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習近平の経済政策は失敗しつつある!

 中国のデジタル企業、アリババやテンセント、京東(JD)美団などの先端産業は急速な発展を遂げた。これに習近平は目をつけ、これら民間企業を自己の支配下に置き、国家経済全体をデジタル化する。これが習近平の「デジタル強国化」の構想であった。

 また習近平は急激に発展した恒大集団などの不動産会社が、利益重視から投機のためのマンション建設が広がり、事実上の経営破たんをしたことで、中国経済の牽引役だった不動産・建設業を整理し始めた。

 習近平の目には、ネットでの商品販売は在庫が売れ残れば大量に破棄し、あるいは原価割れでたたき売りすることは無駄でしかない。また投機目的でマンションを建設する不動産業も無駄でしかない。だからすべてを国家が管理し、それで経済権益をも自分たちが支配する。これが国営企業重視の習近平の考えた「デジタル強国化」の政策であった。

 習近平がアリババの馬雲(ジャック・マー)氏を目の敵にして弾圧したのは、「デジタル強国化」の名でデジタル企業、アリババやテンセント、京東(JD)美団などの先端産業を国家管理する狙いがあったのである。ところがこうした習近平の政策は、デジタル企業の大規模なリストラを招くことになった。恒大集団などの建設業も大量の失業者を発生させることになった。

 習近平は、民間の学習塾などの教育産業も「詰め込み教育を助長する」として厳しい統制策に乗り出し、義務教育段階での学校外での営利教育サービスを禁止した。この結果教育業界だけで1000万人もの失業者が出た。

 ところで中国の大学新卒者は昨年で909万人、2022年は1000万人を突破する。昨年の大卒者の内で正規職を得たのは約20%程度という。多くの若者が失業者となった。習近平の「国営企業重視」「デジタル強国化」の政策は民間企業に打撃を与え、大規模な雇用喪失の結果を生みつつある。

 習近平が脱炭素化を打ち出すと、地方の党幹部がこぞって石炭の採炭をやめてしまいエネルギー不足で大規模な停電になるなど、党官僚組織は自己保身から行き過ぎた行政措置となる。コロナ対策を見ても、オリンピックの成功が習近平の任期延長にかかわるので「万に一つの失敗もするな」と号令したら、行き過ぎた「ゼロコロナ」の政策になる。突然スーパーやマンションなどが閉鎖されたり、家をくぎ付けにしたり、ドアを溶接するさわぎになる。これこそ一党支配の弊害というべきで、習近平の経済政策が計画どおりの成果を上げられない理由なのである。

 アメリカとの貿易戦争が、習近平の「双循環政策」という内需重視の政策となっているのであるが、それが民間企業への統制強化となって、実際には民間企業を抑圧し、大リストラへと追い込んでいる点に、習近平が党内で孤立化しつつある理由なのである。
秋の党大会での任期延長と人事の大会だけに習近平が直面する困難は非常に大きいのである。

 習近平の「反腐敗」の運動で多くの幹部を失脚させられた江沢民派や胡錦濤派(団派)が、経済運営の失敗を口実に反撃に出る可能性が出てきている。習近平の経済政策の失敗が、尖閣諸島や台湾への強硬姿勢に転化する可能性を見ておくべきであろう。
#習近平の経済政策
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コメント

習の弱点は経済ですね

 官僚独裁の弊害は確かにあります。
  内政の困難を外交の強硬路線で交わす可能性が強い、というのは確かにあり得ます。

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