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アメリカの分断と対立は深刻化しつつ続く

アメリカ下院のマッカーシー議長(共和)が3日、解任された。下院議長は大統領継承順位で副大統領に次ぐ要職で、解任動議が可決されたのはアメリカ史上初めてという異例の事態となった。アメリカの予算案をめぐる議会の混乱は続く。

11月中旬までのアメリカの政府支出を賄うつなぎ予算案の可決をめぐり歳出削減が不十分と主張する同党保守強硬派のゲーツ議員が解任動議を主導した。ゲーツ下院議員を含めて8人の共和党議員が賛成に回り、民主党の賛成票と合わせて過半数を獲得した。

共和党優位の下院(定数435、欠員2)の議席構成は共和221議席―民主212議席で、共和党のリードは9議席にすぎない。共和党から8人の造反が出て解任動議に賛同し、民主党がそれに合流したことで、マッカーシー氏は議長の座を追われることになった。

アメリカ議会では来年の大統領選の前哨戦の様相を示しており、妥協が難しくなっている。今後新たな追加予算案や2024年会計年度の本予算案の成立が不可欠だが、マッカーシー議長の解任で勢いづく強硬派がさらなる削減を求め、審議が混乱すれば、政府機関閉鎖の危機が再び訪れるのはさけられない。バイデン政権が求めるウクライナ支援向け追加予算案の行方も分からなくなってきた。

トランプ前大統領は3日、自身のSNSに「なぜ内輪もめばかりして、アメリカを破壊している極左の民主党と闘わないのか」と投稿し、共和党の党内対立から距離を置く姿勢を示した。トランプは、党の混乱が有権者に負の印象を与えることを危惧したとみられる。

来年の大統領選は、刑事被告人のトランプと、ぼけ老人のバイデンの対立となるのが確実だが、バイデンはトランプを民主主義の破壊者で過激派の運動と批判しているが、アメリカ国民の中にはバイデンが高齢すぎること、副大統領があまりにも人気がないことに不安が出ている。有力な新人候補が出てこれない制度であることも、混迷する事態となっている。

アメリカでは物価高への不満が広がり、犯罪の増加などから、中南米からの移民の流入に反対する声が高まり、またウクライナ戦争への巨額の支援への不満もあり、予算案をめぐり議会での対立が激化している。共和党右派はトランプ支持であり、アメリカ第一主義で外国のために予算を使うことへの反発がある。

アメリカ国内では産軍複合体と金融資本、IT企業など成長産業が民主党支持であり、経済成長から取り残された鉄鋼産業などの「錆びたベルト地帯」や農業などの白人が共和党支持となっている。成長産業は安上がりの労働力として中南米からの移民に賛成だが、錆びたベルト地帯の労働者は雇用を奪われるとして移民反対が強い。

アメリカ国内の分断と対立は深刻で、トランプ派の過激派は武装しており、一つ間違うと内戦になりかねない。バイデンは大統領に就任したときに、分断と対立を解消することを約束したが、何もしなかった。発展から取り残された人民への政治経済政策での配慮が必要であった。

そもそも議会は、階級間の利害調整のためのものであるのだが、アメリカ議会では、その機能が発揮できないほど対立が激しいということだ。バイデンが無能であるので、アメリカの混迷は今後も続く可能性が強い。もはやアメリカが一国で覇権を維持することは難しくなった。
欧州における戦争、アメリカの政治的混迷、中国の経済危機、発展途上国の騒乱、世界は多極化の中で対立と混迷の時代に入っている。
#アメリカの分断と対立
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今中国で何が起きているのか!

<個人独裁目指す危うい習近平の粛清路線!>
月刊誌「選択」10月号は「習近平の中国軍粛清再び」と題した注目すべき記事を掲載している。それによると秦剛外相、李尚福国防相以外に多くの軍幹部が規律部門の取り調べを受けているという。

同記事の内容によると、一連の幹部の失脚は(1)習近平の台湾への武力侵攻に慎重論を唱えたことが、習近平の逆鱗に触れた。(2)ウクライナ戦争でロシア軍の兵器の性能が低いことが明らかになり、習近平が中国軍の武器の総点検を命じたところ、軍の装備発展部が膨大な予算を使いながら、開発した兵器の性能が報告より劣ることが明らかになり、すべての軍装備開発部の幹部とその発注先が取り調べを受ける事態となっているという。

中国政府が北朝鮮など第3国を通じてロシアに密かに提供したミサイルの性能が、命中精度が低いだけでなく、射程距離も公表よりも短いことが分かり、ロシアから不満が出されたという。つまり習近平は台湾進攻を計画していたのに、中国軍の武器の性能が極めて劣悪で、軍の装備開発部が武器調達で不正を繰り返し、武器の性能を党中央に偽って報告していたことが数多く明らかになり、江沢民派の軍幹部を排除した粛清に続き、2回目の軍幹部の多量粛清となったようだ。

この「選択」が注目すべき点は、習近平の粛清が太子党幹部の排除を目指していると報じている点である。習近平は自分が幹部の親の遺産で成り上がっている太子党であるのに、自分の支持基盤である太子党(=いわゆる2世幹部)を排除することは、リスクが大きいと思えることだ。

習近平が他派閥をすべて排除し、自分の側近のみ抜擢すれば、台湾侵攻に反対する意見はなくなるかもしれないが、それは「石を持ち上げて自分の足の上に落とす」行為に等しいのであり、危ういと言うほかない行為である。

同記事によると、北京の共産党関係者の間で出回っている、李尚福国防相関連で、党の規律部門の取り調べを受けている幹部のリストによれば、元装備発展部幹部、ロケット軍関係者、中国兵器集団会長の劉石泉、中国航天科工集団会長の袁傑中国兵器装備集団社長の陳国えい、元中国航空工業集団会長の譚端松らが含まれているという。つまり中国軍の兵器調達先がすべて調査対象となっている。ここから言えることは中国軍が配備しているほとんどの最新兵器が、その性能が著しく劣るものであるということである。

つまり習近平の台湾進攻計画は、少なくない幹部の反対に合っていること、中国軍の兵器の性能が公表よりも著しく劣るものであること。このことから当面習近平政権は、戦狼外交は見せかけで、当分の間はアメリカとの対話路線を選択するほかないようである。

問題は、習近平の粛清が行き過ぎと思われるほど苛烈であること、とりわけ粛清が太子党幹部を一掃するものであるなら、失脚に直面する軍幹部が、起死回生の反撃に立ち上がる可能性もでて来るであろう。習近平は極めて危ういことに手を染めているというほかない。中国経済の危機が深刻なので、「反腐敗」のスタンスが必要なのはわかるが、何事もやり過ぎがこの国の特徴なので、習近平が墓穴を掘ることになる可能性が出てきたといえる。
#窮地の習近平政権

ウクライナ支援めぐり混迷深めるアメリカ議会

アメリカ政府機関の閉鎖を回避するため.9月30日夜に可決・成立した「つなぎ予算」でウクライナ支援が除外されたのを受け、バイデン大統領は1日、「ウクライナ支援を途切れさせるわけにはいかない」とし、ウクライナ支援は「民主、共和両党の大部分が支持しているものだ」とし、支援継続に頑強に反対することで政治的影響力を高めようとしている下院共和党の保守強硬派に対し、「ゲームをやめるべきだ」と訴えた。

今後、本予算審議で新たなウクライナ支援の支出が認められなければ、ウクライナ軍が対ロシア反転攻勢で必要とする兵器の供給に影響する恐れがあり、朝鮮戦争型停戦の可能性が出て来るかも知れない。

一方、保守強硬派の中心人物であるゲーツ下院議員は同日、つなぎ予算成立は共和党のマッカーシー下院議長が民主党と妥協したためだなどとして、マッカーシー氏の解任を求める考えを示した。マッカーシー氏は今年1月の議長選出時、造反した保守強硬派を懐柔するため、議長解任動議の手続きを簡素化することを約束した経緯がある。ゲーツ氏の発言を受けてマッカーシー氏は1日、「私は生き残る」と語ったが、党内が一層混迷する可能性もある。

アメリカ議会は来年の大統領選に向けた前哨戦の様相を強めており、バイデンが挑発し,始めたウクライナ戦争が泥沼となり、ウクライナ支援の予算案が膨れ上がる中で、アメリカ国民が物価高で苦しんでいることで、ウクライナ支援が大統領選の争点として政治問題化することは避けられない。

バイデン大統領は、トランプ候補の起訴で人気が上昇すれば、前回選挙の再来となり、再選に有利として再選戦略を進めてきたが、ウクライナ戦争による物価上昇が計算外で、支持率が急落し、今回はウクライナ武器支援が大統領選の争点として浮上したことで窮地に陥っている。

今後、つなぎ予算の期限が切れるまでに本予算が議会を通過する可能性はなく、アメリカ議会の対立と混迷は続く可能性がある。欧州諸国もウクライナへの援助疲れが顕著になっており、ウクライナ政府は追い詰められてる。

ロシア・中国連合に、中東など資源輸出国が非米連合を形成しているので、ウクライナ戦争は欧米側の戦略的不利が明らかになってきた。これをアメリカが打破するのは米軍派兵なしには難しいが、ロシアは核大国であり派兵はできそうもない。アメリカ大統領選は、アメリカ第一主義のトランプに有利な局面が出来つつあるといえる。
#ウクライナ武器支援

習近平の恐怖政治をどう捉えるべきか?!

深刻な経済危機の中で、中国の外交部部長(外務大臣)が突然姿を消し、続いて国防大臣が消えた。報道によれば腐敗追及ではないかとされているが、これも推測でしかない。姿を消しているのは大臣ばかりではない。ゼロコロナ政策に反対し、「白紙革命」のデモに参加した青年たちが次々姿を消している。

経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は28日夜、創業者で会長の許家印氏が法令違反の疑いで当局から強制措置を受けたと発表した。具体的な容疑は明らかにしていないが、拘束されたり逮捕されたりした可能性がある。

こうした習近平ファシスト政権の恐怖政治をどうとらえるかは、重要なことである。日本の政治評論家たちが「文革の再来だ」といっているのはとんでもない間違いで、そもそも文革の政治的意味も理解していない間違った評論である。

文革は毛沢東が官僚独裁が不可避と見て、上から行った一党支配打倒の予行演習であった。したがって、毛沢東は自分の死後、「四人組」がクーデターで打倒されることも承知の事であった。

現在の中国の経済危機は、一つには文革の中で進めた全人民所有制が市場経済化と矛盾していることであり、二つは、米中経済摩擦とりわけアメリカの先端半導体封鎖の影響があり、三つは、不動産業への抑圧や、私的教育への禁止、ゼロコロナ政策の誤り、などの習近平の政策的誤りの結果の経済危機である。中国における失業率には農民工が入っていない。実際の失業率は30%を超えると言われている。

経済危機の中で習近平が怖れているのは第一に、反腐敗を口実にたたき潰した江沢民派や団派の幹部たちの暗殺行動であり、事実習近平を狙った暗殺未遂事件が12件も起きている。第二に、習近平が怖れているのは、官僚独裁を打倒する人民の大衆運動(=文革)である。白紙の紙を掲げて公然と習近平の打倒を掲げた白紙革命は、習近平には文化大革命の再来であり、悪夢なのである。

習近平政権は失業に苦しむ若者たちが白紙革命のようなデモに立ち上がることを怖れており、それゆえ日本政府の福島原発の処理水放出を「核汚染水」と称し大々的に批判キャンペーンを展開した。しかし中国人民の反日デモは許さず、嫌がらせの電話攻勢にとどめているのは、文革派が反日デモを利用することを怖れているのである。

つまり習近平の恐怖政治は、個人独裁を恐怖政治のレベルまで高め、いかなる反抗も許さないことを表明しているのであり、それは習近平ファシスト政権の強さの表れではなく、脆弱性の現れである。

毛沢東が官僚独裁を標的とした奪権闘争の予行演習であった文革の中で、「文革は何回も行わねばならない」と語っていることは習近平も承知しており、彼は人民大衆が「造反有理」(=反乱には道理がある)のスローガンを掲げる文革を何よりも恐れている。毛沢東が人民運動としての文革を決意したのは、官僚独裁が容易にファシスト政権に成長するということを理解したからであった。

中国共産党の歴史は、右から左へ、左から右への路線闘争の歴史であり、多くの中国共産党員が、次は右から左への路線転換であることを理解している。ゆえに習近平ファシスト政権が現状の経済危機を切り抜けられないとき、彼の軍事的冒険主義の矛先が台湾と沖縄に向かられる危険を指摘しなければならない。習近平が「習近平思想」の学習運動を党内に提起しているのは、文革と同じ手法で大衆を惑わし、個人独裁を目指しているにすぎず。これを「文革と同じ」と評論する日本の評論家たちのお粗末な分析を指摘しなければならない。

中国がロシアと同じ共産党の解体に進むのか?それとも継続革命路線への回帰を成し遂げるのかは不明であるが、来年の台湾の総統選で中国寄りの政権が生まれないとき、習近平政権が内的矛盾を外的矛盾に転化する可能性は極めて高いと見た方がいい。
#習近平の独裁

経済成長路線をとる中で社会問題を解決せよ!

少子化問題にせよ、労働力不足にせよ、非正規雇用問題にせよ、頭脳の国外流出問題にせよ、日本のあらゆる社会問題は、経済から問題を解決しなければいけない。国債を発行して、お金を企業にバラまいて解決できる問題ではない。増税を政策的目的にした財務官僚やその手先の政治家だけが、そうした手法をとるのである。

現在の日本における社会問題は、この30年間の強欲の資本主義の政策の結果である。したがって経済政策を転換しなければ、あらゆる社会問題の根本的解決にはならない。

バブル崩壊後の低成長路線が企業本来の設備投資による、科学技術の生産設備への応用による、相対的剰余価値の獲得を不可能にし、生産設備を労働賃金の安い海外に移すというリストラ経営が、また反労組・反ストライキの間違った階級政策が、国内需要を縮小させ、日本の内需を持続的に縮小再生産のサイクルに追い込んだのである。

したがって現在の日本の社会問題を解決するには、反労組・反ストライキの反動的政策をやめ、労働力の価格が適正に規定できなくしている民主的制度の形骸化を除去しなければいけない。労働組合の経済闘争が経済成長の必要条件だということを理解できない者に政治権力を握らせてはいけないのである。

賃金を持続的に上げるには、アメリカのように労組のストライキが当たり前のように歓迎される社会にしなければいけない。資本主義はあらゆる商品が適正な価格でなければ売らない権利がある。労働力商品だけが、安くても食うために売らなければならない。労働力商品を労組を家畜化することでストライキを闘えなくすることで、毎年春闘で満額回答なのに、実質賃金が30年間低下し続けるバカな国は日本だけなのである。低賃金は利潤を拡大するのではなく、桁違いに高い利潤を生む相対的剰余価値の獲得を阻害するのである。

アメリカ経済が強いのは民主的な制度が確立しているので、内需が持続的に拡大しているからなのだ。すなわち日本の経済力が衰退を続けているのは、労働運動を経済成長の必要条件であるのに、治安対策としてしか理解できず、反労組の反動的施策を取り続けた愚かな自民党右派政権の国賊的施策の結果なのである。

その国賊的施策が隣国の宗教団体のコントロール下で行われたことが、日本の経済政策がゆがんだ理由であるなら、自民党は旧統一教会との関係をすべて明らかにして、民族的裏切りがどこにあったかを解明しなければならない。

経済が成長路線に回帰すれば、財源の自然増収が生まれるので、すべての社会問題が解決できるのである。労働者を貧困化すれば、また外国人を入れることで労働力不足を解決すれば、治安が崩壊するだけなのだ。経済成長路線に回帰させることが日本の社会問題を解決っできる唯一の道なのである。

自公幹部はアメリカの経済学者が作り上げた戦後労働改革の経済成長に果たした画期的役割を学ぶべきである。バイデンアメリカ大統領が、全米自動車労組のストライキの現場に乗り込んで、ストを支持したことに岸田首相は学ぶべきであろう。
#経済成長路線
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