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妥協が難しいウクライナ消耗戦

ロシアのプーチン大統領は19日に訪問したイランの首都テヘランで、イランの最高指導者ハメネイ師やライシ大統領と会談した。ロシアが2月に始めたウクライナ侵攻をめぐって足並みをそろえ、米国に対抗していく姿勢で一致した。

プーチン氏はハメネイ師との会談で、ウクライナ侵攻について「西側諸国の態度が我々に反撃という選択肢を取らせた」と主張。米欧による対ロシア制裁が「原油価格の高騰や食料危機といった逆効果を招いている」と語った。

ハメネイ師は「戦争で一般市民が苦しむことは望まない」と述べる一方で、北大西洋条約機構(NATO)を「危険な存在だ」と指摘。「もしロシアが主導権を取っていなければ、彼らが戦争を仕掛けてきただろう」と強調した。

18日付米紙ニューヨーク・タイムズは、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍への支援でイラン政府が最大300機の無人機を供与する準備を進め、月内にもロシア兵の訓練を始める可能性があると、複数の米政府当局者の話として報じた。

南米パラグアイのカノ外務副大臣は20日、同国で21日から開かれる南米南部共同市場(メルコスール)首脳会議へのウクライナのゼレンスキー大統領からのオンラインでの参加要請を断ったと明らかにした。地元メディアなどが伝えた。

バイデン米大統領も出席した中東、湾岸協力会議(GCC)の拡大首脳会議は16日、終了後に声明を発表し「エネルギーを巡る安全保障と市場安定化の重要性」を強調した。バイデン氏が主要産油国に期待した原油増産に関する新たな具体策への言及はなく、原油の高騰は続くとみられる。ドイツへのロシアの天然ガス供給はストップしており、欧州のエネルギー危機は冬に向けて深刻化する。

つまりユーロ圏の拡大を阻止するためにバイデンが仕掛けた挑発によるロシア経済消耗戦は、アジア、中東、中南米、アフリカがロシア・中国側寄りとなり、欧米G7側が資源の高騰で経済制裁を逆に受ける形となり、中国だけが軍事力増強の時間を稼ぎ、戦略的利益を受ける形となっている。

今年秋に中間選挙を控えるアメリカは、ウクライナ戦争を停戦するわけにはいかない。ロシアもNATOのこれ以上の拡大は許さない決意をしており、両陣営にとって経済破綻に向かいつつある事態が続くことになる。このまま第3次世界大戦に突入するのか、双方が妥協を模索するのか?注目される点である。ウクライナのゼレンスキー大統領はNATO加盟でロシアを挑発し、一時は英雄気取りであったが、このまま消耗戦を続ければ、ウクライナは廃墟になる。彼は「亡国の徒」になりつつある。

ロシアのプーチンは以前から旧ソ連領のウクライナが譲れないラインであることを表明していたし、広範なロシア国民はNATOのこれ以上の拡大は許さない、という点でプーチンを固く支持している。むしろ経済危機を背景にした世界的な独裁傾向の高まりが、クーデターで親米国化を図るアメリカの政治手法に世界の指導者が反発している中で、今やロシア側が経済制裁している形になりつつある。アメリカは覇権を失いたくないなら、やがて停戦を選択するほかないであろう。消耗戦は資源を握る独裁国家の方が有利なのである。
#ウクライナ消耗戦
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コメント

No title

 外交をもてあそび、ロシアを挑発して国土を荒廃させた責任が問われるべきです。アメリカもロシアも双方に問題があるように思います。
 戦争による国境線の変更の時代であり、この戦争を世界に拡大しないでもらいたい。

No title

 戦争を拡大させないでいただきたい。
 破壊と殺戮だけで憎しみしか生み出さない。

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