ウクライナ戦争で誰が戦略的利益を得るのか?
北欧のフィンランドとスウェーデンは18日、北大西洋条約機構(NATO)加盟の申請書をブリュッセルのNATO事務局に提出した。ウクライナを侵略したロシアの脅威が高まっているのを受け、北欧2カ国は伝統的な軍事中立路線を大きく転換させたのだが、まさにウクライナへのロシア軍の侵攻は、ゼレンスキーのNATO加盟表明が引き金になった。つまり北欧2か国のNATO加盟表明はロシアへの新たな軍事挑発なのである。
北欧2カ国は、トルコが19年に少数民族クルド人の民兵組織「人民防衛部隊」と戦闘状態になった時に、トルコへの武器輸出を禁じた。トルコのエルドアン大統領は16日、「トルコに制裁を科している国のNATO加盟にイエスとはいえない」と述べた。NATOは全会一致制なので、北欧2か国の加盟は実現しない。重要なことは一つの矛盾が別の矛盾を生み、ますます世界が不安定になることだ。
中国も北欧フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対している。中国共産党系メディアは欧州が「火薬庫」になると主張し、中国外務省は中国との関係にも影響を与えると牽制(けんせい)した。NATOの拡大が将来中国包囲網になると懸念しているのである。
NATOが東方拡大で旧ソ連圏の国を吸収したことが欧州の安全保障をめぐる矛盾を高めており、さらにNATOを北欧に拡大することで、ロシアとの対立が起きる可能性が高まる。ロシアは隣国がNATO軍の侵略拠点となることは絶対に認めないであろう。プーチンはロシアの安全が脅かされるなら核兵器を使用することを表明している。
ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は17日、ロシアの核兵器は「近代化され、信頼でき、効果的」な状態にあるとし、侵略を受けた場合には反撃に使用すると述べた。欧州でのバイデンが企む戦争拡大は核戦争の危険を高めているのである。欧米の軍事援助がロシアの軍事的劣勢を産めば、ロシアは戦術核で焦土戦術をとることはあり得ることである。ロシアは隣国をNATOの侵略拠点にしなければ軍事目的は達成できるからである。
ウクライナ戦争でアメリカは経済的に潤うが、戦略的利益は中国が独り占めすることになる。ロシアを貿易で支えれば、中国包囲網は形成できないのである。しかもロシアの中国依存は強まるのである。アメリカは当分の間はアジアを戦略的・軍事的に放置するほかない。中国はその間に海軍力と空軍力の増強の時間を獲得できる。
アメリカがウクライナでのロシア軍の戦争犯罪を宣伝すればするほど、中東の人々はアメリカがイラク戦争で民間人200万人を殺したこと、シリア難民を欧州が追い返したことに反発を強め、今や資源輸出国の多くがロシア・中国陣営なのである。ウクライナ戦争の長期化は欧州や日本が経済的打撃を受けることになる。つまりバイデンの対ロシア弱体化は世界戦略から見れば明らかに失敗なのである。
アメリカは穀物・石油・兵器が高価に売れて一時的に経済的に潤っても、戦略的には失敗となる。特にアメリカがアジアに戦略的重点を置けなくなり、アジア諸国は3正面(=中国・ロシア・北朝鮮)に核保有国を持つことになった。これがアジア諸国がアメリカ支持を打ち出さない理由である。アジア諸国の多くはアメリカがアジアに対立を持ち込むことを警戒している。バイデンが今回の韓国と日本訪問で何を語るのか大いに注目される。
物事には2側面があり、戦争も片方のプロパガンダだけを見ては、その戦争の本質を理解できない。アメリカサイドの宣伝のみ信じてはいけないのである。日本国民は、対米自立しなければ日本がウクライナのようにアメリカに使い捨てにされる危険に気付いている。日本は対米自立しなければ平和を維持できない局面が生まれてきているのである。
#ウクライナ戦争と戦略的変化
北欧2カ国は、トルコが19年に少数民族クルド人の民兵組織「人民防衛部隊」と戦闘状態になった時に、トルコへの武器輸出を禁じた。トルコのエルドアン大統領は16日、「トルコに制裁を科している国のNATO加盟にイエスとはいえない」と述べた。NATOは全会一致制なので、北欧2か国の加盟は実現しない。重要なことは一つの矛盾が別の矛盾を生み、ますます世界が不安定になることだ。
中国も北欧フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に反対している。中国共産党系メディアは欧州が「火薬庫」になると主張し、中国外務省は中国との関係にも影響を与えると牽制(けんせい)した。NATOの拡大が将来中国包囲網になると懸念しているのである。
NATOが東方拡大で旧ソ連圏の国を吸収したことが欧州の安全保障をめぐる矛盾を高めており、さらにNATOを北欧に拡大することで、ロシアとの対立が起きる可能性が高まる。ロシアは隣国がNATO軍の侵略拠点となることは絶対に認めないであろう。プーチンはロシアの安全が脅かされるなら核兵器を使用することを表明している。
ロシア前大統領のメドベージェフ安全保障会議副議長は17日、ロシアの核兵器は「近代化され、信頼でき、効果的」な状態にあるとし、侵略を受けた場合には反撃に使用すると述べた。欧州でのバイデンが企む戦争拡大は核戦争の危険を高めているのである。欧米の軍事援助がロシアの軍事的劣勢を産めば、ロシアは戦術核で焦土戦術をとることはあり得ることである。ロシアは隣国をNATOの侵略拠点にしなければ軍事目的は達成できるからである。
ウクライナ戦争でアメリカは経済的に潤うが、戦略的利益は中国が独り占めすることになる。ロシアを貿易で支えれば、中国包囲網は形成できないのである。しかもロシアの中国依存は強まるのである。アメリカは当分の間はアジアを戦略的・軍事的に放置するほかない。中国はその間に海軍力と空軍力の増強の時間を獲得できる。
アメリカがウクライナでのロシア軍の戦争犯罪を宣伝すればするほど、中東の人々はアメリカがイラク戦争で民間人200万人を殺したこと、シリア難民を欧州が追い返したことに反発を強め、今や資源輸出国の多くがロシア・中国陣営なのである。ウクライナ戦争の長期化は欧州や日本が経済的打撃を受けることになる。つまりバイデンの対ロシア弱体化は世界戦略から見れば明らかに失敗なのである。
アメリカは穀物・石油・兵器が高価に売れて一時的に経済的に潤っても、戦略的には失敗となる。特にアメリカがアジアに戦略的重点を置けなくなり、アジア諸国は3正面(=中国・ロシア・北朝鮮)に核保有国を持つことになった。これがアジア諸国がアメリカ支持を打ち出さない理由である。アジア諸国の多くはアメリカがアジアに対立を持ち込むことを警戒している。バイデンが今回の韓国と日本訪問で何を語るのか大いに注目される。
物事には2側面があり、戦争も片方のプロパガンダだけを見ては、その戦争の本質を理解できない。アメリカサイドの宣伝のみ信じてはいけないのである。日本国民は、対米自立しなければ日本がウクライナのようにアメリカに使い捨てにされる危険に気付いている。日本は対米自立しなければ平和を維持できない局面が生まれてきているのである。
#ウクライナ戦争と戦略的変化
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アメリカはイラク戦争の後遺症で戦争できないので傭兵を送り込み、ウク ライナに闘わせています。日本はウクライナの二の舞は避けるべきです。