世界の対立分割は米戦略の失敗が明らかに!
ウクライナ戦争をめぐる外交的駆け引きが活発化している。それは以下の動きである。
・プーチン大統領は年次教書演説で、ウクライナでの特別軍事作戦についてロシアの安全保障に関する提案は欧米諸国に否定されたと述べ「戦争を始めたのは西側諸国で、ロシアはそれを止めるために武力を行使している」とのべた。
・またプーチン大統領は年次教書演説で、アメリカとの核軍縮合意、新戦略兵器削減条約(新START)について「参加を停止する」と述べた。締結時と環境が激変したと説明し「全て米国の責任だ」と主張した。プーチンはウクライナでの核兵器使用もあり得ることを示唆。警告したのである。
・2月20日バイデンアメリカ大統領はウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問した。ゼレンスキー大統領と会談し「(アメリカは)ここにいる。我々は離れない」と断言し、ウクライナ支援の機運を再び盛り上げた。
・ブリンケン米国務長官が18日、中国外交担当トップの王毅(ワン・イー)氏との会談でロシアへの殺傷力のある軍事支援の計画に強く反対し、警告した。
・報道によると、ロシアのパトルシェフ国家安全保障会議書記は21日、モスクワを訪問中の中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員と会談した。インタファクス通信によると、パトルシェフ氏は「西側がロシアと中国の封じ込めに動いており、国際舞台でロシアと中国の協調と協力を深化させる必要がある」と話した。
パトルシェフ氏はプーチン大統領の最側近で、ウクライナ侵攻の決定にも関与したとされる。パトルシェフ氏は「世界の支配を維持しようとする西側は、世界の多極化への移行に抵抗する」と述ている。ロシア側は習近平(シーチンピン)国家主席の訪ロも呼びかけている。
ロシア軍のウクライナ侵攻から1年がたち、ウクライナ戦争が欧米対中ロの覇権争いの代理戦争の様相をますます強めてきた。問題はアメリカが仕掛けたこの戦争が、戦略的にはアメリカの失敗に終わる可能性が強くなっていることだ。中ロの側に中東産油国が付いたことで、ロシアは経済制裁を迂回貿易で克服し、むしろ制裁で欧州の経済的打撃が大きく、長期戦はエネルギーを握る方が優位に立つ図式が明確になってきたことだ。
アメリカはウクライナ戦争で穀物も石油も天然ガスも兵器も、欧州などへ高値で売却してぼろ儲けだが、欧州経済はこれまで安いロシア産エネルギーに依存してきただけに、経済的打撃が大きい。欧州各国で極右勢力が台頭していることもあり、欧州における政治的流動化が、欧州のアメリカ離れにつながるのか?あるいは極右政権誕生による戦争拡大の可能性もある。
戦略的に見るなら、アメリカのNATO拡大によるロシア挑発は、ウクライナ侵攻に誘い込み、ロシアを経済的に疲弊させ、プーチンを追い落とす、という政治的狙いは失敗した。欧米対中ロの世界の2分割は、世界の多極化であり、覇権国のアメリカには痛手となる。戦略的には中国だけが安上がりなエネルギーを手に入れて、経済的な優位を確立する可能性がでてきた。バイデンは自分の利権であったウクライナをけしかけて、戦略的不利を招いたのである。
岸田首相は20日、東京都内で開かれたシンポジウムであいさつし、ウクライナに対する55億ドル(約7370億円)の追加財政支援を実施すると表明した。これは5月に広島で開くG7首脳会議(広島サミット)に合わせたものであるが、日本政府のウクライナ全面支持は、アジアにおける日本の安全保障を危機に直面させている。アジアで日本は核保有国ばかり3正面に敵を作る結果となった。岸田は国家安全保障の戦略がまるで見えていない。
戦争は、時に仕掛けた方が戦略的不利を招くものである。ウクライナ戦争をめぐる外交での活発な動きが示すものは、欧米がウクライナへの軍事援助を見せることで、停戦をにらんでいることを示すものである。岸田首相の戦略眼の無さが、ウクライナ全面支持で、これまでの一強政治家の中国・ロシアへの経済的権益拡大をすべて失う可能性が出てきた。大国の戦略の修正も見抜けぬ者が、戦略的不利に立つ側を不用意に全面支持することの愚劣を知るべきであろう。
#ウクライナをめぐる外交戦
・プーチン大統領は年次教書演説で、ウクライナでの特別軍事作戦についてロシアの安全保障に関する提案は欧米諸国に否定されたと述べ「戦争を始めたのは西側諸国で、ロシアはそれを止めるために武力を行使している」とのべた。
・またプーチン大統領は年次教書演説で、アメリカとの核軍縮合意、新戦略兵器削減条約(新START)について「参加を停止する」と述べた。締結時と環境が激変したと説明し「全て米国の責任だ」と主張した。プーチンはウクライナでの核兵器使用もあり得ることを示唆。警告したのである。
・2月20日バイデンアメリカ大統領はウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問した。ゼレンスキー大統領と会談し「(アメリカは)ここにいる。我々は離れない」と断言し、ウクライナ支援の機運を再び盛り上げた。
・ブリンケン米国務長官が18日、中国外交担当トップの王毅(ワン・イー)氏との会談でロシアへの殺傷力のある軍事支援の計画に強く反対し、警告した。
・報道によると、ロシアのパトルシェフ国家安全保障会議書記は21日、モスクワを訪問中の中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員と会談した。インタファクス通信によると、パトルシェフ氏は「西側がロシアと中国の封じ込めに動いており、国際舞台でロシアと中国の協調と協力を深化させる必要がある」と話した。
パトルシェフ氏はプーチン大統領の最側近で、ウクライナ侵攻の決定にも関与したとされる。パトルシェフ氏は「世界の支配を維持しようとする西側は、世界の多極化への移行に抵抗する」と述ている。ロシア側は習近平(シーチンピン)国家主席の訪ロも呼びかけている。
ロシア軍のウクライナ侵攻から1年がたち、ウクライナ戦争が欧米対中ロの覇権争いの代理戦争の様相をますます強めてきた。問題はアメリカが仕掛けたこの戦争が、戦略的にはアメリカの失敗に終わる可能性が強くなっていることだ。中ロの側に中東産油国が付いたことで、ロシアは経済制裁を迂回貿易で克服し、むしろ制裁で欧州の経済的打撃が大きく、長期戦はエネルギーを握る方が優位に立つ図式が明確になってきたことだ。
アメリカはウクライナ戦争で穀物も石油も天然ガスも兵器も、欧州などへ高値で売却してぼろ儲けだが、欧州経済はこれまで安いロシア産エネルギーに依存してきただけに、経済的打撃が大きい。欧州各国で極右勢力が台頭していることもあり、欧州における政治的流動化が、欧州のアメリカ離れにつながるのか?あるいは極右政権誕生による戦争拡大の可能性もある。
戦略的に見るなら、アメリカのNATO拡大によるロシア挑発は、ウクライナ侵攻に誘い込み、ロシアを経済的に疲弊させ、プーチンを追い落とす、という政治的狙いは失敗した。欧米対中ロの世界の2分割は、世界の多極化であり、覇権国のアメリカには痛手となる。戦略的には中国だけが安上がりなエネルギーを手に入れて、経済的な優位を確立する可能性がでてきた。バイデンは自分の利権であったウクライナをけしかけて、戦略的不利を招いたのである。
岸田首相は20日、東京都内で開かれたシンポジウムであいさつし、ウクライナに対する55億ドル(約7370億円)の追加財政支援を実施すると表明した。これは5月に広島で開くG7首脳会議(広島サミット)に合わせたものであるが、日本政府のウクライナ全面支持は、アジアにおける日本の安全保障を危機に直面させている。アジアで日本は核保有国ばかり3正面に敵を作る結果となった。岸田は国家安全保障の戦略がまるで見えていない。
戦争は、時に仕掛けた方が戦略的不利を招くものである。ウクライナ戦争をめぐる外交での活発な動きが示すものは、欧米がウクライナへの軍事援助を見せることで、停戦をにらんでいることを示すものである。岸田首相の戦略眼の無さが、ウクライナ全面支持で、これまでの一強政治家の中国・ロシアへの経済的権益拡大をすべて失う可能性が出てきた。大国の戦略の修正も見抜けぬ者が、戦略的不利に立つ側を不用意に全面支持することの愚劣を知るべきであろう。
#ウクライナをめぐる外交戦
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コメント
岸田は頼りないです
安全保障のことが分かっていない。アメリカに胡麻をするだけのような気がする。日本は周り全て敵ですね。ロシアだけでも中立にすると言う意識もないのか?
No title
そうか武器支援は停戦を促すためかなのですね。
早く停戦した方が双方にいいと思う。
日本は危険な局面ですね。
早く停戦した方が双方にいいと思う。
日本は危険な局面ですね。
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