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ロシア北朝鮮の「窮地の同盟」のもたらすもの

4年半ぶりとなるロシアのプーチンと北朝鮮の金正恩の会談は、経済制裁で追い詰められた2つの独裁国家が、やむをえず手を握った「窮地の同盟」である。ロシアはウクライナ戦争で弾薬不足、北朝鮮は食料不足でミサイル技術も欲しい。互いに相手が必要とするものを大量に持っている。

ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記の首脳会談は、極東の宇宙基地を舞台に、「蜜月」を演出した。ともに国際社会から経済制裁を受け、軍事的脅威に直面する両国の首脳は「宇宙開発」の名のもと、弾薬・食料・技術支援など幅広い協力を進めることになる。北朝鮮はミサイル実験で失敗を重ねているので、この面でのロシアの技術支援が欲しいところだ。

金氏は「ロシアが今、覇権主義勢力に対抗し、主権と安全を守るため正義の偉業を繰り広げている」とウクライナ侵攻を続けるロシアの姿勢を支持し、ロシアは国連での北朝鮮制裁を認めないことを約束した。

中国は、過去に北朝鮮の中国外交官を手なずけて影響力を拡大しようとしたが、金正恩が親中国派官僚を全員銃殺したことで、中国は北朝鮮の核・ミサイル開発には協力しなかった。ただアメリカとの約束で半島の緩衝地帯として現状維持を図っただけであった。中国政府は欧米日と経済の依存面が深く、ウクライナ戦争でもロシアには経済的に支援はするが、表だって武器支援を行わなかった。

しかし台湾・尖閣問題が軍事的緊張を高める中で、最近はロシア・北朝鮮との関係を改善しつつあった。ロシアと北朝鮮の同盟強化は、中国にとりウクライナにおける消耗戦が長引けば、自国に戦略的に有益であるので、中国はロシアと北朝鮮の同盟強化は歓迎しているであろう。

ウクライナ戦争は消耗戦となり、双方が弾薬不足となっている。アメリカは貯蔵していた弾薬が底をつき始め、日本に朝鮮戦争時の特需とおなじように、弾薬生産と供給を期待していたが、岸田首相が武器以外の支援にとどめたため、アメリカ政府の岸田評価が急落したと言われている。欧州諸国も援助疲れが出始めている。

ロシアが弾薬不足を北朝鮮からの供給で解決すれば、ウクライナの反転攻勢が膠着状態を打破できず、冬の季節に入れば、ウクライナの戦線は降雪で泥沼になり、戦争継続は難しくなる。ウクライナ側もロシア側も停戦の声が高まる可能性がある。そうした意味で北朝鮮のロシアへの軍事支援の規模が今後のウクライナ戦争行方のカギを握ることになるであろう。

アメリカのバイデンも、大統領選が始まるまでに停戦したいところだが、共和党がバイデンの次男のウクライナ汚職で弾劾訴追を行う姿勢を示しているので、再選を果たすためには、ウクライナ戦争の出口を探りたいところではある。もしウクライナ戦争が泥沼になれば、共和党のトランプが選挙戦で優位になる可能性があるだけに、消耗戦を続けるのか、停戦するのかの、バイデンの判断が注目される。
#ウクライナ戦争 #ロシアと北朝鮮
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コメント

なるほど!

 北朝鮮はウクライナ戦争で特需にありつくわけですね。これで日本は中国、北朝鮮、ロシアの3正面に敵を作ったわけです。困ったことに政府がこの深刻さを理解していないことです。日本は核保有国ばかり敵にして、第2の広島・長崎が生れる可能性があります。岸田さんしっかりしてください。

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