労働力を送り込み、その結果ウラル以西のロシア人の人口が急減している。これは投資の減少もあり、なりよりもロシアが必要とするのは日本の技術と資金であり、日本が必要とするのは資源と先端産業の市場である。日本とロシアの経済的利害は噛み合っており、経済の相互依存を深めれば、ロシアがアジアで敵対的に動けなくなる。ロシアを軍事的に味方にする必要は無く、資本主義の枠内で経済成長していけば、それはアメリカの利益にもなる。シベリアの開発にアメリカ企業も引き込めばアメリカが反対するわけがない。

日ロの経済的相互依存が進むのだから北方領土に自衛隊も米軍も必要ないであろう。北海道の自衛隊も半分を九州・沖縄とその周辺の諸島方面に配置替えできる。択捉、国後を日ロの自由貿易地域にすれば、いずれこの2島は日本の経済圏から離れられなくなる。日ロ関係をさらに深める時に択捉、国後の帰属問題を解決すればよい。中国は資金はあっても技術がない、ロシアは中国と関係を強めても経済的利益は無いのであり、しかも中国内部ではウラル以西は中国領との考えが台頭しており、プーチンは中国の領土的野心を見抜いている。

何よりも日本の対ロシア外交改善は中国の軍事的冒険主義を抑止する力となるであろう。アメリカがアジアから手を引きたがっている時に、日本は防衛面でアメリカに依存できない時代がきており、自立による主体的防衛が避けられない時代なのである。アジアでの日本の役割の強化はアメリカには「渡りに船」で有ることは明らかだ。もはやアメリカは世界の警察官の役割は果たせない時代なのである。アメリカの手先どもの遅れた対ロシア外交反対は日本を亡国に導く誤りなのである。日本の1兆円のロシア支援はまだ少ないぐらいであり、日本には企業の多額の内部留保や、投資先の無い資金がタックスヘイブンなどの租税回避地に何100兆円も余っているのだ。くだらない意見で日本の戦略外交に反対するバカ者達は無視すればよい。日本はいつまでもアメリカの顔色を見ていては対米自立などできないであろう。

多重危機の中の、薄氷のアジアの平和!

東アジアは戦争の発火点がテンコ盛りだ。北朝鮮は書く・ミサイル開発に拍車をかけ、中国拡張主義は尖閣の占領に向け多数の公船で領海を侵犯し、着々と既成事実を積み上げる。南シナ海では岩礁を埋め立てて軍事基地が次々と建設された。フィりピンの近くのすかボロ―岩礁では中国が埋め立てをし始めた。これにより台湾は完全に包囲される。

朝鮮半島・台湾・尖閣諸島・南シナ海はいつでも仕掛け人が決意すれば戦争の発火点となる。その仕掛け人とは中国社会帝国主義の独裁者の習近平である。国内情勢が不穏な状況になれば、中国は内的矛盾を外的矛盾に転化することは確実なのである。だから意識的に戦争の発火点をいくつも作りあげた。

これに対しアメリカはオバマの非介入主義であり、次の大統領は候補の2人とも内政重視であり、大統領選では戦略論議は少しもなく、低レベルな批判合戦に終始している。アメリカの経済戦略であるTPPでさえ、「雇用を奪うもの」としてしか認識されていないのである。オバマのアジア重視は口先だけで、東アジアの4つの発火点では戦略的主導権は中国の側が握っている。

米日韓の軍事同盟は日韓関係の悪化で機能するとも思えず。アメリカの4つの発火点に対する軍事的対応は何もない。唯一戦略的な動きは安倍首相の対ロシア関係の改善の動きである。しかしこの動きもアメリカ政府が反対しており、北方領土と経済協力の2点で妥協できるのか、いや妥協しなければ日本は2正面を強いられることになる。

アジアにおける4つの発火点に日本は翻弄される可能性が有る。日露関係を戦略的に改善して、アメリカが傍観する可能性の中で、日本は中国の侵攻に備えなければならないのである。4つの戦争の発火点の主導権は中国の側に有る。日本はロシアとの関係改善で最悪の危機を回避できるのである。ここはアメリカ政府が反対しても対ロシア外交を前進させなければならないのである。アメリカの反対で、安倍首相が日和見を決め込まないことを期待するしかない。

ロシアを中国の方に追いやる欧米の外交に疑問!

アメリカがウクライナの野党をたきつけてグ―デターをやらせ、ウクライナにNATOの基地を作ろうとしたことは、アメリカの戦略的失敗であった。ロシアは一党支配を解体しているが、元社会主義国は資本主義化には時間がかかるのである。

アメリカはウクライナの取り込みを策してプーチンのロシアを地政学に目覚めさせ、クリミア半島の併合とその後の欧米の経済制裁は、みずからロシア市場を中国の方に追いやる事となった。その結果ロシアと中国の海軍が南シナ海で実弾を使用する八日間の合同軍事演習まで行うまでになった。

北朝鮮の核兵器装備とロシア中国の軍事的接近は、アジアの親米国を安全保障上の危機に直面させることとなった。特に中国・北朝鮮・ロシアを同時に敵にする事になりかねない日本と韓国は二正面戦略を強いられるわけで、アメリカが内向きになっている下ではアジアの戦略的主導権は中国が握ることになる。

冷戦の崩壊は、修正主義のソ連とマルクス・レーニン主義の中国の国際共産主義の総路線を巡る対立から、中ソ対立から、ニクソン訪中となり、旧ソ連は崩壊した。今回はこれとは逆の中国とロシアの軍事同盟をアメリカがお膳立てしたように見える。オバマ政権の戦略が私には理解出来ない。ロシアも資本主義となり、中国も走資派指導部が資本主義をまい進している。この両国を同盟させてオバマにどのような戦略的利益が有ると言うのか?

ロシアと中国はどちらも戦略を持っている地域の大国である。ロシアは旧ソ連時代の勢力圏をできるだけ守ろうとし、中国は西太平洋とインド洋を自己の管轄海域にしようとの野望が有る。両国とも軍事同盟で後ろを気にせず戦略を追求できるので有るから、オバマ外交の戦略的失敗は明らかである。
戦略的に見るなら守りのロシアよりも、中国覇権主義の方がより危険であるのだが、今アメリカには国籍欲しさの中国人が大量のドルを持って押し寄せている。この目先の利益が、オバマの中国・ロシアの軍事同盟を軽視する理由が有る。

日本は対ロシア外交を前進させて、ロシアとの経済的相互依存関係を強化し、ロシアを中国から引きはがす外交が求められている。ロシアは経済規模から中国の数分の一であり、資源輸出国で中国のように覇権戦略を持っているのではない。貿易によってロシアの市場経済化を進める必要があり、アメリカのオバマは旧ソ連圏の東欧や中央アジア諸国の勢力圏組み込みだけに目が言って、世界の戦略関係が見えていないのである。

オバマはまるでロシア主敵だが、今世界で最も危険な侵略勢力は中国覇権主義だということが、オバマには見えていないことの危険を指摘しなければならない。安倍首相がプーチン大統領の訪日で対ロシア関係を前進させようとしていることは、日本が二正面を避ける上で死活的な重要性を持っていると言える。北方領土問題はこのさい重要ではない。アメリカ政府が安倍の対ロシア外交に反対しても、ここは前進させるべき時なのである。中国とロシアの関係にくさびを打ち込むことが日本の自立外交としては必要なのである。それが対米自立にも有利な事である。

中国とロシアの戦略的違いを認識せよ!

中国とロシアを「ならず者国家」として、東西の拡張主義と見る間違った論調が出ている。確かに中国のなん東シナ海と南シナ海を自己の内海化する米軍への接近拒否戦略と、ロシアの黒海の内海化による東地中海への進出戦略はよく似ている。

重要なのは似ている点を探すのではなくその戦略の中身が重要なのである。ロシアを地政学に目覚めさせたのは、ウクライナにおけるクーデターをアメリカが画策したからであり、クリミア併合に踏み切らせたのはウクライナをNATOに加入させようとしたアメリカの画策で有った。つまりロシアの黒海の内海化(接近拒否戦略)はアメリカの侵略から自国を防衛しようとする受身的なものであり、拡張主義の中国とは違う点を見なければならない。

新興の中国社会帝国主義は現在地球上でもっとも危険な侵略勢力となっており、西太平洋とインド洋を自己の管轄海域とし、世界覇権の分有をめざす本物の拡張主義である。中国の経済規模はロシアの数倍もあり、西側(=NATO)にはロシアは脅威とは言えない。しかしアジアにおいては日本や韓国やベトナムやフィリピンにとっては、ロシアを中国と同じように「ならず者国家」と位置付けるのは2正面に敵を作るようなものなのである。

つまりNATOのロシアへの経済制裁で、ロシアを中国の方へ追いやるアメリカのやり方はアジア諸国を戦略的危機に追い込むことなのである。ロシアの一党支配は崩壊しており、中国は未だに一党支配が現存している。この2国をわざわざ「東と西のならず者国家」として同一視する事に戦略の読めない陰謀家の存在をうかがわせる。

特に中国拡張主義の攻撃の矛先を受ける日本は、アメリカの支援が現状で当てにならない状況の中で、南の中国・北のロシアを同時に敵にするのは亡国路線そのものなのだ。つまりロシアと中国を同一視する危険を指摘しなければならない。重要なのは同一性ではなく相違性つまり(特徴的違い)に着目することが戦略的に重要で、特に親日のプーチンを重視して安倍首相にはロシアを取り込む外交努力を期待したいのである。反日の中国は軍事的に日本占領を想定しており、今外交で重要なのはロシアと中国の戦略的違いを認識し、この2国を分断することなのだ。

ロシアのシベリア地域は経済的に疲弊してかっては800万人いた人口が620万人まで急速に減少している。中国はこのシベリアを狙っており、ロシアは日本の資金と資源でシベリアを開発したいのである。日本は資源と市場を必要としている。日本とロシアの経済的利益は一致しており、ロシアと経済的に相互依存関係を強めることは、日本の安全保障上で何より重要なことなのである。
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